JP2004197224A - 電気電子部品用金属材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属基材上の一部に樹脂皮膜を有する電気電子部品用金属材料。前記金属基材上に金属層を少なくとも1層有し、前記樹脂皮膜が前記金属基材上に、直接または前記金属層の少なくとも1層を介して設けられている電気電子部品用金属材料。前記金属基材または前記金属層が下地処理されている電気電子部品用金属材料。前記金属基材表面から樹脂皮膜表面までの高さが60μm以下である電気電子部品用金属材料。前記金属材料を用いた電気電子部品。
【選択図】 図1
Description
このような場合は、絶縁フィルムをシート状の所定寸法に裁断してケース内部に挿入する方法が行われていた(例えば、特許文献1参照)。しかし、高コストで製造方法も煩雑であるという問題点があった。
すなわち、本発明は、
(1)金属基材上の少なくとも一部に樹脂皮膜を有することを特徴とする電気電子部品用金属材料、
(2)前記金属基材上に金属層を少なくとも1層有し、かつ前記樹脂皮膜が前記金属基材上に、直接、または前記金属層の少なくとも1層を介して設けられていることを特徴とする(1)項記載の電気電子部品用金属材料、
(3)前記金属基材が下地処理されていることを特徴とする(1)項記載の電気電子部品用金属材料、
(4)前記金属基材、または前記金属層が下地処理されていることを特徴とする(2)項記載の電気電子部品用金属材料、
(5)前記金属基材表面から樹脂皮膜表面までの高さが60μm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気電子部品用金属材料、および、
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電気電子部品用金属材料が用いられたことを特徴とする電気電子部品
を提供するものである。
また、本発明の金属材料が用いられる、「電気電子部品」とは、それに限定されるものではないが、例えば、筐体、ケース、カバー、キャップなどが挙げられ、素子内蔵用低背化筐体がさらに好ましい。本発明の金属材料は、例えば、筐体を形成する場合には、金属基材の耐熱性樹脂皮膜形成面を内側にして形成することが好ましい。
また、本発明の金属材料が用いられる電気電子部品が好ましく内蔵する部品としては、それに限定されるものではないが、例えば、携帯機器などのプリント基板などに実装されるセラミック発振子、水晶発振器、電圧制御発振器、SAWフィルター、ダイプレクサ、カプラ、バラン、LPF、BPF、誘電体デュプレクサなどの個別部品やこれら個々の素子を複数内蔵させた各種モジュール部品(アンテナスイッチモジュール、フロントエンドモジュール、RF一体型モジュール、Bluetoothモジュール、イメージセンサーモジュール、チューナーモジュールなど)や検出スイッチなどの部品などが挙げられる。
また、本発明において金属材料とは、様々な形状の金属を指すが、その中でも主に金属板または金属条のことを指す。
また、本発明の金属材料を用いた電気電子部品は、それに限定されるものではないが、例えば、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオなどの電子電気機器に用いることができる。
金属基材は、例えば、所定の金属材料を溶解鋳造し、得られる鋳塊を、常法により、順に、熱間圧延、冷間圧延、均質化処理、および脱脂する工程により製造することができる。
また、耐熱性樹脂皮膜の絶縁性は、体積固有抵抗1010Ω・cm以上が好ましく、1014Ω・cm以上がさらに好ましい。
多層の場合、コストパフォーマンスの点から2層であることがより好ましい。多層を構成するそれぞれの1層の厚さは0.1μm以上10μm以下が好ましい。
コストパフォーマンスの観点から、単層皮膜の場合はNi、Sn、Agの各系(金属、合金、共析物、化合物)を、複層皮膜の場合は内層側(下地)にNiまたはCuの各系を、外層側にSn、Ag、Pd、Auの各系を用いるのが好ましい。3層以上の場合、中間層にはCu、Ag、Pdの各系を用いることが好ましい。
Sn系皮膜には、光沢皮膜より無光沢皮膜が適しており、Sn、Sn−Cu、Sn−Ag、Sn−Bi、Sn−Znの各系(金属、合金、共析物、化合物)が用いられる。Sn−Bi以外は融点の低い共晶付近の組成が用い易い。
前記Sn−Cu系、Sn−Ag系皮膜は合金皮膜形成のほか、Sn皮膜の上にCu層やAg層を薄く形成しておき、溶融時に合金化させて設けることもできる。
湿式法には浸漬置換処理法、無電解めっき法、電析法などがあるが、中でも電析法は金属層の厚みの均一性、厚み制御性、浴の安定性などの点で優れる。トータルコストも安い。
金属層を部分的に設けるには、不要部分をマスキングする方法、必要部分のみにスポット的にめっき液を供給する方法などが適用できる。
金属基材1表面の少なくとも絶縁を要する1箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられている。
なお、基材表面から耐熱性樹脂皮膜表面までの高さを「h」で示している(以下の図2〜8も同様である)。
金属基材1の片面全面にわたり、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている。
金属基材1表面の絶縁を要する2箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられている。
金属基材1上の少なくとも絶縁を要する1箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられており、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材上にNi層3が設けられている。
金属基材1上の絶縁を要する2箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられており、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材上にNi層3が設けられている。
金属基材1上の少なくとも絶縁を要する1箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられており、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材1上にNi層3およびSn層4がこの順に設けられている。
金属基材1上にNi層3が設けられており、その上の絶縁を要する2箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられており、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材1上にSn層4が設けられている。
特に下地にNi層またはCu層を設け、外層にSn層を設けたものは、Sn層の化合物化が十分抑制されて、耐熱性や耐ウィスカー性が高度に維持され推奨される。金属層を3層以上設けるとさらに効果的であるが、コストパフォーマンスの点で金属層は2層が適当である。
金属基材1にシランカップリング処理やチタネート系カップリング処理などのカップリング処理をはじめとする有機および無機結合の下地処理が施され、その処理層5上の絶縁を要する1箇所に耐熱性樹脂皮膜2が設けられており、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材2上にNi層3およびSn層4がこの順に設けられている。この金属材料は金属基材1が例えばシランカップリング処理されているので、金属基材1と、耐熱性樹脂皮膜2との密着性が向上する。
金属基材1上の絶縁を要する箇所に耐熱性樹脂皮膜2がストライプ状に設けられている。耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材上にNi層3、あるいはNi層3およびSn層4をこの順に設けてもよい。また金属基材1にシランカップリング処理やチタネート系カップリング処理などのカップリング処理をはじめとする有機及び無機結合の下地処理層5上の絶縁を要する1箇所に耐熱性樹脂皮膜2を設け、耐熱性樹脂皮膜2が設けられている箇所以外の金属基材2上にNi層3およびSn層4がこの順に設けてもよい。
金属基材1上の絶縁を要する箇所に耐熱性樹脂皮膜2がスポット状に設けられている。その他は上記第9の実施態様と同様である。
(実施例1)
Cu−6質量%Sn−0.2質量%P合金(リン青銅)、JIS合金番号C7521(洋白)、および、Fe−42質量%Ni合金(42アロイ)をそれぞれ溶解鋳造して鋳塊とした。前記鋳塊に熱間圧延、次いで冷間圧延を施して厚み0.1mm、幅20mmの条とした。前記各条に電解脱脂、酸洗処理、水洗、乾燥の各工程をこの順に施した。なお、一部の条には乾燥工程前にエポキシ系シランカップリング剤を溶解した水溶液に浸漬してシランカップリング処理を施した。
次に、乾燥後の各条の絶縁を要する箇所に、下記(a)または(b)のいずれか方法により厚み3μm以上の耐熱性樹脂皮膜を設け、試料No.1〜27を作成した。
これらの試験結果を表1、2に示す。また、表1、2には条材料の構成を併記した。なお、表1、2において、樹脂形成方法の欄の「塗装」は上記(a)の方法で、「フィルム」は上記(b)の方法で、それぞれ皮膜が設けられたことを示す。また、表2の接着材の種類の欄の「ポリイミド」、「エポキシ」、「アクリル」および「シリコン」は、それぞれ上記(b)の方法における接着剤に用いられた樹脂の種類を示す。
金属層を設けなかった他は、実施例1の試料No.8〜20と同じ方法により条材料(試料No.28)を製造し、実施例1と同じ試験を行った。試験結果および条材料の構成を表2に示す。
耐熱性樹脂皮膜の厚みを2μmとした他は、実施例1の試料No.1と同じ方法により条材料(試料No.29)を製造し、実施例1と同じ試験を行った。試験結果および条材料の構成を表2に示す。
実施例1における(a)法により金属基材片面全面に耐熱性樹脂皮膜を設け(片面全面塗装)、耐熱性樹脂皮膜の厚さを7μmとした以外は、実施例1の試料No.2と同じ方法で条材料(試料No.30)を作成した。また、実施例1における(a)法により金属基材片面全面に耐熱性樹脂皮膜を設け(片面全面塗装)、耐熱性樹脂皮膜の厚さを6μmとし、下地めっきの厚さを0.1μmとした以外は、実施例1の試料No.9と同じ方法で条材料(試料No.31)を作成した。これらを実施例1と同じ試験を行った。試験結果および条材料の構成を表2に示す。
各条材の表面に金属層を電気めっきしただけの条材料(試料No.32、33)を製造し、実施例1と同じ試験を行った。試験結果および条材料の構成を表2に示す。
No.3と4、並びに、No.22と23を比較すると樹脂形成前にシランカップリング処理すると引き剥がし強度が向上することが分かる。
実施例3(No.29)の材料は耐熱性樹脂皮膜の厚みが比較的薄かったため、引き剥がし強度および絶縁抵抗が若干低下した。また樹脂に変色が認められたが、実用上支障がない程度であった。
実施例4(No.30、31)の材料は金属基材片面全体に耐熱性樹脂皮膜を設けたためカバー内部温度が高めになるものの機能に問題は無く実用できた。これに対し、比較例(No.32、33)の材料は耐熱性樹脂皮膜が設けられていないため絶縁性に劣り、いずれも低背化に十分対応できないものであった。
2 耐熱性樹脂皮膜
3 Ni層
4 Sn層
5 下地処理層
Claims (5)
- 金属基材上の少なくとも一部に樹脂皮膜を有することを特徴とする電気電子部品用金属材料。
- 前記金属基材上に金属層を少なくとも1層有し、かつ前記樹脂皮膜が前記金属基材上に、直接、または前記金属層の少なくとも1層を介して設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気電子部品用金属材料。
- 前記金属基材、または前記金属層が下地処理されていることを特徴とする請求項2記載の電気電子部品用金属材料。
- 前記金属基材表面から樹脂皮膜表面までの高さが60μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気電子部品用金属材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気電子部品用金属材料が用いられたことを特徴とする電気電子部品。
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