JP2004196739A - 抗菌剤組成物 - Google Patents

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Keisuke Watanabe
敬介 渡辺
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Abstract

【課題】従来、抗菌剤として主に次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の塩素系の薬剤を含有する抗菌剤や、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、クロロキシレノール等のフェノール系の薬剤を含有する抗菌剤が用いられてきた。しかしこれらの抗菌剤は使用後の臭気が不快であるという問題があった。
そのため、高い抗菌性を有し、使用後の臭気にも不快感の少ない抗菌剤が求められている。
【解決手段】4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルーペンタノイル)−2−ピロンと第4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする抗菌剤組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抗菌剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建物の壁面にカビが増殖して外観を汚したり、エアコン内部にカビが繁殖して送風時に悪臭が室内に拡散される等、カビや細菌の繁殖による生活環境の不快さが問題となっている。また、24時間風呂で繁殖したレジオネラ菌によって感染症がひきおこされたり、病院においてもMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による感染症が問題になる等、カビや細菌の繁殖は衛生面でも問題となっている。
これらの問題を解決するために、抗菌剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の塩素系薬剤を含有する抗菌剤や、3−メチルー4−イソプロピルフェノールやクロロキシレノール等のフェノール系の薬剤を含有する抗菌剤が用いられてきた。しかし、これらの抗菌剤は使用後の臭気が不快であるという問題があった。
そのため、高い抗菌活性を有し、使用後の臭気にも不快感が少ない抗菌剤が求められている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく、検討を重ねた結果、
式(1)
Figure 2004196739
で示される4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロン(以下、本化合物と記す。)と第4級アンモニウム塩とを有効成分として含有する組成物が、高い抗菌効力を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は本化合物と第4級アンモニウム塩とを含有する抗菌剤組成物(以下、本発明組成物と記す。)及び本発明組成物を菌の繁殖場所に施用することを特徴とする抗菌方法を提供する。
【0004】
式(1)で示される本化合物は、例えばWO97/35565号公報に記載の式(2)によって示される方法により、合成することができる。
式(2)
Figure 2004196739
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0005】
本発明組成物における第4級アンモニウム塩としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のハロゲン化(C12〜C18アルキル)トリメチルアンモニウム、塩化ジメチルジデシルアンモニウム、塩化N-デシルーN-イソノニルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム等の塩化ジ(C8〜C18アルキル)ジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンゼトニウムのようなベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウムのような塩化(C12〜C18アルキル)ピリジニウム等、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム等が挙げられる。
これらの第4級アンモニウム塩は塩化物や臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物に限定されるものではなく、エチルサルフェ−トのような(C1〜C4)アルキルサルフェート等、抗菌剤として使用し得るカウンターアニオンとの塩であっても良い。
【0006】
第4級アンモニウム塩は市販されており、本発明にはかかる市販品を使用してもよい。
【0007】
本発明組成物は通常、本化合物と第4級アンモニウム塩を含有する液剤、水和剤、乳濁剤、エアゾール剤等の製剤の形態であり得る。
以下、断りのない限り本発明においては、液剤、水和剤、乳濁剤、エアゾール剤とは、液剤、水和剤、乳濁剤、エアゾール剤形態の本発明組成物を意味する。
【0008】
液剤、水和剤または乳濁剤は、例えば本化合物と第4級アンモニウム塩とを、固体担体、液体担体等と混合し、更に必要に応じて製剤用補助剤を加え,混合する一般的な方法により得られる。
その際、これらの製剤には、本化合物及び第4級アンモニウム塩が製剤の全重量に対し合計量で、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜50重量%含有される。
【0009】
本発明組成物中における本化合物と第4級アンモニウム塩との割合は、重量比で通常10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5の範囲である。
【0010】
固体担体としてはベントナイト、クレー、珪藻土、バーミキュライト、炭酸カルシウム、硫安、尿素、大豆粉、澱粉、セルロース、アルミナ、ワックス等が挙げられる。
【0011】
液体担体として、水;メタノール、エタノール、プロパノ-ル、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール等の炭素数が1〜7の1価アルコール類;グリセリン、ブチルジグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数が2〜6の多価アルコール類;ポリエチレングリコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル等を挙げることができる。
中でも本発明組成物に特に好ましく用いられる液体担体としては、水またはメタノール、エタノール、プロパノ-ル、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール等の炭素数が1〜7の1価アルコール類が挙げられる。
【0012】
製剤用補助剤としては、界面活性剤、香料、安定化剤、保存剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。具体例としては、界面活性剤としては石鹸類、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン型界面活性剤、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルアリールスルホン酸塩等の陰イオン型界面活性剤、ベタイン類等の両性型界面活性剤等が挙げられる。
香料としてはペパーミント油、ハッカ油、ヒノキ油、ヒバ油、パイン油、ラベンダー油、ユーカリ油、シトロネラ油、ライム油、ヒバ油、タイム油、ヒソップ油、ローズマリー油、ティーツリー油、ローズ油、イランイラン油、クローブ油、ベイ油、ゼラニウム油、セージ油等の植物精油類、サリチル酸メチル、イオノン、フェノキシエタノール、リナロール、シネオール、シトロネオール、オイゲノール、メントール、メントン等の合成香料等を、酸化防止剤としてはα、β、γ―カロチン、リコピン、クリプトキサンチン等のカロチノイド、α、β、γ、δ―トコフェロール等のビタミンE類、γ―オリザノ−ル、ジブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルトルエン(BHT)、没食子酸エステル類、アスコルビン酸、タンニン、フラボノイド類等を、保存剤としてはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等を、紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸エステル、アントラニル酸エステル、サリチル酸エステル、パラメトキシ桂皮酸エステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニルー5−メチルベンゾオキサゾ−ル等を各々挙げることができる。
【0013】
乳濁剤、水和剤及び液剤は、必要により水等で希釈した後、トリガー式スプレー等の噴霧機構を有する容器に充填して、スプレーすることにより使用することもできる。
またエアゾール剤は、液剤と噴射剤とを耐圧容器に充填することにより得られる。
【0014】
エアゾール剤は具体的には例えば以下の方法により得られる。
本化合物および第4級アンモニウム塩、更に必要に応じて酸化防止剤、保存剤等の添加剤を液体担体に撹拌などの処理により溶解させて液剤とし、該液剤をエアゾール容器に充填する。該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通じて充填する。次いで該容器を振とうし、その後、アクチュエーターを装着する。またエアゾール剤が全量噴射型エアゾール剤の場合には全量噴射型アクチュエーターを装着する。
【0015】
エアゾール剤に含有される噴射剤としてはジメチルエーテル、液化石油ガス、窒素ガス、液化炭酸ガス、プロパン、nーブタン、イソブタン、フロン11、フロン12等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
噴射剤としては、ジメチルエーテルを噴射剤全量中25重量%以上含有する噴射剤が好ましく、ジメチルエーテルを50重量%以上含有する噴射剤がさらに好ましく、実質的にジメチルエーテルからなる噴射剤が特に好ましい。
【0017】
エアゾール剤には、噴射剤がエアゾール容器内の内容量全量に対して、通常30〜90重量%含有される。また、エアゾール剤が一回の噴射で容器内の全内容量を排出する、いわゆる全量噴射型エアゾール剤である場合には、噴射剤がエアゾール容器内の内容量全量に対して、通常50〜90重量%含有される。
エアゾール容器内には、缶内圧を上げ、内容物の噴射を容易にするために、さらに窒素、二酸化炭素、空気等が充填されていてもよい。
【0018】
本発明組成物には必要に応じて他の抗菌剤が含有される。本発明組成物に含有され得る他の抗菌剤としては、具体的には2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオールなどのハロゲン化化合物、トリクロロイソシアヌル酸等のN-ハロゲン系化合物、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩などのビグアニド系化合物、2―(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系化合物、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ−ル等のベンツチアゾ−ル系化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のフタロニトリル系化合物、5−クロロ−2−メチルー4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチルー4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物、N−(2−クロロフェニル)マレイミド等のマレイミド系化合物、3−メチルー4−イソプロピルフェノール、3,5―ジクロロ−4−メチルフェノールのようなフェノール等が挙げられる。
また、本発明組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、既存の消臭剤、殺虫剤、殺ダニ剤、害虫忌避剤等が含有されていてもよい。
【0019】
本発明組成物は、通常菌の繁殖場所へ散布、塗布等の方法により施用される。
菌の繁殖場所としては、カビや細菌の繁殖する場所、例えば閉所,生活空間または該空間内の備品,不特定多数の人により使用される場所や物、動物が飼育される空間等が挙げられる。
【0020】
本発明組成物の施用方法としては、具体的には、例えば閉所(寝室、事務所,病室、宿泊施設や船舶等の客室、電車内、車の中、食料品貯蔵用倉庫等)において全噴射型エアゾール剤を噴射する方法、生活空間または該空間内の備品(トイレ内、台所の流し場、台所の生ゴミ、室内や車の中のエアコン、窓の桟、風呂場のタイル、室内のカーペット,寝室の布団類等)、不特定多数の人により使用される場所や物(乗り物内の座席シート、病室の布団類等)、動物が飼育される空間(ペット小屋や畜舎等)等に液状の組成物をスプレーする方法またはエアゾール剤を散布する方法等が挙げられる。
エアコンフィルターのような狭い部分や奥まった場所に施用する場合にはエアゾール剤の噴出口に針状パイプノズルを装着し,該施用場所に散布する方法が挙げられ、木材、ガラス、樹脂等、表面が吸収性ではない場所に施用する場合には、該施用場所に液剤または乳濁剤を塗布する方法が挙げられる。
【0021】
本発明組成物の施用量は、本化合物及び第4級アンモニウム塩の合計量に換算して1m2あたり通常10〜1000mg程度である。
【0022】
本発明においては,菌とはカビ、細菌等の微生物を意味する。
本発明組成物により,防除可能な菌としては,Aspergillus niger等のAspergillus属、Chaetonium globosum等のChaetomium属、Cladosporium cladosporioides等のCladosporium属、Gliocladium virens等のGliocladium属、Aureobasidium pullulans等のAureobasidium属、Penicillium funiculosum等のPenicillium属、Rhizopusoryzae等のRhizopus属、Fusarium属、Alternaria属、Tyromyces属、Coriolus属、Myrothecium属、Mucor属、 Epicoccum属、Trychoderma属、Phoma属、Geotrichum属、 Monilia属などの糸状菌;Saccharomyces属、Candida属などの酵母、MRSAを含むStaphylococcus属、Bacillus属、Escherichia属、Pseudomonas属、Klebsiella属、Enterobacter属、Flavobacterium属、Desulphovibrio属、Achromobacter属、Cellulomonas属、Paracolabactrum属、Sphaerotilus属、Gallionella属、Leptothrix属、Beggiatoa属、Aerobacter属等の細菌が挙げられる。
【0023】
本発明組成物を菌が繁殖しそうな場所に予め施用しておくことにより、悪臭の発生が抑えられる。また、本発明組成物を施用することにより菌によって発生した悪臭も抑えられる。
更に、本発明組成物は塩素系またはフェノール系の薬剤を含有する抗菌剤と比較して、使用後における不快な臭気が少ない。
【0024】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。
製剤例1
本化合物3重量部および塩化ベンザルコニウム3重量部にエタノール94重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例2
本化合物3重量部および塩化ベンゼトニウム3重量部にエタノール94重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例3
本化合物3重量部および塩化ジメチルジデシルアンモニウム3重量部にエタノール94重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例4
本化合物4重量部および塩化ジメチルジデシルアンモニウム2重量部にエタノール94重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例5
本化合物2重量部および塩化ジメチルジデシルアンモニウム6重量部に、エタノール92重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例6
本化合物3重量部および塩化ジメチルジデシルアンモニウム3重量部を、エタノール74部に溶解させ、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加えて撹拌し、6%乳濁剤を得る。
製剤例7
本化合物1gとBHT0.1gおよび塩化ベンザルコニウム1.0gをエタノール5.9gに溶かし、これをエアゾール缶に入れてエアゾールバルブをクリンプした後、LPG11gを充填して、全量噴射型エアゾール用アクチユネ−ターを装着することによってエアゾール剤1を得た。
製剤例8
本化合物1gとBHT0.1gおよび塩化ジメチルジデシルアンモニウム0.8gをエタノール5.9gに溶かし、これをエアゾール缶に入れてエアゾールバルブをクリンプした後、LPG11gを充填して、全量噴射型エアゾール用アクチユネ−ターを装着することによってエアゾール剤2を得た。
製剤例9
本化合物3重量部および塩化ベンザルコニウム3重量部にエタノール50重量部および水44重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
製剤例10
本化合物3重量部および塩化ジメチルジデシルアンモニウム3重量部にエタノール50部と水44重量部を加えて全体を100重量部とし、十分に混合することにより液剤を得た。
【0025】
本化合物の製造例を示す。
製造例1:4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロンの製造
4−ヒドロキシ−6−メチル−2−ピロン10.0g(79.3mmol)を室温にてトルエン100mlに懸濁し、N,N−ジメチルアミノピリジン1.22g(10.0mmol)、イソカプロン酸10.0g(86.1mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド18.5g(89.7mmol)を順次加えた。この混合溶液を室温にて1時間攪拌した後、70℃に昇温し20時間加熱攪拌した。室温に戻した後、生じた不溶物を濾別し、濾液を1N塩酸水で1回、10%食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去することにより、油状物を得た。
この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)に付し、4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチル−ペンタノイル)−2−ピロン 7.11g(収率40%)を得た。
1H−NMR(CDCl3/TMS):0.94(6H,d),1.54(2H,q),1.63(1H,m),2.27(3H,s),3.08(2H,t),5.93(1H,s),17.88(1H,s)
【0026】
試験例1
本化合物と塩化ベンザルコニウムとの等量混合物を、合計濃度1000ppmとなるようにエタノールに溶解し、その溶液を40倍希釈になるようにジャガイモせん汁寒天培地(PDA)に混合して、試験用培地を調製した。また、本化合物単独または塩化ベンザルコニウム単独においても、これらが250ppmの濃度になるようにエタノールに溶解し、その溶液を20倍希釈になるようにジャガイモせん汁寒天培地(PDA)に混合して、試験用培地を調製した。一方、ジャガイモせん汁寒天培地(PDA)にメタノールを5%加えコントロール培地を調製した。各々の培地に以下に記した4種のカビを接種し、27℃で7日間培養した。培養後、菌糸の長さを測定し、以下に示す生育阻害率の算定方法により菌糸生育阻害率を求めた。
結果を表1に示す。
・供試カビ
Clc:Cladosporium cladosporioides
・生育阻害率の算定方法
「数1」
菌糸生育阻害率(%)= {1−(試験用培地の菌糸の長さ)/(コントロール培地の菌糸の長さ)} × 100
【表1】
Figure 2004196739
試験例2
塩化ベンザルコニウムに代えて塩化ベンゼトニウムを用いる以外は、試験例1と同様の試験を行った。
結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004196739
試験例3
塩化ベンザルコニウムに代えて塩化ジメチルジデシルアンモニウムを用いる以外は試験例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2004196739
試験例4
製剤例3で得られた液剤1gを直径7cmのウール地に塗布し、十分乾燥させてからシャーレ内のPDA培地のうえにおき、該ウール地の上にハカビ、コウジカビ胞子懸濁液を接種して10日間培養した。その結果、カビの生育は認められなかった。
試験例5
製剤例3で得られた液剤1gを直径7cmのウール地に塗布し、十分乾燥させてからシャーレ内のLBA培地のうえにおき、該ウール地の上に大腸菌、黄色ブドウ球菌を接種して7日間培養した。その結果、細菌の生育は認められなかった。
試験例6
5.8m3(1.8mx1.8mx1.8m)の室内の床面、高さ90cmの壁面、天井のそれぞれ四隅に直径7cmの濾紙を計12枚設置した。この室内の床面中央部にエアゾール剤1を置き、エアゾールバルブを開けて全量を噴霧させた。1時間後に濾紙を回収し、この濾紙をそれぞれ寒天培地上に載せ、濾紙上に4種類のカビ(Aureobasidium pullulans, Cladosporium cladosporioides, Alternaria alternata, Aspergillus niger)の胞子懸濁液を点接種した。その後、27℃条件で10日間放置した。その後、カビの生育状況を観察した。
また、コントロールとして、無処理の濾紙にカビを接種後10日間放置し、カビの生育状況を観察した。以下に示す判定基準により菌の生育状況を判断し、各濾紙の設置位置において、一番多くの濾紙で見られたカビの生育状態を表に記した。結果を表4に示す。
・カビの生育状況の判定基準
◎:カビの生育が全く認められない。
○:カビの成育面積が濾紙の10%以内
○〜△:カビの生育範囲が濾紙の10〜30%であり、やや生育している。
△:カビの生育範囲が濾紙の30〜50%であり、生育が著しい。
△〜×:カビの生育範囲が濾紙の50〜80%であり、生育が相当著しい。
×:カビが濾紙全体に生育している。
【表4】
Figure 2004196739
【0027】
試験例7
エアゾール剤をエアゾール剤2とする以外は、試験例6と同様の試験を行った。結果を表5に示す。
【表5】
Figure 2004196739
【0028】
【発明の効果】
本発明により、高い抗菌活性を有し、使用後に不快な臭気が少ない抗菌剤組成物を提供し得る。

Claims (7)

  1. 4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロンと第4級アンモニウム塩とを含有することを特徴とする抗菌剤組成物。
  2. 4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロンと第4級アンモニウム塩との含有割合が重量比で10:1〜1:10である請求項1に記載の抗菌剤組成物。
  3. さらにエタノール,イソプロピルアルコール及び水から選ばれる少なくとも一種の液体担体を含有する請求項1または2に記載の抗菌剤組成物。
  4. 第4級アンモニウム塩が塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジメチルジデシルアンモニウムまたは塩化ジメチルジステアリルアンモニウムである請求項1,2または3に記載の抗菌剤組成物。
  5. (a)4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロンを0.1〜10重量%、
    (b)第4級アンモニウム塩を0.1〜10重量%
    (c)エタノール,イソプロピルアルコール及び水から選ばれる少なくとも一種の液体担体を20〜50重量%及び
    (d)ジメチルエーテル、窒素ガス及びLPGから選ばれる少なくとも一種の噴射剤を30〜90重量%
    含有することを特徴とする抗菌性エアゾール用組成物。
  6. 第4級アンモニウム塩が塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジメチルジデシルアンモニウムまたは塩化ジメチルジステアリルアンモニウムである請求項5に記載の抗菌性エアゾール用組成物。
  7. 請求項1〜6に記載の組成物を菌の繁殖場所に施用することを特徴とする抗菌方法。
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