JP2004196507A - スリッター付き検品用巻取機 - Google Patents

スリッター付き検品用巻取機 Download PDF

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雄 片岡
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Abstract

【課題】比較的簡単な構造で生産性の高いスリッター付き検品用巻取機を提供する。
【解決手段】欠点検出装置22が帯状シートSの欠点を検出したとき、帯状シートSを案内する被駆動の案内ローラ6〜20を所定の減速度で減速して停止させることができる速度制御装置23と、欠点検出位置P1とそれより下流かつスリッター1より上流に設定した停止位置P2との間に配設した、帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群GR(6〜14)とを備え、欠点検出位置P1と停止位置P2との間の帯状シートSの走行経路長さを、欠点検出装置22が欠点検出信号を出してから被駆動の案内ローラ6,7・・・20が停止するまでの間に巻戻される帯状シートSの長さに等しくする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム、紙等の帯状シートを原反ロールから巻戻しながら、スリッターにより一つ又は複数の所要幅の帯状シートに分割して巻取ると共に、原反ロールから巻戻された帯状シートの欠点を時々刻々監視し、欠点を検出したとき、巻戻しを停止することができるスリッター付き検品用巻取機に関する。
【0002】
【従来の技術】
欠点の検出を行った後、スリッター付き巻取機により分割する必要のある帯状シートとしては、例えば絵柄が印刷された包装用の帯状シートがある。従来、このような包帯用の帯状シートを得るには、まず、印刷工程で幅の広い無地の帯状シートに絵柄を一列又は複数列に印刷し、それを巻取って巻取ロールを形成する。次に、その印刷された巻取ロールを原反ロールとして巻直し機に掛け、帯状シートを巻戻しながら印刷不良や帯状シート自体の傷等の欠点を検出し、その欠点に対し処置をしてから巻取る。この巻取りにより帯状シートの絵柄の方向が帯状シートの巻戻し方向に対して逆向きになるので、欠点に対する処置を施した帯状シートの巻取ロールを原反ロールとして再び巻直し機に掛け、帯状シートを巻戻して巻取ることにより、絵柄の方向を合わせた巻取ロールを形成する。次に、この巻取ロールを原反ロールとしてスリッター付き巻取機に掛け、巻戻された帯状シートを巻戻しながらスリッターにより化粧裁ちして一つの所要幅の帯状シート、或いは化粧裁ちすると同時に絵柄に応じて所定幅の複数の帯状シートに分割して巻取る。
【0003】
上述の帯状シートの欠点を取り除くための巻直し機には、巻取ロールから帯状シートを巻戻しながら作業者が欠点を監視し、欠点が発見されると作業者が帯状シートの巻戻しを停止させるものもあるが、帯状シートの巻戻し速度の高速化を図り生産性を向上させるために、帯状シートの欠点を自動的に検出することができる欠点検出装置を備え、欠点検出装置による検出信号に基づき帯状シートの巻戻しを自動停止できるように構成したものがある。この巻直し機では、高速化した定常速度から急停止すると帯状シートに傷が生じたり過大張力による永久歪が生じたりして帯状シートが不良品になるので、欠点検出装置による検出信号に基づき帯状シートの巻戻し速度を所定の減速度(速度減少率)の範囲内で次第に減速して停止させる必要があり、そのため、定常速度で巻戻される帯状シートの欠点が検出されてから巻戻しが停止するまでの間に、検出した欠点部位が巻取られてしまう。そこで、この巻直し機では、巻取部に支持した巻取ロール、並びに巻戻部に支持した原反ロール、及び帯状シートの案内ローラを夫々同時に逆転させる逆転駆動機構を設け、この逆転駆動機構を作動させることにより、帯状シートの検出された不良部位を、巻取部に支持した巻取ロールから所定の処置位置まで巻戻すことができるようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、欠点検出装置を備えた上述の巻直し機では、帯状シートの欠点が検出されて巻取りが停止したとき、巻取部の巻取ロールに巻取られている欠点部分を処置位置まで巻戻さなければならないので、その巻戻し時間が余分に必要であり、そのための操作も複雑化する。しかも装置構造が複雑化する逆転駆動機構を設ける必要がある。また巻取機には帯状シートにシワが生じるのを防ぐための拡幅ローラを設けるのが望ましいが、この拡幅ローラを設けると、帯状シートを巻取部から巻戻すとき、それが拡幅ローラを逆方向に通過してシワを生じる。そのため、この巻直し機では拡幅ローラを設けないのが普通であり、拡幅ローラが不可欠な場合には帯状シートが拡幅ローラを逆方向に通過しないようにする手段が必要である。
【0005】
また、欠点検出装置を備えた巻直し機を用いて欠点部分に処置を施した巻取ロールを得たとしても、それをスリッター付き巻取機に供給する前に絵柄の方向を元に戻す必要があるので、欠点に対する処置済みの巻取ロールを再度巻直し機に掛けて巻直さなければならず、そのための専用の巻直し機も必要になる。
【0006】
なお、上述の欠点検出装置を備えた巻直し機の巻戻部と巻取部との間に帯状シートを分割するためのスリッターを設けてスリッター付き巻取機とし、このスリッター付き巻取機に印刷後の巻取ロールを直接掛けることが提案される。しかし、その場合、スリッター付き巻取機で巻戻された帯状シートの欠点が検出されても、巻戻し停止までに時間がかかり、不良部位がスリッターを通過して分割された後、個々に巻取られてしまう。そして分割された帯状シートがスリッターを逆方向に通過すると破れたり傷が付いたりするので、分割されて巻取られた帯状シートを巻戻すためには、スリッターの切断刃を帯状シートの走行経路から退避させなければならず、巻直し機において巻取った帯状シートを巻取部から巻戻す場合に比べ、かえって手間がかかる。また、スリッター付き巻取機で所定幅に分割して巻取った巻取ロールから帯状シートを巻戻して再び巻取ると、帯状シートが幅方向にずれて巻取ロール端面に凹凸が生じ易く、この端面に凹凸を生じた巻取ロールは不良品になる。そのため、従来においては、予め巻直し装置で帯状シートの欠点部位に対処した巻取ロールを作っておき、それをスリッター付き巻取装置で化粧裁ちして巻取る方法が採用されている。
【0007】
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、比較的簡単な構造で生産性の高いスリッター付き検品用巻取機を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のスリッター付検品用巻取機では、原反ロールから帯状シートを巻戻してスリッターへ案内する一連の多数の案内ローラと、前記スリッターにより化粧裁ち又は複数に分割された帯状シートを巻取る巻取機構と、前記原反ロールから巻戻された帯状シートの欠点を検出する欠点検出装置と、前記欠点検出装置が帯状シートの欠点を検出したとき、前記多数の案内ローラに含まれる被駆動の案内ローラを所定の減速度で減速して停止させることができる速度制御装置と、前記欠点検出装置による欠点検出位置と該欠点検出位置より下流かつ前記スリッターより上流に設定した停止位置との間に配設した、前記多数の案内ローラに含まれる帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群とを備え、前記欠点検出位置と前記停止位置との間の帯状シートの走行経路長さを、前記欠点検出装置が帯状シートの欠点を検出してから前記被駆動の案内ローラが停止するまでの間に巻戻される帯状シートの長さに等しくした。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のスリッター付き検品用巻取機の全体説明図、図2は同じくスリッター付き検品用巻取機の概略側面図である。
【0010】
このスリッター付き検品用巻取機は、原反ロールR0から帯状シートSを巻戻してスリッター1へ案内する一連の多数の案内ローラ2,3・・・20と、スリッター1により化粧裁ちした帯状シートScを巻取る巻取機構21と、原反ロールR0から巻戻された帯状シートSの欠点を検出する欠点検出装置22と、欠点検出装置22が帯状シートSの欠点を検出したとき、多数の案内ローラ2,3・・・20に含まれる被駆動の案内ローラ6,7・・・20を所定の減速度で減速して停止させることができる速度制御装置23と、欠点検出装置22による欠点検出位置P1と該欠点検出位置P1より下流かつスリッター1より上流に設定した停止位置P2との間に配設した、多数の案内ローラ2,3・・・20に含まれる帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群GR(6,7・・・14)とを備え、欠点検出位置P1と停止位置P2との間の帯状シートの走行経路長さを、欠点検出装置22が帯状シートの欠点を検出してから被駆動の案内ローラ6,7・・・20が停止するまでの間に巻戻される帯状シートSの長さに等しくしている。
【0011】
原反ロールR0は、例えば印刷工程で印刷した帯状シートSをロール状に巻取ることにより形成されている。そして原反スタンド24に回転可能に架けてあり、巻戻し中、帯状シートSに所要の巻戻し張力が生じるようにブレーキ25から制動力を付与される。
【0012】
スリッター1は公知のもので、この場合、外周面に円周方向の多数の溝を持つ溝付きローラ26と、所定の帯状シート分割位置に配置したナイフ27とからなり、ナイフ27は、その刃先を溝付きローラ26の溝に入れた状態で溝付きローラ26の外周を走行する帯状シートSの両耳Saを化粧裁ちする。
【0013】
スリッター1により所要幅に化粧裁ちされた帯状シートScは、案内ローラ28、タッチローラ29により、巻取機構21に装着された巻芯Cへ導かれ、巻芯Cのまわりに巻取られて巻取ロールRとなる。巻芯Cは、巻取モータ30により所要のトルクを付与され、帯状シートScを引っ張りながら回転することができる。なお帯状シートがスリッターで所定幅の複数の帯状シートに裁断される場合には複数の巻取機構を設け、複数の帯状シートを複数の巻取機構へ振分けて巻取るとよい。一方、化粧裁ちされた両耳Saは図示しない耳巻装置へ供給される。
【0014】
帯状シートSは、案内ローラ6,7・・・20の回転に応じて繰出され、被駆動の案内ローラ6,7・・・20は繰出しモータ31の出力軸に伝動装置を介して連結してあり、繰出しモータ31の出力軸は、速度制御装置23からの速度指令信号に応じた速度で回転することができるようになっているので、速度制御装置23は被駆動の案内ローラ6,7・・・20の回転速度を制御することができ、それにより帯状シートSの巻戻し速度を制御することができる。
【0015】
欠点検出装置22は、それ自体公知ものものであり、投光部22aから出た光を受光部22bに受け、その光の状態を解析して欠点の有無を瞬時に判断し、欠点があるとき欠点検出信号を出すことができる。投光部22aは、それから出た光が帯状シートSを欠点検出位置P1において通過するように配置してある。
【0016】
停止位置P2の帯状シートS沿いには、作業者が帯状シートの欠点の状態を目視確認し易くするための照明装置32が設けてある。なお停止位置P2付近には必要に応じて帯状シート切除、接続用の帯状シート保持台や帯状シートにマーキングを自動的に施す器具等を設けてもよい。
【0017】
帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群GRは、案内ローラ6〜14よりなり、各案内ローラ6〜14は、夫々フレーム33の所定位置に取り付けてある。そして走行中の帯状シートSにシワが生じないように相互間隔を所定の間隔以下にしてある。なお、この相互間隔は帯状シートSの材質、厚み等に応じて変わり得る。案内ローラ群GRの設置面積を小さくするために、個々の案内ローラ6〜14を帯状シートSが上下に折り返して走行するように一定の間隔とって上下2列に並べ、各列において隣り合う案内ローラ6,8,10,12,14、並びに案内ローラ7,9,11,13の相互間隔を小さくしている。
【0018】
帯状シートSをスリッター1へ裁断に適した状態で案内するために、案内ローラ19として、帯状シートSの縦じわ等を除去するための拡幅ローラ(エキスパンダーローラ)を用いている。また案内ローラ群GRの下流には、必要に応じて帯状シートSの蛇行を修正するための図示しない公知の蛇行修正機構を設ける。
【0019】
速度制御装置23は、定常の帯状シート巻取速度即ち巻戻し速度、及び加減速時に帯状シートに傷や永久歪が生じないように巻戻し速度を加速、減速するための加速度並びに減速度を設定するための速度設定部33、巻取開始スイッチ34、減速開始スイッチ35、巻取停止スイッチ36、減速開始用カウンタ回路37、巻取停止用カウンタ回路38、欠点検出時の一時停止用カウンタ回路39を備えている。そして巻取開始スイッチ34が押されたとき繰出しモータ31を起動し、設定された加速度に基づき加速して、帯状シートの巻戻し速度を、設定された定常の巻戻し速度に維持することができ、減速スイッチ35が押されたとき、若しくは減速開始用カウンタ回路37から計数完了信号を受けたとき、又は欠点検出装置から欠点検出信号を受けたとき、帯状シートの巻戻し速度の減速を開始して、設定された減速度に基づき所定の微小速度まで減速し、巻取停止スイッチ36が押されたとき、又は巻取停止用カウンタ回路38若しくは一時停止用カウンタ回路39から計数完了信号を受けたとき、繰出しモータ31の回転を停止することができるように構成してある。
【0020】
減速開始用カウンタ回路37及び巻取停止用カウンタ回路38は、帯状シートが一定距離走行する毎にパルス信号をパルス発生器40から時々刻々受け、巻取開始スイッチが押されたときパルス信号の計数を開始し、夫々計数値が予め設定された目標値に達すると計数完了信号を出し、巻取ロールが完成して巻取りが停止したとき計数値がリセットされるようになっている。パルス発生器40は被駆動の案内ローラ20が一定の角度を回転する毎に電気的なパルス信号を出力するように構成した公知のものである。減速開始用カウンタ回路37には、減速を開始するときの帯状シート巻取長さに相当するパルス数を設定し、巻取停止用カウンタ回路38には、巻取ロールを完成させるために必要な帯状シート巻取長さに相当するパルス数を設定する。ここで帯状シート巻取長さは巻取ロールRとして巻取られた帯状シートの長さ、つまり巻取ロールRの巻取開始から現在までに原反ロールR0から巻戻された帯状シートの長さである。減速を開始するときの帯状シート巻取長さは、帯状シートの巻戻し速度が減速開始から減速終了後の所定の微小速度になるまでの間に巻戻される帯状シート長さを、巻取ロールを完成させるために必要な帯状シート巻取長さに勘案して適正値になるように決められる。
【0021】
一時停止用カウンタ回路39は、パルス発生器40からパルス信号を時々刻々受け、欠点検出装置22から検出信号を受けたときパルス信号の計数を開始し、その計数値が予め設定された目標値に達すると計数完了信号を出し、帯状シートの巻戻しが再開されると計数値をリセットされるようになっている。この一時停止用カウンタ回路39には、欠点検出位置P1から停止位置P2までの帯状シート走行経路の長さに相当するパルス数を目標値として設定する。
【0022】
減速開始から巻戻し停止までの巻戻し速度の制御誤差により帯状シートの欠点部分が停止位置P2に到達する前に巻戻しが停止するのを防ぐために、速度制御装置23は、巻戻し速度を所定の微小速度まで減速し、その後、その所定の微小速度を、一時停止用カウンタ回路39又は巻取停止用カウンタ回路38が計数完了信号を出すまで維持できるようにしてある。この微小速度は、急停止しても支障が生じない大きさのものであり、場合によっては零にしてもよく、速度設定部33で設定することができるようになっている。速度設定部33で設定する加速度、減速度は、加速、減速開始から完了まで始終一定のものが一般的であるが、急激な速度変化を避けるために速度設定部33を例えば加速、減速開始から漸増して一定値になり、巻戻し速度が目的とする速度になる前に漸減して零になるように変化する加速度、減速度を設定できるようにしたものでもよい。
【0023】
このスリッター付き検品用巻取機により、帯状シートの欠点部分に対して処置をした所定幅の巻取ロールを得るには、巻取開始用スイッチ34を押して巻取運転を開始し、原反スタンド24に掛けた原反ロールR0から帯状シートSを案内ローラ2,3・・・20により定常速度で巻戻すと共にスリッター1へ案内し、スリッター1で化粧裁ちされた帯状シートScを巻取機構21により巻取る。巻取運転中に原反ロールR0から巻戻された帯状シートSに欠点があると、それを欠点検出装置22が検出して欠点検出信号を速度制御装置22へ出力する。その欠点検出信号を受けた速度制御装置23は繰出しモータ31の減速を開始し、設定されている減速度に基づき巻戻し速度が所定の微小速度になるまで繰出しモータ31を減速する。また速度制御装置23が欠点検出信号を受けたとき、一時停止用カウンタ回路39がパルス信号の計数を開始して、その計数値が予め設定された目標値に達すると計数完了信号を出力し、そのとき速度制御装置23は繰出しモータ31の回転を停止する。それによって、欠点検出装置22により検出された帯状シートの欠点部分は、欠点検出位置P1から停止位置P2まで走行し、確実に停止位置P2上に停止する。繰出しモータ31の停止により帯状シートSの巻戻しが停止すると、作業者は停止位置P2上に停止した欠点部分の状態を確認し、その欠点部分に対してマーキングを施す等の必要な処置をする。なお、この処置は欠点部分を切除して上流側と下流側の帯状シートの切断端を接合するものであってもよい。
【0024】
帯状シートの欠点部分に対する処置が済むと、速度制御装置23の巻取開始スイッチ34を押して巻取りを再開する。そして欠点検出装置22が欠点を検出する度に上述の動作を繰り返す。帯状シートの巻取長さが減速開始用カウンタ回路37に設定した減速開始時の巻取長さになると、速度制御装置23は繰出しモータ31の減速を開始し、巻取ロールRが完成すると繰出しモータ31の回転を停止する。
【0025】
本発明では、帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群GRに帯状シートの先端を通す作業を容易にするために、図2に示す下側の案内ローラ7,9,11,13を昇降可能に設けて、帯状シートを通すとき、上側の案内ローラ6,8,10,12,14より高い位置につけ、帯状シートを上下2列の案内ローラ間を直線状に通すことができるようにしてもよい。
【0026】
上述のスリッター付き検品用巻取機において欠点検出を行わず単に帯状シートを所定幅に裁断して巻取るには、帯状シートを図2の下側の列の案内ローラ7、9、11、13にかけずに直線状に走行させるとよく、その場合は、一般のスリッター付き巻取機と同様の速度で巻取ることができる。
【0027】
【実施例】
上述のスリッター付き検品用巻取機においてプラスチックフィルムを品質を落すことなく巻取るために、その定常巻戻し速度を200メートル毎分とし、案内ローラ群GRにより欠点検出位置P1と停止位置P2間の帯状シート走行経路延長さが14メートル以上になるように帯状シート走行経路を延長した。
【0028】
また帯状シートがプラスチックフィルムである場合、案内ローラ群GRを通過する帯状シートにシワを生じさせないようにするために、案内ローラ群GRの案内ローラ相互間の帯状シート走行経路長さを1.3メートル以下にした。帯状シートが不織布の場合は案内ローラの相互間の帯状シート走行経路長さを4メートル以下にしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、比較的構造が簡単な案内ローラ群を設けて帯状シート走行経路を延長することにより、高速で走行する帯状シートの欠点を検出したとき、帯状シートの巻戻し速度を所定の減速度で漸減させることができるようにすると共に、検出された欠点部分をスリッター上流側の所定の停止位置に停止させることができるようにした。そのゆえ、欠点検出に伴い巻取りを一時停止するとき帯状シートに傷や永久歪が生じるのを防ぐことができ、かつ帯状シートの欠点部分に対して容易に短時間で必要な処置を行うことができる。また欠点が検出されても従来のように一旦巻取った帯状シートを原反ロール側へ巻戻す必要がないから、帯状シートの縦じわを防ぐための拡幅ローラを支障なく設けることができる。更に、従来必要であった欠点検出のための巻直し機による巻直し作業や、その後の帯状シートの巻戻し方向に対する絵柄の方向を元に戻すための巻直し機による巻直し作業が不要になり、それらの作業に関係する巻直し機等の設備も不要になる。したがって、本発明によれば、操作が容易で構造が比較的簡単な生産性の高いスリッター付き検品用巻取機を提供することができ、帯状シートを検品して所要幅の巻取ロールに加工する工程において生産性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリッター付き検品用巻取機の全体説明図である。
【図2】本発明のスリッター付き検品用巻取機の概略側面図である。
【符号の説明】
R0 原反ロール
S 帯状シート
GR 帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群
1 スリッター
2〜20 案内ローラ
6〜20 被駆動の案内ローラ
21 巻取機構
22 欠点検出装置
23 速度制御装置
39 一時停止用カウンタ回路
40 パルス発生器

Claims (2)

  1. 原反ロールから帯状シートを巻戻してスリッターへ案内する一連の多数の案内ローラと、前記スリッターにより化粧裁ち又は複数に分割された帯状シートを巻取る巻取機構と、前記原反ロールから巻戻された帯状シートの欠点を検出する欠点検出装置と、前記欠点検出装置が帯状シートの欠点を検出したとき、前記多数の案内ローラに含まれる被駆動の案内ローラを所定の減速度で減速して停止させることができる速度制御装置と、前記欠点検出装置による欠点検出位置と該欠点検出位置より下流かつ前記スリッターより上流に設定した停止位置との間に配設した、前記多数の案内ローラに含まれる帯状シート走行経路延長用の案内ローラ群とを備え、前記欠点検出位置と前記停止位置との間の帯状シートの走行経路長さを、前記欠点検出装置が帯状シートの欠点を検出してから前記被駆動の案内ローラが停止するまでの間に巻戻される帯状シートの長さに等しくしたことを特徴とするスリッター付き検品用巻取機。
  2. 前記速度制御装置は、前記欠点検出装置から検出信号を受けたとき、帯状シートが一定距離走行する毎にパルス発生器から出されるパルス信号の計数を開始する一時停止用カウンタ回路を備え、該一時停止用カウンタ回路による前記パルス信号の計数値が前記欠点検出位置から停止位置までの長さに相当する値に達したとき前記被駆動の案内ローラの回転を停止させることを特徴とする請求項1記載のスリッター付き検品用巻取機。
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