JP2004194483A - Dc−dcコンバータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストのCPUを使用しつつも、高分解能のPFM信号を出力することの可能な、DC−DCコンバータの制御装置を提供すること。
【解決手段】スイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータの出力電圧を制御する制御装置において、スイッチング周波数を規定するPFM信号を生成する際に、CPU30の演算部31には、5MHzの基準クロックを与えて内部動作が良好に行われるように構成し、CPU30の内部カウンタ32には基準クロックよりも高速である10MHzのクロック信号を入力し、高速クロックのカウント動作を行わせる。カウンタ32に入力するクロックのみを高速化することで高分解能のPFM信号を生成することが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】スイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータの出力電圧を制御する制御装置において、スイッチング周波数を規定するPFM信号を生成する際に、CPU30の演算部31には、5MHzの基準クロックを与えて内部動作が良好に行われるように構成し、CPU30の内部カウンタ32には基準クロックよりも高速である10MHzのクロック信号を入力し、高速クロックのカウント動作を行わせる。カウンタ32に入力するクロックのみを高速化することで高分解能のPFM信号を生成することが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC−DCコンバータ(直流変換器)の制御装置に関し、特に制御用の信号生成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、DC−DCコンバータの制御装置は、スイッチング損失を低減するために、電圧共振を利用したゼロ電圧スイッチング方式や、電流共振を利用したゼロ電流スイッチング方式を採用する。これらのDC−DCコンバータにおいては、半導体スイッチング素子のオン時間を一定にし、スイッチング周波数を変化させることで出力電圧を制御する方法が一般的である(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
このようなスイッチング周波数の制御をCPUを用いて行う場合、CPUの内部カウンタで基準クロックをカウントするように構成され、出力電圧に応じたカウント値を計数した時点で制御用のパルスを発生させるようになっている。これにより、CPUは出力電圧に応じて周波数を変調したパルス信号(パルス周波数変調信号:PFM信号)を生成することになり、DC−DCコンバータの出力電圧が一定の状態に制御される。
【0004】
例えば、図8に示すように、CPU100がクロック110から入力する5MHzの基準クロックを入力して内部動作を行うように構成され、出力電圧に応じたスイッチング周波数を決定するように構成される。また、CPU100には内部カウンタ102が設けられており、内部カウンタ102はCPU100に入力する基準クロックをカウントし、CPU100の演算処理によって決定されるスイッチング周波数に適合した周期のPFM信号を出力するように構成される。
【0005】
ここで仮に、CPU100から出力されるPFM信号の周波数が62kHz〜185kHzの範囲で変調されるとする。この場合、図9に示すように、5MHzの基準クロックの1周期が0.2μsであるため、内部カウンタ102は基準クロックを27〜80パルスカウントすることとなり、そのカウント結果に応じて1周期が5.4μs〜16μsとなるPFM信号を出力することとなる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−58240号公報
【特許文献2】
特開2002−209377号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DC−DCコンバータを制御するために低コストのCPUを使用する場合、一般にCPUの内部動作が高速クロックに追従できないため、CPU動作のために低速クロックを使用せざるを得ず、内部カウンタのカウント用クロックも低速クロックをカウントすることになる。このため、従来の制御装置で低コストのCPUを使用すると、PFM信号の分解能が低く、微小な出力電圧の変動に対して追従できないという問題があった。そのためPFM信号の周波数変動幅が粗くなるため、DC−DCコンバータの出力電圧も不安定なものとなっていた。
【0008】
一方、CPUの内部動作(特に演算処理等)を高速クロックに追従できるように構成すると、CPUの単価が上昇し、制御装置がコストアップする点で問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低コストのCPUを使用しつつも、高分解能のPFM信号を出力することの可能な、DC−DCコンバータの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、スイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータの出力電圧を制御する制御装置であって、基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成され、前記出力電圧に基づいて前記周波数を決定する演算手段と、前記基準クロックよりも高速のクロック信号を発生させるクロック発生手段と、前記クロック発生手段で発生するクロック信号を分周して前記基準クロックを生成し、前記演算手段に与える分周手段と、前記クロック発生手段で発生するクロック信号をカウントするように構成され、前記演算手段で決定される前記周波数に基づくカウント動作を行うことによって、前記周波数成分を有する信号を生成するカウント手段と、を備えて構成される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記カウント手段と前記演算手段とが1チップ集積回路で構成されることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記1周期分のカウント動作を繰り返すことによって、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる周期の半周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記半周期分のカウント動作を繰り返し、前記半周期分のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記1周期分のカウント動作を繰り返すとともに、前記1周期の半周期分のカウント動作を繰り返し、各カウント動作のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
<1.第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるDC−DCコンバータ回路1と、その制御装置10とを示す回路ブロック図である。DC−DCコンバータ回路1は降圧型DC−DCコンバータの一例を示すものであり、入力端子4,5間に印加される直流電源8の入力電圧Viより低い直流出力電圧Voを生成して出力端子6,7に接続される負荷9に印加するように構成され、全波形ゼロ電流スイッチング方式により制御される。
【0017】
DC−DCコンバータ回路1は、スイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1と逆並列に接続され、電流を逆方向に流すためのダイオード(FETの場合、寄生ダイオード)D1と、スイッチング素子Q1に直列接続された共振用リアクトルL1と、共振用コンデンサC1と、出力電圧Voの脈動を抑制するための低域通過フィルタを形成するリアクトルL2及びコンデンサC2と、スイッチング素子Q1がオフしたときにリアクトルL2に蓄積されたエネルギーを放出するための還流用ダイオードD2とを備えて構成される。スイッチング素子Q1は入力電圧Viをチョッピングするためのものであり、スイッチング素子Q1のオンオフ動作は制御装置10によって制御される。
【0018】
また、DC−DCコンバータ回路1にはリアクトルL1に流れる共振電流Iを検出するための電流検出回路3が設けられ、電流検出回路3で検出された電流値は制御装置10に与えられる。さらに、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voも制御装置10に与えられる。
【0019】
制御装置10は、スイッチング素子Q1のオン時間を一定にし、オンオフ動作の周期(すなわち、スイッチング周波数)を出力電圧Voに応じて調整することにより、出力電圧Voを一定状態に制御する。制御装置10は、出力電圧の設定値Vsを生成する設定値生成回路11と、スイッチング周波数を規定するPFM信号を生成するPFM信号生成回路12と、スイッチング素子Q1のオンタイミング及びオフタイミングを指示する制御回路13と、スイッチング素子Q1をオンオフ動作させるための駆動信号(パルス信号)を生成する駆動回路14とを備えて構成される。
【0020】
PFM信号生成回路12は出力電圧Voと設定値生成回路11で生成される設定値Vsとを比較し、出力電圧Voが行って位置に維持されるようなスイッチング周波数を決定し、そのスイッチング周波数成分を有するパルス信号(PFM信号)を生成する。PFM信号生成回路12にて生成されるPFM信号は制御回路13に与えられる。
【0021】
制御回路13は、例えば、PFM信号生成回路12から入力するPFM信号に応答して駆動回路14にスイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出するとともに、スイッチング損失を抑制するために、電流検出回路3から入力する共振電流Iに基づいてオン信号送出から一定時間経過後にスイッチング素子Q1をオフさせるためのオフ信号を送出するように構成される。なお、このような制御回路は例えば特開2002−58240号公報に開示されるものを利用することができる。
【0022】
駆動回路14は、スイッチング素子Q1にスイッチング動作を行わせるための駆動信号を生成するものであり、制御回路13からオン信号を入力したタイミングでターンオンし、オフ信号を入力したタイミングでターンオフするパルス信号をスイッチング素子Q1に与えるように構成される。
【0023】
このような制御装置10のPFM信号生成回路12は、高分解能のPFM信号を生成するために以下のように構成される。
【0024】
図2は、本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。PFM信号生成回路12は、クロック20と2分周器21とCPU30とを備えて構成される。またCPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31と、入力するパルス信号のパルスをカウントする内部カウンタ32とを備えて構成される。なお、ここでは演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0025】
クロック20は例えば水晶発振素子等によって構成され、CPU30に入力する基準クロックよりも高速である、10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号はCPU30の内部カウンタ32に入力するように構成される。
【0026】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31は内部カウンタ32に対し、スイッチング周波数fに応じたカウント設定値を指示する。
【0027】
カウンタ32は10MHzのクロック信号を入力し、パルスのカウント動作を行うとともに、カウント値が演算部31によって指示されたカウント設定値に達すると、その時点でカウント値をリセットするとともに、PFM信号をターンオンさせる。なお、PFM信号をターンオフさせるタイミングは任意であるが、例えばPFM信号のデューティ比がほぼ50%になるように、ターンオン時から所定時間経過後にターンオフするように設定しておくことが好ましい。この結果、カウンタ32は、カウント値をリセットするごとに、1周期分のPFM信号を出力することになる。
【0028】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる1周期分のカウント指令をカウンタ32に与えるように構成され、カウンタ32が、その1周期分のカウント動作を繰り返すことによって、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0029】
図3は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。そしてカウンタ32はこのカウント設定値に基づいて10MHzのクロック信号をカウントすることになる。このため、カウンタ32は10MHzのクロック信号を54〜160パルスカウントすることとなり、そのカウント結果に応じて1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を出力することになる。
【0030】
したがって、本実施形態では1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態では、出力電圧Voに応じてスイッチング周波数を変化させる場合に、そのスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0031】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0032】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0033】
以上のように、制御装置10はスイッチング素子Q1のスイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voを制御するように構成されており、スイッチング周波数を規定するためのPFM信号を生成するように構成されている。
【0034】
そしてPFM信号生成回路12は、8ビットマイコン等の低コストのCPU30を用いて構成され、CPU30の内部に、比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行う演算部31と、比較的高速のクロック信号をカウントするカウンタ32とが設けられて1チップ集積回路を構成している。
【0035】
このため、従来の構成と比較すると、2分周器21を設けるだけで高分解能のPFM信号を生成することが可能であり、最も簡単かつ低コストに、高分解能のPFM信号を得るためのDC−DCコンバータの制御装置を実現することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、演算部31がカウンタ32に対してPFM信号の一周期分に応じたカウント設定値を指示するように構成された例を示したが、これに限定されるものではなく、PFM信号の半周期分のカウント設定値を指示するようにしてもよい。
【0037】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、カウンタ32はCPU30の内部に設けられるものであるため、内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合も想定される。そのため、本実施形態ではCPU外部にカウンタを配置する構成例を示す。なお、DC−DCコンバータ回路1及び制御装置10の構成は図1に示したものと同様である。
【0038】
図4は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。なお、図4において上述した部材と同様の部材には同一符号を付している。
【0039】
PFM信号生成回路12は、クロック20、2分周器21、CPU30、カウンタ40、比較器41及び矩形波生成回路42を備えて構成される。CPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31を備える。なお、ここでも演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0040】
クロック20は例えば10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。
【0041】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31はスイッチング周波数fから一義的に定まるPFM信号半周期分のカウント設定値を8ビットデータとして比較器41に指示するように構成される。
【0042】
また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号は、CPU30とは別個に設けられたカウンタ40に入力するように構成される。
【0043】
カウンタ40は例えば8ビットカウンタによって構成され、10MHzのクロック信号をカウントし、そのカウント値を逐次8ビットデータとして比較器41に出力するように構成される。
【0044】
比較器41は8ビットコンパレータとして構成され、カウンタ40から入力するカウント値と、CPU30から入力するカウント設定値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号を出力するように構成される。これに対し、全てのビットが一致しなければ比較結果としてパルス波形は出力されない。
【0045】
全てのビットが一致した場合のパルス信号は、矩形波生成回路42に与えられるとともに、カウンタ40のリセット信号として利用するためにカウンタ40に与えられる。
【0046】
カウンタ40は比較器41からのリセット信号を入力すると、カウント値をリセットしてカウント動作を継続する。このためカウンタ40はスイッチング周波数fによって定まるPFM信号半周期分のカウント動作を繰り返し行うこととなり比較器41からはPFM信号半周期毎にパルス信号が出力される。
【0047】
矩形波生成回路42は比較器41からPFM信号半周期を規定するパルス信号を入力すると、そのパルス信号からPFM信号を生成し、出力する。
【0048】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる周期の半周期分のカウント指令を、比較器41に与えるように構成され、カウンタ40及び比較器41が、その半周期分のカウント動作を繰り返し、半周期分のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0049】
図5は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてPFM信号1周期分のカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。このため、演算部31は比較器41に対して与えるPFM信号半周期分のカウント設定値を、27〜80パルスの範囲内で設定する。
【0050】
カウンタ40は10MHzのカウント用クロックをカウントし、そのカウント値を逐次出力する。そして比較器41はカウント設定値とカウンタ40によるカウント値とを比較し、その比較結果としてPFM信号の半周期毎(すなわち、2.7μs〜8μsの間隔毎)にパルス信号を発生させる。
【0051】
そして矩形波生成回路42は比較器41からのパルス信号を入力するタイミングで、オンオフを繰り返すPFM信号を生成する。この結果、矩形波生成回路42によって1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号が生成され、PFM信号生成回路12から出力されることになる。
【0052】
したがって、本実施形態でも1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態でもスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0053】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0054】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0055】
以上のように、本実施形態のPFM信号生成回路12は、CPU30が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成されるのに対し、CPU30とは別に設けられたカウンタ40が比較的高速のクロック信号をカウントするように構成される。
【0056】
このため、第1の実施の形態の内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合があり得るが、本実施形態のように10MHzのクロック信号に追従可能なカウンタ機能をCPU30の外部に設けることで良好に動作させることが可能になる。
【0057】
さらに、本実施形態では、PFM信号の半周期毎にカウント動作を繰り返すように構成されているので、PFM信号を生成するためのパルス信号が半周期毎に生成され、デューティ比50%の正確なPFM信号を生成することが可能になり、PFM信号の信頼性を向上させることができる。ただし、PFM信号の半周期毎にカウント動作を繰り返す場合に限られず、1周期毎にカウント動作を繰り返すように構成されてもよい。
【0058】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施形態でもCPU外部にカウンタを配置する構成例を示す。なお、DC−DCコンバータ回路1及び制御装置10の構成は図1に示したものと同様である。
【0059】
図6は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。なお、図6において上述した部材と同様の部材には同一符号を付している。
【0060】
PFM信号生成回路12は、クロック20、2分周器21、CPU30、カウンタ50、第1比較器51、第2比較器52、論理和回路53、矩形波生成回路54、及び1/2回路55を備えて構成される。CPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31を備える。なお、ここでも演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0061】
クロック20は例えば10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。
【0062】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31はスイッチング周波数fから一義的に定まるPFM信号1周期分のカウント設定値を8ビットデータとして比較器51及び1/2回路55に出力するように構成される。
【0063】
1/2回路55は例えばシフトレジスタ等によって構成され、カウント設定値を示す8ビットデータの各ビットを下位桁にシフトさせる。例えば、演算部31から1周期分のカウント設定値として54パルスが設定されていた場合、8ビットデータは”00110110”であるが、これを1/2回路55において下位桁に1ビットずつシフトさせることで8ビットデータを”00011011”に変換する。また、演算部31から1周期分のカウント設定値として160パルスが設定されていた場合、8ビットデータは”10100000”であるが、これを下位桁に1ビットずつシフトさせることで8ビットデータを”01010000”に変換する。このような変換処理により、カウント設定値は1/2の値となり、その値が比較器52に与えられる。
【0064】
また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号は、CPU30とは別個に設けられたカウンタ50に入力するように構成される。
【0065】
カウンタ50は例えば8ビットカウンタによって構成され、10MHzのクロック信号をカウントし、そのカウント値を逐次8ビットデータとして比較器51,52に出力するように構成される。
【0066】
比較器51,52はそれぞれ8ビットコンパレータとして構成される。比較器51は、カウンタ50から入力するカウント値と、CPU30から入力するカウント設定値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号(S1)を出力するように構成される。また、比較器52はカウンタ50から入力するカウント値と、1/2回路55から入力するカウント設定値の1/2の値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号(S2)を出力するように構成される。各比較器51,52から出力されるパルス信号は論理和回路53に与えられるとともに、比較器51のパルス信号はカウンタ50のリセット信号として利用するためにカウンタ50に与えられる。
【0067】
このため、比較器51からのパルス信号(S1)は、カウンタ50が10MHzのクロック信号のカウント動作を行い、PFM信号1周期分のカウント値に至った時点で送出され、比較器52からのパルス信号(S2)は、カウンタ50のカウント値がPFM信号半周期分のカウント値に至った時点で送出される。
【0068】
論理和回路53は比較器51,52からのパルス信号(S1,S2)の論理和信号(S3)を生成し、矩形波生成回路54に送出する。このため、論理和回路53からは、スイッチング周波数fによって定まるPFM信号半周期毎にパルス信号が出力される。
【0069】
矩形波生成回路54は論理和回路53からPFM信号半周期を規定するパルス信号を入力すると、そのパルス信号からPFM信号を生成し、出力する。
【0070】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる1周期分のカウント指令を送出するように構成され、カウンタ50及び比較器51,52が、その1周期分のカウント動作を繰り返すとともに、その1周期の半周期分のカウント動作を繰り返し、各カウント動作のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0071】
図7は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてPFM信号1周期分のカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。このカウント設定値は比較器51及び1/2回路55に与えられ、1/2回路55によりカウント設定値が1/2に変換された値(27〜80パルス)が比較器52に与えられる。
【0072】
カウンタ50は10MHzのカウント用クロックをカウントし、そのカウント値を逐次出力する。そして比較器51はカウント設定値とカウンタ50によるカウント値とを比較し、その比較結果としてPFM信号の1周期毎にパルス信号(S1)を発生させる。また、比較器52はカウント設定値の1/2の値とカウンタ50によるカウント値とを比較し、その比較結果として、比較器51のパルス信号(S1)とは半周期ずれたパルス信号(S2)を発生させる。
【0073】
論理和回路53は各パルス信号(S1,S2)から論理和信号(S3)を生成し、矩形波生成回路54に送出する。そして矩形波生成回路54は論理和信号(S3)を入力するタイミングで、オンオフを繰り返すPFM信号を生成する。この結果、矩形波生成回路54によって1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号が生成され、PFM信号生成回路12から出力されることになる。
【0074】
したがって、本実施形態でも1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態でもスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0075】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0076】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0077】
以上のように、本実施形態のPFM信号生成回路12でも、CPU30が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成されるのに対し、CPU30とは別に設けられたカウンタ50が比較的高速のクロック信号をカウントするように構成される。
【0078】
このため、第1の実施の形態の内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合があり得るが、本実施形態のように10MHzのクロック信号に追従可能なカウンタ機能をCPU30の外部に設けることで良好に動作させることが可能になる。
【0079】
さらに、本実施形態では、1/2回路55の作用によって、PFM信号の半周期毎にパルス信号の生成が可能なように構成されているので、PFM信号を生成するためのパルス信号が半周期毎に生成され、デューティ比50%の正確なPFM信号を生成することが可能になり、PFM信号の信頼性を向上させることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、演算部31がPFM信号の一周期分に応じたカウント設定値を指示するように構成された例を示したが、これに限定されるものではなく、PFM信号の半周期分のカウント設定値を指示するようにしてもよい。この場合、1/2回路55の作用により、PFM信号の1/4周期毎にパルス信号の生成が可能となり、1周期をより多く分周させた信号からPFM信号を生成することが可能になるので、PFM信号の信頼性がさらに向上する。
【0081】
また、本実施形態では、カウント設定値が偶数の場合、比較器52からのパルス信号(S2)は正確に半周期の位置で発生するが、カウント設定値が奇数の場合には、比較器52からのパルス信号(S2)は正確に半周期の位置では発生しない。しかし、この現象はPFM信号の分解能に影響を与えるものではない。
【0082】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記においては、CPU30が5MHzの基準クロックで動作する場合を示したが、これに限定されるものではない。また、カウンタ用のクロックが10MHzである場合を示したが、これに限定されるものでもない。すなわち、クロック20がCPU30の基準クロックのN倍(N>1)のクロック信号を生成し、そのクロック信号をN分周することによってCPU30の基準クロックを生成するように構成してもよい。
【0084】
また、上記においては、PFM信号の周波数が62kHz〜185kHzの範囲内で定められる例を示したが、これに限定されるものでもない。そのためカウント設定値も上述した値に限定されるものではない。
【0085】
また、上記においては、DC−DCコンバータ回路1が電流共振型である場合を例示したが、これに限定されるものでもなく、電圧共振型であっても本発明の構成を適用することは可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至5に記載の発明によれば、演算手段が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作が可能であり、カウント手段が比較的高速のクロック信号をカウントしてスイッチング周波数の周波数成分を有する信号を生成することが可能であるため、低コストのCPUを使用しつつも、高分解能の信号を出力することが可能である。このため、信号の周波数変動幅を微小な単位で調整することができ、DC−DCコンバータの出力電圧の微小な変動に対しても追従させることができ、出力電圧の安定化を図ることができる。
【0087】
また、特に請求項2に記載の発明によれば、カウント手段と演算手段とが1チップ集積回路で構成されるので、簡単かつ低コストに、高分解能の信号を得ることができる。
【0088】
また、特に請求項4及び5に記載の発明によれば、半周期毎に信号のオンオフが行われるので、信頼性の高い信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DC−DCコンバータ回路とその制御装置とを示す回路ブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】第2の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】第3の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】第3の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来のPFM信号生成回路を示す図である。
【図9】従来のPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 DC−DCコンバータ回路
10 制御装置
11 設定値生成回路
12 PFM信号生成回路
13 制御回路
14 駆動回路
20 クロック(クロック発生手段)
21 2分周器(分周手段)
30 CPU(1チップ集積回路)
31 演算部(演算手段)
32,40,50 カウンタ
41,51,52 比較器
42,54 矩形波生成回路
53 論理和回路
55 1/2回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC−DCコンバータ(直流変換器)の制御装置に関し、特に制御用の信号生成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、DC−DCコンバータの制御装置は、スイッチング損失を低減するために、電圧共振を利用したゼロ電圧スイッチング方式や、電流共振を利用したゼロ電流スイッチング方式を採用する。これらのDC−DCコンバータにおいては、半導体スイッチング素子のオン時間を一定にし、スイッチング周波数を変化させることで出力電圧を制御する方法が一般的である(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
このようなスイッチング周波数の制御をCPUを用いて行う場合、CPUの内部カウンタで基準クロックをカウントするように構成され、出力電圧に応じたカウント値を計数した時点で制御用のパルスを発生させるようになっている。これにより、CPUは出力電圧に応じて周波数を変調したパルス信号(パルス周波数変調信号:PFM信号)を生成することになり、DC−DCコンバータの出力電圧が一定の状態に制御される。
【0004】
例えば、図8に示すように、CPU100がクロック110から入力する5MHzの基準クロックを入力して内部動作を行うように構成され、出力電圧に応じたスイッチング周波数を決定するように構成される。また、CPU100には内部カウンタ102が設けられており、内部カウンタ102はCPU100に入力する基準クロックをカウントし、CPU100の演算処理によって決定されるスイッチング周波数に適合した周期のPFM信号を出力するように構成される。
【0005】
ここで仮に、CPU100から出力されるPFM信号の周波数が62kHz〜185kHzの範囲で変調されるとする。この場合、図9に示すように、5MHzの基準クロックの1周期が0.2μsであるため、内部カウンタ102は基準クロックを27〜80パルスカウントすることとなり、そのカウント結果に応じて1周期が5.4μs〜16μsとなるPFM信号を出力することとなる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−58240号公報
【特許文献2】
特開2002−209377号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DC−DCコンバータを制御するために低コストのCPUを使用する場合、一般にCPUの内部動作が高速クロックに追従できないため、CPU動作のために低速クロックを使用せざるを得ず、内部カウンタのカウント用クロックも低速クロックをカウントすることになる。このため、従来の制御装置で低コストのCPUを使用すると、PFM信号の分解能が低く、微小な出力電圧の変動に対して追従できないという問題があった。そのためPFM信号の周波数変動幅が粗くなるため、DC−DCコンバータの出力電圧も不安定なものとなっていた。
【0008】
一方、CPUの内部動作(特に演算処理等)を高速クロックに追従できるように構成すると、CPUの単価が上昇し、制御装置がコストアップする点で問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低コストのCPUを使用しつつも、高分解能のPFM信号を出力することの可能な、DC−DCコンバータの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、スイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータの出力電圧を制御する制御装置であって、基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成され、前記出力電圧に基づいて前記周波数を決定する演算手段と、前記基準クロックよりも高速のクロック信号を発生させるクロック発生手段と、前記クロック発生手段で発生するクロック信号を分周して前記基準クロックを生成し、前記演算手段に与える分周手段と、前記クロック発生手段で発生するクロック信号をカウントするように構成され、前記演算手段で決定される前記周波数に基づくカウント動作を行うことによって、前記周波数成分を有する信号を生成するカウント手段と、を備えて構成される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記カウント手段と前記演算手段とが1チップ集積回路で構成されることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記1周期分のカウント動作を繰り返すことによって、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる周期の半周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記半周期分のカウント動作を繰り返し、前記半周期分のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、前記演算手段が、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、前記カウント手段が、前記1周期分のカウント動作を繰り返すとともに、前記1周期の半周期分のカウント動作を繰り返し、各カウント動作のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
<1.第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるDC−DCコンバータ回路1と、その制御装置10とを示す回路ブロック図である。DC−DCコンバータ回路1は降圧型DC−DCコンバータの一例を示すものであり、入力端子4,5間に印加される直流電源8の入力電圧Viより低い直流出力電圧Voを生成して出力端子6,7に接続される負荷9に印加するように構成され、全波形ゼロ電流スイッチング方式により制御される。
【0017】
DC−DCコンバータ回路1は、スイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1と逆並列に接続され、電流を逆方向に流すためのダイオード(FETの場合、寄生ダイオード)D1と、スイッチング素子Q1に直列接続された共振用リアクトルL1と、共振用コンデンサC1と、出力電圧Voの脈動を抑制するための低域通過フィルタを形成するリアクトルL2及びコンデンサC2と、スイッチング素子Q1がオフしたときにリアクトルL2に蓄積されたエネルギーを放出するための還流用ダイオードD2とを備えて構成される。スイッチング素子Q1は入力電圧Viをチョッピングするためのものであり、スイッチング素子Q1のオンオフ動作は制御装置10によって制御される。
【0018】
また、DC−DCコンバータ回路1にはリアクトルL1に流れる共振電流Iを検出するための電流検出回路3が設けられ、電流検出回路3で検出された電流値は制御装置10に与えられる。さらに、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voも制御装置10に与えられる。
【0019】
制御装置10は、スイッチング素子Q1のオン時間を一定にし、オンオフ動作の周期(すなわち、スイッチング周波数)を出力電圧Voに応じて調整することにより、出力電圧Voを一定状態に制御する。制御装置10は、出力電圧の設定値Vsを生成する設定値生成回路11と、スイッチング周波数を規定するPFM信号を生成するPFM信号生成回路12と、スイッチング素子Q1のオンタイミング及びオフタイミングを指示する制御回路13と、スイッチング素子Q1をオンオフ動作させるための駆動信号(パルス信号)を生成する駆動回路14とを備えて構成される。
【0020】
PFM信号生成回路12は出力電圧Voと設定値生成回路11で生成される設定値Vsとを比較し、出力電圧Voが行って位置に維持されるようなスイッチング周波数を決定し、そのスイッチング周波数成分を有するパルス信号(PFM信号)を生成する。PFM信号生成回路12にて生成されるPFM信号は制御回路13に与えられる。
【0021】
制御回路13は、例えば、PFM信号生成回路12から入力するPFM信号に応答して駆動回路14にスイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出するとともに、スイッチング損失を抑制するために、電流検出回路3から入力する共振電流Iに基づいてオン信号送出から一定時間経過後にスイッチング素子Q1をオフさせるためのオフ信号を送出するように構成される。なお、このような制御回路は例えば特開2002−58240号公報に開示されるものを利用することができる。
【0022】
駆動回路14は、スイッチング素子Q1にスイッチング動作を行わせるための駆動信号を生成するものであり、制御回路13からオン信号を入力したタイミングでターンオンし、オフ信号を入力したタイミングでターンオフするパルス信号をスイッチング素子Q1に与えるように構成される。
【0023】
このような制御装置10のPFM信号生成回路12は、高分解能のPFM信号を生成するために以下のように構成される。
【0024】
図2は、本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。PFM信号生成回路12は、クロック20と2分周器21とCPU30とを備えて構成される。またCPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31と、入力するパルス信号のパルスをカウントする内部カウンタ32とを備えて構成される。なお、ここでは演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0025】
クロック20は例えば水晶発振素子等によって構成され、CPU30に入力する基準クロックよりも高速である、10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号はCPU30の内部カウンタ32に入力するように構成される。
【0026】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31は内部カウンタ32に対し、スイッチング周波数fに応じたカウント設定値を指示する。
【0027】
カウンタ32は10MHzのクロック信号を入力し、パルスのカウント動作を行うとともに、カウント値が演算部31によって指示されたカウント設定値に達すると、その時点でカウント値をリセットするとともに、PFM信号をターンオンさせる。なお、PFM信号をターンオフさせるタイミングは任意であるが、例えばPFM信号のデューティ比がほぼ50%になるように、ターンオン時から所定時間経過後にターンオフするように設定しておくことが好ましい。この結果、カウンタ32は、カウント値をリセットするごとに、1周期分のPFM信号を出力することになる。
【0028】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる1周期分のカウント指令をカウンタ32に与えるように構成され、カウンタ32が、その1周期分のカウント動作を繰り返すことによって、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0029】
図3は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。そしてカウンタ32はこのカウント設定値に基づいて10MHzのクロック信号をカウントすることになる。このため、カウンタ32は10MHzのクロック信号を54〜160パルスカウントすることとなり、そのカウント結果に応じて1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を出力することになる。
【0030】
したがって、本実施形態では1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態では、出力電圧Voに応じてスイッチング周波数を変化させる場合に、そのスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0031】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0032】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0033】
以上のように、制御装置10はスイッチング素子Q1のスイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voを制御するように構成されており、スイッチング周波数を規定するためのPFM信号を生成するように構成されている。
【0034】
そしてPFM信号生成回路12は、8ビットマイコン等の低コストのCPU30を用いて構成され、CPU30の内部に、比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行う演算部31と、比較的高速のクロック信号をカウントするカウンタ32とが設けられて1チップ集積回路を構成している。
【0035】
このため、従来の構成と比較すると、2分周器21を設けるだけで高分解能のPFM信号を生成することが可能であり、最も簡単かつ低コストに、高分解能のPFM信号を得るためのDC−DCコンバータの制御装置を実現することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、演算部31がカウンタ32に対してPFM信号の一周期分に応じたカウント設定値を指示するように構成された例を示したが、これに限定されるものではなく、PFM信号の半周期分のカウント設定値を指示するようにしてもよい。
【0037】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、カウンタ32はCPU30の内部に設けられるものであるため、内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合も想定される。そのため、本実施形態ではCPU外部にカウンタを配置する構成例を示す。なお、DC−DCコンバータ回路1及び制御装置10の構成は図1に示したものと同様である。
【0038】
図4は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。なお、図4において上述した部材と同様の部材には同一符号を付している。
【0039】
PFM信号生成回路12は、クロック20、2分周器21、CPU30、カウンタ40、比較器41及び矩形波生成回路42を備えて構成される。CPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31を備える。なお、ここでも演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0040】
クロック20は例えば10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。
【0041】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31はスイッチング周波数fから一義的に定まるPFM信号半周期分のカウント設定値を8ビットデータとして比較器41に指示するように構成される。
【0042】
また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号は、CPU30とは別個に設けられたカウンタ40に入力するように構成される。
【0043】
カウンタ40は例えば8ビットカウンタによって構成され、10MHzのクロック信号をカウントし、そのカウント値を逐次8ビットデータとして比較器41に出力するように構成される。
【0044】
比較器41は8ビットコンパレータとして構成され、カウンタ40から入力するカウント値と、CPU30から入力するカウント設定値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号を出力するように構成される。これに対し、全てのビットが一致しなければ比較結果としてパルス波形は出力されない。
【0045】
全てのビットが一致した場合のパルス信号は、矩形波生成回路42に与えられるとともに、カウンタ40のリセット信号として利用するためにカウンタ40に与えられる。
【0046】
カウンタ40は比較器41からのリセット信号を入力すると、カウント値をリセットしてカウント動作を継続する。このためカウンタ40はスイッチング周波数fによって定まるPFM信号半周期分のカウント動作を繰り返し行うこととなり比較器41からはPFM信号半周期毎にパルス信号が出力される。
【0047】
矩形波生成回路42は比較器41からPFM信号半周期を規定するパルス信号を入力すると、そのパルス信号からPFM信号を生成し、出力する。
【0048】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる周期の半周期分のカウント指令を、比較器41に与えるように構成され、カウンタ40及び比較器41が、その半周期分のカウント動作を繰り返し、半周期分のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0049】
図5は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてPFM信号1周期分のカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。このため、演算部31は比較器41に対して与えるPFM信号半周期分のカウント設定値を、27〜80パルスの範囲内で設定する。
【0050】
カウンタ40は10MHzのカウント用クロックをカウントし、そのカウント値を逐次出力する。そして比較器41はカウント設定値とカウンタ40によるカウント値とを比較し、その比較結果としてPFM信号の半周期毎(すなわち、2.7μs〜8μsの間隔毎)にパルス信号を発生させる。
【0051】
そして矩形波生成回路42は比較器41からのパルス信号を入力するタイミングで、オンオフを繰り返すPFM信号を生成する。この結果、矩形波生成回路42によって1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号が生成され、PFM信号生成回路12から出力されることになる。
【0052】
したがって、本実施形態でも1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態でもスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0053】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0054】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0055】
以上のように、本実施形態のPFM信号生成回路12は、CPU30が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成されるのに対し、CPU30とは別に設けられたカウンタ40が比較的高速のクロック信号をカウントするように構成される。
【0056】
このため、第1の実施の形態の内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合があり得るが、本実施形態のように10MHzのクロック信号に追従可能なカウンタ機能をCPU30の外部に設けることで良好に動作させることが可能になる。
【0057】
さらに、本実施形態では、PFM信号の半周期毎にカウント動作を繰り返すように構成されているので、PFM信号を生成するためのパルス信号が半周期毎に生成され、デューティ比50%の正確なPFM信号を生成することが可能になり、PFM信号の信頼性を向上させることができる。ただし、PFM信号の半周期毎にカウント動作を繰り返す場合に限られず、1周期毎にカウント動作を繰り返すように構成されてもよい。
【0058】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施形態でもCPU外部にカウンタを配置する構成例を示す。なお、DC−DCコンバータ回路1及び制御装置10の構成は図1に示したものと同様である。
【0059】
図6は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の詳細構成を示すブロック図である。なお、図6において上述した部材と同様の部材には同一符号を付している。
【0060】
PFM信号生成回路12は、クロック20、2分周器21、CPU30、カウンタ50、第1比較器51、第2比較器52、論理和回路53、矩形波生成回路54、及び1/2回路55を備えて構成される。CPU30は8ビットマイコンのような1チップ集積回路で実現され、その内部機能として、入力する基準クロックに基づいて演算動作を行う演算部31を備える。なお、ここでも演算部31が5MHzまでの基準クロックに基づいて内部動作を行うことが可能である場合を例示する。
【0061】
クロック20は例えば10MHzのクロック信号を生成する。この10MHzのクロック信号は2分周器21において2分周され、5MHzの基準クロック信号としてCPU30のクロック端子に入力する。
【0062】
CPU30の演算部31は2分周器21から入力する5MHzの基準クロック信号に基づいて動作し、設定値生成回路11から入力する設定値VsとDC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voとを比較してスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fを決定する。そして演算部31はスイッチング周波数fから一義的に定まるPFM信号1周期分のカウント設定値を8ビットデータとして比較器51及び1/2回路55に出力するように構成される。
【0063】
1/2回路55は例えばシフトレジスタ等によって構成され、カウント設定値を示す8ビットデータの各ビットを下位桁にシフトさせる。例えば、演算部31から1周期分のカウント設定値として54パルスが設定されていた場合、8ビットデータは”00110110”であるが、これを1/2回路55において下位桁に1ビットずつシフトさせることで8ビットデータを”00011011”に変換する。また、演算部31から1周期分のカウント設定値として160パルスが設定されていた場合、8ビットデータは”10100000”であるが、これを下位桁に1ビットずつシフトさせることで8ビットデータを”01010000”に変換する。このような変換処理により、カウント設定値は1/2の値となり、その値が比較器52に与えられる。
【0064】
また、クロック20にて生成される10MHzのクロック信号は、CPU30とは別個に設けられたカウンタ50に入力するように構成される。
【0065】
カウンタ50は例えば8ビットカウンタによって構成され、10MHzのクロック信号をカウントし、そのカウント値を逐次8ビットデータとして比較器51,52に出力するように構成される。
【0066】
比較器51,52はそれぞれ8ビットコンパレータとして構成される。比較器51は、カウンタ50から入力するカウント値と、CPU30から入力するカウント設定値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号(S1)を出力するように構成される。また、比較器52はカウンタ50から入力するカウント値と、1/2回路55から入力するカウント設定値の1/2の値とをビット単位で比較し、全てのビットが一致すれば比較結果として所定のパルス信号(S2)を出力するように構成される。各比較器51,52から出力されるパルス信号は論理和回路53に与えられるとともに、比較器51のパルス信号はカウンタ50のリセット信号として利用するためにカウンタ50に与えられる。
【0067】
このため、比較器51からのパルス信号(S1)は、カウンタ50が10MHzのクロック信号のカウント動作を行い、PFM信号1周期分のカウント値に至った時点で送出され、比較器52からのパルス信号(S2)は、カウンタ50のカウント値がPFM信号半周期分のカウント値に至った時点で送出される。
【0068】
論理和回路53は比較器51,52からのパルス信号(S1,S2)の論理和信号(S3)を生成し、矩形波生成回路54に送出する。このため、論理和回路53からは、スイッチング周波数fによって定まるPFM信号半周期毎にパルス信号が出力される。
【0069】
矩形波生成回路54は論理和回路53からPFM信号半周期を規定するパルス信号を入力すると、そのパルス信号からPFM信号を生成し、出力する。
【0070】
このように本実施形態では、演算部31が、スイッチング周波数によって定められる1周期分のカウント指令を送出するように構成され、カウンタ50及び比較器51,52が、その1周期分のカウント動作を繰り返すとともに、その1周期の半周期分のカウント動作を繰り返し、各カウント動作のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、スイッチング周波数の周波数成分を有する信号(PFM信号)を生成するように構成される。
【0071】
図7は本実施形態におけるPFM信号生成回路12の動作を示すタイミングチャートである。例えば、スイッチング周波数fを62kHz〜185kHzの範囲内で変動させるとすると、10MHzのクロック信号の1周期が0.1μsであるので、演算部31は出力電圧Voに基づいてPFM信号1周期分のカウント設定値を54〜160パルスの範囲内で設定する。このカウント設定値は比較器51及び1/2回路55に与えられ、1/2回路55によりカウント設定値が1/2に変換された値(27〜80パルス)が比較器52に与えられる。
【0072】
カウンタ50は10MHzのカウント用クロックをカウントし、そのカウント値を逐次出力する。そして比較器51はカウント設定値とカウンタ50によるカウント値とを比較し、その比較結果としてPFM信号の1周期毎にパルス信号(S1)を発生させる。また、比較器52はカウント設定値の1/2の値とカウンタ50によるカウント値とを比較し、その比較結果として、比較器51のパルス信号(S1)とは半周期ずれたパルス信号(S2)を発生させる。
【0073】
論理和回路53は各パルス信号(S1,S2)から論理和信号(S3)を生成し、矩形波生成回路54に送出する。そして矩形波生成回路54は論理和信号(S3)を入力するタイミングで、オンオフを繰り返すPFM信号を生成する。この結果、矩形波生成回路54によって1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号が生成され、PFM信号生成回路12から出力されることになる。
【0074】
したがって、本実施形態でも1周期が5.4μs〜16μsのPFM信号を生成するためのカウント数が従来の倍になるとともに、カウントの幅も大きくなる。すなわち、本実施形態でもスイッチング周波数を規定するPFM信号の1周期を高分解能で決定することが可能になるので、微小な出力電圧Voの変動に対して追従することが可能になり、DC−DCコンバータ回路1の出力電圧Voの安定化を図ることができる。
【0075】
また、CPU30の演算部31における内部動作のために従来と同様の低速クロック(5MHz)が用いられるため、CPU30は比較的低コストのものを用いることができる。
【0076】
そして制御回路13が、このPFM信号のターンオンタイミングで、若しくはターンオンタイミングから所定時間遅延させたタイミングで、スイッチング素子Q1をオンさせるためのオン信号を送出することにより、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御される。
【0077】
以上のように、本実施形態のPFM信号生成回路12でも、CPU30が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成されるのに対し、CPU30とは別に設けられたカウンタ50が比較的高速のクロック信号をカウントするように構成される。
【0078】
このため、第1の実施の形態の内部カウンタ32が10MHzの高速クロックに追従できない場合があり得るが、本実施形態のように10MHzのクロック信号に追従可能なカウンタ機能をCPU30の外部に設けることで良好に動作させることが可能になる。
【0079】
さらに、本実施形態では、1/2回路55の作用によって、PFM信号の半周期毎にパルス信号の生成が可能なように構成されているので、PFM信号を生成するためのパルス信号が半周期毎に生成され、デューティ比50%の正確なPFM信号を生成することが可能になり、PFM信号の信頼性を向上させることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、演算部31がPFM信号の一周期分に応じたカウント設定値を指示するように構成された例を示したが、これに限定されるものではなく、PFM信号の半周期分のカウント設定値を指示するようにしてもよい。この場合、1/2回路55の作用により、PFM信号の1/4周期毎にパルス信号の生成が可能となり、1周期をより多く分周させた信号からPFM信号を生成することが可能になるので、PFM信号の信頼性がさらに向上する。
【0081】
また、本実施形態では、カウント設定値が偶数の場合、比較器52からのパルス信号(S2)は正確に半周期の位置で発生するが、カウント設定値が奇数の場合には、比較器52からのパルス信号(S2)は正確に半周期の位置では発生しない。しかし、この現象はPFM信号の分解能に影響を与えるものではない。
【0082】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記においては、CPU30が5MHzの基準クロックで動作する場合を示したが、これに限定されるものではない。また、カウンタ用のクロックが10MHzである場合を示したが、これに限定されるものでもない。すなわち、クロック20がCPU30の基準クロックのN倍(N>1)のクロック信号を生成し、そのクロック信号をN分周することによってCPU30の基準クロックを生成するように構成してもよい。
【0084】
また、上記においては、PFM信号の周波数が62kHz〜185kHzの範囲内で定められる例を示したが、これに限定されるものでもない。そのためカウント設定値も上述した値に限定されるものではない。
【0085】
また、上記においては、DC−DCコンバータ回路1が電流共振型である場合を例示したが、これに限定されるものでもなく、電圧共振型であっても本発明の構成を適用することは可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至5に記載の発明によれば、演算手段が比較的低速の基準クロックに基づいて内部動作が可能であり、カウント手段が比較的高速のクロック信号をカウントしてスイッチング周波数の周波数成分を有する信号を生成することが可能であるため、低コストのCPUを使用しつつも、高分解能の信号を出力することが可能である。このため、信号の周波数変動幅を微小な単位で調整することができ、DC−DCコンバータの出力電圧の微小な変動に対しても追従させることができ、出力電圧の安定化を図ることができる。
【0087】
また、特に請求項2に記載の発明によれば、カウント手段と演算手段とが1チップ集積回路で構成されるので、簡単かつ低コストに、高分解能の信号を得ることができる。
【0088】
また、特に請求項4及び5に記載の発明によれば、半周期毎に信号のオンオフが行われるので、信頼性の高い信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DC−DCコンバータ回路とその制御装置とを示す回路ブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】第2の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】第3の実施形態におけるPFM信号生成回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】第3の実施形態におけるPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来のPFM信号生成回路を示す図である。
【図9】従来のPFM信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 DC−DCコンバータ回路
10 制御装置
11 設定値生成回路
12 PFM信号生成回路
13 制御回路
14 駆動回路
20 クロック(クロック発生手段)
21 2分周器(分周手段)
30 CPU(1チップ集積回路)
31 演算部(演算手段)
32,40,50 カウンタ
41,51,52 比較器
42,54 矩形波生成回路
53 論理和回路
55 1/2回路
Claims (5)
- スイッチング周波数を変化させることによってDC−DCコンバータの出力電圧を制御する制御装置であって、
基準クロックに基づいて内部動作を行うように構成され、前記出力電圧に基づいて前記周波数を決定する演算手段と、
前記基準クロックよりも高速のクロック信号を発生させるクロック発生手段と、
前記クロック発生手段で発生するクロック信号を分周して前記基準クロックを生成し、前記演算手段に与える分周手段と、
前記クロック発生手段で発生するクロック信号をカウントするように構成され、前記演算手段で決定される前記周波数に基づくカウント動作を行うことによって、前記周波数成分を有する信号を生成するカウント手段と、
を備える、DC−DCコンバータの制御装置。 - 請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、
前記カウント手段と前記演算手段とが1チップ集積回路で構成されることを特徴とする、DC−DCコンバータの制御装置。 - 請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、
前記演算手段は、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、
前記カウント手段は、前記1周期分のカウント動作を繰り返すことによって、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴とする、DC−DCコンバータの制御装置。 - 請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、
前記演算手段は、前記周波数によって定められる周期の半周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、
前記カウント手段は、前記半周期分のカウント動作を繰り返し、前記半周期分のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴とする、DC−DCコンバータの制御装置。 - 請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置において、
前記演算手段は、前記周波数によって定められる1周期分のカウント指令を前記カウント手段に与えるように構成され、
前記カウント手段は、前記1周期分のカウント動作を繰り返すとともに、前記1周期の半周期分のカウント動作を繰り返し、各カウント動作のカウント終了に伴って信号のオンオフを行うことにより、前記周波数成分を有する信号を生成することを特徴とする、DC−DCコンバータの制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362730A patent/JP2004194483A/ja active Pending
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