JP2004194195A - 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像データを処理する画像処理装置である複写機において、原画像を複数領域に分割し(S2)、分割した複数領域の画像から文字を認識する文字認識処理を実行し(S3)、文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに複数領域を分類し(S4)、分類した低確信度領域又は高確信度領域に応じて原画像を圧縮するようにした(S5)。これにより、例えば、低確信度領域の画像だけを圧縮することや高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮すること等が可能になり、加えて、高確信度領域の画像を文字コードで保存することが可能になるので、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スキャナ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、プリンタ、複写機、複合機(MFP)等の画像処理装置の普及に伴い、デジタル画像データをメモリやハードディスク等の記憶装置に記憶したり、CD−ROM等の光ディスクに記憶したり、さらには、インターネット等を介して伝送したりすることが身近なものになっている。このような画像データは、通常、圧縮されてから記憶装置や光ディスク等に記憶されることが多い。
【0003】
また、最近では、様々な技術により簡単に高精細画像を得ることができるが、高精細画像の画像データサイズは大きくなる傾向にあり、高精細画像の取扱いは困難になってきている。このため、高精細画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長技術に対する高性能化や多機能化等の要求が、今後、ますます強くなっていくことは必至と思われる。
【0004】
こうした高精細画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長アルゴリズムとしては、現在、JPEG(Joint Photographic Experts Group)が最も広く用いられている。また、このJPEGで採用されているDCT(離散コサイン変換)に代わる周波数変換として、近年、DWT(離散ウェーブレット変換)の採用が増加している。その代表例は、2001年に国際標準となったJPEG後継の画像圧縮伸長方式JPEG2000である。
【0005】
ところで、記憶装置や光ディスク等に記憶される画像データサイズを小さくする方法としては、原画像の特定領域を低圧縮率で圧縮し、特定領域以外の領域を高圧縮率で圧縮する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−128109公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、画像データサイズを小さくすることはできるが、圧縮した画像データを伸長して画像を表示装置に表示する場合や用紙に印字する場合等、特定領域以外の画像を原画像に比べ低画質(粗い画質)で表示又は印字することになってしまう。これは、原画像と同画質である画像を表示する必要や印字する必要等がある場合には、特に問題となる。
【0008】
本発明の目的は、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる画像処理装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像処理装置の発明は、原画像を複数領域に分割する領域分割手段と、前記領域分割手段により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識手段と、前記文字認識手段による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類手段と、前記領域分類手段により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮手段と、を備える。
【0010】
したがって、複数領域毎の画像から文字を認識し、低確信度領域又は高確信度領域に応じて原画像を圧縮することで、例えば、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することや高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮すること等が可能になり、加えて、高確信度領域の画像を文字コードで保存することが可能になるため、原画像の画像データサイズは小さくなり、さらに、原画像の画質も維持されて、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮する。
【0012】
したがって、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することで、原画像の画像データサイズは小さくなるため、簡単に画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮する。
【0014】
したがって、高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮することで、原画像の画像データサイズは小さくなるため、簡単に画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮する。
【0016】
したがって、低確信度領域の画像の画質を向上させて原画像を圧縮することで、低確信度領域の画像、例えば写真画像等の画質が向上しながらも画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置において、前記領域分類手段は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類する。
【0018】
したがって、確信度情報と閾値との比較結果に基づいて複数領域を分類することで、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することが可能になる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置において、前記領域分類手段は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類する。
【0020】
したがって、複数領域毎の確信度情報の比較結果に基づいて複数領域を分類することで、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することが可能になる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える。
【0022】
したがって、原稿から原画像を読み取ることが可能になり、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することが可能になる。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮する。
【0024】
したがって、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することが可能になる。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像処理装置において、圧縮された原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備える。
【0026】
したがって、JPEG2000アルゴリズムの伸長手段を用いることで、JPEG2000アルゴリズムで圧縮された画像をJPEG2000の特性を活かして伸長することが可能となり、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0027】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された画像を記録材に形成するプリンタエンジンを備える。
【0028】
したがって、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することが可能になる。
【0029】
請求項11記載のプログラムの発明は、画像処理装置が備えるコンピュータによって読み取られ、前記コンピュータに、原画像を複数領域に分割する領域分割機能と、前記領域分割機能により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識機能と、前記文字認識機能による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類機能と、前記領域分類機能により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮機能と、を実行させる。
【0030】
したがって、複数領域毎の画像から文字を認識し、低確信度領域又は高確信度領域に応じて原画像を圧縮することで、例えば、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することや高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮すること等が可能になり、加えて、高確信度領域の画像を文字コードで保存することが可能になるため、原画像の画像データサイズは小さくなり、さらに、原画像の画質も維持されて、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0031】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮する。
【0032】
したがって、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することで、原画像の画像データサイズは小さくなるため、簡単に画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0033】
請求項13記載の発明は、請求項11記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮する。
【0034】
したがって、高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮することで、原画像の画像データサイズは小さくなるため、簡単に画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0035】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮する。
【0036】
したがって、低確信度領域の画像の画質を向上させて原画像を圧縮することで、低確信度領域の画像、例えば写真画像等の画質が向上しながらも画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0037】
請求項15記載の発明は、請求項11、12、13又は14記載のプログラムにおいて、前記領域分類機能は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類する。
【0038】
したがって、確信度情報と閾値との比較結果に基づいて複数領域を分類することで、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することが可能になる。
【0039】
請求項16記載の発明は、請求項11、12、13又は14記載のプログラムにおいて、前記領域分類機能は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類する。
【0040】
したがって、複数領域毎の確信度情報の比較結果に基づいて複数領域を分類することで、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することが可能になる。
【0041】
請求項17記載の発明は、請求項11ないし16のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮する。
【0042】
したがって、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することが可能になる。
【0043】
請求項18記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体は、請求項11ないし17のいずれか一記載のプログラムを記憶している。
【0044】
したがって、請求項11ないし17のいずれか一記載の発明と同様な作用を奏する。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
本実施の形態は、「JPEG2000アルゴリズム」を利用するものであるが、JPEG2000アルゴリズム自体は各種文献や公報等により周知であるので、詳細は省略し、その概要について説明する。
【0047】
図1はJPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。JPEG2000のアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部100、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101、量子化・逆量子化部102、エントロピー符号化・復号化部103、タグ処理部104で構成されている。
【0048】
JPEG2000の特徴の一つは、高圧縮領域における画質が良いという長所を持つ2次元離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を用いている点である。また、もう一つの大きな特徴は、最終段に符号形成を行うためのタグ処理部104と呼ばれる機能ブロックが追加されており、符号列データであるコードストリームの生成や解釈が行われる点である。そして、コードストリームによって、JPEG2000は様々な便利な機能を実現できるようになっている。
【0049】
なお、画像の入出力部分には、色空間変換・逆変換部100が用意されることが多い。この色空間変換・逆変換部100は、例えば、原色系のR(赤)/G(緑)/B(青)の各コンポーネントからなるRGB表色系や、補色系のY(黄)/M(マゼンタ)/C(シアン)の各コンポーネントからなるYMC表色系から、YCrCbあるいはYUV表色系への変換又は逆の変換を行う部分である。
【0050】
以下、JPEG2000アルゴリズム、特にウェーブレット変換について説明する。
【0051】
図2はカラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。カラー画像は、一般に、図2に示すように、画像の各コンポーネント110が、例えばRGB原色系によって分離されている。さらに、画像の各コンポーネント110は、矩形をした領域であるタイル111によって分割されている。個々のタイル111、例えば、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15は、圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位を構成する。従って、圧縮伸長動作は、コンポーネント110毎に、そしてタイル111毎に、独立して行われる。
【0052】
画像データの符号化時には(図1参照)、各コンポーネント110の各タイル111のデータが色空間変換・逆変換部100に入力され、色空間変換を施された後、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット変換(順変換)が適用されて周波数帯に空間分割される。
【0053】
図3はデコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、画像のタイル分割によって得られたタイル画像(デコンポジションレベル0:0LL)に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル1に示すサブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。引き続き、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル2に示すサブバンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。そして、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、順次同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル3に示すサブバンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。なお、図3中では、各デコンポジションレベルにおいて符号化の対象となるサブバンドはグレーで示されている。例えば、デコンポジションレベル数を3とした場合、グレーで示したサブバンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブバンドは符号化されない。
【0054】
次いで、量子化・逆量子化部102では(図1参照)、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められた後、対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、「プレシンクト」と呼ばれる重複しない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。さらに、個々のプリシンクトは、重複しない矩形の「コードブロック」に分けられる。これは、エントロピーコーディングを行う際の基本単位となる。
【0055】
なお、ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコードブロック毎にビットプレーンに順位付けを行うことができる。
【0056】
エントロピー符号化・復号化部103では(図1参照)、コンテキストと対象ビットとから、確率推定によって各コンポーネント110の各タイル111に対する符号化を行う。こうして、画像の全てのコンポーネント110について、タイル111単位で符号化処理が行われる。
【0057】
最後に、タグ処理部104では(図1参照)、エントロピー符号化・復号化部103からの全符号化データを1本のコードストリーム(符号列データ)に結合するとともに、それにタグを付加する処理を行う。ここで、図4はコードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。コードストリームの先頭と各タイル111を構成する部分タイルの先頭には、ヘッダ(メインヘッダ(Main header)、タイルパートヘッダ(tile part header))と呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイル111の符号化データ(bit stream)が続く。そして、コードストリームの終端には、再びタグ情報(end of codestream)が付加される。
【0058】
一方、復号化時には、符号化時とは逆に、各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームから画像データを生成する。この場合、図1に示すように、タグ処理部104は、外部より入力されたコードストリーム(符号列データ)に付加されたタグ情報を解釈し、コードストリームを各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームに分解し、その各コンポーネント110の各タイル111のコードストリーム毎に復号化処理を行う。この際、コードストリーム内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、量子化・逆量子化部102において、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストを生成する。そして、エントロピー符号化・復号化部103では、そのコンテキストとコードストリームとから確率推定によって復号化を行って対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたデータは、周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット逆変換を行うことにより、画像データ中の各コンポーネント110における各タイル111が復元される。復元されたデータは、色空間変換・逆変換部100によって元の表色系のデータに変換される。
【0059】
次に、本実施の形態の画像処理装置である複写機1(いわゆる複合機であってもよい)の構成例について説明する。
【0060】
図5は本実施の形態の複写機1を概略的に示す縦断面図である。複写機1は、原稿から原稿画像を読み取る画像読取部であるスキャナ2と、スキャナ2で読み取られた画像を用紙等の記録材に形成する画像形成部であるプリンタ3とを備えている。
【0061】
スキャナ2の本体ケース4の上面には、原稿(図示せず)が載置されるコンタクトガラス5が設けられている。原稿は、原稿面をコンタクトガラス5に対向させて載置される。コンタクトガラス5の上側には、コンタクトガラス5上に載置された原稿を押える原稿圧板6(いわゆるADFであってもよい)が設けられている。
【0062】
コンタクトガラス5の下方には、原稿画像を光学的に読み取るための読取光学系7が設けられている。この読取光学系7は、光を発光する光源8及びミラー9を搭載する第1走行体10、2枚のミラー11,12を搭載する第2走行体13、結像レンズ14を介してミラー9,11,12によって導かれる光を受光するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ15等によって構成されている。CCDイメージセンサ15は、CCDイメージセンサ15上に結像される原稿からの反射光を光電変換することで光電変換データを生成する光電変換素子として機能する。光電変換データは、原稿からの反射光の強弱に応じた大きさを有する電圧値である。第1、第2走行体10,13は、コンタクトガラス5に沿って往復動自在に設けられており、後述する原稿画像の読取動作に際しては、図示しないモータ等の移動装置によって2:1の速度比で副走査方向にスキャニング走行する。これにより、読取光学系7による原稿読取領域の露光走査が行われる。なお、本実施の形態では、読取光学系7側がスキャニング走査を行う原稿固定型で示しているが、読取光学系7側が位置固定で原稿側が移動する原稿移動型であってもよい。
【0063】
プリンタ3は、シート状の用紙等の記録材を保持する記録材保持部16から電子写真方式のプリンタエンジン17及び定着器18を経由して排出部19へ至る記録材経路20を備えている。
【0064】
プリンタエンジン17は、感光体21、帯電器22、露光器23、現像器24、転写器25及びクリーナー26等を用いて、電子写真方式で感光体21の周囲に形成したトナー像を記録材に転写し、転写したトナー像を、定着器18によって記録材上に定着させる。なお、本実施の形態では、プリンタエンジン17が電子写真方式で画像形成を行うが、これに限るものではなく、例えば、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、直接感熱記録方式等の様々な画像形成方式で画像形成を行うようにしても良い。
【0065】
このような複写機1は、複数のマイクロコンピュータで構成される制御系により制御される。図6はこれらの制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。この制御系は、CPU30、ROM31、RAM32、操作パネル33、IPU(Image Processing Unit)34、I/Oポート35等がバス36で接続され構成されている。CPU30は、各種演算を行い、画像処理等の処理を集中的に制御する。ROM31には、CPU30が実行する処理に関わる各種プログラムや固定データが格納されている。また、RAM32は、CPU30のワークエリアとして機能し、加えて、画像データ(例えば、画像ファイル)を一時的に記憶するメモリとして機能する。操作パネル33には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示器、ハードキー及びタッチパネル等によって構成される複数の操作キー(いずれも図示せず)が設けられており、操作パネル33が表示部及び操作部として機能する。IPU34は各種画像処理に関わるハードウエアを備えており、ROM31はEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えている。ここで、ROM31内に格納されているプログラムは、CPU30の制御によりI/Oポート35を介して外部装置(図示せず)からダウンロードされるプログラムに書換え可能である。なお、本実施の形態では、ROM31がプログラムを記憶する記憶媒体として機能している。
【0066】
次に、本実施の形態の複写機1における画像処理の概要について図7を参照して説明する。図7は複写機1における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。複写機1の画像処理は、スキャナ2で読み取った原画像を複数の領域に分割し、分割した複数領域を領域属性に基づいて識別し、複数領域に対して画像から文字を認識する文字認識処理であるOCR(Optical Character Recognition)処理を実行し、OCR処理による文字認識結果である確信度情報(確からしさ)に基づいて、複数領域を確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに分類する領域分類部40と、図1を参照して説明した各機能ブロックを有する圧縮・伸長部41と、を備える。
【0067】
そして、複写機1の画像処理は、基本的に、スキャナ2で読み取られた原画像の画像データから低確信度領域に対応する画像データを抽出し、抽出した低確信度領域の画像データをJPEG2000アルゴリズムにより圧縮符号化して、各画像のコードストリームを生成する。すなわち、画像を1又は複数の矩形領域(タイル)に分割し、この矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化する。加えて、圧縮符号化した画像の圧縮データに対して前述のJPEG2000アルゴリズムによる伸長復号化を実行する。このような領域分類部40や圧縮・伸長部41等の機能は、ROM31に記憶されているプログラムに基づいてCPU30が行う画像処理で実行されるようにしているが、これに限るものではなく、例えば、IPU34等によりハードウエアが行う画像処理で実行されるようにしても良い。
【0068】
ここで、領域属性としては、例えば、文字領域、写真領域、図領域、表領域、黒ベタ領域、背景領域等の様々な領域属性がある。なお、背景領域とは、原稿の余白にあたる余白領域であるが、これに限るものではなく、例えば、余白領域に行間にあたる行間領域を加えた領域であっても良い。また、行間が大きい原画像に対しては、行のみを抽出し、行のみ圧縮・伸長部41により圧縮し、必要であれば、行間の色情報や行の位置情報を別途保存することで、原画像に近い(または同等の)画像を再現することができ、圧縮した画像の画像データサイズを小さくすることができる。また、真っ白な画像の場合には、真っ白な画像に該当する符号を予め設定しておき、圧縮・伸長部41による圧縮を行わずに、予め設定された符号を割当てることで、画像データサイズを小さくすることができる。
【0069】
また、確信度情報としては、例えば、
1.文字認識結果の行単位の確信度情報
2.文字認識結果の領域単位の確信度情報
3.文字認識結果の行単位の確信度情報と領域単位の確信度情報との組合せ
等がある。
【0070】
文字認識結果の行単位の確信度情報は、領域内の各文字の確信度情報がOCR処理により求まるので、それらから行単位の代表値(例えば、平均値)を求めることで得られる。また、文字認識結果の領域単位の確信度情報は、領域内の各文字の確信度情報がOCR処理により求まるので、それらから領域単位の代表値(例えば、平均値)を求めることで得られる。なお、確信度情報の数値が高い方が確からしさは高い。
【0071】
領域分類方法としては、例えば、単純に行の代表値(又は領域の代表値)と予め設定された閾値とを比較して、代表値が閾値以下である行数が占める領域(又は代表値が閾値以下である領域)を低確信度領域として、代表値が閾値より大きい行数が占める領域(又は代表値が閾値より大きい領域)を高確信領域として分類する方法等がある。また、領域の代表値同士を比較して、明らかな差があれば(例えば、確信度情報の差と予め設定された閾値とを比較し、明らかな差かどうかを判断する)、代表値が相対的に低い領域を低確信度領域として、代表値が相対的に高い領域を高確信領域として分類する方法等がある。ここでは、後者の方法が用いられている。
【0072】
次いで、複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理について説明する。ここでは、複写機1によるコピー動作に伴う画像処理について図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施の形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図9はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【0073】
まず、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS1のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿をセットし、原稿圧板6を閉じて操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿から原画像Pを読み取る。
【0074】
スキャナ2により原稿から原画像Pが読み取られると(S1のY)、読み取られた原画像Pを複数の領域R1,R2,R3に分割し、文字領域、写真領域、図領域、表領域、背景領域等の領域属性に基づいて、原画像P中に混在する複数領域R1,R2,R3の属性を識別する(S2)。ここに、領域分割手段又は領域分割機能が実行される。なお、領域識別の方法は、従来の方法、例えば、黒ランの密度を用いて領域識別する方法等で十分であり、その方法は公知であるため、その説明は省略する。
【0075】
次に、分割された複数領域R1,R2,R3に対してOCR処理を実行する(S3)。すなわち、複数領域R1,R2,R3毎の画像から文字を認識する。ここに、文字認識手段又は文字認識機能が実行される。なお、OCR処理としては、パターン・マッチング法や構造解析法等があり、これらの方法は公知であるため、その説明は省略する。ここで、OCR処理を実行することは、文字画像や表画像を文字コード化することに加え、文字認識結果の確信度情報を得るためでもある。
【0076】
次いで、OCR処理による文字認識結果の確信度情報に基づいて、分割された複数領域R1,R2,R3を高確信度領域R1と低確信度領域R1,R2とに分類する(S4)。ここに、領域分類手段又は領域分類機能が実行される。なお、高確信度領域R1は文字画像領域又は表画像領域であるため、ステップS3において、高確信度領域R1の文字画像や表画像は文字コード化され、文字コードデータが生成される。
【0077】
次に、低確信度領域R2,R3の画像だけをJPEG2000アルゴリズムに基づいて圧縮する(S5)。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。低確信度領域R2,R3の画像を圧縮することで生成された圧縮データと高確信度領域R1の文字コードデータとを一緒にRAM32に画像ファイルF1として記憶する(S6)。なお、文字コードデータは画像ファイルF1に関連付けられた文字ファイルとして画像ファイルF1と別に記憶されても良い。
【0078】
その後、RAM32に記憶された圧縮データ及び文字コードデータは、所定のタイミングで読み出され、圧縮データがJPEG2000アルゴリズムに基づいて伸長されると共に文字コードデータと統合され、原画像Pが形成される。この原画像Pがプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段が実行される。
【0079】
なお、RAM32に記憶された文字コードデータ及び圧縮データには、必要な位置情報等も含まれている。また、圧縮データの画像は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。このような画像処理では、文字領域(高確信度領域R1)のフォントサイズを変更することで文字領域の文字画像を変倍し、また、写真領域や図領域(低確信度領域R2,R3)の画像がJPEG2000アルゴリズムの圧縮手段により様々な解像度の画像として保持されているので、これらの中から最適な解像度の画像を選択することで、写真領域や図領域の画像を高画質から低画質に自由に記録材に形成することができる。さらに、原画像Pを表示装置等に表示する場合には、表示装置の解像度等に合わせて写真領域や図領域の画像を伸長することができる。
【0080】
このように本実施の形態では、原画像Pの全領域R1,R2,R3に対してOCR処理を実行して(S3)、高確信度領域R1の画像を文字コード化し、低確信度領域R2,R3の画像だけを圧縮することによって(S5)、低確信度領域R2,R3の画像だけが圧縮データとして、高確信度領域R1の画像が文字コードデータとして保存されるため、原画像Pの画像データサイズは小さくなり、加えて、原画像Pの画質は維持されるので、原画像Pの画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる。その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、処理時間の短縮を実現することができる。さらに、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段及び伸長手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0081】
また、複写機1がいわゆる複合機である場合には、ファクシミリ機能で送信する原画像PをRAM32等の記憶媒体に大量に記憶することもあるが、このような場合にも、本実施の形態によれば、原画像Pの画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することが可能であるため、記憶媒体により多くの原画像Pを記憶することができる。
【0082】
本実施の形態の変形例について図10及び図11を参照して説明する。この変形例は、複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理の変形例である。図10は本実施の形態の変形例の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図11はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。なお、前述して説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0083】
ステップS1からステップS4までは前述したように処理が実行される。次いで、低確信度領域R2,R3の画像の画質を向上させ、高確信度領域R1の画像の画質を低下させ、JPEG2000アルゴリズムに基づいて原画像Pを圧縮する(ステップS11)。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。すなわち、低確信度領域R2,R3を低圧縮率で、高確信度領域R1を高圧縮率で原画像Pを圧縮する。
【0084】
ここで、JPEG2000アルゴリズムの圧縮方式では、特徴的な機能の一つとして画像中のある注目領域(ROI:Region Of Interest)を指定し、指定した注目領域のみ画質を向上させることができる機能がある。この機能を実現するためには、符号化時に注目領域を他の部分に比べて細かい量子化ステップで量子化を行う方法や注目領域の係数に対して重み付けを行う方法(具体的にはビットシフトにより2のべき乗の重みを付ける)等がある。ここでは、後者の方法であるMax−Shift法を用いている。したがって、低確信度領域R2,R3の画像を注目領域として指定することで、低確信度領域R2,R3の画像の画質を向上させることができる。なお、圧縮データの符号量は一定とするため、低確信度領域R2,R3の画像に対してより多くのビットが割当てられるので、低確信度領域R2,R3の画像の画質が向上すると、相対的に高確信度領域R1の画像の画質は低下する。
【0085】
なお、ここでは、低確信度領域R2,R3の画像の画質を向上させているが、これに限るものではなく、例えば、低確信度領域R2,R3の画像の画質を維持して、高確信度領域R1の画像の画質だけを低下させるようにしても良い。これにより、低確信度領域R2,R3の画質を向上させる場合に比べ、画像データサイズをより小さくすることが可能になるので、さらなる画像データサイズの低減を実現することができる。
【0086】
次に、原画像Pを圧縮することで生成された圧縮データと高確信度領域R1の文字コードデータとを一緒にRAM32に画像ファイルF2として記憶する(S12)。なお、文字コードデータは画像ファイルF2に関連付けられた文字ファイルとして画像ファイルF2と別に記憶されても良い。
【0087】
その後、RAM32に記憶された圧縮データ及び文字コードデータは、所定のタイミングで読み出され、圧縮データがJPEG2000アルゴリズムに基づいて伸長されると共に文字コードデータと統合され、原画像Pが形成される。この原画像Pがプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段が実行される。
【0088】
このように本実施の形態の変形例では、原画像Pの全領域R1,R2,R3に対してOCR処理を実行して(S3)、高確信度領域R1の画像を文字コード化し、さらに、高確信度領域R1の画像の画質を低下させ、低確信度領域R2,R3の画像の画質を向上させて原画像Pを圧縮することで(S11)、低確信度領域R2,R3の画像の画質が向上しながらも、高確信度領域R1の画像が文字コードデータとして保存されるため、原画像Pの画像データサイズは小さくなり、加えて、原画像Pの画質は維持される(低確信度領域R2,R3の画像の画質は向上する)ので、原画像Pの画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる。その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、処理時間の短縮を実現することができる。さらに、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段及び伸長手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、画像処理装置として複写機1を用いているが、これに限るものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ等を用いても良い。この場合、パーソナルコンピュータは、CPU、ROM、RAM、各種のプログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMドライブ、ネットワークを介して外部装置と通信により情報を伝達するための通信制御装置、処理経過や結果等を操作者に表示する表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を備えている。ここで、HDDは、前述したような画像処理に関するプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0090】
なお、一般的には、パーソナルコンピュータのHDDにインストールされるプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等に記録され、この記録されたプログラムがHDDにインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体も、前述したような画像処理に関するプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、このようなプログラムは、例えば通信制御装置を介して外部から取込まれ、HDDにインストールされても良い。
【0091】
【発明の効果】
請求項1記載の画像処理装置の発明によれば、原画像を複数領域に分割する領域分割手段と、前記領域分割手段により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識手段と、前記文字認識手段による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類手段と、前記領域分類手段により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮手段と、を備えることから、例えば、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することや高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮すること等が可能になり、加えて、高確信度領域の画像を文字コードで保存することが可能になるため、原画像の画像データサイズは小さくなり、さらに、原画像の画質も維持されるので、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる。
【0092】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮することから、原画像の画像データサイズは小さくなるので、簡単に画像データサイズの低減を実現することができる。
【0093】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮することから、原画像の画像データサイズは小さくなるので、簡単に画像データサイズの低減を実現することができる。
【0094】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮することから、低確信度領域の画像、例えば写真画像等の画質が向上しながらも画像データサイズの低減を実現することが可能になる。
【0095】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置において、前記領域分類手段は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類することから、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することができる。
【0096】
請求項6記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置において、前記領域分類手段は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類することから、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することができる。
【0097】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備えることから、原稿から原画像を読み取ることができ、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することができる。
【0098】
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮することから、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0099】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の画像処理装置において、圧縮された画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備えることから、JPEG2000アルゴリズムで圧縮された画像をJPEG2000の特性を活かして伸長することができ、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0100】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された画像を記録材に形成するプリンタエンジンを備えることから、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することができる。
【0101】
請求項11記載のプログラムの発明によれば、画像処理装置が備えるコンピュータによって読み取られ、前記コンピュータに、原画像を複数領域に分割する領域分割機能と、前記領域分割機能により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識機能と、前記文字認識機能による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類機能と、前記領域分類機能により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮機能と、を実行させることから、例えば、原画像における低確信度領域の画像だけを圧縮することや高確信度領域の画像の画質を低下させて原画像を圧縮すること等が可能になり、加えて、高確信度領域の画像を文字コードで保存することが可能になるため、原画像の画像データサイズは小さくなり、さらに、原画像の画質も維持されるので、原画像の画質を維持しながら画像データサイズの低減を実現することができる。
【0102】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮することから、原画像の画像データサイズは小さくなるので、簡単に画像データサイズの低減を実現することができる。
【0103】
請求項13記載の発明によれば、請求項11記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮することから、原画像の画像データサイズは小さくなるので、簡単に画像データサイズの低減を実現することができる。
【0104】
請求項14記載の発明によれば、請求項13記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮することから、低確信度領域の画像、例えば写真画像等の画質が向上しながらも画像データサイズの低減を実現することができる。
【0105】
請求項15記載の発明によれば、請求項11、12、13又は14記載のプログラムにおいて、前記領域分類機能は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類することから、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することができる。
【0106】
請求項16記載の発明によれば、請求項11、12、13又は14記載のプログラムにおいて、前記領域分類機能は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類することから、簡単に精度高く低確信度領域と高確信度領域とに複数領域を分類することができる。
【0107】
請求項17記載の発明によれば、請求項11ないし16のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮することから、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0108】
請求項18記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体は、請求項11ないし17のいずれか一記載のプログラムを記憶していることから、請求項11ないし17のいずれか一記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。
【図2】カラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。
【図3】デコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。
【図4】コードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明の実施の一形態の複写機を概略的に示す縦断面図である。
【図6】複写機の制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。
【図7】複写機における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。
【図8】本発明の実施の一形態の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の一形態の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【図10】本発明の実施の一形態の変形例の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の一形態の変形例の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(複写機)
7 読取光学系
17 プリンタエンジン
30 コンピュータ(CPU)
31 記憶媒体(ROM)
Claims (18)
- 原画像を複数領域に分割する領域分割手段と、
前記領域分割手段により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識手段と、
前記文字認識手段による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類手段と、
前記領域分類手段により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮手段と、
を備える画像処理装置。 - 前記圧縮手段は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮する請求項1記載の画像処理装置。
- 前記圧縮手段は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮する請求項1記載の画像処理装置。
- 前記圧縮手段は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮する請求項3記載の画像処理装置。
- 前記領域分類手段は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類する請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置。
- 前記領域分類手段は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類する請求項1、2、3又は4記載の画像処理装置。
- 原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記圧縮手段は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮する請求項1ないし7のいずれか一記載の画像処理装置。
- 圧縮された画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する伸長手段を備える請求項8記載の画像処理装置。
- 前記伸長手段により伸長された画像を記録材に形成するプリンタエンジンを備える請求項9記載の画像処理装置。
- 画像処理装置が備えるコンピュータによって読み取られ、前記コンピュータに、
原画像を複数領域に分割する領域分割機能と、
前記領域分割機能により分割された前記複数領域の画像から文字を認識する文字認識機能と、
前記文字認識機能による文字認識結果である確信度情報に基づいて、確信度の低い低確信度領域と確信度の高い高確信度領域とに前記複数領域を分類する領域分類機能と、
前記領域分類機能により分類された前記低確信度領域又は前記高確信度領域に応じて前記原画像を圧縮する圧縮機能と、
を実行させるプログラム。 - 前記圧縮機能は、前記原画像における前記低確信度領域の画像だけを圧縮する請求項11記載のプログラム。
- 前記圧縮機能は、前記高確信度領域の画像の画質を低下させて前記原画像を圧縮する請求項11記載のプログラム。
- 前記圧縮機能は、前記低確信度領域の画像の画質を向上させて前記原画像を圧縮する請求項13記載のプログラム。
- 前記領域分類機能は、前記確信度情報と閾値との比較結果に基づいて前記複数領域を分類する請求項11、12、13又は14記載のプログラム。
- 前記領域分類機能は、前記複数領域毎の前記確信度情報の比較結果に基づいて前記複数領域を分類する請求項11、12、13又は14記載のプログラム。
- 前記圧縮機能は、2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で前記原画像を圧縮する請求項11ないし16のいずれか一記載のプログラム。
- 請求項11ないし17のいずれか一記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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