JP2004192741A - 情報記録読取ヘッド及び情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えばSNDMを適用した情報記録再生装置において、情報の記録再生の精度及び速度を向上させる。
【解決手段】情報記録読取ヘッド110のプローブを、その先端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、H=η・Pなる関係が成立するように配置する。
【選択図】 図15
【解決手段】情報記録読取ヘッド110のプローブを、その先端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、H=η・Pなる関係が成立するように配置する。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば微小なプローブ等の記録読取素子を用いて、情報記録媒体に情報を記録し、又は情報記録媒体に記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッド及び情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、情報の高密度・大容量記録を可能とする情報記録再生装置として、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、ハードディスク駆動装置(HDD)などが普及している。しかし、情報利用の要求は高まる一方であり、より小さな領域に、より多くの情報を記録し、さらなる大容量記録を可能とする情報記録再生装置が求められている。
【0003】
このような状況の下、高密度・大容量記録を実現可能な技術として、走査型プローブ顕微鏡法(SPM:Scanning Probe Microscope)を適用した情報記録再生装置の開発が行われている。この情報記録再生装置によれば、理論的には、6.45平方センチメートル(1平方インチ)あたり1テラビットを超える超高密度記録が可能である。
【0004】
例えば、走査型非線形誘電率顕微鏡法(SNDM:Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy)を適用した情報記録再生装置は、半径が十ナノメートルオーダーの先端部を有するプローブを備え、記録媒体として強誘電体材料を用いる。情報の記録は、プローブから強誘電体材料に抗電界以上の電界を印加し、強誘電体材料に所定方向の分極方向を有する分極ドメインを形成することによって行う。また、情報の再生は、プローブ直下の強誘電体材料の容量とインダクタとにより形成される共振回路の共振周波数で発振する発振信号の周波数変動に基づいて、強誘電体材料の分極状態を検出することによって行う。
【0005】
また、十ナノスケールの先端部を有するカンチレバーを備え、記録媒体としてポリマーフィルムを用いるSPM記録再生装置も開発されている。かかる装置では、カンチレバーの先端部を熱し、その熱によりポリマーフィルムに微小なマークを付けることによって情報を記録する。
【0006】
さらに、このような情報記録再生装置においては、情報の記録密度の増加及び記録情報の大容量化に伴い、情報の記録・読取速度を高めることが要求される。そこで、多数のプローブ又は多数のカンチレバーを配列した情報記録読取ヘッドが開発されている。かかる情報記録読取ヘッドによれば、記録すべき情報を、多数のプローブ又はカンチレバーに同時に印加し、情報記録媒体の記録面の複数の部位に同時に情報を書き込むことにより、情報の記録速度を高めることができる。また、情報記録媒体の記録面の複数の部位に記録された情報を、多数のプローブ又はカンチレバーを介して同時に読み取ることにより、情報の読取速度を高めることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SPMないしSNDM等を適用した情報記録再生装置において、情報記録読取ヘッドに設けられた多数のプローブ又はカンチレバーは、超高密度記録を実現するために、きわめて微細であり、寸法精度及び集積度が高い。そこで、これらのプローブ又はカンチレバーの製造は、例えば、シリコン材料にエッチング処理を施してマイクロメートルオーダーの造形・材料加工を行うマイクロマシニング技術や、SPMの技術によって原子・分子を操作してナノメートルオーダーの造形・材料加工を行うナノマシニング技術を用いて行われる。
【0008】
しかし、1つのヘッド基板に形成されるプローブ又はカンチレバーの数が多く、集積度が高い上、寸法精度・各プローブ又は各カンチレバーの均一性などの要請が厳しいため、このような情報記録読取ヘッドの製造においては、歩留まりを良くすることが難しい。例えば、多数のプローブのうち、たった1個のプローブに寸法誤差が生じただけで、その不良プローブを含むヘッド基板全体が不良品となってしまうとすれば、歩留まりを良くすることは容易でなく、そのため、製造コストが増大してしまう。
【0009】
一方、多数のプローブ又はカンチレバーを配した情報記録読取ヘッドを用いて、ディスク状の情報記録媒体に情報を記録し、又はこのような情報記録媒体に記録された情報を再生する場合には、情報記録媒体が1回転する度に、情報記録読取ヘッドをトラックジャンプさせなければならない。このため、情報の記録・読取速度を向上することができない。この結果、多数のプローブ又はカンチレバーを配して情報の記録・読取速度を高めるという目的が損なわれてしまう。
【0010】
また、SPMないしSNDMを適用した情報記録再生装置においては、情報の記録密度及び情報の記録・再生速度を高める要請だけでなく、情報の記録・再生精度を高める要請もある。単に、微小なプローブ又はカンチレバーの数を増やし、多数のプローブ又はカンチレバーを同時に用いて、情報の記録・再生をいっぺんに行うのみでは、情報の記録・再生精度を高めることはできない。情報の記録密度及び情報の記録・再生速度を高めながら、情報の記録・再生精度をも向上させうる新たな技術が求められるところである。
【0011】
さらに、かかる情報記録読取ヘッドにおいては、ヘッド基板上に設けられた各プローブ又は各カンチレバーに接続するための信号線を、当該ヘッド基板上に形成する必要がある。しかし、プローブ又はカンチレバーの数が多いため、信号線の数も多くなり、信号線の配置設計・形成・パターンニング等が容易でなく、また、信号線の形成に要する基板スペースが増大し、その確保が難しい。さらには、信号線が長くなり、また、信号線同士が接近するので、ノイズがのりやすくなる。
【0012】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、複数のプローブ又はカンチレバー等の記録読取素子を配する構成であっても、歩留まりを良くすることができる情報記録読取ヘッドを提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の課題は、複数の記録読取素子を配する構成であっても、記録読取素子に接続する信号線の配置設計・形成等を容易又は効率よく行うことができる情報記録読取ヘッドを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の第3の課題は、複数の記録読取素子を有する情報記録読取ヘッドを用いて、情報の記録再生速度の向上と情報の記録再生精度の向上を調和よく実現することができる情報記録読取ヘッド、情報記録再生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
【0016】
【数6】
H=η・P
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0017】
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0018】
【数7】
L・sinα=P
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0019】
上記課題を解決するために請求項3に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
【0020】
【数8】
H=m・η・P(ただし、mは自然数)
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0021】
上記課題を解決するために請求項4に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0022】
【数9】
L・sinα=m・P(ただし、mは自然数)
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0023】
上記課題を解決するために請求項6に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている。
【0024】
上記課題を解決するために請求項7に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている。
【0025】
上記課題を解決するために請求項11に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも2個の記録読取素子は、それらの記録読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記情報記録媒体のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える信号印加手段と、前記信号印加手段によって前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段とを備えている。
【0026】
上記課題を解決するために請求項12に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの1個の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該残りの1個の記録読取素子に加える第2信号印加手段とを備えている。
【0027】
上記課題を解決するために請求項13に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第1情報読取手段と、前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記他のトラックに記録するために、前記情報の他の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、前記第2信号印加手段によって前記他のトラックに記録された前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第2情報読取手段とを備えている。
【0028】
上記課題を解決するために請求項14に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの2個の記録読取素子のうちのいずれいか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、前記第2信号印加手段により記録すべき前記情報の、前記1のトラック上における記録位置を、前記残りの2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して検出する記録位置検出手段とを備えている。
【0029】
上記課題を解決するために請求項17に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得した2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、前記信号加算手段により加算された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0030】
上記課題を解決するために請求項18に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得した2個の読取信号のうち、いずれか一方を選択する信号選択手段と、前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0031】
上記課題を解決するために請求項19に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のレベルが、いずれも所定レベルに達しているときには、これら2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルが高い方の読取信号を選択する信号選択手段と、前記信号加算手段により加算された読取信号、又は、前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。図1において、太い斜線はそれぞれ情報記録媒体のトラックTr1ないしTr6を示しており、A、B、C、Dはそれぞれ記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。なお、図1、及び、以下、本発明の実施形態の説明で用いる図2ないし図13は、本発明の実施形態に係る構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置などはこれに限定されるものではない。
【0034】
本発明の第1実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第1の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドである。
【0035】
ここでいう情報には、例えば、音声データ、画像データ、映像データ、文書データ、コンピュータプログラムなど、主として符号化の可能なあらゆる情報が含まれる。また、情報記録媒体には、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、強誘電体記録媒体、近接場記録光媒体などが含まれる。
【0036】
第1の情報記録読取ヘッドは、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。
【0037】
支持部は、記録読取素子を固定できる部材であれば何でもよいが、記録読取素子を微細に形成し、多数の記録読取素子を微細な領域に高い集積度で配置する場合には、例えば、シリコン基板などを用いることが望ましい。
【0038】
記録読取素子は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る部材であれば、何でもよく、これには、例えば、半導体レーザ素子、磁気抵抗素子、記録媒体に熱を加える構成のプローブ、記録媒体に電界を印加する構成のプローブ等が含まれる。また、プローブの構成も限定されず、例えば、カーボンナノチューブを用いた棒状のプローブであっても、片持ち梁とその先端部に形成された突起とを備えたカンチレバーであってもよい。
【0039】
図1に示すように、支持部に設けられた複数の記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、
【0040】
【数10】
H=η・P (1)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0041】
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによって、これらの記録読取素子の記録読取端部(例えば、プローブの先端部)を、図1に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。すなわち、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部(A、B)を1のトラック(Tr4)上に位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部(C、D)を当該1のトラックに隣接している他のトラック(Tr3)上に位置させることができる。
【0042】
このことは、以下の計算によって裏付けることができる。すなわち、図1に示すように、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子を、それらの記録読取端部(A、B)が1のトラック(Tr4)上に重なるように配置し、残りの2個の記録読取素子を、それらの記録読取端部(C、D)が1のトラックに隣接する他のトラック(Tr3)上に重なるように配置する。そして、4個の記録読取端部の位置A、B、C、Dが、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形をなすように配置する。この場合、直線ACと直線CDとのなす角をαとし、直線ACの長さをLとすると、トラックピッチはPなので、
【0043】
【数11】
L・sinα=P (2)
なる関係が成立する。さらに、直線AB(=直線CD)の長さをKとし、直線ACを底辺とした場合の平行四辺形の高さHとすると、
【0044】
【数12】
K・sinα=H (3)
なる関係が成立する。そして、数式(2)と数式(3)より、αを消去し、直線ACの長さLに対する直線ABの長さKの比(K/L)をηとすると、上記数式(1)が成立する。
【0045】
このように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。すなわち、少なくとも2個の記録読取素子のうちの一方の記録読取端部を1のトラック上に位置させ、他方の記録読取端部を他のトラック上に位置させることによって、2個のトラックに同時に情報を記録することができ、又は2個のトラックに記録された情報を同時に読み取ることができる。これにより、単一のトラックのみに対して情報の記録・再生を行う場合と比較して、情報の記録・再生速度を高めることができる。一方、少なくとも2個の記録読取素子の双方の記録読取端部を同一のトラック上に位置させることにより、一方の記録読取素子で情報の記録を行い、同時に、この記録した情報を、他方の記録読取素子で直ちに読み取ることができる。そして、例えば、他方の記録読取素子で読み取った情報に基づいて、一方の記録読取素子による記録が正しく行われたか否かを確認し、記録が正しく行われていなかったときには、再度、同一の情報を記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。また、少なくとも2個の記録読取素子の双方の記録読取端部を同一のトラック上に位置させることにより、同一トラック上に記録された情報を2個の記録読取素子を介して同時に(連続的に)読み取ることができる。そして、2個の記録読取素子で読み取った2個の信号(例えば情報に対応するパルス信号)を、両者間の時間差を調整した上で加算する構成とし、又は、2個の記録読取素子で読み取った信号のうちレベルが高い方の信号を選択する構成とすれば、情報の再生精度を高めることができる。第1の情報記録読取ヘッドによれば、少なくとも2個の記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ1のトラックと他のトラックに位置し、かつ、少なくとも2個の記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ同一のトラック上に位置するので、情報の記録再生速度の向上と、情報の記録再生精度の向上とを同時に実現することができ、情報記録再生の性能を調和的に高めることができる。
【0046】
また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、これらの記録読取素子の一部に製造上の不良や、経時劣化による故障が生じても、他の記録読取素子を介して情報の記録・読取を十分に行うことができる。したがって、情報記録読取ヘッドの製造時において、情報読取素子の一部に不良があっても、他の正常な情報読取素子によって製品としての品質に問題がなければ、これを良品として取り扱うことができる。これにより、歩留まりを良くすることができる。また、経時劣化により記録読取素子の一部に故障が生じても、他の記録読取素子が正常であれば、結果的にみて、情報の記録再生動作に支障がない。したがって、情報記録読取ヘッドの耐久性を高め、寿命を延ばすことができる。
【0047】
なお、図1は、説明の便宜上、4個の記録読取素子の記録読取端部の位置を示しているが、第1の情報記録読取ヘッドの支持部に配する記録読取素子の総数は4個に限られない。例えば、9個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、3個のトラック上に3個ずつ位置するように配置してもよい。また、16個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、4個のトラック上に4個ずつ位置するように配置してもよい。また、16個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、8個のトラック上に2個ずつ位置するように配置してもよいし、2個のトラック上に4個ずつ位置するように配置してもよい。さらには、32×32個の記録読取素子を設けてもよいし、128×128個の記録読取素子を設けてもよい。もっとも、このように多数の記録読取素子を設けた場合、すべての記録読取素子の記録読取端部が、常に、それぞれ1又は複数のトラック上に位置する構成でなくてもよい。例えば、16個中の12個の記録読取素子の記録読取端部が複数のトラック上に位置し、残り4個の記録読取素子がトラック間やトラック外に位置する場合であってもよい。
【0048】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図1を参照して説明する。本発明の第2実施形態に係る情報記録再生ヘッド(以下、これを「第2の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さをLとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0049】
【数13】
L・sinα=P (4)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0050】
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによっても、これらの記録読取素子の記録読取端部を、図1に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。したがって、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0051】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図2を参照して説明する。図2は本発明の第3実施形態及び第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0052】
本発明の第3実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第3の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、
【0053】
【数14】
H=m・η・P(ただし、mは自然数) (5)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによって、これらの記録読取素子の記録読取端部(例えば、プローブの先端部)を、図2に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。すなわち、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部(A、B)を1のトラック(Tr5)上に位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部(C、D)を他のトラック(Tr2)上に位置させることができる。なお、図2は、mを3とした場合の例であるが、mに任意の自然数を設定することにより、互いに異なるトラック上に位置する2個の記録読取素子の記録読取端部の離間距離を任意に設定することができる。
【0054】
このような構成を有する第3の情報記録読取ヘッドによっても、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1又は第2の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。さらに、第3の情報記録読取ヘッドによれば、mに任意の自然数を設定することにより、互いに異なるトラック上に位置する、2個の記録読取素子の記録読取端部の離間距離を任意に設定することができるので、記録読取ヘッドの設計・製造上の都合や、記録・再生方式の都合に適合するように、記録読取素子の配置を自由に設定することができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1又は第2の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0055】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図2を参照して説明する。本発明の第4実施形態に係る情報記録再生ヘッド(以下、これを「第4の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さをLとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0056】
【数15】
L・sinα=m・P(ただし、mは自然数) (6)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0057】
このような構成を有する第4の情報記録読取ヘッドによっても、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができると共に、上述した第1ないし第3の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。さらに、第4の情報記録読取ヘッドによれば、記録読取ヘッドの設計・製造上の都合や、記録・再生方式の都合に適合するように、記録読取素子の配置を自由に設定することができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1ないし第3の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0058】
(情報記録読取ヘッドの変形態様)
さらに、上述した第1ないし第4のいずれかの情報記録読取ヘッドにおいて、少なくとも4個の記録読取素子を、直線ACの長さをLとし、直線CDの長さをKとすると、
【0059】
【数16】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)≠1(nは自然数) (7)
なる関係が成立するように、支持部に配置する構成としてもよい。
【0060】
このような構成とすれば、情報記録読取ヘッドの支持部に設けられた複数の記録読取素子の配列に、正方形の格子が形成されるのを防止することができる。
【0061】
以下、上記数式(7)が成立することにより、記録読取素子の配列に、正方形の格子が形成されるのを防止できる理由を図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、支持部に6個の記録読取素子を配した情報記録読取ヘッドであって、記録読取素子として棒状のプローブ(例えばカーボンナノチューブなどにより形成されたもの)を用いた場合の例を示している。図3及び図4は、各プローブを上側から見た場合の図であり、図3及び図4中のA、B、C、D、V、Wは、それぞれ、6個のプローブの先端部(記録読取端部)の位置に対応する。さらに、図3及び図4は、例えば、情報記録読取ヘッドの支持部上に形成されたプローブ電極1aないし1f、及びこれらプローブ電極1aないし1fにそれぞれ接続された信号線2aないし2fをそれぞれ破線で示している。プローブは、プローブ電極1aないし1fにそれぞれ固定され、かつ電気的に接続されている。
【0062】
そして、図3は、6個のプローブの配置において、上記数式(7)が成立しない場合の具体例を示している。すなわち、図3に示す6個のプローブのうち、4個のプローブの先端部の位置A、B、C、Dに着目すると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成されている。そして、直線ACの長さをLとし、直線CDの長さをKとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0063】
【数17】
L・cosα=nK(ただし、nは自然数) (8)
なる関係が成立する(なお、図3はn=1の場合の例を示している。)。さらに、直線ACを底辺とした場合の平行四辺形の高さをHとすると、
【0064】
【数18】
K・sinα=H (9)
なる関係が成立する。上記数式(8)及び数式(9)を用いて、αを消去すると、
【0065】
【数19】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)=1(nは自然数)(10)
が成立する(なお、図3の例ではn=1である。)。プローブ先端部の位置に上記数式(10)が成立すると、プローブの配列中に、正方形の格子が形成される。例えば、図3において、プローブ先端部の位置A、B、D、V、及び、位置A、C、D、Wは、正方形の格子を形成している。プローブの配列中に正方形の格子が形成されると、図3中の信号線2aないし2cを見ればわかるように、プローブ電極への信号線の接続・配置又は信号線のスペース確保が困難となり、また、信号線が長くなってしまうなどの不都合が生じる。
【0066】
一方、図4は、6個のプローブの配置において、上記数式(7)が成立する場合を示している。すなわち、図4に示す6個のプローブは、そのうちの4個のプローブの先端部の位置A、B、C、Dに着目すると、これらの位置により平行四辺形が形成されているが、上記数式(8)は成立せず、上記数式(10)も成立せず、その結果として、上記数式(7)が成立する。上記数式(7)が成立するようにプローブ先端部の位置を決めることにより、プローブの配列中に正方形の格子が形成されにくくなる。これにより、図4中の信号線2aないし2fを見ればわかるように、プローブ電極への信号線の接続・配置及び信号線のスペースを狭くでき、かつ、信号線を短くすることができる。さらに、信号線を短くすることができれば、信号線にのるノイズを軽減することができる。
【0067】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について図5を参照して説明する。図5は本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0068】
本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第5の情報記録読取ヘッド」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部に配置されている。
【0069】
すなわち、図5に示すように、少なくとも3個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置E、Fが1のトラック(Tr4)上に位置するように配置されている。さらに、残りの1個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置Gが他のトラック(Tr3)上に位置するように配置されている。
【0070】
このように、少なくとも3個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの1個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドとほぼ同様に、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数は3個に限られない。
【0071】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について図6を参照して説明する。図6は本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0072】
本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第6の情報記録読取ヘッド」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部に配置されている。
【0073】
すなわち、図6に示すように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置R、Sが1のトラック(Tr4)上に位置するように配置されている。さらに、残りの2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置T、Uが他のトラック(Tr3)上に位置するように配置されている。なお、これら4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取端部の位置が平行四辺形を形成するように配置されていなくてもよい。
【0074】
このように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドと同様に、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1ないし第5の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0075】
また、かかる第6の情報記録読取ヘッドにおいて、1のトラック上に位置決めした2個の記録読取素子の記録読取端部の位置R及びSを結んだ直線RSと他のトラックに位置決めした2個の記録読取素子をT及びUを結んだ直線TUとが平行で、R及びTを結んだ直線RTとS及びUを結んだ直線SUとが平行の平行四辺形が形成されるように、前記少なくとも4個の記録読取素子を支持部に配置する構成としてもよい。
【0076】
また、図5又は図6に示す第5又は第6の情報記録読取ヘッドにおいては、記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ位置する1のトラックと他のトラックは互いに隣接している。しかし、本発明はこれに限らず、1のトラックと他のトラックとが、1又は複数のトラックを挟んで互いに離れた位置に配置されたトラックであってもよい。
【0077】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について図7を参照して説明する。図7は本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0078】
本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第1の情報記録再生装置」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置である。なお、記録・再生すべき情報及び情報記録媒体の実施形態は、第1実施形態と同様である。
【0079】
図7に示すように、第1の情報記録再生装置は、情報記録読取ヘッド11を備えており、情報記録読取ヘッド11は、支持部12と、支持部12に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも2個の記録読取素子13、14は、それらの記録読取端部が1のトラック(Tr4)上に位置するように支持部12に配置されている。なお、図7は、記録読取素子13、14として、カーボンナノチューブ等により形成された棒状のプローブを用いた例を示しているが、個々の記録読取素子の形状・構造や、支持部の材料等については、第1実施形態と同様に、特に限定されるものではない。このことは、後述の第2ないし第4の情報再生装置(図8ないし図10)についても同様である。
【0080】
さらに、第1の情報記録再生装置は、情報を2個の記録読取素子13、14のうちいずれか一方の記録読取素子を介して情報記録媒体のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える信号印加手段15と、信号印加手段15によって情報記録媒体のトラックに記録された情報を2個の記録読取素子13、14のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段16とを備えている。
【0081】
例えば、図7に示すように、記録読取素子13は信号印加手段15に接続されており、信号印加手段15は、情報に対応した信号を記録読取素子13に加え、当該情報を情報記録媒体のトラックに記録する。また、記録読取素子14は情報読取手段16に接続されており、情報読取手段16は、記録読取素子13によって情報記録媒体のトラックに記録された情報を、記録読取素子14を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、例えば、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド11に対して図7中の矢示方向に移動する場合に実現できる。もちろん、情報記録ヘッド11が情報記録媒体に対して図7中の矢示方向と逆の方向に移動する場合でも実現可能である。
【0082】
記録読取素子14を介して情報読取手段16によって読み取られた情報は、例えば、記録読取素子13を介して信号印加手段15によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。そして、もし情報が正しく記録されていないときには、再度、同一の情報を情報記録媒体に記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。一方、記録読取素子14を介して情報読取手段16によって読み取られた情報をそのまま再生する構成としてもよい。このような構成とすれば、情報の記録と再生を同時に行うことができる。
【0083】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態について図8を参照して説明する。図8は本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0084】
本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第2の情報記録再生装置」という。)は、図8に示すように、情報記録読取ヘッド21を備えており、情報記録読取ヘッド21は、支持部22と、支持部22に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子23、24、25は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子23、24の記録読取端部を1のトラック(Tr4)上に位置決めしたときに、3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子25の記録読取端部が他のトラック(Tr3)上に位置するように支持部に配置されている。
【0085】
さらに、第2の情報記録再生装置は、1のトラック上に位置する2個の記録読取素子23、24のうちいずれか一方の記録読取素子を介して情報を1のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段26と、第1信号印加手段26によって1のトラックに記録された情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子23、24のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段27と、情報読取手段27により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段28と、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われていないときには、残りの1個の記録読取素子25を介して情報を1のトラックに再び記録するために、情報に対応した信号を当該残りの1個の記録読取素子25に加える第2信号印加手段29とを備えている。
【0086】
例えば、図8に示すように、記録読取素子23は第1信号印加手段26に接続されており、第1信号印加手段26は、情報に対応した信号を記録読取素子23に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラックに記録する。また、記録読取素子24は情報読取手段27に接続されており、情報読取手段27は、記録読取素子23によって情報記録媒体の1のトラックに記録された情報を、記録読取素子24を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、例えば、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド21に対して図8中の矢示X方向に移動する場合に実現できる。もちろん、情報記録ヘッド21が情報記録媒体に対して図8中の矢示Xと逆の方向に移動する場合でも実現可能である。判定手段28は、情報読取手段27により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する。そして、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われていないときには、第2信号印加手段29は、正しく記録されなかった情報に対応する信号を記録読取素子25に印加する。この記録読取素子25への信号の印加は、情報記録読取ヘッド21が情報記録媒体上を図8中の矢示Y方向に移動し、記録読取素子25が1のトラック(Tr4)上に位置したときに行う。もちろん、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド21に対して図8中の矢示Yと逆の方向に移動し、記録読取素子25が1のトラック(Tr4)上に位置したときに印加する構成としてもよい。これにより、情報の記録精度を高めることができる。また、トラックジャンプをせずに情報の再記録を行うことができるので、情報の記録速度を高めることができる。
【0087】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態について図9を参照して説明する。図9は本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0088】
本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第3の情報記録再生装置」という。)は、図9に示すように、情報記録読取ヘッド31を備えており、情報記録読取ヘッド31は、支持部32と、支持部32に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子33ないし36は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子33、34の記録読取端部を1のトラック(Tr4)上に位置決めしたときに、4個の記録読取素子33ないし36のうちの残りの2個の記録読取素子35、36の記録読取端部が他のトラック(Tr3)上に位置するように、支持部32に配置されている。
【0089】
さらに、第3の情報記録再生装置は、情報の一部を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子33、34のうちいずれか一方の記録読取素子を介して1のトラックに記録するために、情報の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段37と、第1信号印加手段37によって1のトラックに記録された情報の一部を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子33、34のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第1情報読取手段38と、情報の他の一部を他のトラック上に位置する2個の記録読取素子35、36のうちいずれか一方の記録読取素子を介して他のトラックに記録するために、情報の他の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段39と、第2信号印加手段39によって他のトラックに記録された情報の他の一部を他のトラック上に位置する2個の記録読取素子35、36のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第2情報読取手段40とを備えている。
【0090】
例えば、図9に示すように、記録読取素子33は第1信号印加手段37に接続されており、第1信号印加手段37は、情報に対応した信号を記録読取素子33に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラック(Tr4)に記録する。また、記録読取素子34は情報読取手段38に接続されており、情報読取手段38は、記録読取素子33によって1のトラックに記録された情報を記録読取素子34を介して直ちに読み取る。一方、記録読取素子35は第2信号印加手段39に接続されており、第2信号印加手段39は、情報に対応した信号を記録読取素子35に加え、当該情報を情報記録媒体の他のトラック(Tr3)に記録する。また、記録読取素子36は情報読取手段40に接続されており、情報読取手段40は、記録読取素子35によって他のトラックに記録された情報を記録読取素子36を介して直ちに読み取る。そして、第1信号印加手段37及び第1信号読取手段38による記録・読取動作と、第2情報印加手段39及び第2情報読取手段40による記録・読取動作は、同時に行われる。このとき、情報記録媒体は、情報記録読取ヘッド31に対して図9中の矢示方向に移動している。もちろん、情報記録読取ヘッド31が情報記録媒体に対して図9中の矢示と逆方向に移動する構成としてもよい。
【0091】
そして、例えば、第1情報読取手段38によって読み取られた情報は、第1信号印加手段37によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。また、第2情報読取手段40によって読み取られた情報は、第2信号印加手段39によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。そして、もし、いずれか又は双方の情報が正しく記録されていないときには、再度、同一の情報を情報記録媒体に記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。
【0092】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態について図10を参照して説明する。図10は本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0093】
本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第4の情報記録再生装置」という。)は、図10に示すように、情報記録読取ヘッド51を備えており、情報記録読取ヘッド51は、支持部52と、支持部52に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子53ないし56は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子53、54の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子55、56の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部52に配置されている。
【0094】
さらに、第4の情報記録再生装置は、情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子53、54のうちいずれか一方の記録読取素子を介して1のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段57と、第1信号印加手段57によって1のトラックに記録された情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子53、54のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段58と、情報読取手段58により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段59と、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われていないときには、情報を残りの2個の記録読取素子55、56のうちのいずれいか一方の記録読取素子を介して1のトラックに再び記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段60と、第2信号印加手段60により記録すべき情報の、1のトラック上における記録位置を、2個の記録読取素子55、56のうちの他方の記録読取素子を介して検出する記録位置検出手段61とを備えている。
【0095】
例えば、図10に示すように、記録読取素子53は第1信号印加手段57に接続されており、第1信号印加手段57は、情報に対応した信号を記録読取素子53に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラックに記録する。また、記録読取素子54は情報読取手段58に接続されており、情報読取手段58は、記録読取素子53によって情報記録媒体の1のトラックに記録された情報を、記録読取素子54を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド51に対して図10中の矢示X方向に移動している場合に実現できる。もちろん、情報記録読取ヘッド51が情報記録媒体に対して図10中の矢示Xと逆方向に移動する場合でも同様に実現可能である。判定手段59は、情報読取手段58により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する。そして、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われていないときには、第2信号印加手段60は、正しく記録されなかった情報に対応する信号を記録読取素子55に印加する。ここで、情報記録読取ヘッド51は、情報記録媒体に対して図10中の矢示Y方向に移動する。記録読取素子55への信号の印加は、記録読取素子55が1のトラック(Tr4)上に位置したときに行う。もちろん、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド51に対して図10中の矢示Yと逆の方向に移動し、記録読取素子55が1のトラック(Tr4)上に位置したときに印加する構成としてもよい。このとき、記録位置検出手段61は、記録読取素子56を介して、情報を再記録すべき位置を検出する。第2信号印加手段60は、この記録位置検出手段61の検出結果に基づいて情報を再記録すべき位置を認識し、情報の再記録を行う。これにより、情報の記録精度を高めることができる。また、トラックジャンプをせずに情報の再記録を行うことができるので、情報の記録速度を高めることができる。
【0096】
なお、第3又は第4の情報記録再生装置の情報記録読取ヘッドとして、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッド(上記変形例を含む)を適用してもよい。
【0097】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態について図11を参照して説明する。図11は本発明の第11実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0098】
本発明の第11実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第1の情報再生装置」という。)は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置である。なお、記録・再生すべき情報及び情報記録媒体の実施形態は、第1実施形態と同様である。
【0099】
図11に示すように、第1の情報再生装置は、情報記録読取ヘッド71を備えており、情報読取ヘッド71は、支持部72と、支持部72に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子73、74は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部72に配置されている。なお、図11は、読取素子73及び74として、カーボンナノチューブ等により形成された棒状のプローブを用いた例を示しているが、個々の読取素子の形状・構造や、支持部の材料等については、第1実施形態と同様に、特に限定されるものではない。このことは、後述の第2及び第3の情報再生装置(図12、図13)についても同様である。
【0100】
さらに、第1の情報再生装置は、2個の読取素子73、74により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段75と、信号読取手段75により取得した2個の読取信号を、2個の読取素子73、74の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段76と、信号加算手段76により加算された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段77とを備えている。
【0101】
信号読取手段75は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子73、74を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。読取素子73、74は、それぞれ同一トラック上に位置するので、読取素子73、74により、当該トラック上に記録された同一の情報を読み取ることができる。読取素子73、74によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号加算手段76に供給される。信号加算手段76は、これら2個の読取信号を相互に加算する。これにより、読取信号のレベル(振幅)が2倍になるので、例えば、読取信号のレベルが何らかのトラブルで小さい場合でも、適切な大きさのレベルを確保できる。ただ、読取素子73、74は同一トラック上において異なる位置にあるので、読取素子73で読み取った読取信号と読取素子74で読み取った読取信号との間には、時間差が生じる。そこで、信号加算手段76は、2個の読取信号を加算する前に、当該時間差をなくすように、いずれか一方又は双方の読取信号を補正する。そして、再生手段77は、信号加算手段76により加算された読取信号に基づいて情報を再生する。このように情報の読取を2重又は多重に行い、それによって得られた2以上の読取信号を相互に加算して、読取信号のレベルを増大させ、その読取信号に基づいて情報を再生する構成としたから、情報の再生精度を高めることができる。
【0102】
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態について図12を参照して説明する。図12は本発明の第12実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0103】
本発明の第12実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第2の情報再生装置」という。)は、図12に示すように、情報記録読取ヘッド81を備えており、情報読取ヘッド81は、支持部82と、支持部82に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子83、84は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部82に配置されている。
【0104】
さらに、第2の情報再生装置は、2個の読取素子83、84により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段85と、信号読取手段85により取得した2個の読取信号のうち、いずれか一方を選択する信号選択手段86と、信号選択手段86により選択された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段87とを備えている。
【0105】
信号読取手段85は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子83、84を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。信号読取手段85によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号選択手段86に供給される。信号選択手段86は、これら2個の読取信号のうち、情報再生の基礎とするのに適切な読取信号を選択する。再生手段87は、信号選択手段86により選択された読取信号に基づいて情報を再生する。例えば、信号選択手段86において、2個の読取信号のうち、レベル(振幅)が高い方の読取信号を選択する構成や、ノイズ成分の少ない読取信号を選択する構成などを採用すれば、2個の読取素子のうちの一方の読取素子による読取動作にトラブルが生じても、他方の読取素子により得られた読取信号に基づいて情報の再生を正しく行うことができる。これにより、情報の再生精度を高めることができる。
【0106】
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態について図13を参照して説明する。図13は本発明の第13実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0107】
本発明の第13実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第3の情報再生装置」という。)は、図13に示すように、情報記録読取ヘッド91を備えており、情報読取ヘッド91は、支持部92と、支持部92に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子93、94は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部92に配置されている。
【0108】
さらに、第3の情報再生装置は、2個の読取素子93、94により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段95と、信号読取手段95により取得された2個の読取信号のレベルがいずれも所定レベルに達しているときには、これら2個の読取信号を、2個の読取素子93、94の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段96と、信号読取手段95により取得された2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルの高い方の読取信号を選択する信号選択手段97と、信号加算手段96により加算された読取信号、又は、信号選択手段97により選択された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段98とを備えている。
【0109】
信号読取手段95は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子93、94を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。信号読取手段95によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号加算手段96に供給されると同時に、これらの読取信号は信号選択手段97にも供給される。
【0110】
信号加算手段96は、2個の読取信号のレベルがいずれも所定レベルに達しているときには、両読取信号の時間差を補正した上で、両読取信号を加算する。これにより、読取信号のレベルを増加させることができる。一方、信号選択手段97は、2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルの高い方の読取信号を選択する。これにより、2個の読取信号のうち、一方又は双方の読取信号のレベルが低くても、できる限り、レベルの高い読取信号を選択し、それを情報再生の基礎として用いることができる。
【0111】
そして、再生手段98は、信号加算手段96により加算された読取信号、又は、信号選択手段97により選択された読取信号に基づいて情報を再生する。
【0112】
このような構成を有する第3の情報再生装置によっても、情報の再生精度を高めることができる。
【0113】
なお、第1ないし第2の情報再生装置に、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドを適用してもよい。この場合、第1ないし第4の情報記録読取ヘッドは、少なくとも4個の記録読取素子を有するので、これらを2組に分け、上述した信号読取手段、信号加算手段、信号選択手段、再生手段等を2組設ける構成とすれば、情報の再生精度の向上と同時に、情報の再生速度の向上を図ることができる。
【0114】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例は、本発明の情報記録読取ヘッド及び情報記録再生装置を、SNDMを適用した情報記録再生装置に適用した例である。
【0115】
まず、本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成について説明する。
【0116】
図14は、本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成を示している。図14に示すように、本発明の実施例に係る情報記録再生装置100は、情報記録媒体101のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体101のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であり、記録・再生の方式として、SNDMを採用している。
【0117】
情報記録媒体101は、強誘電体材料からなる強誘電体膜101aと、背面電極101bを備えており、全体としてディスク状に形成されている。強誘電体膜101aの表面は記録面101cとなっており、記録面101c上には、同心円状又は螺旋状のトラックが形成されている。また、背面電極101bは、接地されている。
【0118】
情報記録再生装置100は、情報記録読取ヘッド110、記録処理回路140、交流信号発生器112aないし112d、スイッチ113aないし113d、第1インダクタ114aないし114b、コンデンサ115aないし115d、第2インダクタ116、発振器117、FM復調器118、信号検出器119aないし119d、及び、再生処理回路150を備えている。情報記録読取ヘッド110が4個のプローブ131aないし131dを有するので、交流信号発生器112aないし112d、スイッチ113aないし113d、第1インダクタ114aないし114b、コンデンサ115aないし115d、及び信号検出器119aないし119dは、それぞれ4個ずつ設けられている。なお、これらのインダクタ及びコンデンサは、特に部品を使用せず、プローブヘッド(情報記録読取ヘッド)の自己インダクタンスあるいは容量をもって構成してもよい。
【0119】
次に、情報記録再生装置100における情報記録の原理を説明する。なお、説明の便宜上、情報記録読取ヘッド110の4個のプローブ131aないし131dのうち、プローブ131aを介して情報を記録する場合を例に挙げる。
【0120】
まず、記録処理回路140は、記録すべき情報に対応する記録信号(パルス信号)を生成する。情報を情報記録媒体101に記録するときには、スイッチ113aが記録処理回路140と第1インダクタ114aとを接続するように切り替えられる。これにより、記録処理回路140から出力された記録信号は、スイッチ113a及び第1インダクタ114aを通って、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに供給され、情報記録媒体101の強誘電体膜101aに印加される。これにより、プローブ131aの先端部と対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態が、記録信号に応じて設定される。このように記録信号の印加が行われるとき、情報記録媒体101は、図示しないスピンドルモータ等の駆動により回転しており、かつ、情報記録読取ヘッド110は、図示しないサーボ制御装置の制御の下で、情報記録媒体101の半径方向に移動する。これにより、情報が強誘電体膜101aの分極状態として情報記録媒体101に記録される。
【0121】
次に、情報記録再生装置100における情報再生の原理を説明する。なお、説明の便宜上、情報記録読取ヘッド110の4個のプローブ131aないし131dのうち、プローブ131aを介して情報を記録する場合を例に挙げる。
【0122】
情報を再生するときには、スイッチ113aが、交流信号発生器112aと第1インダクタ114aとを接続するように切り替えられる。これにより、交流信号発生器112aによって生成された交流信号が、スイッチ113a及び第1インダクタ114aを通って、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに供給され、情報記録媒体101の強誘電体膜101aに印加される。これにより、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの静電容量Cが、交流信号の印加によって形成される交番電界及び強誘電体膜101aの誘電率によって変化する。この静電容量変化の中には、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態に応じて符号が反転する非線形誘電率成分が含まれている。
【0123】
発振器117は、第2インダクタ116のインダクタンスLと、強誘電体膜101aの静電容量Cから構成されるLC共振回路の共振周波数により発振する。したがって、発振器117から出力される発振信号の周波数は、静電容量Cの変化に応じて変調される。この発振信号は、FM復調器118により復調され、信号検出器119aに供給される。
【0124】
信号検出器119aは、例えばロックインアンプ回路によって構成されている。信号検出器119aによって、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態に応じて符号が反転する非線形誘電率成分が検出される。信号検出器119aには、交流信号発生器112aから出力される交流信号が供給されており、非線形誘電率成分の検出の際には、この交流信号が参照信号として用いられる。このようにして検出された非線形誘電率成分が、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態、すなわち、当該部位の強誘電体膜101aに記録された情報に対応する。以上のような再生動作が、情報記録媒体101の回転と情報記録読取ヘッド110の移動と共に行われることにより、情報記録媒体101に記録された情報が再生される。
【0125】
次に、情報記録読取ヘッド110の構成について説明する。図15は情報記録読取ヘッド110に配されたプローブ131aないし131dの先端部の位置を示している(具体的には、プローブ131aないし131dを支持基板132を透かして上から見た状態を示している)。図15において、太い斜線はそれぞれ情報記録媒体101のトラックTr1〜Tr6を示している。
【0126】
情報記録読取ヘッド110は、支持基板132、及び、4個のプローブ131aないし131dを備えている。支持基板132はシリコン材料から形成されている。各プローブ131aないし131dは、カーボンナノチューブにより形成されており、その半径は、数ナノメートルないし数十ナノメートルである。プローブ131aないし131dは、その基端側が支持基板132に支持されており、先端側が情報記録媒体101に向けて伸びている。情報の記録・再生時において、各プローブ131aないし131dの先端部は、情報記録媒体101の記録面101cに対し、数ナノメートル離れた位置に配置される。
【0127】
プローブ131aないし131dは、それぞれの先端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さLに対する直線ABの長さKの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとし、トラックピッチをPとすると、
【0128】
【数20】
H=η・P (11)
なる関係が成立するように、支持基板132に配置されている。また、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0129】
【数21】
L・sinα=P (12)
なる関係が成立する。
【0130】
情報記録読取ヘッド110は、2個のプローブ131a及び131bが1のトラック上に位置し、残りの2個のプローブ131c及び131dが、当該1のトラックに隣接する他のトラック上に位置するように、情報記録媒体101に対して位置決めされている。換言すれば、情報記録読取ヘッド110は、図15中の平行四辺形の底辺ACとトラックとが角度αで交わるように、位置決めされている。
【0131】
次に、記録処理回路140の内部構成及び動作について説明する。図16は記録処理回路140の内部構成を示している。図16に示すように、記録処理回路140は、第1記録信号発生器141、第1読取信号復調器142、信号比較器143、第2読取信号復調器144、第2記録信号発生器145を備えている。
【0132】
第1記録信号発生器141は、スイッチ113a、第1インダクタ114aを介して、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに通じる経路に接続されている(図14参照)。第1記録信号発生器141は、外部から、情報記録媒体101に記録すべき情報(以下、これを「記録情報」という。)を受け取り、この情報に対応する記録信号Ws1を生成し、これをプローブ131aに向けて出力する。また、第1記録信号発生器141は、信号比較部143にもそれぞれ接続されており、記録情報をこれら信号比較部143に供給する。
【0133】
第1読取信号復調器142は、信号検出器119bの出力側に接続されている。信号検出器119bは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131bの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs2として出力する。第1読取信号復調器142は、この読取信号Rs2を受け取り、これを復調し、復調された読取信号Rs2を再生情報として信号比較部143に供給する。
【0134】
信号比較部143は、第1記録信号発生器141から供給された記録情報と、第1読取信号復調器142から供給された再生情報とを比較し、両者が一致するか否かを調べる。記録情報と再生情報とが一致しないときには、当該記録情報が情報記録媒体101の記録面101cに正しく記録されていないことが予測される。そこで、記録情報と再生情報とが一致しないとき、信号比較部143は、当該記録情報が誤って又は不完全に記録されている記録面101c上の位置(又は当該記録情報を記録すべきであった記録面101c上の位置)を示す位置情報を第2読取信号復調器144に供給する。また、このとき、記録情報のうち、正しく記録されなかった部分を指し示すアドレス情報が、図示しないマイクロコンピュータ等によって記憶保持される。
【0135】
第2読取信号復調器144は、信号検出器119cの出力側に接続されている。信号検出器119cは、プローブ131cの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs3として出力する。第2読取信号復調器144は、この読取信号Rs3を受け取り、これを復調し、復調された読取信号Rs3に基づいて、記録面101c上におけるプローブ131cの先端部の現在位置を認識する。さらに、第2読取信号復調器144は、信号比較器143から出力された位置情報を受け取り、この位置情報の指し示す位置に対応する記録面101c上の部位を探る。すなわち、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aとプローブ131cは、互いに隣接した2個のトラック上にそれぞれ位置しており(図15参照)、また、情報記録媒体101が1回転することにより、情報記録読取ヘッド110が情報記録媒体101の半径方向にトラックピッチPだけ移動する。したがって、記録面101c上において、プローブ131aの先端部が対向していた部位は、情報記録媒体101がほぼ1回転することにより、プローブ131cの先端部が対向する位置に移動する。したがって、プローブ131aにより記録情報が誤って又は不完全な状態で記録面101c上に記録されてから、情報記録媒体101がほぼ1回転すると、その誤った又は不完全な記録情報が記録された記録面101c上の部位が、プローブ131cの先端部の対向する位置にくることになる。第2読取信号復調器144は、位置情報が指し示す位置に対応する記録面101c上の部位を探るべく、記録面101c上におけるプローブ131cの先端部の現在位置と、位置情報の指し示す位置とが一致するか否かを判定する。そして、両者が一致したときには、第2読取信号復調器144は、再記録命令信号を第2記録信号発生器145に出力する。
【0136】
第2記録信号発生器145は、スイッチ113d、第1インダクタ114dを介して、情報記録読取ヘッド110のプローブ131dに通じる経路に接続されている(図14参照)。第2記録信号発生器145は、第2読取信号復調器144から出力された再記録命令信号に従って、マイクロコンピュータに記憶保持されたアドレス情報の指し示す記録情報を外部から取得し、当該記録情報に対応する記録信号Ws2を生成し、これを位置情報の指し示す位置に対応する記録面101c上の部位に、プローブ131dを介して記録する。なお、位置情報の指し示す位置に対応する記録面101cの部位は、プローブ131cとプローブ131dとの間隔が予めわかっているので、情報記録媒体101の記録面101c上に予め記録されたクロック情報等を取得し、そのクロック情報に基づくクロックをカウントすることにより、特定することができる。また、再記録する記録情報の単位は、所定長さの情報からなるブロック単位でもよいし、情報のビット、バイト又はワード単位でもよい。
【0137】
このように、情報記録読取ヘッド110のプローブ131a及びプローブ131bを1のトラック上に位置させ、かつプローブ131c及びプローブ131dを当該1のトラックと隣接する他のトラック上に位置させ、プローブ131aによって記録情報を記録し、このプローブ131aによって記録された記録情報をプローブ131bによって直ちに読み取り、この読み取った情報に基づいて、プローブ131aによる記録の不良を検出し、プローブ131dによって記録情報を再記録する構成としたから、記録情報の記録精度を高めることができる。また、かかる構成によれば、トラックジャンプをせずに、記録情報の不良検出及び再記録を実行することができるので、記録情報の記録速度を高めることができる。
【0138】
次に、再生処理回路150の内部構成及び動作について説明する。図17は再生処理回路150の内部構成を示している。図17に示すように、再生処理回路150は、増幅器151ないし154、第1信号処理部155、第2信号処理部156、及び、並列再生処理部157を備えている。
【0139】
第1信号処理部155は、2個の入力端子を有しており、そのうちの一方の入力端子は、増幅器151を介して信号検出器119aの出力側に接続されている。信号検出器119aは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs1として出力する。第1信号処理部155は、この読取信号Rs1を受け取る。また、第1信号処理部155の他方の入力端子は、増幅器152を介して信号検出器119bの出力側に接続されている。信号検出器119bは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131bの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs2として出力する。第1信号処理部155は、この読取信号Rs2を受け取る。さらに、第1信号処理部155は、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルを、所定の基準レベルと比較する。そして、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルが双方とも基準レベルに達しているときには、両信号の時間差を調整した上で、これらを互いに加算する。プローブ131aとプローブ131bはいずれも同一のトラック上に位置しているので、プローブ131a及び131bにより取得される読取信号Rs1、Rs2は、プローブ131aと131bとの間の距離に対応する時間差はあるものの、その内容は同一である。したがって、両信号の時間差を調整した上で、両者を互いに加算することにより、個々の読取信号Rs1、Rs2の振幅と比較しておよそ2倍の振幅を有する信号(以下、これを「読取加算信号」という。)が得られる。
【0140】
一方、第1信号処理部155が、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルを基準レベルと比較した結果、読取信号Rs1、Rs2のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが基準レベルに達していないときには、第1信号処理部155は、両信号のうち、レベルの高い方を選択する(以下、このようにして選択された信号を「読取選択信号」という。)。そして、第1信号処理部155は、読取加算信号又は読取選択信号を並列再生処理部157に供給する。
【0141】
第2信号処理部156は、2個の入力端子を有しており、そのうちの一方の入力端子は、増幅器153を介して信号検出器119cの出力側に接続されている。信号検出器119cは、プローブ131cの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs3として出力する。第2信号処理部156は、この読取信号Rs2を受け取る。また、第2信号処理部156の他方の入力端子は、増幅器154を介して信号検出器119dの出力側に接続されている。信号検出器119dは、プローブ131dの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs4として出力する。第2信号処理部156は、この読取信号Rs4を受け取る。そして、第2信号処理部156は、読取信号Rs3、Rs4のそれぞれのレベルを、所定の基準レベルと比較し、上述した第1信号処理部155と同様に、読取加算信号又は読取選択信号を得て、これを並列再生処理部157に供給する。
【0142】
並列再生処理部157は、第1信号処理部155から供給された1のトラックに係る読取加算信号又は読取選択信号と、第2信号処理部156から供給された他のトラックに係る読取加算信号又は読取選択信号との再生タイミング等を調整し、1つの連続した再生信号として整えた後に、これを外部に出力する。
【0143】
このように、情報記録読取ヘッド110のプローブ131a及びプローブ131b(131c及び131d)を1のトラック(他のトラック)上に位置させ、プローブ131a及び131b(131c及び131d)によって1のトラック(他のトラック)上に記録された情報をそれぞれ読み取り、双方の読取信号が十分なレベルをもって読み取ることができたときには、両者を加算してより大きなレベルの信号を取得し、これに基づいて情報の再生を行う構成としたから、情報の再生精度を高めることができる。また、読取信号の一方又は双方のレベルが不十分のときには、両者のうち、レベルの高い方の読取信号を選択し、これに基づいて情報の再生をする構成としたから、読取信号が何らかのトラブルにより十分に取得することができない場合でも、できる限り情報の再生の精度を高めることができる。さらに、このような再生動作を、1のトラックと、それに隣接する他のトラックとについて同時に行う構成としたから、情報の再生速度を高めることができる。
【0144】
なお、上述した実施例では、記録処理回路140において、信号検出回路119bから得られた読取信号Rs2を第1読取信号復調器142によって復調することによって再生情報を得て、これと記録情報とを比較する構成としたが、本発明はこれに限らず。第1記録信号発生器141により生成された記録信号Ws1と、信号検出器119bから得られた読取信号Rs2とを直接比較する構成としてもよい。
【0145】
また、上述した実施例では、情報の記録・不良検出・再記録の動作を実現するにあたり、プローブ131cを用いて位置検出を行い、プローブ131dを用いて再記録を行う構成としたが、本発明はこれに限らず、プローブ131cのみを用いて、位置検出と再記録を行う構成としてもよい。具体的には、図14に示す情報記録再生装置100において、スイッチ113cをスイッチ113dのような2個の入力端子を切り替える機能を有するスイッチに置き換え、記録信号Ws2をそのスイッチの一方の入力端子に供給する経路を設ける。そして、位置検出時と再記録時とで、スイッチの入力端子を切り替えながら、両動作を順次行う。かかる構成によれば、プローブ131dを廃することもできるが、プローブ131dを再記録が正しく行われたか否かの確認(再不良検出)に用いれば、情報の記録精度をより一層高めることができる。
【0146】
また、上述した実施例では、ディスク状の情報記録媒体101を用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、カード状の情報記録媒体を用いる構成としてもよい。
【0147】
さらに、上述した実施例では、情報記録読取ヘッド110に4個のプローブ131aないし131dを設ける場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、より多数のプローブを設ける構成としてもよい。この場合には、互いに隣接する4個のプローブを、それらの先端部により平行四辺形が形成され、かつ上記数式(11)又は数式(12)を充たすように配置する。多数のプローブをこのような配置にすれば、同一のトラックについて複数のプローブが割り当てられることとなるので、これらのプローブの一部に製造上の不良や、経時劣化による故障が生じても、他のプローブを介して情報の記録読取を十分に行うことができる。したがって、情報記録読取ヘッドの製造時において、プローブの一部に不良があっても、他の正常なプローブによって製品としての品質に問題がなければ、これを良品として取り扱うことができる。これにより、歩留まりを良くすることができる。また、経時劣化によりプローブの一部に故障が生じても、他のプローブが正常であれば、結果的にみて、情報の記録再生動作に支障がない。したがって、情報記録読取ヘッドの耐久性を高め、寿命を延ばすことができる。
【0148】
さらに、上述した実施例では、情報記録読取ヘッドの記録読取素子として、カーボンナノチューブにより形成された棒状のプローブを採用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、図18に示す情報記録読取ヘッド160のように、支持基板161にカンチレバー162aないし162dを配する構成としてもよい。
【0149】
また、プローブは媒体から離れておかれる場合を説明したが、媒体に接触する構成としてもよい。
【0150】
図18に示す情報記録読取ヘッド160のカンチレバー162aないし162dは、それぞれの記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さLに対する直線CDの長さKの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとし、トラックピッチをPとすると、上記数式(11)なる関係が成立するように、支持基板161に配置されている。さらに、カンチレバー162aないし162dは、
【0151】
【数22】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)≠1(nは自然数)(13)
なる関係が成立するように、支持基板161に配置されている。
【0152】
これにより、カンチレバー162a及び162bを1のトラック上に位置させ、かつカンチレバー162c及び162dを当該1のトラックに隣接する他のトラック上に位置させることができる。さらに、カンチレバー162aないし162dが正方形状に並ぶことを防止できる。これにより、図18に示すように、各カンチレバー162aないし162dに接続する信号線163aないし163dを直線状に形成することができる。したがって、信号線163aないし163dを短くでき、それらの配置設計及び形成を容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図2】本発明の第3及び第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図3】本発明のプローブ配列中に正方形の格子が形成された場合を示す説明図である。
【図4】本発明の第1ないし第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドの変形形態の具体例を示す説明図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図10】本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第11実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図12】本発明の第12実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の第13実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成を示す回路図である。
【図15】本発明の実施例に係る情報記録読取ヘッドに配されたプローブの位置を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る情報記録再生装置における記録処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例に係る情報記録再生装置における再生処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の情報記録読取ヘッドの他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
11、21、31、51、71、81、91…情報記録読取ヘッド
12、22、32、52、72、82、92…支持部
13、14、23〜25、33〜36、53〜56、73、74、83,84,93,94…記録読取素子
15…信号印加手段
16、27、58…情報読取手段
26、37、57…第1信号印加手段
28、59…判定手段
29、39、60…第2信号印加手段
38…第1情報読取手段
40…第2情報読取手段
61…記録位置検出手段
75、85、95…信号読取手段
76、96…信号加算手段
77、87、98…再生手段
86、97…信号選択手段
100…情報記録再生装置
101…情報記録媒体
110…情報記録読取ヘッド
132、162…支持基板(支持部)
131a〜131d…プローブ(記録読取素子)
141…第1記録信号発生器(第1信号印加手段)
142…第1読取信号復調器(情報読取手段)
143…信号比較部(判定手段)
144…第2記録信号復調器(記録位置検出手段)
145…第2読取信号発生器(第2信号印加手段)
155、156…信号処理部(信号選択手段、信号読取手段、信号加算手段)
157…並列再生処理部(再生手段)
162a〜162d…カンチレバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば微小なプローブ等の記録読取素子を用いて、情報記録媒体に情報を記録し、又は情報記録媒体に記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッド及び情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、情報の高密度・大容量記録を可能とする情報記録再生装置として、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、ハードディスク駆動装置(HDD)などが普及している。しかし、情報利用の要求は高まる一方であり、より小さな領域に、より多くの情報を記録し、さらなる大容量記録を可能とする情報記録再生装置が求められている。
【0003】
このような状況の下、高密度・大容量記録を実現可能な技術として、走査型プローブ顕微鏡法(SPM:Scanning Probe Microscope)を適用した情報記録再生装置の開発が行われている。この情報記録再生装置によれば、理論的には、6.45平方センチメートル(1平方インチ)あたり1テラビットを超える超高密度記録が可能である。
【0004】
例えば、走査型非線形誘電率顕微鏡法(SNDM:Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy)を適用した情報記録再生装置は、半径が十ナノメートルオーダーの先端部を有するプローブを備え、記録媒体として強誘電体材料を用いる。情報の記録は、プローブから強誘電体材料に抗電界以上の電界を印加し、強誘電体材料に所定方向の分極方向を有する分極ドメインを形成することによって行う。また、情報の再生は、プローブ直下の強誘電体材料の容量とインダクタとにより形成される共振回路の共振周波数で発振する発振信号の周波数変動に基づいて、強誘電体材料の分極状態を検出することによって行う。
【0005】
また、十ナノスケールの先端部を有するカンチレバーを備え、記録媒体としてポリマーフィルムを用いるSPM記録再生装置も開発されている。かかる装置では、カンチレバーの先端部を熱し、その熱によりポリマーフィルムに微小なマークを付けることによって情報を記録する。
【0006】
さらに、このような情報記録再生装置においては、情報の記録密度の増加及び記録情報の大容量化に伴い、情報の記録・読取速度を高めることが要求される。そこで、多数のプローブ又は多数のカンチレバーを配列した情報記録読取ヘッドが開発されている。かかる情報記録読取ヘッドによれば、記録すべき情報を、多数のプローブ又はカンチレバーに同時に印加し、情報記録媒体の記録面の複数の部位に同時に情報を書き込むことにより、情報の記録速度を高めることができる。また、情報記録媒体の記録面の複数の部位に記録された情報を、多数のプローブ又はカンチレバーを介して同時に読み取ることにより、情報の読取速度を高めることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SPMないしSNDM等を適用した情報記録再生装置において、情報記録読取ヘッドに設けられた多数のプローブ又はカンチレバーは、超高密度記録を実現するために、きわめて微細であり、寸法精度及び集積度が高い。そこで、これらのプローブ又はカンチレバーの製造は、例えば、シリコン材料にエッチング処理を施してマイクロメートルオーダーの造形・材料加工を行うマイクロマシニング技術や、SPMの技術によって原子・分子を操作してナノメートルオーダーの造形・材料加工を行うナノマシニング技術を用いて行われる。
【0008】
しかし、1つのヘッド基板に形成されるプローブ又はカンチレバーの数が多く、集積度が高い上、寸法精度・各プローブ又は各カンチレバーの均一性などの要請が厳しいため、このような情報記録読取ヘッドの製造においては、歩留まりを良くすることが難しい。例えば、多数のプローブのうち、たった1個のプローブに寸法誤差が生じただけで、その不良プローブを含むヘッド基板全体が不良品となってしまうとすれば、歩留まりを良くすることは容易でなく、そのため、製造コストが増大してしまう。
【0009】
一方、多数のプローブ又はカンチレバーを配した情報記録読取ヘッドを用いて、ディスク状の情報記録媒体に情報を記録し、又はこのような情報記録媒体に記録された情報を再生する場合には、情報記録媒体が1回転する度に、情報記録読取ヘッドをトラックジャンプさせなければならない。このため、情報の記録・読取速度を向上することができない。この結果、多数のプローブ又はカンチレバーを配して情報の記録・読取速度を高めるという目的が損なわれてしまう。
【0010】
また、SPMないしSNDMを適用した情報記録再生装置においては、情報の記録密度及び情報の記録・再生速度を高める要請だけでなく、情報の記録・再生精度を高める要請もある。単に、微小なプローブ又はカンチレバーの数を増やし、多数のプローブ又はカンチレバーを同時に用いて、情報の記録・再生をいっぺんに行うのみでは、情報の記録・再生精度を高めることはできない。情報の記録密度及び情報の記録・再生速度を高めながら、情報の記録・再生精度をも向上させうる新たな技術が求められるところである。
【0011】
さらに、かかる情報記録読取ヘッドにおいては、ヘッド基板上に設けられた各プローブ又は各カンチレバーに接続するための信号線を、当該ヘッド基板上に形成する必要がある。しかし、プローブ又はカンチレバーの数が多いため、信号線の数も多くなり、信号線の配置設計・形成・パターンニング等が容易でなく、また、信号線の形成に要する基板スペースが増大し、その確保が難しい。さらには、信号線が長くなり、また、信号線同士が接近するので、ノイズがのりやすくなる。
【0012】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、複数のプローブ又はカンチレバー等の記録読取素子を配する構成であっても、歩留まりを良くすることができる情報記録読取ヘッドを提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の課題は、複数の記録読取素子を配する構成であっても、記録読取素子に接続する信号線の配置設計・形成等を容易又は効率よく行うことができる情報記録読取ヘッドを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の第3の課題は、複数の記録読取素子を有する情報記録読取ヘッドを用いて、情報の記録再生速度の向上と情報の記録再生精度の向上を調和よく実現することができる情報記録読取ヘッド、情報記録再生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
【0016】
【数6】
H=η・P
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0017】
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0018】
【数7】
L・sinα=P
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0019】
上記課題を解決するために請求項3に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
【0020】
【数8】
H=m・η・P(ただし、mは自然数)
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0021】
上記課題を解決するために請求項4に記載の発明は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0022】
【数9】
L・sinα=m・P(ただし、mは自然数)
なる関係が成立するように、前記支持部に配置されている。
【0023】
上記課題を解決するために請求項6に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている。
【0024】
上記課題を解決するために請求項7に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている。
【0025】
上記課題を解決するために請求項11に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも2個の記録読取素子は、それらの記録読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記情報記録媒体のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える信号印加手段と、前記信号印加手段によって前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段とを備えている。
【0026】
上記課題を解決するために請求項12に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの1個の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該残りの1個の記録読取素子に加える第2信号印加手段とを備えている。
【0027】
上記課題を解決するために請求項13に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第1情報読取手段と、前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記他のトラックに記録するために、前記情報の他の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、前記第2信号印加手段によって前記他のトラックに記録された前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第2情報読取手段とを備えている。
【0028】
上記課題を解決するために請求項14に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの2個の記録読取素子のうちのいずれいか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、前記第2信号印加手段により記録すべき前記情報の、前記1のトラック上における記録位置を、前記残りの2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して検出する記録位置検出手段とを備えている。
【0029】
上記課題を解決するために請求項17に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得した2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、前記信号加算手段により加算された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0030】
上記課題を解決するために請求項18に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得した2個の読取信号のうち、いずれか一方を選択する信号選択手段と、前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0031】
上記課題を解決するために請求項19に記載の発明は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のレベルが、いずれも所定レベルに達しているときには、これら2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルが高い方の読取信号を選択する信号選択手段と、前記信号加算手段により加算された読取信号、又は、前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段とを備えている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。図1において、太い斜線はそれぞれ情報記録媒体のトラックTr1ないしTr6を示しており、A、B、C、Dはそれぞれ記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。なお、図1、及び、以下、本発明の実施形態の説明で用いる図2ないし図13は、本発明の実施形態に係る構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置などはこれに限定されるものではない。
【0034】
本発明の第1実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第1の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドである。
【0035】
ここでいう情報には、例えば、音声データ、画像データ、映像データ、文書データ、コンピュータプログラムなど、主として符号化の可能なあらゆる情報が含まれる。また、情報記録媒体には、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、強誘電体記録媒体、近接場記録光媒体などが含まれる。
【0036】
第1の情報記録読取ヘッドは、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。
【0037】
支持部は、記録読取素子を固定できる部材であれば何でもよいが、記録読取素子を微細に形成し、多数の記録読取素子を微細な領域に高い集積度で配置する場合には、例えば、シリコン基板などを用いることが望ましい。
【0038】
記録読取素子は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る部材であれば、何でもよく、これには、例えば、半導体レーザ素子、磁気抵抗素子、記録媒体に熱を加える構成のプローブ、記録媒体に電界を印加する構成のプローブ等が含まれる。また、プローブの構成も限定されず、例えば、カーボンナノチューブを用いた棒状のプローブであっても、片持ち梁とその先端部に形成された突起とを備えたカンチレバーであってもよい。
【0039】
図1に示すように、支持部に設けられた複数の記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、
【0040】
【数10】
H=η・P (1)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0041】
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによって、これらの記録読取素子の記録読取端部(例えば、プローブの先端部)を、図1に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。すなわち、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部(A、B)を1のトラック(Tr4)上に位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部(C、D)を当該1のトラックに隣接している他のトラック(Tr3)上に位置させることができる。
【0042】
このことは、以下の計算によって裏付けることができる。すなわち、図1に示すように、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子を、それらの記録読取端部(A、B)が1のトラック(Tr4)上に重なるように配置し、残りの2個の記録読取素子を、それらの記録読取端部(C、D)が1のトラックに隣接する他のトラック(Tr3)上に重なるように配置する。そして、4個の記録読取端部の位置A、B、C、Dが、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形をなすように配置する。この場合、直線ACと直線CDとのなす角をαとし、直線ACの長さをLとすると、トラックピッチはPなので、
【0043】
【数11】
L・sinα=P (2)
なる関係が成立する。さらに、直線AB(=直線CD)の長さをKとし、直線ACを底辺とした場合の平行四辺形の高さHとすると、
【0044】
【数12】
K・sinα=H (3)
なる関係が成立する。そして、数式(2)と数式(3)より、αを消去し、直線ACの長さLに対する直線ABの長さKの比(K/L)をηとすると、上記数式(1)が成立する。
【0045】
このように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。すなわち、少なくとも2個の記録読取素子のうちの一方の記録読取端部を1のトラック上に位置させ、他方の記録読取端部を他のトラック上に位置させることによって、2個のトラックに同時に情報を記録することができ、又は2個のトラックに記録された情報を同時に読み取ることができる。これにより、単一のトラックのみに対して情報の記録・再生を行う場合と比較して、情報の記録・再生速度を高めることができる。一方、少なくとも2個の記録読取素子の双方の記録読取端部を同一のトラック上に位置させることにより、一方の記録読取素子で情報の記録を行い、同時に、この記録した情報を、他方の記録読取素子で直ちに読み取ることができる。そして、例えば、他方の記録読取素子で読み取った情報に基づいて、一方の記録読取素子による記録が正しく行われたか否かを確認し、記録が正しく行われていなかったときには、再度、同一の情報を記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。また、少なくとも2個の記録読取素子の双方の記録読取端部を同一のトラック上に位置させることにより、同一トラック上に記録された情報を2個の記録読取素子を介して同時に(連続的に)読み取ることができる。そして、2個の記録読取素子で読み取った2個の信号(例えば情報に対応するパルス信号)を、両者間の時間差を調整した上で加算する構成とし、又は、2個の記録読取素子で読み取った信号のうちレベルが高い方の信号を選択する構成とすれば、情報の再生精度を高めることができる。第1の情報記録読取ヘッドによれば、少なくとも2個の記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ1のトラックと他のトラックに位置し、かつ、少なくとも2個の記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ同一のトラック上に位置するので、情報の記録再生速度の向上と、情報の記録再生精度の向上とを同時に実現することができ、情報記録再生の性能を調和的に高めることができる。
【0046】
また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、これらの記録読取素子の一部に製造上の不良や、経時劣化による故障が生じても、他の記録読取素子を介して情報の記録・読取を十分に行うことができる。したがって、情報記録読取ヘッドの製造時において、情報読取素子の一部に不良があっても、他の正常な情報読取素子によって製品としての品質に問題がなければ、これを良品として取り扱うことができる。これにより、歩留まりを良くすることができる。また、経時劣化により記録読取素子の一部に故障が生じても、他の記録読取素子が正常であれば、結果的にみて、情報の記録再生動作に支障がない。したがって、情報記録読取ヘッドの耐久性を高め、寿命を延ばすことができる。
【0047】
なお、図1は、説明の便宜上、4個の記録読取素子の記録読取端部の位置を示しているが、第1の情報記録読取ヘッドの支持部に配する記録読取素子の総数は4個に限られない。例えば、9個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、3個のトラック上に3個ずつ位置するように配置してもよい。また、16個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、4個のトラック上に4個ずつ位置するように配置してもよい。また、16個の情報読取素子を設け、それらの記録読取端部が、8個のトラック上に2個ずつ位置するように配置してもよいし、2個のトラック上に4個ずつ位置するように配置してもよい。さらには、32×32個の記録読取素子を設けてもよいし、128×128個の記録読取素子を設けてもよい。もっとも、このように多数の記録読取素子を設けた場合、すべての記録読取素子の記録読取端部が、常に、それぞれ1又は複数のトラック上に位置する構成でなくてもよい。例えば、16個中の12個の記録読取素子の記録読取端部が複数のトラック上に位置し、残り4個の記録読取素子がトラック間やトラック外に位置する場合であってもよい。
【0048】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図1を参照して説明する。本発明の第2実施形態に係る情報記録再生ヘッド(以下、これを「第2の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さをLとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0049】
【数13】
L・sinα=P (4)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0050】
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによっても、これらの記録読取素子の記録読取端部を、図1に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。したがって、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0051】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図2を参照して説明する。図2は本発明の第3実施形態及び第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0052】
本発明の第3実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第3の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとすると、
【0053】
【数14】
H=m・η・P(ただし、mは自然数) (5)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている
少なくとも4個の記録読取素子にこのような配置関係を持たせることによって、これらの記録読取素子の記録読取端部(例えば、プローブの先端部)を、図2に示すように、情報記録媒体のトラック上に位置させることが可能となる。すなわち、4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部(A、B)を1のトラック(Tr5)上に位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部(C、D)を他のトラック(Tr2)上に位置させることができる。なお、図2は、mを3とした場合の例であるが、mに任意の自然数を設定することにより、互いに異なるトラック上に位置する2個の記録読取素子の記録読取端部の離間距離を任意に設定することができる。
【0054】
このような構成を有する第3の情報記録読取ヘッドによっても、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1又は第2の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。さらに、第3の情報記録読取ヘッドによれば、mに任意の自然数を設定することにより、互いに異なるトラック上に位置する、2個の記録読取素子の記録読取端部の離間距離を任意に設定することができるので、記録読取ヘッドの設計・製造上の都合や、記録・再生方式の都合に適合するように、記録読取素子の配置を自由に設定することができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1又は第2の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0055】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図2を参照して説明する。本発明の第4実施形態に係る情報記録再生ヘッド(以下、これを「第4の情報記録読取ヘッド」という。)は、トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さをLとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0056】
【数15】
L・sinα=m・P(ただし、mは自然数) (6)
なる関係が成立するように、支持部に配置されている。
【0057】
このような構成を有する第4の情報記録読取ヘッドによっても、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができると共に、上述した第1ないし第3の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。さらに、第4の情報記録読取ヘッドによれば、記録読取ヘッドの設計・製造上の都合や、記録・再生方式の都合に適合するように、記録読取素子の配置を自由に設定することができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1ないし第3の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0058】
(情報記録読取ヘッドの変形態様)
さらに、上述した第1ないし第4のいずれかの情報記録読取ヘッドにおいて、少なくとも4個の記録読取素子を、直線ACの長さをLとし、直線CDの長さをKとすると、
【0059】
【数16】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)≠1(nは自然数) (7)
なる関係が成立するように、支持部に配置する構成としてもよい。
【0060】
このような構成とすれば、情報記録読取ヘッドの支持部に設けられた複数の記録読取素子の配列に、正方形の格子が形成されるのを防止することができる。
【0061】
以下、上記数式(7)が成立することにより、記録読取素子の配列に、正方形の格子が形成されるのを防止できる理由を図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、支持部に6個の記録読取素子を配した情報記録読取ヘッドであって、記録読取素子として棒状のプローブ(例えばカーボンナノチューブなどにより形成されたもの)を用いた場合の例を示している。図3及び図4は、各プローブを上側から見た場合の図であり、図3及び図4中のA、B、C、D、V、Wは、それぞれ、6個のプローブの先端部(記録読取端部)の位置に対応する。さらに、図3及び図4は、例えば、情報記録読取ヘッドの支持部上に形成されたプローブ電極1aないし1f、及びこれらプローブ電極1aないし1fにそれぞれ接続された信号線2aないし2fをそれぞれ破線で示している。プローブは、プローブ電極1aないし1fにそれぞれ固定され、かつ電気的に接続されている。
【0062】
そして、図3は、6個のプローブの配置において、上記数式(7)が成立しない場合の具体例を示している。すなわち、図3に示す6個のプローブのうち、4個のプローブの先端部の位置A、B、C、Dに着目すると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成されている。そして、直線ACの長さをLとし、直線CDの長さをKとし、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0063】
【数17】
L・cosα=nK(ただし、nは自然数) (8)
なる関係が成立する(なお、図3はn=1の場合の例を示している。)。さらに、直線ACを底辺とした場合の平行四辺形の高さをHとすると、
【0064】
【数18】
K・sinα=H (9)
なる関係が成立する。上記数式(8)及び数式(9)を用いて、αを消去すると、
【0065】
【数19】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)=1(nは自然数)(10)
が成立する(なお、図3の例ではn=1である。)。プローブ先端部の位置に上記数式(10)が成立すると、プローブの配列中に、正方形の格子が形成される。例えば、図3において、プローブ先端部の位置A、B、D、V、及び、位置A、C、D、Wは、正方形の格子を形成している。プローブの配列中に正方形の格子が形成されると、図3中の信号線2aないし2cを見ればわかるように、プローブ電極への信号線の接続・配置又は信号線のスペース確保が困難となり、また、信号線が長くなってしまうなどの不都合が生じる。
【0066】
一方、図4は、6個のプローブの配置において、上記数式(7)が成立する場合を示している。すなわち、図4に示す6個のプローブは、そのうちの4個のプローブの先端部の位置A、B、C、Dに着目すると、これらの位置により平行四辺形が形成されているが、上記数式(8)は成立せず、上記数式(10)も成立せず、その結果として、上記数式(7)が成立する。上記数式(7)が成立するようにプローブ先端部の位置を決めることにより、プローブの配列中に正方形の格子が形成されにくくなる。これにより、図4中の信号線2aないし2fを見ればわかるように、プローブ電極への信号線の接続・配置及び信号線のスペースを狭くでき、かつ、信号線を短くすることができる。さらに、信号線を短くすることができれば、信号線にのるノイズを軽減することができる。
【0067】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について図5を参照して説明する。図5は本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0068】
本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第5の情報記録読取ヘッド」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部に配置されている。
【0069】
すなわち、図5に示すように、少なくとも3個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置E、Fが1のトラック(Tr4)上に位置するように配置されている。さらに、残りの1個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置Gが他のトラック(Tr3)上に位置するように配置されている。
【0070】
このように、少なくとも3個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの1個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドとほぼ同様に、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数は3個に限られない。
【0071】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について図6を参照して説明する。図6は本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示している。
【0072】
本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッド(以下、これを「第6の情報記録読取ヘッド」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又はこのような情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、支持部と、この支持部に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部に配置されている。
【0073】
すなわち、図6に示すように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置R、Sが1のトラック(Tr4)上に位置するように配置されている。さらに、残りの2個の記録読取素子は、その記録読取端部の位置T、Uが他のトラック(Tr3)上に位置するように配置されている。なお、これら4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取端部の位置が平行四辺形を形成するように配置されていなくてもよい。
【0074】
このように、少なくとも4個の記録読取素子のうち、2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラックに位置させ、残りの2個の記録読取素子の記録読取端部を他のトラックに位置させることにより、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドと同様に、情報の記録・再生速度の向上と情報の記録・再生精度の向上とを調和よく実現することができる。また、同一のトラックについて複数の記録読取素子が割り当てられるので、上述した第1ないし第5の情報記録読取ヘッドの場合と同様に、歩留まりを良くすることができ、情報記録読取ヘッドの耐久性を高めることができる。なお、支持部に配する記録読取素子の総数が4個に限られないことは、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドの場合と同様である。
【0075】
また、かかる第6の情報記録読取ヘッドにおいて、1のトラック上に位置決めした2個の記録読取素子の記録読取端部の位置R及びSを結んだ直線RSと他のトラックに位置決めした2個の記録読取素子をT及びUを結んだ直線TUとが平行で、R及びTを結んだ直線RTとS及びUを結んだ直線SUとが平行の平行四辺形が形成されるように、前記少なくとも4個の記録読取素子を支持部に配置する構成としてもよい。
【0076】
また、図5又は図6に示す第5又は第6の情報記録読取ヘッドにおいては、記録読取素子の記録読取端部がそれぞれ位置する1のトラックと他のトラックは互いに隣接している。しかし、本発明はこれに限らず、1のトラックと他のトラックとが、1又は複数のトラックを挟んで互いに離れた位置に配置されたトラックであってもよい。
【0077】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について図7を参照して説明する。図7は本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0078】
本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第1の情報記録再生装置」という。)は、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置である。なお、記録・再生すべき情報及び情報記録媒体の実施形態は、第1実施形態と同様である。
【0079】
図7に示すように、第1の情報記録再生装置は、情報記録読取ヘッド11を備えており、情報記録読取ヘッド11は、支持部12と、支持部12に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも2個の記録読取素子13、14は、それらの記録読取端部が1のトラック(Tr4)上に位置するように支持部12に配置されている。なお、図7は、記録読取素子13、14として、カーボンナノチューブ等により形成された棒状のプローブを用いた例を示しているが、個々の記録読取素子の形状・構造や、支持部の材料等については、第1実施形態と同様に、特に限定されるものではない。このことは、後述の第2ないし第4の情報再生装置(図8ないし図10)についても同様である。
【0080】
さらに、第1の情報記録再生装置は、情報を2個の記録読取素子13、14のうちいずれか一方の記録読取素子を介して情報記録媒体のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える信号印加手段15と、信号印加手段15によって情報記録媒体のトラックに記録された情報を2個の記録読取素子13、14のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段16とを備えている。
【0081】
例えば、図7に示すように、記録読取素子13は信号印加手段15に接続されており、信号印加手段15は、情報に対応した信号を記録読取素子13に加え、当該情報を情報記録媒体のトラックに記録する。また、記録読取素子14は情報読取手段16に接続されており、情報読取手段16は、記録読取素子13によって情報記録媒体のトラックに記録された情報を、記録読取素子14を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、例えば、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド11に対して図7中の矢示方向に移動する場合に実現できる。もちろん、情報記録ヘッド11が情報記録媒体に対して図7中の矢示方向と逆の方向に移動する場合でも実現可能である。
【0082】
記録読取素子14を介して情報読取手段16によって読み取られた情報は、例えば、記録読取素子13を介して信号印加手段15によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。そして、もし情報が正しく記録されていないときには、再度、同一の情報を情報記録媒体に記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。一方、記録読取素子14を介して情報読取手段16によって読み取られた情報をそのまま再生する構成としてもよい。このような構成とすれば、情報の記録と再生を同時に行うことができる。
【0083】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態について図8を参照して説明する。図8は本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0084】
本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第2の情報記録再生装置」という。)は、図8に示すように、情報記録読取ヘッド21を備えており、情報記録読取ヘッド21は、支持部22と、支持部22に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子23、24、25は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子23、24の記録読取端部を1のトラック(Tr4)上に位置決めしたときに、3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子25の記録読取端部が他のトラック(Tr3)上に位置するように支持部に配置されている。
【0085】
さらに、第2の情報記録再生装置は、1のトラック上に位置する2個の記録読取素子23、24のうちいずれか一方の記録読取素子を介して情報を1のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段26と、第1信号印加手段26によって1のトラックに記録された情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子23、24のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段27と、情報読取手段27により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段28と、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われていないときには、残りの1個の記録読取素子25を介して情報を1のトラックに再び記録するために、情報に対応した信号を当該残りの1個の記録読取素子25に加える第2信号印加手段29とを備えている。
【0086】
例えば、図8に示すように、記録読取素子23は第1信号印加手段26に接続されており、第1信号印加手段26は、情報に対応した信号を記録読取素子23に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラックに記録する。また、記録読取素子24は情報読取手段27に接続されており、情報読取手段27は、記録読取素子23によって情報記録媒体の1のトラックに記録された情報を、記録読取素子24を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、例えば、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド21に対して図8中の矢示X方向に移動する場合に実現できる。もちろん、情報記録ヘッド21が情報記録媒体に対して図8中の矢示Xと逆の方向に移動する場合でも実現可能である。判定手段28は、情報読取手段27により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する。そして、第1信号印加手段26による情報の記録が正しく行われていないときには、第2信号印加手段29は、正しく記録されなかった情報に対応する信号を記録読取素子25に印加する。この記録読取素子25への信号の印加は、情報記録読取ヘッド21が情報記録媒体上を図8中の矢示Y方向に移動し、記録読取素子25が1のトラック(Tr4)上に位置したときに行う。もちろん、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド21に対して図8中の矢示Yと逆の方向に移動し、記録読取素子25が1のトラック(Tr4)上に位置したときに印加する構成としてもよい。これにより、情報の記録精度を高めることができる。また、トラックジャンプをせずに情報の再記録を行うことができるので、情報の記録速度を高めることができる。
【0087】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態について図9を参照して説明する。図9は本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0088】
本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第3の情報記録再生装置」という。)は、図9に示すように、情報記録読取ヘッド31を備えており、情報記録読取ヘッド31は、支持部32と、支持部32に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子33ないし36は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子33、34の記録読取端部を1のトラック(Tr4)上に位置決めしたときに、4個の記録読取素子33ないし36のうちの残りの2個の記録読取素子35、36の記録読取端部が他のトラック(Tr3)上に位置するように、支持部32に配置されている。
【0089】
さらに、第3の情報記録再生装置は、情報の一部を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子33、34のうちいずれか一方の記録読取素子を介して1のトラックに記録するために、情報の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段37と、第1信号印加手段37によって1のトラックに記録された情報の一部を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子33、34のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第1情報読取手段38と、情報の他の一部を他のトラック上に位置する2個の記録読取素子35、36のうちいずれか一方の記録読取素子を介して他のトラックに記録するために、情報の他の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段39と、第2信号印加手段39によって他のトラックに記録された情報の他の一部を他のトラック上に位置する2個の記録読取素子35、36のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第2情報読取手段40とを備えている。
【0090】
例えば、図9に示すように、記録読取素子33は第1信号印加手段37に接続されており、第1信号印加手段37は、情報に対応した信号を記録読取素子33に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラック(Tr4)に記録する。また、記録読取素子34は情報読取手段38に接続されており、情報読取手段38は、記録読取素子33によって1のトラックに記録された情報を記録読取素子34を介して直ちに読み取る。一方、記録読取素子35は第2信号印加手段39に接続されており、第2信号印加手段39は、情報に対応した信号を記録読取素子35に加え、当該情報を情報記録媒体の他のトラック(Tr3)に記録する。また、記録読取素子36は情報読取手段40に接続されており、情報読取手段40は、記録読取素子35によって他のトラックに記録された情報を記録読取素子36を介して直ちに読み取る。そして、第1信号印加手段37及び第1信号読取手段38による記録・読取動作と、第2情報印加手段39及び第2情報読取手段40による記録・読取動作は、同時に行われる。このとき、情報記録媒体は、情報記録読取ヘッド31に対して図9中の矢示方向に移動している。もちろん、情報記録読取ヘッド31が情報記録媒体に対して図9中の矢示と逆方向に移動する構成としてもよい。
【0091】
そして、例えば、第1情報読取手段38によって読み取られた情報は、第1信号印加手段37によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。また、第2情報読取手段40によって読み取られた情報は、第2信号印加手段39によって記録された情報が正しく記録されているか否かを確認するために用いることができる。そして、もし、いずれか又は双方の情報が正しく記録されていないときには、再度、同一の情報を情報記録媒体に記録する構成とすれば、情報の記録精度を高めることができる。
【0092】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態について図10を参照して説明する。図10は本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示している。
【0093】
本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置(以下、これを「第4の情報記録再生装置」という。)は、図10に示すように、情報記録読取ヘッド51を備えており、情報記録読取ヘッド51は、支持部52と、支持部52に支持され、情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備えている。そして、これら記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子53ないし56は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子53、54の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子55、56の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、支持部52に配置されている。
【0094】
さらに、第4の情報記録再生装置は、情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子53、54のうちいずれか一方の記録読取素子を介して1のトラックに記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段57と、第1信号印加手段57によって1のトラックに記録された情報を1のトラック上に位置する2個の記録読取素子53、54のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段58と、情報読取手段58により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段59と、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われていないときには、情報を残りの2個の記録読取素子55、56のうちのいずれいか一方の記録読取素子を介して1のトラックに再び記録するために、情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段60と、第2信号印加手段60により記録すべき情報の、1のトラック上における記録位置を、2個の記録読取素子55、56のうちの他方の記録読取素子を介して検出する記録位置検出手段61とを備えている。
【0095】
例えば、図10に示すように、記録読取素子53は第1信号印加手段57に接続されており、第1信号印加手段57は、情報に対応した信号を記録読取素子53に加え、当該情報を情報記録媒体の1のトラックに記録する。また、記録読取素子54は情報読取手段58に接続されており、情報読取手段58は、記録読取素子53によって情報記録媒体の1のトラックに記録された情報を、記録読取素子54を介して直ちに読み取る。これら一連の記録・読取動作は、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド51に対して図10中の矢示X方向に移動している場合に実現できる。もちろん、情報記録読取ヘッド51が情報記録媒体に対して図10中の矢示Xと逆方向に移動する場合でも同様に実現可能である。判定手段59は、情報読取手段58により読み取られた情報に基づいて、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われたか否かを判定する。そして、第1信号印加手段57による情報の記録が正しく行われていないときには、第2信号印加手段60は、正しく記録されなかった情報に対応する信号を記録読取素子55に印加する。ここで、情報記録読取ヘッド51は、情報記録媒体に対して図10中の矢示Y方向に移動する。記録読取素子55への信号の印加は、記録読取素子55が1のトラック(Tr4)上に位置したときに行う。もちろん、情報記録媒体が情報記録読取ヘッド51に対して図10中の矢示Yと逆の方向に移動し、記録読取素子55が1のトラック(Tr4)上に位置したときに印加する構成としてもよい。このとき、記録位置検出手段61は、記録読取素子56を介して、情報を再記録すべき位置を検出する。第2信号印加手段60は、この記録位置検出手段61の検出結果に基づいて情報を再記録すべき位置を認識し、情報の再記録を行う。これにより、情報の記録精度を高めることができる。また、トラックジャンプをせずに情報の再記録を行うことができるので、情報の記録速度を高めることができる。
【0096】
なお、第3又は第4の情報記録再生装置の情報記録読取ヘッドとして、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッド(上記変形例を含む)を適用してもよい。
【0097】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態について図11を参照して説明する。図11は本発明の第11実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0098】
本発明の第11実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第1の情報再生装置」という。)は、情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置である。なお、記録・再生すべき情報及び情報記録媒体の実施形態は、第1実施形態と同様である。
【0099】
図11に示すように、第1の情報再生装置は、情報記録読取ヘッド71を備えており、情報読取ヘッド71は、支持部72と、支持部72に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子73、74は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部72に配置されている。なお、図11は、読取素子73及び74として、カーボンナノチューブ等により形成された棒状のプローブを用いた例を示しているが、個々の読取素子の形状・構造や、支持部の材料等については、第1実施形態と同様に、特に限定されるものではない。このことは、後述の第2及び第3の情報再生装置(図12、図13)についても同様である。
【0100】
さらに、第1の情報再生装置は、2個の読取素子73、74により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段75と、信号読取手段75により取得した2個の読取信号を、2個の読取素子73、74の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段76と、信号加算手段76により加算された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段77とを備えている。
【0101】
信号読取手段75は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子73、74を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。読取素子73、74は、それぞれ同一トラック上に位置するので、読取素子73、74により、当該トラック上に記録された同一の情報を読み取ることができる。読取素子73、74によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号加算手段76に供給される。信号加算手段76は、これら2個の読取信号を相互に加算する。これにより、読取信号のレベル(振幅)が2倍になるので、例えば、読取信号のレベルが何らかのトラブルで小さい場合でも、適切な大きさのレベルを確保できる。ただ、読取素子73、74は同一トラック上において異なる位置にあるので、読取素子73で読み取った読取信号と読取素子74で読み取った読取信号との間には、時間差が生じる。そこで、信号加算手段76は、2個の読取信号を加算する前に、当該時間差をなくすように、いずれか一方又は双方の読取信号を補正する。そして、再生手段77は、信号加算手段76により加算された読取信号に基づいて情報を再生する。このように情報の読取を2重又は多重に行い、それによって得られた2以上の読取信号を相互に加算して、読取信号のレベルを増大させ、その読取信号に基づいて情報を再生する構成としたから、情報の再生精度を高めることができる。
【0102】
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態について図12を参照して説明する。図12は本発明の第12実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0103】
本発明の第12実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第2の情報再生装置」という。)は、図12に示すように、情報記録読取ヘッド81を備えており、情報読取ヘッド81は、支持部82と、支持部82に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子83、84は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部82に配置されている。
【0104】
さらに、第2の情報再生装置は、2個の読取素子83、84により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段85と、信号読取手段85により取得した2個の読取信号のうち、いずれか一方を選択する信号選択手段86と、信号選択手段86により選択された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段87とを備えている。
【0105】
信号読取手段85は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子83、84を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。信号読取手段85によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号選択手段86に供給される。信号選択手段86は、これら2個の読取信号のうち、情報再生の基礎とするのに適切な読取信号を選択する。再生手段87は、信号選択手段86により選択された読取信号に基づいて情報を再生する。例えば、信号選択手段86において、2個の読取信号のうち、レベル(振幅)が高い方の読取信号を選択する構成や、ノイズ成分の少ない読取信号を選択する構成などを採用すれば、2個の読取素子のうちの一方の読取素子による読取動作にトラブルが生じても、他方の読取素子により得られた読取信号に基づいて情報の再生を正しく行うことができる。これにより、情報の再生精度を高めることができる。
【0106】
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態について図13を参照して説明する。図13は本発明の第13実施形態に係る情報再生装置の構成を示している。
【0107】
本発明の第13実施形態に係る情報再生装置(以下、これを「第3の情報再生装置」という。)は、図13に示すように、情報記録読取ヘッド91を備えており、情報読取ヘッド91は、支持部92と、支持部92に支持され、情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る2個以上の読取素子とを備えている。そして、これら読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子93、94は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように支持部92に配置されている。
【0108】
さらに、第3の情報再生装置は、2個の読取素子93、94により、情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段95と、信号読取手段95により取得された2個の読取信号のレベルがいずれも所定レベルに達しているときには、これら2個の読取信号を、2個の読取素子93、94の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段96と、信号読取手段95により取得された2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルの高い方の読取信号を選択する信号選択手段97と、信号加算手段96により加算された読取信号、又は、信号選択手段97により選択された読取信号に基づいて情報を再生する再生手段98とを備えている。
【0109】
信号読取手段95は、同一のトラック上に位置するように配置された少なくとも2個の読取素子93、94を介して、当該トラック上に記録された情報を同時に読み取る。信号読取手段95によって読み取られた情報は、それぞれ読取信号として信号加算手段96に供給されると同時に、これらの読取信号は信号選択手段97にも供給される。
【0110】
信号加算手段96は、2個の読取信号のレベルがいずれも所定レベルに達しているときには、両読取信号の時間差を補正した上で、両読取信号を加算する。これにより、読取信号のレベルを増加させることができる。一方、信号選択手段97は、2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルの高い方の読取信号を選択する。これにより、2個の読取信号のうち、一方又は双方の読取信号のレベルが低くても、できる限り、レベルの高い読取信号を選択し、それを情報再生の基礎として用いることができる。
【0111】
そして、再生手段98は、信号加算手段96により加算された読取信号、又は、信号選択手段97により選択された読取信号に基づいて情報を再生する。
【0112】
このような構成を有する第3の情報再生装置によっても、情報の再生精度を高めることができる。
【0113】
なお、第1ないし第2の情報再生装置に、上述した第1ないし第4の情報記録読取ヘッドを適用してもよい。この場合、第1ないし第4の情報記録読取ヘッドは、少なくとも4個の記録読取素子を有するので、これらを2組に分け、上述した信号読取手段、信号加算手段、信号選択手段、再生手段等を2組設ける構成とすれば、情報の再生精度の向上と同時に、情報の再生速度の向上を図ることができる。
【0114】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例は、本発明の情報記録読取ヘッド及び情報記録再生装置を、SNDMを適用した情報記録再生装置に適用した例である。
【0115】
まず、本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成について説明する。
【0116】
図14は、本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成を示している。図14に示すように、本発明の実施例に係る情報記録再生装置100は、情報記録媒体101のトラックに情報を記録し、又は情報記録媒体101のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であり、記録・再生の方式として、SNDMを採用している。
【0117】
情報記録媒体101は、強誘電体材料からなる強誘電体膜101aと、背面電極101bを備えており、全体としてディスク状に形成されている。強誘電体膜101aの表面は記録面101cとなっており、記録面101c上には、同心円状又は螺旋状のトラックが形成されている。また、背面電極101bは、接地されている。
【0118】
情報記録再生装置100は、情報記録読取ヘッド110、記録処理回路140、交流信号発生器112aないし112d、スイッチ113aないし113d、第1インダクタ114aないし114b、コンデンサ115aないし115d、第2インダクタ116、発振器117、FM復調器118、信号検出器119aないし119d、及び、再生処理回路150を備えている。情報記録読取ヘッド110が4個のプローブ131aないし131dを有するので、交流信号発生器112aないし112d、スイッチ113aないし113d、第1インダクタ114aないし114b、コンデンサ115aないし115d、及び信号検出器119aないし119dは、それぞれ4個ずつ設けられている。なお、これらのインダクタ及びコンデンサは、特に部品を使用せず、プローブヘッド(情報記録読取ヘッド)の自己インダクタンスあるいは容量をもって構成してもよい。
【0119】
次に、情報記録再生装置100における情報記録の原理を説明する。なお、説明の便宜上、情報記録読取ヘッド110の4個のプローブ131aないし131dのうち、プローブ131aを介して情報を記録する場合を例に挙げる。
【0120】
まず、記録処理回路140は、記録すべき情報に対応する記録信号(パルス信号)を生成する。情報を情報記録媒体101に記録するときには、スイッチ113aが記録処理回路140と第1インダクタ114aとを接続するように切り替えられる。これにより、記録処理回路140から出力された記録信号は、スイッチ113a及び第1インダクタ114aを通って、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに供給され、情報記録媒体101の強誘電体膜101aに印加される。これにより、プローブ131aの先端部と対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態が、記録信号に応じて設定される。このように記録信号の印加が行われるとき、情報記録媒体101は、図示しないスピンドルモータ等の駆動により回転しており、かつ、情報記録読取ヘッド110は、図示しないサーボ制御装置の制御の下で、情報記録媒体101の半径方向に移動する。これにより、情報が強誘電体膜101aの分極状態として情報記録媒体101に記録される。
【0121】
次に、情報記録再生装置100における情報再生の原理を説明する。なお、説明の便宜上、情報記録読取ヘッド110の4個のプローブ131aないし131dのうち、プローブ131aを介して情報を記録する場合を例に挙げる。
【0122】
情報を再生するときには、スイッチ113aが、交流信号発生器112aと第1インダクタ114aとを接続するように切り替えられる。これにより、交流信号発生器112aによって生成された交流信号が、スイッチ113a及び第1インダクタ114aを通って、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに供給され、情報記録媒体101の強誘電体膜101aに印加される。これにより、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの静電容量Cが、交流信号の印加によって形成される交番電界及び強誘電体膜101aの誘電率によって変化する。この静電容量変化の中には、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態に応じて符号が反転する非線形誘電率成分が含まれている。
【0123】
発振器117は、第2インダクタ116のインダクタンスLと、強誘電体膜101aの静電容量Cから構成されるLC共振回路の共振周波数により発振する。したがって、発振器117から出力される発振信号の周波数は、静電容量Cの変化に応じて変調される。この発振信号は、FM復調器118により復調され、信号検出器119aに供給される。
【0124】
信号検出器119aは、例えばロックインアンプ回路によって構成されている。信号検出器119aによって、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態に応じて符号が反転する非線形誘電率成分が検出される。信号検出器119aには、交流信号発生器112aから出力される交流信号が供給されており、非線形誘電率成分の検出の際には、この交流信号が参照信号として用いられる。このようにして検出された非線形誘電率成分が、プローブ131aの先端部に対向する部位の強誘電体膜101aの分極状態、すなわち、当該部位の強誘電体膜101aに記録された情報に対応する。以上のような再生動作が、情報記録媒体101の回転と情報記録読取ヘッド110の移動と共に行われることにより、情報記録媒体101に記録された情報が再生される。
【0125】
次に、情報記録読取ヘッド110の構成について説明する。図15は情報記録読取ヘッド110に配されたプローブ131aないし131dの先端部の位置を示している(具体的には、プローブ131aないし131dを支持基板132を透かして上から見た状態を示している)。図15において、太い斜線はそれぞれ情報記録媒体101のトラックTr1〜Tr6を示している。
【0126】
情報記録読取ヘッド110は、支持基板132、及び、4個のプローブ131aないし131dを備えている。支持基板132はシリコン材料から形成されている。各プローブ131aないし131dは、カーボンナノチューブにより形成されており、その半径は、数ナノメートルないし数十ナノメートルである。プローブ131aないし131dは、その基端側が支持基板132に支持されており、先端側が情報記録媒体101に向けて伸びている。情報の記録・再生時において、各プローブ131aないし131dの先端部は、情報記録媒体101の記録面101cに対し、数ナノメートル離れた位置に配置される。
【0127】
プローブ131aないし131dは、それぞれの先端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さLに対する直線ABの長さKの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとし、トラックピッチをPとすると、
【0128】
【数20】
H=η・P (11)
なる関係が成立するように、支持基板132に配置されている。また、直線ACと直線CDとのなす角ACDをαとすると、
【0129】
【数21】
L・sinα=P (12)
なる関係が成立する。
【0130】
情報記録読取ヘッド110は、2個のプローブ131a及び131bが1のトラック上に位置し、残りの2個のプローブ131c及び131dが、当該1のトラックに隣接する他のトラック上に位置するように、情報記録媒体101に対して位置決めされている。換言すれば、情報記録読取ヘッド110は、図15中の平行四辺形の底辺ACとトラックとが角度αで交わるように、位置決めされている。
【0131】
次に、記録処理回路140の内部構成及び動作について説明する。図16は記録処理回路140の内部構成を示している。図16に示すように、記録処理回路140は、第1記録信号発生器141、第1読取信号復調器142、信号比較器143、第2読取信号復調器144、第2記録信号発生器145を備えている。
【0132】
第1記録信号発生器141は、スイッチ113a、第1インダクタ114aを介して、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aに通じる経路に接続されている(図14参照)。第1記録信号発生器141は、外部から、情報記録媒体101に記録すべき情報(以下、これを「記録情報」という。)を受け取り、この情報に対応する記録信号Ws1を生成し、これをプローブ131aに向けて出力する。また、第1記録信号発生器141は、信号比較部143にもそれぞれ接続されており、記録情報をこれら信号比較部143に供給する。
【0133】
第1読取信号復調器142は、信号検出器119bの出力側に接続されている。信号検出器119bは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131bの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs2として出力する。第1読取信号復調器142は、この読取信号Rs2を受け取り、これを復調し、復調された読取信号Rs2を再生情報として信号比較部143に供給する。
【0134】
信号比較部143は、第1記録信号発生器141から供給された記録情報と、第1読取信号復調器142から供給された再生情報とを比較し、両者が一致するか否かを調べる。記録情報と再生情報とが一致しないときには、当該記録情報が情報記録媒体101の記録面101cに正しく記録されていないことが予測される。そこで、記録情報と再生情報とが一致しないとき、信号比較部143は、当該記録情報が誤って又は不完全に記録されている記録面101c上の位置(又は当該記録情報を記録すべきであった記録面101c上の位置)を示す位置情報を第2読取信号復調器144に供給する。また、このとき、記録情報のうち、正しく記録されなかった部分を指し示すアドレス情報が、図示しないマイクロコンピュータ等によって記憶保持される。
【0135】
第2読取信号復調器144は、信号検出器119cの出力側に接続されている。信号検出器119cは、プローブ131cの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs3として出力する。第2読取信号復調器144は、この読取信号Rs3を受け取り、これを復調し、復調された読取信号Rs3に基づいて、記録面101c上におけるプローブ131cの先端部の現在位置を認識する。さらに、第2読取信号復調器144は、信号比較器143から出力された位置情報を受け取り、この位置情報の指し示す位置に対応する記録面101c上の部位を探る。すなわち、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aとプローブ131cは、互いに隣接した2個のトラック上にそれぞれ位置しており(図15参照)、また、情報記録媒体101が1回転することにより、情報記録読取ヘッド110が情報記録媒体101の半径方向にトラックピッチPだけ移動する。したがって、記録面101c上において、プローブ131aの先端部が対向していた部位は、情報記録媒体101がほぼ1回転することにより、プローブ131cの先端部が対向する位置に移動する。したがって、プローブ131aにより記録情報が誤って又は不完全な状態で記録面101c上に記録されてから、情報記録媒体101がほぼ1回転すると、その誤った又は不完全な記録情報が記録された記録面101c上の部位が、プローブ131cの先端部の対向する位置にくることになる。第2読取信号復調器144は、位置情報が指し示す位置に対応する記録面101c上の部位を探るべく、記録面101c上におけるプローブ131cの先端部の現在位置と、位置情報の指し示す位置とが一致するか否かを判定する。そして、両者が一致したときには、第2読取信号復調器144は、再記録命令信号を第2記録信号発生器145に出力する。
【0136】
第2記録信号発生器145は、スイッチ113d、第1インダクタ114dを介して、情報記録読取ヘッド110のプローブ131dに通じる経路に接続されている(図14参照)。第2記録信号発生器145は、第2読取信号復調器144から出力された再記録命令信号に従って、マイクロコンピュータに記憶保持されたアドレス情報の指し示す記録情報を外部から取得し、当該記録情報に対応する記録信号Ws2を生成し、これを位置情報の指し示す位置に対応する記録面101c上の部位に、プローブ131dを介して記録する。なお、位置情報の指し示す位置に対応する記録面101cの部位は、プローブ131cとプローブ131dとの間隔が予めわかっているので、情報記録媒体101の記録面101c上に予め記録されたクロック情報等を取得し、そのクロック情報に基づくクロックをカウントすることにより、特定することができる。また、再記録する記録情報の単位は、所定長さの情報からなるブロック単位でもよいし、情報のビット、バイト又はワード単位でもよい。
【0137】
このように、情報記録読取ヘッド110のプローブ131a及びプローブ131bを1のトラック上に位置させ、かつプローブ131c及びプローブ131dを当該1のトラックと隣接する他のトラック上に位置させ、プローブ131aによって記録情報を記録し、このプローブ131aによって記録された記録情報をプローブ131bによって直ちに読み取り、この読み取った情報に基づいて、プローブ131aによる記録の不良を検出し、プローブ131dによって記録情報を再記録する構成としたから、記録情報の記録精度を高めることができる。また、かかる構成によれば、トラックジャンプをせずに、記録情報の不良検出及び再記録を実行することができるので、記録情報の記録速度を高めることができる。
【0138】
次に、再生処理回路150の内部構成及び動作について説明する。図17は再生処理回路150の内部構成を示している。図17に示すように、再生処理回路150は、増幅器151ないし154、第1信号処理部155、第2信号処理部156、及び、並列再生処理部157を備えている。
【0139】
第1信号処理部155は、2個の入力端子を有しており、そのうちの一方の入力端子は、増幅器151を介して信号検出器119aの出力側に接続されている。信号検出器119aは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131aの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs1として出力する。第1信号処理部155は、この読取信号Rs1を受け取る。また、第1信号処理部155の他方の入力端子は、増幅器152を介して信号検出器119bの出力側に接続されている。信号検出器119bは、情報記録読取ヘッド110のプローブ131bの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs2として出力する。第1信号処理部155は、この読取信号Rs2を受け取る。さらに、第1信号処理部155は、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルを、所定の基準レベルと比較する。そして、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルが双方とも基準レベルに達しているときには、両信号の時間差を調整した上で、これらを互いに加算する。プローブ131aとプローブ131bはいずれも同一のトラック上に位置しているので、プローブ131a及び131bにより取得される読取信号Rs1、Rs2は、プローブ131aと131bとの間の距離に対応する時間差はあるものの、その内容は同一である。したがって、両信号の時間差を調整した上で、両者を互いに加算することにより、個々の読取信号Rs1、Rs2の振幅と比較しておよそ2倍の振幅を有する信号(以下、これを「読取加算信号」という。)が得られる。
【0140】
一方、第1信号処理部155が、読取信号Rs1、Rs2のそれぞれのレベルを基準レベルと比較した結果、読取信号Rs1、Rs2のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが基準レベルに達していないときには、第1信号処理部155は、両信号のうち、レベルの高い方を選択する(以下、このようにして選択された信号を「読取選択信号」という。)。そして、第1信号処理部155は、読取加算信号又は読取選択信号を並列再生処理部157に供給する。
【0141】
第2信号処理部156は、2個の入力端子を有しており、そのうちの一方の入力端子は、増幅器153を介して信号検出器119cの出力側に接続されている。信号検出器119cは、プローブ131cの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs3として出力する。第2信号処理部156は、この読取信号Rs2を受け取る。また、第2信号処理部156の他方の入力端子は、増幅器154を介して信号検出器119dの出力側に接続されている。信号検出器119dは、プローブ131dの先端部が対向する記録面101c上の部位に記録された情報を検出し、これを読取信号Rs4として出力する。第2信号処理部156は、この読取信号Rs4を受け取る。そして、第2信号処理部156は、読取信号Rs3、Rs4のそれぞれのレベルを、所定の基準レベルと比較し、上述した第1信号処理部155と同様に、読取加算信号又は読取選択信号を得て、これを並列再生処理部157に供給する。
【0142】
並列再生処理部157は、第1信号処理部155から供給された1のトラックに係る読取加算信号又は読取選択信号と、第2信号処理部156から供給された他のトラックに係る読取加算信号又は読取選択信号との再生タイミング等を調整し、1つの連続した再生信号として整えた後に、これを外部に出力する。
【0143】
このように、情報記録読取ヘッド110のプローブ131a及びプローブ131b(131c及び131d)を1のトラック(他のトラック)上に位置させ、プローブ131a及び131b(131c及び131d)によって1のトラック(他のトラック)上に記録された情報をそれぞれ読み取り、双方の読取信号が十分なレベルをもって読み取ることができたときには、両者を加算してより大きなレベルの信号を取得し、これに基づいて情報の再生を行う構成としたから、情報の再生精度を高めることができる。また、読取信号の一方又は双方のレベルが不十分のときには、両者のうち、レベルの高い方の読取信号を選択し、これに基づいて情報の再生をする構成としたから、読取信号が何らかのトラブルにより十分に取得することができない場合でも、できる限り情報の再生の精度を高めることができる。さらに、このような再生動作を、1のトラックと、それに隣接する他のトラックとについて同時に行う構成としたから、情報の再生速度を高めることができる。
【0144】
なお、上述した実施例では、記録処理回路140において、信号検出回路119bから得られた読取信号Rs2を第1読取信号復調器142によって復調することによって再生情報を得て、これと記録情報とを比較する構成としたが、本発明はこれに限らず。第1記録信号発生器141により生成された記録信号Ws1と、信号検出器119bから得られた読取信号Rs2とを直接比較する構成としてもよい。
【0145】
また、上述した実施例では、情報の記録・不良検出・再記録の動作を実現するにあたり、プローブ131cを用いて位置検出を行い、プローブ131dを用いて再記録を行う構成としたが、本発明はこれに限らず、プローブ131cのみを用いて、位置検出と再記録を行う構成としてもよい。具体的には、図14に示す情報記録再生装置100において、スイッチ113cをスイッチ113dのような2個の入力端子を切り替える機能を有するスイッチに置き換え、記録信号Ws2をそのスイッチの一方の入力端子に供給する経路を設ける。そして、位置検出時と再記録時とで、スイッチの入力端子を切り替えながら、両動作を順次行う。かかる構成によれば、プローブ131dを廃することもできるが、プローブ131dを再記録が正しく行われたか否かの確認(再不良検出)に用いれば、情報の記録精度をより一層高めることができる。
【0146】
また、上述した実施例では、ディスク状の情報記録媒体101を用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、カード状の情報記録媒体を用いる構成としてもよい。
【0147】
さらに、上述した実施例では、情報記録読取ヘッド110に4個のプローブ131aないし131dを設ける場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、より多数のプローブを設ける構成としてもよい。この場合には、互いに隣接する4個のプローブを、それらの先端部により平行四辺形が形成され、かつ上記数式(11)又は数式(12)を充たすように配置する。多数のプローブをこのような配置にすれば、同一のトラックについて複数のプローブが割り当てられることとなるので、これらのプローブの一部に製造上の不良や、経時劣化による故障が生じても、他のプローブを介して情報の記録読取を十分に行うことができる。したがって、情報記録読取ヘッドの製造時において、プローブの一部に不良があっても、他の正常なプローブによって製品としての品質に問題がなければ、これを良品として取り扱うことができる。これにより、歩留まりを良くすることができる。また、経時劣化によりプローブの一部に故障が生じても、他のプローブが正常であれば、結果的にみて、情報の記録再生動作に支障がない。したがって、情報記録読取ヘッドの耐久性を高め、寿命を延ばすことができる。
【0148】
さらに、上述した実施例では、情報記録読取ヘッドの記録読取素子として、カーボンナノチューブにより形成された棒状のプローブを採用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、図18に示す情報記録読取ヘッド160のように、支持基板161にカンチレバー162aないし162dを配する構成としてもよい。
【0149】
また、プローブは媒体から離れておかれる場合を説明したが、媒体に接触する構成としてもよい。
【0150】
図18に示す情報記録読取ヘッド160のカンチレバー162aないし162dは、それぞれの記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、直線ABと直線CDとが平行で、かつ、直線ACと直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、直線ACの長さLに対する直線CDの長さKの比をηとし、直線ACを底辺としたときの平行四辺形の高さをHとし、トラックピッチをPとすると、上記数式(11)なる関係が成立するように、支持基板161に配置されている。さらに、カンチレバー162aないし162dは、
【0151】
【数22】
(n2・K2/L2)+(H2/K2)≠1(nは自然数)(13)
なる関係が成立するように、支持基板161に配置されている。
【0152】
これにより、カンチレバー162a及び162bを1のトラック上に位置させ、かつカンチレバー162c及び162dを当該1のトラックに隣接する他のトラック上に位置させることができる。さらに、カンチレバー162aないし162dが正方形状に並ぶことを防止できる。これにより、図18に示すように、各カンチレバー162aないし162dに接続する信号線163aないし163dを直線状に形成することができる。したがって、信号線163aないし163dを短くでき、それらの配置設計及び形成を容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図2】本発明の第3及び第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図3】本発明のプローブ配列中に正方形の格子が形成された場合を示す説明図である。
【図4】本発明の第1ないし第4実施形態に係る情報記録読取ヘッドの変形形態の具体例を示す説明図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係る情報記録読取ヘッドに配された記録読取素子の記録読取端部の位置を示す説明図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の第9実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図10】本発明の第10実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第11実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図12】本発明の第12実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の第13実施形態に係る情報再生装置の構成を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例に係る情報記録再生装置の構成を示す回路図である。
【図15】本発明の実施例に係る情報記録読取ヘッドに配されたプローブの位置を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る情報記録再生装置における記録処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例に係る情報記録再生装置における再生処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の情報記録読取ヘッドの他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
11、21、31、51、71、81、91…情報記録読取ヘッド
12、22、32、52、72、82、92…支持部
13、14、23〜25、33〜36、53〜56、73、74、83,84,93,94…記録読取素子
15…信号印加手段
16、27、58…情報読取手段
26、37、57…第1信号印加手段
28、59…判定手段
29、39、60…第2信号印加手段
38…第1情報読取手段
40…第2情報読取手段
61…記録位置検出手段
75、85、95…信号読取手段
76、96…信号加算手段
77、87、98…再生手段
86、97…信号選択手段
100…情報記録再生装置
101…情報記録媒体
110…情報記録読取ヘッド
132、162…支持基板(支持部)
131a〜131d…プローブ(記録読取素子)
141…第1記録信号発生器(第1信号印加手段)
142…第1読取信号復調器(情報読取手段)
143…信号比較部(判定手段)
144…第2記録信号復調器(記録位置検出手段)
145…第2読取信号発生器(第2信号印加手段)
155、156…信号処理部(信号選択手段、信号読取手段、信号加算手段)
157…並列再生処理部(再生手段)
162a〜162d…カンチレバー
Claims (20)
- トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
- トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
- トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さに対する前記直線ABの長さの比をηとし、前記直線ACを底辺としたときの前記平行四辺形の高さをHとすると、
- トラックピッチがPのトラックを有する情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それぞれの記録読取素子の記録読取端部の位置をA、B、C、Dとすると、A及びBを結ぶ直線ABとC及びDを結ぶ直線CDとが平行で、かつ、A及びCを結ぶ直線ACとB及びDを結ぶ直線BDとが平行の平行四辺形が形成され、前記直線ACの長さをLとし、前記直線ACと前記直線CDとのなす角ACDをαとすると、
- 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されていることを特徴とする情報記録読取ヘッド。 - 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を読み取る情報記録読取ヘッドであって、
支持部と、
前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、
前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されていることを特徴とする情報記録読取ヘッド。 - 前記少なくとも4個の記録読取素子のうち、前記1のトラック上に位置決めした2個の記録読取素子の記録読取端部をそれぞれR、Sとして、前記他のトラックに位置決めした2個の記録読取素子の記録読取端部をT、Uとすると、R及びSを結んだ直線RSとT及びUを結んだ直線TUとが平行で、R及びTを結んだ直線RTとS及びUを結んだ直線SUとが平行の平行四辺形が形成されるように、前記少なくとも4個の記録読取素子が前記支持部に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の情報記録読取ヘッド。
- 前記1のトラックと前記他のトラックとは、互いに隣接していることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の情報記録読取ヘッド。
- 前記記録読取素子はプローブであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の情報記録読取ヘッド。
- 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも2個の記録読取素子は、それらの記録読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、
前記情報を前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記情報記録媒体のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える信号印加手段と、
前記信号印加手段によって前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る3個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも3個の記録読取素子は、それら3個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記3個の記録読取素子のうちの残りの1個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、
前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、
前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、
前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、
前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの1個の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該残りの1個の記録読取素子に加える第2信号印加手段と
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、
前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、
前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報の一部を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第1情報読取手段と、
前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記他のトラックに記録するために、前記情報の他の一部に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、
前記第2信号印加手段によって前記他のトラックに記録された前記情報の他の一部を前記他のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る第2情報読取手段と
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 情報記録媒体のトラックに情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報記録再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに前記情報を記録し、又は前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る4個以上の記録読取素子とを備え、前記記録読取素子のうち、少なくとも4個の記録読取素子は、それら4個の記録読取素子のうちの2個の記録読取素子の記録読取端部を1のトラック上に位置決めしたときに、前記4個の記録読取素子のうちの残りの2個の記録読取素子の記録読取端部が他のトラック上に位置するように、前記支持部に配置されている情報記録読取ヘッドと、
前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちいずれか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第1信号印加手段と、
前記第1信号印加手段によって前記1のトラックに記録された前記情報を前記1のトラック上に位置する前記2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して直ちに読み取る情報読取手段と、
前記情報読取手段により読み取られた前記情報に基づいて、前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われたか否かを判定する判定手段と、
前記第1信号印加手段による前記情報の記録が正しく行われていないときには、前記情報を前記残りの2個の記録読取素子のうちのいずれいか一方の記録読取素子を介して前記1のトラックに再び記録するために、前記情報に対応した信号を当該一方の記録読取素子に加える第2信号印加手段と、
前記第2信号印加手段により記録すべき前記情報の、前記1のトラック上における記録位置を、前記残りの2個の記録読取素子のうちの他方の記録読取素子を介して検出する記録位置検出手段と
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記情報記録読取ヘッドは、請求項1ないし5のいずれかに記載の情報記録読取ヘッドであることを特徴とする請求項13又は14に記載の情報記録再生装置。
- 前記記録読取素子はプローブであることを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の情報記録再生装置。
- 情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、
前記信号読取手段により取得した2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、
前記信号加算手段により加算された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段と
を備えたことを特徴とする情報再生装置。 - 情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、
前記信号読取手段により取得した2個の読取信号のうち、いずれか一方を選択する信号選択手段と、
前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段と
を備えたことを特徴とする情報再生装置。 - 情報記録媒体のトラックに記録された情報を再生する情報再生装置であって、
支持部と、前記支持部に支持され、前記情報記録媒体のトラックに記録された前記情報を読み取る2個以上の読取素子とを備え、前記読取素子のうち、少なくとも2個の読取素子は、それらの読取端部が1のトラック上に位置するように前記支持部に配置されている情報読取ヘッドと、
前記2個の読取素子により、前記情報記録媒体のトラック上の同一位置に記録された同一の情報をそれぞれ読み取り、当該同一の情報に対応する2個の読取信号を取得する信号読取手段と、
前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のレベルが、いずれも所定レベルに達しているときには、これら2個の読取信号を、前記2個の読取素子の読取時点のずれを補正した上で、相互に加算する信号加算手段と、
前記信号読取手段により取得された2個の読取信号のうち、いずれか一方又は双方の読取信号のレベルが所定レベルに達していないときには、当該2個の読取信号のうちレベルの高い方の読取信号を選択する信号選択手段と、
前記信号加算手段により加算された読取信号、又は、前記信号選択手段により選択された読取信号に基づいて前記情報を再生する再生手段と
を備えたことを特徴とする情報再生装置。 - 前記読取素子はプローブであることを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の情報再生装置。
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