JP2004192740A - プリピット検出装置およびプリピット検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリピット検出装置が、光ディスクからの反射光を複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面(図示せず)と、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成手段(図示せず)と、上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去手段(加算回路15、ゲイン調節回路17、差動回路18,19)と、上記再生信号除去手段により再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する遅延回路20と、遅延回路20により位相差を調整された複数の受光調整信号の差からプリピット信号を生成する差動回路21とを有する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アドレス情報等の情報トラックに関連する情報をプリピットの形態で備えた光学記録媒体に対して、上記プリピットに記録された情報を検出するプリピット検出装置およびプリピット検出方法に関し、特にプリピットの検出感度を高めるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、データを追記、または書き換え可能な光記録媒体(記録可能型光記録媒体)が知られている。一般的に、このような記録可能型の光記録媒体では、光記録媒体上での情報の記録を可能にするためのプリピットやプリグルーブなどを、製造時に予め設ける。プリピットやプリグルーブには、情報記録に必要なアドレス情報や、記録再生動作に用いるクロック信号を生成するための基準信号が記録されており、当該プリピット信号に基づいて情報の追記、書き換え、および記録再生が行われている。
【0003】
図6は、追記可能な高密度光記録媒体である、DVD−R(Digital Versatile Disc ‐ Recordable)の記録面の一部を示す図である。DVD−Rの記録面には、螺旋状もしくは同心円状に情報トラックであるグルーブ51が形成され、グルーブ51領域に画像データやコンピュータデータなどの本来記録すべき情報が記録される。グルーブ51とグルーブ51との間の領域は平坦なランド52となっている。ランド52には、上述したプリピットとして、その両側のグルーブ51をつなぐようにランドプリピット(LPP)53が成形されている。
【0004】
LPP53は、LPP53に隣接するグルーブ51にレーザビームが照射された時に検出される。すなわち、このとき、レーザビームはLPP53を含むグルーブ51の領域を照射するので、異なるレーザビームの反射光量が検出されるため、LPP53の位置を知ることができる。より詳しくは、レーザビームの反射光は、受光面がトラックの接線と光学的に垂直な方向(ディスク半径方向)に2分割され(以下この分割領域をプリピット検出領域という)、それぞれの領域に照射されたレーザビームは、分割された2つの受光素子に受光されて、それぞれの受光量に応じた電気信号を出力する。この2つの出力信号はLPP53を含んでいる場合に非対称となり、LPP53を含んでいない場合と比べ大きく値が異なる。そこでこの出力信号の差分を演算し、この差分信号を所定の閾値と比較し、2値化した2値化信号として出力する。この差分信号はラジアルプッシュプル信号と呼ばれる。
【0005】
ところが、プリピット検出領域の受光信号の間では、レーザビームの照射域と情報トラックの位置関係により位相差が生じる。このため、レーザビーム照射域にLPP53を含んでいる場合の受光信号の差が小さくなってしまう。LPP53に記録される情報は、光ディスクに正しく安定に情報を記録し、あるいは再生するために非常に重要となっているので、LPP53から生成されるラジアルプッシュプル信号の品質を高める必要がある。
【0006】
そこで、特許文献1には、光ディスクのトラック方向の分割線により2分割された受光面を有し、その受光量に応じた受光信号を出力するプリピット信号検出装置において、個々の受光面からの受光信号のレベルを増幅調整した後に、差分を演算してラジアルプッシュプル信号を検出することで、情報トラックに記録された情報データ信号成分(RF信号成分)の漏れ込みの影響を回避できることが示されている。
【0007】
また、特許文献2には、分割されたレーザビーム反射光の受光信号の総和信号を、ラジアルプッシュプル信号に混入するRF信号成分のレベルと等しくなるようにレベル調整し、かつ、位相も合うように遅延時間の調整を行った調節総和信号を、ラジアルプッシュプル信号から差し引くことで、レベル調整、位相調整、RF信号成分除去を行ってLPPの品質を向上する技術が開示されている。
【0008】
さらに、非特許文献1には、分割されたレーザビーム反射光の受光信号の、個々の信号の位相を調整するために、遅延している受光信号に位相を合わせた信号をつくり、この信号を利用して受光信号の差分を演算してLPPを検出することで、LPP信号振幅を大きくし、品質を向上する技術が開示されている。
【0009】
一方、光ディスクの情報を記録再生するプリピット検出装置の、小型、薄型化、高信頼性を実現する手段としてホログラムを用いたものが提案されている。例えば、特許文献3に開示されているホログラムは、ディスクのディスク半径方向(ラジアル方向)に対応する方向に延びる分割線により2分割され、その一方がさらにトラック方向に対応する方向に延びる分割線により2分割されている。ディスクのディスク半径方向の分割線に2分割された一方の半分でフォーカスサーボ誤差信号を検出し、他方の半分はさらにトラック方向に2分割され、それぞれの信号の差からラジアルプッシュプル信号を検出し、反射光全体の和信号でRF信号を検出している。半分に分割された反射光が更にディスク半径方向に2分割されるので、ラジアルプッシュプル信号を検出することが可能であり、このラジアルプッシュプル信号はトラックサーボ誤差信号としても用いられる。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−23168号公報(公開日2001年1月26日)
【0011】
【特許文献2】
特開2002−74675号公報(公開日2002年3月15日)
【0012】
【特許文献3】
特開平4−21928号公報(公開日1992年1月24日)
【0013】
【非特許文献1】
加藤正浩、外3名,「DVD-RW version1.0の要素技術」,PIONEER R&D,パイオニア株式会社,2000年,第10巻,第3号,p.49
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクに情報データが記録された領域では、LPP検出に用いられるラジアルプッシュプル信号を生成するためのプリピット検出領域の受光信号には、それぞれに、LPP信号成分とRF信号成分とが含まれている。このとき、2つの受光信号に含まれるRF信号成分は位相が合致しており、LPP信号成分の位相にだけ位相差が存在する場合がある。
【0015】
特に、特許文献3に示すような、光ディスクからの反射光のうちの半分だけを使って、上記ホログラムを用いた光学系を用いてラジアルプッシュプル信号を検出する場合には顕著である。また、このLPP信号成分の位相差は、レーザビームが照射される情報トラック上の位置(デトラック量)によって変化する。これは、LPP部をレーザビームが通過するときに、ホログラム上の反射光の強度パターンが変化するために生じるものである。
【0016】
このような場合、従来技術のように、信号レベルを調整したり、ラジアルプッシュプル信号からRF信号成分を減じることでは、LPP信号成分の位相差を解消できない。また、特許文献2のような方法ではLPP信号成分の位相差をあわせることにより、逆にRF信号成分に位相差を発生させてしまうと、ラジアルプッシュプル信号に位相のずれたRF信号成分が漏れ込むこととなり、RF信号成分を除去できなくなる。さらに、非特許文献1では位相差の調整方法が記されているだけであり、RF信号除去と位相差調整を両立させてプリピットを良好に検出する方法は開示されていない。
【0017】
以上のように、従来技術では、ラジアルプッシュプル信号を生成する2つの受光信号に含まれるRF信号成分は位相が合致しており、LPP信号成分の位相にだけ位相差が存在するという問題については、何ら示されておらず、このような場合、LPPの信号品質を向上できないという課題を有している。
【0018】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、プリピットの検出性能の優れたプリピット検出装置及びプリピット検出方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリピット検出装置は、上記の課題を解決するために、情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を受光する、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面と、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成手段と、上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去手段と、上記再生信号除去手段により再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整手段と、位相差調整手段により位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成手段とを有することを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、光情報記録媒体に照射され、反射されたレーザビームを受光する受光面が複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割されており、信号生成手段がそのうちの複数のプリピット検出領域に照射されたそれぞれの反射光量に応じて受光信号を生成するため、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光量を検出できる。このとき、レーザビーム照射領域にプリピットがあれば、プリピット検出領域における反射光量に大きな差が出るため、このプリピット検出領域の光量を検出することで、プリピットを検出できる。
【0021】
上記受光面を複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割する場合、どのような分割をしても構わない。たとえばレーザビーム照射領域の全面を複数の領域に分割してプリピット検出領域としてもよく、複数の領域のうちのいくつかを、あるいはレーザビーム照射領域の一部を複数の領域に分割してプリピット検出領域としてもよい。
【0022】
また、より正確なプリピット検出には、プリピット検出領域の反射光量からプリピットに影響される反射光量のみを取り出す必要がある。プリピット検出領域の反射光から受光信号を生成した場合、光情報記録媒体に記録されたデータを再生するための再生信号(RF信号)が含まれているため、まず初めに、再生信号除去手段により、プリピット検出領域の受光信号それぞれから再生信号成分を取り除き、受光除去信号とする。次に、プリピット検出領域の反射光は、トラック方向に回折されているが、レーザビームとプリピットとのトラック方向の位置関係が変化するのにともない、回折の状況が変化するため、プリピット検出の反射光同士に位相差が生じているので、位相差調整手段により上記受光除去信号の位相差を調整する。
【0023】
プリピット信号生成手段はこのようにして調節された、少なくとも2つの受光調整信号の差を演算することで、プリピットを感度を高く検出することができる。
【0024】
さらに、本発明のプリピット検出装置は、上記プリピット検出領域の受光信号は、それぞれから再生信号を除去した後に、プリピット検出領域の受光信号位相差を調整して、受光調整信号としている。上述した位相差は、再生信号には生じていないので、位相差調整を再生信号除去の前、あるいは同時に行った場合には、再生信号には逆に位相差が生じてしまい、プリピット信号を生成するときに位相差分の再生信号が除去できずに残ってしまう。したがって、良好にプリピット検出が行えなかった。しかし、本発明のプリピット検出装置によれば、再生信号の位相差を変えずに除去し、プリピット検出領域の受光信号同士の位相差だけを合わせることができる。従って、プリピットの検出感度が高く、かつ再生信号を良好に生成できる。
【0025】
本発明のプリピット検出装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えさらに、上記受光面は、受光面をディスク半径方向の分割線により2分割した一方の第1の受光領域と、他方の領域をさらにトラックの接線方向の分割線により2分割した第2および第3の受光領域とからなるものであり、上記複数のプリピット検出領域が上記第2および第3の受光領域からなることを特徴としている。
【0026】
ここで、「トラック接線方向」とは、レーザビーム照射領域の中心点における、情報トラックの接線の方向を指し、「ディスク半径方向」とは、トラック接線方向と直交する方向である。上記構成のように、光情報記録媒体からの反射光のうち、反射光受光面をディスク半径方向の分割線により分割した一方の第1の受光領域と、他方の半分の領域をさらにトラック方向の分割線により2分割した第2、第3の受光領域とから受光信号を生成する光ピックアップ装置では、小型、薄型化、高信頼性を実現することができる代わり、この構成によりプリピット検出を行った場合、プリピット検出領域の受光信号間の位相差が顕著になる。
【0027】
しかし、本発明では、上記信号生成手段により生成した受光信号から再生信号を除去した後に、位相差を調整するので、位相差が大きくても、再生信号除去に影響を与えずにプリピット検出領域の受光信号の位相差を調整できる。よって、小型、薄型化でかつ、高信頼性を有する光ピックアップ装置に適用可能で、高感度でプリピットの検出を行えるプリピット検出装置を提供できる。
【0028】
本発明のプリピット検出装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えさらに、上記再生信号除去手段は、上記受光面の複数に分割された領域に照射されるそれぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算手段と、上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、上記信号生成手段が生成した複数の受光信号のそれぞれからゲインを調整された総和信号を減算する少なくとも2つの減算手段とを有することを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、受光面の複数に分割された領域に照射されるそれぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号をゲイン調節した上で、上記信号生成手段が生成した複数の受光信号のそれぞれから減算するので、正確に再生信号が除去される。なお、上記総和信号は、分割する前のレーザビーム全体の受光信号と等しいので、総和信号を用いて再生信号を生成してもよい。
【0030】
本発明のプリピット検出装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えさらに、上記位相差調整手段は、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射位置と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差調整を行うことを特徴としている。
【0031】
上記信号生成手段が生成した複数の受光信号の位相差は、レーザビーム照射領域と情報トラックとのディスク半径方向の位置関係によって変化するので、位相差の調整量は常に変化する可能性がある。上記構成によれば、デトラック量に応じてプリピット信号成分の位相差調整の量を調整する構成であるので、常に、良好に位相差調整を行うことが出来る。
【0032】
本発明のプリピット検出方法は、上記の課題を解決するために、情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面にて受光する受光ステップと、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成ステップと、上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去ステップと、上記再生信号除去ステップにより再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整ステップと、位相差調整ステップにより位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成ステップとを有することを特徴としている。
【0033】
上記方法によれば、光情報記録媒体に照射され、反射されたレーザビームを受光する受光面が複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割されており、信号生成手段がそのうちの複数のプリピット検出領域に照射されたそれぞれの反射光量に応じて受光信号を生成するため、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光量を検出できる。このとき、レーザビーム照射領域にプリピットがあれば、プリピット検出領域における反射光量に大きな差が出るため、このプリピット検出領域の光量を検出することで、プリピットを検出できる。
【0034】
より正確なプリピット検出には、プリピット検出領域の反射光量からプリピットに影響される反射光量のみを取り出す必要がある。そのために、まず初めに、再生信号除去ステップにて、プリピット検出領域の受光信号それぞれから再生信号成分を取り除いて受光除去信号とし、次に位相差調整ステップにてプリピット検出領域の受光信号同士の位相差を調整する。
【0035】
プリピット信号生成ステップはこのようにして調節された、少なくとも2つの受光調整信号の差を演算することで、プリピットを感度を高く検出することができる。
【0036】
さらに、本発明のプリピット検出方法は、上記プリピット検出領域の受光信号は、それぞれから再生信号を除去した後に、プリピット検出領域の受光信号位相差を調整して、受光調整信号としている。上記方法によれば、再生信号の位相差を変えずに、プリピット検出領域の受光信号同士の位相差だけを合わせることができる。従って、プリピットの検出感度が高く、かつ再生信号を良好に生成できる。
【0037】
本発明のプリピット検出方法は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加え、上記再生信号除去ステップは、上記受光面の複数に分割された領域それぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算ステップと、上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整ステップと、上記信号生成ステップが生成した複数の受光信号のそれぞれからゲインを調整された総和信号を減算する減算ステップとを有することを特徴としている。
【0038】
上記方法によれば、受光面の複数に分割された領域に照射されるそれぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号をゲイン調節した上で、上記信号生成手段が生成した複数の受光信号のそれぞれから減算するので、正確に再生信号が除去される。なお、上記総和信号は、分割する前のレーザビーム全体の受光信号と等しいので、総和信号を用いて再生信号を生成してもよい。
【0039】
本発明のプリピット検出方法は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加え、上記位相差調整ステップにて、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射位置と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差を調整することを特徴としている。
【0040】
上記信号生成手段が生成した複数の受光信号の位相差は、レーザビーム照射領域と情報トラックとのディスク半径方向の位置関係によって変化するので、位相差の調整量は常に変化する可能性がある。上記構成によれば、デトラック量に応じてプリピット信号成分の位相差調整の量を調整する構成であるので、常に、良好に位相差調整を行うことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るプリピット検出装置およびプリピット検出方法について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0042】
本実施の形態のプリピット検出装置は、ホログラム(受光面)5、フォトダイオード(信号生成手段)6・7・8、電流電圧変換回路(I/V変換回路)9・10・11、再生信号除去手段、位相差調整手段、プリピット信号生成手段からなり、光ディスク(光情報記録媒体)1に記録されたプリピットを検出するものである。
【0043】
図1は、本発明のプリピット検出装置の、ホログラム(受光面)5、フォトダイオード(信号生成手段)6・7・8、電流電圧(I/V)変換回路(信号生成手段)9・10・11の部分を示すブロック図である。ホログラム5は、光ディスク1の反射光を受け取るものであり、複数の領域に分割されている。フォトダイオード6・7・8は、上記複数の領域に照射される反射光をそれぞれに応じた電流信号に変換する。電流電圧変換回路(I/V変換回路)9・10・11は上記電流信号を電圧信号に変換して、受光信号とする。
【0044】
上記受光信号のうち、プリピット検出に係るプリピット検出領域の反射光の受光信号は、さらに再生信号除去手段により、記録ピットを反映した再生信号を除去して受光除去信号を生成する。その後、位相差調整手段が、上記受光除去信号の位相差を調整して受光調整信号を生成する。プリピット信号生成手段は、受光調整信号の差分からプリピットの検出を示す、プリピット信号を生成する。
【0045】
また、図2は、本実施の形態のプリピット検出方法を示す図面である。プリピット検出方法は、光ディスク(光情報記録媒体)1にレーザビームを照射した反射光(光ディスクの反射光)を、S10の受光ステップにてホログラム(受光面)5で受光し、S11の信号生成ステップにて受光した光量を受光信号に変換する。光ディスク1は記録ピットやプリピット等を含むので、受光信号はこれらを反映したものとなる。このうち、プリピット検出に係る受光信号は、S12にて再生信号を除去され(受光除去信号)、そのあとS13にて位相差を調整される(受光調整信号)。そして、S14にて得られた受光調整信号からプリピット信号を演算する。
【0046】
以下に本実施の形態のプリピット検出装置の動作について説明する。
【0047】
まず、スピンドルモータ2により回転駆動されるDVD−R等の光ディスク(光情報記録媒体)1の記録面に、半導体レーザ等の発光素子(図示せず)が光を出射する。対物レンズ4は、発光素子からの光を集光してレーザビームとして光ディスク1の任意のポイントを照射させる。対物レンズ4は、さらに光ディスク1の記録面にて反射されたレーザビームを再び通過させ、さらにいくつかの光学素子を通過することでその方向を定められ、信号生成手段のホログラム(受光面)5に導かれる。
【0048】
ホログラム5は、上記のように導かれたレーザビームをディスク半径方向の分割線lにより、領域A(第1の受光領域)、領域Bに2分割し、さらに領域Bをトラック方向の分割線mにより領域B1(第2の受光領域)と領域B2(第3の受光領域)とに分割し、領域A,領域B1,領域B2に照射された反射光を、それぞれ別のフォトダイオード6,7,8に導く。フォトダイオード6、7、8は光が当たると電流を流す性質を持つものである。ここでは、領域Aを通過した光束はフォトダイオード6に集光されて光量に応じた電流をI/V変換回路9に出力し、記録再生のための再生信号に利用する。また、領域B1と領域B2とを通過した光束は、それぞれフォトダイオード7,8に集光されて光量に応じた電流をそれぞれI/V変換回路10・11に出力し、プリピット検出信号およびサーボ誤差演算に利用する。
【0049】
なお、フォトダイオード6は、例えば、フォーカスサーボ誤差信号検出に用いられる場合には分割フォトダイオードを用い、領域A内で分割した領域として、それぞれ別の光量を検出してもよいが、ここでは1つのフォトダイオードとして説明し、フォーカスサーボ誤差信号検出についての説明は省略する。
【0050】
電流電圧(I/V)変換回路9,10,11は、フォトダイオード6,7,8により出力される検出電流をそれぞれ電圧の信号である受光信号a(領域Aの光量を反映),受光信号b1(領域B1の光量を反映),受光信号b2(領域B2の光量を反映)に変換して出力する。
【0051】
ここで、図3を用いて、プリピット検出領域である領域B1および領域B2における光量の受光信号b1,b2について説明する。図3は光ディスク1の記録面と、記録面にレーザビームを照射して得られる受光信号b1、b2の波形を示している。
【0052】
光ディスク1の記録面には、情報記録のための領域であるグルーブ(情報トラック)31が形成され、グルーブ31領域に記録情報が情報ピット35(斜線部)として記録される。グルーブ31とグルーブ31との間は平らなランド32がある。ランド32には、プリピットとして、その両側のグルーブ51をつなぐようにランドプリピット(LPP)33が成形され、情報トラックに関連する情報が記録されている。
【0053】
レーザビームは、この記録面においてグルーブ31に沿ってレーザビーム照射域Rを移動させる。照射されたレーザビームがグルーブ31を走査すると、信号b1と信号b2とが、情報信号ピット35に応じて変調される。このとき、レーザビームは、この情報信号ピット35列のほぼ中央を走査するように制御されるため、例えば、レーザビーム照射域がR1の位置にある場合、情報ピット35aがR1のグルーブ31に沿った中心線上にくる。従って、この信号b1と信号b2とに現れる再生信号(RF信号)は、図3のように、同位相で、かつ、ほぼ同じレベルの信号成分となる。
【0054】
一方、信号b1と信号b2とは、LPP33によっても変調される。これは、レーザビーム照射域R2のように照射域にLPP33を含む場合は、LPP33によって、グルーブ31による回折の状態が変化するからである。つまり、LPP33は、グルーブ31の片側にのみ存在し、両側に同時に現れることはないので、LPP33では、領域B1および領域B2の受ける光量(フォトダイオード7とフォトダイオード8の光強度分布)が非対称となり、図3のように、信号b1が増加すると、信号b2が減少し、LPP信号成分として表れる。この現象を用いて、信号b1と信号b2の差であるラジアルプッシュプル信号を生成すれば、レーザビーム照射領域がLPP33を含む場合に、b1およびb2の差が他と比べ非常に大きくなり、LPP33を検出できる。
【0055】
また、b1とb2との信号波形では、位相差φすなわちb2に時間的な遅れが生じる。これは、レーザビームがLPP33を含む領域を走査するときに、レーザビームがグルーブ31幅方向だけでなく、トラック方向(トラック接線方向)にも回折され、レーザビームとLPPとのトラック方向の位置関係が変化するのにともない、時間とともに回折の状況が変化するためである。特に、ディスク半径方向の分割線により2分割された反射光の一方(B領域)のみを使っている場合に、位相差φの発生が顕著である。
【0056】
以上のように、信号b1および信号b2には、再生信号成分(RF信号成分)と、LPP信号成分が混じっており、さらにLPP信号成分には位相差φが生じているため、LPP信号成分を正確に検出するには、RF信号成分除去、およびLPP信号成分の位相差の調整が必要となる。すなわち、図4(a)のような信号b1、信号b2から、再生信号除去手段によりRF信号成分の除去を行い、(b)のような信号b1’、信号b2’にする。さらに、信号b1の信号b2との位相差φを調整するために、図4(c)のように位相差調整手段によりb1’を位相差φ分遅延させたb1”にする。そして、b1”とb2’との差を演算して図4(d)のようなプリピット検出信号を出力する。
【0057】
以下に、図5を用いて、上述したような受光信号からプリピット検出信号を生成する方法について詳しく説明する。本実施の形態においては、b1およびb2から、サーボ誤差、プリピット信号を生成しており、さらに信号aをあわせて再生信号を出力している。
【0058】
まず、サーボ誤差について説明する。光ディスク1上のグルーブ31にレーザビームを照射すると、グルーブ31とレーザビーム照射域Rとの相対位置関係によって、グルーブ31による回折が異なるので、反射光のファーフィールドパターンが変化する。
【0059】
例えば、グルーブ31の幅方向の中心にレーザビーム照射域Rがある場合は、全面でほぼ均等に光が反射するので、トラック方向の分割線により分割された領域B1、B2においてフォトダイオード7とフォトダイオード8に集光する光強度分布は対称となる。しかし、レーザビームがトラック中心からどちらかに偏ると、グルーブ31による回折により、レーザビーム照射領域内で異なった反射光量が生じるため、領域B1と領域B2とにおける反射光量が非対称になり、フォトダイオード7,8の光強度分布も非対称となる。このことを利用して、トラックによる回折光強度分布、いわゆるボールパターンの変化をフォトダイオード7,8で検出し、差信号としてラジアルプッシュプル信号を得る。このラジアルプッシュプル信号はレーザビーム照射域のトラックからのずれを検出するトラックサーボ誤差信号として用いられる。
【0060】
具体的には、まず、信号b1と信号b2との両者が差動回路12に入力され、その差が演算されて、トラックサーボ誤差を検出するためのラジアルプッシュプル信号s1を得られる。このラジアルプッシュプル信号s1は、トラックサーボ誤差信号生成回路13に入力される。トラックサーボ誤差信号生成回路13では、広帯域ノイズの除去やオフセット調整等が行われ、トラックサーボ誤差信号s2が出力される。トラックサーボ誤差信号s2はサーボ回路14に入力され、トラックサーボ動作が行われる。
【0061】
次に、再生信号の生成を説明する。信号a,信号b1,信号b2は、加算回路(加算手段)15で加算され、フォトダイオード6,7,8に入射する光量の総和が演算され、総和信号s3を生成する。この総和信号s3は、光ディスク1に記録された情報を反射光量の増減として検出する再生情報信号(RF信号)として、再生信号処理回路16に入力され、ここで総和信号s3を読み取ることで光ディスク1に記録された情報が再生される。
【0062】
ここで、特許請求の範囲、請求項3に記載の、加算手段は加算回路15であり、ゲイン調整手段はゲイン調整回路17であり、減算手段は差動回路18と差動回路19である。
【0063】
最後に、LPP信号(プリピット信号)の生成について説明する。LPP信号の生成には、上述したように、再生信号除去と位相差調整とが必要になる。再生信号を除去するための再生信号除去手段は、加算回路(加算手段)15、ゲイン調整回路(ゲイン調整手段)17、差動回路(減算手段)18・19からなる。まず、上述した加算回路15の総和信号s3を、信号レベルを調整するためのゲイン調整回路(ゲイン調整手段)17に入力し、ゲイン調節信号s4を得る。ゲイン調整回路17では、信号b1および信号b2に含まれるRF信号成分のレベルと、同じレベルになるようにRF信号である信号s3が調整される。そして、信号b1とゲイン調節信号s4とが差動回路(減算手段)18に、信号b2とゲイン調節信号s4とが差動回路(減算手段)19に入力される。調節信号s4は、信号b1、信号b2、信号aの総和信号を信号b1、信号b2にあわせてゲインレベル調整をしたものであり、このs4と信号b1あるいは信号b2との差を演算することにより、信号b1と信号b2の夫々から、RF信号成分が除去され、図4(b)の信号s5(受光除去信号、前述のb1’)、信号s6(受光除去信号、前述のb2’)が出力される。
【0064】
ここで、ゲイン調整回路を2つ保有し、差動回路18に入力する信号と、差動回路19に入力する信号とを、夫々、信号b1に含まれるRF信号成分のレベルと、信号b2に含まれるRF信号成分のレベルとに合うように、個別に調整すれば、よりRF信号成分の除去能力が増す。
【0065】
信号s5に含まれるLPP信号成分と、信号s6に含まれるLPP信号成分とには、上述したように位相差φが生じているので、この位相差φをなくすために、差動回路18の出力信号s5は、遅延回路(位相差調整手段)20に入力される。遅延回路20では、サーボ誤差信号s2に基づいて位相差φが修正されるように遅延量が調整され、信号s5を遅延させて信号s7(受光調整信号、前述のb1”)を得る。
【0066】
なお、信号s5と信号s6とに含まれるLPP信号成分は、光ディスク上のLPP33の位置と、レーザビーム照射域Rとの光学的な位置関係で決まるが、ここでは、信号s5に現れるLPP信号成分が、信号s6のLPP信号成分よりも先に現れ、信号s5は増加し、信号s6は減少する場合の例を説明する。遅延回路は位相が進む方の信号に設ければよいが、もちろん、この位相関係が逆転するような複数の種類の光ディスクを再生するような装置においては、遅延回路を両方に設けたり、遅延回路を切り替える必要がある。
【0067】
遅延回路20を経た信号s7は、差動回路(プリピット信号生成手段)21の一方の端子に入力され、差動回路21の他方の入力端子には信号s6が入力される。差動回路21では、LPP信号成分のレベルが増加する信号s7と、レベルが減少するs6との差を演算し出力する。この差信号s8によってLPP信号(プリピット信号)が得られ、この信号を2値化することでLPPが検出される。
【0068】
ここで、信号s7と信号s8とは、既にそれぞれのRF信号成分が除去されているので、信号s7と信号s8とのゲイン調整を行うための回路を設けなくてもよい。
【0069】
以上のように、上記プリピット検出領域の受光信号は、それぞれから再生信号を除去した後に、プリピット検出領域の受光信号位相差を調整して、受光調整信号としている。上述した位相差は、再生信号には生じていないので、位相差調整を再生信号除去の前、あるいは同時に行った場合には、再生信号には逆に位相差が生じてしまい、プリピット信号を生成するときに位相差分の再生信号が除去できずに残ってしまう。したがって、良好にプリピット検出が行えなかったが、上記プリピット検出装置によれば、再生信号の位相差を変えずに除去し、プリピット検出領域の受光信号同士の位相差だけを合わせることができる。従って、プリピットの検出感度が高く、かつ再生信号を良好に生成できる。
【0070】
遅延回路20の遅延量の調整についてより詳しく説明する。レーザビームがグルーブ31の中央を走査する場合には、同一の光ディスクであれば、レーザビーム照射位置とLPPとの間の位置関係(ディスク半径方向の位置関係)は変わらないので、信号s5と信号s6とのLPP成分の位相差φも一定である。しかしながら、情報信号ピットがトラックに対して、どちらかに偏って記録されているような場合には、再生信号品質を最良にするために、レーザビームは、情報信号ピットの中央を走査するようにトラックサーボ制御がなされる。このため、レーザビームは、トラック中央を走査しない場合があり、レーザビームが走査するトラック幅方向の位置(デトラック量)は、刻々と変化することになる。
【0071】
そこで、遅延回路20には、デトラック量を示すトラックサーボ誤差信号s2が入力され、信号s2の電圧レベルに応じて、遅延回路20の遅延量の調整がなされる。これにより、信号s5と信号s6とに含まれるLPP信号成分の位相を常に合わせることが可能となり、品質の高いLPP信号s8を得ることが出来る。
【0072】
ここで、特許請求の範囲、請求項4に記載の、位相差調整手段は、トラックサーボ誤差信号生成回路の出力信号s2により制御される遅延回路20である。
【0073】
本実施の形態では、DVD−RのLPP信号検出について説明を行ったが、それ以外の光ディスクのプリピット信号検出にも応用できる。
【0074】
【発明の効果】
本発明のプリピット検出装置は、情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を受光する、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面と、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成手段と、上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去手段と、上記再生信号除去手段により再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整手段と、位相差調整手段により位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成手段とを有する構成である。
【0075】
上記構成によれば、信号生成手段が生成した受光信号に含まれる再生信号の位相差を変えずに除去した後、位相差を合わせるので、適切に再生信号除去および位相差調節された、少なくとも2つの受光調整信号を生成でき、プリピット信号生成手段はこれらの受光調整信号の差を演算することで、プリピットを感度を高く検出することができるという効果を奏する。
【0076】
また、本発明のプリピット検出装置は、上記の構成に加えさらに、上記受光面は、受光面をディスク半径方向の分割線により2分割した一方の第1の受光領域と、他方の領域をさらにトラックの接線方向の分割線により2分割した第2および第3の受光領域とからなるものであり、上記複数のプリピット検出領域が上記第2および第3の受光領域からなる構成である。
【0077】
上記構成によれば、小型、薄型でかつ、高信頼性を有する光ピックアップ装置に適用可能で、高感度でプリピットの検出を行えるプリピット検出装置を提供できるという効果を奏する。
【0078】
本発明のプリピット検出装置は、上記再生信号除去手段は、上記受光面の複数に分割された領域それぞれに照射される反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算手段と、上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、上記信号生成手段が生成した複数の受光信号のそれぞれからゲインを調整された総和信号を減算する少なくとも2つの減算手段とを有すること構成である。
【0079】
上記構成によれば、複数に分割された反射光を加算した総和信号をゲイン調節した上で、上記信号生成手段が生成した複数の受光信号それぞれから減算するので、正確に再生信号が除去されるという効果を奏する。
【0080】
本発明のプリピット検出装置は、上記位相差調整手段は、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射領域と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差調整を行う構成である。
【0081】
上記構成によれば、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離(デトラック量)に応じてプリピット信号成分の位相差調整の量を調整する構成であるので、常に、良好に位相調整を行うことができる。
【0082】
本発明のプリピット検出方法は、情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面にて受光する受光ステップと、複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成ステップと、上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去ステップと、上記再生信号除去ステップにより再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整ステップと、位相差調整ステップにより位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成ステップとを有する方法である。
【0083】
上記方法によれば、信号生成手段が生成した受光信号に含まれる再生信号の位相差を変えずに除去した後、位相差を合わせるので、適切に再生信号除去および位相差調節された、少なくとも2つの受光調整信号を生成でき、プリピット信号生成手段はこれらの受光調整信号の差を演算することで、プリピットを感度を高く検出することができるという効果を奏する。
【0084】
本発明のプリピット検出方法は、上記再生信号除去ステップは、上記再生信号除去ステップは、上記受光面の複数に分割された領域それぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算ステップと、上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整ステップと、上記信号生成ステップが生成した複数の受光信号のそれぞれからゲインを調整された総和信号を減算する減算ステップとを有する方法である。
【0085】
上記方法によれば、複数に分割された反射光を加算した総和信号をゲイン調節した上で、プリピット検出領域の受光信号のそれぞれから減算するので、正確に再生信号が除去される。
【0086】
本発明のプリピット検出方法は、上記位相差調整ステップにて、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射位置と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差を調整する方法である。
【0087】
上記方法によれば、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離(デトラック量)に応じてプリピット信号成分の位相差調整の量を調整できるので、常に、良好に位相調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るプリピット検出装置の受光面および信号生成手段のブロック図面である。
【図2】本発明の実施の一形態に係るプリピット検出方法を説明する図面である。
【図3】本発明の実施の一形態に係るプリピット検出装置が出力する受光信号と、プリピットが記録された光ディスクの記録面とを示す図面である。
【図4】本発明の実施の一形態に係るプリピット検出装置が出力する受光信号を調整した信号を示す図面であり、(a)は受光信号を、(b)は再生信号を除去した受光信号を、(c)は再生信号除去および位相差調整を行った受光信号を、(d)はプリピット信号を示している。
【図5】本発明の実施の一形態に係るプリピット検出装置が出力する受光信号の調整を説明する図面である。
【図6】従来の光ディスクの記録面の表面を示す図面である。
【符号の説明】
1 光ディスク(光情報記録媒体)
2 スピンドルモータ
4 対物レンズ
5 ホログラム(受光面)
6,7,8 フォトダイオード(信号生成手段)
9,10,11 電流電圧変換回路(信号生成手段)
12 差動回路
18,19 差動回路(減算手段)
21 差動回路(プリピット信号生成手段)
13 トラックサーボ誤差信号生成回路
14 サーボ回路
15 加算回路(加算手段)
16 再生信号処理回路(信号生成手段)
17 ゲイン調整回路(ゲイン調整手段)
20 遅延回路(位相差調整手段)
31,51 グルーブ(情報トラック)
32,52 ランド
33,53 ランドプリピット(プリピット)
Claims (7)
- 情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を受光する、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面と、
複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成手段と、
上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去手段と、
上記再生信号除去手段により再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整手段と、
位相差調整手段により位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成手段とを有することを特徴とするプリピット検出装置。 - 上記受光面は、受光面をディスク半径方向の分割線により2分割した一方の第1の受光領域と、他方の領域をさらにトラックの接線方向の分割線により2分割した第2および第3の受光領域とからなるものであり、上記複数のプリピット検出領域が上記第2および第3の受光領域からなることを特徴とする請求項1に記載のプリピット信号検出装置。
- 上記再生信号除去手段は、上記受光面の複数に分割された領域それぞれに照射される反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算手段と、
上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、
上記信号生成手段が生成した複数の受光信号のそれぞれから、ゲインを調整された総和信号を減算する少なくとも2つの減算手段とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のプリピット検出装置。 - 上記位相差調整手段は、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射領域と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差調整を行うことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のプリピット検出装置。
- 情報トラックと情報トラックに関連する情報が記録されたプリピットとを有する光情報記録媒体からのレーザビームの反射光を、複数のプリピット検出領域を含む複数の領域に分割された受光面にて受光する受光ステップと、
複数のプリピット検出領域それぞれの反射光の光量に応じた複数の受光信号を生成する信号生成ステップと、
上記複数の受光信号から情報トラックに記録された再生信号を除去する再生信号除去ステップと、
上記再生信号除去ステップにより再生信号が除去された複数の受光除去信号の位相差を調整する位相差調整ステップと、
位相差調整ステップにより位相差を調整された複数の受光調整信号の差から、プリピット信号を生成するプリピット信号生成ステップとを有することを特徴とするプリピット検出方法。 - 上記再生信号除去ステップは、上記受光面の複数に分割された領域それぞれの反射光の光量に応じた受光信号をすべて加算した総和信号を演算する加算ステップと、
上記総和信号のゲインを調整するゲイン調整ステップと、
上記信号生成ステップで生成した複数の受光信号のそれぞれからゲインを調整された総和信号を減算する減算ステップとを有することを特徴とする請求項5に記載のプリピット検出方法。 - 上記位相差調整ステップにて、光情報記録媒体に照射されるレーザビームの照射位置と、光情報記録媒体の情報トラックとの、ディスク半径方向の相対距離に応じて位相差を調整することを特徴とする請求項5または6に記載のプリピット信号検出方法。
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