JP2004191057A - レーザ発光分光分析方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速にかつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができるレーザ発光分光分析方法について提案する。
【解決手段】試料の表面にレーザパルス光を照射して試料上に生成させたプラズマからの励起光を、分光分析する方法において、レーザ反射ミラーを介してレーザパルス光を試料の表面に照射する際、このレーザ反射ミラーを揺動してレーザパルス光を試料の表面上で走査すると共に、その際生成したプラズマの励起光を分光分析器に伝送する光学系を構成する少なくとも1枚のミラーを、レーザ反射ミラーの動作に同期させて揺動することにより、レーザパルス光の走査域の全面にわたる励起光を分光器に取り込む。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属やセラミックスなどの固体試料及び溶融金属や溶融塩などの液体試料を分析するための、レーザ発光分光分析方法及びその装置に関し、特にこれら試料の組成を、迅速に、かつ感度及び精度良く分析を実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
試料の組成を迅速に分析する方法として、レーザパルス光を試料表面に照射して、これにより生成するプラズマを分光分析するレーザ発光分光分析法がある。この方法は、試料に非接触かつ大気圧雰囲気にて分析可能であることから、従来、金属材料の組成分析に用いられている蛍光X線分析法(FX法)やスパーク放電発光分光分析法(QV法)のような、サンプリング、切断、研磨などの処理が不要であり、迅速に分析が可能であるという、特徴がある。
【0003】
ここで、レーザ発光分光法において十分な励起光強度を得るためには、レーザパルス光の試料表面でのパワー密度を所定の範囲内に調整する必要があり、レーザパルス光はレンズなどを用いて試料表面に集光照射される。この場合、レーザパルス光の照射領域は1mmφ以下となり、FX法やQV法に比べ分析面積が小さくなる。このため、試料中元素の偏析などがある、鉄鋼材料などの多結晶試料の分析においては、試料中での濃度分布の影響を受け繰り返し分析精度が劣るという問題があった。
【0004】
これに対して、特許文献1には、レーザミラーの角度を僅かずつ変化させることにより、レーザパルス光照射位置を試料表面で走査し、レーザパルス光径よりも広い領域を分析する方法が、提案されている。しかしながら、この方法は、レーザ光の照射によって金属材から発生した微粒子を不活性ガスと共に搬出してICP(高周波誘導結合プラズマ)分析器によって成分組成を分析する技術であり、本発明の技術分野であるレーザ発光分光分析方法に適用した場合、特に走査領域が広い場合には、試料表面から集光系によって伝送された励起光が分光器入り口の集光位置から、大きくずれるため、分析ができないという問題が生ずる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−49790号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、迅速にかつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができるレーザ発光分光分析法において、試料表面でレーザパルス光を走査して、より大きい領域を測定可能とする際、このレーザパルス光の走査によって生じたプラズマの励起光を確実に分光器に取り込んで分析することにより、鉄鋼材料などの試料中の元素濃度分布が一定でない試料においても、元素濃度を精度良く測定可能とする、レーザ発光分光分析方法について、その装置に併せて提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)試料の表面にレーザパルス光を照射して試料上に生成させたプラズマからの励起光を、分光分析する方法において、レーザ反射ミラーを介してレーザパルス光を試料の表面に照射する際、このレーザ反射ミラーを揺動してレーザパルス光を試料の表面上で走査すると共に、その際生成したプラズマの励起光を分光分析器に伝送する光学系を構成する少なくとも1枚のミラーを、レーザ反射ミラーの動作に同期させて揺動することにより、レーザパルス光の走査域の全面にわたる励起光を分光器に取り込むことを特徴とするレーザ発光分光分析方法。
【0008】
(2)レーザ発振器と、このレーザ発振器から照射されたレーザパルス光を試料表面に集光照射する集光光学系と、レーザパルス光の照射により試料上に生成したプラズマからの励起光を分光分析器に伝送する伝送光学系と、伝送された励起光を分光分析する分光分析器と、を有するレーザ発光分光分析装置において、集光光学系内にレーザ反射ミラーを揺動可能に配置し、伝送光学系内に、レーザ反射ミラーの動作に同期して揺動する、少なくとも1枚のミラーを配置して成るレーザ発光分光分析装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のレーザ発光分光分析装置について具体的に説明する。
図1に、この発明によるレーザ発光分光分析装置の一例を示す。
図中、番号1はレーザ発振器、2はレーザ反射ミラー、3はレーザ集光レンズ、4は試料、5は励起光反射ミラー(プラズマの励起光を分光分析器に伝送する光学系を構成するミラーであって、少なくとも1枚を必要とする)、6は集光レンズ、7は分光分析器、8はレーザ反射ミラー2の走査機構、9は励起光反射ミラー5の走査機構、10は制御コンピュータである。以上の装置構成において、レーザ反射ミラー2およびレーザ集光レンズ3が集光光学系を構成し、一方励起光反射ミラー5および集光レンズ6が伝送光学系を構成している。
【0010】
さて、レーザ発振器1から照射されたレーザパルス光は、レーザ反射ミラー2およびレーザ集光レンズ3を介して、試料4の表面に集光照射され、レーザ励起によるプラズマを生成する。このとき、レーザ反射ミラー2の走査機構8によりレーザ反射ミラー2を揺動し、その反射角度を僅かずつ変更することによって、レーザパルス光を試料4上で走査する。
【0011】
なお、レーザ発振器としては、従来のレーザ発光分光分析法で使用されているNd:YAGレーザなどのパルスレーザを用いれば良い。
【0012】
かようなレーザパルス光の走査にて生成した、プラズマからの励起光は、励起光反射ミラー5および励起光集光レンズ6により反射集光されて分光分析器7に導かれる。このとき、励起光反射ミラー5を、レーザ光反射ミラー2の走査機構8と同期された、励起光反射ミラー5の走査機構9により揺動し、その角度を調整することにより、試料表面の広い領域で発生した励起光を分光分析器7に伝送することが可能となる。
【0013】
すなわち、励起光の集光位置が分光器の入り側スリットの位置とならなければ、励起光を分光分析することはできないが、集光系ミラーである励起光ミラーをレーザ光の揺動と同期させることにより、常に分光器入り側スリット位置に励起光を集めることが可能になり、試料上を広範囲に走査して発生した励起光を分光器に導いて分光分析することができるのである。
【0014】
なお、走査機構としては、軸合せ機構を備えたミラーホルダーと、位置を電気的に制御することが可能なステップモータやアクチュエータなどの駆動装置を組み合わせる方法や、ガルバノミラーを用いる方法がある。
【0015】
そして、分光分析器7に伝送された励起光は、ここで分光分析され、分析対象元素の発光強度が測定される。
なお、分光分析器7は、従来公知のもので十分である。例えば、光電子増倍管、フォトダイオードアレイ或いは電化合素子(CCD)などの多チャンネル光検出器を具えている分光器、光検出器からの信号を増幅する信号増幅器、及びこの信号を適切に処理する信号処理装置を含む他、データ計算、発光強度から濃度への変換、分析結果の出力を行うコンピュータなどから構成された、装置が適合する。
【0016】
【実施例】
図1に示したところに従って、鋼材(ステンレス鋼精錬途中の急冷材)の試料中のCについてレーザ発光分光分析を行った。すなわち、エネルギーE:100mJ/pulseおよびパルス幅t:10nsのレーザパルス光を、試料の表面に径d:0.2mmにて照射する際、レーザ反射ミラー2を揺動してレーザパルス光を試料の表面上で下記の条件に従って走査した。ちなみに、試料表面でのレーザパルス光のパワー密度Pは、次式
P=E/(2t×d×π/4)=0.1/(2×10−8[s]×0.020×0.020×3.14/4)=1.6×1010[W/cm
である。
【0017】

レーザパルス光の走査条件
・レーザ繰返し周波数:15Hz
・走査範囲:2mm×2mm
・走査速度:X軸方向:1mm/s、Y軸方向:0.033mm/s
以上の条件では、2mm角の範囲を1回走査するのに要する時間は60秒(900パルス)であり、発光測定は2回の走査、すなわち120秒間(1800パルス)の発光強度を積算して分析を行った。
【0018】
さらに、このレーザパルス光を走査すると共に、その際生成したプラズマの励起光を分光分析器に伝送する際、励起光反射ミラー5をレーザ反射ミラー2の動作に同期させて揺動することにより、レーザパルス光が走査された試料の2mm角の範囲の励起光を分光器に取り込んだ。この分析を、試料の5点にわたって行った。
【0019】
また、比較として、上記の分析処理において、レ−ザパルス光の走査を行わない場合(比較例1)および励起光反射ミラーをレーザ反射ミラー2の動作に同期させずに、レ−ザパルス光の走査を行う場合(比較例2)についても、同様に試料の5点にわたって行った。
【0020】
これらの分光分析結果および分析時のC発光ピーク付近のスペクトルを、表1および図2に、それぞれ示す。比較として、用いた試料の成分組成の分析結果を表2に示す。また、この試料のCおよびCrの分布を、電子線マイクロアナライザー(EPMA)にて3mm×1mmの範囲を分析した結果を、図3に示す。図3より、この試料では、CrおよびCの偏析が確認できる。
【0021】
【表1】
Figure 2004191057
【0022】
【表2】
Figure 2004191057
【0023】
表1に示したように、レーザパルス光の走査をしない比較例1においては、試料偏析の影響を受けたために、分析値のばらつきが大きい(変動係数が大きい)ことがわかる。
【0024】
また、ミラーを同期させずにレーザパルス光を走査した比較例2においては、分析値のばらつきは軽減されるが、図2に示すように、測定スペクトル強度が約1/5程度まで低減していることがわかる。
ここで、図4にレーザ走査範囲の中心部と、その周辺部とでの測定スペクトルを比較して示すように、レーザ走査範囲の周辺部では中心部に比ベスペクトル強度が著しく低下していることが確認できる。このため比較例2では、図2に示したような強度低下を生じるのである。
【0025】
一方、この発明の例である、ミラーを同期させてレーザを走査した場合においては、表1に示すように、分析値のばらつきが少なく、また図2に示すように、スペクトル強度の低下がない状態での分析が可能であった。
【0026】
【発明の効果】
この発明のレーザ発光分光分析法によれば、レーザパルス光が走査された全域の励起光を分光分析器に取り込むことが可能となり、鉄鋼材料などのように、試料中の元素濃度分布が一定でない試料においても、元素濃度分布の影響を受けずに、ばらつきが小さくかつ十分な発光強度を得ながら元素濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるレーザ発光分光分析装置の主要構成を例示する図である。
【図2】励起光におけるC発光線近傍の発光スペクトルを比較した図である。
【図3】実施例で測定に供した試料のEPMAにより測定したCr,Cの濃度分布を示す図である。
【図4】レーザを走査し、集光系ミラーを同期走査しない場合において、走査範囲中心部とその周辺部とのC発光線近傍の発光スペクトルを比較した図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 レーザ反射ミラー
3 レーザ集光レンズ
4 試料
5 励起光反射ミラー
6 励起集光レンズ
7 分光分析器
8 レーザ反射ミラーの走査機構
9 励起光反射ミラーの走査機構
10 制御コンピュータ

Claims (2)

  1. 試料の表面にレーザパルス光を照射して試料上に生成させたプラズマからの励起光を、分光分析する方法において、レーザ反射ミラーを介してレーザパルス光を試料の表面に照射する際、このレーザ反射ミラーを揺動してレーザパルス光を試料の表面上で走査すると共に、その際生成したプラズマの励起光を分光分析器に伝送する光学系を構成する少なくとも1枚のミラーを、レーザ反射ミラーの動作に同期させて揺動することにより、レーザパルス光の走査域の全面にわたる励起光を分光器に取り込むことを特徴とするレーザ発光分光分析方法。
  2. レーザ発振器と、このレーザ発振器から照射されたレーザパルス光を試料表面に集光照射する集光光学系と、レーザパルス光の照射により試料上に生成したプラズマからの励起光を分光分析器に伝送する伝送光学系と、伝送された励起光を分光分析する分光分析器と、を有するレーザ発光分光分析装置において、集光光学系内にレーザ反射ミラーを揺動可能に配置し、伝送光学系内に、レーザ反射ミラーの動作に同期して揺動する、少なくとも1枚のミラーを配置して成るレーザ発光分光分析装置。
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