JP2004190862A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で組立、施工が容易且つ精度よく行え、さらに、装置全体の高さをできるだけ低くすることができる免震装置を提供する。
【解決手段】上下挟圧部材1,2の対向面間に設けている円弧状のローラ案内面3,4間に断面円形のローラ5を介在させてなる免震装置であって、上記上下挟圧部材1,2における一方の挟圧部材1は、長方形状の水平桁材1aの長辺側の両端縁に一定高さを有する側壁部1cを設けてこの側壁部1cにローラ案内面3を設けてあり、他方の挟圧部材2は、長方形状の水平桁材2aにおける中央部に上記一方の挟圧部材1の側壁部1c間に介在させるレール部を形成してこのレール部にローラ案内面4を設けている。そして、これらのローラ案内面3,4間に上記ローラ5を介在させた状態において、上下ローラ案内面3,4の両端部を側面からみて重なりあった構造としている。
【選択図】図7

Description

本発明は建造物や展示ケース、各種機器類、或いは床などを免震、支持する免震装置の改良に関するものである。
地震発生時にその震動エネルギーを吸収して上方部への震動の伝達を抑制するようにした免震装置や制振装置としては従来から種々の構造のものが開発されており、本願出願人等も例えば、特公平8ー6490号公報に記載しているようにローラベアリングからなる免震機構を採用した装置を開発している。この装置は図11に示すように、上下挟圧部材41、42の対向面に形成した凹状の円弧面51、52間に断面円形のローラ61を介在させることによって免震機構Aを構成し、この免震機構Aを同一平面上に複数個、互いにローラ61の転動方向を同一方向に向けて配設すると共にこれらの免震機構A上にローラ61の転動方向を上記免震機構Aのローラ61の転動方向に直交させて同一構造を有する免震機構Aを一体に配設した構造を有している。
特公平8ー6490号公報
このように構成した免震装置によれば、上下挟圧部材41、42の対向面に形成した凹状の円弧面51、52間に断面円形のローラ61を介在させてなる単独の免震機構Aを複数個使用して、この免震機構Aを例えば前後左右に一定の間隔を存して四方に設置すると共にこれらの四方免震機構A上に一枚の中間板Bを配設し、この中間板B上に下側の各免震機構Aのローラ61の転動方向に直交する方向にローラ61を向けた状態にして免震機構Aを配設することにより組立てなければならないため、その施工作業に多大な労力と時間を必要とし、その上、四方に配設する全ての免震機構Aをそのローラ61が同一方向に転動するように設定しなければならず、著しい手間と熟練を要することになる。また、装置全体の厚み(高さ)が大きくなって外観を損するばかりでなく使用条件に制約を受ける場合が生じ、その上、載荷物Cが不安定な状態で載置された印象を与えるという問題点がある。
さらに、凹状の円弧面51、52は挟圧部材41、42の対向面に全面的に設けられている一方、ローラ61はその略全長に亘って上記円弧面51、52の幅方向に接した構造となっているため、ローラ61が長さ方向に僅かでも径が変化していたり或いは周面に微細な凹凸部が生じていると、ローラ61ががたつくと共に軸方向に偏位する虞れがあり、そのため、ローラ61を正確な方向に転動させるためのガイド溝を別に設ける必要が生じて装置全体が複雑化するという問題点がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、構造が簡単で施工が容易且つ精度よく行え、その上、装置全体の高さをできるだけ低くすることができる免震装置を提供するにある。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、上下挟圧部材の対向面にローラ案内面を設けると共にこれらの上下ローラ案内面間に断面円形のローラを同一水平方向に転動自在に介在させることにより免震機構を形成し、この免震機構を上側の免震機構のローラ転動方向と下側の免震機構のローラ転動方向とが交差するように上下に一体に組み合わせてなる免震装置において、上記上下挟圧部材は、夫々一定間隔を存して並設した水平桁材を備えてあり、上側の挟圧部材の水平桁材の長辺側両端縁に下方に向かって一定縦幅の側壁部を設けている一方、下側の挟圧部材の水平桁材の長辺側両端縁に上方に向かって一定高さの側壁部を設けてこれらの上下水平桁材の対向する両側壁部に上記上下ローラ案内面を形成し、さらに、上下水平桁材間にローラを介在させてその小径両端部を両側の各上下ローラ案内面に転動自在に挟接させていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、上下挟圧部材の対向面にローラ案内面を設けると共にこれらの上下ローラ案内面間に断面円形のローラを同一水平方向に転動自在に介在させることにより免震機構を形成し、この免震機構を上側の免震機構のローラ転動方向と下側の免震機構のローラ転動方向とが交差するように上下に一体に組み合わせてなる免震装置において、上記上下挟圧部材は、夫々一定間隔を存して並設した水平桁材を備えてあり、その一方の挟圧部材の両水平桁材における長辺側の両端縁に一定縦幅の側壁部を設けると共に、他方の挟圧部材の両水平桁材における中央部に上記一方の挟圧部材の側壁部間に介在させるレール部を形成し、これらの上下挟圧部材の両側壁部とレール部とに上記上下ローラ案内面をその長さ方向の両端部が側面からみて重なりあった状態となるように夫々形成していることを特徴とする。
免震機構は上下挟圧部材の対向面にローラ案内面を設けると共にこれらの上下ローラ案内面間にローラを介在させた構造としているので、上下挟圧部材の対向するローラ案内面間にローラを配設することによって簡単且つ正確に免震機構を組み立てることができると共に地震発生時には全てのローラをそれぞれの上下ローラ案内面に接して円滑に転動させることができる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、上記免震機構は左右或いは前後に並設した水平桁材を備えてなる上側挟圧部材及び下側挟圧部材と、これらの上下挟圧部材の水平桁材における長辺側に両側壁部に形成しているローラ案内面に配設するローラとからなるものであるから、構造が極めて簡単で安価に製作できると共に、並設している水平桁材を溝形鋼から構成して、その両側フランジ部により両側壁部を形成し、これらの両側壁部に長さ方向に一定間隔を存してローラ案内面を形成しておくことによって、上下挟圧部材の全てのローラ案内面を正確に同一方向に向けておくことができて精度のよい免震装置を構成することができるものである。
その上、下方に向かって突設している上側の水平桁材の両側壁部と上方に向かって突設している下側の水平桁材の両側壁部とに上記ローラ案内面が形成され、これらの上下水平桁材間にローラを介在させて該ローラの軸方向の両端部に上記水平桁材の両側壁部間と同一間隔を存して削成することにより形成した周溝よりなる小径両端部を両側の上下ローラ案内面に転動自在に挟接させているので、組み合わせた上下挟圧部材の高さを低くすることができて建造物或いは展示ケース等の物品などの載荷物に対する支持が安定すると共に地震発生時にはローラの小径両端部が両側の上下ローラ案内面に接して正確且つ円滑に転動し、確実な免震機能を維持することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、一方の挟圧部材の水平桁材はその細長長方形状の水平板部の長辺側の両端縁に一定縦幅の側壁部を設けている一方、他方の挟圧部材の水平桁材はその細長長方形状の水平板部の中央部に上記一方の水平板部の両側壁部間に介在させるレール部を形成してなり、これらの上下挟圧部材の両側壁部とレール部に上記上下ローラ案内面をその長さ方向の両端部が側面からみて重なりあった状態となるように夫々形成しているので、一方の水平桁材の両側壁部間の空間内に他方の水平桁材に設けているレール部が嵌まり込んだ状態とな全体の高さが一層低くして安定性が向上した免震装置を構成することができる。
本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1〜図3においてA1は上側免震機構であって、平面矩形枠状に組み合わせた上下挟圧部材1、2の対向面四方に設けている各上下案内面3、4間に断面円形のローラ5を同一方向に転動自在に介在させてなるものである。A2は下側免震機構であって、上側免震機構A1と同様に、平面矩形枠状に組み合わせた上下挟圧部材1、2の対向面四方に設けている各上下案内面3、4間に断面円形のローラ5を上側免震機構A1のローラ転動方向に対して直交する方向に転動自在に介在させてなるものである。これらの上下免震機構A1、A2は互いに直交するように重ね合わせている他はその具体的な構造は同一であるので、上側免震機構A1の構造を以下に説明して下側の免震機構A2の詳細な説明を省略する。
上側免震機構A1の上下挟圧部材1、2において、上側挟圧部材1は一定長さと幅を有する溝形鋼からなる細長長方形状の水平桁材1a、1aを前後に一定間隔を存して並設し、これらの水平桁材1a、1aの長さ方向の両端間を一定長さと幅を有する連結フレーム材1b、1bによって一体に固着して矩形枠状に形成してなり、前後水平桁材1a、1aの長辺側の両側端縁には溝形鋼のフランジ部からなる一定縦幅を有する側壁部1c、1cを下方に直角に向けて突設していると共に両側壁部1c、1cの長さ方向の両側部に図3に示すように、長さ方向に一定間隔を存して下方に向けて凹状のローラ案内面3、3を形成している。
下側挟圧部材2は連結フレーム1b、1bを用いていない上記上側挟圧部材1を反転させた形状に形成されているものである。即ち、この下側挟圧部材2は上記上側挟圧部材1の水平桁材1aと同一長さ、同一幅の溝形鋼からなる細長長方形状の水平桁材2a、2aを前後に上記上側挟圧部材1の水平桁材1a、1aと同一間隔を存して並設してなり、これらの前後水平桁材2a、2aの長辺側の両側端縁には溝形鋼のフランジ部からなる一定縦幅を有する側壁部2c、2cを上方に直角に向けて突設していると共に両側壁部2c、2cの長さ方向の両側部に、図3に示すように、長さ方向に上記上側挟圧部材1の前後ローラ案内面3、3と同一間隔を存して上方に向けて凹状のローラ案内面4、4を形成した構造を有している。勿論、この下側挟圧部材2も上側挟圧部材1と同様に前後水平桁材2a、2aの長さ方向の両端間を連結フレーム材によって一体に連結して上側挟圧部材1と同大、同形の矩形枠状に形成しておいてもよい。なお、上下挟圧部材1、2の水平桁材1a、1a及び2a、2aの側壁部1c、1c及び2c、2cは、上記溝形鋼のように長辺側の両側端縁に全長に亘って設ける以外に、ローラ案内面3、4を形成する長さ部分だけに設けておいてもよい。
上記上下挟圧部材1、2を重ね合わせることによって上下に対向する1組のローラ案内面3、4が四方に全ての組みの上下ローラ案内面3、4を同一方向(図においては左右方向)に向けた状態で設けられるものであるが、各上下案内面3、4間に介在させるローラ5は、図4に示すように、その軸方向の両端部に上記水平桁材の両側壁部間と同一間隔を存して周溝5d、5dを削成することにより同一軸心上に断面円形で同一径の小径両端部5a、5aを形成してあり、この周溝5d、5d内に上下挟圧部材1、2の水平桁材1a、2aに設けているローラ案内面部分の両側壁部1c、2cを上下方向からそれぞれ嵌め込んで上下ローラ案内面3、4を小径両端部5a、5aの上下周端面にそれぞれ挟接させ、ローラ5をこれらの上下ローラ案内面3、4に接して転動可能に構成している。
ローラ5は上記小径両端部5a、5aの形成によって該小径両端部5a、5a間の中央ローラ部分5bと両端部5cとは大径に形成されているが、中央ローラ部分5bは小径に形成して上記小径両端部5a、5aの両側部を大径フランジ部に形成しておいてもよく、要するに大径部分が上下挟圧部材3、4における上下水平桁材1a、2aの対向面に接しないように上記周溝5dの深さを設定している。
上下ローラ案内面3、4の形状は、図4に示すものにおいては横向きS字形状に形成されている。即ち、上側のローラ案内面3は、その長さ方向の中央部を上方に向かって円弧状に湾曲した凹弧状曲面3aに形成していると共にその凹弧状曲面3aの両端からの延長部分を下方に向かって円弧状に湾曲した凸弧状曲面3bに形成し、これらの凹弧状曲面3aと凸弧状曲面3bとは徐々にその曲率半径を変化させて滑らかに連なっている。下側のローラ案内面4はこの上側ローラ案内面4を反転させた対称形状に形成されている。即ち、その長さ方向の中央部を下方に向かって円弧状に湾曲した凹弧状曲面4aに形成していると共にその凹弧状曲面4aの両端からの延長部分を上方に向かって円弧状に湾曲した凸弧状曲面4bに形成している。
上側免震機構A1は上記のように構成されており、下側免震機構A2は上側免震機構A1と同一構造を有しているので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。この下側免震機構A2を図1においてはその上下挟圧部材1、2の水平桁材1a、1a及び2a、2aを夫々左右に配した状態で下側挟圧部材2を設置面に固定させると共にこの下側免震機構A2上に上側免震機構A1をその上下挟圧部材1、2の水平桁材1a、1aを両側方に配した状態、即ち、下側免震機構A2に直交させた状態に重ね合わせることによって免震装置を構成し、この免震装置の上側免震機構A1の上側挟圧部材1上に建造物や展示ケース、或いは各種機器類、床材等の載荷物Cを設置して地震発生時に載荷物Cに震動が伝達するのを抑制するものである。
下側免震機構A2を構成した上下挟圧部材1、2においては、上側挟圧部材1における左右に一定間隔を存して並設した水平桁材1a、1aの両端間は連結フレーム材により連結しておいてもよいが図においては連結フレーム材を用いてない。一方、下側挟圧部材2における左右に上記水平桁材1a、1a間と同一間隔を存して並設している水平桁材2a、2aの両端間は連結フレーム材2b、2bによって連結している。そして上側免震機構A1の下側挟圧部材2の水平桁材2a、2aと下側免震機構A2の上側挟圧部材1の水平桁材1a、1aとを直交させた状態で背中合わせに井桁状に組み合わせて溶接等により一体に連結しておき、下側免震機構A2の矩形枠状に形成している下側挟圧部材2上に下側免震機構A2の上記上側挟圧部材1を上下に対向する各ローラ案内面3、4間にローラ5を介在させて重ね合わせたのち、上側免震機構A1の上記下側挟圧部材2上に矩形枠状に形成している上側挟圧部材1を上下に対向する各ローラ案内面3、4間にローラ5を介在させて重ね合わせることにより免震装置を構成するものである。
この免震装置の免震作用を述べると、地震が発生した場合における左右の揺れと前後の揺れをそれぞれ上側免震機構A1と下側免震機構A2とによって免震するものであるが、左右方向の揺れも前後方向の揺れも同じ作用でもって免震するので以下に上側免震機構A1の作用を説明する。
地震が発生すれば、免震機構A1の矩形枠状の下側挟圧部材2が左右に揺れ、該下側挟圧部材2の四方に設けている下側ローラ案内面4が同一方向に移動して該ローラ案内面4の凹弧状曲面4aの最も低位置の中央部上で静止していたローラ5がこの凹弧状曲面4aの上向き傾斜曲面上を転動し、その転動によって上側挟圧部材1がローラ5の転動距離だけ下側挟圧部材2に対して反対方向に相対移動させられる。即ち、ローラ5が図4において下側挟圧部材2のローラ案内面4における凹弧状曲面4aの中央上から右側の凸弧状曲面4b上にまで転動すると、上側挟圧部材1がローラ5の静止位置であるローラ案内面3における凹弧状曲面3aの中央から左側の凸弧状曲面3bにまで変移し、載荷物Cは上下ローラ案内面3、4の凹弧状曲面3a、4aの中央部から凸弧状曲面3b、4bの突出高さの和に相当する高さだけ持ち上げられる。
なお、ローラ案内面3、4のローラ転動方向の長さは、地震時の想定最大水平振幅(例えば30cm) を考慮して設定すればよい。また、ローラ案内面3、4の長さ方向の両端部には、図2、図3に示すように互いに対向する方向に屈曲形成した端面よりなるローラ5の離脱防止用ストッパ3c、4cが形成されている。上記凹弧状曲面3a、4aと凸弧状曲面3b、4bからなるローラ案内面3、4の形状としては、本願出願人が特公昭62ー32300 号公報において開示しているように、上下挟圧部材間に互いに軸が偏心した2つのローラからなる偏心ローラを介設した免震装置を、地盤と建物間に設けた時、地震によって動く建物質点の軌道をあてはめればよい。上記偏心ローラの場合は、ローラ転動距離ローラ径及び回転角度(0〜180 度) によって制限されるが、本発明の場合にはローラ案内面3、4を曲面として復元力をもたせたので、ローラ転動距離を任意の長さに設定できるという利点がある。
このようなローラ案内面3、4の曲面形状は、図5に示すように、凹弧状曲面の最低点、即ち、免震機構が静止状態においてローラ5が接している点Oを原点とし、この点Oから水平方向にY軸、垂直方向にZ軸をとると共に該最低点Oからのローラ案内面3、4の水平方向の長さをYm、垂直方向の高さをZmとすると、YZ座標において次の数式のコサイン曲線で表される。
Figure 2004190862
上記曲線は、原点OにおいてはY軸に対する勾配が零で、原点Oから離れるに従って勾配が徐々に増加し、凹弧状曲面から凸弧状曲面に連なる点で勾配が最大となった後に徐々に減少して凸弧状曲面の終点P(Ym,Zm)で勾配が零となる特性を有している。
上述したようにローラ5が下側挟圧部材2のローラ案内面4における凹弧状曲面4aの中央上から右側の凸弧状曲面4b上にまで転動する時に、上下ローラ案内面3、4は上記のように中央部を凹弧状曲面3a、4aに形成していると共にこの凹弧状曲面3a、4aの両端から該凹弧状曲面3a、4aの延長部分を凸弧状曲面3b、4bに形成しているので、ローラ5が上記静止位置からX距離だけ転動すると、その間における載荷物Cの復元力Fは、図12の点線で示すような非線形である湾曲線となり、従って、ローラ5の支承部のバネ定数(復元特性)が該ローラ5の転動に従って変化すると共にその変化に応じて免震機構A1の固有震動数が変化して種々の震動波に対しても殆ど共振することがなく、免震作用を奏するものである。なお、上記ローラ案内面3、4の形状は上記軌道に限定されるものではない。
図6は上下免震機構A1、A2における全ての上下ローラ案内面3、4において、一方のローラ案内面3を水平線状の直状面3'に形成し、他方のローラ案内面4を上記同様に、その中央部を凹弧状曲面4aに形成していると共にこの凹弧状曲面4aの両端から該凹弧状曲面3a、4aの延長部分を凸弧状曲面4bに形成しているものであり、このように構成した場合においても、ローラ5が静止位置からX距離だけ転動すると、その間における載荷物Cの復元力Fは、図12の点線で示すような非線形である緩やかな湾曲線となり、従って、一定した固有振動数が生ずることがなく、地震波と共振しない免震構造を構成し得るものである。
このように地震波と共振する虞れが殆ど生じないようにするには、上記上下ローラ案内面3、4のように直線状或いは曲率半径が長さ方向に連続的に変化した曲面とする以外に一定の曲率半径の曲面からなるローラ案内面であってもよく、或いは、一方のローラ案内面を一定の曲率半径を有する凹弧状のローラ案内面に形成し、他方のローラ案内面を直線状又は一方のローラ案内面と異なる曲率半径を有する凹弧状のローラ案内面に形成しておけばよい。このように構成した場合においても、ローラ5が静止位置からX距離だけ転動すると、その間における載荷物Cの復元力は、図12の一点鎖線で示すような非線形となる。
上下ローラ案内面3、4に接するローラ5は、上述したようにその軸方向の両端部に周溝5d、5dを削成することにより断面円形の同径で且つ同一中心軸の小径両端部5a、5aを形成してあり、この周溝5d、5d内に上下挟圧部材1、2の水平桁材1a、2aに設けているローラ案内面部分の両側壁部1c、2cを上下方向からそれぞれ嵌め込んで上下ローラ案内面3、4を小径両端部5a、5aの上下周端面にそれぞれ挟接させているので、ローラ5が上下水平桁材1a、2aの両側壁部1c、2cによって両端支持状態で挟持されてぐらついたり軸方向に偏位することなく、さらには曲げ応力を受けることなく上下水平桁材1a、2aの両側壁部1c、2cに沿って正確な方向に円滑に転動するものであり、その上、上下挟圧部材1、2は予め、矩形枠状に組み合わされてその並設水平桁材の両端側、即ち、平面からみた場合に四方部分にローラ案内面を同一方向に向けて形成されているから、全てのローラ案内面が同時に一斉に同一方向に移動し、精度のよい免震装置を構成することができる。
図7〜図9は免震機構を構成する上下挟圧部材1、2において、一方の挟圧部材1の両側水平桁材1a、1aの形状としては上記同様にその長辺側両端縁に一定縦幅の側壁部1c、1cを形成して該側壁部1c、1cに長さ方向に一定間隔を存してローラ案内面3を形成しているが、他方の挟圧部材2としてはその両側水平桁材2a、2aとして上述したような溝形鋼からなるものではなく、一方の挟圧部材1の水平桁材1aと平面形状が同じ水平鋼板の中央部に一方の挟圧部材1の水平桁材1aに突設した両側壁部1c、1c間に介在させるレール部2c’を一体に設けて、このレール部2c' に一方の水平桁材1aに形成しているローラ案内面3、3に対向したローラ案内面4、4を形成し、これらの各上下ローラ案内面3、4間にローラ5'を介在させてなるものである。
このように構成すると、上下ローラ案内面3、4の長さ方向の両端部が側面からみて重なり合った状態となり、上下挟圧部材1、2によって形成された免震機構A1、A2の厚み(高さ)を一層低くすることができて、載荷物Cをより安定的に支持することができるものである。なお、上記レール部2c' は2条の平行なレール部に形成しておくと共にローラも連結中心軸によって一体化した両端に大径フランジ部を有する左右一対のローラに形成してその周溝からなる小径端部を両側の上下ローラ案内面3、4間にそれぞれ介在させておいてもよい。図10に示す免震装置は、軸芯延長方向に対向したローラ5、5間を軸5eで一体に連結したものである。このように構成すると、地震時にローラ5が浮き上がろうとするのを互いに軸5eを介して阻止することができる。
以上のいずれの免震装置においても、地震がおさまった際に、ローラが速やかに元の静止位置で停止して上下挟圧部材1、2を現状に復帰させるための振動減衰手段Dが配設されている。この振動減衰手段Dは図3に示すように、粘性オイル6と抵抗部材7とからなり、粘性オイル6は下側の免震機構A2における上下挟圧部材1、2の枠内に配設されて外周壁部を下側挟圧部材2の枠の内周面に一体に固着された円形皿状のオイル容器8内に充填されている一方、抵抗部材7は上側免震機構A1の上側挟圧部材1における両水平桁材1a、1aの中央部間に連結した支持梁部材9の下面中央に一体に固着されてあり、該免震機構A1の上下挟圧部材1、2の枠内中央部を通じてオイル容器8内に充填されている上記粘性オイル6内にその下半部を没入させている。
このように、下側免震機構A2の下側挟圧部材2の枠内にオイル容器8を固定すると共に上側免震機構A1の上側挟圧部材1の枠内中央部に抵抗部材7を垂設しているので、矩形枠状挟圧部材1、2の空間部内を振動減衰手段Dの配設に有効利用できるばかりでなく、地震発生時においては抵抗部材7がオイル容器8内で前後左右に水平移動して震動エネルギーを確実に吸収減衰させることができる。
免震装置全体の平面図、 そのYーY線における縦断側面図、 そのXーX線における縦断正面図、 要部の拡大縦断正面図、 ローラ案内面の曲線を数式で求めるための説明図、 別な形状のローラ案内面に形成した要部の拡大縦断正面図、 上下挟圧部材を重なり合わせている免震装置の縦断正面図、 その要部の拡大縦断側面図、 その要部の拡大縦断正面図、 軸芯延長方向に対向するローラ間を連結した免震装置の縦断側面図、 従来例の簡略正面図、 特性線図。
符号の説明
A1 上側免震機構
A2 下側免震機構
1 上側挟圧部材
2 下側挟圧部材
1a、2a 水平桁材
1c、2c 側壁部
3 上側ローラ案内面
4 下側ローラ案内面
3a、4a 凹弧状曲面
3b、4b 凸弧状曲面
5 ローラ
5a 小径端部

Claims (2)

  1. 上下挟圧部材の対向面にローラ案内面を設けると共にこれらの上下ローラ案内面間に断面円形のローラを同一水平方向に転動自在に介在させることにより免震機構を形成し、この免震機構を上側の免震機構のローラ転動方向と下側の免震機構のローラ転動方向とが交差するように上下に一体に組み合わせてなる免震装置において、上記上下挟圧部材は、夫々一定間隔を存して並設した水平桁材を備えてあり、上側の挟圧部材の水平桁材の長辺側両端縁に下方に向かって一定縦幅の側壁部を設けている一方、下側の挟圧部材の水平桁材の長辺側両端縁に上方に向かって一定高さの側壁部を設けてこれらの上下水平桁材の対向する両側壁部に上記上下ローラ案内面を形成し、さらに、上下水平桁材間にローラを介在させて該ローラの軸方向の両端部に上記水平桁材の両側壁部間と同一間隔を存して削成することにより形成した周溝よりなる小径両端部を両側の上下ローラ案内面に転動自在に挟接させていることを特徴とする免震装置。
  2. 上下挟圧部材の対向面にローラ案内面を設けると共にこれらの上下ローラ案内面間に断面円形のローラを同一水平方向に転動自在に介在させることにより免震機構を形成し、この免震機構を上側の免震機構のローラ転動方向と下側の免震機構のローラ転動方向とが交差するように上下に一体に組み合わせてなる免震装置において、上記上下挟圧部材は、夫々一定間隔を存して並設した水平桁材を備えてあり、その一方の挟圧部材の両水平桁材における長辺側の両端縁に一定縦幅の側壁部を設けると共に、他方の挟圧部材の両水平桁材における中央部に上記一方の挟圧部材の側壁部間に介在させるレール部を形成し、これらの上下挟圧部材の両側壁部とレール部とに上記上下ローラ案内面をその長さ方向の両端部が側面からみて重なりあった状態となるように夫々形成していることを特徴とする免震装置。
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