JP2004190725A - 歯付ベルト - Google Patents

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英治 松村
Masato Tomobuchi
正人 友淵
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浩 菊地
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Abstract

【課題】常温での使用状態における耐久性、高温雰囲気中での使用状態における耐熱耐久性、及び注水雰囲気中での使用状態における耐水耐久性を向上させた歯付ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】歯付ベルトは、長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、該ベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、該歯部の表面を被覆した歯布6とで構成される。歯布6は、原反がRFL組成物8の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液に浸漬してディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理することにより、歯布表面に架橋被膜7が形成されている。歯布6は、表面に形成された架橋被膜7により強化され、この歯布6を使用した歯付ベルトは、耐久性、耐熱耐久性及び耐水耐久性が優れたものとなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性、耐熱耐久性、耐水耐久性を向上させた歯付ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
歯付ベルトは、長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、このベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、この歯部の表面に接着した歯布とで構成され、一般産業機械あるいは一般機器の伝動用、自動車内燃機関のオーバーヘッドカムシャフトの駆動用等として用いられる。このような歯付ベルトは、特許第2942459号公報にみられるように公知である。
【0003】
従来の歯付ベルトは、ベルト本体のゴムに、クロロプレンを主原料とするゴムが使用され、この他にニトリルゴム(NBR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を主原料とするゴムが使用されている。
【0004】
歯布は、レゾルシンとホルマリンとの反応物と、各種ラテックスを混合して得られるRFL組成物の溶液に浸漬して含浸処理したもの、また、心線は、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維等のマルチフィラメント糸をRFL組成物の溶液に浸漬して含浸処理したもの等が用いられている。
【0005】
この歯付ベルトは、歯部形成用溝を有する円筒状金型の表面に歯布を巻き付け、その上に心線をスパイラル状に巻き、さらにその上に未加硫ゴムシートを巻き付けた後、これを加硫缶に入れて外周側から加圧し、加熱することにより、ゴムを軟化させて歯部を形成すると共に成形加硫して製造される。
【0006】
【特許文献1】
特許第2942459号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
昨今、自動車の高性能化、高級化が進むにつれ、自動車エンジンの高性能化が要求され、それに伴って、歯付ベルトが使用される環境温度が上昇し、従来のクロロプレンを主原料とするゴム、あるいはクロロスルフォン化ポリエチレンを主原料とするゴムで形成されたベルト本体と、RFL組成物の溶液で含浸処理した歯布とで構成された歯付ベルトでは、耐久性が不十分で、高温雰囲気中での使用状態における耐熱耐久性が不十分である、という問題がある。
【0008】
また、歯布がRFL組成物の溶液で含浸処理されただけのものでは、室温での使用状態における耐久性も不十分であるため、さらに歯布にゴム糊を付与して歯に接着することも行われているが、このようにすると、ゴムとの接着強度が高まるものの、やはり耐久性、耐水耐久性が不十分である、という問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決し、耐久性、耐熱性および耐水性、特に、高温雰囲気中での使用状態における耐熱耐久性、および注水雰囲気中での使用状態における耐水耐久性を向上させた歯付ベルトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、歯付ベルトの成形加硫前に、歯布をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)組成物の溶液に浸漬して含浸処理した後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解したもので被覆処理することにより上記問題点を解決したものである。
請求項1に係る本発明は、長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、該ベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、該歯部の表面を被覆した歯布とで構成された歯付ベルトにおいて、前記歯布は、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液に浸漬してディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理することにより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されている歯付ベルト、という構成としたものである。
請求項2に係る本発明は、長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、該ベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、該歯部の表面を被覆した歯布とで構成された歯付ベルトにおいて、前記歯布は、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物でディッピング処理、またはスプレッディング処理することより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されている歯付ベルト、という構成としたものである。
【0011】
【作用】
請求項1に係る本発明の場合、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)組成物の溶液に浸漬して含浸処理された歯布が、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液に浸漬してディッピング処理、または該溶液でスプレッディング処理されることにより、RFL組成物のラテックスLと有機加酸化物架橋剤とが反応して架橋されたラテックスはエラストマーとなる。歯布は、このラテックスが架橋されることにより強化され、この歯布で構成された歯付ベルトは、常温使用での耐久性、耐熱耐久性及び耐水耐久性が向上する。以下、架橋されたラテックス、ゴムラテックスなどの膜を架橋被膜と称する。
請求項2に係る本発明の場合、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)組成物の溶液に浸漬して含浸処理された歯布が、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物でディッピング処理、またはスプレッディング処理されることより、RFL組成物のラテックスL、ゴムコンパウンド等が有機加酸化物架橋剤とが反応して形成された架橋被膜で被覆される。歯布は、架橋被膜で被覆されることにより強化され、この歯布を使用した歯付ベルトは、常温使用での耐久性、耐熱耐久性及び耐水耐久性が向上したものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例1を図1〜図2に基づいて説明する。図1は歯付ベルトの一部を断面で示した斜視図、図2は架橋被膜で被覆された歯布の部分断面図である。歯付ベルト1は、長手方向に心線2が埋設されたゴム層3からなるベルト本体4と、このベルト本体4の表面に形成された複数の歯部5と、この歯部5の表面を被覆した歯布6とで構成される。
【0013】
心線2は、複数本のガラス繊維のマルチフィラメントを下撚りし、これを複数本引きそろえて上撚りした後、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)組成物の溶液に浸漬して含浸処理したグラスコードである。この実施例1では、心線として、グラスコードを用いているが、他にポリエステルコード、ナイロンコード、アラミドコード、スチールコード等、通常、歯付ベルトの心線としてして用いられているコードを使用しても構わない。
【0014】
ゴム層3は、クロロプレン(CR)を主原料としたゴムからなる。他にゴム層として、天然ゴム(NR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が使用され、ゴムは通常歯付ベルトのゴム材料として使用されているものであればその材質は問わない。
【0015】
歯布6は、斜文織組織の織物(原反)をRFL組成物の溶液、例えば、RF液(レゾルシン、ホルマリン、NaOH、精製水)とL液(ラテックス、アンモニア、精製液)の溶液に浸漬含浸処理してから乾燥した後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液でディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理することにより、図2に示すように、少なくとも一方の表面が架橋被膜7で被覆されたものである。
【0016】
この歯布6は、RFLのラテックスが有機加酸化物架橋剤と反応して形成された架橋被膜7により強化される。また、歯布6は、歯付プーリと接触する側に架橋被膜が形成されていれば、本発明の目的を達成できるので、少なくとも一方の表面が架橋被膜で被覆されていればよい。なお、図2における6aは歯布6のベルト長手方向の糸(織物の緯糸)、6bはベルト長手方向と直交する方向の糸(織物の経糸)、8はRFL組成物である。
【0017】
上記歯布を構成する織物(原反)は、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等のマルチフィラメント糸または紡績糸で織成されたものであり、斜文織組織の他に、織物組織が平織組織あるいは繻子織組織等の織物が使用される。
【0018】
RFL組成物のラテックス(L)成分としては、ビニルピリジン(Vp)ラテックス、H−NBRラテックス、NBRラテックス、CNBRラテックス、CH−NBRラテックス、SBRラテックス等有機加酸化物架橋剤と反応して架橋構造となるラテックスならば何でもよいが、ゴム層との相性及び必要物性によって選択する。
【0019】
RFL組成物を構成するレゾルシンとホルマリンの縮合物であるレゾルシノール(RF)とラテックス(L)との質量比は物性に大きく影響し、RF(固形分)とラテックス(L)との質量比がRFの1に対してLが5〜15の範囲が望ましい。Lが5以下の場合処理条件にもよるが、硬く脆くなりすぎ、歯付ベルトの騒音が大きくなったり、成形不良が発生する。また、Lが15以上になると、逆に軟化しすぎ、原反との接着性が低下し、耐摩耗性の低下、ゴム層との接着性が悪くなる。
【0020】
歯布6は、原反をRFL組成物の溶液に浸漬し含浸処理されたものであるが、この場合、処理を行っていない原反に付着するRFL組成物の付着量は、原反と処理後のRFL組成物付着量との質量比は、原反1に対して、0.05〜0.4の範囲が望ましい。0.05以下とするとゴム層との接着力不足及び歯部の耐摩耗性が著しく悪くなる。また、0.4以上付着させた場合は、歯布が硬くなりすぎ成形不良等ベルトの物性低下を招く恐れがある。
【0021】
RFL組成物の溶液で含浸処理した歯布は、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液でディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理されるが、この有機加酸化物架橋剤としては、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ジアルキルパーオキサイド系、パーケタール系のいずれも使用し得るが、加工性、安全性、保存性、反応性等を顧慮に入れると、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−ジ−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジメチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジメチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジメチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ2−エチル−ヘキシルカーボネート等が実用上で好ましいものとして挙げられる。また、有機溶剤は、エーテル、エタノール、アセトン等、有機加酸化物架橋剤を溶解できるものが適宜に使用される。
【0022】
有機加酸化物架橋剤の付着量は、RFL組成物のラテックス(L)の質量1gに対して、−O−O−基量で0.0006〜0.009gの範囲が望ましい。0.0006g以下の場合、ラテックス(L)の架橋が不十分となり、RFL被膜の耐摩耗性の悪化や水及び油に対する膨潤性が大きくなり、さらに熱的にも温度依存性が増し、物性(物性値)が低下する。0.009g以上の場合、硬化しすぎ、RFL自体が脆くなり、歯布の引っぱり強度低下、屈曲疲労性、成形性が悪化する。
【0023】
歯付ベルト1は、以下のように製造される。すなわち、歯部形成用溝を有する円筒状金型の外表面に、架橋被膜7が円筒状金型側になるように歯布6を巻き付け、その上に心線2を一定張力でスパイラル状に巻き、さらにその上にゴム層3となる未加硫ゴムシートを巻き付けた後、加硫缶に入れて外周側から加圧し、蒸気で加熱する。歯付ベルト1は、この加圧・加熱によりゴムを軟化させて歯部5が形成されると共に、歯布6が歯部表面側に接着され、ゴムが加硫して製造される。
【0024】
なお、歯付ベルトを両面に歯部が形成された両面歯付ベルトを製造する場合は、上記の未加硫ゴムシートの外側に歯布を重ねた状態で巻き付け、加硫缶に入れて加熱成形して一方の表面に歯部を形成し、しかる後、歯付ベルトを取り出して2つのプーリ間に捲回して、成形用プレス金型などで、他方の表面に歯部を形成して成形加硫する。
【0025】
本発明の実施例2を図3に基づいて説明する。図3は架橋被膜で被覆された歯布10の部分断面図である。この実施例2の歯付ベルト(図示略)は、前記実施例1の歯付ベルト1と歯布が異なるのみで、他の構成、すなわち心線、ゴム層等は異ならないので、歯布10について、前記実施例1と共通する部材には同一符号を付して以下説明する。
【0026】
歯布10は、前記実施例1と同様に、まず原反をRFL組成物の溶液に浸漬含浸処理した後に乾燥される。しかる後、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物(ゴム糊)でディッピング処理、または該溶解物(ゴム糊)をドクターナイフなどでスプレッディング処理することより、図3に示すように、歯布表面を架橋被膜11で被覆したものである。
【0027】
この場合、RFL組成物の溶液に浸漬して含浸処理された歯布は、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物でディッピング処理、またはスプレッディング処理されることより、RFL組成物のラテックスL、ゴムコンパウンド等が有機加酸化物架橋剤と反応して形成された架橋被膜11で被覆され、強化されたものとなる。
【0028】
歯付ベルトは、前記実施例1と同様に、歯部形成用溝を有する円筒状金型の外表面に、架橋被膜11が円筒状金型側になるように歯布10を巻き付け、その上に心線を一定張力でスパイラル状に巻き、さらにその上にゴム層となる未加硫ゴムシートを巻き付けた後、加硫缶に入れて外周側から加圧し、加熱することにより、ゴムを軟化させて歯部5を形成すると共に、歯布6を歯部表面側に接着し成形加硫して製造される。
【0029】
以上、実施例1、2の歯付ベルトの構成について説明したが、これら歯付ベルト及び従来の歯付ベルト(比較例)の耐久性、耐熱耐久性、耐水耐久性の試験結果を表1に示す。
【0030】
上記各耐久性の試験に使用した歯付ベルトは、心線として、複数本のガラス繊維のマルチフィラメントを下撚りし、これを複数本引きそろえて上撚りした後、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)組成物の溶液に浸漬して含浸処理したグラスコードを使用し、ゴム層のゴムとして、クロロプレン(CR)を主原料としたゴムを使用し、それぞれ異なった歯布を歯部表面側に接着して製造されたものである。
【0031】
この歯付ベルトのグラスコード及びゴム層のゴムは、比較例、本発明ともに共通するもので、本発明のように歯布表面が架橋被膜で被覆された歯布を使用した歯付ベルトがそれぞれの耐久性に優れていることを示すために、共通のものとして耐久性試験を行ったものである。
【0032】
比較例としての従来の歯付ベルトAは、歯布として、斜文織組織の織物(原反)をRFL(L成分;ビニルピリジンラテックス)組成物の溶液に浸漬含浸処理した歯布を使用したものである。
【0033】
本発明の歯付ベルトBは、前記実施例1の歯付ベルトに相当するもので、歯布として、斜文織組織の織物(原反)をRFL(L成分;ビニルピリジンラテックス)組成物の溶液に浸漬含浸処理して乾燥した後、有機加酸化物架橋剤(ジクミルパーオキサイド)を有機溶剤に溶解した溶液でディッピング処理することにより、表面が架橋被膜で被覆された歯布を使用したものである。
【0034】
本発明の歯付ベルトCは、前記実施例2の歯付ベルトに相当するもので、歯布として、斜文織組織の織物(原反)をRFL(L成分;ビニルピリジンラテックス)組成物の溶液に浸漬含浸処理して乾燥した後、有機加酸化物架橋剤(ジクミルパーオキサイド)が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物(ゴム糊)をドクターナイフなどでスプレッディング処理することより、表面が架橋被膜で被覆された歯布を使用したものである。
【0035】
各歯付ベルトの耐久試験は、駆動歯付プーリ(30歯)と従動歯付プーリ(30歯)との間に、ベルト長さ1000mm、歯ピッチ8mm、ベルト幅15mmのベルトサイズからなる歯付ベルトを捲回し、606Nの負荷を掛け、歯付プーリの回転速度3000rpmで走行試験を行い、その耐久性を歯面が摩耗し、クラックが発生する(肉眼での目視による)までの時間を測定したものである。
【0036】
【表1】
Figure 2004190725
【0037】
表1に示すように、室温(常温)での耐久性についてみると、従来の歯付ベルトが600時間で歯面が摩耗し、クラックが発生するのに対し、本発明の歯付ベルトB、Cはそれぞれ850時間、1100時間経過するまで、クラックが発生せず、本発明の歯付ベルトB、Cは常温使用での耐久性が従来の歯付ベルトより優れたものである。
【0038】
耐熱耐久性についてみると、温間(80℃)耐久時間が従来の歯付ベルトでは450時間であるのに対し、本発明の歯付ベルトB、Cはそれぞれ710時間、960時間であり、本発明の歯付ベルトB、Cは、高温雰囲気中での使用状態における耐熱耐久性が従来の歯付ベルトより優れたものである。
【0039】
耐水耐久性についてみると、室温での注水耐久時間が従来の歯付ベルトでは50時間であるのに対し、本発明の歯付ベルトB、Cはそれぞれ480時間、550時間であり、本発明の歯付ベルトB、Cは、注水雰囲気中での使用状態における耐水耐久性が従来の歯付ベルトより優れたものである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によれば、歯付ベルトの歯布が、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液に浸漬してディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理することにより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されているので、歯付ベルトをレゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物のラテックスと有機加酸化物架橋剤が反応して形成された架橋被膜で強化された歯布で形成されたものとすることができる。その結果、歯付ベルトの常温での耐久性、耐熱耐久性及び耐水耐久性を向上させることができる。
【0041】
請求項2に係る本発明によれば、歯付ベルトの歯布が、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物でディッピング処理、またはスプレッディング処理することより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されているので、歯付ベルトをレゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物のラテックス及びゴムコンパウンドが有機加酸化物架橋剤と反応して形成された架橋被膜で強化された歯布で形成されたものとすることができる。その結果、歯付ベルトの常温での耐久性、耐熱耐久性及び耐水耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示し、歯付ベルトの一部を断面で示した斜視図である。
【図2】同上、架橋被膜で被覆された歯布の部分断面図である。
【図3】本発明の実施例2を示し、架橋被膜で被覆された歯布の部分断面図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト
2 心線
3 ゴム層
4 ベルト本体
5 歯部
6 歯布
6a 歯布のベルト長手方向の糸
6b ベルト長手方向と直交する方向の糸
7 架橋被膜
8 RFL組成物
10 歯布
11 架橋被膜

Claims (2)

  1. 長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、該ベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、該歯部の表面を被覆した歯布とで構成された歯付ベルトにおいて、
    前記歯布は、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤を有機溶剤に溶解した溶液に浸漬してディッピング処理、または該溶液をスプレッディング処理することにより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されていることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 長手方向に心線が埋設されたゴム層からなるベルト本体と、該ベルト本体の表面に形成された複数の歯部と、該歯部の表面を被覆した歯布とで構成された歯付ベルトにおいて、
    前記歯布は、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス組成物の溶液に浸漬して含浸処理された後、有機加酸化物架橋剤が配合されたゴムコンパウンドを有機溶剤に溶解した溶解物でディッピング処理、またはスプレッディング処理することより、少なくとも一方の歯布表面が被覆処理されていることを特徴とする歯付ベルト。
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