JP2004190645A - 差圧調整弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】差圧調整弁前後の差圧の大きさによって、差圧が所定圧以下のときには固定絞りとして機能し、所定圧以上になったときには絞りを差圧の大きさによって可変とする差圧調整弁を提供する。
【解決手段】差圧調整弁における油路10の圧油のPLSV圧と油路11の圧油のPLSp圧との差圧により、同差圧が所定圧以下のときには、差圧によりスプール3を右方向に押しリテーナ5に当接するまで移動する。この間、油路11から入った圧油は、油室12→油路14→絞り16→油路21→切り欠き25→油路22→切り穴19→油路15→油室13→油路11を通り差圧調整弁の外部にPLSP圧として流出される。差圧が所定圧以上となり、スプール3を押圧する力がバネ7のバネ力より大きくなると、スプール3をバネ7に抗しながら右方向へ移動させ、油路10の圧油は、油室12→油路14→切り穴18→切り欠き26→油路21→切り欠き25→油路22→切り穴19→油路15→油室13→油路11に導かれる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧制御システムにおいて、システムの安定化を目的として配される差圧調整弁に関し、特に可変容量型油圧ポンプの圧力を補償するために配される差圧調整弁に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、油圧アクチュエータ等の油圧制御機構への油圧流れを制限し、それにより油圧管路の油圧変動に対して制御機構の安定性を得るために、差圧調整弁を油圧管路に配した油圧制御システムが種々提案されている。
【0003】
油圧制御システムにおいて一対のチェック弁を作動調整弁として用いたもの(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。特許文献1に記載されたものは、図12、13に示す構成を備えている。以下に、図12、13を用いて特許文献1に記載された作動調整弁について説明する。
【0004】
図12に示すように、反対極性である一対のチェック弁87、88が流体管路80及び負荷感知/圧力補償システム82内に連結されている。チェック弁88は、図12の左から右への流体流れに対して流体の所定圧までは流量ゼロを維持し、所定圧以上になると流体圧によって弁要素90が弁座91からバネ92の力に抗して離れるようになり、流体を左から右へと流す。同様に弁88の図12における右から左への流体流れに対して、流体の所定圧までは流量ゼロを維持し、その後流体圧の増加にともなってバネ93の力に抗して流体流れを増加させる。
【0005】
図13は、一対のチェック弁87、88を2方向チェック弁アセンブリ100として示したものであり、図12に示す2つのチェック弁87、88が単一アセンブリ内に組み込まれている状態を示している。弁アセンブリ100は円筒状ハウジング102からなり、一対のチェック弁要素108,109が空胴105内に伸縮及び摺動自在に配設されている。
【0006】
図13において左から右への流体圧が加わると、流体は端部プラグ103及び通路106を貫通して空胴105に入り込む。スピンドル109が流体圧力の下でコイルバネ115の力に抗して右側に移動するにつれ、流路112、113がショルダ114と重なり始め、流路を貫通する流体流れはショルダ114を通りスピンドル109と端部キャップ110の間の容積部に入り込み、さらに通路111と通路107を通過して弁アセンブリの外に流れ出す。左から右への流体の圧力が増加すると、スピンドル109を更に右側に動かし、流路112、113を通るより大きな流体流れを許している。
【0007】
同様に、図13において右から左に流体が加わると、キャップ110の端面116に加わる圧力で弁要素108及びスピンドル109を左側に付勢し、弁要素108及びスピンドル109を同時に左側に移動する。流体圧が増加するにつれ、ショルダ114は流路112、113と共に半径方向レジストリ内に入り、ショルダ114が流路112、113と重なり始め、流路を貫通する流体流れはショルダ114を通って流れ、通路117、118、119を通過してプラグ104の通路106から外部に流れ出る。
【0008】
このように、弁要素108及びスピンドル109に加わる流体の圧力が所定圧になるまで流体の流れをゼロ状態に維持し、流体の圧力が所定圧以上となると、ショルダ114及び通路112、113を介して流体は流れ始め、流体の圧力増加にともなって流量を増加させている。
【0009】
しかし、特許文献1に記載されたものでは、弁アッセンブリ100での流体圧が所定圧になったときになって始めて負荷感知圧力補償82に流体圧管路80からの流体が流れ込むことになる。このため、弁アッセンブリ100から負荷感知圧力補償82に流体が流れ込む最初の段階において、所定圧に高められた流体が衝撃圧となって負荷感知圧力補償82作用することになる。また、負荷感知圧力補償82から流体圧管路80に流れる流体も所定圧になったときになって始めて流れ出ることになり、負荷感知圧力補償82への流体の流入時及び流出時において負荷感知圧力補償82内で大きな変動をきたすことになる。
【0010】
また、流体圧が所定圧になったときになって初めて負荷感知圧力補償82に流体が流れ込むため、操作弁スプール前後の差圧ΔPLSとポンプのLS弁に作用する圧力差とが定常的に一致しなくなる。このため、レバーの操作量によって、作業スピードを決めることができるロードセンシングシステムの利点を生かしきれないという問題があった。
【0011】
また、低温状態の流体を用いたときに、低温によって粘性が高くなった流体を用いているにも関わらず、弁アッセンブリ100では流体の流れを開始する所定圧をばねによって設定することができるため、弁アッセンブリ100の作動は常温の時と同じ作動条件となってしまい、油温によってその作用を変化させると言うようなことはできなかった。
【0012】
【特許文献1】
特許第3292474号公報(2頁右欄49行から3頁左欄16行、3頁右欄27行から4頁右欄27行、第1図から第3図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記従来の問題を解決し、油圧制御システムに配された差圧調整弁において差圧調整弁から流出する圧油及び差圧調整弁に流入する圧油によって油圧制御システムに異常を発生させることなく、常に制御システムを安定した状態に保つことができ、しかも圧油が低温のときでも制御システムの応答性、安定性を向上させることのできる差圧調整弁を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明の課題は本件請求項1〜4に記載された各発明により達成される。
即ち、本件請求項1に係る発明は、絞りを可変とする差圧調整弁において、前記差圧調整弁が、所定の絞りを維持する第1モードと、絞りを拡大する第2モードとを備え、前記第1モードが、前記差圧調整弁前後の差圧が所定圧以下において行われ、前記第2モードが、前記差圧が所定圧以上のときに同差圧に応じて拡大されることを特徴とする差圧調整弁にある。
【0015】
この発明では、差圧調整弁前後の差圧が所定圧以下においては所定の絞りにて絞った圧油を差圧調整弁から流出させることができ、差圧が所定圧以上となったときには、同差圧に応じて絞りを大きくすることで圧油を差圧調整弁から流出させることができる。
【0016】
これにより、差圧調整弁前後の差圧が所定圧以上となる油圧アクチュエータの加減速時など応答性が必要な時には、絞りを大きくすることができ、差圧調整弁前後の差圧が所定圧以下となる定常速度時などの安定性が要求される時には差圧調整弁の絞りを固定絞りとすることができる。
【0017】
また、操作弁スプール前後の差圧ΔPLSとポンプのLS弁に作用する圧力差とが定常的には一致する。このため、レバーの操作量によって、作業機スピードを決めることができるロードセンシングシステムの利点を充分に生かすことができるようになる。
【0018】
しかも、差圧調整弁前後の差圧が所定圧以下の時でも差圧調整弁から圧油を流出させることができるので、差圧調整弁での絞りを変更する時に油圧制御システムに変動圧等を発生させることなく、油圧制御システムを安定した状態で実行することができる。
【0019】
本願請求項2に係わる発明は、請求項1の事項に加えて、第1モードが、差圧調整弁前後の差圧の中間圧が所定圧以下において行われ、第2モードが前記差圧の中間圧が所定圧以上のときに、同差圧の中間圧に応じて拡大される事項を限定した差圧調整弁にある。
【0020】
この発明では、差圧調整弁前後の差圧の中間圧を用いて、同中間圧が所定圧以下のときには所定の絞りを維持する第1モードを行わせ、同中間圧が所定圧以上のときには絞りを拡大する第2モードにおいて同中間圧に応じて絞りを拡大させている。絞りを変更する圧力を前記中間圧としているため、低い圧力で差圧調整弁を作動させることができ、差圧調整弁の構成をコンパクト化することができる。
【0021】
本願請求項3に係わる発明は、請求項1又は2の事項に加えて、差圧調整弁が前記差圧調整弁前後の差圧又は同差圧の中間圧に係わらず絞りの拡大を行わない第3モードを更に備え、差圧調整弁に流れる油圧の流れ方向に対応して、第1モード、第2モード及び第3モードとを適宜組合せたモードを行う事項を限定した差圧調整弁にある。
【0022】
この発明では、差圧調整弁に流れる圧油の流れ方向に応じて、両方向の流れに対して第1モードと第2モードとを行わせることや、一方向の流れに対しては第1モードと第2モードとを行わせ、逆方向の流れに対しては第3モードを行わせることなど、差圧調整弁を使用する油圧制御システムにおける種々の要求に応じて行わせることもできる。
【0023】
尚、流れ方向に対応する第1から第3モードの組み合わせは、上記記載例に限定されず、必要に応じて適宜組合せることができる。
【0024】
本願請求項4に係わる発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の事項に加えて、差圧調整弁に流れる油圧の流れ方向に対応して、第1モード及び第2モードにおける絞りの調整量を変更する事項を限定した差圧調整弁にある。
この発明では、流れ方向に応じて絞りを調整することができるので、差圧調整弁を配置する油圧制御システムの要求に応じた絞りとすることができる。
【0025】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
本願発明の差圧調整弁を適用した一例として、可変容量型ポンプに対する油圧制御システムを安定させるとともに前記可変容量型ポンプへの応答性が必要な時には応答性を高めることができるものとして、可変容量型ポンプに対する油圧制御システム内に配置した場合について述べる。しかし、本願発明の差圧調整弁は可変容量型ポンプに対する油圧制御システム内に設置することに限定されず、他の油圧制御システム内に配置して同油圧制御システムの安定性を確保し、制御システムの応答性等が必要な時には応答性を高めるために各種油圧制御システムに適用することが可能である。
【0026】
本発明の差圧調整弁を油圧制御システムに設置した実施例として、油圧アクチュエータにおける負荷変動等に対して同油圧アクチュエータに供給する可変容量型ポンプからの圧油の流量をオペレータによる操作量に応じて制御する油圧制御システムを例にとって説明する。
【0027】
可変容量型ポンプの容量制御としては、可変容量型油圧ポンプから吐出された圧油の状態を検出することで可変容量型油圧ポンプの斜板角を制御する方法が行われている。また、オペレータが操作する方向制御弁の操作量に応じて、同方向制御弁において閉じていくバルブ中立回路からタンクへの流量を一定とする制御も行われている。
【0028】
即ち、中立状態における方向制御弁のバルブ中立回路からタンクへの流量を仕事に用いられない、余っている流量として捉え、同余っている流量が大きいときには油圧ポンプの吐出量を小さくし、前記余っている流量が小さいときには油圧ポンプの吐出量を大きくすることによって、前記余っている流量を一定とする制御が行われている。
【0029】
油圧制御システムに本願発明の差圧調整弁を適用した実施例の説明として、図1を用いて、油圧ポンプから吐出された圧油の状態を検出することで油圧ポンプの斜板角を制御する油圧制御システムについて説明する。本願発明の差圧調整弁は、以下に説明する油圧制御システム以外にも、上述のオペレータが操作する方向制御弁の操作量に応じて、同方向制御弁において閉じていくバルブ中立回路からタンクへの流量を一定とする油圧制御システムにおいても、他の油圧制御システムにおいても適用可能な差圧調整弁である。
【0030】
最初に、図1において差圧調整弁A、Bが配置されていないものとして、図1に示す油圧制御システムについて説明し、その後で、差圧調整弁A、Bが配置された場合について説明する。
【0031】
可変容量型油圧ポンプ61はエンジン等の駆動手段62によって回転駆動され、可変容量型油圧ポンプ61から吐出する吐出圧Ppに対応した吐出流量Qは、斜板63の角度及び可変容量型圧油ポンプ61の回転数によって求めることができる。同斜板63の制御は、可変容量型油圧ポンプ61と油圧アクチュエータ65間に設けた操作弁64の操作弁出口の圧力(油圧アクチュエータの負荷圧ともなっている。)PLSと前記吐出圧Ppとの差圧△PLS(△PLS=Pp−PLS)が一定になるように制御される。
【0032】
吐出圧Ppは、ポンプ通路66から分岐した分岐通路71に取り出され、斜板63の角度を調整するサーボ弁68、LS弁(ロードセンシング弁)69及びPC弁(馬力制御弁)70の一方にそれぞれ導入される。また、操作弁64出口の圧力PLSは、LS弁69に導入される。操作弁64としては、方向制御弁等を用いることができる。
【0033】
サーボ弁68では、図の左側から作用するばね力及び吐出圧Ppとの合力とサーボ弁68の右側の室68bにおける圧力とにより、ピストン68aを左右方向に摺動させることで斜板63の角度調整を行っている。図1においては、ピストン68aが右方向に移動すると、斜板63の角度は大きくなり吐出容量も大きくなり、逆に左方向に移動すると斜板63の角度は小さくなり、吐出容量も小さくなる。
【0034】
LS弁69は、前記吐出圧Ppと操作弁出口の圧力PLSとの差圧△PLS(△PLS=Pp−PLS)が一定になるように、斜板63の角度を制御するものであり、差圧△PLSがLS弁69の設定圧力より低くなると、サーボ弁68内の右側における室68bの圧力を低下させることでピストン68aを右方向に移動させ、斜板63の角度を大きくする。
【0035】
また、差圧△PLS がLS弁69の設定圧力より高くなると、LS弁69が切換り、LS弁69の通路での開口面積に応じて吐出圧Ppを減圧して、サーボ弁68の右側の室68bに供給する。減圧した吐出圧Ppを供給することにより右側の室68bの圧力を高くすることができ、サーボ弁68内のピストン8aを左方向に移動させて、斜板63の角度を小さくする。
【0036】
PC弁70は、吐出圧Ppに応じた一定の吐出流量Q以上には可変容量型油圧ポンプ61からの吐出流量を増加させないように制御するものであって、可変容量型油圧ポンプ61の油圧馬力が同可変容量型油圧ポンプ61を駆動している駆動手段62のエンジン馬力を超えないように馬力制御を行うものである。
【0037】
即ち、作業中の油圧アクチュエータ65における負荷が大きくなり、可変容量型油圧ポンプ61からの吐出圧Ppが上昇すると可変容量型油圧ポンプ61からの吐出流量Qを減少させる制御を行い、逆に吐出圧Ppが低下すると吐出流量Qを増加させる制御を行うものである。
【0038】
吐出圧Ppが増加したときには、PC弁70が右方向に切換り、サーボ弁68の右側の室68bに対して吐出圧Ppを供給してサーボ弁68の右側の室圧を高くして、ピストン68aを左方向へ移動させる。これにより右側の室68bの圧力がそのときの吐出圧Ppに対応した圧力に調整することができるとともに、このときに斜板63の角度が取り得る角度の最大値を減少させる。これによって、各吐出圧Ppの状態において、上述したLS弁69を作動させることによって差圧△PLSの変化に対応して、斜板63の角度を上述した角度の最大値までの範囲内で調整することができる。
【0039】
しかし、差圧調整弁AをLS通路67内に配設していないと、油圧アクチュエータ65の操作によって、LS通路67内での圧力の脈動や緩衝等が発生し、LS弁69及びサーボ弁68の応答が早くなるために、油圧システムの安定性が損なわれたり、車体の安定性が損なわれてしまう。
【0040】
また、可変容量型油圧ポンプ61から吐出圧油と油圧アクチュエータ65の作動状況によって、分岐通路71内の圧力が脈動したり緩衝等を発生し、LS弁69やPC弁70での応答が早くなり安定性が損なわれる。
【0041】
これらの事態を生じさせないようにするために、本願発明の差圧調整弁A、BをLS通路67内や分岐通路71内に配設している。差圧調整弁A、Bを、LS通路67及び分岐通路71に配設しているが、必ずしも差圧調整弁を両通路に配設しなければならないものではなく、油圧制御システムとしての構成要求によって必要数の差圧調整弁を配設することができるものである。
【0042】
差圧調整弁A、Bの作用を説明するのに、本願発明の差圧調整弁の好適な実施形態として図2〜図11に示す差圧調整弁の構成を用いて説明する。尚、図2〜図11のうち奇数番号を持った図は、それぞれその前の番号を持った図に示す差圧調整弁の回路図を示している。また、図2、4、6、8及び図10でのスプール3における破断線内は変位図示したものであり、切り欠き25〜27及び切り欠き50、51は、ラジアル方向の力が発生しないように、円周上均等に切り欠きを配置することが望ましい。
【0043】
図2は、差圧調整弁内での油圧の両方向の流れ(図2の左から右への油圧の流れと、右から左への油圧の流れ)に対して差圧調整弁が、差圧調整弁前後の差圧が所定の圧力となるまでは固定絞りとして作用し、差圧が所定圧以上となったときには、差圧の圧力に応じて絞りを拡大することができる差圧調整弁の構成を示している。
【0044】
差圧調整弁は、スリーブ1と両端部に螺合した端部プラグ2、2’とにより、軸方向に配向する油圧空間を規定し、同油圧空間は端部プラグ2、2’内の油路10、11と連通し、スリーブ1内に配したスプール3を同油圧空間内で摺動自在に配設している。前記油圧空間はスリーブ1によって油室12と油室13とに区画される。
【0045】
スリーブ1には一端側が油室12又は油室13に開口した油路14及び油路15とが非連通状態で形成され、油路14には絞り16及び切り穴18とが連通し、油路15には絞り17及び切り穴19とが連通している。また、スプール3の外周面には切り欠き25〜27が形成され、切り欠き26は切り穴18と連通し、切り欠き27は切り穴19と連通している。
尚、切り欠き25〜27は、ラジアル方向の力が発生しないように、円周上均等に切り欠きを配置することが望ましい。
【0046】
スリーブ1の内周面には、環状の油路20〜22が離間して形成されている。スリーブ1の内周面に形成した段部に当接するように、一端がリテーナ29、30と当接しているバネ6、7によりバネ付勢されたリテーナ4、5が設けられ、同リテーナ4、5はスプール3の段部と当接するとともに、スプール3の押圧力によってバネ6、7に抗してスプール3とともに摺動できるように構成れている。また、油路10と油室12との連結部及び油路11と油室13との連結部には、それぞれフィルタ8、8が設けられ、油室12、13内にゴミ等が浸入するのを防いでいる。
【0047】
図2において、差圧調整弁における左側の油路10が、図1においてLS通路67aと連通し、差圧調整弁における左側の油路11が、図1においてLS通路67bと連通している。ここで、油路10側の圧油の圧力をPLSV圧とし、油路11側の圧油の圧力をPLSP圧とする。
【0048】
次に、図1、2を用いて差圧調整弁の作動を説明する。尚、図1において分岐通路71にも差圧調整弁Bを配設しているが、以下の差圧調整弁の作動についての説明では分岐通路71には、差圧調整弁Bが配設されていないものとして説明を行う。
【0049】
油圧アクチュエータ65操作用の図示せぬ操作レバーが操作されて、操作弁64からLS圧が油路67aに導入されるとPLSV圧が上昇し、油路11側のPLSP圧との間に差圧を生じる。この差圧によって、スプール3は図2における中立位置から右方向に押され、リテーナ5に当接するところまで移動する。
【0050】
スプール3が中立位置からリテーナ5に当接するまで、油路10から入った圧油は、油室12を通り油路14に入り、スプール3を右方向に押圧しながら、絞り16を通りスリーブ1に形成した油路21を通り、スプール3の外周面に形成した切り欠き25からスリーブ1に形成した油路22を通り、切り穴19から油路15、油室13、油路11を通り差圧調整弁の外部にPLSP圧として流出され、LS通路67bを通過してLS弁69に導かれる。
【0051】
LS弁69は、PLSP圧に応じてサーボ弁8を制御し、斜板63の角度が大きくなるように調整する。PLSV圧とPLSP圧との差圧が大きいときには、即ち、油圧アクチュエータ65の操作レバーの操作量を大きく変化させ、可変容量型ポンプ61の容量を大きく変化させたいときには、スプール3内の絞り16による差圧が大きくなり、スプール3を図2の右方向に押圧する力が大きくなる。
【0052】
このスプール3を押圧する力がバネ7のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ5を押しながら更に図2の右方向へ移動する。スプール3がリテーナ5を押して右方向に移動すると、絞り16による通路のほかに、スプール3内の油路14から切り穴18を通って切り欠き26に流れた圧油は、スリーブ1の内周面に形成した油路21に導かれる通路が開通する。
【0053】
新たに開通した通路を通って油路に導かれた圧油は、絞り16からの圧油とともに、油路21からスプール3の外周面に形成した切り欠き25とスリーブ1に形成した油路22を通り、切り穴19から油路15、油室13、油路11を通り差圧調整弁の外部にPLSP圧として流出され、LS通路67bを通過してLS弁69に導かれる。
【0054】
このため、操作弁64側のLS圧、即ち、PLSV圧が素早くLS弁69に伝達され、可変容量型ポンプ61は油圧アクチュエータ65の操作レバーの操作量にいち早く応答することができるようになる。
【0055】
油圧アクチュエータ65の操作レバーによる油圧アクチュエータ65の要求流量に、可変容量型ポンプ61の吐出流量が追いついてくると、操作弁64のスプールメータイン開口4aの前後差圧分だけ分岐通路71の圧力が上昇する。分岐通路71の圧力上昇により、LS弁69のスプールは右方向に押され、同スプールの移動した体積分の圧油がLS通路67bに流れ込みPLSP圧を上昇させる。
【0056】
PLSP圧の上昇により、差圧調整弁内の右側の油室13の圧力が上昇し、スプール3をリテーナ4のあるところまで図2において左方向に移動させる。PLSV圧とPLSP圧との差圧が所定圧以下においては、スプール3を左方向に移動させながら、油路11から入った圧油は、油室13を通り油路15から絞り17を通って、スリーブ1に形成した油路21を通り、スプール3の外周面に形成した切り欠き25からスリーブ1に形成した油路20を通り、切り穴18から油路14、油室12、油路10を通り差圧調整弁の外部に流出される。
【0057】
PLSP圧とPLSV圧との差圧が所定圧以上に大きくなると、即ち、スプール3を押圧する力がバネ6のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ4を押しながら更に図2の左方向へ移動する。スプール3がリテーナ4を押して左方向に移動すると、絞り17による通路のほかに、スプール3内の油路15から切り穴19を通って切り欠き27に流れた圧油は、スリーブ1の内周面に形成した油路21に導かれる通路が開通する。
【0058】
新たに開通した通路を通って油路に導かれた圧油は、絞り17からの圧油とともに、油路21からスプール3の外周面に形成した切り欠き25とスリーブ1に形成した油路20を通り、切り穴18から油路14、油室12、油路10を通り差圧調整弁の外部に流出される。
【0059】
ここでは、油圧アクチュエータ65を操作する操作レバーによる油圧アクチュエータ65の要求流量に、可変容量型ポンプ61の吐出流量が追いつこうとしている場合を示している。スプールメータイン開口64aの前後差圧分の圧力上昇は、LS弁69の開口面積がバランス位置に向かうに従ってより小さくなり、これによって、可変容量型ポンプ61の斜板63の動きが穏やかとなり一定角度位置に向かうことになる。このため、スプールメータイン開口64aの前後差圧は穏やかに設定値に向かい、PLSP圧とPLSV圧との差圧は小さくなり、スプール3はリテーナ4に当接した状態となる。これによって、差圧調整弁は絞りとして働くことができ、LS圧の変動が押えられ、可変容量型ポンプ61から吐出される圧油は、安定した状態で油圧アクチュエータ65の操作レバーによって設定された目標流量に落ち着くことができる。
【0060】
このことから分かるように、PLSV圧とPLSP圧との差圧が所定圧以下のときには、スプール3はリテーナ5又はリテーナ4に当接するまで移動し、差圧調整弁としての絞り16の径を所定の径、即ち固定絞りとして機能させることができる。また、PLSV圧とPLSP圧との差圧が所定圧以上となると、絞り16又は絞り17以外に新たな通路を開通し、しかも、新たに開通した通路は、PLSV圧とPLSP圧との差圧の大きさに応じて調整することができる。
【0061】
これによって、油圧アクチュエータの加減速時などの操作レバーに対する応答性が必要なときには、差圧調整弁の絞りを大きくして応答性を高めることができ、また、定常速度等で油圧アクチュエータを安定良く運転するときには、差圧調整弁の絞りを小さくすることができる。しかも、差圧調整弁の前後差圧が所定圧以下のときには、絞り状態を維持し、前後差圧が所定圧以上となったときには、絞りを差圧調整弁の前後差圧に応じて拡大することができる。
【0062】
図3は、図2に示した差圧調整弁の油圧回路を示している。
図2の説明では、分岐通路71に配設した差圧調整弁についての説明を省略したが、分岐通路71に差圧調整弁Bを配設することにより、スプールメータイン開口4aの前後差圧による分岐通路71に流入する圧油の変動を押えた状態として、LS弁69やPS弁10に制御圧として導入することができるようになる。
【0063】
上記実施例では、差圧調整弁をLS圧の変動やスプールメータイン開口4aの前後差圧による分岐通路71に流入する圧油の変動に対応して安定した油圧制御システムを構築するために用いた例を説明したが、本願発明の差圧調整弁を用いた場合には、低温時での応答性、安定性の減少を防ぐことができる。
【0064】
即ち、圧油には、圧油の温度が低下すると、粘性が高くなるという性質を有している。粘性が高くなっても、理想的な絞りであれば、その絞りを流れる圧油の流量が同じであるとするならば、その絞りの前後差圧は粘度が高くなる前と同じ値となる。しかし、現実に存在するする絞りにおいては、温度によってその前後差圧は変化する。つまり、圧油の温度が低下すると、同じ流量でも絞りの前後差圧は大きくなる。
【0065】
本発明の差圧調整弁を用いると、圧油の温度が下がるに従って、絞りの前後差圧が大きくなり、これによってスプールが絞りを拡大する方向に移動して、流れる流量を多くする。このため、操作レバーに対する応答性を良くすることができる。一般に低温時においては様々な部分で応答性の減少が現れるが、本発明の差圧調整弁を用いることで、システム全体としての応答性を常温時の応答性並に補償することが可能となる。
【0066】
本願発明の差圧調整弁を用いることによって、管路内を流れる圧油が低温の場合には、差圧調整弁での絞りを大きくし、圧油の温度が上昇するに従って絞りを小さくすることができる。
【0067】
以下、本願発明の差圧調整弁についての他の実施形態について、図1の油圧制御システムを用いて説明するが、上述の通り、以下に説明する他の実施形態における差圧調整弁も、圧油の温度に対して応答性を補償する差圧調整弁として、油圧制御システムにおいて使用することができるものである。
【0068】
図4及びその回路図である図5に示す差圧調整弁は、図2及び図3に示す差圧調整弁において左側に配したバネ6及びリテーナ4を排し、リテーナ29を厚手のリテーナ31に取り替えた構成となっており、他の構成は図2及び3に示す差圧調整弁と同じ構成を有している。そのため、図2の差圧調整弁と同一の部材については同一の符号を用いることでその説明に代えることとする。
【0069】
図4において、PLSV圧とPLSP圧との差圧により油路10から導入された圧油は、図2における差圧調整弁と同じ作用をする。即ち、差圧が所定圧以下のときには、絞り16を通過した圧油が油路11に流れ、差圧が所定圧以上となったときには流路10から導入された圧油は、絞り16を通過する通路と切り穴18から切り欠き26を通って油路21から流れ出る新しい通路とにより油路11に流れ出ることができる。
【0070】
図4の右から左への流れのとき、即ち、PLSP圧がPLSV圧より高くなった時には、スプール3の端部が厚手のリテーナ31と当接して左方向への移動が規制され、油路11から導入された圧油は、油室13から油路15を通り、絞り17から油路21切り欠き25を通り、油路20から切り穴18を通って油路14から油路10へ流れることになる。
【0071】
これによって、PLSV圧がPLSP圧より高いときには、PLSV圧とPLSP圧とPの差圧が所定圧以下か所定圧以上かによって差圧調整弁は固定絞りから絞りを変更することができるものとして機能を奏し、PLSV圧がPLSP圧より低いときには、差圧調整弁は固定絞りとして機能を奏することになる。
【0072】
図6及びその回路図である図7に示す差圧調整弁は、図2及び図3に示す差圧調整弁において右側に配した絞り17を排し、切り欠き25の軸方向の長さを長くした構成となっており、他の構成は図2及び3に示す差圧調整弁と同じ構成を有している。そのため、図2の差圧調整弁と同一の部材については同一の符号を用いることでその説明に代えることとする。
【0073】
図6において、PLSV圧とPLSP圧との差圧により油路10から導入された圧油は、図2における差圧調整弁と同じ作用をする。
図6の右から左への流れのとき、即ち、PLSP圧がPLSV圧より高くなった時には、油路11から導入された圧油は、油室13から油路15を通り、切り穴19から油路21、切り欠き25を通り、油路20から切り穴18を通って油路14から油室12を介して油路10へ流れることになる。
【0074】
これによって、PLSV圧がPLSP圧より高いときには、両者の差圧の大きさによって差圧調整弁は固定絞り状態から絞りを変更することができる状態にすることができる。PLSV圧がPLSP圧より低いときには、差圧調整弁は全通状態のものとして機能を奏することになる。
【0075】
図8及びその回路図である図9に示す差圧調整弁は、図2及び図3に示す差圧調整弁において左右の油路14、15は、それぞれ油室12、13と連通しない閉じられた油路となっており、図2において油室12、13側が開口していた油路14、15の端部にはそれぞれ蓋38、39が取り付けられている。また、切り欠き26と切り欠き27とをそれぞれ油室12と油室13と連通するように切り欠きの長さを長く形成し、切り穴18、19の代わりに形成した絞り35、36を介して、油路14、15がそれぞれ油室12、13と連通した構成となっている。他の構成は図2及び3に示す差圧調整弁と同じ構成を有している。そのため、図2の差圧調整弁と同一の部材については同一の符号を用いることでその説明に代えることとする。
【0076】
図8において、PLSV圧とPLSP圧との差圧により油路10から導入された圧油は、差圧が所定圧以上のときには図2における差圧調整弁における作用と4段直列絞りとなっている点を除いてほぼ同じ作用を奏する。
即ち、PLSV圧の上昇によりPLSV圧がPLSP圧より高くなると、差圧調整弁内の左側の油室12の圧力が上昇し、スプール3の蓋38を含む受圧面積に油室12内での圧油の圧力を受けて、スプール3はリテーナ5のあるところまで図8において右方向に移動する。スプール3を右方向に移動させながら、油路10から入った圧油は、油室12から切り欠き26を通り絞り35を通って油路14内に導入される。油路14内に形成した絞り16を通り油路21から絞り17を通って油路15に導入される。油路15から絞り36を通って切り欠き27から油室13を通って油路11から差圧調整弁の外部に流出される。
【0077】
PLSV圧とPLSP圧との差圧が大きくなると、即ち、スプール3を押圧する力がバネ7のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ5を押しながら更に図8の右方向へ移動する。スプール3がリテーナ5を押して右方向に移動すると、切り欠き26が油路21と連通し切り欠き25から油路22に流れ、切り欠き27から油室13に流れる新たな通路が開通する。このとき、切り欠き26と油路21との開口面積及び切り欠き25と油路22との開口面積は、油室12においてスプール3に作用するPLSV圧とPLSP圧との差圧の大きさに応じた開口面積となる。
【0078】
図8の右から左への流れのとき、即ち、PLSP圧がPLSV圧より高くなった時でPLSP圧とPLSV圧との差圧が所定圧以下の時には、スプール3はリテーナ4に当接するまで左方向に移動する。このとき、油路11から入った圧油は、油室13から切り欠き27を通り絞り36を通って油路15内に導入される。油路15内に形成した絞り17を通り油路21から絞り16を通って油路14に導入される。
【0079】
油路14から絞り35を通って切り欠き26から油室12を通って油路10から差圧調整弁の外部に流出される。4段直列に配した絞り35、16、17、36のそれぞれの径を変更することにより、固定絞りとしての径を任意にしかも細かく調整することができる。
【0080】
PLSP圧とPLSV圧との差圧が所定圧以上に大きくなると、即ち、スプール3を押圧する力がバネ6のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ4を押しながら更に図8の左方向へ移動する。スプール3がリテーナ4を押して左方向に移動すると、切り欠き27が油路21と連通し、切り欠き25から油路20に流れ、切り欠き26を通って油室12に流れる新たな通路が開通する。このとき、切り欠き27と油路21との開口面積及び切り欠き25と油路20との開口面積は、油室13においてスプール3に作用するPLSP圧とPLSV圧との差圧の大きさに応じた開口面積となる。
【0081】
これによって、PLSV圧とPLSP圧との差圧が所定圧以下の時には、4段の直列絞りを行うことができ、前記差圧が所定圧より高くなったときには、差圧に応じた開口面積に絞りを変更することができることになる。
【0082】
図10及びその回路図である図11は、油圧機器内に差圧調整弁を挿入設置することの出来るカートリッジタイプの差圧調整弁の構成となっており、差圧調整弁の作用構成としては、PLSV圧とPLSP圧との差圧の中間圧によってスプール3が移動する構成となっている。即ち、PLSV圧とPLSP圧とに図2で示すバネ6、7におけるバネ力の1/2以上の差圧が発生することによってスプール3が移動を開始する構成となっている。
【0083】
図10に示す差圧調整弁の構成について説明する。差圧調整弁は、油圧機器等のハウジング55内に挿入され、スリーブ1と一端部に配した端部プラグ52及びハウジング55とにより、軸方向に配向する油圧空間を規定している。スリーブ1内にはスプール3が摺動自在に配設している。図1におけるLS通路67aと連通した油路10がスリーブ1の外周部に形成した油路44と連通し、LS通路67bと連通した油路11がスリーブ1の外周部に形成した油路45と連通している。油路44はスリーブ1に形成した切り穴46によりスリーブ1の内周面に形成した切り欠き48と連通し、油路45はスリーブ1に形成した切り穴47によりスリーブ1の内周面に形成した切り欠き49と連通している。
【0084】
スプール3は、油路14と油路15間に絞り40が形成され両通路14、15とが絞り40を介して連通されている。油路14、15における油室12、13側の端部は、油室12、13に開口しているが、油路14、15における油室12、13側の端部を蓋等により閉塞することもできる。油路14は切り穴18を介してスプール3の外周に形成した切り欠き50と連通し、油路15は絞り41を介してスプール3の外周に形成した切り欠き51と連通している。尚、切り欠き50、51は、ラジアル方向の力が発生しないように、円周上均等に切り欠きを配置することが望ましい。
また、油路15には切り穴42が形成され、スプール3の中立位置から右方向への移動中はスリーブ1の内周面によって閉塞されており、スプール3の中立位置から左方向への移動において油路49と連通する位置に形成されている。
【0085】
スリーブ1の内周面に形成した段部に当接するようにバネ6、7によりバネ付勢されたリテーナ4、5が設けられ、同リテーナ4、5はスプール3の段部と当接するとともに、スプール3の押圧力によってバネ6、7に抗してスプール3とともに摺動できるように構成れている。また、図10において、油路10と油路44間及び油路11と油路45間には、図示せぬフィルタがそれぞれ設けられ、油路44、45内にゴミ等が浸入するのを防いでいる。
【0086】
図10において、差圧調整弁における左側の油路10が、図1においてLS通路67aと連通し、差圧調整弁における左側の油路11が、図1においてLS通路67bと連通している。ここで、油路10側の圧油の圧力をPLSV圧とし、油路11側の圧油の圧力をPLSP圧とする。
【0087】
図10において、PLSV圧が昇圧し、油路11側のPLSP圧との間に差圧を生じる。この差圧によって、スプール3は図10における中立位置から右方向に押され、リテーナ5に当接するところまで移動する。
【0088】
スプール3が中立位置からリテーナ5に当接するまで、油路10から入った圧油は、油路44を通り切り穴46から油路14に入り、スプール3を右方向に押圧しながら、絞り40を通り油路15に導入される。油路15に入った圧油は、絞り41を通って切り欠き51と油路49から切り穴47を通り、油路45から油路11を通り差圧調整弁の外部にPLSP圧として流出され、LS通路67bを通過してLS弁69に導かれる。
【0089】
PLSV圧とPLSP圧との差圧が所定圧以上となると、スプール3を押圧する力がバネ7のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ5を押しながら更に図2の右方向へ移動する。スプール3がリテーナ5を押して右方向に移動すると、油路10から入った圧油は、切り穴46から油路48を通り切り欠き50から油路49に導入される新しい通路が開通する。切り欠き50と油路49との開口面積は、PLSV圧とPLSP圧との差圧の中間圧に応じた開口面積となる。
【0090】
新たに開通した通路を通って油路49に導かれた圧油は、切り穴47を通り油路45から油路11を通って、差圧調整弁の外部にPLSP圧として流出され、LS通路67bを通過してLS弁69に導かれる。
【0091】
逆に、図10において右から左へ圧油が流れる場合、即ち、PLSP圧がPLSV圧より高くなったときには、この差圧が所定圧以下のときには同差圧によって、スプール3は図10において左方向に押され、リテーナ4に当接するところまで移動する。
【0092】
スプール3がリテーナ4に当接するまで、油路11から入った圧油は、油路45を通り切り穴47から油路49に入り、切り穴42及び41を通って油路15に導入される。油路15に入った圧油は、絞り40を通って油路14に導入され切り穴18を通って切り欠き50、油路48を通り切り穴46を通って油路44から油路10に導かれる。
【0093】
PLSP圧とPLSV圧との差圧が所定圧以上となると、スプール3を押圧する力がバネ6のバネ力より大きくなると、スプール3はリテーナ4を押しながら更に図10の左方向へ移動する。スプール3がリテーナ4を押して左方向に移動すると、油路11から入った圧油は、油路45を通り切り穴47から油路49に入り、切り欠き51から油路48に導入される新しい通路が開通する。
【0094】
新たに開通した通路を通って油路48に導かれた圧油は、切り穴46を通り油路44から油路10を通って差圧調整弁の外部に導かれる。
このとき、切り欠き51と油路48との開口面積は、PLSP圧とPLSV圧との差圧の中間圧に応じた開口面積となる。
【0095】
図10に示す差圧調整弁において、スプール3を摺動させる圧油の圧力は、絞り40前後差圧となっている。例えば、PLSV圧を30kg/cm2、PLSP圧を0kg/cm2としたときに、絞り40及び絞り41の径を調整することにより、油路14には30kg/cm2の圧力が加わり、油路15には15kg/cm2、切り欠き51には0kg/cm2の圧力が加わるように構成することができる。
【0096】
このとき、スプール3には15kg/cm2の圧力、即ち、PLSV圧とPLSP圧の中間圧しか加わらないのでバネ7のバネ力を小さくすることができる、即ち、図2に示したバネ7におけるバネ力の半分のバネ力を有するバネを用いることができる。これによって、差圧調整弁の構成をコンパクトにすることができる。
【0097】
スプール3を摺動させる中間圧としては、絞り40及び絞り41の径を調整することにより、所望の中間圧とすることができる。
【0098】
以上、本願差圧調整弁の各種実施形態を説明したが、本願発明の差圧調整弁は、上述の構成に限定されるものではなく、本願請求項1乃至4記載した事項を満たす構成の範囲内で適宜の構成を採用することができるものである。
【0099】
また、本願差圧調整弁における固定した絞りを差圧調整弁を使用する場所の要求に応じて適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧制御システムに差圧調整弁を適用した例を示す図である。
【図2】差圧調整弁の実施例を示す構成図である。
【図3】図2の差圧調整弁の回路図を示す図である。
【図4】差圧調整弁の第2実施例を示す構成図である。
【図5】図4の差圧調整弁の回路図を示す図である。
【図6】差圧調整弁の第3実施例を示す構成図である。
【図7】図6の差圧調整弁の回路図を示す図である。
【図8】差圧調整弁の第4実施例を示す構成図である。
【図9】図8の差圧調整弁の回路図を示す図である。
【図10】差圧調整弁の第5実施例を示す構成図である。
【図11】図10の差圧調整弁の回路図を示す図である。
【図12】従来例を示す油圧制御システム図である。
【図13】図13の従来例における差圧調整弁を示す図である。
【符号の説明】
1 スリーブ
2、2' 端部プラグ
3 スプール
4、5 リテーナ
6、7 バネ
8 フィルタ
10、11 油路
12、13 油室
14、15 油路
16、17 絞り
18、19 切り穴
20〜22 油路
25〜27 切り欠き
29、30 リテーナ
31、32 リテーナ
35、36 絞り
38、39 蓋
40、41 絞り
42 切り穴
44、45 油路
46、47 切り穴
48、49 油路
50、51 切り欠き
52 端部プラグ
53 リテーナ
54 取付けナット
55 ハウジング
61 可変容量型油圧ポンプ
62 駆動手段
63 斜板
64 操作弁
64a スプールメータイン開口
65 油圧アクチュエータ
66 ポンプ通路
67、67a、67b LS通路
68 サーボ弁
68a ピストン
68b 室
69 LS弁
70 PC弁
71 分岐通路
72 タンク
80 流体管路
81 弁システム
82 負荷感知/圧力補償システム
83 油圧ポンプ
84 斜板
85 タンク
87、88 チェック弁
90 弁要素
91 弁座
92、93 バネ
100 チェック弁アセンブリ
102 ハウジング
103、104 端部プラグ
105 空洞
106、107 通路
108 弁要素
109 スピンドル
110 キャップ
111 通路
112、113 流路
114 ショルダ
115 コイルバネ
116 端面
117〜119 通路
A、B 差圧調整弁
Pp 吐出圧
Q 吐出流量
LS 操作弁出口の圧力
△P PpとPLSとの差圧
CB 動圧取出口の圧力
CA 流出ポートの圧力

Claims (4)

  1. 絞りを可変とする差圧調整弁において、
    前記差圧調整弁が、所定の絞りを維持する第1モードと、
    絞りを拡大する第2モードとを備え、
    前記第1モードが、前記差圧調整弁前後の差圧が所定圧以下において行われ、
    前記第2モードが、前記差圧が所定圧以上のときに同差圧に応じて拡大されることを特徴とする差圧調整弁。
  2. 前記第1モードが、前記差圧調整弁前後の差圧の中間圧が所定圧以下において行われ、
    前記第2モードが、前記差圧の中間圧が所定圧以上のときに、前記差圧の中間圧に応じて拡大されることを特徴とする請求項1記載の差圧調整弁。
  3. 前記差圧調整弁が、前記差圧調整弁前後の差圧又は同差圧の中間圧に係わらず絞りの拡大を行わない第3モードを更に備え、
    前記差圧調整弁に流れる油圧の流れ方向に対応して、前記第1モード、第2モード及び第3モードとを適宜組合せたモードを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の差圧調整弁。
  4. 前記差圧調整弁に流れる油圧の流れ方向に対応して、前記第1モード及び第2モードにおける絞りの調整量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の差圧調整弁。
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