JP2004190294A - 階段および階段の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製作コストが安価であり、また、施工に於いて要求される実用性にも富むユニット化可能な階段を提供する。また、施行現場での実用性に富む階段の施工方法を提供する。
【解決手段】各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1であって、化粧板3の縁部3bに、この化粧板3のスライドを踏み板2の定位置にて停止させる屈曲部4(10)を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1であって、化粧板3の縁部3bに、この化粧板3のスライドを踏み板2の定位置にて停止させる屈曲部4(10)を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段および階段の施工方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
一般住宅に見られる屋内用の階段では、室内デザインとの調和を図るべく、各踏み板の表面に化粧加工が施されている。より詳しくは、木材等にて製作した踏み板基材の表面に平滑加工を施し、されにニス等を塗布して踏み板基材に化粧面を形成している。
【0003】
また、上記階段では、踏み板そのものに化粧面を形成しているが、デザインマンションや集合住宅等の階段では、より一層の美観向上が求められるため、各踏み板の表面に化粧素材(例えば、化粧シート)を貼り付けて踏み板を覆い隠すといった工法が採用されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−190115号公報
【0005】
より詳しくは、踏み板を等間隔に支持してなる骨組みと、各踏み板の表面に貼り付けられた化粧素材と、搬入時や施工時における化粧素材の傷付きを防止すべく各化粧素材の表面に設けられた保護板と、を備える階段ユニットを工場内にて予め製作しておき、施工時には、このユニット化された階段を施工現場に搬入して設置固定する。また、この階段を利用しての作業(例えば、ロフトの床張り、二階部分の内装工事)等を終えた後に各保護板を取り外して一連の作業を終える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者らの鋭意研究によれば、上記階段のユニット化に関して、種々の改善すべき点が見いだされた。
【0007】
まず、一般に、住宅構成要素のユニット化は、施工現場での作業量の軽減を図れ、また、工期の短縮並びに施工コストの削減を図ることができる。しかしながら、上記した階段のユニット化では、階段設置後に於いての作業を可能にすべく各化粧素材の表面に保護板を設ける必要がある。
【0008】
このため保護板の製作に掛かる費用、並びに保護板の取り付け及び取り外しに要する費用等が別途必要になり、階段ユニットの製作コストを考えると必ずしもユニット化の利点が得られているとは言い難かった。
【0009】
また、階段を利用しての作業性を考えると、保護板は化粧素材若しくは踏み板に対して強固に固定する必要がある。このため、施工後において保護板を取り外す際には、多くの時間と労力を要する。また、仮に保護板に変えて簡易な皮膜(例えば、ビニール)で化粧素材を覆った場合には、別途滑止めを貼り付ける作業が必要になる。つまり、従来の方法にてユニット化された階段は、必ずしも実用性に富むユニットとは言い難かった。
【0010】
本発明は、上記した技術的背景を考慮してなされたもので、製作コストが安価であり、また、施工に於いて要求される実用性にも富むユニット化可能な階段を提供することを課題とする。また、施工現場での実用性に富む階段の施工方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の構成とした。
すなわち、各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、前記化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を前記踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1であって、
前記化粧板3および前記踏み板2の少なくとも一方に、前記化粧板3のスライドを前記踏み板2の定位置にて停止させるスライド規制部材10を設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の階段では、化粧板および踏み板の少なくとも一方にスライド規制部材を設けている。このスライド規制部材は、化粧板取り付け時のスライドを踏み板の定位置にて停止させるための部材であり、このスライド規制部材が相手方に接することで、踏み板に対する化粧板の位置が決まる。
【0013】
つまり、スライド規制部材によって化粧板の位置決めがなされるため、化粧板の取り付けに要する時間を短縮でき、また、踏み板に対する化粧板の取り付けも容易になる。このように、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板の取付作業が許容され、以て、階段を利用しての作業後における化粧板3の取り付けが可能になる、及び保護板が不要になる等の利点が得られる。
【0014】
また、前記化粧板3には、前記スライド規制部材10として、化粧板3の下方に向かって垂下された屈曲部4が形成されている構成としてもよい。
【0015】
この構成では、化粧板の下方に向かって垂下された屈曲部を化粧板に設けている。したがって、踏み板上にて化粧板をスライドさせると、この屈曲部が踏み板の縁に接するため、この接触を以て踏み板に対する化粧板の位置決めがなされる。
【0016】
また、前記屈曲部4の先端4aは、前記化粧板3の背面3a側に向かってさらに屈曲しており、前記先端4aと前記化粧板背面3aとの間には、前記踏み板2の厚みに略等しい空隙Mが形成されている構成としてもよい。
【0017】
この構成では、屈曲部の先端を化粧板の背面側に向かってさらに屈曲させ、且つその先端と化粧板背面との間に、踏み板の厚みに略等しい空隙を形成している。したがって、屈曲部と踏み板の縁とは、その結合時において係合状態になり、より確実に化粧板と踏み板とが固定される。なお、上記で「踏み板の厚みに略等しい空隙」とは、踏み板の縁が係合し得る間隔の空隙である。
【0018】
また、前記踏み板2を階段1の上下方向において等間隔に支持する主材5を有する構成としてもよい。
【0019】
この構成では、各踏み板を主材に設けるため、この主材を主たる部材として階段の一部をユニット化できる。
【0020】
また、上記した技術的課題を解決するため、本構成では以下の方法とした。
すなわち、各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、前記化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を前記踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1の施工方法であって、
前記化粧板3および前記踏み板2の少なくとも一方に、前記化粧板3のスライドを前記踏み板2の定位置にて停止させるスライド規制部材10を形成しておき、
前記踏み板2に対する化粧板3の取付作業は、前記踏み板2を露出させた状態での階段1を利用した作業終了後に実施することを特徴とする。
【0021】
この方法では、化粧板および踏み板の少なくとも一方にスライド規制部材を形成しておくため、上述の如く施工現場内における化粧板の取付作業が可能になる。また、化粧板の取付作業は、階段設置後の作業終了を受けて実施するため、化粧板への傷つきが回避され、また、保護板も不要になる。
【0022】
このように本発明の階段及び階段の施工方法では、スライド規制部材によって踏み板に対する化粧板の位置決めが容易になるため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板の取付作業が許容される。よって、保護板が不要になるため製作コストが安価になる。また、化粧板は、施工現場にて後付け可能であるため、施工に於いて要求される実用性も十分に満たすことができる。また、勿論、ユニット化も容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る階段1および階段1の施工方法に関し、その好適な実施形態について説明する。
【0024】
本実施の形態に示す階段1は、図1及び図2に示されるように、各段を形成する踏み板2と、各踏み板2を階段1の上下方向のおいて等間隔に支持する主材5と、この主材5に各踏み板2を水平に固定するためのブラケット6と、踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備えて構成されている。
【0025】
踏み板2は、十分な厚みを有するアルミ板を切り出して製作されている。また、各踏み板2の大きさは、通常の昇降において支障を来すことない程度に広く、また、その形状は、階段1の幅方向に長い矩形(長方形)をなしている。
【0026】
ブラケット6は、階段1の設置場所たる床面に対して各踏み板2を水平に支持し、且つ後に詳述する主材5に各踏み板2を固定するための部材である。
より詳しくは、図2に示されるように、十分な厚みを有するアルミ板を略V字型に折り曲げて形成しており、先の踏み板2は、このブラケット6にてその背面側を支えられる形で、ブラケット6に溶接固定されている。すなわち、本実施の形態では、踏み板2とブラケット6を一つの構造物として製作している。
【0027】
また、ブラケット6の中央に位置した折曲部6aの角度(図2中θ)は、主材5へのブラケット6固定時に於いて、ブラケット6上部の踏み板2が階段1の設置場所に対して水平となるように、その角度が決められている。
また、主材5に対する踏み板2の高さは、ブラケット6の先端部分6bの長さLを変更することで、容易にその高さ調節が可能になっている。
【0028】
主材5は、アルミ製のチャンネルから構成されている。
また、その全長は、階段1の設置場所たる床面から上の階(例えば1階から2階)にかけての高さや階段1の傾斜角度等を考慮して決定されている。また、チャンネルの表面側(本実施の形態では、図1中P面)に上述のブラケット6が等間隔に固定されている。
【0029】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、ブラケット6と主材5との固定にあたりボルトB等を用いているが、必ずしもその必要はなく、ブラケット6と踏み板2との固定同様、溶接によって固定することも可能である。
【0030】
続いて、化粧板3について説明する。
化粧板3は、踏み板2と略同寸法に切り出された木材やアルミ板等から構成され、その長辺側に位置した一方の縁部3bには、化粧板3の下方に向かって垂下され、さらに化粧板3の背面3a側へと屈曲した屈曲部4が設けられている。また、この屈曲部4にて本発明に係るスライド規制部材10が構成されている。
【0031】
また、屈曲部4の先端4aと化粧板3の背面3aとの間に形成される間隔Mすなわち屈曲部4内の空隙は、踏み板2の板厚に略等しく、踏み板2と屈曲部4とは係合可能に構成されている。また、間隔Mの寸法は任意に変更可能であるが、好ましくは、踏み板2と屈曲部4とがある程度の圧力を以て係合する状態すなわち嵌入に近い感覚で両者の係合状態が得られる程度の寸法とするのが望ましい。
【0032】
また、本実施の形態では、屈曲部4の両端を閉鎖して、踏み板2に対する化粧板3の横ずれを規制している(図3及び図4参照)。つまり、屈曲部4両端に壁部4bを形成し、この壁部4bに踏み板2の角部を接触させることで、踏み板3に対する化粧板3の横ズレが規制している。また、この壁部4bを以て踏み板2に対する化粧板3の横方向における位置決めを行える。
【0033】
続いて、上述したスライド規制部材10たる屈曲部4の詳細な構造を踏まえ、踏み板2に対する化粧板3の取付方法について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0034】
はじめに、踏み板2の手間側縁部2a上に化粧板3の縁部を載せる。なお、ここで踏み板2に載せる縁部は、屈曲部4が形成される縁部3bと相反する位置の縁部である。つまり、この状態では、未だ屈曲部4が踏み板2の手前側にある。
【0035】
続いて、化粧板3を踏み板2の表面に沿わせた状態で且つ踏み板2の奥に向かって押し込むようにスライドさせる。
また、スライドが進むにつれて、スライド規制部材10たる屈曲部4が踏み板2の縁部2aに接近し、やがてこの屈曲部4内に踏み板2の縁部2aが係合する。また、この係合状態が確立されると化粧板3のスライドが不能となり、踏み板2に対する化粧板3の位置が定まるため、続く化粧板3の固定作業に移る。
【0036】
化粧板3の固定作業では、図2及び図3に示すように、踏み板2の背面側から化粧板3に向かって計4本の釘Kを打ち込み、化粧板3を踏み板2に固定する。また、屈曲部4に於いても同様に、屈曲部4の下面側から釘Kを打ち込み化粧板3を踏み板2に固定する。
【0037】
このように本実施の形態に示す階段1では、化粧板3にスライド規制部材10たる屈曲部4を設け、この屈曲部4内に踏み板2の縁部2aが係合して化粧板3のスライドが規制されることで、踏み板2に対する化粧板3の位置決めがなされる。
【0038】
つまり、化粧板3をスライドさせるのみで化粧板3の位置が決まるため、踏み板2に対する化粧板3の取り付けが容易になる。しかも化粧板3の取り付けに要する時間の短縮も図れる。よって、作業量及び時間的観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容され、以て、階段1を利用しての作業後において化粧板3の取付作業が可能になる。また、化粧板3の後付けが可能になることから保護板が不要になる。
【0039】
なお、上記踏み板2に対する化粧板3の取付作業は、踏み板2を露出させた状態での階段1を利用した作業終了後に実施するようにしている。つまり、階段1を利用しての作業に伴う化粧板3の傷つきを回避すべく、階段1を利用しての作業終了後に化粧板3の取付作業を実施する。なお、本実施の形態に示す階段1は、上述の如く屈曲部4の形成によって、踏み板2に対する化粧板3の位置決めが容易であるため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容されている。このため、階段1を利用しての作業終了後に化粧板3の取付作業を実施したとしても、大幅な工期の遅れに繋がることはない。また、階段1を利用しての作業性向上といった利点も得られる。
【0040】
このように本実施の形態に示す階段1及び階段1の施工方法では、スライド規制部材10たる屈曲部4によって踏み板2に対する化粧板3の位置決めを容易にするため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容される。よって、保護板が不要になるため製作コストが安価になる。また、階段1を利用しての作業後における化粧板3の取り付けが可能になるため、施工に於いて要求される実用性も十分に満たすことができる。また、勿論、上述の如くユニット化も容易である。
【0041】
また、上記した実施形態では、化粧板3にスライド規制部材10たる屈曲部4を形成したが、必ずしもその必要はなく踏み板2側、若しくは踏み板2及び化粧板3の双方にスライド規制部材10に相当する突起物や屈曲部等を設けてもよい。
【0042】
また、上記した実施形態では、屈曲部4の先端4aを化粧板3の背面3a側にさらに折り曲げたが、必ずしもその必要はなく、例えば、化粧板3の縁部をその下方に折り曲げたのみの構成でもよい。このようにスライド規制部材10は、化粧板3のスライドを規制できれば足り、その形状等は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、製作コストが安価であり、また、施工に於いて要求される実用性にも富むユニット化可能な階段を提供できる。また、施行現場での実用性に富む施工方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に示す階段の斜視図。
【図2】本実施の形態に示す階段の要部断面図。
【図3】本実施の形態に係る踏み板に化粧板及びブラケットを組み付けた状態を示す斜視図。
【図4】化粧板の取付作業を説明する説明図。
【符号の説明】
1 階段
2 踏み板
3 化粧板
4 屈曲部
5 主材
6 ブラケット
10 スライド規制部材
K 釘
B ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段および階段の施工方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
一般住宅に見られる屋内用の階段では、室内デザインとの調和を図るべく、各踏み板の表面に化粧加工が施されている。より詳しくは、木材等にて製作した踏み板基材の表面に平滑加工を施し、されにニス等を塗布して踏み板基材に化粧面を形成している。
【0003】
また、上記階段では、踏み板そのものに化粧面を形成しているが、デザインマンションや集合住宅等の階段では、より一層の美観向上が求められるため、各踏み板の表面に化粧素材(例えば、化粧シート)を貼り付けて踏み板を覆い隠すといった工法が採用されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−190115号公報
【0005】
より詳しくは、踏み板を等間隔に支持してなる骨組みと、各踏み板の表面に貼り付けられた化粧素材と、搬入時や施工時における化粧素材の傷付きを防止すべく各化粧素材の表面に設けられた保護板と、を備える階段ユニットを工場内にて予め製作しておき、施工時には、このユニット化された階段を施工現場に搬入して設置固定する。また、この階段を利用しての作業(例えば、ロフトの床張り、二階部分の内装工事)等を終えた後に各保護板を取り外して一連の作業を終える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者らの鋭意研究によれば、上記階段のユニット化に関して、種々の改善すべき点が見いだされた。
【0007】
まず、一般に、住宅構成要素のユニット化は、施工現場での作業量の軽減を図れ、また、工期の短縮並びに施工コストの削減を図ることができる。しかしながら、上記した階段のユニット化では、階段設置後に於いての作業を可能にすべく各化粧素材の表面に保護板を設ける必要がある。
【0008】
このため保護板の製作に掛かる費用、並びに保護板の取り付け及び取り外しに要する費用等が別途必要になり、階段ユニットの製作コストを考えると必ずしもユニット化の利点が得られているとは言い難かった。
【0009】
また、階段を利用しての作業性を考えると、保護板は化粧素材若しくは踏み板に対して強固に固定する必要がある。このため、施工後において保護板を取り外す際には、多くの時間と労力を要する。また、仮に保護板に変えて簡易な皮膜(例えば、ビニール)で化粧素材を覆った場合には、別途滑止めを貼り付ける作業が必要になる。つまり、従来の方法にてユニット化された階段は、必ずしも実用性に富むユニットとは言い難かった。
【0010】
本発明は、上記した技術的背景を考慮してなされたもので、製作コストが安価であり、また、施工に於いて要求される実用性にも富むユニット化可能な階段を提供することを課題とする。また、施工現場での実用性に富む階段の施工方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の構成とした。
すなわち、各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、前記化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を前記踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1であって、
前記化粧板3および前記踏み板2の少なくとも一方に、前記化粧板3のスライドを前記踏み板2の定位置にて停止させるスライド規制部材10を設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の階段では、化粧板および踏み板の少なくとも一方にスライド規制部材を設けている。このスライド規制部材は、化粧板取り付け時のスライドを踏み板の定位置にて停止させるための部材であり、このスライド規制部材が相手方に接することで、踏み板に対する化粧板の位置が決まる。
【0013】
つまり、スライド規制部材によって化粧板の位置決めがなされるため、化粧板の取り付けに要する時間を短縮でき、また、踏み板に対する化粧板の取り付けも容易になる。このように、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板の取付作業が許容され、以て、階段を利用しての作業後における化粧板3の取り付けが可能になる、及び保護板が不要になる等の利点が得られる。
【0014】
また、前記化粧板3には、前記スライド規制部材10として、化粧板3の下方に向かって垂下された屈曲部4が形成されている構成としてもよい。
【0015】
この構成では、化粧板の下方に向かって垂下された屈曲部を化粧板に設けている。したがって、踏み板上にて化粧板をスライドさせると、この屈曲部が踏み板の縁に接するため、この接触を以て踏み板に対する化粧板の位置決めがなされる。
【0016】
また、前記屈曲部4の先端4aは、前記化粧板3の背面3a側に向かってさらに屈曲しており、前記先端4aと前記化粧板背面3aとの間には、前記踏み板2の厚みに略等しい空隙Mが形成されている構成としてもよい。
【0017】
この構成では、屈曲部の先端を化粧板の背面側に向かってさらに屈曲させ、且つその先端と化粧板背面との間に、踏み板の厚みに略等しい空隙を形成している。したがって、屈曲部と踏み板の縁とは、その結合時において係合状態になり、より確実に化粧板と踏み板とが固定される。なお、上記で「踏み板の厚みに略等しい空隙」とは、踏み板の縁が係合し得る間隔の空隙である。
【0018】
また、前記踏み板2を階段1の上下方向において等間隔に支持する主材5を有する構成としてもよい。
【0019】
この構成では、各踏み板を主材に設けるため、この主材を主たる部材として階段の一部をユニット化できる。
【0020】
また、上記した技術的課題を解決するため、本構成では以下の方法とした。
すなわち、各段を形成する踏み板2と、この踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備え、前記化粧板3の取り付け時には、この化粧板3を前記踏み板2の表面に沿ってスライドさせて化粧板3の取り付けがなされる階段1の施工方法であって、
前記化粧板3および前記踏み板2の少なくとも一方に、前記化粧板3のスライドを前記踏み板2の定位置にて停止させるスライド規制部材10を形成しておき、
前記踏み板2に対する化粧板3の取付作業は、前記踏み板2を露出させた状態での階段1を利用した作業終了後に実施することを特徴とする。
【0021】
この方法では、化粧板および踏み板の少なくとも一方にスライド規制部材を形成しておくため、上述の如く施工現場内における化粧板の取付作業が可能になる。また、化粧板の取付作業は、階段設置後の作業終了を受けて実施するため、化粧板への傷つきが回避され、また、保護板も不要になる。
【0022】
このように本発明の階段及び階段の施工方法では、スライド規制部材によって踏み板に対する化粧板の位置決めが容易になるため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板の取付作業が許容される。よって、保護板が不要になるため製作コストが安価になる。また、化粧板は、施工現場にて後付け可能であるため、施工に於いて要求される実用性も十分に満たすことができる。また、勿論、ユニット化も容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る階段1および階段1の施工方法に関し、その好適な実施形態について説明する。
【0024】
本実施の形態に示す階段1は、図1及び図2に示されるように、各段を形成する踏み板2と、各踏み板2を階段1の上下方向のおいて等間隔に支持する主材5と、この主材5に各踏み板2を水平に固定するためのブラケット6と、踏み板2の表面を覆う化粧板3と、を備えて構成されている。
【0025】
踏み板2は、十分な厚みを有するアルミ板を切り出して製作されている。また、各踏み板2の大きさは、通常の昇降において支障を来すことない程度に広く、また、その形状は、階段1の幅方向に長い矩形(長方形)をなしている。
【0026】
ブラケット6は、階段1の設置場所たる床面に対して各踏み板2を水平に支持し、且つ後に詳述する主材5に各踏み板2を固定するための部材である。
より詳しくは、図2に示されるように、十分な厚みを有するアルミ板を略V字型に折り曲げて形成しており、先の踏み板2は、このブラケット6にてその背面側を支えられる形で、ブラケット6に溶接固定されている。すなわち、本実施の形態では、踏み板2とブラケット6を一つの構造物として製作している。
【0027】
また、ブラケット6の中央に位置した折曲部6aの角度(図2中θ)は、主材5へのブラケット6固定時に於いて、ブラケット6上部の踏み板2が階段1の設置場所に対して水平となるように、その角度が決められている。
また、主材5に対する踏み板2の高さは、ブラケット6の先端部分6bの長さLを変更することで、容易にその高さ調節が可能になっている。
【0028】
主材5は、アルミ製のチャンネルから構成されている。
また、その全長は、階段1の設置場所たる床面から上の階(例えば1階から2階)にかけての高さや階段1の傾斜角度等を考慮して決定されている。また、チャンネルの表面側(本実施の形態では、図1中P面)に上述のブラケット6が等間隔に固定されている。
【0029】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、ブラケット6と主材5との固定にあたりボルトB等を用いているが、必ずしもその必要はなく、ブラケット6と踏み板2との固定同様、溶接によって固定することも可能である。
【0030】
続いて、化粧板3について説明する。
化粧板3は、踏み板2と略同寸法に切り出された木材やアルミ板等から構成され、その長辺側に位置した一方の縁部3bには、化粧板3の下方に向かって垂下され、さらに化粧板3の背面3a側へと屈曲した屈曲部4が設けられている。また、この屈曲部4にて本発明に係るスライド規制部材10が構成されている。
【0031】
また、屈曲部4の先端4aと化粧板3の背面3aとの間に形成される間隔Mすなわち屈曲部4内の空隙は、踏み板2の板厚に略等しく、踏み板2と屈曲部4とは係合可能に構成されている。また、間隔Mの寸法は任意に変更可能であるが、好ましくは、踏み板2と屈曲部4とがある程度の圧力を以て係合する状態すなわち嵌入に近い感覚で両者の係合状態が得られる程度の寸法とするのが望ましい。
【0032】
また、本実施の形態では、屈曲部4の両端を閉鎖して、踏み板2に対する化粧板3の横ずれを規制している(図3及び図4参照)。つまり、屈曲部4両端に壁部4bを形成し、この壁部4bに踏み板2の角部を接触させることで、踏み板3に対する化粧板3の横ズレが規制している。また、この壁部4bを以て踏み板2に対する化粧板3の横方向における位置決めを行える。
【0033】
続いて、上述したスライド規制部材10たる屈曲部4の詳細な構造を踏まえ、踏み板2に対する化粧板3の取付方法について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0034】
はじめに、踏み板2の手間側縁部2a上に化粧板3の縁部を載せる。なお、ここで踏み板2に載せる縁部は、屈曲部4が形成される縁部3bと相反する位置の縁部である。つまり、この状態では、未だ屈曲部4が踏み板2の手前側にある。
【0035】
続いて、化粧板3を踏み板2の表面に沿わせた状態で且つ踏み板2の奥に向かって押し込むようにスライドさせる。
また、スライドが進むにつれて、スライド規制部材10たる屈曲部4が踏み板2の縁部2aに接近し、やがてこの屈曲部4内に踏み板2の縁部2aが係合する。また、この係合状態が確立されると化粧板3のスライドが不能となり、踏み板2に対する化粧板3の位置が定まるため、続く化粧板3の固定作業に移る。
【0036】
化粧板3の固定作業では、図2及び図3に示すように、踏み板2の背面側から化粧板3に向かって計4本の釘Kを打ち込み、化粧板3を踏み板2に固定する。また、屈曲部4に於いても同様に、屈曲部4の下面側から釘Kを打ち込み化粧板3を踏み板2に固定する。
【0037】
このように本実施の形態に示す階段1では、化粧板3にスライド規制部材10たる屈曲部4を設け、この屈曲部4内に踏み板2の縁部2aが係合して化粧板3のスライドが規制されることで、踏み板2に対する化粧板3の位置決めがなされる。
【0038】
つまり、化粧板3をスライドさせるのみで化粧板3の位置が決まるため、踏み板2に対する化粧板3の取り付けが容易になる。しかも化粧板3の取り付けに要する時間の短縮も図れる。よって、作業量及び時間的観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容され、以て、階段1を利用しての作業後において化粧板3の取付作業が可能になる。また、化粧板3の後付けが可能になることから保護板が不要になる。
【0039】
なお、上記踏み板2に対する化粧板3の取付作業は、踏み板2を露出させた状態での階段1を利用した作業終了後に実施するようにしている。つまり、階段1を利用しての作業に伴う化粧板3の傷つきを回避すべく、階段1を利用しての作業終了後に化粧板3の取付作業を実施する。なお、本実施の形態に示す階段1は、上述の如く屈曲部4の形成によって、踏み板2に対する化粧板3の位置決めが容易であるため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容されている。このため、階段1を利用しての作業終了後に化粧板3の取付作業を実施したとしても、大幅な工期の遅れに繋がることはない。また、階段1を利用しての作業性向上といった利点も得られる。
【0040】
このように本実施の形態に示す階段1及び階段1の施工方法では、スライド規制部材10たる屈曲部4によって踏み板2に対する化粧板3の位置決めを容易にするため、時間的及び作業量の観点から施工現場内における化粧板3の取付作業が許容される。よって、保護板が不要になるため製作コストが安価になる。また、階段1を利用しての作業後における化粧板3の取り付けが可能になるため、施工に於いて要求される実用性も十分に満たすことができる。また、勿論、上述の如くユニット化も容易である。
【0041】
また、上記した実施形態では、化粧板3にスライド規制部材10たる屈曲部4を形成したが、必ずしもその必要はなく踏み板2側、若しくは踏み板2及び化粧板3の双方にスライド規制部材10に相当する突起物や屈曲部等を設けてもよい。
【0042】
また、上記した実施形態では、屈曲部4の先端4aを化粧板3の背面3a側にさらに折り曲げたが、必ずしもその必要はなく、例えば、化粧板3の縁部をその下方に折り曲げたのみの構成でもよい。このようにスライド規制部材10は、化粧板3のスライドを規制できれば足り、その形状等は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、製作コストが安価であり、また、施工に於いて要求される実用性にも富むユニット化可能な階段を提供できる。また、施行現場での実用性に富む施工方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に示す階段の斜視図。
【図2】本実施の形態に示す階段の要部断面図。
【図3】本実施の形態に係る踏み板に化粧板及びブラケットを組み付けた状態を示す斜視図。
【図4】化粧板の取付作業を説明する説明図。
【符号の説明】
1 階段
2 踏み板
3 化粧板
4 屈曲部
5 主材
6 ブラケット
10 スライド規制部材
K 釘
B ボルト
Claims (5)
- 各段を形成する踏み板と、この踏み板の表面を覆う化粧板と、を備え、前記化粧板の取り付け時には、この化粧板を前記踏み板の表面に沿ってスライドさせて化粧板の取り付けがなされる階段であって、
前記化粧板および前記踏み板の少なくとも一方に、前記化粧板のスライドを前記踏み板の定位置にて停止させるスライド規制部材を設けたことを特徴とする階段。 - 前記化粧板には、前記スライド規制部材として、化粧板の下方に向かって垂下された屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の階段。
- 前記屈曲部の先端は、前記化粧板の背面側に向かってさらに屈曲しており、前記先端と前記化粧板背面との間には、前記踏み板の厚みに略等しい空隙が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の階段。
- 前記踏み板を階段の上下方向において等間隔に支持する主材を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の階段。
- 各段を形成する踏み板と、この踏み板の表面を覆う化粧板と、を備え、前記化粧板の取り付け時には、この化粧板を前記踏み板の表面に沿ってスライドさせて化粧板の取り付けがなされる階段の施工方法であって、
前記化粧板および前記踏み板の少なくとも一方に、前記化粧板のスライドを前記踏み板の定位置にて停止させるスライド規制部材を形成しておき、
前記踏み板に対する化粧板の取付作業は、前記踏み板を露出させた状態での階段を利用した作業終了後に実施することを特徴とする階段の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002357992A JP2004190294A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 階段および階段の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002357992A JP2004190294A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 階段および階段の施工方法 |
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ID=32757831
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JP (1) | JP2004190294A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111549989A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-08-18 | 郑州珂玛影视光电有限公司 | 一种复式楼层用的智能楼梯 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357992A patent/JP2004190294A/ja active Pending
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