JP2004190254A - 橋脚用免震装置及びこれを備えた橋梁 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させ共振現象を的確に防止することができるとともに、地震発生後の修復を短時間で容易に行うことができる橋脚用免震装置、及びこれを備えた橋梁を提供する。
【解決手段】フーチング1と、その上部側に設けられた脚本体部2とからなる橋脚Bの、フーチング1と脚本体部2とを連結する免震装置10を、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形するように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】フーチング1と、その上部側に設けられた脚本体部2とからなる橋脚Bの、フーチング1と脚本体部2とを連結する免震装置10を、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形するように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋脚に用いられる免震装置、及びこれを備えた橋梁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、橋梁等の固定構造物を、大規模地震にも耐え得るように免震化する工事が、盛んに行われている。橋梁を免震化する工法としては、橋脚と橋桁との間の支承を塑性化することで地震力の低減を図るものもあるが、橋脚の基部を塑性化させることで地震力の低減を図るものの方が、より効果的であると考えられている。
【0003】
このような橋梁の一例について、図8(a)に示す。この図に示すように、橋桁102を支持している橋脚101の基部に、地震力によって容易に塑性化する塑性化部101pを形成しておく。大規模地震が発生した場合には、図8(b)に示すように、塑性化部101pが塑性変形することで、構造系を崩壊させないようにした上で、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。これにより、塑性化部101pよりも上側の橋脚101及び橋桁102に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象の防止を図ることができるものである。このような塑性化部101pを形成するには、橋脚内にコンクリートを充填する、主構造部材の増厚を図る、あるいは補剛リブの本数を増加させる、等の工法があるが、橋脚そのものにはあまり手を加えることなく比較的容易に施工できるものとして、橋脚の基部に高強度繊維シートを巻き付ける工法が考えられている。(特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平5−171620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように高強度繊維シートを巻き付ける工法でも、コスト低減に充分に寄与できるものではなかった。すなわち、高強度繊維の代表的なものとしては炭素繊維が挙げられるが、こうした炭素繊維をはじめとする高強度繊維は一般に高価であって、必然的に繊維シートの材料コストも高いものとなっていた。それとともに、長期間使用しても橋脚から剥離しないようにするため、幾重にも巻き付けなければならず、その結果、材料コストや施工コストが高騰してしまうという問題があった。また、地震終了後に当該塑性化部分を修復する場合には、シートを全て剥がして行い、修復完了後に再び巻き付けなくてはならないので、修復にも長時間を要し、そのコストも高いものとなっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させ且つ共振現象を的確に防止することができるとともに、地震終了後の橋脚の復旧を短時間で容易に行うことができる橋脚用免震装置、及びこれを備えた橋梁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、橋脚用免震装置であって、脚基礎部と、その上部に設けられた脚本体部とからなる橋脚の、前記脚基礎部と前記脚本体部とを連結する免震装置であって、所定レベルの地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形することを特徴とする。
【0008】
このように、脚基礎部と脚本体部との間において、その一部を塑性変形させるようにしているので、橋脚全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の橋脚用免震装置であって、前記脚基礎部の外周側に固定されるとともに、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈する塑性化部が形成された、複数のアンカーボルトと、前記脚本体部の外周側に固定された支持板と、前記アンカーボルトの前記塑性化部よりも上部側と前記支持板とを連結固定するナットと、前記塑性化部の所定量を超える座屈を規制する座屈規制手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このように、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈するようにされた塑性化部を、アンカーボルトに形成するようにしているので、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。また、座屈規制手段によって、塑性化部の所定量を超える座屈を規制するようにしているので、脚本体部の傾斜をある所定量以下に抑えることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の橋脚用免震装置であって、前記座屈規制手段は、前記塑性化部を囲う略円筒形状のパイプ部材を用いた構成とされていることを特徴とする。
【0012】
このように、座屈規制手段として、塑性化部を囲う円筒状のパイプ部材を用いるようにしているので、簡易な構成で、的確に座屈を規制することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の橋脚用免震装置であって、前記脚基礎部の外周側に固定された複数の第1の板体と、前記脚本体部の外周側に固定された第2の板体と、これら第1の板体と第2の板体を両側から狭持する添接板と、前記第1の板体と前記添接板、または前記第2の板体と前記添接板を押圧する押圧手段と、が設けられ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板との間に滑りを発生せしめることを特徴とする。
【0014】
このように、第1の板体と添接板、または第2の板体と添接板を、押圧手段により押圧して、これら両者間に摩擦力を発生させるようにしている。このため、押圧力を調整することで摩擦力を調整して、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には滑りは発生しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には滑りを発生せしめて、第1の板体と第2の板体とが相対移動するようにできる。すなわち、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の橋脚用免震装置であって、前記押圧手段は、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板とを緊結する高力ボルトを用いた構成とされていることを特徴とする。
【0016】
このように、押圧手段として、第1の板体または第2の板体と添接板とを緊結する高力ボルトを用いることとしているので、簡易な構成で、摩擦接合面同士の間に、好適な摩擦力を発生させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の橋脚用免震装置であって、前記第1の板体と前記第2の板体との間に、所定の隙間部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように、第1の板体と第2の板体との間に所定の隙間部を形成するようにしているので、第1の板体と第2の板体との相対移動を円滑に行わせることができるとともに、相対移動する際に、第1の板体と第2の板体とが干渉して変形等が起こることを、的確に防止することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、橋梁であって、脚基礎部及びその上部側に設けられた脚本体部からなる橋脚と、請求項1〜6の何れかに記載の橋脚用免震装置と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
このように、所定レベルの地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、所定レベルを超えるレベルの地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形するようにしている橋脚用免震装置を用いて、橋梁を構成しているので、橋脚全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、橋脚用免震装置よりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る橋脚用免震装置及び橋梁の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
先ず、第1の実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
本実施形態に係る免震装置(橋脚用免震装置)10が適用される鋼製の橋脚Bは、図1及び図2に示すように、地中に埋設されたコンクリート製のフーチング(脚基礎部)1と、底板プレート3を介してその上部に立設された鋼製の脚本体部2とを備えた構成となっている。そして免震装置10は、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカーボルト11と、脚本体部2の外周側に固定された支持板12と、アンカーボルト11と支持板12とを連結固定するナット13a,13bと、アンカーボルト11の座屈を規制するパイプ部材(座屈規制手段)14とを備えた構成となっている。
なお、橋脚Bの上側には、図8において示した橋桁102と同様の構成を有する橋桁(図示省略)が設けられており、これら橋脚B、橋桁、及び免震装置10によって、橋梁が構成されている。
【0023】
フーチング1は、その上端面の高さと地面(図示省略)の高さとが略同一となるように地中に埋設され、橋脚Bの基礎部分を構成するものである。このフーチング1の外周側には、長尺円柱形状をなす複数のアンカーボルト11の下部側の大部分が埋設・固定されている。これらアンカーボルト11は、フーチング1の上端面に設けられた鋼製の端板1fから、各々の上部側を上方向に突出させるとともに、これら突出部分で脚本体部2の下端部側を囲うように配設されている。なおフーチング1には、ベース11Bも埋設されており、各々のアンカーボルト11は下端部側でこのベース11Bに一体に固定されており、より強固にフーチング1内に固定されている。
【0024】
アンカーボルト11の突出部分における中間部には、塑性化部11pが形成されており、上端部側には、ナット13a,13bを螺合させるための雄ネジが形成されている。塑性化部11pは、アンカーボルト11における他の一般部分よりも細くなるように、つまり断面積が小さくなるように成形されており、一般部分よりも強度が若干低くなるように設計されている。そのため、この塑性化部11pよりも上部側に高い荷重が加わると、塑性化部11pが先ず座屈するように、つまり塑性変形するようになっている。
【0025】
脚本体部2は、断面視略矩形状をなしフーチング1から上部側に延在するように設けられており、その下部側の外周側には、外側に向けて略水平に突出する支持板12が溶接等により固定されている。この支持板12の、各アンカーボルト11に対応する位置には、アンカーボルト11の上端部側を挿通させる貫通孔(図示省略)が形成されている。そして支持板12は、ナット13a,13bによって上下方向から緊結されており、これによってアンカーボルト11の塑性化部11pよりも上部側と、支持板12とは、強固に固定されている。
【0026】
底板プレート3は、外形略円盤形状をなす高剛性の薄板によって形成されており、脚本体部2の下端面に一体に固定された状態で、フーチング2上に載置されている。このように略円盤形状をなしていることで、フーチング1に対してどの方向へも同様の回動が可能に、つまり脚本体部2をどの方向へも一様に傾斜させることが可能になっている。
【0027】
パイプ部材14は、略円筒形状をなす高剛性の部材であって、アンカーボルト11の塑性化部11pを囲うようにして、端板1f上に強固に立設されている。このパイプ部材14は、塑性化部14pの所定量を超える座屈を規制するための、座屈規制手段として機能するものである。
【0028】
こうした構成の免震装置10は、レベル1地震動(所定レベルの地震動)による荷重には、耐え得るだけの強度を有しているが、レベル2地震動(所定レベルを越えるレベルの地震動)による荷重を受けた場合には、その一部が塑性変形するようになっている。すなわちアンカーボルト11の塑性化部11pは、レベル1地震動が発生しても座屈しないが、レベル2地震動が発生したら座屈するように、その寸法、強度、あるいは設けられる本数等が設定されている。
【0029】
なお、これら「レベル1地震動」及び「レベル2地震動」なる用語は、「道路橋示方書・同解説 V 耐震設計編」(社団法人日本道路協会、平成14年3月)において規定されている地震動を、各々意味するものである。
【0030】
レベル2地震動が発生すると、その荷重によって、脚本体部2はフーチング1に対して一方向に傾斜しようとする。つまり図3に示すように、底板プレート3の下部側角隅部の一部を回動中心Oとして、脚本体部2は回動しようとする。このとき脚本体部2に働く荷重によって、傾斜側に位置するアンカーボルト11の塑性化部11pが座屈して塑性変形することで、免震装置10はその一部が塑性変形する。これにより、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0031】
このとき、塑性化部11pが過度に座屈しようとすると、塑性化部11pよりも上部側のアンカーボルト11がパイプ部材14に押圧されることにより、塑性化部11pのそれ以上の座屈が規制される。すなわち、パイプ部材14によって、塑性化部11pの所定量を超える座屈が禁止されて、脚本体部2の傾斜がある所定量以下に抑えられるので、例えば橋脚Bが倒壊する等といった、構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることが、的確に防止される。
【0032】
本実施形態に係る免震装置10においては、レベル1地震動による荷重には耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合に、フーチング1と脚本体部2との間において、その一部を塑性変形させるようにしている。そのため、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。そのため、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。もしも橋脚B全体に塑性化が発生した場合には、殆ど修復が不可能な変形が地震終了後にも残るのであるが、この免震装置10を用いれば、地震終了後に免震装置10の一部を修復あるいは交換する等で済むので、橋脚Bを容易に復旧可能とできる。これにより、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させるとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0033】
また、フーチング1の外周側に固定されるとともに、レベル2地震動による荷重を受けた場合には座屈する塑性化部11pが形成された、複数のアンカーボルト11と、フーチング1の外周側に固定された支持板12と、アンカーボルト11の塑性化部11pよりも上部側と支持板12とを連結固定するナット13a,13bと、前記塑性化部11pの所定量を超える座屈を規制する座屈規制手段と、を備えるようにしている。このように、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈するようにされた塑性化部を、アンカーボルトに形成するようにしているので、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、地震力の低減及び共振現象の防止を図ることができる。また、座屈規制手段によって、塑性化部の所定量を超える座屈を規制して、脚本体部2の傾斜をある所定量以下に抑えるようにしているので、例えば構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることを、的確に防止することができる。
【0034】
更に、座屈規制手段として、塑性化部11pを囲う円筒状のパイプ部材14を用いるようにしているので、簡易な構成で、的確に座屈を規制することができる。そのため、地震発生後に容易に修復可能な範囲内で橋脚Bを塑性変形させることができるので、短時間で容易に修復を行うことができる。
【0035】
そして、本実施形態にかかる橋梁においては、フーチング1及びその上部側に設けられた脚本体部2からなる橋脚Bと、免震装置10と、を備えた構成としている。このように、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合にその一部が塑性変形するようにしている免震装置10を用いて、橋梁を構成しているので、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、免震装置10よりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。そのため、地震力による橋梁のダメージを小さくすることができ、地震終了後の橋梁の復旧を、短時間で容易に行うことができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図4乃至図7を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【0037】
本実施形態に係る免震装置(橋脚用免震装置)20Aが適用される橋脚Bは、図4及び図6に示すように、地中に埋設されたフーチング(脚基礎部)1と、底板プレート3を介してその上部に立設された断面視略矩形状をなす脚本体部2とを備えた構成となっている。そして免震装置20Aは、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカープレート21と、脚本体部2の外周側に固定されたリブプレート22と、これらアンカープレート21とリブプレート22を各々両側から狭持する添接板23,23と、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を各々押圧する高力ボルト(押圧手段)24と、を備えた構成となっている。
なお、橋脚Bの上側には、図8において示した橋桁102と同様の構成を有する橋桁(図示省略)が設けられており、これら橋脚B、橋桁、及び免震装置20Aによって、橋梁が構成されている。
【0038】
フーチング1は、その上端面の高さと地面(図示省略)の高さとが略同一となるように地中に埋設され、橋脚Bの基礎部分を構成するものである。このフーチング1の外周側には、長尺平板状をなす複数のアンカープレート21の、下部側の大部分が埋設・固定されている。これらアンカープレート21は、その板厚方向と、断面視した脚本体部2の各辺の延在方向とが略平行となるようにして、フーチング1の上端面から各々の上部側を上方向に突出させるとともに、これら突出部分で脚本体部2の下端部側を囲うように配設されている。なお、これらアンカープレート21の埋設部分には、フーチング1のコンクリート内に突出する多数のスタッド21sが突設されており、これらスタッド21sによって、アンカープレート21はフーチング1内に強固に固定されている。また、アンカープレート21の上部側には、高力ボルト24を殆ど遊びが無い状態として貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が、複数形成されている。
【0039】
なお、免震装置20Aに替えて、図5に示すような構成の免震装置20Bを採用するようにしてもよい。この免震装置20Bは、免震装置20Aにおけるスタッド21sの替わりに、上記免震装置10におけるベース11Bと同様の機能を有するベース21Bを用いている点のみが異なっている。すなわちこのベース21Bは、フーチング1に埋設されており、各々のアンカープレート21は下端部側でこのベース21Bに一体に固定されている。フーチング1の大きさや強度等の要因によって、免震装置20Aでも免震装置20Bでも、何れの構成をも適宜採用することが可能である。
【0040】
脚本体部2は、フーチング1から上部側に延在するように設けられており、その下部側の外周側には、各々のアンカープレート21に対応する位置に、その上部側に突出する平板状のリブプレート22が各々溶接等により固定されている。つまり、各々のアンカープレート21とリブプレート22とは、平面視して略同一位置に重なるようにして、互いに所定距離離間するようにして配設されている。これらリブプレート22には、高力ボルト24を貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が複数形成されている。なおこれら貫通孔は、後述するように、高力ボルト24の所定量の移動を許容するように、高力ボルト24との間に所定の遊びを持たせる大きさとなった、いわゆるルーズ孔となっている。
【0041】
添接板23,23は、各々一対をなしてアンカープレート21及びリブプレート22を両側から狭持し、アンカープレート21とリブプレート22を連結するものである。ここで上記の通り、アンカープレート21とリブプレート22とは所定距離離間した状態で配置されているので、これらの間には所定の間隙部Sが形成されている。これら添接板23における、アンカープレート21及びリブプレート22に対応する位置には、各々高力ボルト24を殆ど遊び無く貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が形成されている。各々の高力ボルト24は、一方側の添接板23からアンカープレート21又はリブプレート22を経て、他方側の添接板23へと貫通するように挿通されており、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を、各々押圧する。ここでは、高力ボルト24の先端部側に高力ナット25を螺合・緊結することで、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を各々押圧するようにしている。なお、他方の添接板23に雌ネジを形成しておき、高力ナット25を用いずに緊結可能としてもよい。
【0042】
このように押圧されることで、アンカープレート21と添接板23,23、及びリブプレート22と添接板23,23とは、各々が摩擦接合される。つまり、互いに当接・押圧されている面部(摩擦接合面)同士の間には、各々所定の摩擦力が発生される。なおこのとき、アンカープレート21及び添接板23,23には、殆ど遊び無く高力ボルト24が貫通しているので、アンカープレート21と添接板23,23とは、殆ど相対移動することなく強固に連結固定されている。一方、リブプレート22には、所定の遊びを有する状態で高力ボルト24が貫通しているとともに、アンカープレート21とリブプレート22との間には間隙部Sが形成されているので、リブプレート22と添接板23,23とは、所定の摩擦力を越える荷重が加わった場合には相対移動可能に、つまり滑るようにされている。
【0043】
こうした構成の免震装置20A,20Bは、レベル1地震動による荷重には、耐え得るだけの強度を有しているが、レベル2地震動による荷重を受けた場合には、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生させるようになっている。すなわち、レベル1地震動が発生しても、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生させないが、レベル2地震動が発生したら、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生せしめるように、その強度が設定されている。こうした設定は、アンカープレート21及びリブプレート22の設定本数、摩擦接合面の面積等の各寸法、強度、あるいは高力ボルト24の本数やその緊結具合等を、適宜調整することにより行う。
【0044】
レベル2地震動が発生すると、その荷重によって、脚本体部2はフーチング1に対して一方向に傾斜しようとする。つまり図7に示すように、底板プレート3の下部側角隅部の一部を回動中心Oとして、脚本体部2は回動しようとする。このとき脚本体部2に働く荷重によって、傾斜側に位置するリブプレート22が添接板23,23に対して滑り、移動することで、免震装置20A,20Bはその一部が塑性変形することとなる。これにより、履歴減衰の獲得と長周期化が行われて、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0045】
なお、リブプレート22の貫通孔の大きさや、間隙部Sの大きさを適宜設定することにより、リブプレート22の過度の滑りを規制することができる。すなわち、許容できる最大限までの滑りが発生した時点で、高力ボルト24と貫通孔、あるいはアンカープレート21とリブプレート22とが干渉するように設定すれば、リブプレート22の所定量を超える移動が規制されて、脚本体部2の傾斜がある所定量以下に抑えられるので、例えば橋脚Bが倒壊する等といった、構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることが、的確に防止される。
【0046】
本実施形態に係る免震装置20A,20Bにおいては、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカープレート21と、脚本体部2の外周側に固定されたリブプレート22と、これらアンカープレート21及びリブプレート22を両側から狭持する添接板23と、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を押圧する押圧手段と、を設け、レベル2地震動による荷重を受けた場合には、アンカープレート21またはリブプレート22と添接板23との間に滑りを発生せしめるようにしている。すなわち、アンカープレート21と添接板23,23、及びリブプレート22と添接板23,23を、押圧手段により押圧して、これら両者間に摩擦力を発生させるようにしている。このため、押圧力を調整することで摩擦力を調整して、レベル1地震動による荷重を受けた場合には滑りは発生しないが、レベル2地震動による荷重を受けた場合には滑りが発生するようにできる。すなわち、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、地震力の低減及び共振現象の防止を図ることができる。
【0047】
また、押圧手段として、アンカープレート21またはリブプレート22と添接板23とを緊結する高力ボルト24を用いるようにしているので、簡易な構成で、好適な摩擦力を発生させることができ、高力ボルト24の緊結具合を適宜調整するだけで、レベル2地震動が発生した場合の滑り量を最適に設定することができる。
【0048】
更に、アンカープレート21とリブプレート22との間に、所定の隙間部Sを形成するようにしているので、アンカープレート21とリブプレート22との相対移動を円滑に行わせることができるとともに、相対移動する際に、アンカープレート21とリブプレート22とが干渉して変形等が起こることを、的確に防止することができる。そのため、脚本体部2の傾斜をある所定量以下に抑えるようにしているので、例えば構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることを、的確に防止することができる。
【0049】
そして、本実施形態にかかる橋梁においては、フーチング1及びその上部側に設けられた脚本体部2からなる橋脚Bと、免震装置20A又は20Bと、を備えた構成としている。このように、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合にその一部が塑性変形するようにしている免震装置20A又は20Bを用いて、橋梁を構成しているので、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、免震装置20A又は20Bよりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。そのため、地震力による橋梁のダメージを小さくすることができ、地震終了後の橋梁の復旧を、短時間で容易に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る橋脚用免震装置によれば、上記の如き構成を採用しているので、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させ共振現象を的確に防止することができるとともに、地震終了後の橋脚の復旧を短時間で容易に行うことができる橋脚用免震装置、及びこれを備えた橋梁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋脚用免震装置の第1の実施形態を示す部分断面斜視図である。
【図2】図1における一部分を拡大して示す図であって、(a)は部分断面側面図、(b)は部分断面正面図である。
【図3】図2(a)における橋脚用免震装置の一部が塑性変形した状態を示す図である。
【図4】本発明に係る橋脚用免震装置の第2の実施形態を示す部分断面斜視図である。
【図5】図4に示した橋脚用免震装置の変形例を示す部分断面斜視図である。
【図6】図4における一部分を拡大して示す図であって、(a)は部分断面側面図、(b)は(a)をX方向に見た断面図である。
【図7】図6(a)における橋脚用免震装置の一部が塑性変形した状態を示す図である。
【図8】従来の橋梁の一例を示す図であって、(a)は通常時の状態を、(b)は大規模地震発生時において(a)の橋脚が傾斜した状態を、各々示す概略構成図である。
【符号の説明】
B 橋脚
1 フーチング(脚基礎部)
2 脚本体部
10 免震装置(橋脚用免震装置)
11 アンカーボルト
11p 塑性化部
12 支持板
13a,13b ナット
14 パイプ部材(座屈規制手段)
20A,20B 免震装置(橋脚用免震装置)
21 アンカープレート(第1の板体)
22 リブプレート(第2の板体)
23 添接板
24 高力ボルト(押圧手段)
25 高力ナット
S 隙間部
O 回動中心
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋脚に用いられる免震装置、及びこれを備えた橋梁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、橋梁等の固定構造物を、大規模地震にも耐え得るように免震化する工事が、盛んに行われている。橋梁を免震化する工法としては、橋脚と橋桁との間の支承を塑性化することで地震力の低減を図るものもあるが、橋脚の基部を塑性化させることで地震力の低減を図るものの方が、より効果的であると考えられている。
【0003】
このような橋梁の一例について、図8(a)に示す。この図に示すように、橋桁102を支持している橋脚101の基部に、地震力によって容易に塑性化する塑性化部101pを形成しておく。大規模地震が発生した場合には、図8(b)に示すように、塑性化部101pが塑性変形することで、構造系を崩壊させないようにした上で、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。これにより、塑性化部101pよりも上側の橋脚101及び橋桁102に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象の防止を図ることができるものである。このような塑性化部101pを形成するには、橋脚内にコンクリートを充填する、主構造部材の増厚を図る、あるいは補剛リブの本数を増加させる、等の工法があるが、橋脚そのものにはあまり手を加えることなく比較的容易に施工できるものとして、橋脚の基部に高強度繊維シートを巻き付ける工法が考えられている。(特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平5−171620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように高強度繊維シートを巻き付ける工法でも、コスト低減に充分に寄与できるものではなかった。すなわち、高強度繊維の代表的なものとしては炭素繊維が挙げられるが、こうした炭素繊維をはじめとする高強度繊維は一般に高価であって、必然的に繊維シートの材料コストも高いものとなっていた。それとともに、長期間使用しても橋脚から剥離しないようにするため、幾重にも巻き付けなければならず、その結果、材料コストや施工コストが高騰してしまうという問題があった。また、地震終了後に当該塑性化部分を修復する場合には、シートを全て剥がして行い、修復完了後に再び巻き付けなくてはならないので、修復にも長時間を要し、そのコストも高いものとなっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させ且つ共振現象を的確に防止することができるとともに、地震終了後の橋脚の復旧を短時間で容易に行うことができる橋脚用免震装置、及びこれを備えた橋梁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、橋脚用免震装置であって、脚基礎部と、その上部に設けられた脚本体部とからなる橋脚の、前記脚基礎部と前記脚本体部とを連結する免震装置であって、所定レベルの地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形することを特徴とする。
【0008】
このように、脚基礎部と脚本体部との間において、その一部を塑性変形させるようにしているので、橋脚全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の橋脚用免震装置であって、前記脚基礎部の外周側に固定されるとともに、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈する塑性化部が形成された、複数のアンカーボルトと、前記脚本体部の外周側に固定された支持板と、前記アンカーボルトの前記塑性化部よりも上部側と前記支持板とを連結固定するナットと、前記塑性化部の所定量を超える座屈を規制する座屈規制手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このように、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈するようにされた塑性化部を、アンカーボルトに形成するようにしているので、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。また、座屈規制手段によって、塑性化部の所定量を超える座屈を規制するようにしているので、脚本体部の傾斜をある所定量以下に抑えることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の橋脚用免震装置であって、前記座屈規制手段は、前記塑性化部を囲う略円筒形状のパイプ部材を用いた構成とされていることを特徴とする。
【0012】
このように、座屈規制手段として、塑性化部を囲う円筒状のパイプ部材を用いるようにしているので、簡易な構成で、的確に座屈を規制することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の橋脚用免震装置であって、前記脚基礎部の外周側に固定された複数の第1の板体と、前記脚本体部の外周側に固定された第2の板体と、これら第1の板体と第2の板体を両側から狭持する添接板と、前記第1の板体と前記添接板、または前記第2の板体と前記添接板を押圧する押圧手段と、が設けられ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板との間に滑りを発生せしめることを特徴とする。
【0014】
このように、第1の板体と添接板、または第2の板体と添接板を、押圧手段により押圧して、これら両者間に摩擦力を発生させるようにしている。このため、押圧力を調整することで摩擦力を調整して、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には滑りは発生しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には滑りを発生せしめて、第1の板体と第2の板体とが相対移動するようにできる。すなわち、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の橋脚用免震装置であって、前記押圧手段は、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板とを緊結する高力ボルトを用いた構成とされていることを特徴とする。
【0016】
このように、押圧手段として、第1の板体または第2の板体と添接板とを緊結する高力ボルトを用いることとしているので、簡易な構成で、摩擦接合面同士の間に、好適な摩擦力を発生させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の橋脚用免震装置であって、前記第1の板体と前記第2の板体との間に、所定の隙間部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように、第1の板体と第2の板体との間に所定の隙間部を形成するようにしているので、第1の板体と第2の板体との相対移動を円滑に行わせることができるとともに、相対移動する際に、第1の板体と第2の板体とが干渉して変形等が起こることを、的確に防止することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、橋梁であって、脚基礎部及びその上部側に設けられた脚本体部からなる橋脚と、請求項1〜6の何れかに記載の橋脚用免震装置と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
このように、所定レベルの地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、所定レベルを超えるレベルの地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形するようにしている橋脚用免震装置を用いて、橋梁を構成しているので、橋脚全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、橋脚用免震装置よりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る橋脚用免震装置及び橋梁の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
先ず、第1の実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
本実施形態に係る免震装置(橋脚用免震装置)10が適用される鋼製の橋脚Bは、図1及び図2に示すように、地中に埋設されたコンクリート製のフーチング(脚基礎部)1と、底板プレート3を介してその上部に立設された鋼製の脚本体部2とを備えた構成となっている。そして免震装置10は、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカーボルト11と、脚本体部2の外周側に固定された支持板12と、アンカーボルト11と支持板12とを連結固定するナット13a,13bと、アンカーボルト11の座屈を規制するパイプ部材(座屈規制手段)14とを備えた構成となっている。
なお、橋脚Bの上側には、図8において示した橋桁102と同様の構成を有する橋桁(図示省略)が設けられており、これら橋脚B、橋桁、及び免震装置10によって、橋梁が構成されている。
【0023】
フーチング1は、その上端面の高さと地面(図示省略)の高さとが略同一となるように地中に埋設され、橋脚Bの基礎部分を構成するものである。このフーチング1の外周側には、長尺円柱形状をなす複数のアンカーボルト11の下部側の大部分が埋設・固定されている。これらアンカーボルト11は、フーチング1の上端面に設けられた鋼製の端板1fから、各々の上部側を上方向に突出させるとともに、これら突出部分で脚本体部2の下端部側を囲うように配設されている。なおフーチング1には、ベース11Bも埋設されており、各々のアンカーボルト11は下端部側でこのベース11Bに一体に固定されており、より強固にフーチング1内に固定されている。
【0024】
アンカーボルト11の突出部分における中間部には、塑性化部11pが形成されており、上端部側には、ナット13a,13bを螺合させるための雄ネジが形成されている。塑性化部11pは、アンカーボルト11における他の一般部分よりも細くなるように、つまり断面積が小さくなるように成形されており、一般部分よりも強度が若干低くなるように設計されている。そのため、この塑性化部11pよりも上部側に高い荷重が加わると、塑性化部11pが先ず座屈するように、つまり塑性変形するようになっている。
【0025】
脚本体部2は、断面視略矩形状をなしフーチング1から上部側に延在するように設けられており、その下部側の外周側には、外側に向けて略水平に突出する支持板12が溶接等により固定されている。この支持板12の、各アンカーボルト11に対応する位置には、アンカーボルト11の上端部側を挿通させる貫通孔(図示省略)が形成されている。そして支持板12は、ナット13a,13bによって上下方向から緊結されており、これによってアンカーボルト11の塑性化部11pよりも上部側と、支持板12とは、強固に固定されている。
【0026】
底板プレート3は、外形略円盤形状をなす高剛性の薄板によって形成されており、脚本体部2の下端面に一体に固定された状態で、フーチング2上に載置されている。このように略円盤形状をなしていることで、フーチング1に対してどの方向へも同様の回動が可能に、つまり脚本体部2をどの方向へも一様に傾斜させることが可能になっている。
【0027】
パイプ部材14は、略円筒形状をなす高剛性の部材であって、アンカーボルト11の塑性化部11pを囲うようにして、端板1f上に強固に立設されている。このパイプ部材14は、塑性化部14pの所定量を超える座屈を規制するための、座屈規制手段として機能するものである。
【0028】
こうした構成の免震装置10は、レベル1地震動(所定レベルの地震動)による荷重には、耐え得るだけの強度を有しているが、レベル2地震動(所定レベルを越えるレベルの地震動)による荷重を受けた場合には、その一部が塑性変形するようになっている。すなわちアンカーボルト11の塑性化部11pは、レベル1地震動が発生しても座屈しないが、レベル2地震動が発生したら座屈するように、その寸法、強度、あるいは設けられる本数等が設定されている。
【0029】
なお、これら「レベル1地震動」及び「レベル2地震動」なる用語は、「道路橋示方書・同解説 V 耐震設計編」(社団法人日本道路協会、平成14年3月)において規定されている地震動を、各々意味するものである。
【0030】
レベル2地震動が発生すると、その荷重によって、脚本体部2はフーチング1に対して一方向に傾斜しようとする。つまり図3に示すように、底板プレート3の下部側角隅部の一部を回動中心Oとして、脚本体部2は回動しようとする。このとき脚本体部2に働く荷重によって、傾斜側に位置するアンカーボルト11の塑性化部11pが座屈して塑性変形することで、免震装置10はその一部が塑性変形する。これにより、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0031】
このとき、塑性化部11pが過度に座屈しようとすると、塑性化部11pよりも上部側のアンカーボルト11がパイプ部材14に押圧されることにより、塑性化部11pのそれ以上の座屈が規制される。すなわち、パイプ部材14によって、塑性化部11pの所定量を超える座屈が禁止されて、脚本体部2の傾斜がある所定量以下に抑えられるので、例えば橋脚Bが倒壊する等といった、構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることが、的確に防止される。
【0032】
本実施形態に係る免震装置10においては、レベル1地震動による荷重には耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合に、フーチング1と脚本体部2との間において、その一部を塑性変形させるようにしている。そのため、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができる。そのため、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。もしも橋脚B全体に塑性化が発生した場合には、殆ど修復が不可能な変形が地震終了後にも残るのであるが、この免震装置10を用いれば、地震終了後に免震装置10の一部を修復あるいは交換する等で済むので、橋脚Bを容易に復旧可能とできる。これにより、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させるとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0033】
また、フーチング1の外周側に固定されるとともに、レベル2地震動による荷重を受けた場合には座屈する塑性化部11pが形成された、複数のアンカーボルト11と、フーチング1の外周側に固定された支持板12と、アンカーボルト11の塑性化部11pよりも上部側と支持板12とを連結固定するナット13a,13bと、前記塑性化部11pの所定量を超える座屈を規制する座屈規制手段と、を備えるようにしている。このように、所定レベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈しないが、所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈するようにされた塑性化部を、アンカーボルトに形成するようにしているので、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、地震力の低減及び共振現象の防止を図ることができる。また、座屈規制手段によって、塑性化部の所定量を超える座屈を規制して、脚本体部2の傾斜をある所定量以下に抑えるようにしているので、例えば構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることを、的確に防止することができる。
【0034】
更に、座屈規制手段として、塑性化部11pを囲う円筒状のパイプ部材14を用いるようにしているので、簡易な構成で、的確に座屈を規制することができる。そのため、地震発生後に容易に修復可能な範囲内で橋脚Bを塑性変形させることができるので、短時間で容易に修復を行うことができる。
【0035】
そして、本実施形態にかかる橋梁においては、フーチング1及びその上部側に設けられた脚本体部2からなる橋脚Bと、免震装置10と、を備えた構成としている。このように、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合にその一部が塑性変形するようにしている免震装置10を用いて、橋梁を構成しているので、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、免震装置10よりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。そのため、地震力による橋梁のダメージを小さくすることができ、地震終了後の橋梁の復旧を、短時間で容易に行うことができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図4乃至図7を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【0037】
本実施形態に係る免震装置(橋脚用免震装置)20Aが適用される橋脚Bは、図4及び図6に示すように、地中に埋設されたフーチング(脚基礎部)1と、底板プレート3を介してその上部に立設された断面視略矩形状をなす脚本体部2とを備えた構成となっている。そして免震装置20Aは、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカープレート21と、脚本体部2の外周側に固定されたリブプレート22と、これらアンカープレート21とリブプレート22を各々両側から狭持する添接板23,23と、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を各々押圧する高力ボルト(押圧手段)24と、を備えた構成となっている。
なお、橋脚Bの上側には、図8において示した橋桁102と同様の構成を有する橋桁(図示省略)が設けられており、これら橋脚B、橋桁、及び免震装置20Aによって、橋梁が構成されている。
【0038】
フーチング1は、その上端面の高さと地面(図示省略)の高さとが略同一となるように地中に埋設され、橋脚Bの基礎部分を構成するものである。このフーチング1の外周側には、長尺平板状をなす複数のアンカープレート21の、下部側の大部分が埋設・固定されている。これらアンカープレート21は、その板厚方向と、断面視した脚本体部2の各辺の延在方向とが略平行となるようにして、フーチング1の上端面から各々の上部側を上方向に突出させるとともに、これら突出部分で脚本体部2の下端部側を囲うように配設されている。なお、これらアンカープレート21の埋設部分には、フーチング1のコンクリート内に突出する多数のスタッド21sが突設されており、これらスタッド21sによって、アンカープレート21はフーチング1内に強固に固定されている。また、アンカープレート21の上部側には、高力ボルト24を殆ど遊びが無い状態として貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が、複数形成されている。
【0039】
なお、免震装置20Aに替えて、図5に示すような構成の免震装置20Bを採用するようにしてもよい。この免震装置20Bは、免震装置20Aにおけるスタッド21sの替わりに、上記免震装置10におけるベース11Bと同様の機能を有するベース21Bを用いている点のみが異なっている。すなわちこのベース21Bは、フーチング1に埋設されており、各々のアンカープレート21は下端部側でこのベース21Bに一体に固定されている。フーチング1の大きさや強度等の要因によって、免震装置20Aでも免震装置20Bでも、何れの構成をも適宜採用することが可能である。
【0040】
脚本体部2は、フーチング1から上部側に延在するように設けられており、その下部側の外周側には、各々のアンカープレート21に対応する位置に、その上部側に突出する平板状のリブプレート22が各々溶接等により固定されている。つまり、各々のアンカープレート21とリブプレート22とは、平面視して略同一位置に重なるようにして、互いに所定距離離間するようにして配設されている。これらリブプレート22には、高力ボルト24を貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が複数形成されている。なおこれら貫通孔は、後述するように、高力ボルト24の所定量の移動を許容するように、高力ボルト24との間に所定の遊びを持たせる大きさとなった、いわゆるルーズ孔となっている。
【0041】
添接板23,23は、各々一対をなしてアンカープレート21及びリブプレート22を両側から狭持し、アンカープレート21とリブプレート22を連結するものである。ここで上記の通り、アンカープレート21とリブプレート22とは所定距離離間した状態で配置されているので、これらの間には所定の間隙部Sが形成されている。これら添接板23における、アンカープレート21及びリブプレート22に対応する位置には、各々高力ボルト24を殆ど遊び無く貫通させるための貫通孔(図6等における符号省略)が形成されている。各々の高力ボルト24は、一方側の添接板23からアンカープレート21又はリブプレート22を経て、他方側の添接板23へと貫通するように挿通されており、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を、各々押圧する。ここでは、高力ボルト24の先端部側に高力ナット25を螺合・緊結することで、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を各々押圧するようにしている。なお、他方の添接板23に雌ネジを形成しておき、高力ナット25を用いずに緊結可能としてもよい。
【0042】
このように押圧されることで、アンカープレート21と添接板23,23、及びリブプレート22と添接板23,23とは、各々が摩擦接合される。つまり、互いに当接・押圧されている面部(摩擦接合面)同士の間には、各々所定の摩擦力が発生される。なおこのとき、アンカープレート21及び添接板23,23には、殆ど遊び無く高力ボルト24が貫通しているので、アンカープレート21と添接板23,23とは、殆ど相対移動することなく強固に連結固定されている。一方、リブプレート22には、所定の遊びを有する状態で高力ボルト24が貫通しているとともに、アンカープレート21とリブプレート22との間には間隙部Sが形成されているので、リブプレート22と添接板23,23とは、所定の摩擦力を越える荷重が加わった場合には相対移動可能に、つまり滑るようにされている。
【0043】
こうした構成の免震装置20A,20Bは、レベル1地震動による荷重には、耐え得るだけの強度を有しているが、レベル2地震動による荷重を受けた場合には、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生させるようになっている。すなわち、レベル1地震動が発生しても、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生させないが、レベル2地震動が発生したら、リブプレート22と添接板23,23との間に滑りを発生せしめるように、その強度が設定されている。こうした設定は、アンカープレート21及びリブプレート22の設定本数、摩擦接合面の面積等の各寸法、強度、あるいは高力ボルト24の本数やその緊結具合等を、適宜調整することにより行う。
【0044】
レベル2地震動が発生すると、その荷重によって、脚本体部2はフーチング1に対して一方向に傾斜しようとする。つまり図7に示すように、底板プレート3の下部側角隅部の一部を回動中心Oとして、脚本体部2は回動しようとする。このとき脚本体部2に働く荷重によって、傾斜側に位置するリブプレート22が添接板23,23に対して滑り、移動することで、免震装置20A,20Bはその一部が塑性変形することとなる。これにより、履歴減衰の獲得と長周期化が行われて、脚本体部2に伝達される地震力を的確に低減するとともに、共振現象を的確に防止することができる。
【0045】
なお、リブプレート22の貫通孔の大きさや、間隙部Sの大きさを適宜設定することにより、リブプレート22の過度の滑りを規制することができる。すなわち、許容できる最大限までの滑りが発生した時点で、高力ボルト24と貫通孔、あるいはアンカープレート21とリブプレート22とが干渉するように設定すれば、リブプレート22の所定量を超える移動が規制されて、脚本体部2の傾斜がある所定量以下に抑えられるので、例えば橋脚Bが倒壊する等といった、構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることが、的確に防止される。
【0046】
本実施形態に係る免震装置20A,20Bにおいては、フーチング1の外周側に固定された複数のアンカープレート21と、脚本体部2の外周側に固定されたリブプレート22と、これらアンカープレート21及びリブプレート22を両側から狭持する添接板23と、アンカープレート21と添接板23、及びリブプレート22と添接板23を押圧する押圧手段と、を設け、レベル2地震動による荷重を受けた場合には、アンカープレート21またはリブプレート22と添接板23との間に滑りを発生せしめるようにしている。すなわち、アンカープレート21と添接板23,23、及びリブプレート22と添接板23,23を、押圧手段により押圧して、これら両者間に摩擦力を発生させるようにしている。このため、押圧力を調整することで摩擦力を調整して、レベル1地震動による荷重を受けた場合には滑りは発生しないが、レベル2地震動による荷重を受けた場合には滑りが発生するようにできる。すなわち、簡易な構成で塑性変形を可能として、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、地震力の低減及び共振現象の防止を図ることができる。
【0047】
また、押圧手段として、アンカープレート21またはリブプレート22と添接板23とを緊結する高力ボルト24を用いるようにしているので、簡易な構成で、好適な摩擦力を発生させることができ、高力ボルト24の緊結具合を適宜調整するだけで、レベル2地震動が発生した場合の滑り量を最適に設定することができる。
【0048】
更に、アンカープレート21とリブプレート22との間に、所定の隙間部Sを形成するようにしているので、アンカープレート21とリブプレート22との相対移動を円滑に行わせることができるとともに、相対移動する際に、アンカープレート21とリブプレート22とが干渉して変形等が起こることを、的確に防止することができる。そのため、脚本体部2の傾斜をある所定量以下に抑えるようにしているので、例えば構造系が崩壊する程に過度の塑性化が起こることを、的確に防止することができる。
【0049】
そして、本実施形態にかかる橋梁においては、フーチング1及びその上部側に設けられた脚本体部2からなる橋脚Bと、免震装置20A又は20Bと、を備えた構成としている。このように、レベル1地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、レベル2地震動による荷重を受けた場合にその一部が塑性変形するようにしている免震装置20A又は20Bを用いて、橋梁を構成しているので、橋脚B全体を塑性化させる必要をなくして、構造系の長周期化及び塑性化による履歴減衰効果を得ることができ、免震装置20A又は20Bよりも上側の構造物に対して地震力を効果的に低減させることができる。そのため、地震力による橋梁のダメージを小さくすることができ、地震終了後の橋梁の復旧を、短時間で容易に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る橋脚用免震装置によれば、上記の如き構成を採用しているので、材料コストや施工コストを低く抑えて、地震力を効果的に低減させ共振現象を的確に防止することができるとともに、地震終了後の橋脚の復旧を短時間で容易に行うことができる橋脚用免震装置、及びこれを備えた橋梁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋脚用免震装置の第1の実施形態を示す部分断面斜視図である。
【図2】図1における一部分を拡大して示す図であって、(a)は部分断面側面図、(b)は部分断面正面図である。
【図3】図2(a)における橋脚用免震装置の一部が塑性変形した状態を示す図である。
【図4】本発明に係る橋脚用免震装置の第2の実施形態を示す部分断面斜視図である。
【図5】図4に示した橋脚用免震装置の変形例を示す部分断面斜視図である。
【図6】図4における一部分を拡大して示す図であって、(a)は部分断面側面図、(b)は(a)をX方向に見た断面図である。
【図7】図6(a)における橋脚用免震装置の一部が塑性変形した状態を示す図である。
【図8】従来の橋梁の一例を示す図であって、(a)は通常時の状態を、(b)は大規模地震発生時において(a)の橋脚が傾斜した状態を、各々示す概略構成図である。
【符号の説明】
B 橋脚
1 フーチング(脚基礎部)
2 脚本体部
10 免震装置(橋脚用免震装置)
11 アンカーボルト
11p 塑性化部
12 支持板
13a,13b ナット
14 パイプ部材(座屈規制手段)
20A,20B 免震装置(橋脚用免震装置)
21 アンカープレート(第1の板体)
22 リブプレート(第2の板体)
23 添接板
24 高力ボルト(押圧手段)
25 高力ナット
S 隙間部
O 回動中心
Claims (7)
- 脚基礎部と、その上部側に設けられた脚本体部とからなる橋脚の、前記脚基礎部と前記脚本体部とを連結する免震装置であって、
所定レベルの地震動による荷重に耐え得る強度を有し、且つ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合に、その一部が塑性変形することを特徴とする橋脚用免震装置。 - 前記脚基礎部の外周側に固定されるとともに、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には座屈する塑性化部が形成された、複数のアンカーボルトと、
前記脚本体部の外周側に固定された支持板と、
前記アンカーボルトの前記塑性化部よりも上部側と前記支持板とを連結固定するナットと、
前記塑性化部の所定量を超える座屈を規制する座屈規制手段と、
が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の橋脚用免震装置。 - 前記座屈規制手段は、前記塑性化部を囲う略円筒形状のパイプ部材を用いた構成とされていることを特徴とする請求項2に記載の橋脚用免震装置。
- 前記脚基礎部の外周側に固定された複数の第1の板体と、
前記脚本体部の外周側に固定された第2の板体と、
これら第1の板体と第2の板体を両側から狭持する添接板と、
前記第1の板体と前記添接板、または前記第2の板体と前記添接板を押圧する押圧手段と、
が設けられ、前記所定レベルを越えるレベルの地震動による荷重を受けた場合には、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板との間に滑りを発生させることを特徴とする請求項1に記載の橋脚用免震装置。 - 前記押圧手段は、前記第1の板体または前記第2の板体と前記添接板とを緊結する高力ボルトを用いた構成とされていることを特徴とする請求項4に記載の橋脚用免震装置。
- 前記第1の板体と前記第2の板体との間に、所定の隙間部が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の橋脚用免震装置。
- 脚基礎部及びその上部側に設けられた脚本体部からなる橋脚と、請求項1〜6の何れかに記載の橋脚用免震装置と、を備えたことを特徴とする橋梁。
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