JP2004190252A - 地滑り抑止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤50の滑り面60位置に略柱状の抵抗体10を略垂直に移動層52と不動層51とにまたがる状態として地盤50の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で配置すると共に、垂直向きの抵抗体10の間に水平向きとなる抵抗体10を所定間隔で配設し、不動層51に支えられる各向きの抵抗体10が移動層52と不動層51との間の滑り面60各位置におけるせん断抵抗をもれなく増大させることにより、移動層52の不動層51に対する移動を抑えて地滑りを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地滑り危険個所で地盤の不動層に対し滑ろうとする移動層に抵抗力を与えて地滑りの発生を防止する地滑り抑止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自然傾斜面や、造成した法面もしくは斜面に対し、地盤の一部が移動する地滑りの発生を防ぐために、抑止杭やグラウンドアンカーで地盤を安定化する工事が従来から広く行われてきた。
抑止杭は、地盤中に推定される滑り面より下側の不動層に達するように地表側から垂直に打設され、杭自体の抵抗力で滑り面より上側の移動層の運動を止めて地滑りを抑止するものである。
【0003】
一方、グラウンドアンカーは、一端部が地盤中の不動層に定着・固定された鋼線等からなる引張部材の他端側を地上に露出させた状態とし、この引張部材を所定の張力が得られるまで緊張した状態でその地上露出部分を地盤表面に設置されたコンクリート製や鋼板製の受圧部材に一体に固着させて形成されるものであり、引張部材の張力を受圧部材から地盤に伝えるようにして地盤の移動層を安定するように保持する仕組みとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抑止杭やグラウンドアンカーは以上のように構成されていることから、抑止杭やグラウンドアンカーを配設する場合、これらを地盤に適切に配設できるように一定の切土が必要となる上、地表面には抑止杭頭部や受圧部材が露出することとなり、自然傾斜面に対する工事の場合、施工後は当初の地表面とは大きく異なる状態となり、自然傾斜面をそのままに保つことはできず、自然の景観を壊してしまうという課題を有していた。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、地盤の移動層と不動層との間にまたがる水平、垂直向きの抵抗体を複数所定間隔で地中に配設し、抵抗力を適切に地盤に与えて地滑りを抑止すると共に、地表面の景観を改変せずに済む地滑り抑止構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る地滑り抑止構造は、傾斜地の地盤に穿設され、地上側から地中に推定される滑り面を越えて下側の不動層に達する略垂直な孔、又は略水平な孔に対し、略柱状の抵抗体が、地中に全体が存在し且つ地盤の移動層と不動層とにまたがる深さ位置まで挿入され、さらに前記孔の空隙部分を所定の充填材で塞がれて地中での略垂直向き配設状態、又は略水平向き配設状態とされ、前記抵抗体が、地盤の前記滑り面位置において、地盤の傾斜方向及び当該傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で各々前記略垂直向き配設状態とされて複数配置されると共に、前記傾斜方向へ連なる略垂直向きの抵抗体列の間に前記傾斜方向へ所定間隔で各々前記略水平向き配設状態とされて複数配置されるものである。
【0007】
このように本発明においては、地盤の滑り面位置に略柱状の抵抗体を略垂直に移動層と不動層とにまたがる状態として地盤の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で配置すると共に、垂直向きの抵抗体の間に水平向きとなる抵抗体を所定間隔で配設し、不動層に支えられる各向きの抵抗体が移動層と不動層との間の滑り面各位置におけるせん断抵抗をもれなく増大させることにより、移動層の不動層に対する移動を抑えて地滑りを防止できる。加えて、抵抗体を複数列配置し、まんべんなく移動層全体に抵抗体を存在させているため、滑り面が上方に移行しても十分に対応できる。また、削孔した孔に抵抗体を配設するのみで抵抗体が地表面に現れず、地表面の状態をほとんど変えることなく地滑り防止が図れ、自然景観に悪影響を与えない。さらに、全て地中に没する小型の抵抗体を用いることで取扱い性に優れ、地表から不動層に達する大型の抑止杭を打設したり、アンカー引張材の緊張力に耐える地中定着部分を構築したり、強固で重いアンカー地上構造部を設置したりせずに済むこととなり、地滑り防止工事が簡略且つ容易に行え、コストダウンも図れる。
【0008】
また、本発明に係る地滑り抑止構造は必要に応じて、一又は複数の可撓性略線状体で形成され、一端部を前記抵抗体の地上寄り部分に一体に連結される連結部材を備え、前記連結部材の他端側を地上に残した状態で前記抵抗体を地中に挿入固定し、地上の連結部材他端部を他の抵抗体に連結されて地上に露出している他の連結部材と緊張状態で一体に連結し、緊張状態の各連結部材地上部分を地表面に当接させるものである。
【0009】
このように本発明においては、抵抗体の地上寄り部分に可撓略線状の連結部材を連結し、抵抗体の地中配設状態で地上の連結部材に緊張を与えつつ他の連結部材と連結して、連結部材を地表面に当接させ、連結部材から地表面に押圧力を与えることにより、互いに連結して立体的に略網状をなす複数の連結部材で移動層を地表側からも支持することとなり、移動層に対する保持力をより一層高めることができると共に、連結部材で相互に連結される各抵抗体が連結部材を介し荷重を分散させて均等に受け持てることとなり、確実に移動層を不動層に対し滑らない状態で保持して安全性と信頼性を高められる。
【0010】
また、本発明に係る地滑り抑止構造は必要に応じて、入口側に所定の管体一端部が連通状態で接続され、前記孔内の移動層と不動層とにまたがる深さ位置まで挿入されて地中に配設される略袋状体を備え、当該略袋状体内部に地上側から前記管体を介して所定の硬化する充填材を充填して前記略袋状体を膨張させ、所定の膨張状態で前記充填材を硬化させて略袋状体及び充填材を前記抵抗体となすものである。
【0011】
このように本発明においては、地中に配設した略袋状体の内部に充填材を充填して膨張させ、最終的に硬化させた充填材と略袋状体との組合せを抵抗体として用いて、充填材の充填で膨張した抵抗体外面としての略袋状体を孔周囲の地盤と強く密着させられることにより、抵抗体を確実に不動層と一体化させることができ、せん断抵抗を高められると共に、充填材の略袋状体への充填状態を変えて抵抗体の大きさを容易に調整でき、孔の大きさや地質の違いに抵抗体を柔軟に対応させられ、地盤の状況に応じた適切な抵抗体として確実に地盤の地滑り防止状態を得られる。さらに、抵抗体を未充填状態の略袋状体と充填材として別個に持運んで配設箇所に設置することができると共に、孔への挿入作業性にも優れ、運搬から挿入・固定に至る作業が容易になり、急斜面など作業環境が厳しい箇所にも施工可能となることに加え、作業者の負担を大幅に軽減できる。
【0012】
また、本発明に係る地滑り抑止構造は必要に応じて、前記管体が、他端側が地上に残りうる十分な長さとされると共に、所定の引張強度を有する可撓性材で形成され、前記連結部材を兼ねるものである。
このように本発明においては、略袋状体に充填材を導入する管体を連結部材とし、略袋状体に充填材を充填し充填材を硬化させた後、管体を地上側で他の管体と緊張状態で連結して地表面に当接させ、管体から地表面に押圧力を与えることにより、互いに連結する連結部材としての管体で各抵抗体にかかる荷重を分散させつつ移動層を地表側から支持して移動層に対する保持状態を確実なものとすると共に、充填材の充填に用いた後の管体を無駄なくそのまま連結部材として用いることができ、連結部材と管体を別個に設ける必要は無く、コストダウンが図れる。
【0013】
また、本発明に係る地滑り抑止構造は必要に応じて、前記充填材が、水及び水溶性の硬化剤を含んでなり、前記略袋状体が、所定の透水性を有する材質で形成され、膨張状態で充填材の一部を当接する地盤側に漏出させるものである。
このように本発明においては、抵抗体をなす略袋状体が透水性を有してなり、充填された充填材の一部を地盤側に漏出させて、充填材の硬化時には地盤に漏出した充填材の一部と略袋状体内の充填材とが一体に硬化することにより、充填材の硬化に伴って周囲地盤の改良・強化が図れると共に、抵抗体と地盤との密着性が著しく向上し、移動層と不動層との間のせん断抵抗を大幅に高められ、地滑り防止能力を大幅に強化できる。
【0014】
また、本発明に係る地滑り抑止構造は必要に応じて、前記連結部材が、所定の透水性を有する材質で形成され、地中部分周囲に存在する地下水の地上への排出路とされるものである。
このように本発明においては、連結部材が透水性を有する構造とされ、連結部材地中部分の周囲に地下水が存在する場合、地下水が連結部材を介して地上へ排出されることにより、地盤中の地下水を適切に排出して地下水位を低下させられ、間隙水圧を減少させることができ、地滑りの大きな要因である地下水を効率よく処理して地滑り土塊を安定させられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る地滑り抑止構造の概略断面図、図2は本実施の形態に係る地滑り抑止構造の抵抗体配置状態説明俯瞰図、図3は本実施形態に係る地滑り抑止構造における連結部材の地表配置状態説明俯瞰図、図4は本実施の形態に係る地滑り抑止構造の要部断面図である。
【0016】
前記各図において本実施形態に係る地滑り抑止構造は、傾斜地の地盤50における地中に推定された滑り面60位置において、地盤50の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向にそれぞれ所定間隔で略柱状の抵抗体10が各々略垂直向きとして複数配設されると共に、地盤50傾斜方向へ連なる前記略垂直向きの抵抗体列の間に、傾斜方向に所定間隔で抵抗体10が各々略水平向きとして複数配設される構成である。
【0017】
前記抵抗体10は、鋼やコンクリートなど硬質材料製の略柱状体で形成され、地滑りの危険性がある傾斜地の地盤50における地上側から削孔されて滑り面60下側の不動層51に達する略垂直又は略水平な孔53に対し、全体を地中に位置させ、且つ一部が滑り面60を越えて地盤の移動層52と不動層51とにまたがる深さ位置まで挿入されて地中に略垂直向き又は略水平向きの配設状態とされる仕組みである。
【0018】
抵抗体10は、不動層51への当接部分によって地中に確実に保持され、移動層52への当接部分で移動層52の滑ろうとする荷重を支持し、移動層52と不動層51間のせん断抵抗を増加させて移動層52の滑りを阻止する仕組みである。この抵抗体10は、移動層52及び不動層51への当接長さを、地滑り荷重に対応して十分な支持力を発揮できる寸法とされると共に、移動層52から受ける荷重により生じるせん断応力に耐え得る断面形状及び断面積とされてなる構成である。また、抵抗体10の地上寄り側となる端部には、可撓性のある合成樹脂繊維製ロープからなる複数本の連結部材20の一端部が一体に連結される構成である。
【0019】
前記連結部材20は、他端側を抵抗体10の地中配設にあたってそのまま地上に残した状態とされ、抵抗体10の配設後、地上側で他端部を他の抵抗体10に連結されている他の連結部材20と緊張状態とされた上で連結・一体化され、地表面において抵抗体配設孔の開口位置を交点とする網目状に配置されて地表面に当接する構成である(図3参照)。これら地上の連結部材20で各抵抗体10端部を連結しているので、連結部材20が抵抗体10にかかる地滑り荷重を他の抵抗体10に伝えて分散させるなど、各抵抗体10は連結部材20を介して相互に力を及ぼし合うこととなる。
【0020】
次に、前記構成に基づく抵抗体抑止構造をなす地滑り抵抗体の配設工程及び地盤保持状態について説明する。まず、抵抗体配設工程については、あらかじめ定めた配置計画に基づいて、地中に抵抗体10を垂直向きに配設する場合は抵抗体10配設位置の上方にあたる地表面から、抵抗体10を水平向きに配設する場合は抵抗体10配設位置の側方にあたる地表面から、掘削機(図示を省略)で孔53の掘削を行う。こうした孔53の掘削に際しては、現場の状況に適応した掘削工法を採用することができる。
【0021】
この孔53の掘削深さは、滑り面60を貫通して、不動層51での孔深さが少なくとも抵抗体10が十分な支持力を発揮できる当接長さを確保可能な深さとする。この孔53の深さは土質、地下水の有無など、現場の状況により変化する。孔53の掘削が終了したら、あらかじめ連結部材20の一端部を抵抗体10に連結固定した状態で、連結部材20の他端側を地上に保持しつつ、抵抗体10を孔53に挿入していく。
【0022】
抵抗体10を孔53内の移動層52と不動層51にまたがる位置に到達させたら、孔53の開口から孔53内の空隙部分にセメントミルク、モルタルあるいは高分子系溶液等の充填材30を充填する。この充填材30を孔53内が全て満たされるまで充填すると一つの抵抗体10の配設が完了する。
【0023】
他の抵抗体についても、前記同様に、地表面から孔53を掘削し、孔53内の適切な位置まで抵抗体10を挿入し、孔53内側の空隙部分に充填材30を充填する一連の工程を繰返す。抵抗体10の配設間隔は、各抵抗体10が互いに干渉せず、且つ複数の抵抗体10で十分に移動層52の滑りを防止できる配設密度となるように設定する。
【0024】
最終的に、地盤50の滑り面60位置において、地盤50の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で抵抗体10を各々略垂直な向きとして複数配設すると共に、傾斜方向へ連なる前記略垂直向きの抵抗体列の間に、前記傾斜方向へ所定間隔で抵抗体10を各々略水平な向きとして複数配設した状態を得る。
【0025】
複数の抵抗体10が配設されたら、隣合う抵抗体10に連結された各連結部材20を所定の張力が得られるまで緊張し、この緊張状態の連結部材20の端部同士を一体に連結することによって、隣合う抵抗体10間の地表面を連結部材20で押圧する状態となる。こうして地表面に網目状に配置された連結部材20は地表面の押圧と同時に、地表面を侵食から保護する役割も果す。地表面が一部改変された場合には、連結部材20の形作る網目部分に植物を植込み、地表面の植生を回復させることもできる。
【0026】
こうして得られた地盤保持状態では、各抵抗体10は、下部を不動層51に定着させて地滑り荷重を支持するのみならず、その上端部を連結部材20により一体連結しているので、全体として各抵抗体10が連結部材20を介して相互に力を及ぼし合う一体構造を形成し、均等に地滑り荷重を受け持つこととなり、地盤50に対する地滑り抑止力が大きくなる。また、地表面で連結部材20の緊張力が押圧力として加わり、地表面から地盤50の移動層52を支持することにより、抵抗体10による抑止効果を強化する。
【0027】
このように、本実施形態に係る地滑り抑止構造においては、地盤50の滑り面60位置に略柱状の抵抗体10を略垂直に移動層52と不動層51とにまたがる状態として地盤50の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で配置すると共に、垂直向きの抵抗体10の間に水平向きとなる抵抗体10を所定間隔で配設し、不動層51に支えられる各向きの抵抗体10が移動層52と不動層51との間の滑り面60各位置におけるせん断抵抗をもれなく増大させることから、移動層52の不動層51に対する移動を抑えて地滑りを防止できる。また、削孔した孔53に抵抗体10を配設するのみで抵抗体10が地表面に現れず、地表面の状態をほとんど変えることなく地滑り防止が図れ、自然景観に悪影響を与えにくい。加えて、抵抗体10を配設後、移動層52を新たに掘削しても地滑りが誘発されたりせず、地盤50の改変も特別な対策を施さずに行えることとなる。
【0028】
なお、前記実施形態に係る地滑り抑止構造においては、抵抗体10に一端部を連結されて地上に露出する連結部材20を備える構成としているが、これに限らず、連結部材20を用いることなく抵抗体10のみを地中に配設する構成とすることもできる。
【0029】
また、前記実施形態に係る地滑り抑止構造においては、地盤50に一つの孔53を削孔した後、引続いて抵抗体10を挿入配設する構成としているが、これに限らず、地盤50に対し削孔作業をまとめて行い、所定間隔で配置された孔53にそれぞれ抵抗体10を挿入配設していく構成とすることもできる。さらに、地盤50への孔53掘削と抵抗体10の挿入配設を別工程で行う構成としているが、抵抗体を一体化した削孔ビットで掘削を行い、所定深さに達した後抵抗体を切離して残り部分のみ引上げて抵抗体を地中に配設する構成とすることもでき、工程を簡略化して作業能率を高められる。
【0030】
また、前記実施形態に係る地滑り抑止構造においては、連結部材20で直接地表面を押圧する構成としているが、連結部材20と地表面との間に所定面積の荷重伝達体を設ける構成とすることもでき、連結部材20からの押圧力を適切に地盤に伝えて地盤50の支持力をより一層高められ、地滑り抵抗力をより強固なものとすることができる。
【0031】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図5に基づいて説明する。図5は本実施の形態に係る地滑り抑止構造の要部拡大断面図である。
前記図5において本実施形態に係る地滑り抑止構造は、前記第1の実施形態同様、傾斜地の地盤50における滑り面60位置に抵抗体10を略垂直向き又は略水平向きとして所定間隔で複数配設してなる構成を有する一方、異なる点として、前記抵抗体10が、地盤50の孔53に挿入される袋状体11とその内部に充填されて硬化する充填材12との組合せ構造とされる構成を有するものである。
【0032】
前記袋状体11は、アラミド繊維を素材とする高引張強度の布体で形成され、内部に充填された充填材12の一部がにじみ出す程度の透水性を有してなり、孔53内の移動層52と不動層51とにまたがる深さ位置まで挿入されて地中に配設されるものである。袋状体11は最大膨張状態で地盤に削孔される孔より大径となる大きさとされると共に入口側に充填材12充填用の管体13一端部が連通状態で一体に接続される構成である。
【0033】
前記管体13は、高い引張強度を有するアラミド繊維製の中空ロープ状体の内側に流体を流すホースを内蔵して形成されてなり、袋状体の地中配設状態で他端側が地上に残りうる十分な長さとされ、前記連結部材を兼ねる構成である。
前記充填材12は、グラウンドアンカーの地中定着部等に用いられるのと同様の公知のグラウトであり、袋状体11への充填後硬化する性質のものである。
【0034】
次に、前記構成に基づく抵抗体抑止構造をなす地滑り抵抗体の配設工程について説明する。前記第1の実施形態同様、地盤50に対し垂直向き又は水平向きの孔53を掘削したら、管体13の他端側を地上に保持しつつ、袋状体11を孔53に挿入していく。
【0035】
袋状体11を孔53内の移動層52と不動層51にまたがる位置に到達させたら、袋状体11内部に地上側から管体13を介して充填材12を充填して袋状体11を膨張させる。この時、膨張する袋状体11で周囲地盤を圧密、強化することができる。所定の膨張状態で充填を停止し、充填材12を硬化させて袋状体11及び充填材12を抵抗体10とする。袋状体11は若干の透水性を有しているため、充填された充填材12の一部は地盤50側ににじみ出して浸透することとなる。袋状体11内の充填材12が硬化する際には、地盤50に浸透した充填材12の一部が地盤50ごと一体に硬化することから、充填材12の硬化で地盤50が改良・強化されると共に、袋状体11を介して充填材12と地盤50とが強固に結び付き、移動層52と不動層51との間のせん断抵抗を高めることができる。充填材12の充填終了後は、前記第1の実施形態同様、孔53の開口から孔53内の空隙部分に充填材30を充填すれば、一つの抵抗体10の配設完了となる。
【0036】
他の抵抗体10についても、前記同様に、地表面から孔53を掘削し、孔53内の適切な位置まで袋状体11を挿入し、袋状体11内部に充填材12を充填して袋状体11を膨張させ、孔53内側の空隙部分にも充填剤30を充填する一連の工程を繰返し、最終的に、前記第1の実施形態同様、地盤50の滑り面60位置において、地盤50の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で抵抗体10を各々略垂直な向きとして複数配設すると共に、傾斜方向へ連なる前記略垂直向きの抵抗体列の間に、前記傾斜方向へ所定間隔で抵抗体10を各々略水平な向きとして複数配設した状態を得る。
そして、各抵抗体10をなす袋状体11に連結された各管体13を所定の張力が得られるまで緊張し、この緊張状態の管体13同士を一体に連結することによって、隣合う抵抗体10間の地表面を管体13で前記第1の実施形態における連結部材20同様に押圧する状態となる。
【0037】
このように、本実施の形態に係る地滑り抑止構造においては、地中に配設した袋状体11の内部に充填材12を充填して膨張させ、最終的に硬化させた充填材12と袋状体11との組合せを抵抗体10として用いて、充填材12の充填で膨張した抵抗体10外面としての袋状体11を孔53周囲の地盤50と強く密着させられることから、抵抗体10を確実に不動層51と一体化させることができ、せん断抵抗を高められると共に、充填材12の袋状体11への充填状態を変えて抵抗体10の大きさを容易に調整でき、地盤50の状況に応じた適切な抵抗体10として確実に地滑り防止状態を得られる。また、袋状体11に充填材12を導入する管体13を連結部材とし、充填材12を硬化させた後、管体13を地上側で他の管体13と緊張状態で連結して地表面に当接させ、管体13から地表面に押圧力を与えることから、互いに連結する管体13で各抵抗体10にかかる荷重を分散させつつ移動層52を地表側から支持して移動層52の保持状態をより確実なものにできる。
【0038】
なお、前記実施形態に係る地滑り抑止構造においては、袋状体11及び管体13をアラミド繊維製とする構成としているが、これに限らず、他の高張力繊維を素材としたものとすることもでき、アラミド繊維同様、十分な強度を与えられることから、袋状体11の場合には内部に充填材12を高圧充填しても破断等無く周囲地盤に高い接触圧で密着させられ、充填材硬化後の抵抗体10としての能力を高められると共に、管体13の場合には連結部材として高い緊張力を与えても破断が生じにくく、地表面への押圧力を高めて地滑り抑止性能を向上させられる。
【0039】
また、前記第1及び第2の各実施形態に係る地滑り抑止構造においては、垂直向きの抵抗体10の間に水平向きとなる抵抗体10を配設する構成としているが、これに限らず、図6に示すように、垂直向きの抵抗体10の間の各抵抗体を水平向きから若干傾けた状態で配設する構成とすることもでき、移動層52の滑ろうとする滑動方向に対しより確実に抵抗力を与えて地滑り抑止性能のより一層の向上が図れる。
【0040】
さらに、前記第1及び第2の各実施形態に係る地滑り抑止構造において、連結部材を透水構造とし、連結部材地中部分周囲に地下水が存在する場合に、連結部材を地下水の地上への排出路とする構成とすることもでき、連結部材地中部分の周囲地盤に存在する地下水が連結部材を介して地上へ排出されることから、地盤50における地下水位を低下させられ、間隙水圧を減少させることができ、地滑りの大きな要因である地下水を効率よく処理して地滑り土塊を安定させられる。また、地盤50における地下水量が豊富で、連結部材を介した地下水の排出では限界がある場合には、連結部材に並列させて排水パイプ等を設置してもかまわない。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、地盤の滑り面位置に略柱状の抵抗体を略垂直に移動層と不動層とにまたがる状態として地盤の傾斜方向及びこの傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で配置すると共に、垂直向きの抵抗体の間に水平向きとなる抵抗体を所定間隔で配設し、不動層に支えられる各向きの抵抗体が移動層と不動層との間の滑り面各位置におけるせん断抵抗をもれなく増大させることにより、移動層の不動層に対する移動を抑えて地滑りを防止できるという効果を奏する。加えて、抵抗体を複数列配置し、まんべんなく移動層全体に抵抗体を存在させているため、滑り面が上方に移行しても十分に対応できるという効果を有する。また、削孔した孔に抵抗体を配設するのみで抵抗体が地表面に現れず、地表面の状態をほとんど変えることなく地滑り防止が図れ、自然景観に悪影響を与えないという効果を有する。さらに、全て地中に没する小型の抵抗体を用いることで取扱い性に優れ、地表から不動層に達する大型の抑止杭を打設したり、アンカー引張材の緊張力に耐える地中定着部分を構築したり、強固で重いアンカー地上構造部を設置したりせずに済むこととなり、地滑り防止工事が簡略且つ容易に行え、コストダウンも図れるという効果を有する。
【0042】
また、本発明によれば、抵抗体の地上寄り部分に可撓略線状の連結部材を連結し、抵抗体の地中配設状態で地上の連結部材に緊張を与えつつ他の連結部材と連結して、連結部材を地表面に当接させ、連結部材から地表面に押圧力を与えることにより、互いに連結して立体的に略網状をなす複数の連結部材で移動層を地表側からも支持することとなり、移動層に対する保持力をより一層高めることができると共に、連結部材で相互に連結される各抵抗体が連結部材を介し荷重を分散させて均等に受け持てることとなり、確実に移動層を不動層に対し滑らない状態で保持して安全性と信頼性を高められるという効果を有する。
【0043】
また、本発明によれば、地中に配設した略袋状体の内部に充填材を充填して膨張させ、最終的に硬化させた充填材と略袋状体との組合せを抵抗体として用いて、充填材の充填で膨張した抵抗体外面としての略袋状体を孔周囲の地盤と強く密着させられることにより、抵抗体を確実に不動層と一体化させることができ、せん断抵抗を高められると共に、充填材の略袋状体への充填状態を変えて抵抗体の大きさを容易に調整でき、孔の大きさや地質の違いに抵抗体を柔軟に対応させられ、地盤の状況に応じた適切な抵抗体として確実に地盤の地滑り防止状態を得られるという効果を有する。さらに、抵抗体を未充填状態の略袋状体と充填材として別個に持運んで配設箇所に設置することができると共に、孔への挿入作業性にも優れ、運搬から挿入・固定に至る作業が容易になり、急斜面など作業環境が厳しい箇所にも施工可能となることに加え、作業者の負担を大幅に軽減できるという効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、略袋状体に充填材を導入する管体を連結部材とし、略袋状体に充填材を充填し充填材を硬化させた後、管体を地上側で他の管体と緊張状態で連結して地表面に当接させ、管体から地表面に押圧力を与えることにより、互いに連結する連結部材としての管体で各抵抗体にかかる荷重を分散させつつ移動層を地表側から支持して移動層に対する保持状態を確実なものとすると共に、充填材の充填に用いた後の管体を無駄なくそのまま連結部材として用いることができ、連結部材と管体を別個に設ける必要は無く、コストダウンが図れるという効果を有する。
【0045】
また、本発明によれば、抵抗体をなす略袋状体が透水性を有してなり、充填された充填材の一部を地盤側に漏出させて、充填材の硬化時には地盤に漏出した充填材の一部と略袋状体内の充填材とが一体に硬化することにより、充填材の硬化に伴って周囲地盤の改良・強化が図れると共に、抵抗体と地盤との密着性が著しく向上し、移動層と不動層との間のせん断抵抗を大幅に高められ、地滑り防止能力を大幅に強化できるという効果を有する。
【0046】
また、本発明によれば、連結部材が透水性を有する構造とされ、連結部材地中部分の周囲に地下水が存在する場合、地下水が連結部材を介して地上へ排出されることにより、地盤中の地下水を適切に排出して地下水位を低下させられ、間隙水圧を減少させることができ、地滑りの大きな要因である地下水を効率よく処理して地滑り土塊を安定させられるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る地滑り抑止構造の概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る地滑り抑止構造の抵抗体配置状態説明俯瞰図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る地滑り抑止構造における連結部材の地表配置状態説明俯瞰図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る地滑り抑止構造の要部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る地滑り抑止構造の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る地滑り抑止構造の概略断面図である。
【符号の説明】
10 抵抗体
11 袋状体
12 充填材
13 管体
20 連結部材
30 充填材
50 地盤
51 不動層
52 移動層
53 孔
60 滑り面
Claims (6)
- 傾斜地の地盤に穿設され、地上側から地中に推定される滑り面を越えて下側の不動層に達する略垂直な孔、又は略水平な孔に対し、略柱状の抵抗体が、地中に全体が存在し且つ地盤の移動層と不動層とにまたがる深さ位置まで挿入され、さらに前記孔の空隙部分を所定の充填材で塞がれて地中での略垂直向き配設状態、又は略水平向き配設状態とされ、
前記抵抗体が、地盤の前記滑り面位置において、地盤の傾斜方向及び当該傾斜方向に対する横断方向へそれぞれ所定間隔で各々前記略垂直向き配設状態とされて複数配置されると共に、前記傾斜方向へ連なる略垂直向きの抵抗体列の間に前記傾斜方向へ所定間隔で各々前記略水平向き配設状態とされて複数配置されることを
特徴とする地滑り抑止構造。 - 前記請求項1に記載の地滑り抑止構造において、
一又は複数の可撓性略線状体で形成され、一端部を前記抵抗体の地上寄り部分に一体に連結される連結部材を備え、
前記連結部材の他端側を地上に残した状態で前記抵抗体を地中に挿入固定し、地上の連結部材他端部を他の抵抗体に連結されて地上に露出している他の連結部材と緊張状態で一体に連結し、緊張状態の各連結部材地上部分を地表面に当接させることを
特徴とする地滑り抑止構造。 - 前記請求項2に記載の地滑り抑止構造において、
入口側に所定の管体一端部が連通状態で接続され、前記孔内の移動層と不動層とにまたがる深さ位置まで挿入されて地中に配設される略袋状体を備え、
当該略袋状体内部に地上側から前記管体を介して所定の硬化する充填材を充填して前記略袋状体を膨張させ、所定の膨張状態で前記充填材を硬化させて略袋状体及び充填材を前記抵抗体となすことを
特徴とする地滑り抑止構造。 - 前記請求項3に記載の地滑り抑止構造において、
前記管体が、他端側が地上に残りうる十分な長さとされると共に、所定の引張強度を有する可撓性材で形成され、前記連結部材を兼ねることを
特徴とする地滑り抑止構造。 - 前記請求項3又は4に記載の地滑り抑止構造において、
前記充填材が、水及び水溶性の硬化剤を含んでなり、
前記略袋状体が、所定の透水性を有する材質で形成され、膨張状態で充填材の一部を当接する地盤側に漏出させることを
特徴とする地滑り抑止構造。 - 前記請求項2ないし5のいずれかに記載の地滑り抑止構造において、
前記連結部材が、所定の透水性を有する材質で形成され、地中部分周囲に存在する地下水の地上への排出路とされることを
特徴とする地滑り抑止構造。
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