JP2004189736A - 分子間化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物において、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を高収率で得る製造方法を提供する。
【解決手段】 沃素(i)と、アルカリ土類金属沃化物(ii)と、複素環式化合物(iii)とを溶媒中で結合させる、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物からなる分子間化合物の製造方法において、前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に均一に溶解させてから、この混合物と複素環式化合物(iii)とを混合して結合させることを特徴とする、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物の製造方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、分子間化合物の製造方法に関する。
アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物としては、種々のものが知られている。例えば、SPD(Suspended Particle Device)の様な調光材料に含まれる偏光粒子としては、前記した様な分子間化合物(針状小結晶粒子)として、沃化カルシウムと沃素からなる過沃化物とピラジンジカルボン酸とから構成された分子間化合物があり、その構造は、xC6424・CaI2・yI2・zH2O (x:1〜4、y:1〜6、z:2〜10)等であると推定される。
この様な分子間化合物は、沃素(i)と、アルカリ土類金属沃化物(ii)と、複素環式化合物(iii)とを溶媒中で結合させることで得られることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながらこの分子間化合物の形成は、過沃化物の形成及び過沃化物と複素環式化合物との結合の二つの結合過程が競合しており、分子間化合物を製造するための全ての原料を一括に仕込んで結合させた場合には、前記調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物が収率良く得られないという欠点があった。
そして、この様な不適切な粒子径を有する分子間化合物を含む生成物を、そのままアルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物として前記調光材料の偏光粒子として用いた場合には、調光材料としての性能(光学特性、電気特性)が十分に発揮出来ないという欠点があった。
特開平7−168211号公報(第3頁段落番号0006、第7頁段落番号0017)。 特開2002−82364号公報(第5頁段落番号0018、第8頁段落番号0037)。
本発明が解決しようとする課題は、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物において、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を高収率で得る製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記実状に鑑みて鋭意検討したところ、沃素が溶媒に対して充分に溶解しないことが原因となり、前記競合する二つの結合過程のうち過沃化物の形成が不充分となること、および、この点を改善することで、結果的に調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物の収率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、沃素(i)と、アルカリ土類金属沃化物(ii)と、複素環式化合物(iii)とを溶媒中で結合させる、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物の製造方法において、前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に均一に溶解させてから、この混合物と複素環式化合物(iii)とを混合して結合させることを特徴とする、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を高収率で製造することが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における製造対象の分子間化合物は、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物(粒子の前駆体)との分子間化合物である。
このアルカリ土類金属過沃化物は、沃素(i)〔以下、成分(i)と略記する。〕とアルカリ土類金属沃化物(ii)〔以下、成分(ii)と略記する。〕との結合により得ることが出来、一方、最終生成物の分子間化合物は、このアルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物(iii)〔以下、成分(iii)と略記する。〕との結合により得ることが出来る。
成分(i)は沃素であり、溶媒に迅速に溶解させるため、結晶化度の低いものが好ましい。成分(ii)のアルカリ土類金属沃化物としては、例えば、沃化カルシウム、沃化マグネシウム、沃化ストロンチウム、沃化バリウム等が挙げられ、なかでも後記成分(iii)と分子間化合物を形成しやすい点から、沃化カルシウムが好ましい。沃化カルシウムは大気中で潮解するため、減圧下加熱乾燥により結晶水を除き、且つ、乾燥剤の入った密閉容器中で保存された、含水率ができるだけ低いものを選択して用いることが好ましい。
アルカリ土類金属過沃化物は、モル数換算で成分(ii)1モル当たり、成分(i)1〜6モルとなる様な仕込み比率で反応させることで得ることが出来る。反応の終点は、成分(i)の消費量により決定することが出来る。一般的には、この反応は温度5〜90℃において、3分〜5時間が好ましい。
本発明における分子間化合物は、背景技術にある様に、成分(i)と、成分(ii)と、成分(iii)とを溶媒中で結合させることにより得られる。しかしながら、調光材料として適切な粒子径を有する前記分子間化合物を高収率で製造する際には、本発明の様に、原料の仕込み方法に留意する必要がある。
本発明においては、従来とは異なる方法、即ち、前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に均一に溶解させてから、この混合物と前記複素環式化合物(iii)とを混合して結合させる。
前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に均一に溶解させるための具体的な手段としては、例えば、次の様な方法がある。(1)成分(i)、(ii)及び溶媒を混合し、加熱して溶解させる。(2)成分(i)、(ii)及び溶媒の少なくとも一つを加熱してから、残りの成分を混合し、加熱して溶解させる。(3)成分(i)、(ii)及び溶媒を混合し、超音波振動を与えて溶解させる。(4)成分(i)、(ii)及び溶媒を混合し、それら混合物同士を混合装置にて衝突混合により溶解させる。(5)成分(ii)を溶媒に溶解後、昇華させた成分(i)を微細ノズルからゆっくり放出する様にしてバブリングして溶解させる。
前記具体的な手段のなかで、特別な装置を必要とせず、しかも手間がより少なく、より短時間で成分(i)、(ii)を溶媒に充分に溶解させることが出来る点で、前記(2)の方法が好ましい。なかでも、溶媒及び成分(ii)を加熱溶解してから成分(i)を混合し、加熱溶解させることが特に好ましい。温度30〜80℃、なかでも、40〜60℃となる様にして成分(ii)、(i)を溶解することが、次工程の成分(iii)との結合へ速やかに移行することが出来る点で特に好ましい。混合物の温度が一様に一定となる様に、攪拌を行うことが好ましい。この過沃化物の形成に要する時間は、温度30〜80℃で5分〜3時間の範囲から選択することが出来、温度40〜60℃の場合には15分〜2時間とすることが好ましい。
前記混合物を調製する際の溶媒は、成分(i)、成分(ii)、及び後記する高分子型分散安定剤をより溶解しやすく、かつ後記する成分(iii)及び最終生成物たる分子間化合物がより溶解しにくいものを選択して用いることが好ましい。この際の溶媒としては、有機溶媒を必須として用いることが、より好ましい。溶媒の量は、質量換算で、成分(i)と成分(ii)と後記する成分(iii)の合計量の7〜20倍量とすることが好ましい。
前記有機溶媒としては、公知慣用の有機溶媒がいずれも挙げられるが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル等の酢酸エステル系有機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のモノアルコール系有機溶媒等が挙げられる。
後記する調光材料の偏光粒子として用いる同分子間化合物を得る場合には、結合を円滑に進め、且つ、粒子径を制御するために、水を併用することが好ましい。水の量は、質量換算で、成分(i)と成分(ii)と後記する成分(iii)の合計量の1〜20%相当量とすることが好ましい。
また、水を併用する場合には、水と有機溶媒の親和性を高めるために、前記モノアルコール系有機溶媒を必須として用いることが好ましい。後記する高分子型分散安定剤がモノアルコール系有機溶媒に溶解しない場合には、他の有機溶媒を併用することが好ましいが、この際のモノアルコール系有機溶媒の添加量は、質量換算で、成分(i)と成分(ii)と後記する成分(iii)の合計量の1〜150%相当量とすることが好ましい。
後記する成分(iii)、及び前記過沃化物と成分(iii)との結合によって形成される分子間化合物を溶解または沈降させることなく混合物中に安定に分散させるために、高分子型分散安定剤を併用することが好ましい。この様な高分子型分散安定剤としては、溶媒に溶解するもの、例えば、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、または、分子間化合物との親和性の高い部分(A)と溶媒との親和性の高い部分(B)からなるA−B型ブロックコポリマーが挙げられる。これらの高分子型分散安定剤は単独で使用しても併用してもよい。高分子型分散剤の量は、質量換算で、成分(i)と成分(ii)と後記する成分(iii)の合計量の1〜200%相当量とすることが好ましく、なかでも20〜150%相当量とすることがより好ましい。
こうして得られた過沃化物からなる一次生成物と、成分(iii)とを混合して結合させることで、目的の分子間化合物を得ることが出来る。この様な成分(iii)としては、前記アルカリ土類金属過沃化物と分子間化合物を形成しやすい点から、複素環中に窒素原子を含んでいる化合物(含窒素複素環式化合物)が好ましい。
具体的には、例えば、無水グリシン(2,5−ピペラジンジオン)、5,6−ジヒドロウラシル、ウラゾール、サクシンイミド、グリコールウリル(アセチレン尿素)、ヒダントイン、無水アラニン(3,6−ジメチル−2,5−ピペラジンジオン)、3−メトキシ−2−(1H)ピリドン、キナルジン酸、3,6−ジメチル−ピラジン−2,5−ジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジン−2,5−ジカルボン酸、ピラジン酸(2−カルボキシピラジン)、4−ヒドロキシキナルジン酸、4−メトキシキナルジン酸、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピコリン酸、2−ヒドロキシピリジン、バルビツル酸、8−ヒドロキシキノリン、シクロロイシン、および2,2’−ジピリジル等が挙げられる。なかでも、ピラジン−2,3−ジカルボン酸・2水和物、ピラジン−2,5−ジカルボン酸・2水和物、ピラジン−2,5−ジカルボン酸・1水和物が好ましい。
成分(iii)は、一次生成物たるアルカリ土類金属過沃化物1モル当たり、1〜4モルとなる様に仕込むことが好ましく、なかでも2モルとなる様に仕込むことがより好ましい。
アルカリ土類金属過沃化物と成分(iii)との結合は、温度30〜80℃で5分〜10時間の範囲から選択することが出来る。攪拌によりこの結合をより促進することが出来る。この際の溶媒として、成分(iii)が溶解しないものを選択して用いた場合には、混合物の経時サンプリングの顕微鏡観察により、成分(iii)の存在しないことを確認出来た点をこの結合の終点と判断することが可能となる。一般的には、この結合は温度40〜60℃の場合には30分〜5時間である。
尚、この際の結合中または結合後の混合物には、必要ならば超音波振動を与えることも出来る。この超音波振動により、結合をより促進して分子間化合物の収率をより高め、且つ、凝集した又は凝集しかけている分子間化合物の粒子を出来るだけ細かい粒子に解すことが出来る。
溶媒種とその使用量、高分子分散安定剤種とその使用量等を適正化して本発明を実施することで、分子間化合物のみが混合物に溶解しなくなる様にすることが出来る。この様な適正化された条件で得られた混合物は、高純度で粒度分布の幅が非常に狭い分子間化合物の粒子の分散体であるが、必要に応じて未結合溶解物や微粒、未結合固形物や粗粒を除くことによって、純度を更に向上し、且つ、粒度分布を更に狭めることが出来る。未結合固形物や粗粒は、分散体の遠心分離により除去できる。未結合溶解物や微粒は、分散体から必要な粒子のみ遠心沈降させることによって上澄みとして除去出来る。遠心沈降した粒子は、粒子を溶解せず、高分子型分散安定剤を溶解する溶媒に再分散させることによって分散体に戻すことが出来る。この様な分子間化合物粒子の分散体から溶媒を乾燥除去することにより、乾燥状態の分子間化合物を得ることも出来る。
前記した様な好適な条件を結合した条件での本発明の製造方法の実施により、粒子の大きさは、長径で1μm以下、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.5μm、且つ粒子のアスペクト比が1.1〜10.0(好ましくは2.0〜7.0)の分子間化合物粒子を高収率で得ることが出来る。尚、粒子の大きさ及びそのアスペクト比は、透過型電子顕微鏡の測定値より算出することが出来る。具体的には、前者は無作為に選んだ50個の同粒子の長径の平均値、後者は無作為に選んだ50個の同粒子の長径と短径の比の平均値としてそれぞれ算出することが出来る。
こうして得られた分子間化合物は、従来と同様に各種の用途に使用し得るが、例えば、調光材料の偏光粒子として用いることが出来る。
前記混合物は偏光粒子の分散体であり、これをそのまま調光材料とすることが出来る。この調光材料から調光パネルを得るには、例えば、偏光粒子を溶解せず、高分子型分散安定剤を溶解する溶媒で前記混合物を希釈して調光特性測定セルに注入する。前記セルとしては、例えば、35milの間隔で平行に配置された2枚の後記透明導電性基板の端部をシールし、基板に電極を付けたものが使用できる。調光材料を注入されたセルは偏光粒子の色による濃紺色を示すが、交流電圧を印加すると偏光粒子が電場に平行に配列することにより、セルは透明となる。
調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物の収率は、例えば、前記偏光粒子分散体の光学特性値及び電気特性値で代用することが出来る。すなわち、前記セルに周波数10kHz、350Vの交流電圧を印加したときの、コントラスト(電圧印加前吸光度/電圧印加後吸光度)及び減衰時間(電圧印加終了後吸光度が90%回復するまでに要した時間)を指標とすることが出来る。コントラストが1.4〜1.9、減衰時間が5〜9ミリ秒の範囲に入る様な分子間化合物が調光材料の偏光粒子として適している。
調光材料としては、前記の様に混合物をそのまま用いることもできるが、液状のままでは加工が困難であるため、フィルム状に加工可能な分散体とすることが好ましい。この様な分散体としては、前記の偏光粒子を液状(メタ)アクリル樹脂に分散させた懸濁液(以下、偏光粒子懸濁液と略記する。)を液状シリコーン樹脂に乳化させたもの(以下、偏光粒子乳濁液と略記する。)が挙げられる。液状(メタ)アクリル樹脂は、偏光粒子の高分子型分散安定剤を部分的に溶解することができ、偏光粒子を凝集させずに流動可能とする機能を有する。
一方、液状シリコーン樹脂は前記(メタ)アクリル樹脂と非相溶性かつ同等の屈折率を有し、さらに重合性エチレン性不飽和二重結合を分子内に有するため硬化性を有し、下記のように偏光粒子懸濁液をフィルム状に加工可能とする機能を有する。尚、前記偏光粒子乳濁液には、前記シリコーン樹脂の光硬化を促進するための光重合開始剤及び/または紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤を添加することが出来る。
前記偏光粒子懸濁液は、質量換算で、偏光粒子1〜70%と(メタ)アクリル樹脂30〜99%とから構成されることが好ましく、偏光粒子4〜50%と(メタ)アクリル樹脂50〜96%とから構成されることがより好ましい。尚、この偏光粒子懸濁液には、1〜80%の可塑剤が含まれていてもよい。
一方、前記偏光粒子乳濁液は、質量換算で、前記シリコーン樹脂100部当たり前記偏光粒子懸濁液1〜100部、好ましくは20〜70部、より好ましくは40〜65部となる様にして調製することが出来る。
さらに、偏光粒子乳濁液中の偏光粒子懸濁液の液滴の平均粒子径は、1〜10μmとなる様に乳化することが好ましい。ここで、前記偏光粒子懸濁液の液滴の平均粒子径は、光学顕微鏡(オリンパス(株)社製 生物顕微鏡 BX−60)を用いて、20倍対物レンズで視野画像をデジタルデータとしてコンピュータに取り込み、画像処理インテグレーションソフトウェア(MITANI CORPORATION製 Win Roof)を使用することにより算出することが出来る。さらに、その粒度分布も算出することが出来る。
この様にして得られた偏光粒子乳濁液を、透明導電性基板に塗布して紫外線・電子線等を照射することで、偏光粒子が流動可能な状態で内包された(メタ)アクリル樹脂の液滴が硬化シリコーン樹脂に分散された、フィルム状の調光層を基板に密着積層させることが出来る。調光層が積層された基板を調光層が内側となる様に透明導電性基板と密着させるか、調光層が積層された基板同士を調光層同士内側にして密着させることで、調光パネルを作製することが出来る。この際の調光層の厚さは特に制限されないが、10〜200μmとなる様にすることが好ましい。
前記透明導電性基板としては、例えば、インジウム錫オキサイド、酸化第一錫、酸化インジウム等の無機導電性化合物あるいは有機導電性高分子等が設けられた基板がいずれも使用出来る。これらの化合物は透明で導電性に優れるため電極として使用される。勿論、透明基板としてはガラス板や合成樹脂シート・フィルム等が使用出来る。
こうして得られた調光パネルは、例えば、室内外の仕切り(パーティション)、建築物用の窓硝子/天窓、電子産業及び映像機器に使用される各種平面表示素子、各種計器板と既存の液晶表示素子の代替品、光シャッター、各種室内外広告及び案内表示板、航空機用の窓硝子、自動車用の窓硝子/バックミラー/サンルーフ、眼鏡、サングラス、サンバイザー等の用途に使用することが出来る。
以下、実施例、比較例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
9.91%のニトロセルロース(旭化成工業(株)製LIG1/8:LIG1/4=79:21)を溶解した265gの酢酸イソアミル溶液に沃化カルシウム5.30g、メタノール4.00g、純水所要量(1.61gからニトロセルロースの酢酸イソアミル溶液、沃化カルシウム、メタノール中の水分を差し引いた量)を加え、45℃に保持した湯浴に漬けて15分間撹拌することによって沃化カルシウムを完全に溶解した。次に沃素9.00gを加え、同温度で30分間撹拌することによって沃素を完全に溶解し、カルシウム過沃化物を得た。この溶液に、ピラジン−2,5−ジカルボン酸2水和物6.00gを投入し、同温度で攪拌を継続したところ、混合物の色相は1分〜2分後に茶色から暗緑色に変化した。さらに攪拌を3時間継続して分子間化合物の分散体を得た。該分散体を超音波分散機で2時間分散した。
この分散液を酢酸イソアミルで希釈して、35milの間隔で平行に配置された2枚の透明導電性基板の端部をシールし、基板に電極接続部を付けたセルに入れ、このセルに周波数10kHz、350Vの交流電圧を印加したときのコントラストは1.8、減衰時間は5ミリ秒であった。また、上記操作を更に2回繰り返したところ、それぞれ1.9、6ミリ秒および1.8、6ミリ秒であり、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を高収率で再現よく得ることが出来た。
得られた偏光粒子の透過型電子顕微鏡写真より、平均長径は0.35μm、平均アスペクト比は5.0であった。
湯浴の温度を55℃とし、それに伴う粒径制御条件として、純水所要量を2.09gからニトロセルロースの酢酸イソアミル溶液、沃化カルシウム、メタノール中の水分を差し引いた量、メタノール量を4.5gに変更した以外は実施例1と同様にして分子間化合物の分散体を調製し、光学特性および電気特性を測定したところ、コントラストが1.6、減衰時間が8ミリ秒であり、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を高収率で得ることが出来た。
(比較例1)
9.91%のニトロセルロース(組成は実施例1と同一)を溶解した265gの酢酸イソアミル溶液に沃化カルシウム5.30g、沃素9.00g、メタノール4.00g、純水所要量(1.61gからニトロセルロースの酢酸イソアミル溶液、沃化カルシウム、メタノール中の水分を差し引いた量)を加え、45℃に保持した湯浴に漬けて撹拌した。5分経過後、ピラジン−2,5−ジカルボン酸2水和物6.00gを投入し、同温度で攪拌を3時間継続して分子間化合物の分散体を得た。該分散体について、実施例1と同様にして光学特性および電気特性を測定したところ、コントラストは2.1、減衰時間は14ミリ秒であった。また、上記操作をもう2回繰り返したところ、それぞれ1.3、5ミリ秒および1.1、3ミリ秒であり、調光材料として適切な粒子径を有する分子間化合物を得ることができなかった。本実験と同様な操作において、ピラジン−2,5−ジカルボン酸2水和物添加前の容器から液体を除いたところ沃素の固体が大量に残留しており、ピラジン−2,5−ジカルボン酸との結合前に、沃素が完全に溶解していないことが分かった。

Claims (3)

  1. 沃素(i)と、アルカリ土類金属沃化物(ii)と、複素環式化合物(iii)とを溶媒中で結合させる、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物からなる分子間化合物の製造方法において、前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に均一に溶解させてから、この混合物と複素環式化合物(iii)とを混合して結合させることを特徴とする、アルカリ土類金属過沃化物と複素環式化合物との分子間化合物の製造方法。
  2. 溶媒に均一に溶解させる手段が、前記成分(i)と成分(ii)とを溶媒に混合し、これらの混合物を温度40〜60℃となる様にすることである請求項1記載の分子間化合物の製造方法。
  3. 溶媒が、水と有機溶媒との混合物である請求項1また2記載の分子間化合物の製造方法。
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