JP2004189726A - 油分散性に優れた化粧料 - Google Patents

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哲夫 宮山
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Abstract

【課題】 使用時のべたつきがないと共に、肌や毛髪へのなじみが良く、かつ界面活性剤を使用することなく、あるいは界面活性剤の使用量を減少させても油性剤が良好に分散した化粧料を提供すること。
【解決手段】 植物油、高級アルコールまたはそのエステル、高級脂肪酸エステルおよび流動パラフィンから選ばれる油性剤、ならびに油分散性向上剤としてポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を含有してなる化粧料である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚化粧料、頭髪化粧料、メーキャップ化粧料等の化粧品および入浴剤等のトイレタリー分野で用いられる化粧料に関し、詳しくは界面活性剤を使用することなく、あるいは界面活性剤の使用量を減少させても油性剤が良好に分散した化粧料に関する。
化粧水、乳液、クリームおよびパック等の皮膚化粧料、シャンプー、リンス、ヘアクリ−ム、ヘアーセット等の頭髪化粧料、フアンデーション、口紅およびアイシャドー等のメーキャップ化粧料および入浴剤等には、油性のものと非油性のものとがあり、油性のものには、油性剤が乳化あるいは分散されている(例えば、特許文献1参照)。
化粧料に油性剤を分散させる場合、油性剤の分散効果の向上のために、従来は非イオン系界面活性剤等の合成物を有効成分とする分散剤が使用されていた。しかしながら、非イオン系界面活性剤を含む化粧料は、皮膚に対して刺激性があるという問題があった。また、環境負荷を低減する観点から、油性剤として天然系油脂が用いられるようになってきたが、なめらか感、さらさら感等の風合いを良好にしようとすると、天然系油脂を高濃度で用いなければならず、このためべたつき感が生じるなどの問題が発生した。
特開2000−38314号公報
本発明の目的は、以上の如き状況から、使用時のべたつきがないと共に、肌や毛髪へのなじみが良く、かつ界面活性剤を使用することなく、あるいは界面活性剤の使用量を減少させても油性剤が良好に分散した化粧料を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を油分散性向上剤として添加することにより、使用時のべたつきがなく、油性剤の分散効果が良好な化粧料が得られ、特に毛髪用化粧料においてはフレーキングがない(毛髪に延ばしたときに白くならない)ことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の化粧料を提供するものである。
〔1〕植物油、高級アルコールまたはそのエステル、高級脂肪酸エステルおよび流動パラフィンから選ばれる油性剤、ならびに油分散性向上剤としてポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を含有してなることを特徴とする化粧料。
〔2〕ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体が、その粒径が0.1〜100μmの範囲にあり、平均粒径が1〜50μmのものである〔1〕の化粧料。
〔3〕油性剤の含有量が0.01〜80質量%、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体の含有量が0.1〜30質量%である〔1〕または〔2〕の化粧料。
〔4〕ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体が、ポリ−γ−グルタミン酸含有量が1〜30質量%の、ポリ−γ−グルタミン酸またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の水溶液、メチルアルコール溶液およびエチルアルコール溶液から選ばれた少なくとも1種の溶液を放射線架橋することにより製造されたものである〔1〕〜〔3〕のいずれかの化粧料。
〔5〕放射線が、γ線または電子線放射線が電子線である〔4〕の化粧料。
〔6〕化粧料が、毛髪用、皮膚用または爪用のものである〔1〕〜〔5〕のいずれかの化粧料。
本発明においては、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を油分散性向上剤として用いることによって、油分散性に優れ、べたつきや皮膚刺激性がなく、かつさらさら感を有する化粧料を容易に得ることができる。
本発明で用いられる油性剤は、植物油、高級アルコールまたはそのエステル、高級脂肪酸エステルおよび流動パラフィンから選ばれるものである。植物油としては、オリーブオイル、ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、グレープシードオイル、ローズヒップオイル、アボガドオイル、セサミオイル、小麦胚芽オイル、月見草オイル、つばきオイル、さざんかオイルなどが挙げられる。
高級アルコールとしては、オクチルドデカノール、ヘキシルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。高級アルコールのエステルとしては、オレイン酸オレイル、ステアリン酸オクチル、アジピン酸ブチル、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソトリデシル、エルカ酸オレイル、(カプリル・カプリン酸)ヤシ油アルキル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクチルエーテル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトライソステアリン酸ペンタエリスリット、ヘキシルデカノール/ラウリン酸ヘキシルデシル、シア脂、ジオクチルシクロヘキサン、スクワラン、2−エチルヘキサセン酸セチル、イソノナン酸セトステアリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、ステアリン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどが挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン,トリイソパルミチン酸グリセリル,トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン等のグリセリンのモノ・ジ・トリエステル、乳酸イソステアリル,ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなどが挙げられる。
これらの油性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で油分散性向上剤の原料に用いられるポリ−γ−グルタミン酸については、特に制限はなく、種々の製造方法によるものが用いられる。例えば、微生物による培養法、すなわち枯草菌による培養法、遺伝子組換微生物による培養法、納豆より調整する方法や、化学合成法等がある。微生物による培養法によりポリ−γ−グルタミン酸を製造する場合には、ポリ−γ−グルタミン酸を菌体外に生成する菌株であればいずれも使用可能であるが、特にバチラス属菌種が望ましい。具体的な例としては、バチラス・ズブチルス、バチラス・アントラシス、バチラス・ナットウなどが用いられる。特に、バチラス・ズブチリスのような微生物により産生される数百万以上の分子量を有するものが好ましい(特開平1−174397号公報)。
微生物の培養法においては、菌株や培地等はポリ−γ−グルタミン酸が生産されるものならどのようなものでもよい。例えば、培地としては、炭素源、窒素源、無機物その他の栄養物を適当に含有する培地ならば、合成培地、天然培地いずれでも用いることができる。添加アミノ酸としては、L−グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジンなどまたはこれらの塩を用いることができ、好ましくはL−グルタミン酸であり、2〜12%、好ましくは3〜10%である。
炭素源としては、グルコ−ス、シュクロ−ス、クエン酸またはキシロースなどを用いることができるが、好ましくはクエン酸またはグルコースである。窒素源としては、ペプトンまたは酵母エキスなどの有機栄養源、硫酸アンモニウム等の無機栄養源などを用いることができる。
培養は、振とう培養または攪拌培養などの好気的条件下で行い、培養温度は25〜45℃、好ましくは30〜40℃である。培養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8であり、培養時のpH調整は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどにより行う。
培養時間は通常24〜72時間でポリ−γ−グルタミン酸は、菌体外に蓄積される。培養終了後の培養液中のポリ−γ−グルタミン酸は、従来から行われている方法により回収することができる。すなわち、遠心分離、濾過助剤または微細孔を有するフィルター濾過により菌体を除去し、限外濾過することによりポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。また、3〜4倍量のエタノールなどを添加してポリ−γ−グルタミン酸を沈殿させる。沈殿物を水に溶解させ不溶物を除去し、透析または限外濾過などにより低分子量物を除き、エタノ−ルなどにより再沈殿を繰り返してポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。
ポリ−γ−グルタミン酸塩類は、ポリ−γ−グルタミン酸を用いた公知の反応により得ることができる。ポリ−γ−グルタミン酸塩類としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、塩基性アミン塩等が挙げられる。
本発明で油分散性向上剤として用いられるポリ−γ−グルタミン酸架橋体は、上記の如き微生物による培養法や化学合成法等により得られたポリ−γ−グルタミン酸を溶媒中にポリ−γ−グルタミン酸が1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%となるように溶解し、該溶液を放射線照射したのち、生成した架橋体を分離精製することにより得られる。溶媒としては水、アルコールの他、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル等が用いられるが、水、メチルアルコールおよびエチルアルコールが好ましく、特に水が好ましい。ポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体も同様にして得ることができる。
ポリ−γ−グルタミン酸またはポリ−γ−グルタミン酸塩類を溶解した溶液は、放射線透過性容器、例えばガラス製バイアル瓶等が用いられる。放射線については、特に制限なく、例えば、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線等があるが、好ましくはγ線または電子線である。照射する電子線の照射線量は得ようとする吸水率等の条件により多少異なるが、通常、照射線量が20kGy以上が好ましい。照射時間は1秒未満では架橋体を十分に形成することができない場合があるので、少なくとも1秒以上照射することが好ましい。
このような電子線照射による方法により所望のゲル化率のポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を得ることができる。本発明で油分散性向上剤として用いられるポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体のゲル化率は20〜100%、好ましくは40〜100%、さらに好ましくは60〜100%である。ゲル化率が20%より低いと保湿性が充分でなく、また生産性も低下する。
なお、本発明で用いるゲル化率とは、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる油分散性向上剤の乾燥質量を、電子線照射に用いたポリ−γ−グルタミン酸の量で割った数値、すなわち、仕込みポリ−γ−グルタミン酸量に対するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる油分散性向上剤の乾燥質量の百分率を意味する。ポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体の場合も同様である。
この後、凍結乾燥等によって水を除去することにより固形物であるポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を得ることができる。このポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体は、無色透明ないしは淡黄色であり、吸水性に優れ、生分解性も有している。
本発明において、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体は、保湿性となめらか感、さらさら感等の風合いのバランスの観点から、粒径が0.1〜100μmの範囲にあり、平均粒径が1〜50μmであることが好ましい。平均粒径は、より好ましくは5〜30μmである。粒径が0.1μm未満であると、化粧料が保湿性に劣るものとなるおそれがあり、また、粒径が100μmを超えると、さらさら感が損なわれてしまうおそれがある。
ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体の粒径の調整は、水分を除去した後、例えばジェットミル、ロールプレス、ボールミル等を用いて微粉砕処理することにより、行うことができる。この微粉砕処理は、乾燥空気を循環させた環境で行うと、粒子の凝集を防止することができる。必要に応じて、超音波ふるい等により粒径を調整してもよい。
本発明で油分散性向上剤として用いられるポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体は、化粧水、乳液、コールドクリーム、ハンドクリーム、口紅、アイシャドウ、ヘアースプレイ、ヘアートニック、アフタートリートメント剤、整髪料、シャンプー、リンス、パーマ液、汗取り剤、入浴剤等に広く用いられ、さらに、口紅、アイシャドウ、ほほ紅等のメイクアップ化粧料除去剤にも用いられる。
ここで、メイクアップ化粧料除去剤の組成物としては、上記ポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体のほか、通常の化粧料等に用いられる成分、例えば界面活性剤、油剤、溶剤、ゲル化剤、薬効剤、水膨潤性粘土鉱物、高分子類、顔料、防腐剤、粘度調整剤、酸化防止剤、香料、水等を、本発明の効果を損わない範囲で適宜配合することができる。
界面活性剤としては、各種のものを用いることができる。具体的には、陰イオン性界面活性剤として、サルフェート、スルホネート系としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸系、タウレート系、イセチオネート系、α−オレフィンスルホン酸系等の界面活性剤が挙げられ、カルボキシレート系としては、脂肪酸石鹸、エーテルカルボン酸系界面活性剤、アシル化アミノ酸系界面活性剤等が挙げられ、ホスフェート系としては、アルキルリン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボベタイン系、ホスホベタイン系、スルホベタイン系、イミダゾリニウムベタイン系等の両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン付加型、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン付加型、アミンオキサイド系、モノエタノールアミド系、ジエタノールアミド系、その他ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系、N−ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド系糖の多価アルコール型等が挙げられる。
これらのうち、非イオン性界面活性剤が、乳化分散性などの点で好ましい。
本発明の化粧料において、上記油性剤ならびに上記のポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体の含有量は、化粧料の種類により適宜選定することができるが、通常、上記油性剤0.01〜80質量%および上記架橋体0.1〜30質量%であり、好ましくは、上記油性剤0.05〜30質量%および上記架橋体0.1〜10質量%、より好ましくは、上記油性剤0.1〜10質量%および上記架橋体0.1〜5質量%である。架橋体の添加量が0.1質量%より少ないと油分散性効果が十分でなく、30質量%より多いとべとつき感が発生しやすくなる。
本発明で油分散性向上剤として用いられるポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体は、例えば、プロピレングリコール、ソルビドール、アミン酸、乳酸ナトリウム等の保湿剤を併用しても効果を損なわれることはない。また、通常の化粧料に配合される、メチルパラベン、1,3−ブチレングリコール等の防腐剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
以下に、実施例等によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
製造例1
明治γ−PGA(明治製菓(株)製ポリ−γ−グルタミン酸)の10質量%の水溶液をガラス製トレイに入れ、コッククロフトウオルトン型電子線照射装置にて、照射距離10cm、2.5kGy/1secにて照射量30kGYになるように合計12秒間照射し、得られた処理物を1週間 4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、簡易粉砕機を用いて粗粉砕し、ゲル化率91%で、粒径が0.1〜3mm、平均粒径が1mmのポリ−γ−グルタミン酸架橋体を得た。このポリ−γ−グルタミン酸架橋体をジェットミルを用いて微粉砕処理することにより、平均粒径が10μmのポリ−γ−グルタミン酸架橋体粒子を得た。
なお、ゲル化率は、仕込みポリ−γ−グルタミン酸の質量に対する得られたポリ−γ−グルタミン酸ゲルの乾燥質量の比率である。また、上記平均粒径は、フラウンホーファーの回折原理を応用した、セイシン企業(株)製のレーザー式粒度分布測定器(LMS−30)により測定した。
実施例1〜5
製造例1で得られたポリ−γ−グルタミン酸架橋体と、油性剤、水および防腐剤を第1表に示す所定の質量割合で配合し、毛髪用化粧剤(アフタートリートメント剤)を製造した。なお、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として、実施例1〜3では平均粒径が10μmのもの、実施例4,5では平均粒径が1mmのもの(微粉砕処理を行わないもの)を用いた。
上記毛髪用化粧剤を毛髪に塗布乾燥後、下記評価基準で、油分散性、さらさら感、フレーキング(毛髪に延ばしたときに白くなる)および皮膚刺激性について評価した。結果を第1表に示す。なお、油分散性は、目視にて評価した。
油分散性:良好;○、やや良好;△、なし;×
さらさら感:あり;○、ややあり;△、なし;×
フレーキング:なし;○、あり;×
皮膚刺激性:なし;○、あり;×
比較例1
ポリ−γ−グルタミン酸架橋体の代わりに、ポリ−γ−グルタミン酸未架橋物である明治γ−PGAを使用し、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例2
ポリ−γ−グルタミン酸架橋体の代わりに、ノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油を使用し、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例3
ポリ−γ−グルタミン酸架橋体の代わりに、ポリビニルピロリドンを使用し、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例4
実施例1において、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体を使用しない以外は実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
Figure 2004189726
Figure 2004189726
(注)
セチオールISL:乳酸イソステアリル(コグニスジャパン株式会社製)
セチオール PEEH4:テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット(コグニスジャパン株式会社製)
セチオール S:ジオクチルシクロヘキサン(コグニスジャパン株式会社製)
NIKKOL HCO−40:ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(日光ケミカルズ株式会社製)
PVP K−90:ポリビニルピロリドン(BASF社製)
実施例6
水96.0質量%、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体(平均粒径 30μm)2.0質量%、メチルパラベン0.2質量%および1,3−ブタンジオール1.8質量%を均一に溶解分散し、化粧料除去剤組成物を得た。なお、上記ポリ−γ−グルタミン酸架橋体(平均粒径30μm)は、製造例1の製造工程で得られた平均粒径200μmのポリ−γ−グルタミン酸架橋体を、製造例1と同様の方法により平均粒径30μmに微粉砕したものである。
得られた化粧料除去剤組成物を用い、下記の組成で、通常の方法により調製した口紅に対する下記の評価を行なった。結果を第2表に示す。
<口紅の組成>
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 15.0質量%
ヒマシ油 32.6質量%
テトラオクタン酸ペンタエルスリチル 5.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 5.0質量%
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5.0質量%
キャンデリラロウ 11.0質量%
セレシン 5.0質量%
ステアリン酸スクロース 3.0質量%
グリセリン脂肪酸エステル 2.0質量%
スクワラン 2.0質量%
トコフェロール 2.0質量%
BHT 1.0質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
プロピルパラベン 0.1質量%
クエン酸 1.0質量%
硫酸バリウム 1.0質量%
酸化チタン 2.0質量%
マイカ 1.0質量%
赤色202号 2.0質量%
赤色204号 1.0質量%
赤色218号 0.5質量%
青色204号 1.5質量%
黄色205号 1.2質量%
<評価方法>
(1)洗浄性
女性パネラー5人が上記口紅を唇に塗布し、経時2時間後に上記化粧料除去剤組成物をコットンに適量含ませて拭い、化粧料除去の効果を下記評価基準により目視で評価した。
非常に良く落ちた;◎
良く落ちた;○
だいたい落ちた;△
ほとんど落ちなかった;×
(2)皮膚に対する刺激性
女性パネラー5人が上記化粧料除去剤組成物を含ませたコットンで、唇および唇周辺を拭っているときに、皮膚に対する刺激性の有無を下記基準により評価した。
5人全員が刺激感がない;◎
刺激感はほとんどないが、違和感がある;△
1人以上刺激感がある;×
(3)使用感
上記洗浄性を評価した際に、化粧料除去剤組成物を使用した後の感触(べたつき)を下記の基準で評価した。
さらさら感があり、感触が良好である;◎
べたつかない;○
ややべたつきがある;△
べたつく;×
実施例7
実施例6で得られた化粧料除去剤組成物99質量部および流動パラフィン1質量部を混合した化粧料除去剤組成物について、実施例6と同様の評価を行なった。結果を第2表に示す。
実施例8
実施例6で得られた化粧料除去剤組成物95質量部および流動パラフィン5質量部を混合した化粧料除去剤組成物について、実施例6と同様の評価を行なった。結果を第2表に示す。
比較例5
実施例6の化粧料除去剤組成物の代わりに流動パラフィンを用いて、実施例6と同様の評価を行なった。結果を第2表に示す。
比較例6
下記の組成の化粧料除去剤組成物を通常の方法で調製し、実施例6の化粧料除去剤組成物の代わりにこの化粧料除去剤組成物を用いて、実施例6と同様の評価を行なった。結果を第2表に示す。
<化粧料除去剤組成物の組成>
流動パラフィン 52.0質量%
パルミチン酸イソプロピル 2.0質量%
テトラオレイン酸ソルベス−30 5.0質量%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0質量%
オリーブ油 2.0質量%
トコフェロール 2.0質量%
大豆油 4.0質量%
香料 0.5質量%
水 30.5質量%
Figure 2004189726
本発明で油分散性向上剤として用いられるポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体は、化粧料への少量添加により優れた油分散性効果を有し、肌や毛髪へのなじみが良く、生分解性であり、洗浄力に優れ、使用後の感触が良好であり、しかも目に対する刺激が少ないことから、化粧水、乳液、コールドクリーム、ハンドクリーム、口紅、アイシャドウ、ヘアースプレイ、ヘアートニック、アフタートリートメント剤、整髪料、シャンプー、リンス、パーマ液、汗取り剤、入浴剤等に広く用いられ、さらに、口紅、アイシャドウ、ほほ紅等のメイクアップ化粧料除去剤にも用いられる。

Claims (6)

  1. 植物油、高級アルコールまたはそのエステル、高級脂肪酸エステルおよび流動パラフィンから選ばれる油性剤、ならびに油分散性向上剤としてポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体を含有してなることを特徴とする化粧料。
  2. ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体が、その粒径が0.1〜100μmの範囲にあり、平均粒径が1〜50μmのものである請求項1に記載の化粧料。
  3. 油性剤の含有量が0.01〜80質量%、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体および/またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体の含有量が0.1〜30質量%である請求項1または2に記載の化粧料。
  4. ポリ−γ−グルタミン酸架橋体またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の架橋体が、ポリ−γ−グルタミン酸含有量が1〜30質量%の、ポリ−γ−グルタミン酸またはポリ−γ−グルタミン酸塩類の水溶液、メチルアルコール溶液およびエチルアルコール溶液から選ばれた少なくとも1種の溶液を放射線架橋することにより製造されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。
  5. 放射線が、γ線または電子線である請求項4に記載の化粧料。
  6. 化粧料が、毛髪用、皮膚用または爪用のものである請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料。
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