JP2004189554A - 有機液肥の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体状又は粉末状の有機肥料を確実に水等の液状媒体に溶け込ませ、高品質な有機液肥を得ることができる有機液肥の製造方法を提供する。
【解決手段】固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体としての水が収容された撹拌槽1に投入した後、酸素富化膜によって酸素濃度が高められたエアによるエアレーションを行って当該撹拌槽1内に当該エアを供給しつつ所定時間撹拌して有機液肥を得るものである。有機肥料と共に好気性又は通性嫌気性微生物を投入するようにしてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体としての水が収容された撹拌槽1に投入した後、酸素富化膜によって酸素濃度が高められたエアによるエアレーションを行って当該撹拌槽1内に当該エアを供給しつつ所定時間撹拌して有機液肥を得るものである。有機肥料と共に好気性又は通性嫌気性微生物を投入するようにしてもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易にJASに適合した高品質の有機液肥を得ることができる有機液肥の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
植物の生育に必要な養分を供給するための肥料は、希釈の便利性及び即効性等の観点から液状のものが有利であるため、従来より、液状の肥料(以下、液肥という。)が提供されている。例えば特許文献1で開示された液肥(液体肥料)は、液体珪酸肥料から成る無機質の肥料であり、このような液肥によれば、不純物混在等による不溶物の析出を回避することができるとともに、微量要素含有塩も添加可能とすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7―101792号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時における農作物の育成方法においては、消費者の安全嗜好や畑が早期に痩せてしまうのを回避することを目的として、有機肥料を用いた有機農法が広く普及しており、上記の如き無機質の肥料に代えて、液状の有機肥料が求められている。然るに、固体状或いは粉末状の有機肥料を完全に水に溶け込ませることは極めて困難であり、高品質な有機液肥を提供するに至っていないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる有機液肥の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、JASに適合する固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体が収容された撹拌槽に投入して可溶化させ、液体状の有機液肥を得ることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記撹拌槽内に固体状又は粉末状の有機肥料を投入した後、エアレーションを行って当該撹拌槽内にエアを供給することにより有機液肥を得ることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の有機液肥の製造方法において、前記エアレーションに際し、酸素濃度が高められたエアを前記撹拌槽内に供給することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の有機液肥の製造方法において、前記酸素濃度が高められたエアは、酸素富化膜に対して空気を通過させることにより得られることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、好気性又は通性嫌気性微生物を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料と好気性又は通性嫌気性微生物とを前記撹拌槽に投入した後、酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行うことにより有機液肥を得ることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の有機肥料の製造方法において、前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、酵素材を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記撹拌槽内の液状媒体が予め加温されたものであることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料を撹拌槽に投入した後、当該撹拌槽内を加熱して可溶化させたことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料は、微粉化処理された後に前記撹拌槽内に投入されることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の有機肥料の製造方法において、前記微粉化処理は、爆砕によるものであることを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の有機肥料の製造方法において、前記撹拌槽内の液状媒体は、水、有機酸、無機酸、アルカリ溶液又は有機溶媒等JASに適合するものであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る有機液肥は、攪拌槽内に所定量の水を収容させるとともに、該水内に所定の有機肥料(固体状又は粉末状のもの)を投入した後、エアレーションを行いつつ攪拌して得られるものである。その具体的な方法を以下に説明する。
【0019】
まず、予めドラム缶等から成る攪拌槽内に所定量の水(本発明の液状媒体)を満たしておき、これにJASに適合する有機肥料或いは有機質肥料素材と、好気性或いは通性嫌気性微生物とを投入した後、酸素濃度が高められたエアをブロアによって攪拌槽内に供給しつつ攪拌する。かかるブロアによって供給されるエアは、酸素富化膜に対して空気を通過させることにより得られたものであり、ブロアの排気作用によって攪拌槽の底面近傍から供給されるようになっている。
【0020】
ここで使用される有機肥料或いは有機質肥料素材は、従来より汎用的に使用されているJASに適合した固体状又は粉末状のものであり、例えば動物質肥料として魚カス、その他の魚肥類、肉カス粉末、骨粉、乾血又は血粉、グアノ、その他の動物性有機質肥料、植物質肥料としてナタネ油カス、ダイズ油カス、綿実油カス、ヤシ油カス、その他の油カス類、食品や醸造或いは薬品等の製造カス、ボカシ肥、乾燥菌体肥料、汚泥肥料、加工家きんふん肥料、ミミズふん肥料、堆肥、きゅう肥、下肥、緑肥、家畜や家きんのふん、蚕沙、草木灰などが挙げられる。
【0021】
また、攪拌槽内に満たされる水に代えて、他の液状媒体としてもよく、例えばJASに適合する液状有機酸、JASに適合する液状無機酸、或いはJASに適合するアルカリ溶液としてもよい。然るに、液状有機酸として、木酢液、醸造酢、ギ酸、酪酸、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、イソクエン酸、コハク酸、アコニット酸、ケトグルタル酸、フマル酸等を成分として含むものが挙げられ、液状無機酸として、リン酸、硫酸、硝酸、塩酸等を成分として含むものを使用するのが好ましい。
【0022】
エアレーション時に使用される酸素富化膜とは、酸素を選択的に透過させ得る膜をいい、例えば高分子主鎖がケイ素原子と酸素原子とが連なった構造を有するシリコーン等から成るものである。尚、使用される酸素富化膜は、空気中の酸素を選択的に透過させて酸素濃度を高めるものであれば足り、他の構造のものを用いてもよい。
【0023】
より具体的には、図1に示すように、固体状又は粉末状の有機肥料及び液状媒体(水等)を収容した攪拌槽1の底部にエアの排出口が形成された排出部2を載置しておくとともに、この排出部2と酸素富化膜装置4とをホース3にて接続しておく。かかる酸素富化膜装置4内には、図示しない酸素富化膜が具備される一方、ブロア5が接続されている。
【0024】
そして、ブロア5を駆動させて空気を酸素富化膜装置4内に導入するとともに、内部の酸素富化膜にて選択的に酸素を透過させる。こうして酸素濃度が高められたエアは、ホース3を介して排出部2に至り、そこから気泡として攪拌槽1内の有機肥料及び液状媒体内に供給されることとなる。かかる気泡は、攪拌槽1の底部から上方に向かって移動するため、当該攪拌槽1の内部に対し万遍なくエアを供給することができるとともに、物理的な攪拌作用を及ぼすこととなる。
【0025】
尚、図示はしないが、攪拌槽1の底部又はその近傍において、攪拌のための羽根を回転させ、攪拌作用をより向上させるようにしてもよく、勿論、作業者が攪拌棒等によって所定時間攪拌作用を及ぼすようにしてもよい。また、排出部2は、気体を排出させる汎用のものを使用するのが好ましいが、攪拌槽1の底部全域を覆う如き寸法のものとすれば更に好ましい。
【0026】
更に、攪拌槽1内には、好気性或いは通性嫌気性微生物が投入されているため、かかる微生物によって固体状又は粉末状の有機肥料の分解を促進することができる。この微生物は、好気性或いは通性嫌気性微生物であるため、排出部2から供給されたエアによって活性化され、有機肥料の分解を早期に且つ確実に行うことができるようになっている。
【0027】
尚、投入されるべき微生物は、攪拌槽1内の有機肥料や液状媒体に応じて任意に選択することができ、例えばバチルス、シュードモナス、ラクトバチルス等が挙げられる。勿論、これら微生物による有機肥料の分解促進を期待しなければ、当該微生物を投入しなくてもよい。
【0028】
有機肥料等が投入された液状媒体は、上記の如きエアレーション及び物理的攪拌作用に加え、撹拌作業時間が所定時間経過することにより、暴気されることとなる。これら作用により、液状媒体に対して投入された有機肥料等が分解して可溶化されるので、液状媒体に有機肥料を完全に溶け込ませることができ、高品質な有機液肥を得ることができる。かかる有機液肥は、任意に希釈することができ、また、即効性も期待できるものであるとともに、異なった液肥を任意に混合して所望の肥料を容易に調製することができる。
【0029】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、JASに適合する固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体が収容された撹拌槽に投入して可溶化させ、液体状の有機肥料を得る方法であれば足りる。例えば、酸化富化膜装置4を介在させずブロア5から直接撹拌槽1内にエアを供給してエアレーションするようにしてもよいし、エアレーションを行わずに好気性又は通性嫌気性微生物を投入するようにしてもよい。また、かかる通気性又は通性嫌気性微生物に代えて、プロテアーゼやリパーゼなどの酵素材を固体状又は粉末状の有機肥料とともに撹拌槽1内に投入し、当該酵素材の酵素分解により可溶化させるようにしてもよい。
【0030】
更に、撹拌槽内における水などの液状媒体を予め加温しておき、これに固体状又な粉末状の有機肥料を投入したり、或いは固体状又は粉末状の有機肥料を液状媒体が収容された撹拌槽内に投入した後、加熱することにより可溶化を促進して有機液肥を得るようにしてもよい。撹拌槽内の液状媒体は、水、有機酸、無機酸、アルカリ溶液又は有機溶媒等JASに適合するものであれば何れのものであってもよい。
【0031】
また更に、撹拌槽内に投入する前の有機肥料を微粉化処理し、液状媒体に溶け易くすることにより、可溶化作業時間を短縮させてもよい。微粉化処理は、有機肥料を細かくするものであれば爆砕等いずれの処理にて行うようにしてもよい。勿論、微粉化処理された有機肥料は、上記のいずれの方法によっても可溶化を図ることができる。
【0032】
次に、本発明の更に具体的な実施例について説明する。勿論、本発明はこれら実施例に限定されず、任意に変更、追加等を施すことができる。
(実施例1)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に100Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粉末状のブランドミン(日本バイオ肥料株式会社製)を20kg、及び微生物としての光オーレス(株式会社松本微生物研究所製)を2kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。
【0033】
かかる酸素富化膜は、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用した。また、投入される前のブランドミンの成分を以下の表1に示し、これが100%溶けた場合の計算値による液肥の成分を表2に、実際に製造された液肥の成分を表3に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
上記表1〜3における各成分を比較すると、N(窒素)が45%、P(リン)が1%しか溶けていないものの、K(カリウム)及びMg(マグネシウム:苦土)は概ね可溶化して溶けていることが分かる。従って、カリウム及びマグネシウムを多く含んだ有機液肥としては、比較的高品質なものを得ることができた。
【0038】
(実施例2)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に100Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粉末状のブランドミン(日本バイオ肥料株式会社製)を4kg、及び微生物としての光オーレス(株式会社松本微生物研究所製)を2kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。
【0039】
かかる酸素富化膜は、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用した。また、ブランドミンが100%溶けた場合の計算値による液肥の成分を表4に、実際に製造された液肥の成分(1日経過のもの及び2日経過のもの)を表5に示した。尚、投入される前のブランドミンの成分は、実施例1における表1と同様である。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
上記表4、5及び表1とを比較すると、ブランドミンを4kgにすることにより、N(窒素)が48%、P(リン)が0.5%しか溶けていないものの、K(カリウム)及びMg(マグネシウム:苦土)は80%の可溶化率を示し、概ね溶けていることが分かる。従って、カリウム及びマグネシウムを多く含んだ有機液肥としては、比較的高品質なものを得ることができた。
【0043】
(実施例3)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に50Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粒状の草木灰(日本バイオ肥料株式会社製)を2.5kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。かかる酸素富化膜は、実施例1及び2と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、5日間エアレーションを行った。
【0044】
以下に上記実験結果を示す。尚、表6は、投入する前の草木灰の成分、表7は、草木灰が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分、及び表8は、実際に製造された液肥の成分を示している。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
上記表6〜8を比較すると、K(カリウム)は、く溶性のものが34.4%及び水溶性のものが46.1%可溶化していた。従って、微生物を投入しなくても、カリウムを多く含んだ有機液肥として比較的優れたものを得ることができた。
【0049】
(実施例4)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に50Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粒状の陸王25(日本バイオ肥料株式会社製)を2.5kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。かかる酸素富化膜は、前の実施例と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、4日間エアレーションを行った。
【0050】
以下に上記実験結果を示す。尚、表9は、投入する前の陸王25の成分、表10は、陸王25が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分、及び表11は、実際に製造された液肥の成分(1日目と4日目を分析)を示している。
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
上記表9〜11を比較すると、Mg(マグネシウム:苦土)は、5.7%の可溶化率であったものの、Ca(カルシウム:石灰)は、85%と極めて高い可溶化率を示した。従って、微生物を投入しなくても、石灰を多く含む有機液肥として比較的優れたものを得ることができた。
【0055】
(実施例5)
50Lのタンク(撹拌槽)を2つ用意し、それぞれに40Lの水(液状媒体)を収容させ、これに実施例4と同様の陸王25を2kgずつ投入した後、一方のタンク(以下、エアポンプ区という。)に対して通常のエアポンプによるエアレーション(大気と同様のエアを供給)を行うとともに、他方のタンク(以下、酸素富化膜区という。)に対して酸素富化膜によって酸素濃度が高められたエアを供給しエアレーションを行った。尚、かかる酸素富化膜は、前の実施例と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、4日間エアレーションを行った。
【0056】
以下の表12に上記実験結果(1日目及び4日目)を示す。尚、投入される前の陸王25の成分、及び陸王25が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分は、既述の実施例4と同様であり、それぞれ表9及び表10に示されている。
【0057】
【表12】
【0058】
上記表12及び実施例4の表9及び表10を比較すると、エアポンプ区の苦土(マグネシウム)の可溶化率は5.8%、石灰(カルシウム)の可溶化率は78.8%であったのに対し、酸素富化膜区のそれぞれの可溶化率は6.1%及び87.9%であった。即ち、苦土については酸素富化膜の効果が認められるものの、その差は少ない一方、石灰については効果に大きな差が認められることから、可溶化され易い成分ほど酸素富化膜の効果が顕著に現れることが分かる。
【0059】
通常の空気には、酸素が20%含まれているが、上記酸素富化膜を通過させることにより酸素濃度が30%に高められている。かかる気体をエアレーションすることにより、苦土肥料と酸素分子との接触頻度が高まり、何らかの反応によって可溶態であるMgO−状の苦土割合が増加するものと考えられる。従って、微生物の投入の有無に関わらず、酸素濃度が高められたエアにてエアレーションすることにより、有機肥料を水等の液状媒体に完全に溶け込ませることができ、高品質な有機液肥を得ることができるが分かる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる。特に、請求項3の発明によれば、攪拌槽内の液状媒体に固体状又は粉末状の有機肥料を投入した後、酸素濃度が高められたエアを供給しつつ攪拌するので、当該有機肥料を水等の液状媒体に完全に溶け込ませることができ、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる。
【0061】
また、請求項10の発明によれば、有機肥料が予め微粉化処理された後に撹拌槽内に投入されるので、当該有機肥料の可溶化を短時間にて行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る有機液肥の製造方法に適用されるべき装置構成を示す模式図
【符号の説明】
1…撹拌槽
2…排出部
3…ホース
4…酸素富化膜装置
5…ブロア
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易にJASに適合した高品質の有機液肥を得ることができる有機液肥の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
植物の生育に必要な養分を供給するための肥料は、希釈の便利性及び即効性等の観点から液状のものが有利であるため、従来より、液状の肥料(以下、液肥という。)が提供されている。例えば特許文献1で開示された液肥(液体肥料)は、液体珪酸肥料から成る無機質の肥料であり、このような液肥によれば、不純物混在等による不溶物の析出を回避することができるとともに、微量要素含有塩も添加可能とすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7―101792号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時における農作物の育成方法においては、消費者の安全嗜好や畑が早期に痩せてしまうのを回避することを目的として、有機肥料を用いた有機農法が広く普及しており、上記の如き無機質の肥料に代えて、液状の有機肥料が求められている。然るに、固体状或いは粉末状の有機肥料を完全に水に溶け込ませることは極めて困難であり、高品質な有機液肥を提供するに至っていないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる有機液肥の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、JASに適合する固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体が収容された撹拌槽に投入して可溶化させ、液体状の有機液肥を得ることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記撹拌槽内に固体状又は粉末状の有機肥料を投入した後、エアレーションを行って当該撹拌槽内にエアを供給することにより有機液肥を得ることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の有機液肥の製造方法において、前記エアレーションに際し、酸素濃度が高められたエアを前記撹拌槽内に供給することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の有機液肥の製造方法において、前記酸素濃度が高められたエアは、酸素富化膜に対して空気を通過させることにより得られることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、好気性又は通性嫌気性微生物を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料と好気性又は通性嫌気性微生物とを前記撹拌槽に投入した後、酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行うことにより有機液肥を得ることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の有機肥料の製造方法において、前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、酵素材を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記撹拌槽内の液状媒体が予め加温されたものであることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料を撹拌槽に投入した後、当該撹拌槽内を加熱して可溶化させたことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の有機液肥の製造方法において、前記有機肥料は、微粉化処理された後に前記撹拌槽内に投入されることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の有機肥料の製造方法において、前記微粉化処理は、爆砕によるものであることを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の有機肥料の製造方法において、前記撹拌槽内の液状媒体は、水、有機酸、無機酸、アルカリ溶液又は有機溶媒等JASに適合するものであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る有機液肥は、攪拌槽内に所定量の水を収容させるとともに、該水内に所定の有機肥料(固体状又は粉末状のもの)を投入した後、エアレーションを行いつつ攪拌して得られるものである。その具体的な方法を以下に説明する。
【0019】
まず、予めドラム缶等から成る攪拌槽内に所定量の水(本発明の液状媒体)を満たしておき、これにJASに適合する有機肥料或いは有機質肥料素材と、好気性或いは通性嫌気性微生物とを投入した後、酸素濃度が高められたエアをブロアによって攪拌槽内に供給しつつ攪拌する。かかるブロアによって供給されるエアは、酸素富化膜に対して空気を通過させることにより得られたものであり、ブロアの排気作用によって攪拌槽の底面近傍から供給されるようになっている。
【0020】
ここで使用される有機肥料或いは有機質肥料素材は、従来より汎用的に使用されているJASに適合した固体状又は粉末状のものであり、例えば動物質肥料として魚カス、その他の魚肥類、肉カス粉末、骨粉、乾血又は血粉、グアノ、その他の動物性有機質肥料、植物質肥料としてナタネ油カス、ダイズ油カス、綿実油カス、ヤシ油カス、その他の油カス類、食品や醸造或いは薬品等の製造カス、ボカシ肥、乾燥菌体肥料、汚泥肥料、加工家きんふん肥料、ミミズふん肥料、堆肥、きゅう肥、下肥、緑肥、家畜や家きんのふん、蚕沙、草木灰などが挙げられる。
【0021】
また、攪拌槽内に満たされる水に代えて、他の液状媒体としてもよく、例えばJASに適合する液状有機酸、JASに適合する液状無機酸、或いはJASに適合するアルカリ溶液としてもよい。然るに、液状有機酸として、木酢液、醸造酢、ギ酸、酪酸、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、イソクエン酸、コハク酸、アコニット酸、ケトグルタル酸、フマル酸等を成分として含むものが挙げられ、液状無機酸として、リン酸、硫酸、硝酸、塩酸等を成分として含むものを使用するのが好ましい。
【0022】
エアレーション時に使用される酸素富化膜とは、酸素を選択的に透過させ得る膜をいい、例えば高分子主鎖がケイ素原子と酸素原子とが連なった構造を有するシリコーン等から成るものである。尚、使用される酸素富化膜は、空気中の酸素を選択的に透過させて酸素濃度を高めるものであれば足り、他の構造のものを用いてもよい。
【0023】
より具体的には、図1に示すように、固体状又は粉末状の有機肥料及び液状媒体(水等)を収容した攪拌槽1の底部にエアの排出口が形成された排出部2を載置しておくとともに、この排出部2と酸素富化膜装置4とをホース3にて接続しておく。かかる酸素富化膜装置4内には、図示しない酸素富化膜が具備される一方、ブロア5が接続されている。
【0024】
そして、ブロア5を駆動させて空気を酸素富化膜装置4内に導入するとともに、内部の酸素富化膜にて選択的に酸素を透過させる。こうして酸素濃度が高められたエアは、ホース3を介して排出部2に至り、そこから気泡として攪拌槽1内の有機肥料及び液状媒体内に供給されることとなる。かかる気泡は、攪拌槽1の底部から上方に向かって移動するため、当該攪拌槽1の内部に対し万遍なくエアを供給することができるとともに、物理的な攪拌作用を及ぼすこととなる。
【0025】
尚、図示はしないが、攪拌槽1の底部又はその近傍において、攪拌のための羽根を回転させ、攪拌作用をより向上させるようにしてもよく、勿論、作業者が攪拌棒等によって所定時間攪拌作用を及ぼすようにしてもよい。また、排出部2は、気体を排出させる汎用のものを使用するのが好ましいが、攪拌槽1の底部全域を覆う如き寸法のものとすれば更に好ましい。
【0026】
更に、攪拌槽1内には、好気性或いは通性嫌気性微生物が投入されているため、かかる微生物によって固体状又は粉末状の有機肥料の分解を促進することができる。この微生物は、好気性或いは通性嫌気性微生物であるため、排出部2から供給されたエアによって活性化され、有機肥料の分解を早期に且つ確実に行うことができるようになっている。
【0027】
尚、投入されるべき微生物は、攪拌槽1内の有機肥料や液状媒体に応じて任意に選択することができ、例えばバチルス、シュードモナス、ラクトバチルス等が挙げられる。勿論、これら微生物による有機肥料の分解促進を期待しなければ、当該微生物を投入しなくてもよい。
【0028】
有機肥料等が投入された液状媒体は、上記の如きエアレーション及び物理的攪拌作用に加え、撹拌作業時間が所定時間経過することにより、暴気されることとなる。これら作用により、液状媒体に対して投入された有機肥料等が分解して可溶化されるので、液状媒体に有機肥料を完全に溶け込ませることができ、高品質な有機液肥を得ることができる。かかる有機液肥は、任意に希釈することができ、また、即効性も期待できるものであるとともに、異なった液肥を任意に混合して所望の肥料を容易に調製することができる。
【0029】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、JASに適合する固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体が収容された撹拌槽に投入して可溶化させ、液体状の有機肥料を得る方法であれば足りる。例えば、酸化富化膜装置4を介在させずブロア5から直接撹拌槽1内にエアを供給してエアレーションするようにしてもよいし、エアレーションを行わずに好気性又は通性嫌気性微生物を投入するようにしてもよい。また、かかる通気性又は通性嫌気性微生物に代えて、プロテアーゼやリパーゼなどの酵素材を固体状又は粉末状の有機肥料とともに撹拌槽1内に投入し、当該酵素材の酵素分解により可溶化させるようにしてもよい。
【0030】
更に、撹拌槽内における水などの液状媒体を予め加温しておき、これに固体状又な粉末状の有機肥料を投入したり、或いは固体状又は粉末状の有機肥料を液状媒体が収容された撹拌槽内に投入した後、加熱することにより可溶化を促進して有機液肥を得るようにしてもよい。撹拌槽内の液状媒体は、水、有機酸、無機酸、アルカリ溶液又は有機溶媒等JASに適合するものであれば何れのものであってもよい。
【0031】
また更に、撹拌槽内に投入する前の有機肥料を微粉化処理し、液状媒体に溶け易くすることにより、可溶化作業時間を短縮させてもよい。微粉化処理は、有機肥料を細かくするものであれば爆砕等いずれの処理にて行うようにしてもよい。勿論、微粉化処理された有機肥料は、上記のいずれの方法によっても可溶化を図ることができる。
【0032】
次に、本発明の更に具体的な実施例について説明する。勿論、本発明はこれら実施例に限定されず、任意に変更、追加等を施すことができる。
(実施例1)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に100Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粉末状のブランドミン(日本バイオ肥料株式会社製)を20kg、及び微生物としての光オーレス(株式会社松本微生物研究所製)を2kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。
【0033】
かかる酸素富化膜は、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用した。また、投入される前のブランドミンの成分を以下の表1に示し、これが100%溶けた場合の計算値による液肥の成分を表2に、実際に製造された液肥の成分を表3に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
上記表1〜3における各成分を比較すると、N(窒素)が45%、P(リン)が1%しか溶けていないものの、K(カリウム)及びMg(マグネシウム:苦土)は概ね可溶化して溶けていることが分かる。従って、カリウム及びマグネシウムを多く含んだ有機液肥としては、比較的高品質なものを得ることができた。
【0038】
(実施例2)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に100Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粉末状のブランドミン(日本バイオ肥料株式会社製)を4kg、及び微生物としての光オーレス(株式会社松本微生物研究所製)を2kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。
【0039】
かかる酸素富化膜は、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用した。また、ブランドミンが100%溶けた場合の計算値による液肥の成分を表4に、実際に製造された液肥の成分(1日経過のもの及び2日経過のもの)を表5に示した。尚、投入される前のブランドミンの成分は、実施例1における表1と同様である。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
上記表4、5及び表1とを比較すると、ブランドミンを4kgにすることにより、N(窒素)が48%、P(リン)が0.5%しか溶けていないものの、K(カリウム)及びMg(マグネシウム:苦土)は80%の可溶化率を示し、概ね溶けていることが分かる。従って、カリウム及びマグネシウムを多く含んだ有機液肥としては、比較的高品質なものを得ることができた。
【0043】
(実施例3)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に50Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粒状の草木灰(日本バイオ肥料株式会社製)を2.5kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。かかる酸素富化膜は、実施例1及び2と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、5日間エアレーションを行った。
【0044】
以下に上記実験結果を示す。尚、表6は、投入する前の草木灰の成分、表7は、草木灰が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分、及び表8は、実際に製造された液肥の成分を示している。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
上記表6〜8を比較すると、K(カリウム)は、く溶性のものが34.4%及び水溶性のものが46.1%可溶化していた。従って、微生物を投入しなくても、カリウムを多く含んだ有機液肥として比較的優れたものを得ることができた。
【0049】
(実施例4)
まず、200Lのドラム缶(撹拌槽)に50Lの水(液状媒体)を収容させ、これに有機肥料としての粒状の陸王25(日本バイオ肥料株式会社製)を2.5kg投入した後、酸素富化膜により酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行った。かかる酸素富化膜は、前の実施例と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、4日間エアレーションを行った。
【0050】
以下に上記実験結果を示す。尚、表9は、投入する前の陸王25の成分、表10は、陸王25が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分、及び表11は、実際に製造された液肥の成分(1日目と4日目を分析)を示している。
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
上記表9〜11を比較すると、Mg(マグネシウム:苦土)は、5.7%の可溶化率であったものの、Ca(カルシウム:石灰)は、85%と極めて高い可溶化率を示した。従って、微生物を投入しなくても、石灰を多く含む有機液肥として比較的優れたものを得ることができた。
【0055】
(実施例5)
50Lのタンク(撹拌槽)を2つ用意し、それぞれに40Lの水(液状媒体)を収容させ、これに実施例4と同様の陸王25を2kgずつ投入した後、一方のタンク(以下、エアポンプ区という。)に対して通常のエアポンプによるエアレーション(大気と同様のエアを供給)を行うとともに、他方のタンク(以下、酸素富化膜区という。)に対して酸素富化膜によって酸素濃度が高められたエアを供給しエアレーションを行った。尚、かかる酸素富化膜は、前の実施例と同様、1分間に4Lのエアレーションを行い得るものを使用し、4日間エアレーションを行った。
【0056】
以下の表12に上記実験結果(1日目及び4日目)を示す。尚、投入される前の陸王25の成分、及び陸王25が100%溶けた場合の計算値による液肥の成分は、既述の実施例4と同様であり、それぞれ表9及び表10に示されている。
【0057】
【表12】
【0058】
上記表12及び実施例4の表9及び表10を比較すると、エアポンプ区の苦土(マグネシウム)の可溶化率は5.8%、石灰(カルシウム)の可溶化率は78.8%であったのに対し、酸素富化膜区のそれぞれの可溶化率は6.1%及び87.9%であった。即ち、苦土については酸素富化膜の効果が認められるものの、その差は少ない一方、石灰については効果に大きな差が認められることから、可溶化され易い成分ほど酸素富化膜の効果が顕著に現れることが分かる。
【0059】
通常の空気には、酸素が20%含まれているが、上記酸素富化膜を通過させることにより酸素濃度が30%に高められている。かかる気体をエアレーションすることにより、苦土肥料と酸素分子との接触頻度が高まり、何らかの反応によって可溶態であるMgO−状の苦土割合が増加するものと考えられる。従って、微生物の投入の有無に関わらず、酸素濃度が高められたエアにてエアレーションすることにより、有機肥料を水等の液状媒体に完全に溶け込ませることができ、高品質な有機液肥を得ることができるが分かる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる。特に、請求項3の発明によれば、攪拌槽内の液状媒体に固体状又は粉末状の有機肥料を投入した後、酸素濃度が高められたエアを供給しつつ攪拌するので、当該有機肥料を水等の液状媒体に完全に溶け込ませることができ、JASに適合した高品質な有機液肥を得ることができる。
【0061】
また、請求項10の発明によれば、有機肥料が予め微粉化処理された後に撹拌槽内に投入されるので、当該有機肥料の可溶化を短時間にて行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る有機液肥の製造方法に適用されるべき装置構成を示す模式図
【符号の説明】
1…撹拌槽
2…排出部
3…ホース
4…酸素富化膜装置
5…ブロア
Claims (12)
- JASに適合する固体状又は粉末状の有機肥料を所定量の液状媒体が収容された撹拌槽に投入して可溶化させ、液体状の有機液肥を得ることを特徴とする有機液肥の製造方法。
- 前記撹拌槽内に固体状又は粉末状の有機肥料を投入した後、エアレーションを行って当該撹拌槽内にエアを供給することにより有機液肥を得ることを特徴とする請求項1記載の有機液肥の製造方法。
- 前記エアレーションに際し、酸素濃度が高められたエアを前記撹拌槽内に供給することを特徴とする請求項2記載の有機液肥の製造方法。
- 前記酸素濃度が高められたエアは、酸素富化膜に対して空気を通過させることにより得られることを特徴とする請求項3記載の有機液肥の製造方法。
- 前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、好気性又は通性嫌気性微生物を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする請求項1記載の有機液肥の製造方法。
- 前記有機肥料と好気性又は通性嫌気性微生物とを前記撹拌槽に投入した後、酸素濃度が高められたエアにてエアレーションを行うことにより有機液肥を得ることを特徴とする請求項5記載の有機液肥の製造方法。
- 前記固体状又は粉末状の有機肥料に加え、酵素材を前記撹拌槽に投入したことを特徴とする請求項1記載の有機肥料の製造方法。
- 前記撹拌槽内の液状媒体が予め加温されたものであることを特徴とする請求項1記載の有機液肥の製造方法。
- 前記有機肥料を撹拌槽に投入した後、当該撹拌槽内を加熱して可溶化させたことを特徴とする請求項1記載の有機液肥の製造方法。
- 前記有機肥料は、微粉化処理された後に前記撹拌槽内に投入されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の有機液肥の製造方法。
- 前記微粉化処理は、爆砕によるものであることを特徴とする請求項10記載の有機肥料の製造方法。
- 前記撹拌槽内の液状媒体は、水、有機酸、無機酸、アルカリ溶液又は有機溶媒等JASに適合するものであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の有機肥料の製造方法。
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