JP2004189323A - ヒートシール装置、充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切なシール強度を有する密封包装品を安定して製造するためのヒートシール装置、該ヒートシール装置を備えた充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法の提供。
【解決手段】上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器47の開口を塞ぐように載せられた蓋材48に押し当て該蓋材を容器の開口周縁にヒートシールするシールヘッド42を有し、前記シールヘッドの温度を測定する非接触式の放射温度計52を設けたヒートシール装置。
【選択図】 図1
【解決手段】上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器47の開口を塞ぐように載せられた蓋材48に押し当て該蓋材を容器の開口周縁にヒートシールするシールヘッド42を有し、前記シールヘッドの温度を測定する非接触式の放射温度計52を設けたヒートシール装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ型容器などの容器の開口にフィルム状の蓋材をヒートシールして密封包装品を生産するヒートシール装置、該ヒートシール装置を備えた充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンやゼリー等のデザート類、ヨーグルト、カップ麺、ジュースなどの飲料、スナック菓子等の包装形態の一つとして、合成樹脂製のカップ型容器に内容物を入れ、この容器開口を塞ぐように蓋材を載せ、この蓋材を容器の開口周縁にヒートシールした密封包装品が生産されている。この種のカップ型容器入り密封包装品は、一般に、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送される容器内に内容物を充填する充填手段と、内容物充填後の容器の開口に蓋材を被せる蓋材供給手段と、容器開口に載せた蓋材を容器の開口周縁にヒートシールして容器を密封するヒートシール装置とを備えた充填装置を用いて連続的に生産される。なお、蓋材としては、予めカップ型容器の開口形状に適合する形状に打ち抜かれた蓋材、或いはシート状をなし、容器の開口周縁にヒートシール後にシール部外側を切断するタイプの蓋材などが使用される。
【0003】
図2は、従来のカップ型容器入り密封包装品製造用の充填装置に用いられているヒートシール装置を例示する図であって、このヒートシール装置は、電気ヒーター1によって加熱される昇降可能に設けられたシールヘッド2と、該シールヘッド2の温度を測定するための熱電対又は測温抵抗体式温度計3と、測定したシールヘッド2の温度が予め設定した温度となるように電気ヒーター1への通電量を制御する温度コントローラー4と、シールヘッド2を上死点から下死点までの間を昇降させるための圧着用シリンダー5とを備えている。容器7は、その開口に蓋材8を載せ、リテーナー6に収容した状態で搬送され、シールヘッド2直下の位置でヒートシールされるようになっている。熱電対又は測温抵抗体式温度計3により測定されたシールヘッド2の測定温度は、通信ケーブル10を介して電気信号で温度コントローラー4に伝えられ、温度コントローラー4では、電気ヒーター1への電力出力を制御して、シールヘッド2を所望の温度にコントロールするようになっている。
【0004】
このヒートシール装置を用いてカップ型の容器7の開口に蓋材8をヒートシールするには、例えば以下の手順▲1▼〜▲6▼により行っている。
▲1▼内容物を充填し、リテーナー6に載せた容器7の開口に蓋材8を被せ、
▲2▼リテーナー6ごとシールヘッド2の真下に進め、
▲3▼圧着用シリンダー5でシールヘッド2を下死点に降下させ、蓋材8の上からシールヘッド2を押し当て、
▲4▼蓋材8の下面に塗布された接着剤を溶融又は軟化させ容器と接着し、
▲5▼圧着用シリンダー5でシールヘッド2を上死点まで引き上げ、
▲6▼リテーナー6を進め、同時に、次のリテーナー9をシールヘッド2の真下まで進める。
この手順を繰り返し行って、連続的に蓋材8を容器の開口周縁にヒートシールして密封包装品を製造する。
【0005】
従来、ヒートシール装置の温度制御に関して、例えば次のような提案がなされている。
(1)帯状フィルムを断面筒状のフオーマを通して引き出して筒状化し、該筒状フィルムの両側合掌縁を両側から2個のシールローラで挟圧加熱してセンターシールする一方、筒型フィルム内に被包装物を等間隔で供給すると共に、クロスシーラで被包装物を隔離シールする製袋充填包装機械において、シールローラの周面温度を反射赤外線で熱伝対を介して制御器に入力すると共に、制御器で設定温度との誤差を算出してコントローラでもって、シールローラ内のヒータの温度を一定にするために、変電器を制御する加熱シーラの温度制御装置(例えば、特許文献1参照。)。
(2)熱融着部材により包装シートを熱融着するヒートシール装置において、熱融着部材の表面温度を検出する表面温度検出手段と、熱融着部材の温度を制御する温度制御手段とを設けたヒートシール装置(例えば、特許文献2参照)。
(3)カートン材の所定部分を加熱してヒートシール層を溶解させるヒータ装置と、溶融された所定部分をプレスするプレス手段と、ヒータ装置により加熱された所定部分の温度を測定する赤外線センサーと、該センサーで測定した温度に基づいてヒートシール接着の良否を判定する排出制御装置とを備える容器製造装置(例えば、特許文献3参照)。
(4)カートン材の所定部分を加熱してヒートシール層を溶解させるヒータ装置と、ヒータ装置により加熱される前のカートン材の温度を測定する赤外線センサーと、ヒータ装置により溶融された所定部分をプレスするプレス手段と、ヒータ装置の設定温度を制御するヒータ制御装置とを備え、ヒータ制御装置は赤外線により測定されたカートン材の温度に基づいてヒータ装置の設定温度を制御する容器製造装置(例えば、特許文献4参照)。
(5)センサーによって赤外線測定した包材の表面温度を制御機に送信し、コントローラから可変電圧装置に操作信号を送り、温度フィードバックによって可変電圧装置が包材の発熱を一定化するようにハンマーの振幅をコントロールする(例えば、特許文献5参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−95216号公報
【特許文献2】
特開2000−318715号公報
【特許文献3】
特開2001−191426号公報
【特許文献4】
特開2001−191425号公報
【特許文献5】
特開2001−48125号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した密封包装品において、そのシール強度は、接着剤と容器材質との相性、接着時の圧力、接着時の温度、ヒートシール装置の圧着時間等によって変化する。ヒートシール装置の条件でシール強度を変化させる要因は、接着時の圧力、接着時の温度及びヒートシール装置の圧着時間である。接着時のヒートシール装置の圧力は初期設定される要素であり、圧着時間は充填装置全体の運転速度によって自動的に決定される要素である。稼動中にシール強度を一定範囲にするためには、ヒートシール装置の温度を制御して、接着時の温度をコントロールする手法がとられている。
【0008】
このようなヒートシール機構を備えた充填装置では、停止状態から連続稼動状態に移る最初の数ショットから十数ショットの範囲で、シール強度が徐々に低下し、その後、連続稼動状態で安定することが知られている。食品の充填装置では、さまざまな要因で停止・再起動を繰り返すことが頻繁に起こるので、シール強度の異なる製品ができるという欠点になっている。
【0009】
この原因は以下のように推定されている。図3に示すように、熱電対又は測温抵抗体式温度計13の温度測定位置11とシールヘッド16のシール面12との間には距離があり、停止状態では、伝導熱で熱電対又は測温抵抗体式温度計13の温度測定位置11とシールヘッド16のシール面12の温度は一致している。稼動状態に移ると、蓋材に熱が奪われ、シール面12の温度低下が起こるが、その温度低下が温度測定位置11に伝わるまで、数ショットから十数ショットを要し、その後、温度低下が温度測定位置に伝わり、熱電対又は測温抵抗体式温度計13から温度コントローラー14に電気信号が伝わり、電気ヒーター15による温度コントロールが始まり、連続稼動状態では、温度測定位置11とシール面12の間に温度勾配を保った状態で安定する。
【0010】
従って、適切なシール強度を有する密封包装品を安定して製造するためには、温度測定位置を限りなくシール面に近づけることが課題となっている。しかし、ヒートシール装置のシール面は多大な回数の間欠加圧運動に耐えるように堅牢に作製すること、シール面は外観が悪くなるのでシールヘッドの先端面積を極力小さくすること、ラインシールではシール時の食い込みを深くするためシールヘッドの先端を極力細くすること等の理由により、温度測定位置をシール面に近づけることは困難な課題となっている。
【0011】
また前記特許文献1には、ヒートローラーの表面に赤外線を照射し、その反射をヒートローラーの温度パラメーターとして、温度コントロールする方法が開示されている。この方法は、ロール型ヒーターについての開示である。カップシーラーにおいては、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、シールヘッドのシール面とカップフランジのクリアランスは10mm〜50mm程度で、その空間に照射装置と受光装置を配置することは困難であるため、この方法は、カップシーラーには応用できない。
【0012】
さらに特許文献2には、ヒートローラーの表面温度を接触型表面温度計又は非接触型放射温度計により測定し、温度制御する方法が開示されている。この方法は、ロール型ヒーターについての開示である。カップシーラーにおいては、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、シールヘッドのシール面とカップフランジのクリアランスは10mm〜50mm程度で、その空間に放射温度計を配置することは困難である。また、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、接触温度計をシール面に接触させた状態ではシールできないので、この方法は、カップシーラーには応用できない。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みてなされ、適切なシール強度を有する密封包装品を安定して製造するためのヒートシール装置、該ヒートシール装置を備えた充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器の開口を塞ぐように載せられた蓋材に押し当て該蓋材を容器の開口周縁にヒートシールするシールヘッドを有するヒートシール装置において、前記シールヘッドの温度を測定する非接触式温度計を設けたことを特徴とするヒートシール装置を提供する。
本発明のヒートシール装置において、前記シールヘッドのシール面を写す鏡を有し、該鏡に写ったシールヘッドの温度を前記非接触式温度計で測定する構成とするのが好ましい。
また、前記非接触式温度計は赤外線放射式温度計であることが好ましい。
【0015】
また本発明は、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送されるカップ型容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填されたカップ型容器の開口を塞ぐように蓋材を載せる蓋材供給手段と、蓋材をカップ型容器の開口周縁にヒートシールするヒートシール手段とを備えたカップ型容器の充填装置において、前記ヒートシール手段が、本発明のヒートシール装置であることを特徴とするカップ型容器の充填装置を提供する。
【0016】
さらに本発明は、カップ型容器の開口に蓋材を載せ、該蓋材の上から加熱されたシールヘッドを押し当て、カップ型容器の開口周縁に蓋材をヒートシールして密封するカップ型容器の密封方法において、前記シールヘッドのシール面を写し出す鏡を設け、この鏡に写ったシールヘッドの温度を非接触式温度計によって測定しながらヒートシールを行うことを特徴とするカップ型容器の密封方法を提供する。
【0017】
また本発明は、カップ型容器に内容物を充填し、次いで請求項5記載の密封方法によって該容器の開口を密封し、密封包装品を取得することを特徴とするカップ型容器入り密封包装品の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るヒートシール装置の一実施形態を示す図である。本実施形態のヒートシール装置は、上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器47の開口を塞ぐように載せられた蓋材48に押し当て蓋材48を容器47の開口周縁にヒートシールして容器47を密封するシールヘッド42と、このシールヘッド42の温度を測定する非接触式温度計である放射温度計52と、シールヘッド42を上死点と下死点との間で昇降させる圧着用シリンダー45と、放射温度計52からの測定温度データに基づいてシールヘッド42に設けられた電気ヒーター41の通電量を制御する温度コントローラー44と、シールヘッド42のシール面を写し出す鏡43とを主な構成要素として備えている。
【0019】
前記放射温度計52としては、被温度測定物の表面から放射される赤外線エネルギーを捉え、被温度測定物に触れずに離れた位置から温度を測定できる各種市販品の中から、加熱状態のシールヘッド42の温度を測定可能なものを適宜選択して採用することができる。本発明において好適に用いることができる放射温度計の市販品としては、例えばミノルタ社製の放射温度計TA−0510F(商品名、以下同じ)、TR−0506C、TR−004,TR−104,温度計505などを挙げることができる。
【0020】
この放射温度計52は、圧着用シリンダー45に設けられたピストン位置センサー51と通信ケーブル50によって接続されるとともに、放射温度計52の出力端と温度コントローラー44とは通信ケーブル53によって接続されている。そしてこの放射温度計52は、ピストン位置センサー51によってシールヘッド42が上死点にある時に温度測定を行い、測定した温度データを温度コントローラー44に入力できるようになっている。この放射温度計52は、鏡43によって写された上死点にあるシールヘッド42のシール面の温度を測定できるように、測定部を鏡43に向け、鏡43の斜め上方位置に設けられている。
【0021】
この温度コントローラー44は、通信ケーブル53を経て放射温度計52から送信された信号(測定した温度データ)を入力し、その温度を予め設定、記憶されていたヒートシール適温と比較し、両者が異なる場合には電気ヒーター41への出力をオンまたはオフとして、シールヘッド42のシール面をシール適温に維持するようになっている。
【0022】
前記鏡43は、上死点にあるシールヘッド42のシール面を写し出すことができるように、上死点にあるときのシールヘッド42の下方近傍であり、かつシールヘッド42の昇降動作に支障をきたさない位置に設けられている。この鏡43は、シールヘッド42のシール面を写し出すことができるものであれば、いかなるものでも良いが、平面鏡を用いることが好ましく、特に赤外線反射率が良好な鏡が好ましい。
【0023】
開口に蓋材48を載せたカップ型の容器47は、リテーナー46に個別に収容し、このシールヘッド42の下方の位置に搬送されるようになっている。
この容器47としては、ポリプロピレン系樹脂製のカップ型容器などの、製品包装形態に応じた各種の形状、寸法の容器を用いることができる。
また蓋材48は、本例示にあっては予め容器47の開口を塞ぐ形状に打ち抜かれたものを用いているが、これに限らず、シート又はフィルム状の蓋材を容器47にヒートシールし、その後で開口周縁の外側を切断するタイプの蓋材であっても良い。蓋材48としては、アルミニウムシート、合成樹脂フィルムとアルミニウムとのラミネート材、合成樹脂フィルムなどの基材に接着剤層を設けたものなどが使用される。
【0024】
このヒートシール装置は、次の▲1▼〜▲6▼の工程を順次行って、容器47の開口に蓋材48をヒートシールする。
▲1▼リテーナー46に容器47を入れ、
▲2▼容器47の開口周縁に合わせて蓋材48を乗せ、
▲3▼リテーナー46ごと水平方向に移動させて、シールヘッド42の真下に進めて停止し、
▲4▼圧着用シリンダー45のピストンを降下させ、シールヘッド42を蓋材48に押し当てて一定時間保持し、
▲5▼圧着用シリンダー45のピストンを上死点まで引き上げて、シールヘッド42を蓋材48から離し、次のリテーナー49が▲3▼の動作をしている間、保持し、
▲6▼以後▲4▼と▲5▼の動作を繰り返し、連続的にヒートシールする。
【0025】
また、このヒートシール装置におけるシール温度測定および温度制御は次のように行う。
▲1▼圧着用シリンダー45が上死点に達したことを、ピストン位置センサー51で検知し、通信ケーブル50を介して電気信号で放射温度計52の測定開始スイッチをオンにする。
▲2▼圧着用シリンダー45が上死点にある時、シールヘッド42のシール面から発する赤外線が、鏡43に反射して放射温度計52に入るように、鏡43と放射温度計52の位置を設定しておき、鏡43の反射赤外線を放射温度計52で測定する。
▲3▼放射温度計52が測定した温度は、鏡43による反射赤外線で測定しているので、実際のシールヘッド42のシール面温度より減衰しているので、モニター温度は実際より低い温度になっている。従って、減衰温度分を加算して設定温度を温度コントローラー44に入力すれば、適切な温度設定が可能になる。
▲4▼放射温度が測定した温度を電気信号で、通信ケーブル53を介して、温度コントローラー44に電気信号を伝える。
▲5▼温度コントローラー44は放射温度計52からの信号により、電気ヒーター41への出力を制御する。
▲6▼放射温度計52は、圧着用シリンダー45が上死点にある間のみ温度測定を行うので、圧着用シリンダー45が上死点を離れている間の電気信号が無い間は、最後に来た電気信号をホールドする。
【0026】
設定温度の決定は、予め実験により求める。すなわち、設定温度を何段階かに変えて設定し、シールしたもののピーリング強度を後述する測定方法に従って測定して、適切なピーリング強度になる設定温度を選択する。
【0027】
本実施形態のヒートシール装置は、シールヘッド42のシール面を鏡43に写し、この鏡43に写ったシール面の温度を非接触式の放射温度計52で測定し、この測定温度に基づいてシール面の温度制御を行うものなので、シールヘッド42のシール面温度を直接測定でき、シール面の温度変化を迅速に検知して温度制御でき、シール強度が均一な密封包装品を生産できる。
また、シールヘッド部分に熱電対又は測温抵抗体式温度計を埋め込む必要がないので、シールヘッド42を小型化でき、ヒートシール装置の設計の自由度を広げることができる。
【0028】
本実施形態のヒートシール装置は、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送されるカップ型容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填されたカップ型容器の開口を塞ぐように蓋材を載せる蓋材供給手段と、蓋材をカップ型容器の開口周縁にヒートシールして容器を密封するヒートシール手段とを備えたカップ型容器の充填装置において好適に用いることができる。
また本実施形態のヒートシール装置は、カップ型容器の開口に蓋材を載せ、該蓋材の上から加熱されたシールヘッドを押し当て、カップ型容器の開口周縁に蓋材をヒートシールして密封するカップ型容器の密封方法、およびカップ型容器入り密封包装品の製造方法を実施するために好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果を明確にする。
本実施例は、図2及び図3に示すように、シールヘッドに熱電対を埋め込んだ温度計を使用した従来型のヒートシール装置(以下、従来型と記す)と、図1に示す通り、鏡43と放射温度計52とを備えた本発明に係るヒートシール装置(以下、本発明と記す)とを連続運転し、それぞれで生産した密封包装品のシール強度の変化を調べ、比較することにより行った。
【0030】
(ヒートシール装置)
従来型は、図2に示したヒートシール装置を備えた市販の充填装置(トーワテクノ社製)を用いた。
本発明のヒートシール装置は、従来型の充填装置(トーワテクノ社製)に、放射温度計52(ミノルタ社製)、ピストン位置センサー51として圧着用シリンダーの下死点と上死点を検知するリミットスイッチ(トーワテクノ社製)、ピストン位置センサー51から放射温度計52に信号を送る通信ケーブル50、放射温度計52から温度コントローラー44へ信号を送る通信ケーブル53及び鏡43を、それぞれ適所に装着して構築した。
【0031】
(試料、シール条件)
容器はポリプロピレンカップ(生駒化学社製)を用い、これに常温の水を100g詰めて用いた。
蓋材は、フィルムタイプ(ナイロンフィルムに接着剤フィルムを張り合わせた蓋材(東洋アルミニウム社製))及びアルミ箔タイプ(アルミ箔に接着剤を塗布した蓋材(エムエーパッケージング社製)を用いた。
温度コントローラー44の設定温度を4段階設定し、それぞれのヒートシール装置で連続30ショットをシールし、30ショットづつ16種類(テストNo.1〜16)の試料を得た。
尚、ヒートシール装置の設定条件は、圧着用シリンダーのエアー圧力:1.5bar、運転速度:2.4秒/ショット、とした。
【0032】
(評価方法)
生産された密封包装品のシール強度をピール強度として測定した。図4はこのピール強度の測定方法を説明する図であり、ピール強度は、カップ81のシール面を水平に固定し、ヒートシールした蓋材82のタブ部分83をクリップ84で挟み、クリップ84をプッシュプルゲージ(今田製作所社製)85のプル側端子に取り付け、カップ81のシール面に対して45°上方にプッシュプルゲージ85を引き上げ、蓋材がカップより剥がれる際の最大応力を測定し、ピール強度とした。
【0033】
(結果)
この試験の結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1の結果より、以下のことが分かる。
▲1▼テストNo.1〜4(従来型ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、17又は18ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、19〜21ショット目からほぼ安定している。ピール強度範囲は0.8〜1.09kgであり、標準偏差は0.2〜0.29である。
▲2▼テストNo.5〜8(本発明ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、5〜8ショット目で最小値となり、その後僅かに回復し、10ショット目以降ほぼ安定している。全体的にピール強度は変動が小さく、ピール強度範囲は0.2〜0.36kg、標準偏差は0.06〜0.11である。
▲3▼テストNo.9〜12(従来型ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、8又は9ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、11ショット目からほぼ安定している。ピール強度範囲は0.72〜1.1kg、標準偏差は0.17〜0.24である。
▲4▼テストNo.13〜16(本発明ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、5〜8ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、9ショット目からほぼ安定している。全体的にピール強度は変動が小さく、ピール強度範囲は0.25〜0.46kg、標準偏差は0.06〜0.11である。
【0036】
(考察)
この結果より、フィルムタイプ及びアルミ箔タイプの両方の蓋材について、本発明のヒートシール装置でシールしたものの方が、従来型ヒートシーラーを用いたものより、ピール強度の範囲及び標準偏差が小さいので、起動時から振れ幅の少ないピール強度が得られることが分かる。
また、カップ製品のピール強度は、1.5〜2.0kgの範囲にするのが良いとされるので、発明▲1▼型ヒートシーラーでは、フィルムタイプ及びアルミタイプの両方の蓋材について、範囲が0.5kg以内であるため、適切な温度設定が可能なことが分かる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、シールヘッドのシール面温度を直接測定するので、シール面の温度変化を迅速に検知して温度制御でき、シール強度が均一な密封包装品を生産できる。
また、シールヘッド部分に熱電対又は測温抵抗体式温度計を埋め込む必要がないので、シールヘッドを小型化でき、ヒートシール装置の設計の自由度を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートシール装置の実施形態を示す要部構成図である。
【図2】従来のヒートシール装置の要部構成図である。
【図3】従来のヒートシール装置のシールヘッドと温度測定位置を示す要部構成図である。
【図4】密封包装品のシール強度の測定方法を説明する側面図である。
【符号の説明】
41…電気ヒーター、42…シールヘッド、43…鏡、44…温度コントローラー、45…圧着用シリンダー、46,49…リテーナー、47…容器(カップ型容器)、48…蓋材、50,53…通信ケーブル、51…ピストン位置センサー、52…放射温度計(非接触式温度計)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ型容器などの容器の開口にフィルム状の蓋材をヒートシールして密封包装品を生産するヒートシール装置、該ヒートシール装置を備えた充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンやゼリー等のデザート類、ヨーグルト、カップ麺、ジュースなどの飲料、スナック菓子等の包装形態の一つとして、合成樹脂製のカップ型容器に内容物を入れ、この容器開口を塞ぐように蓋材を載せ、この蓋材を容器の開口周縁にヒートシールした密封包装品が生産されている。この種のカップ型容器入り密封包装品は、一般に、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送される容器内に内容物を充填する充填手段と、内容物充填後の容器の開口に蓋材を被せる蓋材供給手段と、容器開口に載せた蓋材を容器の開口周縁にヒートシールして容器を密封するヒートシール装置とを備えた充填装置を用いて連続的に生産される。なお、蓋材としては、予めカップ型容器の開口形状に適合する形状に打ち抜かれた蓋材、或いはシート状をなし、容器の開口周縁にヒートシール後にシール部外側を切断するタイプの蓋材などが使用される。
【0003】
図2は、従来のカップ型容器入り密封包装品製造用の充填装置に用いられているヒートシール装置を例示する図であって、このヒートシール装置は、電気ヒーター1によって加熱される昇降可能に設けられたシールヘッド2と、該シールヘッド2の温度を測定するための熱電対又は測温抵抗体式温度計3と、測定したシールヘッド2の温度が予め設定した温度となるように電気ヒーター1への通電量を制御する温度コントローラー4と、シールヘッド2を上死点から下死点までの間を昇降させるための圧着用シリンダー5とを備えている。容器7は、その開口に蓋材8を載せ、リテーナー6に収容した状態で搬送され、シールヘッド2直下の位置でヒートシールされるようになっている。熱電対又は測温抵抗体式温度計3により測定されたシールヘッド2の測定温度は、通信ケーブル10を介して電気信号で温度コントローラー4に伝えられ、温度コントローラー4では、電気ヒーター1への電力出力を制御して、シールヘッド2を所望の温度にコントロールするようになっている。
【0004】
このヒートシール装置を用いてカップ型の容器7の開口に蓋材8をヒートシールするには、例えば以下の手順▲1▼〜▲6▼により行っている。
▲1▼内容物を充填し、リテーナー6に載せた容器7の開口に蓋材8を被せ、
▲2▼リテーナー6ごとシールヘッド2の真下に進め、
▲3▼圧着用シリンダー5でシールヘッド2を下死点に降下させ、蓋材8の上からシールヘッド2を押し当て、
▲4▼蓋材8の下面に塗布された接着剤を溶融又は軟化させ容器と接着し、
▲5▼圧着用シリンダー5でシールヘッド2を上死点まで引き上げ、
▲6▼リテーナー6を進め、同時に、次のリテーナー9をシールヘッド2の真下まで進める。
この手順を繰り返し行って、連続的に蓋材8を容器の開口周縁にヒートシールして密封包装品を製造する。
【0005】
従来、ヒートシール装置の温度制御に関して、例えば次のような提案がなされている。
(1)帯状フィルムを断面筒状のフオーマを通して引き出して筒状化し、該筒状フィルムの両側合掌縁を両側から2個のシールローラで挟圧加熱してセンターシールする一方、筒型フィルム内に被包装物を等間隔で供給すると共に、クロスシーラで被包装物を隔離シールする製袋充填包装機械において、シールローラの周面温度を反射赤外線で熱伝対を介して制御器に入力すると共に、制御器で設定温度との誤差を算出してコントローラでもって、シールローラ内のヒータの温度を一定にするために、変電器を制御する加熱シーラの温度制御装置(例えば、特許文献1参照。)。
(2)熱融着部材により包装シートを熱融着するヒートシール装置において、熱融着部材の表面温度を検出する表面温度検出手段と、熱融着部材の温度を制御する温度制御手段とを設けたヒートシール装置(例えば、特許文献2参照)。
(3)カートン材の所定部分を加熱してヒートシール層を溶解させるヒータ装置と、溶融された所定部分をプレスするプレス手段と、ヒータ装置により加熱された所定部分の温度を測定する赤外線センサーと、該センサーで測定した温度に基づいてヒートシール接着の良否を判定する排出制御装置とを備える容器製造装置(例えば、特許文献3参照)。
(4)カートン材の所定部分を加熱してヒートシール層を溶解させるヒータ装置と、ヒータ装置により加熱される前のカートン材の温度を測定する赤外線センサーと、ヒータ装置により溶融された所定部分をプレスするプレス手段と、ヒータ装置の設定温度を制御するヒータ制御装置とを備え、ヒータ制御装置は赤外線により測定されたカートン材の温度に基づいてヒータ装置の設定温度を制御する容器製造装置(例えば、特許文献4参照)。
(5)センサーによって赤外線測定した包材の表面温度を制御機に送信し、コントローラから可変電圧装置に操作信号を送り、温度フィードバックによって可変電圧装置が包材の発熱を一定化するようにハンマーの振幅をコントロールする(例えば、特許文献5参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−95216号公報
【特許文献2】
特開2000−318715号公報
【特許文献3】
特開2001−191426号公報
【特許文献4】
特開2001−191425号公報
【特許文献5】
特開2001−48125号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した密封包装品において、そのシール強度は、接着剤と容器材質との相性、接着時の圧力、接着時の温度、ヒートシール装置の圧着時間等によって変化する。ヒートシール装置の条件でシール強度を変化させる要因は、接着時の圧力、接着時の温度及びヒートシール装置の圧着時間である。接着時のヒートシール装置の圧力は初期設定される要素であり、圧着時間は充填装置全体の運転速度によって自動的に決定される要素である。稼動中にシール強度を一定範囲にするためには、ヒートシール装置の温度を制御して、接着時の温度をコントロールする手法がとられている。
【0008】
このようなヒートシール機構を備えた充填装置では、停止状態から連続稼動状態に移る最初の数ショットから十数ショットの範囲で、シール強度が徐々に低下し、その後、連続稼動状態で安定することが知られている。食品の充填装置では、さまざまな要因で停止・再起動を繰り返すことが頻繁に起こるので、シール強度の異なる製品ができるという欠点になっている。
【0009】
この原因は以下のように推定されている。図3に示すように、熱電対又は測温抵抗体式温度計13の温度測定位置11とシールヘッド16のシール面12との間には距離があり、停止状態では、伝導熱で熱電対又は測温抵抗体式温度計13の温度測定位置11とシールヘッド16のシール面12の温度は一致している。稼動状態に移ると、蓋材に熱が奪われ、シール面12の温度低下が起こるが、その温度低下が温度測定位置11に伝わるまで、数ショットから十数ショットを要し、その後、温度低下が温度測定位置に伝わり、熱電対又は測温抵抗体式温度計13から温度コントローラー14に電気信号が伝わり、電気ヒーター15による温度コントロールが始まり、連続稼動状態では、温度測定位置11とシール面12の間に温度勾配を保った状態で安定する。
【0010】
従って、適切なシール強度を有する密封包装品を安定して製造するためには、温度測定位置を限りなくシール面に近づけることが課題となっている。しかし、ヒートシール装置のシール面は多大な回数の間欠加圧運動に耐えるように堅牢に作製すること、シール面は外観が悪くなるのでシールヘッドの先端面積を極力小さくすること、ラインシールではシール時の食い込みを深くするためシールヘッドの先端を極力細くすること等の理由により、温度測定位置をシール面に近づけることは困難な課題となっている。
【0011】
また前記特許文献1には、ヒートローラーの表面に赤外線を照射し、その反射をヒートローラーの温度パラメーターとして、温度コントロールする方法が開示されている。この方法は、ロール型ヒーターについての開示である。カップシーラーにおいては、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、シールヘッドのシール面とカップフランジのクリアランスは10mm〜50mm程度で、その空間に照射装置と受光装置を配置することは困難であるため、この方法は、カップシーラーには応用できない。
【0012】
さらに特許文献2には、ヒートローラーの表面温度を接触型表面温度計又は非接触型放射温度計により測定し、温度制御する方法が開示されている。この方法は、ロール型ヒーターについての開示である。カップシーラーにおいては、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、シールヘッドのシール面とカップフランジのクリアランスは10mm〜50mm程度で、その空間に放射温度計を配置することは困難である。また、ヒーターのシール面は常にカップフランジ方向を向いており、接触温度計をシール面に接触させた状態ではシールできないので、この方法は、カップシーラーには応用できない。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みてなされ、適切なシール強度を有する密封包装品を安定して製造するためのヒートシール装置、該ヒートシール装置を備えた充填装置、カップ型容器の密封方法及びカップ型容器入り密封包装品の製造方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器の開口を塞ぐように載せられた蓋材に押し当て該蓋材を容器の開口周縁にヒートシールするシールヘッドを有するヒートシール装置において、前記シールヘッドの温度を測定する非接触式温度計を設けたことを特徴とするヒートシール装置を提供する。
本発明のヒートシール装置において、前記シールヘッドのシール面を写す鏡を有し、該鏡に写ったシールヘッドの温度を前記非接触式温度計で測定する構成とするのが好ましい。
また、前記非接触式温度計は赤外線放射式温度計であることが好ましい。
【0015】
また本発明は、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送されるカップ型容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填されたカップ型容器の開口を塞ぐように蓋材を載せる蓋材供給手段と、蓋材をカップ型容器の開口周縁にヒートシールするヒートシール手段とを備えたカップ型容器の充填装置において、前記ヒートシール手段が、本発明のヒートシール装置であることを特徴とするカップ型容器の充填装置を提供する。
【0016】
さらに本発明は、カップ型容器の開口に蓋材を載せ、該蓋材の上から加熱されたシールヘッドを押し当て、カップ型容器の開口周縁に蓋材をヒートシールして密封するカップ型容器の密封方法において、前記シールヘッドのシール面を写し出す鏡を設け、この鏡に写ったシールヘッドの温度を非接触式温度計によって測定しながらヒートシールを行うことを特徴とするカップ型容器の密封方法を提供する。
【0017】
また本発明は、カップ型容器に内容物を充填し、次いで請求項5記載の密封方法によって該容器の開口を密封し、密封包装品を取得することを特徴とするカップ型容器入り密封包装品の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るヒートシール装置の一実施形態を示す図である。本実施形態のヒートシール装置は、上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器47の開口を塞ぐように載せられた蓋材48に押し当て蓋材48を容器47の開口周縁にヒートシールして容器47を密封するシールヘッド42と、このシールヘッド42の温度を測定する非接触式温度計である放射温度計52と、シールヘッド42を上死点と下死点との間で昇降させる圧着用シリンダー45と、放射温度計52からの測定温度データに基づいてシールヘッド42に設けられた電気ヒーター41の通電量を制御する温度コントローラー44と、シールヘッド42のシール面を写し出す鏡43とを主な構成要素として備えている。
【0019】
前記放射温度計52としては、被温度測定物の表面から放射される赤外線エネルギーを捉え、被温度測定物に触れずに離れた位置から温度を測定できる各種市販品の中から、加熱状態のシールヘッド42の温度を測定可能なものを適宜選択して採用することができる。本発明において好適に用いることができる放射温度計の市販品としては、例えばミノルタ社製の放射温度計TA−0510F(商品名、以下同じ)、TR−0506C、TR−004,TR−104,温度計505などを挙げることができる。
【0020】
この放射温度計52は、圧着用シリンダー45に設けられたピストン位置センサー51と通信ケーブル50によって接続されるとともに、放射温度計52の出力端と温度コントローラー44とは通信ケーブル53によって接続されている。そしてこの放射温度計52は、ピストン位置センサー51によってシールヘッド42が上死点にある時に温度測定を行い、測定した温度データを温度コントローラー44に入力できるようになっている。この放射温度計52は、鏡43によって写された上死点にあるシールヘッド42のシール面の温度を測定できるように、測定部を鏡43に向け、鏡43の斜め上方位置に設けられている。
【0021】
この温度コントローラー44は、通信ケーブル53を経て放射温度計52から送信された信号(測定した温度データ)を入力し、その温度を予め設定、記憶されていたヒートシール適温と比較し、両者が異なる場合には電気ヒーター41への出力をオンまたはオフとして、シールヘッド42のシール面をシール適温に維持するようになっている。
【0022】
前記鏡43は、上死点にあるシールヘッド42のシール面を写し出すことができるように、上死点にあるときのシールヘッド42の下方近傍であり、かつシールヘッド42の昇降動作に支障をきたさない位置に設けられている。この鏡43は、シールヘッド42のシール面を写し出すことができるものであれば、いかなるものでも良いが、平面鏡を用いることが好ましく、特に赤外線反射率が良好な鏡が好ましい。
【0023】
開口に蓋材48を載せたカップ型の容器47は、リテーナー46に個別に収容し、このシールヘッド42の下方の位置に搬送されるようになっている。
この容器47としては、ポリプロピレン系樹脂製のカップ型容器などの、製品包装形態に応じた各種の形状、寸法の容器を用いることができる。
また蓋材48は、本例示にあっては予め容器47の開口を塞ぐ形状に打ち抜かれたものを用いているが、これに限らず、シート又はフィルム状の蓋材を容器47にヒートシールし、その後で開口周縁の外側を切断するタイプの蓋材であっても良い。蓋材48としては、アルミニウムシート、合成樹脂フィルムとアルミニウムとのラミネート材、合成樹脂フィルムなどの基材に接着剤層を設けたものなどが使用される。
【0024】
このヒートシール装置は、次の▲1▼〜▲6▼の工程を順次行って、容器47の開口に蓋材48をヒートシールする。
▲1▼リテーナー46に容器47を入れ、
▲2▼容器47の開口周縁に合わせて蓋材48を乗せ、
▲3▼リテーナー46ごと水平方向に移動させて、シールヘッド42の真下に進めて停止し、
▲4▼圧着用シリンダー45のピストンを降下させ、シールヘッド42を蓋材48に押し当てて一定時間保持し、
▲5▼圧着用シリンダー45のピストンを上死点まで引き上げて、シールヘッド42を蓋材48から離し、次のリテーナー49が▲3▼の動作をしている間、保持し、
▲6▼以後▲4▼と▲5▼の動作を繰り返し、連続的にヒートシールする。
【0025】
また、このヒートシール装置におけるシール温度測定および温度制御は次のように行う。
▲1▼圧着用シリンダー45が上死点に達したことを、ピストン位置センサー51で検知し、通信ケーブル50を介して電気信号で放射温度計52の測定開始スイッチをオンにする。
▲2▼圧着用シリンダー45が上死点にある時、シールヘッド42のシール面から発する赤外線が、鏡43に反射して放射温度計52に入るように、鏡43と放射温度計52の位置を設定しておき、鏡43の反射赤外線を放射温度計52で測定する。
▲3▼放射温度計52が測定した温度は、鏡43による反射赤外線で測定しているので、実際のシールヘッド42のシール面温度より減衰しているので、モニター温度は実際より低い温度になっている。従って、減衰温度分を加算して設定温度を温度コントローラー44に入力すれば、適切な温度設定が可能になる。
▲4▼放射温度が測定した温度を電気信号で、通信ケーブル53を介して、温度コントローラー44に電気信号を伝える。
▲5▼温度コントローラー44は放射温度計52からの信号により、電気ヒーター41への出力を制御する。
▲6▼放射温度計52は、圧着用シリンダー45が上死点にある間のみ温度測定を行うので、圧着用シリンダー45が上死点を離れている間の電気信号が無い間は、最後に来た電気信号をホールドする。
【0026】
設定温度の決定は、予め実験により求める。すなわち、設定温度を何段階かに変えて設定し、シールしたもののピーリング強度を後述する測定方法に従って測定して、適切なピーリング強度になる設定温度を選択する。
【0027】
本実施形態のヒートシール装置は、シールヘッド42のシール面を鏡43に写し、この鏡43に写ったシール面の温度を非接触式の放射温度計52で測定し、この測定温度に基づいてシール面の温度制御を行うものなので、シールヘッド42のシール面温度を直接測定でき、シール面の温度変化を迅速に検知して温度制御でき、シール強度が均一な密封包装品を生産できる。
また、シールヘッド部分に熱電対又は測温抵抗体式温度計を埋め込む必要がないので、シールヘッド42を小型化でき、ヒートシール装置の設計の自由度を広げることができる。
【0028】
本実施形態のヒートシール装置は、カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送されるカップ型容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填されたカップ型容器の開口を塞ぐように蓋材を載せる蓋材供給手段と、蓋材をカップ型容器の開口周縁にヒートシールして容器を密封するヒートシール手段とを備えたカップ型容器の充填装置において好適に用いることができる。
また本実施形態のヒートシール装置は、カップ型容器の開口に蓋材を載せ、該蓋材の上から加熱されたシールヘッドを押し当て、カップ型容器の開口周縁に蓋材をヒートシールして密封するカップ型容器の密封方法、およびカップ型容器入り密封包装品の製造方法を実施するために好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果を明確にする。
本実施例は、図2及び図3に示すように、シールヘッドに熱電対を埋め込んだ温度計を使用した従来型のヒートシール装置(以下、従来型と記す)と、図1に示す通り、鏡43と放射温度計52とを備えた本発明に係るヒートシール装置(以下、本発明と記す)とを連続運転し、それぞれで生産した密封包装品のシール強度の変化を調べ、比較することにより行った。
【0030】
(ヒートシール装置)
従来型は、図2に示したヒートシール装置を備えた市販の充填装置(トーワテクノ社製)を用いた。
本発明のヒートシール装置は、従来型の充填装置(トーワテクノ社製)に、放射温度計52(ミノルタ社製)、ピストン位置センサー51として圧着用シリンダーの下死点と上死点を検知するリミットスイッチ(トーワテクノ社製)、ピストン位置センサー51から放射温度計52に信号を送る通信ケーブル50、放射温度計52から温度コントローラー44へ信号を送る通信ケーブル53及び鏡43を、それぞれ適所に装着して構築した。
【0031】
(試料、シール条件)
容器はポリプロピレンカップ(生駒化学社製)を用い、これに常温の水を100g詰めて用いた。
蓋材は、フィルムタイプ(ナイロンフィルムに接着剤フィルムを張り合わせた蓋材(東洋アルミニウム社製))及びアルミ箔タイプ(アルミ箔に接着剤を塗布した蓋材(エムエーパッケージング社製)を用いた。
温度コントローラー44の設定温度を4段階設定し、それぞれのヒートシール装置で連続30ショットをシールし、30ショットづつ16種類(テストNo.1〜16)の試料を得た。
尚、ヒートシール装置の設定条件は、圧着用シリンダーのエアー圧力:1.5bar、運転速度:2.4秒/ショット、とした。
【0032】
(評価方法)
生産された密封包装品のシール強度をピール強度として測定した。図4はこのピール強度の測定方法を説明する図であり、ピール強度は、カップ81のシール面を水平に固定し、ヒートシールした蓋材82のタブ部分83をクリップ84で挟み、クリップ84をプッシュプルゲージ(今田製作所社製)85のプル側端子に取り付け、カップ81のシール面に対して45°上方にプッシュプルゲージ85を引き上げ、蓋材がカップより剥がれる際の最大応力を測定し、ピール強度とした。
【0033】
(結果)
この試験の結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1の結果より、以下のことが分かる。
▲1▼テストNo.1〜4(従来型ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、17又は18ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、19〜21ショット目からほぼ安定している。ピール強度範囲は0.8〜1.09kgであり、標準偏差は0.2〜0.29である。
▲2▼テストNo.5〜8(本発明ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、5〜8ショット目で最小値となり、その後僅かに回復し、10ショット目以降ほぼ安定している。全体的にピール強度は変動が小さく、ピール強度範囲は0.2〜0.36kg、標準偏差は0.06〜0.11である。
▲3▼テストNo.9〜12(従来型ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、8又は9ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、11ショット目からほぼ安定している。ピール強度範囲は0.72〜1.1kg、標準偏差は0.17〜0.24である。
▲4▼テストNo.13〜16(本発明ヒートシール装置)では、ピール強度が2ショット目で最大値となり、その後低下傾向で、5〜8ショット目で最低値となり、その後僅かに回復し、9ショット目からほぼ安定している。全体的にピール強度は変動が小さく、ピール強度範囲は0.25〜0.46kg、標準偏差は0.06〜0.11である。
【0036】
(考察)
この結果より、フィルムタイプ及びアルミ箔タイプの両方の蓋材について、本発明のヒートシール装置でシールしたものの方が、従来型ヒートシーラーを用いたものより、ピール強度の範囲及び標準偏差が小さいので、起動時から振れ幅の少ないピール強度が得られることが分かる。
また、カップ製品のピール強度は、1.5〜2.0kgの範囲にするのが良いとされるので、発明▲1▼型ヒートシーラーでは、フィルムタイプ及びアルミタイプの両方の蓋材について、範囲が0.5kg以内であるため、適切な温度設定が可能なことが分かる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、シールヘッドのシール面温度を直接測定するので、シール面の温度変化を迅速に検知して温度制御でき、シール強度が均一な密封包装品を生産できる。
また、シールヘッド部分に熱電対又は測温抵抗体式温度計を埋め込む必要がないので、シールヘッドを小型化でき、ヒートシール装置の設計の自由度を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートシール装置の実施形態を示す要部構成図である。
【図2】従来のヒートシール装置の要部構成図である。
【図3】従来のヒートシール装置のシールヘッドと温度測定位置を示す要部構成図である。
【図4】密封包装品のシール強度の測定方法を説明する側面図である。
【符号の説明】
41…電気ヒーター、42…シールヘッド、43…鏡、44…温度コントローラー、45…圧着用シリンダー、46,49…リテーナー、47…容器(カップ型容器)、48…蓋材、50,53…通信ケーブル、51…ピストン位置センサー、52…放射温度計(非接触式温度計)。
Claims (6)
- 上死点と下死点との間を昇降可能に設けられ、該下死点で容器の開口を塞ぐように載せられた蓋材に押し当て該蓋材を容器の開口周縁にヒートシールするシールヘッドを有するヒートシール装置において、
前記シールヘッドの温度を測定する非接触式温度計を設けたことを特徴とするヒートシール装置。 - 前記シールヘッドのシール面を写す鏡を有し、該鏡に写ったシールヘッドの温度を前記非接触式温度計で測定する構成とした請求項1記載のヒートシール装置。
- 前記非接触式温度計が赤外線放射式温度計である請求項1又は2記載のヒートシール装置。
- カップ型容器を搬送する搬送手段と、搬送されるカップ型容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填されたカップ型容器の開口を塞ぐように蓋材を載せる蓋材供給手段と、蓋材をカップ型容器の開口周縁にヒートシールするヒートシール手段とを備えたカップ型容器の充填装置において、
前記ヒートシール手段が請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシール装置であることを特徴とするカップ型容器の充填装置。 - カップ型容器の開口に蓋材を載せ、該蓋材の上から加熱されたシールヘッドを押し当て、カップ型容器の開口周縁に蓋材をヒートシールして密封するカップ型容器の密封方法において、
前記シールヘッドのシール面を写し出す鏡を設け、この鏡に写ったシールヘッドの温度を非接触式温度計によって測定しながらヒートシールを行うことを特徴とするカップ型容器の密封方法。 - カップ型容器に内容物を充填し、次いで請求項5記載の密封方法によって該容器の開口を密封し、密封包装品を取得することを特徴とするカップ型容器入り密封包装品の製造方法。
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JP2007126195A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Fuji Impulse Kk | フィルムシール装置 |
CN111422433A (zh) * | 2020-04-10 | 2020-07-17 | 武汉市盛祥塑料制品有限公司 | 一次性pet塑料杯的全自动封口装置 |
WO2021187293A1 (ja) | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 株式会社ヤクルト本社 | ヒートシール装置 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362559A patent/JP2004189323A/ja active Pending
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