JP2004189053A - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグ本体展開時におけるボスの破損を有効に防止し得るようにする。
【解決手段】樹脂製インストルメントパネル2に脆弱線3によって区画されたエアバッグリッド5と、エアバッグリッド5の裏面から突出したボス15を孔16へ通して溶着することによって、エアバッグリッド5の裏面に取付けられる補強用ドア8とを備え、ボス15を縦長リブ状に形成して、縦長リブ状のボス15の長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成するようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂製インストルメントパネル2に脆弱線3によって区画されたエアバッグリッド5と、エアバッグリッド5の裏面から突出したボス15を孔16へ通して溶着することによって、エアバッグリッド5の裏面に取付けられる補強用ドア8とを備え、ボス15を縦長リブ状に形成して、縦長リブ状のボス15の長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成するようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用エアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両には、緊急時の安全手段としてエアバッグ装置を備えたものがある。上記エアバッグ装置は、車体に所定値以上の衝撃力が加わったときに、インストルメントパネルなどの内部に配設されたハウジングに折り畳んで収納されているエアバッグ本体が、インフレータからの圧力気体の供給によって車室内乗員側へ膨出して、所定位置に着座している乗員を受け止めてインストルメントパネルなどに衝突しないように保護するものである。
【0003】
そして、上記エアバッグ本体は、膨出時に、インストルメントパネルなどに形成された脆弱線によって不動・固定部分と区画されているエアバッグリッドを押圧し、脆弱線を破断することによりエアバッグリッドを開成すると共に膨出開口を形成し、この膨出開口から車室内乗員側へ膨出されるようになっている。
【0004】
このようなエアバッグ装置では、エアバッグリッドの開成を補助するため、エアバッグリッドの裏面に補強用ドアを設けることが行われている。
【0005】
そして、エアバッグリッドに対する補強用ドアの取付けは、例えば、エアバッグリッドの裏面から突出したボスを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−315605号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアバッグリッドの裏面から突出したボスを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって、エアバッグリッドに補強用ドアを取付けた場合、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によってボスが破損するおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、エアバッグ展開時におけるボスの破損を有効に防止することのできる車両用エアバッグ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、樹脂製インストルメントパネルに脆弱線によって区画されたエアバッグリッドと、該エアバッグリッドの裏面から突出したボスを孔へ通して溶着することによって、エアバッグリッドの裏面に取付けられる補強用ドアとを備え、前記ボスを縦長リブ状に形成して、該縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成した車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0010】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成したことにより、ボスの強度を部分的に向上して、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって生じるボスの破損を防止することができる。
【0011】
請求項2に記載された発明では、前記拡幅部は、エアバッグ展開時のエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって、ボス基端部と補強用ドアに設けられた前記ボスを通す孔とが干渉する破損起点部に形成された請求項1記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0012】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、拡幅部をボス基端部の破損起点部に形成したことにより、有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0013】
請求項3に記載された発明では、前記破損起点部が、補強用ドアのヒンジ部とは反対側に存する請求項1または2記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0014】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、ボスのヒンジ部とは反対側の基端部を破損起点部として拡幅部を形成することにより、一層有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明では、前記拡幅部は、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ延びている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項4にかかる発明によれば、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ拡幅部を延ばすことにより、より大きな拡幅部を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0018】
図1〜図5は、この発明の実施の形態1を示すものである。
まず、構成を説明すると、自動車などの車両には、緊急時の安全手段としてエアバッグ装置1を備えたものがある。このエアバッグ装置1は、自動車のフロントウインドウガラスの下方に位置する助手席側のインストルメントパネル2の部分に設けられる。なお、上記インストルメントパネル2は樹脂でできており、しかも、芯材のみによって形成されたハードパネルとなっている。また、インストルメントパネル2は、運転席から助手席まで達する大きさのものが一般的であるが、その他に、助手席部分のみの部分インストルメントパネル2も存在する。以下、インストルメントパネル2には、部分インストルメントパネル2をも含むものとする。
【0019】
この樹脂製のインストルメントパネル2に対して、コ字状またはロ字状の脆弱線3を形成し、この脆弱線3によって、不動・固定部分4とエアバッグリッド5とを区画形成する。このエアバッグリッド5は、エアバッグ本体6の展開時に、コ字状またはロ字状の脆弱線3の破断により不動・固定部分4に対して開成され、エアバッグ本体6の膨出開口を形成するものである。なお、脆弱線3インストルメントパネル2の裏面側に形成し、表面側からはエアバッグリッド5が分からないように構成する。
【0020】
そして、インストルメントパネル2におけるエアバッグリッド5が開成して成る膨出開口の周縁部に対し補強部材7が取付けられる。なお、脆弱線3をコ字状とした場合には、エアバッグリッド5はコ字の未連結部分にヒンジを有して開成されることとなる。これに対し、脆弱線3をロ字状とした場合には、エアバッグリッド5はヒンジを有さずに開成されることとなる。
【0021】
また、エアバッグリッド5の裏面には、補強用ドア8が取付けられる。この補強用ドア8は、エアバッグリッド5の裏面に位置するドア本体部9と、エアバッグリッド5の周りに設けられた補強部材7に取付けられる取付部10と、ドア本体部9と取付部10との間に設けられたヒンジ部11とを有している。補強用ドア8は補強部材7とは別体に構成されている。ドア本体部9周縁部の少なくとも一部を補強部材7の上に重ねてドア本体部9を補強部材7に支持させることにより、エアバッグリッド5のベコ付きを防止するようにしても良い。
【0022】
ここで、エアバッグリッド5の裏面からは互いに近接した平行な対のボス15が複数組突出されている(図3参照)。また、ドア本体部9にはボス15を通す対の孔16(図2参照)が複数組形成されている。そして、ボス15を孔16へ通して熱かしめなどで溶着することによって、エアバッグリッド5の裏面に補強用ドア8が取付けられる。なお、ボス15は、車両前後方向17へ所要の長さだけ延設された縦長リブ状を呈している。また、孔16は、車両前後方向17へ所要の長さだけ延設されたスリット状を呈している。そして、熱かしめの際には、対のボス15は同じ方向へ折り重なるように倒しても良いし、内側に折り重なるように倒しても良い。同様に、不動・固定部分4の裏面からは対のボス18が複数組突出されている。また、補強部材7にはボス18を通す図示しない対の孔が複数組形成されている。そして、ボス18を孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって、不動・固定部分4の裏面に補強部材7が取付けられている。
【0023】
補強部材7の脆弱線3周りには、枠状の脚部20が形成されている。そして、この脚部20に補強用ドア8の取付部10がスポット溶接などにより固定されている。取付部10は、脚部20の車両前後方向17前側部分に取付けられている。
また、ドア本体部9には、縦ビード21と横ビード22,23とが適宜設けられている。
【0024】
更に、エアバッグ装置1は、補強部材7の脚部20に形成されたフック係止孔に対して挿入・係止可能なリッド取付フック25を有するエアバッグモジュール26を備えている。このように、補強部材7の脚部20に対しリッド取付フック25を介してエアバッグモジュール26を取付けることにより、エアバッグ本体6展開時の反力をインストルメントパネル2に直接的に作用させないようにしている。
【0025】
このエアバッグモジュール26は、圧力気体を噴出する筒状のインフレータ27を収容可能なインフレータ収容部28を備えている。このインフレータ収容部28は、ステアリングサポートメンバなどの図示しない車体側メンバへボルトなどの締結部材29を用いて締結固定される。
【0026】
更に、エアバッグモジュール26は、インフレータ27から噴出された圧力気体によって膨張・展開されるエアバッグ本体6を折り畳んだ状態で収納させるエアバッグ本体収納部30を備えている。
【0027】
この実施の形態1のものでは、図1、図3に示すように、縦長リブ状のボス15の長手方向(車両前後方向17)の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成する。この実施の形態1では、拡幅部36は玉縁形状を呈している。
【0028】
この拡幅部36は、エアバッグ本体6展開時のエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動によって、ボス15基端部と補強用ドア8に設けられたボス15を通す孔16とが干渉する部分(破損起点部37)に形成される。
【0029】
そして、この破損起点部37は、補強用ドア8のヒンジ部11とは反対側(車両前後方向17後側)に存している。
【0030】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
インフレータ27が作動すると、このインフレータ27から圧力気体が噴出されエアバッグ本体6内へと圧力気体が導入される。
【0031】
エアバッグ本体6は、この圧力気体の導入に伴って膨張し、この膨張の圧力により、コ字状またはロ字状の脆弱線3が破断され、図4(a)〜(c)に示すように、不動・固定部分4に対しエアバッグリッド5が開成されて膨出開口が形成されると同時に、この膨出開口からエアバッグ本体6が、車体斜め後方(車室内乗員側)へ向かって膨出する。これによって、エアバッグ本体6は定位置に着座している助手席側の乗員の頭部等を受け止め、頭部等がインストルメントパネル2などに当接しないように保護する。
【0032】
この実施の形態1によれば、縦長リブ状のボス15の長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成したことにより、図5に線イで示すように、ボス15の部分的な強度を、拡幅部36を設けない線ロの場合に比べて向上することができる。よって、エアバッグ本体6展開時にエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動によって生じるボス15の破損を防止することができる。なお、エアバッグ本体6展開時にエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動は、図4(c)に示すように、エアバッグリッド5が遠心力を受けるのに対し、補強用ドア8は取付部10が拘束されているためヒンジ部11を略中心とする向心力を受けることによって発生するものである。
【0033】
ここで、拡幅部36をボス15基端部の破損起点部37に形成したことにより、有効にエアバッグ本体6展開時のボス15の破損を防止することができる。
【0034】
特に、ボス15のヒンジ部11とは反対側の基端部を破損起点部37として拡幅部36を形成することにより、一層有効にエアバッグ本体6展開時のボス15の破損を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態2】
図6は、この発明を具体化した実施の形態2を示すものである。なお、実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付すものとし、説明が省略されている部分については、上記実施の形態1の記載に準じるものとする。
【0036】
この実施の形態2のものでは、実施の形態1の拡幅部36を、互いに近接した平行なボス15の端末で、互いに離れる方向へ延びるように形成している。
【0037】
このように、互いに近接した平行なボス15の端末で、互いに離れる方向へ拡幅部36を延ばすことにより、より大きな拡幅部36を確保することができる。
【0038】
上記以外の部分については、上記実施の形態と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0039】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成したことにより、ボスの強度を部分的に向上して、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって生じるボスの破損を防止することができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、拡幅部をボス基端部の破損起点部に形成したことにより、有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0042】
請求項3の発明によれば、ボスのヒンジ部とは反対側の基端部を破損起点部として拡幅部を形成することにより、一層有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0043】
請求項4の発明によれば、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ拡幅部を延ばすことにより、より大きな拡幅部を確保することができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるエアバッグ装置の側方断面図である。
【図2】図1の補強用ドアの平面図である。
【図3】図1のボスの斜視図である。
【図4】(a)〜(c)はエアバッグリッドが開裂する状態を示す作動図である。
【図5】エアバッグリッドと補強用ドアとの相対的な変位と、ボス基端部の破損起点部に作用する荷重との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるボスの斜視図である。
【符号の説明】
2 インストルメントパネル
3 脆弱線
5 エアバッグリッド
8 補強用ドア
11 ヒンジ部
36 拡幅部
37 破損起点部
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用エアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両には、緊急時の安全手段としてエアバッグ装置を備えたものがある。上記エアバッグ装置は、車体に所定値以上の衝撃力が加わったときに、インストルメントパネルなどの内部に配設されたハウジングに折り畳んで収納されているエアバッグ本体が、インフレータからの圧力気体の供給によって車室内乗員側へ膨出して、所定位置に着座している乗員を受け止めてインストルメントパネルなどに衝突しないように保護するものである。
【0003】
そして、上記エアバッグ本体は、膨出時に、インストルメントパネルなどに形成された脆弱線によって不動・固定部分と区画されているエアバッグリッドを押圧し、脆弱線を破断することによりエアバッグリッドを開成すると共に膨出開口を形成し、この膨出開口から車室内乗員側へ膨出されるようになっている。
【0004】
このようなエアバッグ装置では、エアバッグリッドの開成を補助するため、エアバッグリッドの裏面に補強用ドアを設けることが行われている。
【0005】
そして、エアバッグリッドに対する補強用ドアの取付けは、例えば、エアバッグリッドの裏面から突出したボスを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−315605号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアバッグリッドの裏面から突出したボスを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって、エアバッグリッドに補強用ドアを取付けた場合、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によってボスが破損するおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、エアバッグ展開時におけるボスの破損を有効に防止することのできる車両用エアバッグ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、樹脂製インストルメントパネルに脆弱線によって区画されたエアバッグリッドと、該エアバッグリッドの裏面から突出したボスを孔へ通して溶着することによって、エアバッグリッドの裏面に取付けられる補強用ドアとを備え、前記ボスを縦長リブ状に形成して、該縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成した車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0010】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成したことにより、ボスの強度を部分的に向上して、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって生じるボスの破損を防止することができる。
【0011】
請求項2に記載された発明では、前記拡幅部は、エアバッグ展開時のエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって、ボス基端部と補強用ドアに設けられた前記ボスを通す孔とが干渉する破損起点部に形成された請求項1記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0012】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、拡幅部をボス基端部の破損起点部に形成したことにより、有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0013】
請求項3に記載された発明では、前記破損起点部が、補強用ドアのヒンジ部とは反対側に存する請求項1または2記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0014】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、ボスのヒンジ部とは反対側の基端部を破損起点部として拡幅部を形成することにより、一層有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明では、前記拡幅部は、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ延びている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置を特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項4にかかる発明によれば、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ拡幅部を延ばすことにより、より大きな拡幅部を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0018】
図1〜図5は、この発明の実施の形態1を示すものである。
まず、構成を説明すると、自動車などの車両には、緊急時の安全手段としてエアバッグ装置1を備えたものがある。このエアバッグ装置1は、自動車のフロントウインドウガラスの下方に位置する助手席側のインストルメントパネル2の部分に設けられる。なお、上記インストルメントパネル2は樹脂でできており、しかも、芯材のみによって形成されたハードパネルとなっている。また、インストルメントパネル2は、運転席から助手席まで達する大きさのものが一般的であるが、その他に、助手席部分のみの部分インストルメントパネル2も存在する。以下、インストルメントパネル2には、部分インストルメントパネル2をも含むものとする。
【0019】
この樹脂製のインストルメントパネル2に対して、コ字状またはロ字状の脆弱線3を形成し、この脆弱線3によって、不動・固定部分4とエアバッグリッド5とを区画形成する。このエアバッグリッド5は、エアバッグ本体6の展開時に、コ字状またはロ字状の脆弱線3の破断により不動・固定部分4に対して開成され、エアバッグ本体6の膨出開口を形成するものである。なお、脆弱線3インストルメントパネル2の裏面側に形成し、表面側からはエアバッグリッド5が分からないように構成する。
【0020】
そして、インストルメントパネル2におけるエアバッグリッド5が開成して成る膨出開口の周縁部に対し補強部材7が取付けられる。なお、脆弱線3をコ字状とした場合には、エアバッグリッド5はコ字の未連結部分にヒンジを有して開成されることとなる。これに対し、脆弱線3をロ字状とした場合には、エアバッグリッド5はヒンジを有さずに開成されることとなる。
【0021】
また、エアバッグリッド5の裏面には、補強用ドア8が取付けられる。この補強用ドア8は、エアバッグリッド5の裏面に位置するドア本体部9と、エアバッグリッド5の周りに設けられた補強部材7に取付けられる取付部10と、ドア本体部9と取付部10との間に設けられたヒンジ部11とを有している。補強用ドア8は補強部材7とは別体に構成されている。ドア本体部9周縁部の少なくとも一部を補強部材7の上に重ねてドア本体部9を補強部材7に支持させることにより、エアバッグリッド5のベコ付きを防止するようにしても良い。
【0022】
ここで、エアバッグリッド5の裏面からは互いに近接した平行な対のボス15が複数組突出されている(図3参照)。また、ドア本体部9にはボス15を通す対の孔16(図2参照)が複数組形成されている。そして、ボス15を孔16へ通して熱かしめなどで溶着することによって、エアバッグリッド5の裏面に補強用ドア8が取付けられる。なお、ボス15は、車両前後方向17へ所要の長さだけ延設された縦長リブ状を呈している。また、孔16は、車両前後方向17へ所要の長さだけ延設されたスリット状を呈している。そして、熱かしめの際には、対のボス15は同じ方向へ折り重なるように倒しても良いし、内側に折り重なるように倒しても良い。同様に、不動・固定部分4の裏面からは対のボス18が複数組突出されている。また、補強部材7にはボス18を通す図示しない対の孔が複数組形成されている。そして、ボス18を孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって、不動・固定部分4の裏面に補強部材7が取付けられている。
【0023】
補強部材7の脆弱線3周りには、枠状の脚部20が形成されている。そして、この脚部20に補強用ドア8の取付部10がスポット溶接などにより固定されている。取付部10は、脚部20の車両前後方向17前側部分に取付けられている。
また、ドア本体部9には、縦ビード21と横ビード22,23とが適宜設けられている。
【0024】
更に、エアバッグ装置1は、補強部材7の脚部20に形成されたフック係止孔に対して挿入・係止可能なリッド取付フック25を有するエアバッグモジュール26を備えている。このように、補強部材7の脚部20に対しリッド取付フック25を介してエアバッグモジュール26を取付けることにより、エアバッグ本体6展開時の反力をインストルメントパネル2に直接的に作用させないようにしている。
【0025】
このエアバッグモジュール26は、圧力気体を噴出する筒状のインフレータ27を収容可能なインフレータ収容部28を備えている。このインフレータ収容部28は、ステアリングサポートメンバなどの図示しない車体側メンバへボルトなどの締結部材29を用いて締結固定される。
【0026】
更に、エアバッグモジュール26は、インフレータ27から噴出された圧力気体によって膨張・展開されるエアバッグ本体6を折り畳んだ状態で収納させるエアバッグ本体収納部30を備えている。
【0027】
この実施の形態1のものでは、図1、図3に示すように、縦長リブ状のボス15の長手方向(車両前後方向17)の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成する。この実施の形態1では、拡幅部36は玉縁形状を呈している。
【0028】
この拡幅部36は、エアバッグ本体6展開時のエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動によって、ボス15基端部と補強用ドア8に設けられたボス15を通す孔16とが干渉する部分(破損起点部37)に形成される。
【0029】
そして、この破損起点部37は、補強用ドア8のヒンジ部11とは反対側(車両前後方向17後側)に存している。
【0030】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
インフレータ27が作動すると、このインフレータ27から圧力気体が噴出されエアバッグ本体6内へと圧力気体が導入される。
【0031】
エアバッグ本体6は、この圧力気体の導入に伴って膨張し、この膨張の圧力により、コ字状またはロ字状の脆弱線3が破断され、図4(a)〜(c)に示すように、不動・固定部分4に対しエアバッグリッド5が開成されて膨出開口が形成されると同時に、この膨出開口からエアバッグ本体6が、車体斜め後方(車室内乗員側)へ向かって膨出する。これによって、エアバッグ本体6は定位置に着座している助手席側の乗員の頭部等を受け止め、頭部等がインストルメントパネル2などに当接しないように保護する。
【0032】
この実施の形態1によれば、縦長リブ状のボス15の長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部36を形成したことにより、図5に線イで示すように、ボス15の部分的な強度を、拡幅部36を設けない線ロの場合に比べて向上することができる。よって、エアバッグ本体6展開時にエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動によって生じるボス15の破損を防止することができる。なお、エアバッグ本体6展開時にエアバッグリッド5と補強用ドア8との相対移動は、図4(c)に示すように、エアバッグリッド5が遠心力を受けるのに対し、補強用ドア8は取付部10が拘束されているためヒンジ部11を略中心とする向心力を受けることによって発生するものである。
【0033】
ここで、拡幅部36をボス15基端部の破損起点部37に形成したことにより、有効にエアバッグ本体6展開時のボス15の破損を防止することができる。
【0034】
特に、ボス15のヒンジ部11とは反対側の基端部を破損起点部37として拡幅部36を形成することにより、一層有効にエアバッグ本体6展開時のボス15の破損を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態2】
図6は、この発明を具体化した実施の形態2を示すものである。なお、実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付すものとし、説明が省略されている部分については、上記実施の形態1の記載に準じるものとする。
【0036】
この実施の形態2のものでは、実施の形態1の拡幅部36を、互いに近接した平行なボス15の端末で、互いに離れる方向へ延びるように形成している。
【0037】
このように、互いに近接した平行なボス15の端末で、互いに離れる方向へ拡幅部36を延ばすことにより、より大きな拡幅部36を確保することができる。
【0038】
上記以外の部分については、上記実施の形態と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0039】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成したことにより、ボスの強度を部分的に向上して、エアバッグ展開時にエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって生じるボスの破損を防止することができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、拡幅部をボス基端部の破損起点部に形成したことにより、有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0042】
請求項3の発明によれば、ボスのヒンジ部とは反対側の基端部を破損起点部として拡幅部を形成することにより、一層有効にエアバッグ展開時のボスの破損を防止することができる。
【0043】
請求項4の発明によれば、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ拡幅部を延ばすことにより、より大きな拡幅部を確保することができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるエアバッグ装置の側方断面図である。
【図2】図1の補強用ドアの平面図である。
【図3】図1のボスの斜視図である。
【図4】(a)〜(c)はエアバッグリッドが開裂する状態を示す作動図である。
【図5】エアバッグリッドと補強用ドアとの相対的な変位と、ボス基端部の破損起点部に作用する荷重との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるボスの斜視図である。
【符号の説明】
2 インストルメントパネル
3 脆弱線
5 エアバッグリッド
8 補強用ドア
11 ヒンジ部
36 拡幅部
37 破損起点部
Claims (4)
- 樹脂製インストルメントパネルに脆弱線によって区画されたエアバッグリッドと、
該エアバッグリッドの裏面から突出したボスを孔へ通して溶着することによって、エアバッグリッドの裏面に取付けられる補強用ドアとを備え、
前記ボスを縦長リブ状に形成して、該縦長リブ状のボスの長手方向の基端部にリブ幅より大きい拡幅部を形成したことを特徴とする車両用エアバッグ装置。 - 前記拡幅部は、エアバッグ展開時のエアバッグリッドと補強用ドアとの相対移動によって、ボス基端部と補強用ドアに設けられた前記ボスを通す孔とが干渉する破損起点部に形成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記破損起点部が、補強用ドアのヒンジ部とは反対側に存することを特徴とする請求項1または2記載の車両用エアバッグ装置。
- 前記拡幅部は、互いに近接した平行なボスの端末で、互いに離れる方向へ延びていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002357670A JP2004189053A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 車両用エアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002357670A JP2004189053A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 車両用エアバッグ装置 |
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---|---|
JP2004189053A true JP2004189053A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32757603
Family Applications (1)
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JP2002357670A Pending JP2004189053A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 車両用エアバッグ装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004189053A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014012500A (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-23 | Suzuki Motor Corp | インストルメントパネル |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357670A patent/JP2004189053A/ja active Pending
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JP2014012500A (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-23 | Suzuki Motor Corp | インストルメントパネル |
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