JP2004188867A - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体として光沢紙を使用した場合の画像ムラの発生やコート層の剥離を回避し、記録媒体として普通紙を使用した場合にはインク乾燥速度を高く得て画像形成動作の高速化を実現できるインクジェット画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録用紙Pの種類が普通紙である場合、ヒートローラ61Aによる加熱温度をインク液の沸点未満に設定する。一方、記録用紙Pの種類が光沢紙である場合、ヒートローラ61Aによる加熱温度は、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料の融点未満であって且つインク液の沸点未満に設定する。これにより、普通紙に対して画像形成を行う場合のインク乾燥速度を高く得る。一方、光沢紙に対して画像形成を行う場合のコート層に対する熱による悪影響を回避して、画像ムラの発生やコート層の剥離を回避する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット画像形成装置に係る。特に、本発明は、記録媒体上に吐出されたインクの早期乾燥を図るための加熱手段を備えたインクジェット画像処理装置において、加熱手段による加熱動作の適正化を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラーインクジェットプリンタにおける画像形成動作としては、先ず、給紙トレイに収容されている複数枚の用紙のうち1枚を搬送路に送り出し、この用紙を、搬送路を経て画像形成部に供給する。そして、この画像形成部において用紙表面に各色のインク滴を吐出することで画像情報に応じた所定のカラー画像またはモノクロ画像を形成し、その後、この用紙を排出トレイに排紙するようになっている。
【0003】
また、上記画像形成部には、各色のインクを貯留するインクカートリッジを搭載したキャリッジが配設されており、このキャリッジの走査動作を行いながら、インクカートリッジからインクヘッドに供給された各色インクによって上記画像形成動作を行うようになっている。上記インクカートリッジに貯留されているインクとしては、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の4色が一般的であるが、最近では、各色毎に濃度の異なるインクを使用することによって階調性を高めるものも普及しつつある。
【0004】
ところで、この種のインクジェットプリンタにおいては、画像形成速度の高速化を図って、単位時間当たりの画像形成枚数をできるだけ増加させたいといった要求がある。
【0005】
この画像形成速度の高速化を実現するための手段の一つとして、例えば下記の特許文献1に開示されているように、画像形成部にヒータを備えさせ、このヒータにより記録媒体を介してインクを加熱することによって記録媒体上のインクの乾燥速度を高める構成がこれまでに提案されている。これによれば、複数枚の記録媒体に対して比較的高速度で連続して画像形成動作を行った場合であっても、後続の記録媒体が排紙される時には既に先行の記録媒体上のインクを乾燥させておくことができ、インクが未乾燥の記録媒体上に後続の記録媒体が排紙されてしまうといった状況を回避できる。このため、記録媒体上の画像が乱されたり、記録媒体の裏面が汚れてしまうといったことがなくなり、画像形成動作の高速化を実現できる。
【0006】
また、加熱手段のタイプとしては、接触タイプ及び非接触タイプがある。接触タイプでは、画像形成部の上流側または下流側に加熱ローラを配置しておき、この加熱ローラを記録媒体の表面に接触させながら搬送するようになっている。一方、非接触タイプでは、画像形成部の上流側または下流側に温風ファンを配置しておき、この温風ファンから記録媒体の表面に向けて温風を吹き付けるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−132605号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如く特許文献1に開示されている技術は、常に記録媒体の加熱温度を一定値に維持するものであった。具体的には130℃に維持するようになっている。
【0009】
普通紙に対して画像形成動作を行う場合には、加熱温度を上記温度(130℃)に維持しても記録媒体には悪影響を与えることがない。
【0010】
しかしながら、光沢紙に対して画像形成動作を行う場合に、上記温度に維持したのでは記録媒体に対して悪影響を与えてしまうことになる。つまり、一般に光沢紙は、表面に樹脂(一般にはポリビニルアルコール)のコート層を備えており、このコート層を構成している樹脂材料の融点よりも高い温度で記録媒体を加熱してしまうことになる。この場合、コート層が溶融して流動性を有する状態となってしまって、形成された画像が安定せず、所謂画像ムラが生じてしまう虞がある。特に、加熱手段として接触タイプを採用した場合には、この溶融した樹脂材料が加熱ローラに付着してしまって記録媒体の破損(コート層の剥離)に繋がる虞もある。
【0011】
この点に鑑みれば、加熱手段による記録媒体の加熱温度は、光沢紙を基準に設定、つまり、常にコート層の樹脂材料の融点未満となるように設定すれば上記の不具合を回避できることになる。
【0012】
しかしながら、それでは、普通紙を使用した場合のインク乾燥速度が低下してしまうことになり、画像形成動作の高速化を実現することができない。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録媒体として光沢紙を使用した場合の画像ムラの発生やコート層の剥離を回避し、記録媒体として普通紙を使用した場合にはインク乾燥速度を高く得て画像形成動作の高速化を実現できるインクジェット画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明では、使用する記録媒体の種類に応じてインク乾燥のための加熱温度を変更する。つまり、樹脂製コート層を有しない普通紙等にあっては、加熱温度を比較的高く設定する。一方、樹脂製コート層を有する光沢紙等にあっては、加熱温度を比較的低く(コート層を構成する樹脂材料の融点未満に)設定する。これにより、普通紙等を使用した場合にはインク乾燥速度を高く得ることができ、光沢紙等を使用した場合には画像ムラの発生やコート層の剥離を回避することができる。
【0015】
−解決手段−
具体的には、記録媒体上にインクを吐出して画像形成を行う画像形成部と、記録媒体上に吐出されたインクの乾燥速度を高めるための加熱動作を行う加熱手段とを備えたインクジェット画像処理装置を前提とする。このインクジェット画像処理装置に対し、記録媒体の種類に応じて加熱手段による加熱温度を可変とする加熱調整手段を備えさせている。
【0016】
この加熱調整手段による具体的な加熱温度の調整動作としては、記録媒体の種類が普通紙である場合における加熱手段の加熱温度よりも、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を低く設定している。
【0017】
記録媒体の種類が普通紙である場合には、加熱手段の加熱温度が比較的高くても記録媒体に対する悪影響は殆どない。これに対し、記録媒体の種類が光沢紙である場合には、加熱手段の加熱温度が高い場合(コート層を構成している樹脂材料の融点よりも高い場合)には、画像ムラの発生やコート層の剥離が懸念される。このため、本解決手段では、記録媒体の種類が光沢紙(表面に樹脂層を有する記録媒体)である場合に限り、加熱手段の加熱温度を低く設定し、これによって上記画像ムラの発生やコート層の剥離を回避できるようにしている。
【0018】
このため、普通紙に対して画像形成を行う場合にはインク乾燥速度を高く得て画像形成動作の高速化を実現することができる。また、普通紙がインクを吸収して膨潤しインクヘッドに接触してしまうといった不具合も、インク乾燥速度の高速化によって回避できる。一方、光沢紙に対して画像形成を行う場合には高い画像品位を得ることができる。また、何れの記録媒体に画像形成を行う場合にも、加熱手段の加熱温度はインク液の沸点未満に設定することが好ましい。これは、加熱温度がインク液の沸点を越えた場合にはインクが沸騰する可能性があり、それに伴うインクの飛び散りによって画質が劣化してしまう可能性があるからである。尚、画質よりもインクの早期乾燥性を優先する場合には、加熱手段の加熱温度をインク液の沸点よりも高く設定することになる。
【0019】
また、記録媒体の種類が光沢紙である場合の具体的な加熱温度としては120℃未満である。これは、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料として一般に使用されているポリビニルアルコールの沸点よりも低い加熱温度に設定することで、コート層が溶融して流動性を有する状態となってしまうことを回避するためである。
【0020】
また、上述したインクの沸騰による不具合を解消するための解決手段として、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料の融点未満であって且つインク液の沸点未満に設定している。加熱手段の加熱温度を、これら両温度(樹脂材料の融点及びインク液の沸点)よりも低い温度に設定しておくことで、画像ムラの発生やコート層の剥離を回避でき、且つインクの沸騰を防止することもできて、高品位の画像形成が可能となる。
【0021】
更に、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料のガラス転移点以上に設定するようにしている。この解決手段は、加熱手段が上記接触タイプである場合に有効である。つまり、画像形成部の上流側または下流側に加熱ローラを配置しておき、この加熱ローラを記録媒体の表面に接触させながら搬送する場合、加熱ローラの表面(滑らかな面)を光沢紙の表面に転写することになるが、加熱温度を上記樹脂材料のガラス転移点以上に設定することにより、この転写性を良好に得ることができてコート層の表面性を良好に(平滑に)得ることが可能になる。
【0022】
加えて、上述した接触タイプの加熱手段に本発明を適用した場合には、加熱調整手段によって調整された加熱手段の加熱温度を直接的に記録媒体やインクに作用させることができ、インクを早期乾燥させるための温度を適切に得ることができて、上記効果をよりいっそう顕著に奏することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態では、インクジェット画像形成装置としてカラーインクジェットプリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
−カラーインクジェットプリンタの全体構成の説明−
図1は、本形態に係るカラーインクジェットプリンタ1の外観(カバー11が開放された状態)を示す斜視図である。また、図2は、カラーインクジェットプリンタ1の内部構成を示す側面図である。
【0025】
これらの図に示すように、本形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙部2、分離部3、搬送部4、画像形成部5及び排出部6を備えている。
【0026】
給紙部2は、略鉛直方向に延びる給紙トレイ21を備えており、印刷開始時に給紙トレイ21内の記録媒体としての記録用紙Pを分離部3に向けて搬送するようになっている。また、上記給紙トレイ21は、印刷を行わない際には、記録用紙Pの保管部として機能する。
【0027】
分離部3は、給紙部2から供給される記録用紙Pを、画像形成部5に向けて一枚ずつ供給するためのものであり、給紙ローラ31及び分離器32を備えている。分離器32では、パッド部分(記録用紙Pとの接触部分)と記録用紙Pとの摩擦力が、記録用紙P,P同士の間の摩擦力より大きくなるように設定されている。また、給紙ローラ31では、この給紙ローラ31と記録用紙Pとの摩擦力が、分離器32のパッドと記録用紙Pとの摩擦力や、記録用紙P,P同士の間の摩擦力よりも大きくなるように設定されている。そのため、給紙部2から複数枚の記録用紙P,P,…が取り出されて分離部3まで送られてきたとしても、給紙ローラ31によって、これら複数の記録用紙P,P,…を分離し、最も上側の一枚の記録用紙Pのみを搬送部4に送ることができるようになっている。
【0028】
搬送部4は、分離部3より一枚ずつ供給される記録用紙Pを、画像形成部5に向けて搬送するためのものであり、ガイド板41及び搬送ローラ対42を備えている。搬送ローラ対42は、記録用紙Pを記録ヘッド52とプラテン53との間に送り込む際に、記録ヘッド52からのインク滴が記録用紙Pの適切な位置に吹き付けられるように、記録用紙Pの搬送を調整する部材である。
【0029】
画像形成部5は、搬送部4の搬送ローラ対42から供給される記録用紙Pへ印刷を行うためのものであり、図3にも示すように、複数のインクカートリッジ81〜84、記録ヘッド52、これらインクカートリッジ81〜84及び記録ヘッド52を搭載したキャリッジ51、このキャリッジ51を主走査方向に案内するためのガイドシャフト54、印刷時に記録用紙Pの支持台となる上記プラテン53を備えている。このプラテン53により、画像形成部5に搬送されてきた記録用紙Pの平坦性の維持や記録ヘッド52と記録用紙Pとの間隔の適正化が行われる。
【0030】
また、上記インクカートリッジ81〜84は、Bk(ブラック),M(マゼンタ),Y(イエロー),C(シアン)の各インク毎に個別にキャリッジ51上に搭載されており、それぞれが独立して交換可能となっている。また、本形態では、各インクカートリッジ81〜84のうちM,Y,Cの各カラーインクカートリッジ82〜84に比べてBkインクカートリッジ81が大型のものとなっている。尚、インクカートリッジ81〜84としては、上記4色に限らず、フォトインクを貯留するインクカートリッジが備えられていてもよい。
【0031】
尚、上記記録ヘッド52としては、圧電素子などの電気機械変換素子で液室(インク流路)壁面を形成する振動板を介してインクを加圧するピエゾ型のもの、或いは発熱抵抗体による膜沸騰でバブル生じさせてインクを加圧するバブル型のもの、若しくはインク流路壁面を形成する振動板とこれに対向する電極との間の静電力で振動板を変位させてインクを加圧する静電型のものなどを使用することができる。
【0032】
排出部6は、印刷が行われた記録用紙Pを回収する部分であり、記録用紙P上のインクを早期乾燥させるための加熱手段としてのインク乾燥部61及び排出トレイ62を備えている。
【0033】
上記インク乾燥部61は、図4にも示すように上下一対のローラ61A,61Bで構成されている。上側のローラはヒートローラ61Aであって、その内部にはヒータ(例えばハロゲンヒータ)が収容されている。下側のローラは所謂ピンチローラ61Bであって、上記ヒートローラ61Aとの間で記録用紙Pを挟持搬送するようになっている。つまり、このインク乾燥部61を通過する際に記録用紙P上のインクを加熱乾燥させる構成となっている。
【0034】
尚、図1のインクジェットプリンタ1の外観に示すように、プリンタ前面には、各インクカートリッジ81〜84のうち少なくとも一つのインク残量が所定量を下回った場合にそれを表示するインク交換LED(Light Emitting Diode)12と、インクカートリッジ81〜84を手動で取り外す際に押される解除スイッチ13とが設けられている。
【0035】
−画像形成動作−
上記の構成において、インクジェットプリンタ1は、次のような動作によって印刷を行う。先ず、図示しないコンピュータ等の外部端末から画像情報に基づく印刷要求がインクジェットプリンタ1に対してなされる。印刷要求を受信したインクジェットプリンタ1は、給紙トレイ21上の記録用紙Pを給紙部2より搬出する。次に、搬出された記録用紙Pは、給紙ローラ31によって分離部3を通過し、搬送部4へと送られる。搬送部4では、搬送ローラ対42によって、記録用紙Pを記録ヘッド52とプラテン53との間へと送る。
【0036】
そして、画像形成部5では、ホームポジションに位置していた記録ヘッド52が、このホームポジションをスタート位置として、印刷要求に応じて、他方の端部に設けられた停止位置に向けてガイドシャフト54に沿って移動し、このとき、記録ヘッド52のインクノズルよりプラテン53上の記録用紙Pへ、画像情報に対応してインク滴を吹き付ける。この際、記録用紙Pはプラテン53上で一旦停止されている。インク滴を吹き付けつつ、キャリッジ51は、ガイドシャフト54に案内されて、主走査方向(図1におけるD2方向)に一ライン分走査される。それが終了すると、記録用紙Pは、プラテン53上で副走査方向(図1におけるD1方向)に一定の幅だけ移動する。この際、走査方向が片方向の場合(一方向の走査時にのみ画像形成を行うタイプのもの)は、この記録用紙Pの搬送の間にキャリッジ51がホームポジションに復帰して次の走査に備え、記録用紙Pの搬送の後にキャリッジ51がホームポジションから走査を開始して画像形成を行う。一方、走査方向が双方向の場合(双方向の走査で画像形成を行うタイプのもの)は、上記停止位置にキャリッジ51が止まり、記録用紙Pの搬送の後にキャリッジ51がホームポジションに向けて走査を開始して画像形成を行う。
【0037】
このような印刷走査を繰り返し行うことで、記録用紙Pの全面に印刷がなされる。このようにして印刷が行われた記録用紙Pは、インク乾燥部61を経て排出トレイ62に排出される。このインク乾燥部61では、上述した如くヒートローラ61Aからの加熱によって記録用紙P上のインクが加熱乾燥される。このインク乾燥部61に対する制御動作については後述する。以上の動作により、記録用紙Pは印刷物としてユーザに提供されることになる。
【0038】
−制御部の説明−
以上の各部の動作は制御部によって制御される。以下、この制御部について説明する。
【0039】
図5は、本インクジェットプリンタ1の制御部の構成を示すブロック図である。この制御部は、CPU7によって制御されるキャリッジ駆動回路71、用紙搬送駆動手段72、記録ヘッド駆動手段73、メンテナンス駆動手段74を備えている。
【0040】
キャリッジ駆動回路71は、上記キャリッジ51を主走査方向に往復移動させるための駆動源であるキャリッジモータ71aの駆動を制御する。
【0041】
用紙搬送駆動手段72は、記録用紙Pを副走査方向に搬送するための搬送ローラ対42のうちの駆動ローラの駆動を制御する。
【0042】
記録ヘッド駆動手段73は、画像データを受けて記録ヘッド52の駆動を制御する。つまり、上記キャリッジ51の走査や記録用紙Pの搬送と連繋して、ブラックヘッドやカラーヘッドに設けられた複数の圧電素子をインク色毎に区別して駆動し、各インクノズルからのインク滴の吐出制御を行い、記録用紙P上に所定の画像形成を行うようになっている。
【0043】
メンテナンス駆動手段74は、図示しないメンテナンスキャップによる記録ヘッド52のメンテナンス動作を行うためのものであって、インクカートリッジが交換された際に、インクノズルから所定量のインクを吸引して気泡をインクノズルから排出する動作を実行したり、インクノズルの詰まりを防止するためのプライム処理等を実行するものである。
【0044】
また、CPU7には、図示しないROMが接続されている。このROMには、上記キャリッジ駆動回路71、用紙搬送駆動手段72、記録ヘッド駆動手段73を制御して記録用紙P上にカラー画像を記録する画像記録制御の制御プログラム、メンテナンス駆動手段74を制御してプライム処理などのメンテナンス処理を実行するメンテナンス制御の制御プログラムなどが格納されている。
【0045】
また、CPU7には、接続ケーブルを介してホストコンピュータ等に接続されて、このホストコンピュータ等から送信される画像データを受信可能な図示しない通信用インターフェースが接続されている。
【0046】
更に、CPU7は、キャリッジ移動検出手段75からの出力信号が受信可能となっている。このキャリッジ移動検出手段75はキャリッジ51の位置を検出するものであって、この検出信号をCPU7が受けてキャリッジ駆動回路71を制御するようになっている。
【0047】
また、この制御部はドットカウンタ77を備えており、このドットカウンタ77からの出力信号がCPU7に送信されるようになっている。このドットカウンタ77は、画像形成動作の実行に伴って記録用紙P上に吐出されるドット(インク滴)の数を画像情報に基づいて認識し、このドット数を、インクカートリッジが新品のものに交換された時点から各インクカートリッジ毎にカウントし、これを積算して記憶するものである。つまり、これらドット数を確認することによって各インクカートリッジのインク残量を推測することができるようになっている。
【0048】
そして、本形態の特徴として、本制御部には、上記インク乾燥部61のヒートローラ61Aの加熱温度を可変とする加熱調整手段78が備えられている。この加熱調整手段78は、記録用紙Pの種類に応じてヒートローラ61Aへの印加電圧を調整し、これによって加熱温度を可変としている。具体的には、記録用紙Pの種類が普通紙であるのか光沢紙であるのかによって、ヒートローラ61Aによる加熱温度を変更している。
【0049】
記録用紙Pの種類が普通紙である場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度は、インク液の沸点未満に設定される。具体的には、インク液の沸点が150℃である場合にはヒートローラ61Aによる加熱温度は150℃よりも僅かに低い値に設定される。具体的には140℃程度に設定される。
【0050】
一方、記録用紙Pの種類が光沢紙である場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度は、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料の融点未満であって且つインク液の沸点未満に設定される。例えば、上記樹脂材料の融点が120℃であってインク液の沸点が150℃である場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度は120℃よりも僅かに低い値に設定される。具体的には110℃程度に設定される。また、上記樹脂材料の融点が120℃であってインク液の沸点が100℃である場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度は100℃よりも僅かに低い値に設定される。具体的には95℃程度に設定される。
【0051】
また、光沢紙を使用する場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度は、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料のガラス転移点以上に設定することが好ましい。本実施形態の如く接触タイプ(ヒートローラ61Aが記録用紙Pの表面に接触して加熱するタイプ)のインク乾燥部61の場合、ヒートローラ61Aの表面(滑らかな面)を光沢紙の表面に転写することになるが、ヒートローラ61Aによる加熱温度を上記ガラス転移点以上に設定すれば、その転写性を良好に得ることができてコート層の表面性を良好に(平滑に)得ることが可能になる。
【0052】
尚、記録用紙Pの種類を検出するための手法としては、例えば光学的な手段が適用可能である。つまり、搬送経路を搬送されている記録用紙Pに向けて投光を行う発光素子、この投光の記録用紙Pによる反射光を受光する受光素子を備えさせる。そして、発光素子から記録用紙Pの表面に向けて発光された光の反射光の受光素子における受光量によって記録用紙Pの種類が光沢紙であるのか普通紙であるかを判別する。つまり、受光量が所定値よりも大きい場合には光沢紙であると判別し、受光量が所定値よりも小さい場合には普通紙であると判別することになる。
【0053】
また、ユーザの入力操作(インクジェットプリンタ1の操作部に対する入力操作)によって記録用紙Pの種類を判別したり、画像情報中に含まれる用紙種類データから記録用紙Pの種類を判別するようにしてもよい。
【0054】
以上説明したように、本形態では、普通紙に対して画像形成を行う場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度を高くすることでインク乾燥速度を高く得て画像形成動作の高速化を実現することができる。また、普通紙がインクを吸収して膨潤しインクヘッドに接触するといった不具合も回避できる。一方、光沢紙に対して画像形成を行う場合には、ヒートローラ61Aによる加熱温度を低くすることでコート層に対する悪影響を回避して、画像ムラの発生やコート層の剥離を回避することができ、高い画像品位を得ることができる。
【0055】
また、何れの記録用紙Pに画像形成を行う場合にも、ヒートローラ61Aによる加熱温度はインク液の沸点未満に設定しているので、インクの沸騰に伴うインクの飛び散りを防止でき、画質の劣化を回避することができる。
【0056】
(変形例)
上述した実施形態では、インク乾燥部61として、画像形成部5の下流側に配設した接触タイプのものを採用した場合について説明したが、これに代えて以下に述べる各タイプのインク乾燥部61を採用することも可能である。
(A) 図6(a)に示すものは、画像形成部5の下流側に配設した非接触タイプのインク乾燥部61を採用した場合である。つまり、画像形成部5の下流側に温風ファン61Cを配設し、この温風ファン61Cから記録用紙Pの表面に向けて温風を吹き付けることで記録用紙P上のインクを乾燥させるようにしたものである。この場合、温風ファン61Cの内部に配設されたヒータの加熱温度を記録用紙Pの種類に応じて変更することになる。この場合の加熱温度の調整は、上述した実施形態の場合と同様に、記録用紙Pの種類が普通紙である場合における加熱温度よりも、記録用紙Pの種類が光沢紙である場合における加熱温度を低く設定する。尚、図6(a)における63は加熱手段を備えていない排紙ローラ対である。
(B) 図6(b)に示すものは、画像形成部5の上流側に配設した接触タイプのインク乾燥部61を採用した場合である。つまり、画像形成部5の上流側にヒートローラ61A及びピンチローラ61Bを配設した構成である。これにより、記録用紙Pが画像形成部5に搬送される前に、この記録用紙Pの温度を記録用紙Pの種類に応じた適切な温度に設定しておくことになる。
(C) 図6(c)に示すものは、画像形成部5の上流側に配設した非接触タイプのインク乾燥部61を採用した場合である。インク乾燥部61の構成としては上記図6(a)のものと同様である。この場合にも、記録用紙Pが画像形成部5に搬送される前に、この記録用紙Pの温度を記録用紙Pの種類に応じた適切な温度に設定しておくことになる。
【0057】
また、インク乾燥部61としては、上述したものに限らず、プラテン53にヒータ等の加熱手段を備えさせ、記録用紙P上にインク滴が吐出されると同時に記録用紙Pを介してインクを加熱乾燥させる構成を採用することも可能である。
【0058】
−その他の実施形態−
上記実施形態ではカラーインクジェットプリンタ1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、インクジェット方式の画像形成部を備えた複合機に対しても適用可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、使用する記録用紙Pとして普通紙と光沢紙とを例に掲げたが、記録媒体の表面に樹脂製コート層を有するものと有しないものとでインク乾燥のための加熱温度を変更することが本発明の技術的思想の範疇である。例えば、OHP用紙を使用する場合には上記光沢紙の場合と同様の加熱温度に設定する。一方、表面に酸化チタン等の金属層を有する用紙を使用する場合には上記普通紙の場合と同様の加熱温度に設定する。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明では、記録媒体上に吐出されたインクの早期乾燥を図るための加熱手段を備えたインクジェット画像処理装置に対し、樹脂製コート層を有しない普通紙等にあっては、加熱温度を比較的高く設定する一方、樹脂製コート層を有する光沢紙等にあっては、加熱温度を比較的低く(コート層を構成する樹脂材料の融点未満に)設定する。これにより、普通紙に対して画像形成を行う場合にはインク乾燥速度を高く得て画像形成動作の高速化を実現することができる。また、普通紙がインクを吸収して膨潤しインクヘッドに接触してしまうといった不具合も、インク乾燥速度の高速化によって回避できる。一方、光沢紙に対して画像形成を行う場合にはコート層に対する熱による悪影響を回避して、画像ムラの発生やコート層の剥離を回避することができ、高い画像品位を得ながらも加熱手段によるインクの早期乾燥を実現することができる。
【0061】
また、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料の融点未満であって且つインク液の沸点未満に設定した場合には、画像ムラの発生やコート層の剥離を回避でき且つインクの沸騰を防止することもできて、高品位の画像形成を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタの内部構成を示す側面図である。
【図3】キャリッジ上にインクカートリッジが搭載された状態を示す斜視図である。
【図4】画像形成部及びインク乾燥部を示す側面図である。
【図5】インクジェットプリンタの制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】変形例における図4相当図であって、(a)は画像形成部の下流側に非接触タイプのインク乾燥部を配設した場合を、(b)は画像形成部の上流側に接触タイプのインク乾燥部を配設した場合を、(c)は画像形成部の上流側に非接触タイプのインク乾燥部を配設した場合をそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
1 カラーインクジェットプリンタ(インクジェット画像形成装置)
5 画像形成部
61 インク乾燥部(加熱手段)
78 加熱調整手段
P 記録用紙(記録媒体)

Claims (6)

  1. 記録媒体上にインクを吐出して画像形成を行う画像形成部と、記録媒体上に吐出されたインクの乾燥速度を高めるための加熱動作を行う加熱手段とを備えたインクジェット画像処理装置において、
    上記記録媒体の種類に応じて加熱手段による加熱温度を可変とする加熱調整手段を備えていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  2. 請求項1記載のインクジェット画像形成装置において、
    加熱調整手段は、記録媒体の種類が普通紙である場合における加熱手段の加熱温度よりも、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を低く設定するよう構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  3. 請求項2記載のインクジェット画像形成装置において、
    加熱調整手段は、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を120℃未満に設定するよう構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  4. 請求項2記載のインクジェット画像形成装置において、
    加熱調整手段は、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料の融点未満であって且つインク液の沸点未満に設定するよう構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  5. 請求項2、3または4記載のインクジェット画像形成装置において、
    加熱調整手段は、記録媒体の種類が光沢紙である場合における加熱手段の加熱温度を、光沢紙のコート層を構成する樹脂材料のガラス転移点以上に設定するよう構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  6. 請求項1〜5のうち何れか一つに記載のインクジェット画像形成装置において、
    加熱調整手段は、記録媒体に直接接触して、この記録媒体を加熱するよう構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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