JP2004188545A - 切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハニカム材や段ボール材等の厚板の切断に好適な安定して高速切断が可能な切断装置の提供を目的とする。
【解決手段】所定の間隔を隔てて相互に対向させて配置した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、この切断刃具を上記一方のワイヤ駆動手段から他方のワイヤ駆動手段に移動走行させる際にワイヤ巻出し側のワイヤ駆動手段にワイヤ送り方向に対して逆方向に回転トルク制御した。ワイヤ支持ローラ部を固定したワイヤ案内部がワイヤ中心に対して回転自在に軸支されたワイヤガイド装置を設けてワイヤ案内部軸中心とワイヤ張設中心とをクランク状に偏心配置した。
【選択図】 図3
【解決手段】所定の間隔を隔てて相互に対向させて配置した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、この切断刃具を上記一方のワイヤ駆動手段から他方のワイヤ駆動手段に移動走行させる際にワイヤ巻出し側のワイヤ駆動手段にワイヤ送り方向に対して逆方向に回転トルク制御した。ワイヤ支持ローラ部を固定したワイヤ案内部がワイヤ中心に対して回転自在に軸支されたワイヤガイド装置を設けてワイヤ案内部軸中心とワイヤ張設中心とをクランク状に偏心配置した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙製又は樹脂製等のハニカム材・段ボール材、あるいはセッコウ板材等の主に非金属材料からなる部材の切断装置に関し、特にそれらの厚材の切断に効果的な切断装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
ハチの巣状のハニカムセル(ハニカムコア)を上面シートと下面シートで挟み込んだハニカム材が、大きな空間率を有しながら、強度が高いことから紙製の材料でも製作使用されている。
また、波板状のシートと平板シートを貼り合わせた段ボール材も広く使用されている。
この段ボール材においても、片面段ボール、両面段ボールのみならず、複数の段ボール材を貼り合わせた厚段ボール材も普及している。
これらの紙製品は、必要に応じて樹脂フィルムがコーティングされたり、上面シート材として樹脂製のものが使用されている。
また、樹脂材によるハニカム材、段ボール材等も使用されるようになって来ている。
【0003】
このような厚材は、内部に大きな空間を有しているのが特徴であり、これらの素材を切断加工する際には、切断刃先が素材に間欠状に当たることになる。
従って、切断スピードを上げようとすると刃先の当たり抵抗変動が大きくなり、切断面が悪化したり、ハニカムセル等が変形したりする問題があった。
【0004】
また、レーザー照射により切断することも試みられているが、立体構造になっているので焦点を切断速度に沿って合わせるのが困難であった。
その他にウオータージェットによる切断も提案されているが、高価な設備が必要であった。
【0005】
従来から使用されている切断刃具としては、チップソーやバンドソー(帯刃)がある。
例えば、特開平11−198093号公報には、切断時の紙粉屑の発生を抑えたバンドソーによる切断装置が開示されている。
しかし、これらのチップソーやバンドソーは、直線的に切断することは出来ても曲線状に切断することは困難であった。
【0006】
そこで、曲線状の切断に有効な切断刃具として、ワイヤソーが知られている。
特に、駆動モーター等で正逆駆動される一対のワイヤリールを所定の間隔を隔てて配置させ、その間にワイヤソーを往復走行させる方式の切断装置は、無端ワイヤソーに比較して長いワイヤが使用でき、交換等の取り扱いが容易で寿命が長い利点を有している。
例えば、図5にこの種の従来の切断装置の例を示す。
ワイヤソー2(以下必要に応じてワイヤと省略する)が矢印に示す下方向に走行する場合には、巻き取り側のワイヤリール101bをモーター103bにてベルト等の駆動伝達手段を介してを定出力駆動させ、ワイヤに一定の張力を持たせるために巻出し側(繰り出し側)ワイヤリール101aをコイル誘導式等のブレーキ装置106a等にてブレーキ制御させているのが知られている。
しかし、このような方式ではブレーキ装置が大きく、また、ブレーキ装置をワイヤリール軸に連結しなければならないので、駆動モーターはベルト等の駆動伝達手段を用いて間接的に連結しなければならず、駆動及び、制御構造が複雑になっていた。
しかも、ワイヤ走行停止時には慣性力でワイヤがオーバーランし、このワイヤに弛みが生じる恐れがあったために、ワイヤ走行停止時は緩やかな速度制御が必要であった。
【0007】
また、図5に示すように、一対のワイヤリール101a、101b間をワイヤが走行する際に切断部分のワイヤ位置が一定になるように回転駆動軸4a、4bはスプライン軸になっていて、ワイヤリールが左右に移動するとともに、左右方向と前後方向にそれぞれ挟持回転するワイヤ支点ローラ5a、5bが備えられている。
しかし、高速で曲線状に切断しようとする際に、ローラ間に張設されたワイヤにかかる切断反力は切断方向により、大きく左右に変化するが、ローラのワイヤ当り面は一定なので、この当たり面でワイヤが左右に滑り、ワイヤの切断位置ズレが生じ、精度の高い切断位置制御が困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−198093号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に有する技術的課題に鑑みて、ハニカム材や段ボール材等の厚板の切断に好適な安定して高速切断が可能な切断装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の間隔を隔てて相互に対向させて配置した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、この切断刃具を上記一方のワイヤ駆動手段から他方のワイヤ駆動手段に移動走行させる際にワイヤ巻出し側のワイヤ駆動手段にワイヤ送り方向に対して逆方向に回転トルク制御した。
【0011】
このように、巻き出し側(ワイヤ供給側)のワイヤ駆動手段に、ワイヤの送り方向に対して逆方向に回転トルクを発生させたことにより、ワイヤ走行時にはワイヤに所定の張力を生じさせるとともに、ワイヤ走行停止時には、慣性走行によるワイヤ撓みが生じるのを防止するように作用する。
またこれにより、第一ワイヤ駆動手段と第二ワイヤ駆動手段の正逆切り換えの高速化が可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、ワイヤの走行ガイド構造に関し、所定の間隔を隔てて相互に対向させて配設した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間にワイヤ状の切断刃具を往復走行可能に張設し、このワイヤ駆動手段としてワイヤリールと、このワイヤリールを回転制御するサーボモータを有し、ワイヤを上記ワイヤリールに案内するワイヤガイド装置を備え、当該ワイヤガイド装置がワイヤ支持ローラ部と、このワイヤ支持ローラ部からワイヤリールにワイヤを案内するワイヤ案内部からなり、このワイヤ案内部がワイヤ中心に対して回転自在に軸支されているとともに、ワイヤ案内部軸中心とワイヤ張設中心とをクランク状に偏心させた。
【0013】
ここで、クランク状に偏心させたとは、所定の間隔を隔てて配置した駆動手段のワイヤ支持ローラ部間に切断刃具としてのワイヤを張設したワイヤ中心と、ワイヤをワイヤリールに案内するワイヤ案内部中心とに所定のズレが生じるように偏心させたことをいう。
【0014】
このように、ローラ部間の張力中心とワイヤ案内部軸方向中心に偏心量を設定すると、切断方向を変化させるとそれにより刃具にかかる反力の方向が変化し、ワイヤ案内部軸方向中心に対して回転モーメント力が生じる。
その結果、回転モーメント力が消失する方向に、即ち、刃具が押され方向にローラ部が回転追随するように作用する。
その結果、曲線状に切断する際にもワイヤ状の刃具を安定して支持できるので、切断軌跡の制御が精度高く実施できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1、図2に本発明に係る切断装置の切断制御方法を説明するための要部模式図を示す。
第一ワイヤ駆動手段10aは、サーボモータ3aの回転駆動軸4aにワイヤリール1aが取り付けられている。
一方、第二ワイヤ駆動手段10bは、サーボモータ3bの回転駆動軸4bにワイヤリール1bが取り付けられている。
なお、回転駆動軸4a、4bはワイヤリールがワイヤの巻き出し(送り出し)、巻き取り位置にあわせて左右に追随移動制御できるようにスプライン軸になっている。
一対のワイヤリール1aとワイヤリール1bの間にワイヤ支点ローラ5a、5bを介して切断刃具として使用されるワイヤソー2(以下必要に応じてワイヤと省略する)が張設されている。
このワイヤソー2に対して、被切断加工材料30を横断させて切断される。
【0016】
このときのワイヤリールの回転制御方法を図2に基づいて説明する。
ワイヤソー2が上部のワイヤリール1aから下部のワイヤリール1bに向けて送り走行されている場合を想定する。
第二ワイヤ駆動手段10bを構成する図1に示したサーボモータ3bが作動し、ワイヤリール1bが矢印の方向(図2にて時計回り)に回転し、ワイヤを巻き取る。
被切断加工材30をワイヤが押されるように前進させることで切断されるので、この略水平方向の力に耐えられるようにワイヤに一定の張力を与える必要がある。
そこで、ワイヤの巻き出し(送り出し)側である上部の第一ワイヤ駆動手段10aの図1に示したサーボモータ3aに、ワイヤの走行方向とは逆方向(図2に点線で示した矢印の方向)に回転トルクを印加した。
このように、サーボモータ制御にて逆方向の回転トルクを与えつつ、ワイヤを走行させ、ワイヤリール1bがワイヤを最後まで巻き取ると、今度は上部のワイヤリール1aがワイヤを巻き取りはじめ、下部のワイヤリール1bは逆回転トルクが印加されながらワイヤの送り方向に追随することになる。
【0017】
図3に本発明に係るワイヤソーのガイド装置構造を模式的に示す。
ワイヤリール1a、1bの間にワイヤソー2が張られている。
そのワイヤリールの前方(一対のワイヤリールの間)に本発明に係るワイヤソーガイド装置20a、20bが配設されている。
ワイヤガイド装置は、ワイヤリールにワイヤソーを案内するワイヤ案内部22a、22b及びワイヤソーを支持するワイヤ支持ローラ部21a、21bから構成されている。
ワイヤ案内部22a、22bがベアリング23a、23bにて回転自在に支持されていて、このワイヤ案内部にワイヤ支持ローラ部21a、21bが連結されている。
ワイヤ支持ローラ部は、3点ローラ(R1、R2、R3)からなり、ローラR1はワイヤ案内部の軸中心にワイヤが位置するように配置され、ローラR2にてワイヤを前方に押し込むようにしてローラR3にワイヤが当たるようにするとともに、ローラR3のワイヤ当り面がローラR1のワイヤ当り面よりワイヤ側に対して後方に位置するように配置されている。
このように、一対の3点ローラを配置すると、一対のローラR3間に張設されたワイヤ中心とワイヤ案内部の軸中心とに偏心量dが生じる。
即ち、ワイヤガイド装置内をワイヤがクランク状に曲がって走行することになる。
【0018】
このように、ワイヤソーをクランク状に張設ガイドすると、図4(イ)から図4(ロ)に示すようにローラR1とローラR3の回転中心とそれらのワイヤ当り面で形成する仮想平面方向(1)と被切断加工材の進行方向(2)にずれが生じると、3点ローラの回転支点を中心にして切断点に回転モーメント力が発生することになり、この回転モーメント力が消失する方向(2)にワイヤ支持ローラ部が追随することになる。
これにより、ワイヤソーを切断進行方向に対して、絶えず正反対側からローラにて支持するように作用し、曲線状の切断軌道にワイヤガイド装置が精度よく追随する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の間隔を隔てて相互に対向させて、一対のワイヤ駆動手段を配置して、この一対のワイヤ駆動手段間にワイヤソーを配置した切断装置において、ワイヤ巻き出し側(送り出し側)駆動手段にワイヤ送り方向に対して、逆方向の回転トルクをかけながらワイヤソーを送り走行させたことにより、ワイヤソーの走行時にはワイヤソーに所定の張力をかけながら切断出来、ワイヤソーの送り終了時に慣性力にてワイヤソーに送りたるみが生じるのを防止できる。
また、従来は巻き出し側のワイヤリールにブレーキ機構を備えていたのに対して、サーボモータ側で逆トルク制御したことにより、切断装置が小型で安価に製作出来る。
このサーボ制御方式によれば、従来のヒステリシスブレーキ方式よりも安定したトルク制御が可能なだけで無く、より高速回転域においてもトルク制御ができる。
【0020】
また、ワイヤソーをワイヤリールに走行ガイドするワイヤガイド装置を備え、一対の3点ローラをそれぞれワイヤ走行方向回りに回転自在に配置し、3点ローラ部でワイヤソーをクランク状の曲がり部を形成するように張設したので、ローラのワイヤ当り面が切断進行方向に対して絶えず直角になるように作用し、曲線断面が精度よく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切断装置のワイヤソー駆動部を示す。
【図2】ワイヤ駆動部の制御方法を示す。
【図3】本発明に係るワイヤガイド装置の構造図を示す。
【図4】切断方向が変化した場合のローラの動きを示す。
【図5】従来の切断装置の例を示す。
【符号の説明】
10a 第一ワイヤ駆動手段
10b 第二ワイヤ駆動手段
1a、1b ワイヤリール
2 ワイヤソー
3a、3b サーボモータ
4a、4b 回転駆動軸
5a、5b ワイヤ支点ローラ
20a、20b ガイド装置
21a、21b ワイヤ支持ローラ部
22a、22b ワイヤ案内部
23a、23b ベアリング
R1、R2、R3 3点ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙製又は樹脂製等のハニカム材・段ボール材、あるいはセッコウ板材等の主に非金属材料からなる部材の切断装置に関し、特にそれらの厚材の切断に効果的な切断装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
ハチの巣状のハニカムセル(ハニカムコア)を上面シートと下面シートで挟み込んだハニカム材が、大きな空間率を有しながら、強度が高いことから紙製の材料でも製作使用されている。
また、波板状のシートと平板シートを貼り合わせた段ボール材も広く使用されている。
この段ボール材においても、片面段ボール、両面段ボールのみならず、複数の段ボール材を貼り合わせた厚段ボール材も普及している。
これらの紙製品は、必要に応じて樹脂フィルムがコーティングされたり、上面シート材として樹脂製のものが使用されている。
また、樹脂材によるハニカム材、段ボール材等も使用されるようになって来ている。
【0003】
このような厚材は、内部に大きな空間を有しているのが特徴であり、これらの素材を切断加工する際には、切断刃先が素材に間欠状に当たることになる。
従って、切断スピードを上げようとすると刃先の当たり抵抗変動が大きくなり、切断面が悪化したり、ハニカムセル等が変形したりする問題があった。
【0004】
また、レーザー照射により切断することも試みられているが、立体構造になっているので焦点を切断速度に沿って合わせるのが困難であった。
その他にウオータージェットによる切断も提案されているが、高価な設備が必要であった。
【0005】
従来から使用されている切断刃具としては、チップソーやバンドソー(帯刃)がある。
例えば、特開平11−198093号公報には、切断時の紙粉屑の発生を抑えたバンドソーによる切断装置が開示されている。
しかし、これらのチップソーやバンドソーは、直線的に切断することは出来ても曲線状に切断することは困難であった。
【0006】
そこで、曲線状の切断に有効な切断刃具として、ワイヤソーが知られている。
特に、駆動モーター等で正逆駆動される一対のワイヤリールを所定の間隔を隔てて配置させ、その間にワイヤソーを往復走行させる方式の切断装置は、無端ワイヤソーに比較して長いワイヤが使用でき、交換等の取り扱いが容易で寿命が長い利点を有している。
例えば、図5にこの種の従来の切断装置の例を示す。
ワイヤソー2(以下必要に応じてワイヤと省略する)が矢印に示す下方向に走行する場合には、巻き取り側のワイヤリール101bをモーター103bにてベルト等の駆動伝達手段を介してを定出力駆動させ、ワイヤに一定の張力を持たせるために巻出し側(繰り出し側)ワイヤリール101aをコイル誘導式等のブレーキ装置106a等にてブレーキ制御させているのが知られている。
しかし、このような方式ではブレーキ装置が大きく、また、ブレーキ装置をワイヤリール軸に連結しなければならないので、駆動モーターはベルト等の駆動伝達手段を用いて間接的に連結しなければならず、駆動及び、制御構造が複雑になっていた。
しかも、ワイヤ走行停止時には慣性力でワイヤがオーバーランし、このワイヤに弛みが生じる恐れがあったために、ワイヤ走行停止時は緩やかな速度制御が必要であった。
【0007】
また、図5に示すように、一対のワイヤリール101a、101b間をワイヤが走行する際に切断部分のワイヤ位置が一定になるように回転駆動軸4a、4bはスプライン軸になっていて、ワイヤリールが左右に移動するとともに、左右方向と前後方向にそれぞれ挟持回転するワイヤ支点ローラ5a、5bが備えられている。
しかし、高速で曲線状に切断しようとする際に、ローラ間に張設されたワイヤにかかる切断反力は切断方向により、大きく左右に変化するが、ローラのワイヤ当り面は一定なので、この当たり面でワイヤが左右に滑り、ワイヤの切断位置ズレが生じ、精度の高い切断位置制御が困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−198093号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に有する技術的課題に鑑みて、ハニカム材や段ボール材等の厚板の切断に好適な安定して高速切断が可能な切断装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の間隔を隔てて相互に対向させて配置した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、この切断刃具を上記一方のワイヤ駆動手段から他方のワイヤ駆動手段に移動走行させる際にワイヤ巻出し側のワイヤ駆動手段にワイヤ送り方向に対して逆方向に回転トルク制御した。
【0011】
このように、巻き出し側(ワイヤ供給側)のワイヤ駆動手段に、ワイヤの送り方向に対して逆方向に回転トルクを発生させたことにより、ワイヤ走行時にはワイヤに所定の張力を生じさせるとともに、ワイヤ走行停止時には、慣性走行によるワイヤ撓みが生じるのを防止するように作用する。
またこれにより、第一ワイヤ駆動手段と第二ワイヤ駆動手段の正逆切り換えの高速化が可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、ワイヤの走行ガイド構造に関し、所定の間隔を隔てて相互に対向させて配設した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間にワイヤ状の切断刃具を往復走行可能に張設し、このワイヤ駆動手段としてワイヤリールと、このワイヤリールを回転制御するサーボモータを有し、ワイヤを上記ワイヤリールに案内するワイヤガイド装置を備え、当該ワイヤガイド装置がワイヤ支持ローラ部と、このワイヤ支持ローラ部からワイヤリールにワイヤを案内するワイヤ案内部からなり、このワイヤ案内部がワイヤ中心に対して回転自在に軸支されているとともに、ワイヤ案内部軸中心とワイヤ張設中心とをクランク状に偏心させた。
【0013】
ここで、クランク状に偏心させたとは、所定の間隔を隔てて配置した駆動手段のワイヤ支持ローラ部間に切断刃具としてのワイヤを張設したワイヤ中心と、ワイヤをワイヤリールに案内するワイヤ案内部中心とに所定のズレが生じるように偏心させたことをいう。
【0014】
このように、ローラ部間の張力中心とワイヤ案内部軸方向中心に偏心量を設定すると、切断方向を変化させるとそれにより刃具にかかる反力の方向が変化し、ワイヤ案内部軸方向中心に対して回転モーメント力が生じる。
その結果、回転モーメント力が消失する方向に、即ち、刃具が押され方向にローラ部が回転追随するように作用する。
その結果、曲線状に切断する際にもワイヤ状の刃具を安定して支持できるので、切断軌跡の制御が精度高く実施できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1、図2に本発明に係る切断装置の切断制御方法を説明するための要部模式図を示す。
第一ワイヤ駆動手段10aは、サーボモータ3aの回転駆動軸4aにワイヤリール1aが取り付けられている。
一方、第二ワイヤ駆動手段10bは、サーボモータ3bの回転駆動軸4bにワイヤリール1bが取り付けられている。
なお、回転駆動軸4a、4bはワイヤリールがワイヤの巻き出し(送り出し)、巻き取り位置にあわせて左右に追随移動制御できるようにスプライン軸になっている。
一対のワイヤリール1aとワイヤリール1bの間にワイヤ支点ローラ5a、5bを介して切断刃具として使用されるワイヤソー2(以下必要に応じてワイヤと省略する)が張設されている。
このワイヤソー2に対して、被切断加工材料30を横断させて切断される。
【0016】
このときのワイヤリールの回転制御方法を図2に基づいて説明する。
ワイヤソー2が上部のワイヤリール1aから下部のワイヤリール1bに向けて送り走行されている場合を想定する。
第二ワイヤ駆動手段10bを構成する図1に示したサーボモータ3bが作動し、ワイヤリール1bが矢印の方向(図2にて時計回り)に回転し、ワイヤを巻き取る。
被切断加工材30をワイヤが押されるように前進させることで切断されるので、この略水平方向の力に耐えられるようにワイヤに一定の張力を与える必要がある。
そこで、ワイヤの巻き出し(送り出し)側である上部の第一ワイヤ駆動手段10aの図1に示したサーボモータ3aに、ワイヤの走行方向とは逆方向(図2に点線で示した矢印の方向)に回転トルクを印加した。
このように、サーボモータ制御にて逆方向の回転トルクを与えつつ、ワイヤを走行させ、ワイヤリール1bがワイヤを最後まで巻き取ると、今度は上部のワイヤリール1aがワイヤを巻き取りはじめ、下部のワイヤリール1bは逆回転トルクが印加されながらワイヤの送り方向に追随することになる。
【0017】
図3に本発明に係るワイヤソーのガイド装置構造を模式的に示す。
ワイヤリール1a、1bの間にワイヤソー2が張られている。
そのワイヤリールの前方(一対のワイヤリールの間)に本発明に係るワイヤソーガイド装置20a、20bが配設されている。
ワイヤガイド装置は、ワイヤリールにワイヤソーを案内するワイヤ案内部22a、22b及びワイヤソーを支持するワイヤ支持ローラ部21a、21bから構成されている。
ワイヤ案内部22a、22bがベアリング23a、23bにて回転自在に支持されていて、このワイヤ案内部にワイヤ支持ローラ部21a、21bが連結されている。
ワイヤ支持ローラ部は、3点ローラ(R1、R2、R3)からなり、ローラR1はワイヤ案内部の軸中心にワイヤが位置するように配置され、ローラR2にてワイヤを前方に押し込むようにしてローラR3にワイヤが当たるようにするとともに、ローラR3のワイヤ当り面がローラR1のワイヤ当り面よりワイヤ側に対して後方に位置するように配置されている。
このように、一対の3点ローラを配置すると、一対のローラR3間に張設されたワイヤ中心とワイヤ案内部の軸中心とに偏心量dが生じる。
即ち、ワイヤガイド装置内をワイヤがクランク状に曲がって走行することになる。
【0018】
このように、ワイヤソーをクランク状に張設ガイドすると、図4(イ)から図4(ロ)に示すようにローラR1とローラR3の回転中心とそれらのワイヤ当り面で形成する仮想平面方向(1)と被切断加工材の進行方向(2)にずれが生じると、3点ローラの回転支点を中心にして切断点に回転モーメント力が発生することになり、この回転モーメント力が消失する方向(2)にワイヤ支持ローラ部が追随することになる。
これにより、ワイヤソーを切断進行方向に対して、絶えず正反対側からローラにて支持するように作用し、曲線状の切断軌道にワイヤガイド装置が精度よく追随する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の間隔を隔てて相互に対向させて、一対のワイヤ駆動手段を配置して、この一対のワイヤ駆動手段間にワイヤソーを配置した切断装置において、ワイヤ巻き出し側(送り出し側)駆動手段にワイヤ送り方向に対して、逆方向の回転トルクをかけながらワイヤソーを送り走行させたことにより、ワイヤソーの走行時にはワイヤソーに所定の張力をかけながら切断出来、ワイヤソーの送り終了時に慣性力にてワイヤソーに送りたるみが生じるのを防止できる。
また、従来は巻き出し側のワイヤリールにブレーキ機構を備えていたのに対して、サーボモータ側で逆トルク制御したことにより、切断装置が小型で安価に製作出来る。
このサーボ制御方式によれば、従来のヒステリシスブレーキ方式よりも安定したトルク制御が可能なだけで無く、より高速回転域においてもトルク制御ができる。
【0020】
また、ワイヤソーをワイヤリールに走行ガイドするワイヤガイド装置を備え、一対の3点ローラをそれぞれワイヤ走行方向回りに回転自在に配置し、3点ローラ部でワイヤソーをクランク状の曲がり部を形成するように張設したので、ローラのワイヤ当り面が切断進行方向に対して絶えず直角になるように作用し、曲線断面が精度よく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切断装置のワイヤソー駆動部を示す。
【図2】ワイヤ駆動部の制御方法を示す。
【図3】本発明に係るワイヤガイド装置の構造図を示す。
【図4】切断方向が変化した場合のローラの動きを示す。
【図5】従来の切断装置の例を示す。
【符号の説明】
10a 第一ワイヤ駆動手段
10b 第二ワイヤ駆動手段
1a、1b ワイヤリール
2 ワイヤソー
3a、3b サーボモータ
4a、4b 回転駆動軸
5a、5b ワイヤ支点ローラ
20a、20b ガイド装置
21a、21b ワイヤ支持ローラ部
22a、22b ワイヤ案内部
23a、23b ベアリング
R1、R2、R3 3点ローラ
Claims (2)
- 所定の間隔を隔てて相互に対向させて配置した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、この切断刃具を上記一方のワイヤ駆動手段から他方のワイヤ駆動手段に移動走行させる際にワイヤ巻出し側のワイヤ駆動手段にワイヤ送り方向に対して逆方向に回転トルク制御したことを特徴とする切断装置。
- 所定の間隔を隔てて相互に対向させて配設した一対の第一ワイヤ駆動手段と、第二ワイヤ駆動手段との間に略ワイヤ状の切断刃具を往復移動走行可能に張設させ、当該ワイヤ駆動手段としてワイヤリールと、このワイヤリールを回転制御するサーボモータを有し、ワイヤを上記ワイヤリールに案内するワイヤガイド装置を備え、当該ワイヤガイド装置がワイヤ支持ローラ部と、このワイヤ支持ローラ部からワイヤリールにワイヤを案内するワイヤ案内部からなり、このワイヤ案内部がワイヤ中心に対して回転自在に軸支されているとともに、ワイヤ案内部軸中心とワイヤ張設中心とをクランク状に偏心配置したことを特徴とする切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360106A JP2004188545A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 切断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002360106A JP2004188545A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 切断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004188545A true JP2004188545A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32759270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002360106A Pending JP2004188545A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 切断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004188545A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008036765A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Towa Corp | 切断装置及び切断方法 |
CN110370481A (zh) * | 2019-08-20 | 2019-10-25 | 玉田县昌通电子有限公司 | 一种五罗拉线锯加工中心及其操作方法 |
CN110466084A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-11-19 | 玉田县昌通电子有限公司 | 一种线锯加工中心及其操作方法 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360106A patent/JP2004188545A/ja active Pending
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CN110466084A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-11-19 | 玉田县昌通电子有限公司 | 一种线锯加工中心及其操作方法 |
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