JP2004186647A - 圧電薄膜素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性の高い圧電薄膜素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板加熱により得られる結晶性圧電薄膜に対し、酸化処理を行い、その後安定化のための熱処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】基板加熱により得られる結晶性圧電薄膜に対し、酸化処理を行い、その後安定化のための熱処理を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ、加速度センサ、角速度センサなどの圧電薄膜素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
優れた圧電特性を持つことで知られるPZTなどの強誘電体材料は、その分極特性を利用した不揮発性メモリとしても実用化されている。
【0003】
このような強誘電体メモリに用いる強誘電体薄膜はゾルゲル法あるいはスパッタ法によりアモルファス状態で形成し、次いで酸素雰囲気中で500〜800℃にて熱処理して結晶化し、分極反転が可能な多結晶状のペロブスカイト構造を実現する。
【0004】
強誘電体メモリの高集積化および3V以下の低電圧動作が要求されるため、その膜厚は通常150nm以下に設定される。
【0005】
このような強誘電体メモリ用の強誘電体薄膜は、膜中の欠陥(例えばPZT膜の場合、酸素欠陥、Pb欠陥等)に起因する不純物準位や可動イオンにより、リーク電流が発生し、その素子性能に影響を及ぼす。
【0006】
このような欠陥を低減させる方法として、例えば、熱処理して結晶化する前にアモルファス状態の強誘電体膜に対し、酸化処理を施すことでリーク電流の原因となる、結晶化による欠陥の発生を防止し膜質を向上化させる方法がとられている(特許文献1 参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−277705号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、PZTなどの強誘電体材料を圧電素子として用いる場合、電圧印加に伴う変位(歪み)に対し、機械的強度を保持するために最低1μm程度の膜厚を必要とする。
【0009】
このようなμmオーダーの膜厚を有するアモルファス状態で形成した膜に対し、熱処理して結晶化させるとマイクロクラックの発生が起きやすいため、それを避けるべく、通常450〜600℃程度の基板温度にて最初から結晶性を有する膜をスパッタ法により形成する。
【0010】
しかしながら、基板加熱により形成した強誘電体膜は柱状成長による結晶粒界に組成ずれに伴う欠陥や異常成長部に結晶欠陥を生じ、それらに基づくリーク電流発生といった絶縁信頼性の課題があった。
【0011】
そこで本発明は上記課題を鑑みて、圧電薄膜素子の絶縁信頼性を確保する製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の圧電薄膜素子の製造方法は、基体上に、第1の電極を形成する工程、前記第1の電極上に圧電薄膜を結晶成長させる工程、前記圧電薄膜に対し酸化処理をほどこす工程、前記圧電薄膜を熱処理する工程、前記圧電薄膜上に第2の電極を形成する工程よりなる。
【0013】
ここで、酸化処理として過酸化水素溶液に浸すもしくは過酸化水素ガスに晒すことが望ましい。
【0014】
また、圧電薄膜を結晶成長後、同一真空槽内にて酸化処理を施すことが望ましい。
【0015】
この際、酸化処理として真空槽内にて酸素プラズマ処理をほどこすことが望ましい。
【0016】
さらに、酸化処理後の安定化のための熱処理として、酸素の存在する雰囲気中にて500〜650℃で行うことが望ましい。
【0017】
また、圧電薄膜を結晶成長させる方法としてスパッタリング法により膜形成を行うことが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は圧電薄膜素子10の構成を示す。基体11上に、第1の電極12、圧電薄膜13、第2の電極14が順次形成されている。例えば、基体11として(100)面MgO単結晶基板を用い、第1の電極12としてPt膜をスパッタリング法により、ガス圧1.0PaのArガス雰囲気、基板温度600℃にて膜厚0.2μm形成する。
【0020】
次に圧電薄膜13としてPZT膜を(PbZr0.53Ti0.47O3)0.8(PbO)0.2組成のターゲットを用いて、rfマグネトロンスパッタ法により基板温度550℃、ガス圧0.5Pa、Ar/O2=9/1の条件で膜厚3μm形成する。
【0021】
スパッタ真空槽より上記構成の試料を取り出し、X線回折法により膜の結晶性を評価したところ、PZT膜13は(001)軸配向の結晶性を示した。
【0022】
このPZT膜13に対し、酸化処理として約70℃に加熱した濃度30容量%の過酸化水素水に10秒程度浸し、その後、窒素ブローにより、過酸化水素水を除去する。
【0023】
次いで酸化処理を施した上記構成の試料を550℃の大気圧酸素雰囲気中にて30分間熱処理を行うことにより、安定化させる。
【0024】
その後、第2の電極14としてIr膜を5×7mmサイズの開口を有するメタルマスクを用いてスパッタリング法により、ガス圧1.0PaのArガス雰囲気、基板加熱せずに膜厚0.1μm形成し、圧電薄膜素子10を得る。(表1)に室温25℃、相対湿度50%の環境下にて、圧電薄膜素子10に対してDC電圧35V印加後20秒経過時のリーク電流値を示す。
【0025】
なお、比較のために、(表1)に、酸化処理、熱処理がともに未処理の素子、酸化処理のみの素子についても記す。
【0026】
(表1)から明らかのように、酸化処理・熱処理を施した素子は、他の素子に比べ、リーク電流値は小さい。
【0027】
また、熱処理を省略した酸化処理のみの素子は、かえってリーク電流が大きくなっているのが分かる。
【0028】
酸化処理方法として、約70℃に加熱した濃度30容量%の過酸化水素水からの蒸発ガスに10秒程度さらした場合も同様に、未処理の場合と比較してリーク電流特性は改善された。
【0029】
【表1】
【0030】
また、酸化処理後に引き続き行う大気圧酸素雰囲気中での熱処理温度として500〜650℃の範囲であれば、全く未処理の素子と比較してリーク電流特性は向上する。
【0031】
(実施の形態2)
次に実施の形態1と同様に図1の素子構成にて、酸素プラズマを用いた酸化処理を施す場合について説明する。
【0032】
実施の形態1と同様にして、基体11として(100)面MgO単結晶基板を用い、第1の電極12としてPt膜を形成し、圧電薄膜13として(001)軸配向の結晶性をもつPZT膜を3μm形成する。
【0033】
スパッタ真空槽より上記構成の試料を取り出し、プラズマ処理装置内に試料を設置し、例えば、酸素ガス圧40Pa、処理温度350℃、RF電力密度0.56W/cm2、10分間の酸素プラズマ処理を行う。
【0034】
次いで酸化処理を施した前記構成の試料を500℃の大気圧酸素雰囲気中にて30分間熱処理を行うことにより、安定化させる。
【0035】
その後、第2の電極14としてIr膜を実施の形態1と同様に膜厚0.1μm形成し、圧電薄膜素子10を得る。(表2)に室温25℃、相対湿度50%の環境下にて、圧電薄膜素子10に対してDC電圧35V印加後20秒経過時のリーク電流値を示す。なお、比較のために、(表2)に、酸化処理、熱処理がともに未処理の素子、酸化処理のみの素子についても記す。(表2)から明らかのように、酸化処理・熱処理を施した素子は、他の素子に比べ、リーク電流値は小さい。また、熱処理を省略した酸化処理のみの素子についてもリーク電流は未処理のものと比較した場合は小さい値を示す。
【0036】
【表2】
【0037】
酸素プラズマ処理方法として、スパッタ成膜装置と同チャンバーもしくはロードロック機構で隣接する別チャンバーにて、ECRプラズマ源あるいは、RFプラズマ源が搭載されている場合は、同様の効果を示す酸化処理を真空を破らずに行うことができる。
【0038】
また、酸化処理後に引き続き行う大気圧酸素雰囲気中での熱処理温度として500〜650℃の範囲であれば、全く未処理の素子と比較してリーク電流特性は向上する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、圧電性能を損なうことなく、絶縁信頼性の高い特性を持つ圧電薄膜素子が得られ、高信頼性のアクチュエータ、加速度センサ、角速度センサなどのデバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な圧電薄膜素子の構成を示す断面図
【符号の説明】
10 圧電薄膜素子
11 基体(MgO単結晶基板)
12 第1の電極(Pt膜)
13 圧電薄膜(PZT膜)
14 第2の電極(Ir膜)
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ、加速度センサ、角速度センサなどの圧電薄膜素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
優れた圧電特性を持つことで知られるPZTなどの強誘電体材料は、その分極特性を利用した不揮発性メモリとしても実用化されている。
【0003】
このような強誘電体メモリに用いる強誘電体薄膜はゾルゲル法あるいはスパッタ法によりアモルファス状態で形成し、次いで酸素雰囲気中で500〜800℃にて熱処理して結晶化し、分極反転が可能な多結晶状のペロブスカイト構造を実現する。
【0004】
強誘電体メモリの高集積化および3V以下の低電圧動作が要求されるため、その膜厚は通常150nm以下に設定される。
【0005】
このような強誘電体メモリ用の強誘電体薄膜は、膜中の欠陥(例えばPZT膜の場合、酸素欠陥、Pb欠陥等)に起因する不純物準位や可動イオンにより、リーク電流が発生し、その素子性能に影響を及ぼす。
【0006】
このような欠陥を低減させる方法として、例えば、熱処理して結晶化する前にアモルファス状態の強誘電体膜に対し、酸化処理を施すことでリーク電流の原因となる、結晶化による欠陥の発生を防止し膜質を向上化させる方法がとられている(特許文献1 参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−277705号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、PZTなどの強誘電体材料を圧電素子として用いる場合、電圧印加に伴う変位(歪み)に対し、機械的強度を保持するために最低1μm程度の膜厚を必要とする。
【0009】
このようなμmオーダーの膜厚を有するアモルファス状態で形成した膜に対し、熱処理して結晶化させるとマイクロクラックの発生が起きやすいため、それを避けるべく、通常450〜600℃程度の基板温度にて最初から結晶性を有する膜をスパッタ法により形成する。
【0010】
しかしながら、基板加熱により形成した強誘電体膜は柱状成長による結晶粒界に組成ずれに伴う欠陥や異常成長部に結晶欠陥を生じ、それらに基づくリーク電流発生といった絶縁信頼性の課題があった。
【0011】
そこで本発明は上記課題を鑑みて、圧電薄膜素子の絶縁信頼性を確保する製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の圧電薄膜素子の製造方法は、基体上に、第1の電極を形成する工程、前記第1の電極上に圧電薄膜を結晶成長させる工程、前記圧電薄膜に対し酸化処理をほどこす工程、前記圧電薄膜を熱処理する工程、前記圧電薄膜上に第2の電極を形成する工程よりなる。
【0013】
ここで、酸化処理として過酸化水素溶液に浸すもしくは過酸化水素ガスに晒すことが望ましい。
【0014】
また、圧電薄膜を結晶成長後、同一真空槽内にて酸化処理を施すことが望ましい。
【0015】
この際、酸化処理として真空槽内にて酸素プラズマ処理をほどこすことが望ましい。
【0016】
さらに、酸化処理後の安定化のための熱処理として、酸素の存在する雰囲気中にて500〜650℃で行うことが望ましい。
【0017】
また、圧電薄膜を結晶成長させる方法としてスパッタリング法により膜形成を行うことが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は圧電薄膜素子10の構成を示す。基体11上に、第1の電極12、圧電薄膜13、第2の電極14が順次形成されている。例えば、基体11として(100)面MgO単結晶基板を用い、第1の電極12としてPt膜をスパッタリング法により、ガス圧1.0PaのArガス雰囲気、基板温度600℃にて膜厚0.2μm形成する。
【0020】
次に圧電薄膜13としてPZT膜を(PbZr0.53Ti0.47O3)0.8(PbO)0.2組成のターゲットを用いて、rfマグネトロンスパッタ法により基板温度550℃、ガス圧0.5Pa、Ar/O2=9/1の条件で膜厚3μm形成する。
【0021】
スパッタ真空槽より上記構成の試料を取り出し、X線回折法により膜の結晶性を評価したところ、PZT膜13は(001)軸配向の結晶性を示した。
【0022】
このPZT膜13に対し、酸化処理として約70℃に加熱した濃度30容量%の過酸化水素水に10秒程度浸し、その後、窒素ブローにより、過酸化水素水を除去する。
【0023】
次いで酸化処理を施した上記構成の試料を550℃の大気圧酸素雰囲気中にて30分間熱処理を行うことにより、安定化させる。
【0024】
その後、第2の電極14としてIr膜を5×7mmサイズの開口を有するメタルマスクを用いてスパッタリング法により、ガス圧1.0PaのArガス雰囲気、基板加熱せずに膜厚0.1μm形成し、圧電薄膜素子10を得る。(表1)に室温25℃、相対湿度50%の環境下にて、圧電薄膜素子10に対してDC電圧35V印加後20秒経過時のリーク電流値を示す。
【0025】
なお、比較のために、(表1)に、酸化処理、熱処理がともに未処理の素子、酸化処理のみの素子についても記す。
【0026】
(表1)から明らかのように、酸化処理・熱処理を施した素子は、他の素子に比べ、リーク電流値は小さい。
【0027】
また、熱処理を省略した酸化処理のみの素子は、かえってリーク電流が大きくなっているのが分かる。
【0028】
酸化処理方法として、約70℃に加熱した濃度30容量%の過酸化水素水からの蒸発ガスに10秒程度さらした場合も同様に、未処理の場合と比較してリーク電流特性は改善された。
【0029】
【表1】
【0030】
また、酸化処理後に引き続き行う大気圧酸素雰囲気中での熱処理温度として500〜650℃の範囲であれば、全く未処理の素子と比較してリーク電流特性は向上する。
【0031】
(実施の形態2)
次に実施の形態1と同様に図1の素子構成にて、酸素プラズマを用いた酸化処理を施す場合について説明する。
【0032】
実施の形態1と同様にして、基体11として(100)面MgO単結晶基板を用い、第1の電極12としてPt膜を形成し、圧電薄膜13として(001)軸配向の結晶性をもつPZT膜を3μm形成する。
【0033】
スパッタ真空槽より上記構成の試料を取り出し、プラズマ処理装置内に試料を設置し、例えば、酸素ガス圧40Pa、処理温度350℃、RF電力密度0.56W/cm2、10分間の酸素プラズマ処理を行う。
【0034】
次いで酸化処理を施した前記構成の試料を500℃の大気圧酸素雰囲気中にて30分間熱処理を行うことにより、安定化させる。
【0035】
その後、第2の電極14としてIr膜を実施の形態1と同様に膜厚0.1μm形成し、圧電薄膜素子10を得る。(表2)に室温25℃、相対湿度50%の環境下にて、圧電薄膜素子10に対してDC電圧35V印加後20秒経過時のリーク電流値を示す。なお、比較のために、(表2)に、酸化処理、熱処理がともに未処理の素子、酸化処理のみの素子についても記す。(表2)から明らかのように、酸化処理・熱処理を施した素子は、他の素子に比べ、リーク電流値は小さい。また、熱処理を省略した酸化処理のみの素子についてもリーク電流は未処理のものと比較した場合は小さい値を示す。
【0036】
【表2】
【0037】
酸素プラズマ処理方法として、スパッタ成膜装置と同チャンバーもしくはロードロック機構で隣接する別チャンバーにて、ECRプラズマ源あるいは、RFプラズマ源が搭載されている場合は、同様の効果を示す酸化処理を真空を破らずに行うことができる。
【0038】
また、酸化処理後に引き続き行う大気圧酸素雰囲気中での熱処理温度として500〜650℃の範囲であれば、全く未処理の素子と比較してリーク電流特性は向上する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、圧電性能を損なうことなく、絶縁信頼性の高い特性を持つ圧電薄膜素子が得られ、高信頼性のアクチュエータ、加速度センサ、角速度センサなどのデバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な圧電薄膜素子の構成を示す断面図
【符号の説明】
10 圧電薄膜素子
11 基体(MgO単結晶基板)
12 第1の電極(Pt膜)
13 圧電薄膜(PZT膜)
14 第2の電極(Ir膜)
Claims (6)
- 基体上に、第1の電極を形成する工程、前記第1の電極上に圧電薄膜を結晶成長させる工程、前記圧電薄膜に対し酸化処理をほどこす工程、前記圧電薄膜を熱処理する工程、前記圧電薄膜上に第2の電極を形成する工程よりなる圧電薄膜素子の製造方法。
- 酸化処理として、過酸化水素溶液に浸す、または過酸化水素ガスにさらすことを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜素子の製造方法。
- 圧電薄膜を結晶成長後、同一真空槽内にて酸化処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜素子の製造方法。
- 酸化処理として真空槽内にて酸素プラズマ処理をほどこすことを特徴とする請求項1または3に記載の圧電薄膜素子の製造方法。
- 熱処理は酸素の存在する雰囲気中にて500〜650℃で行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜素子の製造方法。
- 圧電薄膜を結晶成長させる方法としてスパッタリング法により膜形成を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜素子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002355161A JP2004186647A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 圧電薄膜素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002355161A JP2004186647A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 圧電薄膜素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004186647A true JP2004186647A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32755931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002355161A Pending JP2004186647A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 圧電薄膜素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004186647A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131924A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 白金薄膜の形成方法 |
JP2009088290A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Fujifilm Corp | 圧電アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355161A patent/JP2004186647A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131924A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 白金薄膜の形成方法 |
JP4680752B2 (ja) * | 2005-11-11 | 2011-05-11 | 日本電信電話株式会社 | 白金薄膜の形成方法 |
JP2009088290A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Fujifilm Corp | 圧電アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、及び画像形成装置 |
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