JP2004186294A - 電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱素子の一面側から付勢部材を介して放熱を行うようにした電子装置において、放熱性の更なる向上を実現する。
【解決手段】動作することで発熱する発熱素子10と、発熱素子10における一面に対向して配置されたプレート50と、プレート50と発熱素子10との間に介在し、発熱素子10の一面に弾性的に接して押し付けられる付勢部材としてのバネ60とを有し、発熱素子10の一面からバネ60を介してプレート50へ放熱を行うようにした電子装置において、バネ60は、発熱素子10の一面に接する面60aからプレート50の方へ複数に分岐した分岐部60bを有し、これら分岐部60bの終端部60cがプレート50に接続されたものである。
【選択図】 図3
【解決手段】動作することで発熱する発熱素子10と、発熱素子10における一面に対向して配置されたプレート50と、プレート50と発熱素子10との間に介在し、発熱素子10の一面に弾性的に接して押し付けられる付勢部材としてのバネ60とを有し、発熱素子10の一面からバネ60を介してプレート50へ放熱を行うようにした電子装置において、バネ60は、発熱素子10の一面に接する面60aからプレート50の方へ複数に分岐した分岐部60bを有し、これら分岐部60bの終端部60cがプレート50に接続されたものである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーIC等の発熱素子の一面側から放熱を行うようにした電子装置に関し、特に、基板等の上に実装された発熱素子の上面から放熱させるものに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子装置としては、基板等の上に動作することで発熱する発熱素子を実装し、この発熱素子における上面に対向して金属等からなるプレートを配置し、このプレートと発熱素子との間に付勢部材を介在させ、付勢部材を発熱素子の上面に弾性的に接して押し付けるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このような電子装置においては、発熱素子の上面から付勢部材を介してプレートへ放熱を行うようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−202083号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子装置においては、付勢部材はコの字型バネが用いられており、発熱素子からプレートへの放熱経路は、コの字に沿った一つの経路であるため、放熱性の更なる向上のためには問題があった。
【0006】
発熱素子となるICチップ等においては、ICの高集積化、高機能化に伴い、チップ内における発熱領域が部分的に複数個存在する場合が多くなってきている。
【0007】
そのような素子内に部分的に複数個の発熱領域が存在する場合、従来のように放熱経路が一つでは、発熱素子の発熱領域と付勢部材との位置関係等を考慮して組み付けたとしても、素子内の或る発熱領域に対しては放熱性が不十分となる可能性が大きい。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、発熱素子の一面側から付勢部材を介して放熱を行うようにした電子装置において、放熱性の更なる向上を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、動作することで発熱する発熱素子(10)と、発熱素子における一面に対向して配置されたプレート(50)と、プレートと発熱素子との間に介在し、発熱素子の一面に弾性的に接して押し付けられる付勢部材(60)とを有し、発熱素子の一面から付勢部材を介してプレートへ放熱を行うようにした電子装置において、付勢部材は、発熱素子の一面に接する面からプレートの方へ複数に分岐した分岐部(60b)を有し、これら分岐部の終端部(60c)がプレートに接続されたものであることを特徴とする。
【0010】
それによれば、付勢部材において、発熱素子の一面に接している面から複数個の分岐部がプレートにまで延びて接しているため、発熱素子からプレートへの放熱経路は、これら複数個の分岐部によって複数個確保されていることになる。
【0011】
そのため、本発明によれば、従来の付勢部材を介した放熱経路が一つであるものに比べて、放熱性の更なる向上を実現することができる。
【0012】
また、付勢部材(60)は、請求項2に記載の発明のように、分岐部(60b)の終端部(60c)がプレート(50)に摺動可能に接した形で接続されているものにできる。
【0013】
それによれば、分岐部の終端部がプレートに摺動することで、付勢部材の弾性変形を適切に可能とすることができる。
【0014】
また、付勢部材(60)は、請求項3に記載の発明のように、分岐部(60b)の終端部(60c)がプレート(50)に接合固定されているものであって、分岐部の中間部に弾性変形可能な可動部(60d)を有するものにできる。
【0015】
それによれば、分岐部の終端部がプレートに接合固定されているものの、分岐部の中間部に弾性変形可能な可動部を有することで、付勢部材の弾性変形を適切に実現することができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態相互において同一部分には、説明の簡略化を図るため、図中、同一符号を付してある。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置S1の概略断面図である。発熱素子10は動作することにより発熱する素子であり、大出力のトランジスタ等を有するパワーICとしてのベアチップやモールドパッケージ等である。
【0019】
具体的には、発熱素子10はフリップチップ、CSP(チップサイズパッケージ)等とすることができ、本例では、シリコン基板からなるフリップチップである。つまり、本例の発熱素子10は図1中の下面に図示しない半導体素子等が形成されるとともに、はんだボール等からなるバンプ11が形成されており、上面が本発明でいう発熱素子の一面として構成されている。
【0020】
本実施形態では、複数個(図示例では2個)の発熱素子10が設けられており、これら発熱素子10は回路基板20の一面上に搭載され実装されている。そして、発熱素子10と回路基板20とはバンプ11を介して電気的・機械的に接続されている。この回路基板20はセラミック基板やプリント基板等の一般的な回路基板を採用することができる。
【0021】
回路基板20の他面(図1中の下面)には、金属製のケース30が設けられており、回路基板20はこのケース30に熱伝導性接着剤40を介して接着されている。このケース30は、例えばアルミニウム(Al)や鉄等から作られているもので、回路基板20の固定・収納および放熱の役目をなしている。
【0022】
また、発熱素子10における一面すなわち発熱素子10の上面には、鉄やAl等の金属等からなるプレート50が対向して配置されている。このプレート50はケース30のカバーとして形成されており、ケース30に対して図示しないネジや接着剤等により固定されている。
【0023】
また、プレート50と発熱素子10との間には、付勢部材としてのバネ60が介在されており、このバネ60は発熱素子10の上面に弾性的に接して押し付けられている。このバネ60は、例えばリン青銅等のバネ材等からなる。このバネ60の弾性力により、プレート50と複数個の発熱素子10との間隔のばらつきが吸収され、両者10、50はバネ60を介して確実に接した形となっている。
【0024】
ここで、図示しないが、コネクタあるいはワイヤハーネスで回路基板20から信号線あるいは電源が外部に引き出されている。この電子装置S1を動作させると、発熱素子10は消費電力で発熱し、温度上昇する。
【0025】
発熱素子10で発生した熱は、バンプ11によって回路基板20へ放熱され、回路基板20から熱伝導性接着剤40を介してケース30へと放熱され、されには、ケース30からあるいは図示しないブラケット等を介して、この電子装置S1の搭載場所へと放熱される。
【0026】
自動車用の電子装置等、搭載環境が高温環境となるものでは、この放熱効率を少しでも良くすることで、より規模の大きな回路構成とできるし、信頼性の向上も図れる。
【0027】
その点、本実施形態では、発熱素子10は回路基板20側つまり発熱素子10の下面からのみでなく、発熱素子10の上面側からも行われる。すなわち、発熱素子10の上面から付勢部材としてのバネ60を介してプレート50へ放熱を行うようにしている。
【0028】
ここで、バネ60およびそのプレート50への組み付けの具体的構成について図2〜図3を参照して述べる。図2はプレート50単体の要部を示す構成図であって、(a)は発熱素子対向面と反対側からみた平面図、(b)は(a)中のA−A断面図単体図であり、図3(a)はバネ60単体の斜視図、図3(b)および(c)は組み付け方法を示す概略断面図である。
【0029】
図3に示すように、バネ(付勢部材)60は、発熱素子10の一面に接する面(素子接触面)60aからプレート50の方へ四つに分岐した分岐部60bを有した形状となっている。そして、分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能な形で接続される部分である。
【0030】
プレート50には、バネ60の各終端部60cが挿入されてはめ込まれるスペースを有するはめ込み部51が形成されている(図2参照)。このようなはめ込み部51はプレス加工等にて形成することができる。
【0031】
そして、図3(b)に示すように、バネ60の分岐部60bをすぼめた形状に弾性変形させ、その終端部60cをはめ込み部51のスペースに挿入する。すると、図3(c)に示すように、バネ60の分岐部60bが拡がり、バネ60がプレート50に対して取り付けられる。
【0032】
一方、図1に示すように、発熱素子10は、バンプ11を介して回路基板20の一面上に実装され、さらに回路基板20は、熱伝導性接着剤40を介してケース30に収納・固定される。そして、このような状態で、バネ60が取り付けられたプレート50をケース30に取り付ける。
【0033】
このとき、プレート50を発熱素子10の上面から発熱素子10に近づけていくと、バネ60の素子接触面60aが発熱素子10の上面に押しつけられる。そして、図3(c)中の矢印に示すように、四つの分岐部60bが広がる方向へ終端部60cが摺動し、バネ60の弾性力による発熱素子10の押しつけがなされる。
【0034】
そして、上述したように、このバネ60の弾性力により、プレート50と複数個の発熱素子10との間隔のばらつきが吸収され、両者はバネ60を介して確実に接した形となっている。また、バネ60の弾性力により、発熱素子10のダメージが防止され、発熱素子10の回路基板20への実装接続部への応力が緩和される。
【0035】
このように、本実施形態によれば、付勢部材としてのバネ60において、素子接触面60aから複数個の分岐部60bがプレート50にまで延びて接しているため、発熱素子10からプレート50への放熱経路は、これら複数個の分岐部60bによって複数個確保されている。そのため、従来の付勢部材を介した放熱経路が一つであるものに比べて、放熱性の更なる向上を実現することができる。
【0036】
ここで、本実施形態のバネ60では、各分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能に接した形で接続されているため、この終端部60cがプレート50に摺動することで、バネ60の弾性変形を適切に可能としている。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図4に示す。本実施形態は、図4(a)〜(d)に示すような付勢部材としてのバネ60の変形例を示すものである。なお、図4において、(d)は(c)中のバネ60の単体斜視図である。
【0038】
図4に示す各バネ60は、各分岐部60bの終端部60aがプレート50に接合固定されているものであって、各分岐部60bの中間部に弾性変形可能な可動部60dを有するものである。ここで、分岐部60bの終端部60aとプレート50との接合は、溶接や接着等により適切に実現され、プレート50には上記したはめ込み部を形成する必要はなくなる。
【0039】
そして、可動部60dとしては、図4(a)、(b)に示すように、曲げ部やR部形状とすることができる。また、図4(c)、(d)に示すように、バネ60を、対向する平坦面を有しこれら両平坦面間が湾曲面となっている筒状としても良い。
【0040】
この図4(c)、(d)に示すものでは、湾曲面の部分が分岐部60bおよび可動部60dとなり、一方の平坦面が発熱素子10の上面と接する素子接触面60aとなり、他方の平坦面が分岐部60bの終端部60cとなる。
【0041】
これら図4に示されるバネ60によれば、分岐部60bの終端部60cがプレート50に接合固定されているものの、分岐部60bの中間部に弾性変形可能な可動部60dを有することで、バネ60の弾性変形を適切に実現することができる。
【0042】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図5(a)〜(c)に示す。本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aに、大熱容量部材70を介在させて発熱素子10の上面に接触させたものである。
【0043】
この大熱容量部材70は、バネ60よりも熱容量の大きな材料(例えば銅等)からなる例えばシート状のものであり、過渡的な熱抵抗の低減を行うためのものである。つまり、発熱素子10に瞬間的に大きな熱が発生したときに熱容量の大きな大熱容量部材70によって、その熱を急速に吸収させることができる。
【0044】
図5(a)は、上記図2に示したバネ60について、図5(b)は上記図4(a)に示したバネ60について、図5(c)は上記図4(b)に示したバネ60について、それぞれ大熱容量部材70を設けた例を示すものである。
【0045】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図6〜図9に示す。本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aの接触性向上を図った種々の変形例を示すものである。
【0046】
図6に断面図として示す第1の例は、バネ60の素子接触面60aに、はんだボール60eを形成したもので、このはんだボール60eの塑性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0047】
図7に断面図として示す第2の例は、バネ60の素子接触面60aをプレス加工等により波形に加工したもので、この波形部分の変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0048】
図8は第3の例を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の下視図である。この図8に示すものでは、バネ60の素子接触面60aに複数のスリット60fを形成することで、当該素子接触面60aを短冊状に形成したもので、各短冊部分の弾性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0049】
図9に断面図として示す第4の例は、バネ60の素子接触面60aに金属製の網部材(メッシュ)60gを溶接や接着等により接合したもので、この網部材60gの弾性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0050】
これら図6〜図9に示す各バネ60によれば、発熱素子10とバネ60の素子接触面60aとが平行状態から傾いて配置されていても、その傾きに対応して良好な接触を実現することが可能である。
【0051】
なお、図6〜図9に示す各バネ60において、終端部60cとプレート50との接続は、上述した摺動状態のものでも良いし、接合固定したものでも良い。接合固定の場合は、上記した可動部を設けることが好ましい。
【0052】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図10に示す。本実施形態は、バネ60における各分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能に接した形で接続されている場合の変形例を示すものである。
【0053】
図10に示す摺動構造では、バネ60の終端部60cよりも大きな凹部52をプレート50に形成して、その凹部52の底部に終端部60cを接するようにしている。
【0054】
この場合、バネ60の弾性力によって、上記図2に示すバネ60と同様に、バネ60の素子接触面60aは、発熱素子10の上面に弾性的に接して押し付けられる。そして、この場合、上記実施形態に示したような発熱素子10とプレート50とのはめ込みや溶接等による接続が不要となり、単に、バネ60を置くだけで容易に配置することができるという工程簡略化の利点がある。
【0055】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図11に示す。図11において、(a)は本実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート50単体の斜視図である。上記各実施形態では、バネ60とプレート50とは別体の部材であったが、本実施形態では、プレート50の一部を付勢部材として用いるものである。
【0056】
この場合、プレート50の一部をプレス加工等により、発熱素子10の上面に接するように打ち抜く。この打ち抜いた部分が本実施形態における付勢部材としてのバネ60として構成される。そのため、部品点数の低減が図れるという利点がある。
【0057】
本バネ60は、発熱素子10の一面に接する素子接触面60aからプレート50の方へ二つに分岐した分岐部60bを有した形状となっている。そして、分岐部60bの終端部60cは、プレート50と一体になって固定された形で接続された状態となっている。また、分岐部60bには曲げられた可動部60dが形成されることにより、バネ60において適切な弾性力が発揮されている。
【0058】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態を図12に示す。図12において、(a)は本実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート50単体の斜視図である。
【0059】
本実施形態は、上記第6実施形態を一部変形したものである。上記第6実施形態におけるバネ60は、プレート50と一体であり、同様の材質からなるものとしていた。このような場合、プレート50の材質が付勢部材としての弾性力に不足することもある。
【0060】
そのような場合、図12に示すように、バネ60とプレート50との間にゴムなどの弾性体80を介在設置し、この弾性体80の弾性力を利用する。それによって、バネ60の弾性力を十分なものにでき、バネ60の素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性を確保することができる。
【0061】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態を図13に示す。図13は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【0062】
本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aに、グリース、熱伝導シート、熱伝導性接着剤等の熱伝導性部材90を介在させて発熱素子10の上面に接触させたものである。それによって、発熱素子10が傾いた状態となっても、この熱伝導性部材90によって熱伝導をよりスムーズにし、放熱性を確保することができる。
【0063】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態を図14に示す。図14は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。図14に示す電子装置では、回路基板20の他面(裏面)への部品配置も可能な形態、すなわち回路基板20の両面に部品を実装した構成としている。
【0064】
図14に示すように、ケース30の一部に凹部31を形成し、回路基板20の他面とケース30との間に隙間を設けることで、この隙間にて回路基板20の他面に部品21を実装している。
【0065】
発熱素子10の上面からバネ60を介して直接放熱させることで、良好な放熱性を確保できれば、回路基板20における発熱素子10の実装面とは反対側の面からケース30へ放熱することは、必ずしも必要ではない。そのような場合、本実施形態のような回路基板20における両面実装構造を採用することができる。
【0066】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態を図15に示す。図15は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【0067】
上記の各実施形態では、ケース30に回路基板20を組み付けた構成であったが、いずれの実施形態においても、図15に示す電子装置のように、ケース30を平板形状にして、ケース30とプレート50との間を樹脂100にてモールドすることが可能である。なお、図15では、ケース30はヒートシンクとして構成されている。
【0068】
また、図15では、プレート50とバネ60とが一体の例を示しているが、上記した摺動構造や接合構造のようにバネ60とプレート50とが別体のものでも良い。いずれの場合も、バネ60と発熱素子10とを接触させた状態で、樹脂モールドを行えばよい。
【0069】
また、図15では示さないが、このモールド構造においても、回路基板20からの信号端子や電源端子等は、樹脂100から引き出されているか、もしくは樹脂100で形成されたコネクタ部に形成されたものとしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図2】プレートの単体の要部構成図である。
【図3】(a)は付勢部材としてのバネ単体の斜視図、(b)および(c)はバネのプレートへの組み付け方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る付勢部材としてのバネを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る付勢部材に大熱容量部材を設けた構成を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第1の例を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第4の例を示す図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る付勢部材としてのバネを示す図である。
【図11】(a)は本発明の第6実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート単体のの斜視図である。
【図12】(a)は本発明の第7実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート単体のの斜視図である。
【図13】本発明の第8実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図14】本発明の第9実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図15】本発明の第10実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10…発熱素子、50…プレート、60…付勢部材としてのバネ、
60a…付勢部材における発熱素子の一面に接する面としての素子接触面、
60b…分岐部、60c…終端部、60d…可動部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーIC等の発熱素子の一面側から放熱を行うようにした電子装置に関し、特に、基板等の上に実装された発熱素子の上面から放熱させるものに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子装置としては、基板等の上に動作することで発熱する発熱素子を実装し、この発熱素子における上面に対向して金属等からなるプレートを配置し、このプレートと発熱素子との間に付勢部材を介在させ、付勢部材を発熱素子の上面に弾性的に接して押し付けるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このような電子装置においては、発熱素子の上面から付勢部材を介してプレートへ放熱を行うようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−202083号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子装置においては、付勢部材はコの字型バネが用いられており、発熱素子からプレートへの放熱経路は、コの字に沿った一つの経路であるため、放熱性の更なる向上のためには問題があった。
【0006】
発熱素子となるICチップ等においては、ICの高集積化、高機能化に伴い、チップ内における発熱領域が部分的に複数個存在する場合が多くなってきている。
【0007】
そのような素子内に部分的に複数個の発熱領域が存在する場合、従来のように放熱経路が一つでは、発熱素子の発熱領域と付勢部材との位置関係等を考慮して組み付けたとしても、素子内の或る発熱領域に対しては放熱性が不十分となる可能性が大きい。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、発熱素子の一面側から付勢部材を介して放熱を行うようにした電子装置において、放熱性の更なる向上を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、動作することで発熱する発熱素子(10)と、発熱素子における一面に対向して配置されたプレート(50)と、プレートと発熱素子との間に介在し、発熱素子の一面に弾性的に接して押し付けられる付勢部材(60)とを有し、発熱素子の一面から付勢部材を介してプレートへ放熱を行うようにした電子装置において、付勢部材は、発熱素子の一面に接する面からプレートの方へ複数に分岐した分岐部(60b)を有し、これら分岐部の終端部(60c)がプレートに接続されたものであることを特徴とする。
【0010】
それによれば、付勢部材において、発熱素子の一面に接している面から複数個の分岐部がプレートにまで延びて接しているため、発熱素子からプレートへの放熱経路は、これら複数個の分岐部によって複数個確保されていることになる。
【0011】
そのため、本発明によれば、従来の付勢部材を介した放熱経路が一つであるものに比べて、放熱性の更なる向上を実現することができる。
【0012】
また、付勢部材(60)は、請求項2に記載の発明のように、分岐部(60b)の終端部(60c)がプレート(50)に摺動可能に接した形で接続されているものにできる。
【0013】
それによれば、分岐部の終端部がプレートに摺動することで、付勢部材の弾性変形を適切に可能とすることができる。
【0014】
また、付勢部材(60)は、請求項3に記載の発明のように、分岐部(60b)の終端部(60c)がプレート(50)に接合固定されているものであって、分岐部の中間部に弾性変形可能な可動部(60d)を有するものにできる。
【0015】
それによれば、分岐部の終端部がプレートに接合固定されているものの、分岐部の中間部に弾性変形可能な可動部を有することで、付勢部材の弾性変形を適切に実現することができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態相互において同一部分には、説明の簡略化を図るため、図中、同一符号を付してある。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置S1の概略断面図である。発熱素子10は動作することにより発熱する素子であり、大出力のトランジスタ等を有するパワーICとしてのベアチップやモールドパッケージ等である。
【0019】
具体的には、発熱素子10はフリップチップ、CSP(チップサイズパッケージ)等とすることができ、本例では、シリコン基板からなるフリップチップである。つまり、本例の発熱素子10は図1中の下面に図示しない半導体素子等が形成されるとともに、はんだボール等からなるバンプ11が形成されており、上面が本発明でいう発熱素子の一面として構成されている。
【0020】
本実施形態では、複数個(図示例では2個)の発熱素子10が設けられており、これら発熱素子10は回路基板20の一面上に搭載され実装されている。そして、発熱素子10と回路基板20とはバンプ11を介して電気的・機械的に接続されている。この回路基板20はセラミック基板やプリント基板等の一般的な回路基板を採用することができる。
【0021】
回路基板20の他面(図1中の下面)には、金属製のケース30が設けられており、回路基板20はこのケース30に熱伝導性接着剤40を介して接着されている。このケース30は、例えばアルミニウム(Al)や鉄等から作られているもので、回路基板20の固定・収納および放熱の役目をなしている。
【0022】
また、発熱素子10における一面すなわち発熱素子10の上面には、鉄やAl等の金属等からなるプレート50が対向して配置されている。このプレート50はケース30のカバーとして形成されており、ケース30に対して図示しないネジや接着剤等により固定されている。
【0023】
また、プレート50と発熱素子10との間には、付勢部材としてのバネ60が介在されており、このバネ60は発熱素子10の上面に弾性的に接して押し付けられている。このバネ60は、例えばリン青銅等のバネ材等からなる。このバネ60の弾性力により、プレート50と複数個の発熱素子10との間隔のばらつきが吸収され、両者10、50はバネ60を介して確実に接した形となっている。
【0024】
ここで、図示しないが、コネクタあるいはワイヤハーネスで回路基板20から信号線あるいは電源が外部に引き出されている。この電子装置S1を動作させると、発熱素子10は消費電力で発熱し、温度上昇する。
【0025】
発熱素子10で発生した熱は、バンプ11によって回路基板20へ放熱され、回路基板20から熱伝導性接着剤40を介してケース30へと放熱され、されには、ケース30からあるいは図示しないブラケット等を介して、この電子装置S1の搭載場所へと放熱される。
【0026】
自動車用の電子装置等、搭載環境が高温環境となるものでは、この放熱効率を少しでも良くすることで、より規模の大きな回路構成とできるし、信頼性の向上も図れる。
【0027】
その点、本実施形態では、発熱素子10は回路基板20側つまり発熱素子10の下面からのみでなく、発熱素子10の上面側からも行われる。すなわち、発熱素子10の上面から付勢部材としてのバネ60を介してプレート50へ放熱を行うようにしている。
【0028】
ここで、バネ60およびそのプレート50への組み付けの具体的構成について図2〜図3を参照して述べる。図2はプレート50単体の要部を示す構成図であって、(a)は発熱素子対向面と反対側からみた平面図、(b)は(a)中のA−A断面図単体図であり、図3(a)はバネ60単体の斜視図、図3(b)および(c)は組み付け方法を示す概略断面図である。
【0029】
図3に示すように、バネ(付勢部材)60は、発熱素子10の一面に接する面(素子接触面)60aからプレート50の方へ四つに分岐した分岐部60bを有した形状となっている。そして、分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能な形で接続される部分である。
【0030】
プレート50には、バネ60の各終端部60cが挿入されてはめ込まれるスペースを有するはめ込み部51が形成されている(図2参照)。このようなはめ込み部51はプレス加工等にて形成することができる。
【0031】
そして、図3(b)に示すように、バネ60の分岐部60bをすぼめた形状に弾性変形させ、その終端部60cをはめ込み部51のスペースに挿入する。すると、図3(c)に示すように、バネ60の分岐部60bが拡がり、バネ60がプレート50に対して取り付けられる。
【0032】
一方、図1に示すように、発熱素子10は、バンプ11を介して回路基板20の一面上に実装され、さらに回路基板20は、熱伝導性接着剤40を介してケース30に収納・固定される。そして、このような状態で、バネ60が取り付けられたプレート50をケース30に取り付ける。
【0033】
このとき、プレート50を発熱素子10の上面から発熱素子10に近づけていくと、バネ60の素子接触面60aが発熱素子10の上面に押しつけられる。そして、図3(c)中の矢印に示すように、四つの分岐部60bが広がる方向へ終端部60cが摺動し、バネ60の弾性力による発熱素子10の押しつけがなされる。
【0034】
そして、上述したように、このバネ60の弾性力により、プレート50と複数個の発熱素子10との間隔のばらつきが吸収され、両者はバネ60を介して確実に接した形となっている。また、バネ60の弾性力により、発熱素子10のダメージが防止され、発熱素子10の回路基板20への実装接続部への応力が緩和される。
【0035】
このように、本実施形態によれば、付勢部材としてのバネ60において、素子接触面60aから複数個の分岐部60bがプレート50にまで延びて接しているため、発熱素子10からプレート50への放熱経路は、これら複数個の分岐部60bによって複数個確保されている。そのため、従来の付勢部材を介した放熱経路が一つであるものに比べて、放熱性の更なる向上を実現することができる。
【0036】
ここで、本実施形態のバネ60では、各分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能に接した形で接続されているため、この終端部60cがプレート50に摺動することで、バネ60の弾性変形を適切に可能としている。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図4に示す。本実施形態は、図4(a)〜(d)に示すような付勢部材としてのバネ60の変形例を示すものである。なお、図4において、(d)は(c)中のバネ60の単体斜視図である。
【0038】
図4に示す各バネ60は、各分岐部60bの終端部60aがプレート50に接合固定されているものであって、各分岐部60bの中間部に弾性変形可能な可動部60dを有するものである。ここで、分岐部60bの終端部60aとプレート50との接合は、溶接や接着等により適切に実現され、プレート50には上記したはめ込み部を形成する必要はなくなる。
【0039】
そして、可動部60dとしては、図4(a)、(b)に示すように、曲げ部やR部形状とすることができる。また、図4(c)、(d)に示すように、バネ60を、対向する平坦面を有しこれら両平坦面間が湾曲面となっている筒状としても良い。
【0040】
この図4(c)、(d)に示すものでは、湾曲面の部分が分岐部60bおよび可動部60dとなり、一方の平坦面が発熱素子10の上面と接する素子接触面60aとなり、他方の平坦面が分岐部60bの終端部60cとなる。
【0041】
これら図4に示されるバネ60によれば、分岐部60bの終端部60cがプレート50に接合固定されているものの、分岐部60bの中間部に弾性変形可能な可動部60dを有することで、バネ60の弾性変形を適切に実現することができる。
【0042】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図5(a)〜(c)に示す。本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aに、大熱容量部材70を介在させて発熱素子10の上面に接触させたものである。
【0043】
この大熱容量部材70は、バネ60よりも熱容量の大きな材料(例えば銅等)からなる例えばシート状のものであり、過渡的な熱抵抗の低減を行うためのものである。つまり、発熱素子10に瞬間的に大きな熱が発生したときに熱容量の大きな大熱容量部材70によって、その熱を急速に吸収させることができる。
【0044】
図5(a)は、上記図2に示したバネ60について、図5(b)は上記図4(a)に示したバネ60について、図5(c)は上記図4(b)に示したバネ60について、それぞれ大熱容量部材70を設けた例を示すものである。
【0045】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図6〜図9に示す。本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aの接触性向上を図った種々の変形例を示すものである。
【0046】
図6に断面図として示す第1の例は、バネ60の素子接触面60aに、はんだボール60eを形成したもので、このはんだボール60eの塑性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0047】
図7に断面図として示す第2の例は、バネ60の素子接触面60aをプレス加工等により波形に加工したもので、この波形部分の変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0048】
図8は第3の例を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の下視図である。この図8に示すものでは、バネ60の素子接触面60aに複数のスリット60fを形成することで、当該素子接触面60aを短冊状に形成したもので、各短冊部分の弾性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0049】
図9に断面図として示す第4の例は、バネ60の素子接触面60aに金属製の網部材(メッシュ)60gを溶接や接着等により接合したもので、この網部材60gの弾性変形によって素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性向上がなされる。
【0050】
これら図6〜図9に示す各バネ60によれば、発熱素子10とバネ60の素子接触面60aとが平行状態から傾いて配置されていても、その傾きに対応して良好な接触を実現することが可能である。
【0051】
なお、図6〜図9に示す各バネ60において、終端部60cとプレート50との接続は、上述した摺動状態のものでも良いし、接合固定したものでも良い。接合固定の場合は、上記した可動部を設けることが好ましい。
【0052】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図10に示す。本実施形態は、バネ60における各分岐部60bの終端部60cがプレート50に摺動可能に接した形で接続されている場合の変形例を示すものである。
【0053】
図10に示す摺動構造では、バネ60の終端部60cよりも大きな凹部52をプレート50に形成して、その凹部52の底部に終端部60cを接するようにしている。
【0054】
この場合、バネ60の弾性力によって、上記図2に示すバネ60と同様に、バネ60の素子接触面60aは、発熱素子10の上面に弾性的に接して押し付けられる。そして、この場合、上記実施形態に示したような発熱素子10とプレート50とのはめ込みや溶接等による接続が不要となり、単に、バネ60を置くだけで容易に配置することができるという工程簡略化の利点がある。
【0055】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図11に示す。図11において、(a)は本実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート50単体の斜視図である。上記各実施形態では、バネ60とプレート50とは別体の部材であったが、本実施形態では、プレート50の一部を付勢部材として用いるものである。
【0056】
この場合、プレート50の一部をプレス加工等により、発熱素子10の上面に接するように打ち抜く。この打ち抜いた部分が本実施形態における付勢部材としてのバネ60として構成される。そのため、部品点数の低減が図れるという利点がある。
【0057】
本バネ60は、発熱素子10の一面に接する素子接触面60aからプレート50の方へ二つに分岐した分岐部60bを有した形状となっている。そして、分岐部60bの終端部60cは、プレート50と一体になって固定された形で接続された状態となっている。また、分岐部60bには曲げられた可動部60dが形成されることにより、バネ60において適切な弾性力が発揮されている。
【0058】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態を図12に示す。図12において、(a)は本実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート50単体の斜視図である。
【0059】
本実施形態は、上記第6実施形態を一部変形したものである。上記第6実施形態におけるバネ60は、プレート50と一体であり、同様の材質からなるものとしていた。このような場合、プレート50の材質が付勢部材としての弾性力に不足することもある。
【0060】
そのような場合、図12に示すように、バネ60とプレート50との間にゴムなどの弾性体80を介在設置し、この弾性体80の弾性力を利用する。それによって、バネ60の弾性力を十分なものにでき、バネ60の素子接触面60aと発熱素子10の上面との接触性を確保することができる。
【0061】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態を図13に示す。図13は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【0062】
本実施形態は、付勢部材としてのバネ60における素子接触面60aに、グリース、熱伝導シート、熱伝導性接着剤等の熱伝導性部材90を介在させて発熱素子10の上面に接触させたものである。それによって、発熱素子10が傾いた状態となっても、この熱伝導性部材90によって熱伝導をよりスムーズにし、放熱性を確保することができる。
【0063】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態を図14に示す。図14は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。図14に示す電子装置では、回路基板20の他面(裏面)への部品配置も可能な形態、すなわち回路基板20の両面に部品を実装した構成としている。
【0064】
図14に示すように、ケース30の一部に凹部31を形成し、回路基板20の他面とケース30との間に隙間を設けることで、この隙間にて回路基板20の他面に部品21を実装している。
【0065】
発熱素子10の上面からバネ60を介して直接放熱させることで、良好な放熱性を確保できれば、回路基板20における発熱素子10の実装面とは反対側の面からケース30へ放熱することは、必ずしも必要ではない。そのような場合、本実施形態のような回路基板20における両面実装構造を採用することができる。
【0066】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態を図15に示す。図15は、本実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【0067】
上記の各実施形態では、ケース30に回路基板20を組み付けた構成であったが、いずれの実施形態においても、図15に示す電子装置のように、ケース30を平板形状にして、ケース30とプレート50との間を樹脂100にてモールドすることが可能である。なお、図15では、ケース30はヒートシンクとして構成されている。
【0068】
また、図15では、プレート50とバネ60とが一体の例を示しているが、上記した摺動構造や接合構造のようにバネ60とプレート50とが別体のものでも良い。いずれの場合も、バネ60と発熱素子10とを接触させた状態で、樹脂モールドを行えばよい。
【0069】
また、図15では示さないが、このモールド構造においても、回路基板20からの信号端子や電源端子等は、樹脂100から引き出されているか、もしくは樹脂100で形成されたコネクタ部に形成されたものとしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図2】プレートの単体の要部構成図である。
【図3】(a)は付勢部材としてのバネ単体の斜視図、(b)および(c)はバネのプレートへの組み付け方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る付勢部材としてのバネを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る付勢部材に大熱容量部材を設けた構成を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第1の例を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る付勢部材の第4の例を示す図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る付勢部材としてのバネを示す図である。
【図11】(a)は本発明の第6実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート単体のの斜視図である。
【図12】(a)は本発明の第7実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は(a)中のプレート単体のの斜視図である。
【図13】本発明の第8実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図14】本発明の第9実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図15】本発明の第10実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10…発熱素子、50…プレート、60…付勢部材としてのバネ、
60a…付勢部材における発熱素子の一面に接する面としての素子接触面、
60b…分岐部、60c…終端部、60d…可動部。
Claims (3)
- 動作することで発熱する発熱素子(10)と、
前記発熱素子における一面に対向して配置されたプレート(50)と、
前記プレートと前記発熱素子との間に介在し、前記発熱素子の一面に弾性的に接して押し付けられる付勢部材(60)とを有し、
前記発熱素子の一面から前記付勢部材を介して前記プレートへ放熱を行うようにした電子装置において、
前記付勢部材は、前記発熱素子の一面に接する面から前記プレートの方へ複数に分岐した分岐部(60b)を有し、これら分岐部の終端部(60c)が前記プレートに接続されたものであることを特徴とする電子装置。 - 前記付勢部材(60)は、前記分岐部(60b)の終端部(60c)が前記プレート(50)に摺動可能に接した形で接続されているものであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記付勢部材(60)は、前記分岐部(60b)の終端部(60c)が前記プレート(50)に接合固定されているものであって、前記分岐部の中間部に弾性変形可能な可動部(60d)を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
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