JP2004186227A - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

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憲彦 猪飼
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Abstract

【課題】ソルダーレジスト層に求められる様々な特性(例えば、耐熱性、高解像度性、信頼性、外観など)がより良好なソルダーレジスト層を備える配線基板及び配線基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】配線基板101は、第2絶縁層114と、この表面に形成された第3導体層123と、これらの上に積層されたソルダーレジスト層115とを備える。そして、ソルダーレジスト層115は、感光性カルド型ポリマーからなる。さらに、このソルダーレジスト層115は、不活性ガス雰囲気中で硬化させてなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板及び配線基板の製造方法に関し、特に、ソルダーレジスト層を有する配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、配線基板の表面にソルダーレジスト層を形成することが広く行われている。これは、ハンダ付け時のハンダブリッジを防止したり、配線基板に形成された導体部の腐食を防止したり、導体部の絶縁性を保護するなどの目的で使用されている。
このようなソルダーレジスト層には、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ソルダーレジスト樹脂組成物等からなるものが挙げられる。さらに、ソルダーレジスト樹脂組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体等が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−171973号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ソルダーレジスト層には、耐熱性や高解像度性、信頼性、外観など様々な特性が要求される。このため、これらの特性がより良好な材質からなるソルダーレジスト層が求められてきた。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、ソルダーレジスト層に求められる様々な特性がより良好なソルダーレジスト層を備える配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、絶縁層と、上記絶縁層の表面に形成された導体層と、上記絶縁層及び導体層上に積層されたソルダーレジスト層と、を備える配線基板であって、上記ソルダーレジスト層は、カルド型ポリマーからなる配線基板である。
【0007】
本発明によれば、絶縁層及び導体層上に積層されたソルダーレジスト層は、カルド型ポリマーからなる。
感光性カルド型ポリマーの硬化物は、化学的な構造が剛直であり、架橋密度が高いため形状保持性や膜厚保持性など信頼性に優れると共に、耐熱性にも優れる。また、比較的低い硬化温度で形成することができるため、絶縁層や導体層など基板本体に悪影響を与えにくい。また、感光性カルド型ポリマーは解像度が良好であり、開口形成時の形状保持性や膜厚保持性に優れ、露光・現像処理後に開口底部に樹脂残りが発生しにくいため、開口部における電気接続性や信頼性に優れる。
【0008】
なお、感光性カルド型ポリマーは、熱硬化時に黒くなるなどの変色をしやすいため、従来、これをソルダーレジスト層に用いるのは、外観上問題があった。しかし、後述するように、限定された条件下で熱硬化を行うことにより、様々な良好な特性を損なうことなく、熱硬化時の変色を抑えることができるようになったため、感光性カルド型ポリマーをソルダーレジスト層として使用することができるようになった。
【0009】
ここで、カルド型ポリマーとは、環状の基が高分子主鎖に直接結合した構造をもつポリマーの総称である。カルド型ポリマーは、その構造、即ち、主鎖に直角にかさ高い置換基が存在することに起因して、ポリマー主鎖の回転束縛、主鎖及び側鎖のコンフォメーション規制、分子間パッキングの阻害、側鎖の芳香族置換基導入による芳香族性の増加等の現象が生じ、そのため、硬化後のガラス転移温度が高いものとなる。また、このような構造をもつカルド型ポリマーは、そのかさ高い置換基のために主鎖の運動性が抑制され、比較的低温で硬化されたものであっても架橋密度が高く、優れた耐熱性を有する。さらに、かさ高い置換基は、分子鎖の近接を阻害するため、優れた溶剤溶解性を有する。
【0010】
カルド型ポリマーは、カルボニル基(ケトン、エステル、酸無水物、イミド等)をもつ環状化合物とフェノール、アニリン等の芳香族化合物やその誘導体とを縮合反応により共重合させることにより得ることができる。
【0011】
感光性カルド型ポリマーは、上記のような構造を有するカルド型ポリマーのなかで感光性を有するものであり、具体例としては、例えば、下記化学式(1)で表される化合物と、
【化1】
Figure 2004186227
【0012】
下記一般式(2)で表される化合物と、
【化2】
Figure 2004186227
(式中、R1 は、酸素、カルボニル基、テトラフルオロエチレン基、または、単結合を表す。)
【0013】
ピロメリト酸無水物、及び、テレフタル酸やその酸塩化物から選択される少なくとも1種とを共重合させることにより得られる感光性カルド型ポリエステルが挙げられる。
【0014】
また、上記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物と、
【化3】
Figure 2004186227
(式中、R2 、R3 、R4 、R5 は、それぞれ同一または異なって、水素または炭素数1〜5の炭化水素基を表し、R6 は、水素、カルボキシル基または炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基を表す。)
【0015】
上記一般式(2)で表される化合物、ピロメリト酸無水物、及び、テレフタル酸やその酸塩化物から選択される少なくとも1種とを共重合させることにより得られる感光性カルド型ポリイミド等も挙げられる。
【0016】
さらに、上記の配線基板であって、前記ソルダーレジスト層は、不活性ガス雰囲気中で硬化させてなる配線基板とすると良い。
【0017】
感光性カルド型ポリマーは、大気中で熱硬化させると、黒くなるなどの変色を起こしやすいため、従来、これをソルダーレジスト層に用いるのは、外観上問題があった。
これに対し、本発明では、感光性カルド型ポリマーからなるソルダーレジスト層を不活性ガス雰囲気中で硬化させてなるので、感光性カルド型ポリマーの持つ様々な良好な特性を損なうことなく、熱硬化時の変色を抑えることができる。従って、外観も良好なソルダーレジスト層とすることができる。
【0018】
また、他の解決手段は、絶縁層と、上記絶縁層の表面に形成された導体層と、上記絶縁層及び導体層上に積層されたソルダーレジスト層と、を備える配線基板の製造方法であって、上記絶縁層及び導体層上に、カルド型ポリマーからなる半硬化のソルダーレジスト層を形成する半硬化レジスト形成工程と、上記半硬化のソルダーレジスト層を、不活性ガス雰囲気中でキュアし、上記ソルダーレジスト層を形成するキュア工程と、を備える配線基板の製造方法である。
【0019】
本発明によれば、半硬化レジスト形成工程において、絶縁層及び導体層上に、カルド型ポリマーからなる半硬化のソルダーレジスト層を形成する。そして、キュア工程において、半硬化のソルダーレジスト層を、不活性ガス雰囲気中でキュアし、ソルダーレジスト層を形成する。
このようにして、感光性カルド型ポリマーからなるソルダーレジスト層を形成すれば、ソルダーレジスト層は、化学的な構造が剛直であり、架橋密度が高いため形状保持性や膜厚保持性など信頼性に優れると共に、耐熱性にも優れる。また、比較的低い硬化温度で形成することができるため、絶縁層や導体層など基板本体に悪影響を与えにくい。また、カルド型ポリマーは解像度が良好であるため、開口形成時の形状保持性や膜厚保持性に優れ、露光・現像処理後に開口底部に樹脂残りが発生しにくいため、開口部における電気接続性や信頼性に優れる。
さらに、不活性雰囲気中で感光性カルド型ポリマーを硬化させているので、感光性カルド型ポリマーの持つ様々な良好な特性を損なうことなく、熱硬化時の変色を抑えることができる。従って、外観も良好なソルダーレジスト層を形成することができる。
【0020】
なお、半硬化レジスト形成工程では、液状の感光性カルド型ポリマーを、カーテンコータ法、ロールコータ法、通常の印刷機等を用いて塗布して、それを半硬化させることにより、半硬化のソルダーレジスト層を形成してもよいし、あるいは、フィルム状の半硬化の感光性カルド型ポリマーを貼り付けることにより、半硬化のソルダーレジスト層を形成してもよい。
また、半硬化レジスト形成工程とキュア工程との間に、半硬化のソルダーレジスト上にフォトエッチング用マスクを載置した後、露光・現像処理を施すことにより開口を形成する工程を行っても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板101について、図1に主面102側から見た簡略化した平面図を、図2に主面102側の簡略化した部分断面図を示す。
この配線基板101は、図1に示すように、主面102と裏面(図示しない)を有する平面視略矩形の略板形状をなす。主面102の中央部には、ICチップ(図示しない)を搭載しその端子を接続するため、平面視円形状のパッド123pが略格子状に多数配置されている。一方、裏面の略全面には、この配線基板101をマザーボードに搭載し接続するため、平面視円形状のパッド(図示しない)が略格子状に多数配置されている。
【0022】
配線基板101の内部についてみると、図2に示すように、この配線基板101は、その中心にガラス−エポキシ樹脂からなるコア基板111を備える。コア基板111の主面102側には、エポキシ樹脂等からなる第1絶縁層113と第2絶縁層114が積層され、さらにその上には、ソルダーレジスト層115が積層されている。一方、図示しない裏面側にも、エポキシ樹脂等からなる第1絶縁層と第2絶縁層が積層され、さらにその上には、ソルダーレジスト層が積層されている。
【0023】
そして、コア基板111の主面102側の表面には、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第1導体層121が形成され、また、主面側の第1絶縁層113の表面には、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第2導体層122が形成され、さらに、主面側の第2絶縁層114の表面にも、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第3導体層123が形成されている。同様に、コア基板111の図示しない裏面側の表面には、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第1導体層が形成され、また、裏面側の第1絶縁層の表面には、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第2導体層が形成され、さらに、裏面側の第2絶縁層の表面にも、Cuからなり、複数の配線やパッドを有する第3導体層が形成されている。
【0024】
また、コア基板111には、層間接続のため、これを貫通するCuからなる略筒状のスルーホール導体131が形成されている。また、主面102側の第1絶縁層113には、層間接続のため、これを貫通するCuからなる第1ビア導体132が形成され、さらに、主面102側の第2絶縁層114には、層間接続のため、これを貫通するCuからなる第2ビア導体133が形成されている。また、主面102側のソルダーレジスト層115には、底面に第3導体層123のパッド123pが露出する開口115kが形成されている。同様に、図示しない裏面側の第1絶縁層には、これを貫通するCuからなる第1ビア導体が形成され、さらに、裏面側の第2絶縁層には、これを貫通するCuからなる第2ビア導体が形成されている。また、また、裏面側のソルダーレジスト層には、底面に第3導体層のパッドが露出する開口が形成されている。
【0025】
これらのうち、ソルダーレジスト層115等について説明すると、ソルダーレジスト層115等は、感光性カルド型ポリマーからなる。具体的には、ソルダーレジスト層115等は、新日鉄化学社製のPDF−300からなる。ソルダーレジスト層115等の厚さは、約20μmである。この厚みは、15μm〜35μmであるのが好ましく、さらには、15μm〜25μmであるのがより好ましい。第3導体層123等の絶縁性を充分に確保することができるとともに、所望の形状の開口115k等を形成することができるため、開口115k等における接続信頼性が優れたものとなるからである。
【0026】
このようなソルダーレジスト層115等は、感光性カルド型ポリマーからなるため、化学的な構造が剛直であり、架橋密度が高いため形状保持性や膜厚保持性など信頼性に優れると共に、耐熱性にも優れる。また、比較的低い硬化温度で形成することができるため、内部の絶縁層や導体層など基板本体に悪影響を与えにくい。また、カルド型ポリマーは解像度が良好であり、開口形成時の形状保持性や膜厚保持性に優れ、露光・現像処理後に開口底部に樹脂残りが発生しにくいため、開口115k等における電気接続性や信頼性に優れる。
【0027】
また、本実施形態のソルダーレジスト層115等は、後述するように、不活性ガス雰囲気中で硬化させてなるので、感光性カルド型ポリマーの持つ様々な良好な特性を損なうことなく、熱硬化時の変色を抑えることができる。従って、外観も良好なソルダーレジスト層115等とすることができる。
【0028】
次いで、上記配線基板101の製造方法について説明する。
まず、コア基板111の両面に銅箔を張り付けた両面銅張コア基板を用意する。そして、ドリルやレーザ等によって、スルーホール導体131を形成するためのスルーホールを所定の位置に形成する。
次に、コア基板111にCu無電解メッキを施し、銅箔上及びスルーホールの内周面に無電解メッキ層を形成する。さらに、Cu電解メッキを施して、無電解メッキ層上に電解メッキ層を形成する。これにより、銅箔上にベタ状のメッキ層が形成され、スルーホールの内周面に略筒状のスルーホール導体131が形成される。
【0029】
その後、スルーホール導体131内に樹脂ペーストを印刷充填し、加熱して半硬化させる。そして、コア基板111から膨出した余分な樹脂を研磨除去し、さらに、加熱硬化させて、樹脂充填体を形成する。
その後、コア基板111の両面に所定パターンのエッチングレジスト層を形成し、このレジスト層から露出するメッキ層及び銅箔をエッチング除去する。これにより、コア基板111上に主面102側の第1導体層121と裏面側の第1導体層が形成される。
【0030】
次に、コア基板111及び第1導体層121上に、エポキシ樹脂等からなる半硬化の主面102側の第1絶縁層を形成し、第1ビア導体132を形成するためのビアホールに対応した所定パターンを有するマスクを用いて露光しさらに現像する。その後、さらに加熱処理し硬化させて、ビアホールを有する第1絶縁層113を形成する。またこれと共に、裏面側にも第1ビア導体を形成するためのビアホールを有する第1絶縁層を形成する。
【0031】
次に、Cu無電解メッキを施して、主面102側の第1絶縁層113上及びそのビアホール内並びに裏面側の第1絶縁層上及びそのビアホール内に無電解メッキ層を形成する。その後、両面の無電解メッキ層上に所定パターンのメッキレジスト層をそれぞれ形成する。そして、Cu電解メッキを施して、メッキレジスト層から露出した無電解メッキ層上に電解メッキを形成する。その後、メッキレジスト層を除去し、さらに、これにより露出した無電解メッキ層をソフトエッチングにより除去する。これにより、主面102側の第1ビア導体132及び裏面側の第1ビア導体が形成されると共に、所定パターンの主面側の第2導体層122及び裏面側の第2導体層が形成される。
【0032】
次に、主面102側の第1絶縁層113及び第2導体層122上に、エポキシ樹脂等からなる半硬化の主面102側の第2絶縁層を形成し、第2ビア導体133を形成するためのビアホールに対応した所定パターンを有するマスクを用いて露光しさらに現像する。その後、さらに加熱処理し硬化させて、ビアホールを有する第2絶縁層114を形成する。またこれと共に、裏面側にも第2ビア導体を形成するためのビアホールを有する第2絶縁層を形成する。
【0033】
次に、Cu無電解メッキを施して、主面102側の第2絶縁層114上及びそのビアホール内並びに裏面側の第2絶縁層上及びそのビアホール内に無電解メッキ層を形成する。その後、両面の無電解メッキ層上に所定パターンのメッキレジスト層をそれぞれ形成する。そして、Cu電解メッキを施して、メッキレジスト層から露出した無電解メッキ層上に電解メッキを形成する。その後、メッキレジスト層を除去し、さらに、これで露出した無電解メッキ層をソフトエッチングにより除去する。これにより、主面102側の第2ビア導体133及び裏面側の第2ビア導体が形成されると共に、所定パターンの主面102側の第3導体層123及び裏面側の第3導体層が形成される。
【0034】
次に、半硬化レジスト形成工程において、主面102側の第2絶縁層114及び第3導体層123上に、感光性カルド型ポリマーからなる半硬化のフィルムを貼り付け、半硬化のソルダーレジスト層を形成する。本実施形態では、上記のフィルムとして、新日鉄化学社製のPDF−300を使用した。
続いて、この半硬化のソルダーレジスト層を、開口115kに対応した所定パターンを有するフォトエッチング用マスクを用いて露光しさらに現像して、半硬化のソルダーレジスト層に開口115kを形成する。なお、開口115kは、レーザを用いて形成することもできる。
【0035】
その後、キュア工程において、半硬化のソルダーレジスト層を不活性ガス雰囲気中でキュアする。これにより、開口115kを有するソルダーレジスト層115が形成される。なお、本実施形態では、キュアは、約140℃で約120分間行った。また、キュアは、窒素雰囲気中で行った。
なお、キュアは、各温度区間で一定時間保った後、温度を上昇させるステップキュアにより行ってもよい。これにより、感光性カルド型ポリマーの半硬化層内に残留する溶剤分や水分を完全に除去することができるからである。このような工程を経ることにより、形状保持性、耐熱性に優れるソルダーレジスト層115を形成することができる。
裏面側のソルダーレジスト層についても同様にして形成する。
【0036】
次に、Niメッキを施し、主面102側のソルダーレジスト層115の開口115k内に露出する主面102側の第3導体層123(パッド123p)上、及び、裏面側のソルダーレジスト層の開口内に露出する裏面側の第3導体層(パッド)上に、Niメッキ層を形成する。続いて、Auメッキを施し、、Niメッキ層上にAuメッキ層を形成する。
以上のようにして、配線基板101が完成する。
なお、ソルダーレジスト層115等の各開口115k等に、さらにハンダバンプを形成してもよい。ハンダバンプは、所定パターンのマスクを用いてハンダペーストを印刷し、それをリフローすることにより形成すればよい。
【0037】
以上で説明したように、本実施形態では、半硬化レジスト形成工程において、第2絶縁層114等及び第3導体層123等上に、感光性カルド型ポリマーからなる半硬化のソルダーレジスト層を形成する。そして、キュア工程において、半硬化のソルダーレジスト層を、不活性ガス雰囲気中でキュアし、ソルダーレジスト層115等を形成する。
このようにして、感光性カルド型ポリマーからなるソルダーレジスト層115等を形成すれば、ソルダーレジスト層115等は、化学的な構造が剛直であり、架橋密度が高いため形状保持性や膜厚保持性など信頼性に優れると共に、耐熱性にも優れる。また、比較的低い硬化温度で形成することができるため、絶縁層や導体層など基板本体に悪影響を与えにくい。また、カルド型ポリマーは解像度が良好であるため、開口形成時の形状保持性や膜厚保持性に優れ、露光・現像処理後に開口底部に樹脂残りが発生しにくいため、開口115k等における電気接続性や信頼性に優れる。
【0038】
さらに、不活性雰囲気中で感光性カルド型ポリマーを硬化させているので、感光性カルド型ポリマーの持つ様々な良好な特性を損なうことなく、熱硬化時の変色を抑えることができる。従って、外観も良好なソルダーレジスト層115等を形成することができる。
【0039】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、フィルム状の感光性カルド型ポリマーを利用してソルダーレジスト層115等を形成したが、液状の感光性カルド型ポリマーを利用してソルダーレジスト層115等を形成してもよい。但し、フィルムを利用した方が、作業性に優れ、簡単に基板上に平滑な表面を形成でき、歩留まりの向上が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る配線基板の主面側から見た平面図である。
【図2】実施形態に係る配線基板の主面側の部分断面図である。
【符号の説明】
101 配線基板
111 コア基板
113 第1絶縁層
114 第2絶縁層
115 ソルダーレジスト層
115k 開口
121 第1導体層
122 第2導体層
123 第3導体層
123p パッド

Claims (3)

  1. 絶縁層と、
    上記絶縁層の表面に形成された導体層と、
    上記絶縁層及び導体層上に積層されたソルダーレジスト層と、
    を備える配線基板であって、
    上記ソルダーレジスト層は、カルド型ポリマーからなる
    配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板であって、
    前記ソルダーレジスト層は、不活性ガス雰囲気中で硬化させてなる
    配線基板。
  3. 絶縁層と、
    上記絶縁層の表面に形成された導体層と、
    上記絶縁層及び導体層上に積層されたソルダーレジスト層と、
    を備える配線基板の製造方法であって、
    上記絶縁層及び導体層上に、カルド型ポリマーからなる半硬化のソルダーレジスト層を形成する半硬化レジスト形成工程と、
    上記半硬化のソルダーレジスト層を、不活性ガス雰囲気中でキュアし、上記ソルダーレジスト層を形成するキュア工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
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