JP2004185950A - 溶接用コネクタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接用コネクタの耐熱性板3を樹脂部5にインサートして、樹脂部5と耐熱性板3とを一体的に製造することにより、耐熱性板3のガタを防止する。そして、前記断熱性板3上の所定の位置にドレインコンタクトとシグナルコンタクトとを設けることにより伝送特性と接続強度の安定等を図る。また、耐熱性板3を樹脂部5に一括樹脂モールドするためコンタクトに穴加工を施す必要を無くしコンタクトの強度の向上を図る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は溶接用コネクタ及びその製造方法に関し、さらに詳細には、耐熱性板を樹脂部にインサートし一括樹脂モールドを行う溶接用コネクタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コネクタの樹脂部のモールドを行い、その後、その他の部品(例えば、コンタクト、耐熱性板)をアッセンブリしていく製造方法がとられている。すなわち、樹脂モールドにより製造された樹脂部の位置決め穴にコンタクト(ピン)を挿入する。そして、このコンタクトに耐熱性板を後で挿入している。その後、シグナル線、ドレイン線等をコンタクトに溶接接続する。
【0003】
この結果、図4(a)に示すように、アッセンブリされた溶接用コネクタ51は、例えば、樹脂部63に耐熱性板53を備え、この耐熱性板53上にドレインコンタクト55とシグナルコンタクト57とが設けられている。なお、ドレインコンタクト55にはドレイン線59が溶接され、シグナルコンタクト57にはシグナル線61が溶接される。
【0004】
図4(b)を参照する。上述のように樹脂部63をモールド成形したあと、コンタクトと耐熱性板とを後で挿入しているが、このとき、ドレインコンタクト55の穴形状に、耐熱性板53を挿入している。また、例えば、特許文献1を参照。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−068007号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
耐熱性板(例えばセラミックの場合)は、加工精度が出しにくく、又コンタクト間に耐熱性板を挿入しているたけで樹脂モールド部と耐熱性板は固定されていないため、コネクタと耐熱性板に隙間が生じコンタクトが安定しない。
【0007】
その結果、ガタが大きい事によりピンが動いてしまいIMP等の電送特性が変化するという問題があった。すなわち、ピンが動けば、このピンに溶接接続されるシグナル線等は等間隔を保てなくなるからである。
【0008】
また溶接が安定しないため、接続強度のバラツキが大きくなるという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、耐熱性板を樹脂にインサートし固化する一括樹脂モールドにより製造され、樹脂部と耐熱性板とから構成される一括樹脂モールド部に、ケーブルが接続する複数のコンタクトを所定の位置に備えた溶接用コネクタである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記樹脂部に一体化された前記耐熱性板は前記コンタクトと、ケーブルとを接触させながら位置決めする溝部を備えている上記溶接用コネクタである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記コンタクトは耐熱性板を挿入する穴が無い上記溶接用コネクタである。
【0012】
請求項4に係る発明は、耐熱性板を樹脂にインサートし固化する一括樹脂モールドを行う工程と、前記一括樹脂モールドを行うことにより一体的に製造された、樹脂部と耐熱性板とから構成される一括樹脂モールド部の所定の位置にコンタクトを組み込む工程とを含む溶接用コネクタの製造方法である。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記樹脂部に一体化された前記耐熱性板は前記コンタクトと、ケーブルとを接触させながら位置決めする溝部を形成する工程を含んでいる上記溶接用コネクタの製造方法である。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記コンタクトは耐熱性板を挿入する穴が無い上記溶接用コネクタの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
この実施の形態に係わる溶接用コネクタでは、ドレイン線が接続するドレインコンタクトと、シグナル線が接続するシグナルコンタクトとを複数備えた溶接用コネクタを想定している。ここで、シグナル線はデータの信号を送信するためのケーブルでドレイン線はグランドに接続するためのケーブルである。
【0017】
図1に溶接用コネクタの耐熱性板が樹脂にインサートされ一括樹脂モールドされ製造された一括樹脂モールド部1の構造を示す。
【0018】
すなわち、前記一括樹脂モールド部1は耐熱性板(例えば、セラミック)3と樹脂部5とからなる。また、上述のように一括樹脂モールドにより製造されることにより、耐熱性板3と、この耐熱性板3が挿入され固化した前記樹脂部5とにより強度が高く安定した一括樹脂モールド部1が製造される。
【0019】
図2を参照する。図1に於いて説明した、一括樹脂モールド部1にケーブル接続用のコンタクト(例えば、ドレインコンタクト及びシグナルコンタクト)をアッセンブリした一例を示している。
【0020】
複数のコンタクトを前記一括樹脂モールド部1にアッセンブリすることにより溶接用コネクタは所定の構造を備える。
【0021】
すなわち、前記一括樹脂モールド部1の耐熱性板3には複数のドレインコンタクトと、複数のシグナルコンタクトとが支持される。これにより、ガタ等の無い構造になり伝送特性、接続強度等の安定が図れる。
【0022】
より詳細には、前記耐熱性板3上に支持されたドレインコンタクト7から等間隔にドレインコンタクト9が支持されている。さらに、このドレインコンタクト9から等間隔にドレインコンタクト11が支持されている(すなわち、ドレインコンタクト7の厚みの中心と、ドレインコンタクト9の厚みの中心との距離DCは、ドレインコンタクト9の厚みの中心と、ドレインコンタクト11の厚みの中心との距離DDに等しいものである)。
【0023】
ここで、図2においては説明の便宜上2種類のドレインコンタクトを図示してある。通常のドレインコンタクトは耐熱性板を挿入するための穴形状を有する(ドレインコンタクト11を参照)。
【0024】
一方、本発明のように耐熱性板3と樹脂を一括モールドするため、ドレインコンタクトに穴加工を行う必要がなくなり、棒状のドレインコンタクト7、9等に変更することもできる。ここでは、一例として、棒状のドレインコンタクトを例示したが、機能に応じて種々の形状にすることも本発明の技術的範囲内である。
【0025】
説明を戻す。図2においては図示していないが、上述のような位置関係を保ちながら所定の数分のドレインコンタクトが前記耐熱性板3に支持されている。
【0026】
前記ドレインコンタクト7と、前記ドレインコンタクト9との間の中心にシグナルコンタクト13と、シグナルコンタクト15とが備えられている。すなわち、ドレインコンタクト7の中心とシグナルコンタクト13、15の中心との距離DAは、ドレインコンタクト9の中心とシグナルコンタクト13、15の中心の距離DBに等しい。
【0027】
ここで、前記シグナルコンタクト13は耐熱性板3の一方の面A上に備えられ、前記シグナルコンタクト15は耐熱性板3の他方の面B上に備えられている。上述のような位置関係を保ちながら複数のシグナルコンタクトが耐熱性板3に支持されている。
【0028】
なお、前記耐熱性板3は、セラミックを材質とするが、例えば、磁器、陶器のような耐熱性を備えたものでよい。電気溶接の際に発生する熱に対して強くコスト面からも経済的であるからである。
【0029】
図3を参照する。上述した溶接用コネクタにおいて他の機能を持たせた例を示している。図3(a)に示す一括樹脂モールド部21は樹脂部23と耐熱性板25を有している。そして、この耐熱性板23をインサートして一括樹脂モールドを行う際、前記樹脂部23にドレインコンタクト、及びシグナルコンタクトを挿入する複数のピン挿入用穴27を形成する。これにより、耐熱性板25をインサートして一括樹脂モールドを行った後、ピン(ドレインコンタクト、シグナルコンタクト)を容易、且つ、正確にアッセンブリすることができる。
【0030】
図3(b)に示す一括樹脂モールド部31は樹脂部33と耐熱性板35を有している。そして、この耐熱性板35をインサートして一括樹脂モールドを行う。前記樹脂部33にインサートされた耐熱性板35は、平面の場合だけでなく、コンタクト(ドレインコンタクト、シグナルコンタクト)の位置決め等の目的で耐熱性板35に溝などを設けた場合など、耐熱性板35の形状が複雑になった場合にも応用できる。すなわち、複雑な形状の耐熱性板35をアッセンブリすることは難しいが、樹脂と一括モールドすることで、耐熱性板35と樹脂部33とを一体化させ容易に溶接用コネクタを安定させることができる。
【0031】
ここで、耐熱性板35に溝部37を設けてコンタクト(例えばドレインコンタクト、シグナルコンタクト)の位置決めを行うことについて説明する。例えば、前記耐熱性板35には、複数の溝部37が設けられている。各々の溝部37にはコンタクト(例えば、ドレインコンタクト、シグナルコンタクト)が位置決めされると共にこのコンタクトに接触するケーブル(例えば、ドレイン線、シグナル線)41が位置決めされる。これにより、コンタクト間、ケーブル間等の位置関係が正確に保たれる。
【0032】
上記においては耐熱性板35は複数の溝部を有する形状であるが、様々な機能に対応した形状の耐熱性板をインサートして一括樹脂モールドを行ったインサート樹脂部についても本発明の技術的範囲内である。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施の態様の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施できるものである。
【0034】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、例えば、耐熱性板(例えば、セラミック)と樹脂との一括モールドとなっているので、現在のような耐熱性板のガタがなくなり、伝送特性と接続強度の安定が図れるという効果がある。
【0035】
また、耐熱性板と樹脂を一括モールドするため、現在のような後加工(コンタクトと耐熱性板の挿入)による不良(耐熱性板挿入時にコンタクトを折ってしまうなど)が減少するという効果がある。さらに、耐熱性板に溝部等を備え複雑な形状になった場合に対しても樹脂と一括モールドすることで耐熱性板と樹脂を一体化させ容易にコネクタを安定させることができる。
【0036】
そして、耐熱性板と樹脂を一括モールドするため、従来のようなコンタクト(ドレインコンタクト)にセラミックを挿入するための穴加工を行う必要がなくなり、コンタクトの強度が増し、伝送特性も有利になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接用コネクタの耐熱性板がインサートされた樹脂部の斜視図である。
【図2】溶接コネクタの接続部の斜視図である。
【図3】(A)、(B)は溶接用コネクタの構造を説明する説明図である。
【図4】(A)、(B)は従来例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 一括樹脂モールド部
3 耐熱性板
5 樹脂部
7 ドレインコンタクト
13 シグナルコンタクト
Claims (6)
- 耐熱性板を樹脂にインサートし固化する一括樹脂モールドにより製造され、樹脂部と耐熱性板とから構成される一括樹脂モールド部に、ケーブルが接続する複数のコンタクトを所定の位置に備えたことを特徴とする溶接用コネクタ。
- 前記樹脂部に一体化された前記耐熱性板は前記コンタクトと、ケーブルとを接触させながら位置決めする溝部を備えていることを特徴とする請求項1記載の溶接用コネクタ。
- 前記コンタクトは耐熱性板を挿入する穴が無いことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接用コネクタ。
- 耐熱性板を樹脂にインサートし固化する一括樹脂モールドを行う工程と、
前記一括樹脂モールドを行うことにより一体的に製造された、樹脂部と耐熱性板とから構成される一括樹脂モールド部の所定の位置にコンタクトを組み込む工程とを、
含むことを特徴とする溶接用コネクタの製造方法。 - 前記樹脂部に一体化された前記耐熱性板は前記コンタクトと、ケーブルとを接触させながら位置決めする溝部を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項4記載の溶接用コネクタの製造方法。
- 前記コンタクトは耐熱性板を挿入する穴が無いことを特徴とする請求項4又は5記載の溶接用コネクタの製造方法。
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JP2009054532A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-12 | Fujikura Ltd | コネクタ並びに前記コネクタにケーブルを接続するケーブルの接続方法 |
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