JP2004185827A - 紫外線カットマスク及び封止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも発光層を有する有機層が配設された透光性基板1と、前記有機層を覆う封止基板2とを前記接着剤を介して接合する封止装置A内に配設され、透光性基板1と封止基板2との前記接合部のみに紫外線を照射してなる照射領域部9b及び前記有機層への前記紫外線の照射を阻止するマスク部9aを有するUVカットマスク9であって、照射領域部9b及びマスク部9aは金属材料によって一体に形成されてなる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを紫外線硬化型接着剤を介して接合する封止装置内に配設される紫外線カットマスク、及び支持基板と封止部材とを紫外線カットマスクを介して支持基板と封止部材との接合部箇所に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、接着剤を硬化させて支持基板と封止部材とを接合する封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の紫外線カットマスク及び封止装置にあっては、ガラス材料からなる基板上に、ITO(indium tin oxide)等からなる陽極と、正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層からなるEL層と、アルミニウム(Al)等からなる陰極とを順次積層して積層体である有機EL素子を形成し、不活性ガス雰囲気中において有機EL素子を収納する凹部形状のカバー材と基板とを紫外線硬化樹脂からなる接着剤を介して重ね合わせた後に、接着剤の塗布箇所に光源から発せられる紫外光を照射させることで接着剤が硬化し、これにより有機EL素子を基板とカバー材とによって形成される気密空間内に封止してなるものが知られている。この場合、紫外光は透光性を有する石英ガラス及び基板を透過して接着剤の塗布箇所に照射されると共に、この接着剤の塗布箇所よりも内側に配設される有機EL素子にも照射されることになるが、有機EL素子に対応する基板の表面箇所には紫外光を遮蔽するための紫外線カットマスクが配設されているため、有機EL素子に照射される紫外光は石英ガラスを通過した後に紫外線カットマスクによって遮蔽され、これにより有機EL素子には紫外光が照射されないようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−319776号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の紫外線カットマスク及び封止装置の場合、紫外光が石英ガラスを透過すると共に、この石英ガラスを透過した紫外光が紫外線カットマスクによって被覆されていない接着剤の塗布箇所に照射されることで接着剤を硬化させる構成である。このように紫外光を用いて接着剤を硬化させる場合に紫外線の透過性がよく、しかも膨張率の低い材料、すなわち石英ガラスが多く採用されている。しかしながら、紫外光を透過させる材料として透明な石英ガラスを用いると、例えば石英ガラスを封止装置内に配設するもしくは取り外す場合に石英ガラスに傷等を付けやすく、また場合によっては石英ガラスを破損させてしまうことがあり、これにより石英ガラスの交換作業を余儀無くされ、封止工程における生産性,作業性を低下させてしまうという問題を有していた。また、石英ガラスは高価であって、メンテナンス費用が増大し、また石英ガラスを備えた封止装置も高価になることから有機ELパネルの製造コストも高くなってしまうといった問題点も有していた。
【0005】
本発明はこの点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、封止工程における生産性,作業性を良好にすることが可能であり、また有機ELパネルの製造コストを安価にすることが可能な紫外線カットマスク及び封止装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを紫外線硬化型接着剤を介して接合する封止装置内に配設され、前記支持基板と前記封止部材との接合部に紫外線を照射してなる照射領域部及び前記有機層への前記紫外線の照射を阻止するマスク部を有する紫外線カットマスクであって、前記照射領域部及び前記マスク部は金属材料によって一体に形成されてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記照射領域部に繋がるように前記マスク部を前記封止装置内に配設するための枠状のホルダー部を有し、前記ホルダー部,前記照射領域部及び前記マスク部を金属材料によって一体に形成してなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを、前記有機層への紫外線の照射を阻止するマスク部と前記支持基板及び前記封止部材との接合部へ前記紫外線を照射するための照射領域部とを備えた紫外線カットマスクを介して、前記接合部に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて前記支持基板と前記封止部材とを接合する封止装置であって、不活性ガス雰囲気に保つことが可能な封止室内において、前記支持基板と前記封止基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、前記重ね合わせ機構の上方に位置し前記紫外線を照射する紫外線照射装置との間に、前記照射領域部及び前記マスク部が金属材料によって一体に形成されてなる前記紫外線カットマスクを配設してなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを、前記有機層への紫外線の照射を阻止するマスク部と前記支持基板及び前記封止部材との接合部へ前記紫外線を照射するための照射領域部とを備えた紫外線カットマスクを介して、前記接合部に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて前記支持基板と前記封止部材とを接合する封止装置であって、不活性ガス雰囲気に保つことが可能な封止室内において、前記支持基板と前記封止基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、前記重ね合わせ機構の上方に位置し前記紫外線を照射する紫外線照射装置との間に、枠状のホルダー部,前記照射領域部及び前記マスク部が金属材料によって一体に形成されてなる前記紫外線カットマスクを配設してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である紫外線カットマスク及び封止装置を添付図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、封止装置Aに備えられる、透光性基板(支持基板)1と封止基板(封止部材)2とを紫外線硬化型接着剤(以下、接着剤という)を介し接合するため、両部材を重ね合わせた状態で紫外線を照射させるための封止室A1を示している。
【0012】
封止装置Aは、封止室A1に、排気ポート3を介して図示しない真空ポンプで室内が略真空状態になるように排気され、窒素導入口4から窒素が導入されることで、酸素の濃度が100ppm以下及び露点が−70℃以下の窒素室A2を設けている。
【0013】
封止装置Aは、窒素室A2の略中央に配設される透光性基板1と封止基板2とが配設される重ね合わせ機構5と、窒素室A2の上方に配設され前記接着剤に紫外線を照射する紫外線照射装置6(以下、UV照射装置という)と、UV照射装置6と重ね合わせ機構5との間に設けられる配設部7と、配設部7のホルダー部8を介して配設されUV照射装置6からの紫外線を部分的に遮断する紫外線カットマスク9(以下、UVカットマスクという)とを備えている。
【0014】
透光性基板1は、ガラス材料からなり、所定のパターンで形成される透明電極上に例えば有機ELパネルの製造装置に備えられる蒸着装置(図示しない)によって各有機層である、正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層及び背面電極を順次積層してなる有機EL素子が複数箇所に形成されており、封止工程後に透光性基板1を前記各有機EL素子ごとに分割して個々の有機ELパネルを得る、いわゆる多面取りに用いられる構成となっている。
【0015】
封止基板2は、透光性基板1上の前記各有機EL素子の形成位置に対応して前記各有機EL素子を気密的に覆うための凹部が複数形成されている。また、封止基板2には、前記有機ELパネルの製造装置に備えられ例えばX−Y−Z方向に移動可能なロボットにディスペンサが取り付けられてなる接着剤塗布装置(図示しない)によって前記凹部を取り囲むように形成される透光性基板1との接合部に前記接着剤が塗布されている。
【0016】
前記接着剤の封止基板2(前記接合部)への塗布方法としては、前記接着剤塗布の始点部と終点部が重なることで前記接着剤の塗布量が多くなる箇所が発生し、封止基板と透光性基板との接合に際して前記接着剤がはみ出すことを防止するために、前記ディスペンサが前記接着剤塗布の終点部付近に到達すると、前記接着剤が充填されているシリンジに加えられるエアー圧を弱めるとともに前記ディスペンサの持ち上げ動作を行うことで、前記終点部付近における前記接着剤の塗布量を減少させて前記始点部及び前記終点部に対応する封止基板2箇所上に前記接着剤が多く塗布されることを防止している。
【0017】
重ね合わせ機構5は、透光性基板1を配設するための第1の載置部5aと、封止基板2を配設するための第2の載置部5bと、この第2の載置部5bを例えばシリンダーからなる駆動手段によって上方に移動させる上昇機構5cとを備えている。
【0018】
また、重ね合わせ機構5は、図2に示すように、第1の載置部5aに透光性基板1の配設位置を位置決めするための位置決めピン5dと、例えばクランプからなり位置決めされた透光性基板1を上下方向に挟持することによって配設固定するための基板ホルダー5eと、透光性基板1の辺の略中央部を下方から支持する平板状の支持部5fと、を備えており、透光性基板1は位置決めピン5dに押しつけられることによって第1の載置部5aにおける配設位置に位置決めされ、基板ホルダー5eによって位置決めされた状態で固定されている。
【0019】
また、重ね合わせ機構5は、例えばシリンダーからなる駆動手段を備える挿入機構(図示しない)によって支持部5fを透光性基板1における長手方向の辺の略中央部に対応する位置に挿入し、透光性基板1の辺の略中央部を支持部5fによって下方から支持する。支持部5fは、基板ホルダー5eによって保持されない透光性基板1の辺の略中央部を支持することで、透光性基板1の中央部分が自重の影響によって撓みが生じることを抑制し、封止基板2との接合に際して前記接合部にズレが生じることを防止することが可能となる。尚、封止基板2の支持部5fと対向する箇所には凹部が形成され、透光性基板1と封止基板2とを接合させる際に支持部5fと封止基板2とが接触することを防止している。
【0020】
また、第2の載置部5bには第1の載置部5aと同様に位置決めピン(図示しない)が配設されており、封止基板2は位置決めピンに押しつけられることによって第2の載置部5bにおける配設位置に位置決めされている。
【0021】
重ね合わせ機構5は、第2の載置部5b上に位置決め配設された封止基板2が透光性基板1に対して所定圧力を付与するように上昇機構5cにより第2の載置部5bを上昇させて、封止基板2と透光性基板1とを重ね合わせるものである。
尚、重ね合わせ機構5の第2の載置部5bと封止基板2との間にはゴム等の弾性部材5gが介在されており、この弾性部材5gは第2の載置部5bの上昇により封止基板2と透光性基板1とを重ね合わせる際に、第2の載置部5bから透光性基板1及び封止基板2に過剰な圧力が付与されることを抑制する機能を有している。
【0022】
封止装置Aは、重ね合わせ機構5によって透光性基板1と封止基板2とが重ね合わされると、UV照射装置6からの紫外線をUVカットマスク9の後で詳述する照射領域部を介して前記接着剤の塗布されている透光性基板1と封止基板2との前記接合部箇所に所定時間照射させることで、両部材を接合し、気密性良く封止する。
【0023】
ホルダー部8は、図3に示すように例えば金属材料からなり、板状の平板部8aと、この平板部8aの略中央部表裏を貫通する矩形状の貫通孔8bとを有し、貫通孔8bの内壁にUVカットマスク9が配設されている。尚、8cは窒素室A2内の配設部7に設けられる位置決めピン(図示せず)に対応する位置決め孔であり、前記位置決めピンを位置決め孔8cに挿通させた状態にてホルダー部8が配設部7に配設固定されるようになっている。
【0024】
UVカットマスク9は、ホルダー部8と同材料にて形成されてなる金属材料からなり、紫外線を遮断するマスク部9aと、このマスク部9aを取り囲むメッシュ状の照射領域部9bとを有しており、マスク部9aは前記有機EL素子の形成位置に対応するように形成され、これにより前記有機EL素子(前記有機層)側への紫外線の照射を阻止している。
【0025】
また、本実施形態では図4に示すようにUVカットマスク9の外周部9cがホルダー部材8の平板部8aの内壁面8dと溶接等の適宜手段により接合されることでUVカットマスク9はホルダー部8と一体に形成されている。しかも、UVカットマスク9の厚さはホルダー部8の板厚よりも薄くなるように設定されているが、UVカットマスク9の厚さについてはホルダー部8の板厚と略同程度もしくはそれ以上に設定してもよい。
【0026】
また、照射領域部9bは図5に示すように紫外線を遮光する遮光部9dと、紫外線を透光性基板1側に照射させるための角形の開口部9eとを備えており、この場合、UVカットマスク9を形成する際に照射領域部9bの遮光部9dはマスク部9aと同材料により一体に形成されている。また、開口部9eは前記接着剤が塗布される封止基板2の前記接合部の形成位置に対応するように形成され、隣接する開口部9eの間隔Lは本実施形態の場合、約50μm以下に設定されている。
【0027】
また、UVカットマスク9は、前記有機ELパネルの機種に応じてホルダー部8に一体に形成された状態で複数のUVカットマスク9が封止装置Aに備えられるUVカットマスク保管室に保管されている。よって、UVカットマスク9の交換はホルダー部8を含んだ交換となる。
【0028】
かかる実施形態においては、少なくとも発光層を有する有機層が配設された透光性基板1と、前記有機層を覆う封止基板2とを前記接着剤を介して接合する封止装置A内に配設され、透光性基板1と封止基板2との前記接合部のみに紫外線を照射してなる照射領域部9b及び前記有機層への前記紫外線の照射を阻止するマスク部9aを有するUVカットマスク9であって、照射領域部9b及びマスク部9aは金属材料によって一体に形成されてなるものである。
【0029】
従って、従来のように傷が付きやすくまた破損しやすい石英ガラスとUVカットマスクを用いて前記接着剤に紫外線を照射させる構成を適用することなく、石英ガラスを廃止して金属材料からなるマスク部9a及び照射領域部9bを備えたUVカットマスク9のみを用いて前記接着剤に紫外線を照射させて前記接着剤を硬化させることが可能となる。このように前記接着剤に紫外線を照射させるにあたって、傷が付きやすくまた破損しやすい石英ガラスを廃止することで石英ガラスの交換作業が不要となると共に、石英ガラスよりも傷が付きにくい金属材料からなるマスク部9a及び照射領域部9bを備えたUVカットマスク9を用いることでUVカットマスク9の管理が容易となり、これにより透光性基板1と封止基板2との封止工程における作業性を良好にすることが可能になる。また、高価な石英ガラスを使用しないことからメンテナンス費用の低減し、また封止装置A自体も安価になることから有機ELパネルの製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0030】
また、照射領域部9bに繋がるようにマスク部9aを封止装置A内に配設するための枠状のホルダー部8を有し、ホルダー部8,照射領域部9b及びマスク部9aを金属材料によって一体に形成してなるものである。
【0031】
従って、 ホルダー部8の位置決め孔8cを配設部7の前記位置決めピンに挿通させるだけで一体に形成されてなるUVカットマスク9及びホルダー部8が配設部7によって配設固定されるため、UVカットマスク9を封止装置A内に容易にセットすることができ、これにより封止工程における作業効率を高めることができる。しかも、UVカットマスク9の配設位置のズレによってUVカットマスク9のマスク部9aの形成パターンと封止基板2の前記接合部とにズレが生じることを抑制し、紫外線照射装置6から発せられる紫外線が前記接合部に正確に照射されることで前記接着剤を十分に硬化させることができ、また、マスク部9aが前記有機EL素子に対応するように配設されることで紫外線が前記有機EL素子側に照射されることを阻止することが可能となる。
【0032】
また、少なくとも発光層を有する有機層が配設された透光性基板1と、前記有機層を覆う封止基板2とを、前記有機層への紫外線の照射を阻止するマスク部9aと透光性基板1及び封止基板2との前記接合部へ前記紫外線を照射するための照射領域部9bとを備えたUVカットマスク9を介して、前記接合部に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて透光性基板1と封止基板2とを接合する封止装置Aであって、不活性ガス雰囲気に保つことが可能な封止室A1内において、透光性基板1と封止基板2とを重ね合わせる重ね合わせ機構5と、重ね合わせ機構5の上方に位置し前記紫外線を照射する紫外線照射装置6との間に、枠状のホルダー部8,照射領域部9b及びマスク部9aが金属材料によって一体に形成されてなるUVカットマスク9を配設してなるものである。
【0033】
従って、ホルダー部8の位置決め孔8cを配設部7の前記位置決めピンに挿通させるだけで一体に形成されてなるUVカットマスク9及びホルダー部8が配設部7によって配設固定されるため、UVカットマスク9を封止装置A内に容易にセットすることができ、これにより封止工程における作業効率を高めることができる。しかも、UVカットマスク9の配設位置のズレによってUVカットマスク9のマスク部9aの形成パターンと封止基板2の前記接合部とにズレが生じることを抑制し、紫外線照射装置6から発せられる紫外線が前記接合部に正確に照射されることで前記接着剤を十分に硬化させることができ、また、マスク部9aが前記有機EL素子に対応するように配設されることで紫外線が前記有機EL素子側に照射されることを阻止することが可能となる。また、また、高価な石英ガラスを使用しないことからメンテナンス費用の低減し、また封止装置A自体も安価になることから有機ELパネルの製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0034】
また本実施形態では、開口部9eの形状が角形からなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、開口部9eの形状は前記接着剤が紫外線の照射により硬化されるものであれば任意の形状を適用することができ、例えば開口部9eの形状は丸形や三角形状のように設定してもよい。
【0035】
また本実施形態では、隣接する開口部9eの間隔Lが約50μm以下に設定されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、前記接着剤の種類等に応じて50μm以上に設定することも可能である。
【0036】
また本実施形態では、ホルダー部8とUVカットマスク9のマスク部9a,照射領域部9bとが同一の金属材料にて一体に形成されてなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えばホルダー部8、マスク部9a及び照射領域部9bは各々異なる金属材料にて一体に形成してもよいし、ホルダー部8、マスク部9a及び照射領域部9bのうち2つを同一の金属材料で形成し、他の1つを異なる金属材料で一体に形成してもよい。
【0037】
尚、本実施形態においては、ホルダー部材8とUVカットマスク9とが溶接等の適宜手段により一体に形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えばホルダー部材8とUVカットマスク9とは位置決めピンや取付金具等の手段により固定されるものであってもよい。
【0038】
尚、本実施形態においては、前記接着剤は、前記接着剤塗布装置によって封止基板2の前記接合部上に塗布される構成であったが、本発明は、透光性基板1上に接着剤を塗布する構成であってもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、初期の目的を達成することができ、封止工程における生産性,作業性を良好にすることが可能であり、また有機ELパネルの製造コストを安価にすることが可能な紫外線カットマスク及び封止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による封止装置に備えられる封止室を示す図。
【図2】同実施形態による重ね合わせ機構を示す図。
【図3】同実施形態によるホルダー部と紫外線カットマスクを示す図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】図3中、B部を拡大して示す図。
【符号の説明】
A 封止装置
1 支持基板(透光性基板)
2 封止基板(封止部材)
5 重ね合わせ機構
6 紫外線照射装置
7 配設部
8 ホルダー部
8a 平板部
8b 貫通孔
8c 位置決め孔
8d 内壁面
9 紫外線カットマスク
9a マスク部
9b 照射領域部
9c 外周部
9d 遮光部
9e 開口部
Claims (4)
- 少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを紫外線硬化型接着剤を介して接合する封止装置内に配設され、前記支持基板と前記封止部材との接合部に紫外線を照射してなる照射領域部及び前記有機層への前記紫外線の照射を阻止するマスク部を有する紫外線カットマスクであって、
前記照射領域部及び前記マスク部は金属材料によって一体に形成されてなることを特徴とする紫外線カットマスク。 - 前記照射領域部に接合される枠状のホルダー部を有し、前記ホルダー部,前記照射領域部及び前記マスク部を金属材料によって一体に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の紫外線カットマスク。
- 少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを、前記有機層への紫外線の照射を阻止するマスク部と前記支持基板及び前記封止部材との接合部へ前記紫外線を照射するための照射領域部とを備えた紫外線カットマスクを介して、前記接合部に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて前記支持基板と前記封止部材とを接合する封止装置であって、
不活性ガス雰囲気に保つことが可能な封止室内において、前記支持基板と前記封止基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、前記重ね合わせ機構の上方に位置し前記紫外線を照射する紫外線照射装置との間に、前記照射領域部及び前記マスク部が金属材料によって一体に形成されてなる前記紫外線カットマスクを配設してなることを特徴とする封止装置。 - 少なくとも発光層を有する有機層が配設された支持基板と、前記有機層を覆う封止部材とを、前記有機層への紫外線の照射を阻止するマスク部と前記支持基板及び前記封止部材との接合部へ前記紫外線を照射するための照射領域部とを備えた紫外線カットマスクを介して、前記接合部に塗布される紫外線硬化型接着剤に前記紫外線を照射し、前記接着剤を硬化させて前記支持基板と前記封止部材とを接合する封止装置であって、
不活性ガス雰囲気に保つことが可能な封止室内において、前記支持基板と前記封止基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、前記重ね合わせ機構の上方に位置し前記紫外線を照射する紫外線照射装置との間に、枠状のホルダー部,前記照射領域部及び前記マスク部が金属材料によって一体に形成されてなる前記紫外線カットマスクを配設してなることを特徴とする封止装置。
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