JP2004184319A - 磁気式位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁束を平均化する手段を備えた磁気式位置検出装置において、180°より広い変位角の検出を可能とする磁気式位置検出装置を提供する。さらに、異形状容器の液体残量等を計測する際にリニアな検出を可能とする位置検出装置を提供する。
【解決手段】磁気円盤11と、磁気検出素子13と、磁気円盤11および磁気検出素子13との間において、一方の端面が磁気円盤11と対向し、他方の端面が磁気検出素子13と密着するように配置されるとともに、端面形状が磁気円盤11から磁気検出素子13に向けて相似な形状で縮小する集磁器12とを設ける。さらに磁石基板311あるいは磁石円盤312に設けられた磁性部材32が平行移動する際の磁気検出素子13に対する対向面積の変化を、検出対象の位置変化特性に対応したマップ形状にて形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】磁気円盤11と、磁気検出素子13と、磁気円盤11および磁気検出素子13との間において、一方の端面が磁気円盤11と対向し、他方の端面が磁気検出素子13と密着するように配置されるとともに、端面形状が磁気円盤11から磁気検出素子13に向けて相似な形状で縮小する集磁器12とを設ける。さらに磁石基板311あるいは磁石円盤312に設けられた磁性部材32が平行移動する際の磁気検出素子13に対する対向面積の変化を、検出対象の位置変化特性に対応したマップ形状にて形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計測器、電気機器、電気機械等の回転角度量や直線移動量を検知する磁気式位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁性部材の磁気的結合の面積の変化によって回転角度を検知する装置として位置検知装置が知られている(特許文献1参照)。この位置検出装置は、ギャップを介して対向した半円形の一対のN極、S極の磁石と、この磁石と同様の構成を持つとともに磁束を均一化する磁界誘導板との相対角度変位による磁気的結合の面積変化を回転中心部の磁界変化として磁気検出素子で検出し、回転角を検出するものである。
【0003】
また、磁気信号を利用した位置、角度検出用として非接触型のポテンショメータが知られており、その構造として磁気式ポテンショメータ(特許文献2参照)、非接触磁気式計測装置(特許文献3参照)が提案されている。この非接触型のポテンショメータは一般的な抵抗接触型ポテンショメータに比べ非接触構造から耐久信頼性が高い。このため位置検出のみならずフロート等を用いて燃料タンクなどの容器内の液体残量の計測などにも広く利用されるようになってきた。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−66508号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−41768号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2001−91298号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、対向した一対のN極、S極の磁石と対向した一対の磁界誘導板を使用して回転中心で検出する構造により、最大角度検出範囲が0〜180°となってしまう問題がある。また、磁石と磁界誘導板、及びそれらのギャップが検出精度に影響することから構造の複雑化、製作の難しさの問題がある。このため一部のエンジンスロットル等に用途が限定されており、安価に製作して多くの回転部位の角度検出に利用されるものではなかった。
【0008】
また、上記特許文献2、3に記載の装置では、磁性部材と磁気検出素子との対向面積が水平移動、あるいは回転角に対し規則的な関数式で変化するように磁性体の形状が印刷され、あるいは加工されている。このため、直方体、円柱形などの容器内の液体残量のように、残量に対し変位量が比例するような状態での残量計測に対しては残量に対しリニアな出力を得ることができるものの、自動車の燃料タンクなど限定された部位に異形形状で設置される容器の液体残量などを計測する場合は、残量に対し変位が比例しないため液体残量に対しリニアな出力が得られない。この場合、ポテンショメータの検出出力(電圧出力など)を別途のマイクロコンピュータなどで計算して補正を行うか、あるいはあらかじめ記憶させておいた燃料タンク形状のマップで補完して残量を計測する必要があった。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、磁束を平均化する手段を備えた磁気式位置検出装置において、180°より広い変位角の検出を可能とする磁気式位置検出装置を提供することを目的とする。さらに、異形状容器の液体残量等を計測する際にリニアな検出を可能とする位置検出装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転可能な磁気円盤(11)と、磁気円盤の磁極から生じる磁気を検出する磁気検出素子(13)と、磁気円盤と磁気検出素子との間において、一方の端面が磁気円盤と対向し、他方の端面が磁気検出素子と密着するように配置されるとともに、端面形状が磁気円盤から磁気検出素子に向けて相似な形状で縮小する集磁器(12)とを備え、磁気円盤の集磁器及び磁気検出素子に対する相対角度を検出することを特徴としている。
【0011】
このように、端面形状が磁気円盤から磁気検出素子に向けて相似な形状で縮小する集磁器を用いることで、変位角に対する磁極の面積比に比例した磁束を平均化して磁気検出素子に誘導できるとともに、180°を超える変位角度に対し回転角度の検出が行うことができる。
【0012】
また、集磁器は対向した磁気円盤側の磁束を平均化し、磁気検出素子側へ導くことから、磁気検出素子単体時の検出可能面積以上の磁束を精度良く検出でき、位置検出を高い精度で行うことができる。このため、磁気検出素子の検出可能面積が増加するため、磁気円盤の着磁パターンを大きくすることができる。これにより、磁気円盤の加工精度を向上させることができるとともに、加工が容易になりコストを低減することができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、磁気円盤の集磁器に対向する面は、その中心から外周方向に向けてアルキメデス曲線(111)で区切られており、アルキメデス曲線で区切られた一方の領域が単極着磁され、あるいはアルキメデス曲線で区切られた双方の領域がアルキメデス曲線を境にN極およびS極とに分極着磁されていることを特徴としている。
【0014】
このように、アルキメデス曲線で区切った一方の領域を単極着磁し、あるいは双方の領域を分極着磁することで、回転角度に対して比例した磁束を得ることができ、磁気検出素子は回転角度に比例した電気信号を得る事が出来る。さらに、アルキメデス曲線を境に分極着磁した場合には、磁気検出素子にホール素子を使用した際、単極着磁の場合より高感度で磁力を検出する事ができ、高い精度で位置検出をすることができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、磁気円盤の集磁器に対向する面がアルキメデス曲線を境に分極着磁されている場合に、磁気円盤の集磁器に対する反対側の面が磁気円盤の集磁器に対向する面の着磁パターンと相対する磁極で着磁されることにより、磁気円盤が両面着磁されていることを特徴としている。
【0016】
このように、磁気円盤に両面着磁した場合には磁界の向きが磁石円盤に対して垂直になり、集磁器内を通り磁気検出素子に向かう磁束が単面着磁に比べて増加し、位置検出装置のS/N比が向上する。
【0017】
請求項4記載の発明では、集磁器は軟磁性体で構成されていることを特徴としている。このように、集磁器を磁力保持力の低いフェライト等の軟磁性体で製作することにより、残留磁束の影響を受けず感度、精度及び応答速度が向上する。
【0018】
請求項5記載の発明では、磁気検出素子における集磁器の反対面と、磁気円盤における集磁器の反対面との間に、磁性体からなる磁界誘導手段(22、23)を設けたことを特徴としている。このように、磁気検出素子の反対面から磁気円盤の反対面までに磁界誘導手段を配することで磁気閉回路を構成して集磁器内の磁束の漏れを低減できるため、検出感度が向上する。
【0019】
請求項6記載の発明では、磁界誘導手段は、磁気円盤、磁気検出素子および集磁器を収納するケースを兼ねていることを特徴としている。これにより、部品点数を削減し磁気式位置検出装置を製作することができる。
【0020】
請求項7記載の発明では、磁性部材(32)を有する磁石基板(311、312)と、磁性部材と対向するように設けられた磁気検出素子(13)とを備え、磁石基板が磁気検出素子に対して相対的に平行移動する際の、磁性部材の磁気検出素子に対向する対向面積の変化に基づいて検出対象の位置を検出する磁気式位置検出装置であって、磁性部材の形状は、磁性部材の平行移動による対向面積の変化が検出対象の位置変化特性に対応したマップ形状にて形成されていることを特徴としている。
【0021】
このように、磁性部材の平行移動による対向面積変化の割合を、あらかじめ計測した計測対象の変化特性に合わせたマップ形状とすることで、磁性部材を有する磁石基板の移動量が計測対象の変位に比例しない場合であっても、磁気検出素子の検出出力は計測対象の変化特性を加味した出力となり補正を不要とすることができる。
【0022】
請求項8記載の発明のように、磁性部材のマップ形状は、磁性部材の印刷形状により、または、単極着磁あるいは両極着磁の着磁形状により形成することができる。
【0023】
請求項9記載の発明のように、磁性部材はマップ形状を構成するマップ曲線で区切り、マップ曲線で区切られた一方の領域を単極着磁し、あるいはマップ曲線で区切られた双方の領域がマップ曲線を境にN極およびS極に分極着磁することで、マップ形状に従い磁束面積割合を変化させることができる。
【0024】
請求項10記載の発明では、請求項7ないし9のいずれか1つに記載の磁気式位置検出装置と、磁気式位置検出装置の出力信号を処理する処理回路(40)と、処理回路からの信号に基づいて検出対象の位置を表示する指示計(44)とを備えることを特徴としている。
【0025】
請求項7ないし9に記載の磁気式位置検出装置を用いた計測では、たとえ計測対象物の変化が磁気式位置検出装置の機械的な変位量に比例していなくても、磁気式位置検出装置の電気的出力は計測対象物の変化に比例した出力となる。このため、磁気式位置検出装置の電気的出力に対する補正が不要となり変位量計測システムを簡単に構成することができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した実施形態を図に基づいて説明する。
【0028】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本第1実施形態の磁気式位置検出装置(位置検出センサ)101の断面図であり、図2は磁気式位置検出装置101の分解斜視図である。
【0029】
図1、図2に示すように、位置検出装置101は、磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13、回転軸14、回路基板15、フレーム21、トップケース22、ボトムケース23、スペーサ24、Oリング25を備えている。
【0030】
磁石円盤11は、両面着磁されているとともにN極、S極に分極着磁された円盤状の磁石である。集磁器12は、一方の端面が磁石円盤11に所定間隔を設けて対向するように配置され、磁気円盤11側から得られる磁力を集約して他方の端面に密着している磁気検出素子13に導くものである。磁気検出素子13は、集磁器12における磁気円盤11の反対面に密着して配置されている。磁気検出素子13は磁電変換するものであり、磁石円盤11におけるS極、N極の面積割合に比例した値を出力する。磁気検出素子13としては、例えばホール素子または磁気抵抗素子等を用いることができる。磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13は位置検出装置101の検出部を構成している。これらについては後で詳細に説明する。
【0031】
回路基板15は、磁気検出素子13からの電気信号を増幅する電気回路が搭載されており、磁電変換された変位角に対する磁気検出素子13の出力電圧変化を増幅し、位置検出装置101の回転角信号として出力とする。
【0032】
フレーム21は、樹脂等の非磁性体の材料で製作され、集磁器12、回路基板15の固定と回転軸14の軸受けの役割を果たすとともに、磁気円盤11は、回転軸14を介して回転可能にフレーム21に支持される。集磁器12は、フレーム21における磁石円盤11の反対側に固定されている。集磁器12と磁石円盤11との間はフレーム21によって一定のギャップが保持され、非接触となっている。集磁器12の上側には、磁気検出素子13が搭載された回路基板15がフレーム21に固定されており、集磁器12は磁気検出素子13より上部から押さえつけられ固定されている。
【0033】
トップケース22は、フレーム21を上側から覆うように配置されている。トップケース22とフレーム21との間には、Oリング25が設けられている。ボトムケース23は、フレーム21を下側から覆うように配置されている。ボトムケース23と磁気円盤11との間には、スペーサ24が配置される。
【0034】
トップケース22、ボトムケース23は鉄等の強磁性体の材料で製作されている。これによりトップケース22、ボトムケース23は、回路基板15、磁気検出素子13に対して外来磁気の影響を遮断する役目を果たす。また、トップケース22、ボトムケース23は、外来磁気の影響を遮断する役目とともに磁気円盤11、集磁器12、磁気検出素子13、トップケース22、ボトムケース23を通した磁気閉回路を構成し、磁気検出素子13での平均磁力検出の精度向上の役目も持つ。トップケース22およびボトムケース23は、本発明の磁界誘導手段を構成している。
【0035】
図3は、位置検出装置101の検出部11、12、13の構成例を示す斜視図である。集磁器12及び磁気検出素子13は固定されており、磁石円盤11が集磁器12及び磁気検出素子13に対して回転軸14で相対的に回転する構造となっている。
【0036】
磁石円盤11は、両面着磁されているとともに回転中心からの距離が回転角に比例して大きくなるアルキメデス曲線111でN極112、S極113に分極着磁された磁石である。アルキメデス曲線111は計算式r=r0×a×θで表される。そして、磁石円盤11が集磁器12と相対回転することで集磁器12の底面に接する部分のN極112、S極113の磁極の面積比率が変化するようになっている。
【0037】
集磁器12は、両端面を幾何学的に相似な形で拡大あるいは縮小すると一方の端面の磁束分布が他方の端面に相似状に現れることを利用したもので、磁石円盤11側の端面の磁極面積比に比例した磁束を磁気検出素子13側の端面に集中誘導するものである。本第1実施形態の集磁器12は端面が矩形形状となっており、磁石円盤11→磁気検出素子13に向けて端面が相似な形で縮小するように構成されている。このような構成の集磁器12により、磁気円盤11側の密着面から得られる磁力の平均磁力が集約されて対面の磁気検出素子13に誘導できる。
【0038】
集磁器12として、ソフトフェライト又は低炭素鋼に代表される軟磁性体が用いられている。軟磁性体からなる集磁器12は残留磁束の影響を受けず、磁化によるヒステリシス誤差を生じない。このため、磁石円盤11の平均磁力を効率よく磁気検出素子13へ導くことができる。これにより磁気検出素子13が、より効果的に磁電変換を行うことができ、感度、精度及び応答速度が向上する。
【0039】
集磁器12は、長手方向が磁石円盤11の半径方向を向くように配置されている。このように、集磁器12が磁石円盤11の半径方向に配置され、さらに磁気検出素子13に上面で接していれば、集磁器12は底面側のN極112、S極113の平均磁力を上面に接する磁気検出素子13へ導く役目を果たす。そして、磁気検出素子13は集磁器12から導かれた平均磁力を電気信号に変換する。
【0040】
図4は、図3の構成における集磁器12および磁気検出素子13に対する磁石円盤11の相対的な回転角度と出力電圧変化の実際の測定結果を示す特性図である。図4に示すように、図3の検出構成によれば磁石円盤11の回転角度に比例した電気信号が得られ、変位角度0〜360°近くまでリニアな出力電圧を得る事が出来る。
【0041】
図5は位置検出装置101の角度検出範囲を変更した場合における磁石円盤11の着磁パターンを示しており、図5(a)は検出範囲114が0〜360°、図5(b)は検出範囲114が0〜180°、図5(c)は検出範囲114が0〜90°の場合を示している。
【0042】
図5の(a)、(b)、(c)の各アルキメデス曲線111のパターン例のように使用範囲に応じた着磁パターンとすることは角度位置検出範囲114において最大の磁極割合変化を得る事が出来るため、使用する角度検出範囲114が狭くなっても精度誤差の影響を受けず好適な方法である。なお、図5(a)〜(c)で示した3例以外にも検出範囲114に応じて任意の角度のアルキメデス曲線111のパターンとしても良いことは言うまでもない。
【0043】
以上、本第1実施形態の位置検出装置101のように、端面形状が磁気円盤11から磁気検出素子13に向けて相似な形状で縮小する集磁器12を用いることで、変位角に対する磁極の面積比に比例した平均磁力を集約して磁気検出素子13に誘導できるとともに、180°を超えて360°近くまでの変位角度に対し回転角度の検出が行うことができる。また、磁気円盤11における磁石の極をアルキメデス曲線111で区切ることで、リニアな出力を得ることができる。
【0044】
また、集磁器12を用いることで、磁気検出素子13の磁気検出面積が増加したことと同等になり、集磁器12を使わない同方式の磁気式位置検出装置に比べ、位置検出素子13の検出精度を向上させることができる。さらに、磁気検出素子13の検出可能面積が増加することで、磁気円盤11の着磁パターンを大きくすることができる。これにより、磁気円盤11の加工精度を向上させることができるとともに、加工が容易になり安価にできる。
【0045】
また、磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13のセンシング部に対し、トップケース22、ボトムケース23からなる磁界誘導手段によって磁気閉回路を構成することにより磁束の漏れを低減でき、検出感度を向上させて高精度とすることができる。また、ケース22、23を用いて磁気閉回路を構成することで部品点数を削減でき、構造も比較的簡単にでき安価に提供できるという効果も奏する。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6、図7に基づいて説明する。本第2実施形態は、位置検出装置を燃料タンク内の燃料残量を計測する燃料残量計として適用した例である。
【0047】
図6は、第2実施形態の位置検出装置を磁気式位置検出装置64として燃料タンク61内に組み込んだ燃料残量計の構成例を示す。図6に示すように、燃料タンク61上部には磁気式位置検出装置64が取り付けられている。磁気式位置検出装置64の回転軸上にはアーム63の一端側がシャフト65を介して固定されている。アーム63の回転により、シャフト65も同角度回転する。
【0048】
アーム63の他端側にはフロート62が回転可能な形で接続されており、フロート62は燃料タンク61内の燃料の液面で浮いている。フロート62の位置が液面変動によって移動するとアーム63の角度が変わり、シャフト65が同角度回転する。シャフト65の回転角度から磁気式位置検出装置64が角度に応じた電気信号を出力し、この電気信号を燃料の液面高さとみなして燃料タンク61内の液残量を検出している。
【0049】
図7は磁気式位置検出装置64の構成を示しており、図7(a)は磁気式位置検出装置64の平面図、図7(b)は磁気式位置検出装置64の断面図である。図7に示すように、磁気式位置検出装置64では、軸を中心に回転可能な磁石円盤641がシャフト65に固定されている。センサハウジングに固定された集磁器642と回路基板644、および回路基板644に固定されたホール素子(磁気検出素子)643によって位置検出装置の検出部を構成している。
【0050】
燃料の液面高さによって回転するアーム63の回転によってシャフト65が回転し、シャフト65に固定された磁石円盤641がアーム63の変動に合わせて同角度回転する。集磁器642の磁石円盤641に接する面の磁極割合が角度に比例して合わせて増減し、ホール素子643にて平均磁力を検出している。回路基板644にて磁電変換を行い角度に応じた電気信号を得ている。
【0051】
以上の磁気式位置検出装置64の構成により、燃料タンク61内の液面高さを検出でき、液残量を検出することができる。
【0052】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図8、図9に基づいて説明する。本第3実施形態は、位置検出装置を車両エンジンにおける吸気バルブ制御用アクチュエータ内に組み込んだ例である。
【0053】
図8は、位置検出装置を吸気バルブ制御用アクチュエータ内に組み込んだ構成例を示している。ハウジング56内にはアクチュエータ本体をなすモータおよびギア機構57等が格納されている。ギア機構57は、モータの回転動力を第1ギア574を経て第2ギア575に伝達する構造になっている。第2ギア575は、円盤状のベース部59の外周端面にベース部59と同軸になるように形成されている。また、ベース部59の外周端面には、第2ギア575の他、取り付け用の円弧状の凹部591に円弧状の磁石円盤54が嵌め込まれている。
【0054】
磁石円盤54と対向して検出部ベース55が設けられており、検出部ベース55にはホール素子551と集磁器552が設けられている。ホール素子551は、集磁器552を検出部ベース55内に固定する形で、検出部ベース55に固定される。ホール素子551は、検出部ベース55に対して平行に固定される。
【0055】
図9は、本第3実施形態の位置検出装置の検出部54、551、552の拡大図である。磁石円盤54は円弧形状に形成され、着磁の際にアルキメデス曲線111でN極112とS極113が区切られている。集磁器552は、磁石54の半径方向(ベース部59の中心軸とホール素子551の中心とを結ぶ線)に対して長手方向が平行となるように配置される。ホール素子551は、感磁面が集磁器552に密着するように配置されている。
【0056】
このような検出構成により、集磁器552は磁石円盤54に接する部分における磁石54の平均磁力を均等にホール素子551に接する面から放出する。平均磁力が均等に放出されるため、ホール素子551が集磁器552に密着していればホール素子551の位置に関係なく検出誤差を受けなくなり、リニアで精度の良く回転位置を検出する事が可能となる。
【0057】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図10〜図14に基づいて説明する。本第4実施形態は、位置検出装置を異形状のタンクの残量を測定する燃料タンク残量計測システムに適用した例である。本第4実施形態では、位置検出装置の磁気パターン形状をマップ補正することにより、異形状タンクにおける位置検出装置の出力をリニア出力にする。
【0058】
図10は、第4実施形態の位置検出装置104を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示している。図10に示すように、燃料タンク残量計測システムは、フロート43、回路基板40、指示計44、位置検出装置104を備えている。位置検出装置104は、磁石基板311、磁性体32、磁気検出素子13から構成されている。
【0059】
フロート43は、異形燃料タンク41の残燃料42の液面に浮かんでおり、残燃料42の液面変化により上下方向に移動する。異形燃料タンク41は、下部が狭く上部が広い形状となっている。このため、フロート43の移動量は、タンク41の下部と上部とで異なる。なお、フロート43の移動に伴う磁石基板311の移動方向をA、異形燃料タンク41の狭部範囲をL1、広部範囲をL2で表している。
【0060】
次に、位置検出装置104による燃料残量の計測方法について説明する。まず、残燃料42の液面でフロート43が上下方向に移動すると、位置検出装置104の磁石基板311に着磁されている磁性体32が磁気検出素子13に対してA方向に平行移動する。これにより、磁性体32と磁気検出素子13の対向面積が変化する。磁気検出素子13は相応のセンサ出力を位置検出装置104の検出出力として回路基板40に与え、回路基板40はセンサ出力を増幅し指示計44にて燃料残量が表示される。
【0061】
図11は、本第4実施形態の位置検出装置104の斜視図である。図12に示すように、位置検出装置104内の磁石基板311には磁性体32が所定のパターンで形成されている。磁性体32の着磁の形成は、磁石基板311の移動方向Aと平行であって、磁気検出素子13の中心線に対し左右対称に形成するのが好ましい。
【0062】
次に、磁性体32の着磁パターンを図12、図13に基づいて説明する。
【0063】
図12は、異形燃料タンク41の燃料残量と磁性体32の平行移動量との関係を示す特性図である。図12に示すように、異形燃料タンク41の狭部範囲L1では、磁性体32の平行移動量に対する燃料残量の変化が比較的小さく、広部範囲L2では、磁性体32の平行移動量に対する燃料残量の変化が比較的大きい。
【0064】
変位に対しリニア(比例)な出力を得る従来の磁気式ポテンショメータ等では、多くの場合に指示計44が回路出力に対し比例した指示値を示すようになっている。このため、液面変化により燃料残量を検出する場合、回路基板40はあらかじめ計測しておいた異形燃料タンク41の形状に従いマイクロコンピュータなどで計算し、又は記憶メモリのマップから残量補正する必要があった。
【0065】
図13は、本第4実施形態の磁性体32における磁気検出素子13に対向する部位の面積と磁性体32の平行移動量との関係を示す特性図である。図13に示すように、燃料残量の変化、すなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化して磁性体32の面積変化を燃料残量の変化に対応させている。具体的には、図12で示した燃料残量と磁性体32の平行移動量との関係から、燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2における燃料残量に対応するように磁性体32の狭部の磁性体マップM1、広部の磁性体マップM2として、燃料タンク41の形状を磁性体32の面積にマップ化している。
【0066】
図11に戻り、磁性部材32には、上記図13の平行移動量と磁性体面積とのマップに従い、異形燃料タンク41の狭部マップ範囲M1間は比較的狭い広がりで、広部マップ範囲M2間は比較的広い広がりの異形燃料タンク41の固有特性にマップ化され着磁した磁性体32が形成されている。これにより、異形燃料タンク41の形状特性を磁性体32の面積として変換し、燃料残量の変化と磁性体面積を対応させることができる。
【0067】
図14は、本第4実施形態の位置検出装置104における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。位置検出装置104の磁気検出素子13は、着磁された磁性体32との対向面積に比例した値を出力する。このため本第4実施形態の位置検出装置104のセンサ出力は、図14に示すように、異形燃料タンク41の形状(固有特性)に対応した磁性体32の形状に従い、異形燃料タンク41の形状を補正した出力となる。これにより、位置検出装置104は、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2においても残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。
【0068】
この結果、図10に示した回路基板40では、計算又はマップにて残量補正をする必要がない。従って、簡便かつ最小の回路構成で指示計44にて燃料残量を表示することができ、異形燃料タンク41における燃料残量表示システムを簡便に安価に構成することができる。このように、異形燃料タンク41の残燃料計測のような計測において、あらかじめ位置検出装置内の磁性体32を計測対象の特性に合わせたマップ形状に着磁することでリニアな出力を得ることができる。これにより、センサ出力の補正の必要がなく、その後の回路を大幅に簡略化することができる。
【0069】
また、本第4実施形態の位置検出装置104における磁石基板311の磁性体32は、多くの場合において磁石基板311上の磁性体32に単極、あるいは両極着磁の処理を行う製法で製作されている。このため着磁処理において従来の規則的な広がり(平行移動に比例した広がり)から、異形燃料タンク41の固有特性に合わせたマップ形状の着磁処理に変更するだけで良く、製作工程を変更することなく容易に実施することができる。従って、複雑な形状の異形タンク41にも、容易に対応することができる。
【0070】
さらに、本第4実施形態の位置検出装置104の磁性体32は、検出形状となるよう磁石基板311上に磁性体32を印刷塗布し乾燥硬化した後に着磁の処理を行う製法でも製作できる。この場合においても磁性体32の印刷塗布で異形燃料タンク41の固有特性に合わせたマップ形状で印刷して磁性体32を全面着磁すれば良く、製作工程を変更することなく容易に実施することができる。
【0071】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図15〜図22に基づいて説明する。本第5実施形態は、位置検出装置を異形状のタンクの残量を測定する燃料タンク残量計測システムに適用した例である。本第5実施形態では、上記第4実施形態と比較して、位置検出装置が角度検出機構に構成されている点が異なる。上記第4実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
図15は、本第5実施形態になる位置検出装置105を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示す概念図であり、図15(a)は左側面図、図15(b)は正面図である。図15に示すように、本第5実施形態の位置検出装置105は角度検出機構を有している。具体的には、残燃料42の液面におけるフロート43の上下移動によりロッド45が回転することで位置検出装置105のシャフトが回転し、位置検出装置105が変位角相応のセンサ出力を出力し回路基板40で増幅し指示計44にて表示する。
【0073】
図16は、本第5実施形態の位置検出装置105の斜視図である。図16に示すように、本第5実施形態の位置検出装置105は、回転軸14、磁性体32が形成された磁石円盤312、磁気検出素子13から構成されている。磁気検出素子13は、磁性体32に対して平行かつ対向して配置されている。回転軸14の回転により磁石円盤312が回転し、それに伴い磁性体32が磁気検出素子13と平行に回転する。これにより、磁気検出素子13と磁性体32との対向面積が変化するため、この面積変化を磁気検出素子13がセンサ出力として出力し、位置検出装置105の出力を得るようになっている。
【0074】
次に、磁性体32の着磁パターンを図17、図18に基づいて説明する。
【0075】
図17は、異形燃料タンク41の燃料残量と磁石円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図17においても、上記第4実施形態の図12の場合と同様、異形燃料タンク41の狭部範囲L1間は変位角に対する残量の変化が比較的小さく、また広部範囲L2間は変位角に対し残量の変化が比較的大きくなっている。そこで第5実施形態の位置検出装置105においても第4実施形態と同様に磁性体面積マップ化を実施する。
【0076】
図18は、本第5実施形態の磁性体32における磁気検出素子13に対向する部位の面積と磁石円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図18に示すように、上記第4実施形態と同様、燃料残量の変化、ずなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化して磁性体32の面積変化を燃料残量の変化に対応させており、異形燃料タンク41の固有特性を磁性体32の面積として変換した推定計算値を示している。具体的には、図17の変位角と燃料残量の関係から、位置検出装置105内の磁性体32の形状を狭部マップ範囲M1、広部マップ範囲M2等に磁性体32の面積としてマップ化している。
【0077】
図16に戻り、本第5実施形態の位置検出装置105内の磁石円盤312には、図18の変位角と磁性体32の面積のマップに従い、磁気検出素子13の中心を起点とした円周線33を基準にして、異形燃料タンク41の狭部マップ範囲M1間は比較的狭い広がりで、広部マップ範囲M2間は比較的広い広がりの異形燃料タンク41の固有特性にマップ化された磁性体32が着磁されている。
【0078】
図19は、本第5実施形態の位置検出装置104における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。図19に示すように、位置検出装置105のセンサ出力は、異形燃料タンク41の形状(固有特性)に対応した磁性体32の形状に従い、異形燃料タンク41の形状(固有の特性)を補正した出力となる。これにより、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2においても残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。
【0079】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図20〜図22に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第5実施形態に比較して、位置検出装置105内の磁性体32が両極着磁方式で構成されている点が異なるものである。上記第5実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図20は本第6実施形態の位置検出装置106の斜視図であり、図21は位置検出装置106の磁気円盤312の平面図である。図20、図21に示すように、本第6実施形態の磁石円盤312には、N極112、S極113の両極が分極着磁されている。
【0081】
図22は、本第6実施形態の磁気円盤312おけるN極112、S極113の磁極比率と磁気円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図22に示すように、本第6実施形態の磁気円盤312では、燃料残量の変化、ずなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化してN極112、S極113の相対割合(形状)を燃料残量の変化に対応させており、異形燃料タンク41の固有特性を磁気円盤312の磁極比率として変換した推測計算値を示している。具体的には、上記第5実施形態における図17の変位角と燃料残量の関係から、両極着磁方式のN極112、S極113の磁極比率を狭部マップ範囲M1、広部マップ範囲M2等によりマップ化している。
【0082】
図21に戻り、本第5実施形態の磁石円盤312におけるN極112、S極113の着磁は、回転軸14を中心に磁石円盤312の半径方向に、図22の変位角に対するN極112、S極113の磁極比率のマップに従い実施する。図21に示すように、変位角に比例出力する従来の位置検出装置に多く採用されている規則的に広がる規則線34と比較すると、N極112、S極113の磁極比率が異形燃料タンク41の固有特性に従ってマップ形状に変化していることが理解できる。
【0083】
以上のように、本第6実施形態においても、N極112、S極113の半径方向の着磁割合が変位角に添って異形燃料タンク41のマップ形状となっている。このため、N極112、S極113の磁極比率を出力とする磁気検出素子13のセンサ出力は、異形燃料タンク41の固有特性に従って形成されたN極112、S極113の着磁パターンにより、異形燃料タンク41の形状(固有の特性)を補正した出力となる。
【0084】
このように、本第6実施形態の構成においても、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2で残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。従って、回路基板40での計算、マップによる補正を行うことなく指示器44で燃料残量を表示することができる。
【0085】
(他の実施形態)
なお、上記第2実施形態では本発明の位置検出装置を燃料残量計に適用し、上記第3実施形態では吸気バルブ制御用アクチュエータに適用したが、これらに限らず、位置検出を必要とするどのような装置にも使用可能であり、上記2例に限られないことは言うまでもない。
【0086】
また、上記第4、第5実施形態では、位置検出装置104、105を異形燃料タンク41の残燃料42の計測に用いた場合について説明したが、計測対象が異形の形状などから固有の特性を持ち、位置検出装置で計測するものならどのような計測対象であっても良く、異形燃料タンク41の残燃料42の計測に限られないことは言うまでもない。
【0087】
また、上記第1〜第3実施形態の位置検出装置で設けられた集磁器12、642、552を、上記第4〜第6実施形態における磁性体の着磁パターンをマップ形状とした位置検出装置に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における位置検出装置の断面図である。
【図2】第1実施形態の位置検出装置の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の位置検出装置の検出部の構成例を示す斜視図である。
【図4】集磁器および磁気検出素子に対する磁石円盤の相対的な回転角度と出力電圧変化の実際の測定結果を示す特性図である。
【図5】第1実施形態において回転角度検出範囲を変更した場合の磁気円盤の平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における燃料タンク残量計を備える燃料タンクの部分断面側面図である。
【図7】(a)は第2実施形態の位置検出センサの平面図、(b)は断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態におけるアクチュエータの部分断面側面図である。
【図9】図8の位置検出装置の検出部の拡大図である。
【図10】本発明の第4実施形態における燃料タンク残量計測システムの構成を示す概念図である。
【図11】図10の位置検出装置104の斜視図である。
【図12】第4実施形態の異形燃料タンクの燃料残量と磁性体の平行移動量との関係を示す特性図である。
【図13】第4実施形態の磁性体における磁気検出素子に対向する部位の面積と磁性体の平行移動量との関係を示す特性図である。
【図14】第4実施形態の位置検出装置における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。
【図15】本発明の第5実施形態による位置検出装置を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示す概念図である。
【図16】第5実施形態の位置検出装置の斜視図である。
【図17】第5実施形態の異形燃料タンクの燃料残量と磁石円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【図18】第5実施形態の磁性体における磁気検出素子に対向する部位の面積と磁石円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【図19】第5実施形態の位置検出装置における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。
【図20】第6実施形態の位置検出装置106の斜視図である。
【図21】第6実施形態の位置検出装置の磁気円盤の平面図である。
【図22】第6実施形態の磁気円盤おけるN極、S極の磁極比率と磁気円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
101…第1実施形態の位置検出装置、104…第4実施形態の位置検出装置、105…第5実施形態の位置検出装置、106…第6実施形態の位置検出装置、11…磁石円盤、111…アルキメデス曲線、112…N極、113…S極、114…検出範囲、12…集磁器、13…磁気検出素子、14…回転軸、15…回路基板、21…フレーム、22…トップケース、23…ボトムケース、24…スペーサ、25…Oリング、311…磁石基板、312…磁石円盤、32…磁性体、33…円周線、34…規則線、40…回路基板、41…異形燃料タンク、42…残燃料、43…フロート、44…指示計、45…ロッド、54…磁石円盤(円弧状)、55…検出部ベース、551…ホール素子、552…集磁器、56…ハウジング、57…ギア機構、574…第1ギア、575…第2ギア、59…ベース部、591…凹部、61…燃料タンク、62…フロート、63…アーム、64…磁気式位置検出センサ、641…磁石円盤、642…集磁器、643…ホール素子、644…回路基板、65…シャフト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、計測器、電気機器、電気機械等の回転角度量や直線移動量を検知する磁気式位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁性部材の磁気的結合の面積の変化によって回転角度を検知する装置として位置検知装置が知られている(特許文献1参照)。この位置検出装置は、ギャップを介して対向した半円形の一対のN極、S極の磁石と、この磁石と同様の構成を持つとともに磁束を均一化する磁界誘導板との相対角度変位による磁気的結合の面積変化を回転中心部の磁界変化として磁気検出素子で検出し、回転角を検出するものである。
【0003】
また、磁気信号を利用した位置、角度検出用として非接触型のポテンショメータが知られており、その構造として磁気式ポテンショメータ(特許文献2参照)、非接触磁気式計測装置(特許文献3参照)が提案されている。この非接触型のポテンショメータは一般的な抵抗接触型ポテンショメータに比べ非接触構造から耐久信頼性が高い。このため位置検出のみならずフロート等を用いて燃料タンクなどの容器内の液体残量の計測などにも広く利用されるようになってきた。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−66508号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−41768号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2001−91298号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、対向した一対のN極、S極の磁石と対向した一対の磁界誘導板を使用して回転中心で検出する構造により、最大角度検出範囲が0〜180°となってしまう問題がある。また、磁石と磁界誘導板、及びそれらのギャップが検出精度に影響することから構造の複雑化、製作の難しさの問題がある。このため一部のエンジンスロットル等に用途が限定されており、安価に製作して多くの回転部位の角度検出に利用されるものではなかった。
【0008】
また、上記特許文献2、3に記載の装置では、磁性部材と磁気検出素子との対向面積が水平移動、あるいは回転角に対し規則的な関数式で変化するように磁性体の形状が印刷され、あるいは加工されている。このため、直方体、円柱形などの容器内の液体残量のように、残量に対し変位量が比例するような状態での残量計測に対しては残量に対しリニアな出力を得ることができるものの、自動車の燃料タンクなど限定された部位に異形形状で設置される容器の液体残量などを計測する場合は、残量に対し変位が比例しないため液体残量に対しリニアな出力が得られない。この場合、ポテンショメータの検出出力(電圧出力など)を別途のマイクロコンピュータなどで計算して補正を行うか、あるいはあらかじめ記憶させておいた燃料タンク形状のマップで補完して残量を計測する必要があった。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、磁束を平均化する手段を備えた磁気式位置検出装置において、180°より広い変位角の検出を可能とする磁気式位置検出装置を提供することを目的とする。さらに、異形状容器の液体残量等を計測する際にリニアな検出を可能とする位置検出装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転可能な磁気円盤(11)と、磁気円盤の磁極から生じる磁気を検出する磁気検出素子(13)と、磁気円盤と磁気検出素子との間において、一方の端面が磁気円盤と対向し、他方の端面が磁気検出素子と密着するように配置されるとともに、端面形状が磁気円盤から磁気検出素子に向けて相似な形状で縮小する集磁器(12)とを備え、磁気円盤の集磁器及び磁気検出素子に対する相対角度を検出することを特徴としている。
【0011】
このように、端面形状が磁気円盤から磁気検出素子に向けて相似な形状で縮小する集磁器を用いることで、変位角に対する磁極の面積比に比例した磁束を平均化して磁気検出素子に誘導できるとともに、180°を超える変位角度に対し回転角度の検出が行うことができる。
【0012】
また、集磁器は対向した磁気円盤側の磁束を平均化し、磁気検出素子側へ導くことから、磁気検出素子単体時の検出可能面積以上の磁束を精度良く検出でき、位置検出を高い精度で行うことができる。このため、磁気検出素子の検出可能面積が増加するため、磁気円盤の着磁パターンを大きくすることができる。これにより、磁気円盤の加工精度を向上させることができるとともに、加工が容易になりコストを低減することができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、磁気円盤の集磁器に対向する面は、その中心から外周方向に向けてアルキメデス曲線(111)で区切られており、アルキメデス曲線で区切られた一方の領域が単極着磁され、あるいはアルキメデス曲線で区切られた双方の領域がアルキメデス曲線を境にN極およびS極とに分極着磁されていることを特徴としている。
【0014】
このように、アルキメデス曲線で区切った一方の領域を単極着磁し、あるいは双方の領域を分極着磁することで、回転角度に対して比例した磁束を得ることができ、磁気検出素子は回転角度に比例した電気信号を得る事が出来る。さらに、アルキメデス曲線を境に分極着磁した場合には、磁気検出素子にホール素子を使用した際、単極着磁の場合より高感度で磁力を検出する事ができ、高い精度で位置検出をすることができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、磁気円盤の集磁器に対向する面がアルキメデス曲線を境に分極着磁されている場合に、磁気円盤の集磁器に対する反対側の面が磁気円盤の集磁器に対向する面の着磁パターンと相対する磁極で着磁されることにより、磁気円盤が両面着磁されていることを特徴としている。
【0016】
このように、磁気円盤に両面着磁した場合には磁界の向きが磁石円盤に対して垂直になり、集磁器内を通り磁気検出素子に向かう磁束が単面着磁に比べて増加し、位置検出装置のS/N比が向上する。
【0017】
請求項4記載の発明では、集磁器は軟磁性体で構成されていることを特徴としている。このように、集磁器を磁力保持力の低いフェライト等の軟磁性体で製作することにより、残留磁束の影響を受けず感度、精度及び応答速度が向上する。
【0018】
請求項5記載の発明では、磁気検出素子における集磁器の反対面と、磁気円盤における集磁器の反対面との間に、磁性体からなる磁界誘導手段(22、23)を設けたことを特徴としている。このように、磁気検出素子の反対面から磁気円盤の反対面までに磁界誘導手段を配することで磁気閉回路を構成して集磁器内の磁束の漏れを低減できるため、検出感度が向上する。
【0019】
請求項6記載の発明では、磁界誘導手段は、磁気円盤、磁気検出素子および集磁器を収納するケースを兼ねていることを特徴としている。これにより、部品点数を削減し磁気式位置検出装置を製作することができる。
【0020】
請求項7記載の発明では、磁性部材(32)を有する磁石基板(311、312)と、磁性部材と対向するように設けられた磁気検出素子(13)とを備え、磁石基板が磁気検出素子に対して相対的に平行移動する際の、磁性部材の磁気検出素子に対向する対向面積の変化に基づいて検出対象の位置を検出する磁気式位置検出装置であって、磁性部材の形状は、磁性部材の平行移動による対向面積の変化が検出対象の位置変化特性に対応したマップ形状にて形成されていることを特徴としている。
【0021】
このように、磁性部材の平行移動による対向面積変化の割合を、あらかじめ計測した計測対象の変化特性に合わせたマップ形状とすることで、磁性部材を有する磁石基板の移動量が計測対象の変位に比例しない場合であっても、磁気検出素子の検出出力は計測対象の変化特性を加味した出力となり補正を不要とすることができる。
【0022】
請求項8記載の発明のように、磁性部材のマップ形状は、磁性部材の印刷形状により、または、単極着磁あるいは両極着磁の着磁形状により形成することができる。
【0023】
請求項9記載の発明のように、磁性部材はマップ形状を構成するマップ曲線で区切り、マップ曲線で区切られた一方の領域を単極着磁し、あるいはマップ曲線で区切られた双方の領域がマップ曲線を境にN極およびS極に分極着磁することで、マップ形状に従い磁束面積割合を変化させることができる。
【0024】
請求項10記載の発明では、請求項7ないし9のいずれか1つに記載の磁気式位置検出装置と、磁気式位置検出装置の出力信号を処理する処理回路(40)と、処理回路からの信号に基づいて検出対象の位置を表示する指示計(44)とを備えることを特徴としている。
【0025】
請求項7ないし9に記載の磁気式位置検出装置を用いた計測では、たとえ計測対象物の変化が磁気式位置検出装置の機械的な変位量に比例していなくても、磁気式位置検出装置の電気的出力は計測対象物の変化に比例した出力となる。このため、磁気式位置検出装置の電気的出力に対する補正が不要となり変位量計測システムを簡単に構成することができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した実施形態を図に基づいて説明する。
【0028】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本第1実施形態の磁気式位置検出装置(位置検出センサ)101の断面図であり、図2は磁気式位置検出装置101の分解斜視図である。
【0029】
図1、図2に示すように、位置検出装置101は、磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13、回転軸14、回路基板15、フレーム21、トップケース22、ボトムケース23、スペーサ24、Oリング25を備えている。
【0030】
磁石円盤11は、両面着磁されているとともにN極、S極に分極着磁された円盤状の磁石である。集磁器12は、一方の端面が磁石円盤11に所定間隔を設けて対向するように配置され、磁気円盤11側から得られる磁力を集約して他方の端面に密着している磁気検出素子13に導くものである。磁気検出素子13は、集磁器12における磁気円盤11の反対面に密着して配置されている。磁気検出素子13は磁電変換するものであり、磁石円盤11におけるS極、N極の面積割合に比例した値を出力する。磁気検出素子13としては、例えばホール素子または磁気抵抗素子等を用いることができる。磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13は位置検出装置101の検出部を構成している。これらについては後で詳細に説明する。
【0031】
回路基板15は、磁気検出素子13からの電気信号を増幅する電気回路が搭載されており、磁電変換された変位角に対する磁気検出素子13の出力電圧変化を増幅し、位置検出装置101の回転角信号として出力とする。
【0032】
フレーム21は、樹脂等の非磁性体の材料で製作され、集磁器12、回路基板15の固定と回転軸14の軸受けの役割を果たすとともに、磁気円盤11は、回転軸14を介して回転可能にフレーム21に支持される。集磁器12は、フレーム21における磁石円盤11の反対側に固定されている。集磁器12と磁石円盤11との間はフレーム21によって一定のギャップが保持され、非接触となっている。集磁器12の上側には、磁気検出素子13が搭載された回路基板15がフレーム21に固定されており、集磁器12は磁気検出素子13より上部から押さえつけられ固定されている。
【0033】
トップケース22は、フレーム21を上側から覆うように配置されている。トップケース22とフレーム21との間には、Oリング25が設けられている。ボトムケース23は、フレーム21を下側から覆うように配置されている。ボトムケース23と磁気円盤11との間には、スペーサ24が配置される。
【0034】
トップケース22、ボトムケース23は鉄等の強磁性体の材料で製作されている。これによりトップケース22、ボトムケース23は、回路基板15、磁気検出素子13に対して外来磁気の影響を遮断する役目を果たす。また、トップケース22、ボトムケース23は、外来磁気の影響を遮断する役目とともに磁気円盤11、集磁器12、磁気検出素子13、トップケース22、ボトムケース23を通した磁気閉回路を構成し、磁気検出素子13での平均磁力検出の精度向上の役目も持つ。トップケース22およびボトムケース23は、本発明の磁界誘導手段を構成している。
【0035】
図3は、位置検出装置101の検出部11、12、13の構成例を示す斜視図である。集磁器12及び磁気検出素子13は固定されており、磁石円盤11が集磁器12及び磁気検出素子13に対して回転軸14で相対的に回転する構造となっている。
【0036】
磁石円盤11は、両面着磁されているとともに回転中心からの距離が回転角に比例して大きくなるアルキメデス曲線111でN極112、S極113に分極着磁された磁石である。アルキメデス曲線111は計算式r=r0×a×θで表される。そして、磁石円盤11が集磁器12と相対回転することで集磁器12の底面に接する部分のN極112、S極113の磁極の面積比率が変化するようになっている。
【0037】
集磁器12は、両端面を幾何学的に相似な形で拡大あるいは縮小すると一方の端面の磁束分布が他方の端面に相似状に現れることを利用したもので、磁石円盤11側の端面の磁極面積比に比例した磁束を磁気検出素子13側の端面に集中誘導するものである。本第1実施形態の集磁器12は端面が矩形形状となっており、磁石円盤11→磁気検出素子13に向けて端面が相似な形で縮小するように構成されている。このような構成の集磁器12により、磁気円盤11側の密着面から得られる磁力の平均磁力が集約されて対面の磁気検出素子13に誘導できる。
【0038】
集磁器12として、ソフトフェライト又は低炭素鋼に代表される軟磁性体が用いられている。軟磁性体からなる集磁器12は残留磁束の影響を受けず、磁化によるヒステリシス誤差を生じない。このため、磁石円盤11の平均磁力を効率よく磁気検出素子13へ導くことができる。これにより磁気検出素子13が、より効果的に磁電変換を行うことができ、感度、精度及び応答速度が向上する。
【0039】
集磁器12は、長手方向が磁石円盤11の半径方向を向くように配置されている。このように、集磁器12が磁石円盤11の半径方向に配置され、さらに磁気検出素子13に上面で接していれば、集磁器12は底面側のN極112、S極113の平均磁力を上面に接する磁気検出素子13へ導く役目を果たす。そして、磁気検出素子13は集磁器12から導かれた平均磁力を電気信号に変換する。
【0040】
図4は、図3の構成における集磁器12および磁気検出素子13に対する磁石円盤11の相対的な回転角度と出力電圧変化の実際の測定結果を示す特性図である。図4に示すように、図3の検出構成によれば磁石円盤11の回転角度に比例した電気信号が得られ、変位角度0〜360°近くまでリニアな出力電圧を得る事が出来る。
【0041】
図5は位置検出装置101の角度検出範囲を変更した場合における磁石円盤11の着磁パターンを示しており、図5(a)は検出範囲114が0〜360°、図5(b)は検出範囲114が0〜180°、図5(c)は検出範囲114が0〜90°の場合を示している。
【0042】
図5の(a)、(b)、(c)の各アルキメデス曲線111のパターン例のように使用範囲に応じた着磁パターンとすることは角度位置検出範囲114において最大の磁極割合変化を得る事が出来るため、使用する角度検出範囲114が狭くなっても精度誤差の影響を受けず好適な方法である。なお、図5(a)〜(c)で示した3例以外にも検出範囲114に応じて任意の角度のアルキメデス曲線111のパターンとしても良いことは言うまでもない。
【0043】
以上、本第1実施形態の位置検出装置101のように、端面形状が磁気円盤11から磁気検出素子13に向けて相似な形状で縮小する集磁器12を用いることで、変位角に対する磁極の面積比に比例した平均磁力を集約して磁気検出素子13に誘導できるとともに、180°を超えて360°近くまでの変位角度に対し回転角度の検出が行うことができる。また、磁気円盤11における磁石の極をアルキメデス曲線111で区切ることで、リニアな出力を得ることができる。
【0044】
また、集磁器12を用いることで、磁気検出素子13の磁気検出面積が増加したことと同等になり、集磁器12を使わない同方式の磁気式位置検出装置に比べ、位置検出素子13の検出精度を向上させることができる。さらに、磁気検出素子13の検出可能面積が増加することで、磁気円盤11の着磁パターンを大きくすることができる。これにより、磁気円盤11の加工精度を向上させることができるとともに、加工が容易になり安価にできる。
【0045】
また、磁石円盤11、集磁器12、磁気検出素子13のセンシング部に対し、トップケース22、ボトムケース23からなる磁界誘導手段によって磁気閉回路を構成することにより磁束の漏れを低減でき、検出感度を向上させて高精度とすることができる。また、ケース22、23を用いて磁気閉回路を構成することで部品点数を削減でき、構造も比較的簡単にでき安価に提供できるという効果も奏する。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6、図7に基づいて説明する。本第2実施形態は、位置検出装置を燃料タンク内の燃料残量を計測する燃料残量計として適用した例である。
【0047】
図6は、第2実施形態の位置検出装置を磁気式位置検出装置64として燃料タンク61内に組み込んだ燃料残量計の構成例を示す。図6に示すように、燃料タンク61上部には磁気式位置検出装置64が取り付けられている。磁気式位置検出装置64の回転軸上にはアーム63の一端側がシャフト65を介して固定されている。アーム63の回転により、シャフト65も同角度回転する。
【0048】
アーム63の他端側にはフロート62が回転可能な形で接続されており、フロート62は燃料タンク61内の燃料の液面で浮いている。フロート62の位置が液面変動によって移動するとアーム63の角度が変わり、シャフト65が同角度回転する。シャフト65の回転角度から磁気式位置検出装置64が角度に応じた電気信号を出力し、この電気信号を燃料の液面高さとみなして燃料タンク61内の液残量を検出している。
【0049】
図7は磁気式位置検出装置64の構成を示しており、図7(a)は磁気式位置検出装置64の平面図、図7(b)は磁気式位置検出装置64の断面図である。図7に示すように、磁気式位置検出装置64では、軸を中心に回転可能な磁石円盤641がシャフト65に固定されている。センサハウジングに固定された集磁器642と回路基板644、および回路基板644に固定されたホール素子(磁気検出素子)643によって位置検出装置の検出部を構成している。
【0050】
燃料の液面高さによって回転するアーム63の回転によってシャフト65が回転し、シャフト65に固定された磁石円盤641がアーム63の変動に合わせて同角度回転する。集磁器642の磁石円盤641に接する面の磁極割合が角度に比例して合わせて増減し、ホール素子643にて平均磁力を検出している。回路基板644にて磁電変換を行い角度に応じた電気信号を得ている。
【0051】
以上の磁気式位置検出装置64の構成により、燃料タンク61内の液面高さを検出でき、液残量を検出することができる。
【0052】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図8、図9に基づいて説明する。本第3実施形態は、位置検出装置を車両エンジンにおける吸気バルブ制御用アクチュエータ内に組み込んだ例である。
【0053】
図8は、位置検出装置を吸気バルブ制御用アクチュエータ内に組み込んだ構成例を示している。ハウジング56内にはアクチュエータ本体をなすモータおよびギア機構57等が格納されている。ギア機構57は、モータの回転動力を第1ギア574を経て第2ギア575に伝達する構造になっている。第2ギア575は、円盤状のベース部59の外周端面にベース部59と同軸になるように形成されている。また、ベース部59の外周端面には、第2ギア575の他、取り付け用の円弧状の凹部591に円弧状の磁石円盤54が嵌め込まれている。
【0054】
磁石円盤54と対向して検出部ベース55が設けられており、検出部ベース55にはホール素子551と集磁器552が設けられている。ホール素子551は、集磁器552を検出部ベース55内に固定する形で、検出部ベース55に固定される。ホール素子551は、検出部ベース55に対して平行に固定される。
【0055】
図9は、本第3実施形態の位置検出装置の検出部54、551、552の拡大図である。磁石円盤54は円弧形状に形成され、着磁の際にアルキメデス曲線111でN極112とS極113が区切られている。集磁器552は、磁石54の半径方向(ベース部59の中心軸とホール素子551の中心とを結ぶ線)に対して長手方向が平行となるように配置される。ホール素子551は、感磁面が集磁器552に密着するように配置されている。
【0056】
このような検出構成により、集磁器552は磁石円盤54に接する部分における磁石54の平均磁力を均等にホール素子551に接する面から放出する。平均磁力が均等に放出されるため、ホール素子551が集磁器552に密着していればホール素子551の位置に関係なく検出誤差を受けなくなり、リニアで精度の良く回転位置を検出する事が可能となる。
【0057】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図10〜図14に基づいて説明する。本第4実施形態は、位置検出装置を異形状のタンクの残量を測定する燃料タンク残量計測システムに適用した例である。本第4実施形態では、位置検出装置の磁気パターン形状をマップ補正することにより、異形状タンクにおける位置検出装置の出力をリニア出力にする。
【0058】
図10は、第4実施形態の位置検出装置104を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示している。図10に示すように、燃料タンク残量計測システムは、フロート43、回路基板40、指示計44、位置検出装置104を備えている。位置検出装置104は、磁石基板311、磁性体32、磁気検出素子13から構成されている。
【0059】
フロート43は、異形燃料タンク41の残燃料42の液面に浮かんでおり、残燃料42の液面変化により上下方向に移動する。異形燃料タンク41は、下部が狭く上部が広い形状となっている。このため、フロート43の移動量は、タンク41の下部と上部とで異なる。なお、フロート43の移動に伴う磁石基板311の移動方向をA、異形燃料タンク41の狭部範囲をL1、広部範囲をL2で表している。
【0060】
次に、位置検出装置104による燃料残量の計測方法について説明する。まず、残燃料42の液面でフロート43が上下方向に移動すると、位置検出装置104の磁石基板311に着磁されている磁性体32が磁気検出素子13に対してA方向に平行移動する。これにより、磁性体32と磁気検出素子13の対向面積が変化する。磁気検出素子13は相応のセンサ出力を位置検出装置104の検出出力として回路基板40に与え、回路基板40はセンサ出力を増幅し指示計44にて燃料残量が表示される。
【0061】
図11は、本第4実施形態の位置検出装置104の斜視図である。図12に示すように、位置検出装置104内の磁石基板311には磁性体32が所定のパターンで形成されている。磁性体32の着磁の形成は、磁石基板311の移動方向Aと平行であって、磁気検出素子13の中心線に対し左右対称に形成するのが好ましい。
【0062】
次に、磁性体32の着磁パターンを図12、図13に基づいて説明する。
【0063】
図12は、異形燃料タンク41の燃料残量と磁性体32の平行移動量との関係を示す特性図である。図12に示すように、異形燃料タンク41の狭部範囲L1では、磁性体32の平行移動量に対する燃料残量の変化が比較的小さく、広部範囲L2では、磁性体32の平行移動量に対する燃料残量の変化が比較的大きい。
【0064】
変位に対しリニア(比例)な出力を得る従来の磁気式ポテンショメータ等では、多くの場合に指示計44が回路出力に対し比例した指示値を示すようになっている。このため、液面変化により燃料残量を検出する場合、回路基板40はあらかじめ計測しておいた異形燃料タンク41の形状に従いマイクロコンピュータなどで計算し、又は記憶メモリのマップから残量補正する必要があった。
【0065】
図13は、本第4実施形態の磁性体32における磁気検出素子13に対向する部位の面積と磁性体32の平行移動量との関係を示す特性図である。図13に示すように、燃料残量の変化、すなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化して磁性体32の面積変化を燃料残量の変化に対応させている。具体的には、図12で示した燃料残量と磁性体32の平行移動量との関係から、燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2における燃料残量に対応するように磁性体32の狭部の磁性体マップM1、広部の磁性体マップM2として、燃料タンク41の形状を磁性体32の面積にマップ化している。
【0066】
図11に戻り、磁性部材32には、上記図13の平行移動量と磁性体面積とのマップに従い、異形燃料タンク41の狭部マップ範囲M1間は比較的狭い広がりで、広部マップ範囲M2間は比較的広い広がりの異形燃料タンク41の固有特性にマップ化され着磁した磁性体32が形成されている。これにより、異形燃料タンク41の形状特性を磁性体32の面積として変換し、燃料残量の変化と磁性体面積を対応させることができる。
【0067】
図14は、本第4実施形態の位置検出装置104における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。位置検出装置104の磁気検出素子13は、着磁された磁性体32との対向面積に比例した値を出力する。このため本第4実施形態の位置検出装置104のセンサ出力は、図14に示すように、異形燃料タンク41の形状(固有特性)に対応した磁性体32の形状に従い、異形燃料タンク41の形状を補正した出力となる。これにより、位置検出装置104は、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2においても残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。
【0068】
この結果、図10に示した回路基板40では、計算又はマップにて残量補正をする必要がない。従って、簡便かつ最小の回路構成で指示計44にて燃料残量を表示することができ、異形燃料タンク41における燃料残量表示システムを簡便に安価に構成することができる。このように、異形燃料タンク41の残燃料計測のような計測において、あらかじめ位置検出装置内の磁性体32を計測対象の特性に合わせたマップ形状に着磁することでリニアな出力を得ることができる。これにより、センサ出力の補正の必要がなく、その後の回路を大幅に簡略化することができる。
【0069】
また、本第4実施形態の位置検出装置104における磁石基板311の磁性体32は、多くの場合において磁石基板311上の磁性体32に単極、あるいは両極着磁の処理を行う製法で製作されている。このため着磁処理において従来の規則的な広がり(平行移動に比例した広がり)から、異形燃料タンク41の固有特性に合わせたマップ形状の着磁処理に変更するだけで良く、製作工程を変更することなく容易に実施することができる。従って、複雑な形状の異形タンク41にも、容易に対応することができる。
【0070】
さらに、本第4実施形態の位置検出装置104の磁性体32は、検出形状となるよう磁石基板311上に磁性体32を印刷塗布し乾燥硬化した後に着磁の処理を行う製法でも製作できる。この場合においても磁性体32の印刷塗布で異形燃料タンク41の固有特性に合わせたマップ形状で印刷して磁性体32を全面着磁すれば良く、製作工程を変更することなく容易に実施することができる。
【0071】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図15〜図22に基づいて説明する。本第5実施形態は、位置検出装置を異形状のタンクの残量を測定する燃料タンク残量計測システムに適用した例である。本第5実施形態では、上記第4実施形態と比較して、位置検出装置が角度検出機構に構成されている点が異なる。上記第4実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
図15は、本第5実施形態になる位置検出装置105を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示す概念図であり、図15(a)は左側面図、図15(b)は正面図である。図15に示すように、本第5実施形態の位置検出装置105は角度検出機構を有している。具体的には、残燃料42の液面におけるフロート43の上下移動によりロッド45が回転することで位置検出装置105のシャフトが回転し、位置検出装置105が変位角相応のセンサ出力を出力し回路基板40で増幅し指示計44にて表示する。
【0073】
図16は、本第5実施形態の位置検出装置105の斜視図である。図16に示すように、本第5実施形態の位置検出装置105は、回転軸14、磁性体32が形成された磁石円盤312、磁気検出素子13から構成されている。磁気検出素子13は、磁性体32に対して平行かつ対向して配置されている。回転軸14の回転により磁石円盤312が回転し、それに伴い磁性体32が磁気検出素子13と平行に回転する。これにより、磁気検出素子13と磁性体32との対向面積が変化するため、この面積変化を磁気検出素子13がセンサ出力として出力し、位置検出装置105の出力を得るようになっている。
【0074】
次に、磁性体32の着磁パターンを図17、図18に基づいて説明する。
【0075】
図17は、異形燃料タンク41の燃料残量と磁石円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図17においても、上記第4実施形態の図12の場合と同様、異形燃料タンク41の狭部範囲L1間は変位角に対する残量の変化が比較的小さく、また広部範囲L2間は変位角に対し残量の変化が比較的大きくなっている。そこで第5実施形態の位置検出装置105においても第4実施形態と同様に磁性体面積マップ化を実施する。
【0076】
図18は、本第5実施形態の磁性体32における磁気検出素子13に対向する部位の面積と磁石円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図18に示すように、上記第4実施形態と同様、燃料残量の変化、ずなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化して磁性体32の面積変化を燃料残量の変化に対応させており、異形燃料タンク41の固有特性を磁性体32の面積として変換した推定計算値を示している。具体的には、図17の変位角と燃料残量の関係から、位置検出装置105内の磁性体32の形状を狭部マップ範囲M1、広部マップ範囲M2等に磁性体32の面積としてマップ化している。
【0077】
図16に戻り、本第5実施形態の位置検出装置105内の磁石円盤312には、図18の変位角と磁性体32の面積のマップに従い、磁気検出素子13の中心を起点とした円周線33を基準にして、異形燃料タンク41の狭部マップ範囲M1間は比較的狭い広がりで、広部マップ範囲M2間は比較的広い広がりの異形燃料タンク41の固有特性にマップ化された磁性体32が着磁されている。
【0078】
図19は、本第5実施形態の位置検出装置104における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。図19に示すように、位置検出装置105のセンサ出力は、異形燃料タンク41の形状(固有特性)に対応した磁性体32の形状に従い、異形燃料タンク41の形状(固有の特性)を補正した出力となる。これにより、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2においても残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。
【0079】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図20〜図22に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第5実施形態に比較して、位置検出装置105内の磁性体32が両極着磁方式で構成されている点が異なるものである。上記第5実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図20は本第6実施形態の位置検出装置106の斜視図であり、図21は位置検出装置106の磁気円盤312の平面図である。図20、図21に示すように、本第6実施形態の磁石円盤312には、N極112、S極113の両極が分極着磁されている。
【0081】
図22は、本第6実施形態の磁気円盤312おけるN極112、S極113の磁極比率と磁気円盤312の変位角との関係を示す特性図である。図22に示すように、本第6実施形態の磁気円盤312では、燃料残量の変化、ずなわち燃料タンク41の形状の変化をマップ化してN極112、S極113の相対割合(形状)を燃料残量の変化に対応させており、異形燃料タンク41の固有特性を磁気円盤312の磁極比率として変換した推測計算値を示している。具体的には、上記第5実施形態における図17の変位角と燃料残量の関係から、両極着磁方式のN極112、S極113の磁極比率を狭部マップ範囲M1、広部マップ範囲M2等によりマップ化している。
【0082】
図21に戻り、本第5実施形態の磁石円盤312におけるN極112、S極113の着磁は、回転軸14を中心に磁石円盤312の半径方向に、図22の変位角に対するN極112、S極113の磁極比率のマップに従い実施する。図21に示すように、変位角に比例出力する従来の位置検出装置に多く採用されている規則的に広がる規則線34と比較すると、N極112、S極113の磁極比率が異形燃料タンク41の固有特性に従ってマップ形状に変化していることが理解できる。
【0083】
以上のように、本第6実施形態においても、N極112、S極113の半径方向の着磁割合が変位角に添って異形燃料タンク41のマップ形状となっている。このため、N極112、S極113の磁極比率を出力とする磁気検出素子13のセンサ出力は、異形燃料タンク41の固有特性に従って形成されたN極112、S極113の着磁パターンにより、異形燃料タンク41の形状(固有の特性)を補正した出力となる。
【0084】
このように、本第6実施形態の構成においても、異形燃料タンク41の狭部範囲L1、広部範囲L2で残燃料42に対しリニア(直線的な特性)な出力を得ることができる。従って、回路基板40での計算、マップによる補正を行うことなく指示器44で燃料残量を表示することができる。
【0085】
(他の実施形態)
なお、上記第2実施形態では本発明の位置検出装置を燃料残量計に適用し、上記第3実施形態では吸気バルブ制御用アクチュエータに適用したが、これらに限らず、位置検出を必要とするどのような装置にも使用可能であり、上記2例に限られないことは言うまでもない。
【0086】
また、上記第4、第5実施形態では、位置検出装置104、105を異形燃料タンク41の残燃料42の計測に用いた場合について説明したが、計測対象が異形の形状などから固有の特性を持ち、位置検出装置で計測するものならどのような計測対象であっても良く、異形燃料タンク41の残燃料42の計測に限られないことは言うまでもない。
【0087】
また、上記第1〜第3実施形態の位置検出装置で設けられた集磁器12、642、552を、上記第4〜第6実施形態における磁性体の着磁パターンをマップ形状とした位置検出装置に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における位置検出装置の断面図である。
【図2】第1実施形態の位置検出装置の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の位置検出装置の検出部の構成例を示す斜視図である。
【図4】集磁器および磁気検出素子に対する磁石円盤の相対的な回転角度と出力電圧変化の実際の測定結果を示す特性図である。
【図5】第1実施形態において回転角度検出範囲を変更した場合の磁気円盤の平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における燃料タンク残量計を備える燃料タンクの部分断面側面図である。
【図7】(a)は第2実施形態の位置検出センサの平面図、(b)は断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態におけるアクチュエータの部分断面側面図である。
【図9】図8の位置検出装置の検出部の拡大図である。
【図10】本発明の第4実施形態における燃料タンク残量計測システムの構成を示す概念図である。
【図11】図10の位置検出装置104の斜視図である。
【図12】第4実施形態の異形燃料タンクの燃料残量と磁性体の平行移動量との関係を示す特性図である。
【図13】第4実施形態の磁性体における磁気検出素子に対向する部位の面積と磁性体の平行移動量との関係を示す特性図である。
【図14】第4実施形態の位置検出装置における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。
【図15】本発明の第5実施形態による位置検出装置を使用した燃料タンク残量計測システムの構成例を示す概念図である。
【図16】第5実施形態の位置検出装置の斜視図である。
【図17】第5実施形態の異形燃料タンクの燃料残量と磁石円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【図18】第5実施形態の磁性体における磁気検出素子に対向する部位の面積と磁石円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【図19】第5実施形態の位置検出装置における燃料残量とセンサ出力との関係を示す特性図である。
【図20】第6実施形態の位置検出装置106の斜視図である。
【図21】第6実施形態の位置検出装置の磁気円盤の平面図である。
【図22】第6実施形態の磁気円盤おけるN極、S極の磁極比率と磁気円盤の変位角との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
101…第1実施形態の位置検出装置、104…第4実施形態の位置検出装置、105…第5実施形態の位置検出装置、106…第6実施形態の位置検出装置、11…磁石円盤、111…アルキメデス曲線、112…N極、113…S極、114…検出範囲、12…集磁器、13…磁気検出素子、14…回転軸、15…回路基板、21…フレーム、22…トップケース、23…ボトムケース、24…スペーサ、25…Oリング、311…磁石基板、312…磁石円盤、32…磁性体、33…円周線、34…規則線、40…回路基板、41…異形燃料タンク、42…残燃料、43…フロート、44…指示計、45…ロッド、54…磁石円盤(円弧状)、55…検出部ベース、551…ホール素子、552…集磁器、56…ハウジング、57…ギア機構、574…第1ギア、575…第2ギア、59…ベース部、591…凹部、61…燃料タンク、62…フロート、63…アーム、64…磁気式位置検出センサ、641…磁石円盤、642…集磁器、643…ホール素子、644…回路基板、65…シャフト。
Claims (10)
- 回転可能な磁気円盤(11)と、
前記磁気円盤の磁極から生じる磁気を検出する磁気検出素子(13)と、
前記磁気円盤と前記磁気検出素子との間において、一方の端面が前記磁気円盤と対向し、他方の端面が前記磁気検出素子と密着するように配置されるとともに、端面形状が前記磁気円盤から前記磁気検出素子に向けて相似な形状で縮小する集磁器(12)とを備え、
前記磁気円盤の前記集磁器及び前記磁気検出素子に対する相対角度を検出することを特徴とする磁気式位置検出装置。 - 前記磁気円盤の前記集磁器に対向する面は、その中心から外周方向に向けてアルキメデス曲線(111)で区切られており、
前記アルキメデス曲線で区切られた一方の領域が単極着磁され、あるいは前記アルキメデス曲線で区切られた双方の領域が前記アルキメデス曲線を境にN極およびS極とに分極着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気式位置検出装置。 - 前記磁気円盤の前記集磁器に対向する面が前記アルキメデス曲線を境に分極着磁されている場合に、前記磁気円盤の前記集磁器に対する反対側の面が前記磁気円盤の前記集磁器に対向する面の着磁パターンと相対する磁極で着磁されることにより、前記磁気円盤が両面着磁されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気式位置検出装置。
- 前記集磁器は軟磁性体で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁気式位置検出装置。
- 前記磁気検出素子における前記集磁器の反対面と、前記磁気円盤における前記集磁器の反対面との間に、磁性体からなる磁界誘導手段(22、23)を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の磁気式位置検出装置。
- 前記磁界誘導手段は、前記磁気円盤、前記磁気検出素子および前記集磁器を収納するケースを兼ねていることを特徴とする請求項5に記載の磁気式位置検出装置。
- 磁性部材(32)を有する磁石基板(311、312)と、前記磁性部材と対向するように設けられた磁気検出素子(13)とを備え、前記磁石基板が前記磁気検出素子に対して相対的に平行移動する際の、前記磁性部材の前記磁気検出素子に対向する対向面積の変化に基づいて検出対象の位置を検出する磁気式位置検出装置であって、
前記磁性部材の形状は、前記磁性部材の平行移動による対向面積の変化が前記検出対象の位置変化特性に対応したマップ形状にて形成されていることを特徴とする磁気式位置検出装置。 - 前記磁性部材の前記マップ形状は、前記磁性部材の印刷形状により、または、単極着磁あるいは両極着磁の着磁形状により形成されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気式位置検出装置。
- 前記磁性部材は前記マップ形状を構成するマップ曲線で区切られており、前記マップ曲線で区切られた一方の領域が単極着磁され、あるいは前記マップ曲線で区切られた双方の領域が前記マップ曲線を境にN極およびS極に分極着磁されていることを特徴とした請求項7に記載の磁気式位置検出装置。
- 請求項7ないし9のいずれか1つに記載の磁気式位置検出装置と、
前記磁気式位置検出装置の出力信号を処理する処理回路(40)と、
前記処理回路からの信号に基づいて前記検出対象の位置を表示する指示計(44)とを備えることを特徴とする変位量計測システム。
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