JP2004184170A - 撮影方法およびそれを用いた試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる撮影方法およびそれを用いた試験装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持する2つのチャック11のうち、可動台12は上側にあるチャック11を上へ移動させることで、張力を被写体Mに付与する。また、ガイドレール15に沿って移動架台16が上下に平行移動すると、移動架台16内のビデオカメラ3なども追従して移動する。ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置の近傍の領域に向くように、上側のチャック11の上への移動速度に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持する2つのチャック11のうち、可動台12は上側にあるチャック11を上へ移動させることで、張力を被写体Mに付与する。また、ガイドレール15に沿って移動架台16が上下に平行移動すると、移動架台16内のビデオカメラ3なども追従して移動する。ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置の近傍の領域に向くように、上側のチャック11の上への移動速度に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法およびそれを用いた試験装置に係り、特に、金属工業分野,機械工業分野,化学工業分野などに用いて試験を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の引張試験は、例えば、2つの支持具のうち一方が板状の試験斤の一端を、他方が試験斤の他端を支持し、2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、試験斤に張力を付与し試験斤の破断を起こさせることで行われている。このような引張試験を行うために、試験斤を被写体として、例えばビデオカメラで撮影を行い、張力による疲労破壊による試験斤の破断を観測している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、引張試験の場合には、張力による伸びが試験斤の材質によって異なるので、試験斤の破断位置が一定でない。また、引張試験の場合には、破断のタイミングが分からないので、試験斤の破断位置を特定することができない。その結果、ビデオカメラが破断位置でない領域を撮影してしまい、試験斤の破断を観測することができない恐れがある。
【0004】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる撮影方法およびそれを用いた試験装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とするものである。
【0006】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験の撮像手段を精度良く制御することができる。
【0007】
このような目的を達成する発明は、請求項1に記載の発明以外に、請求項2に記載の発明がある。請求項2に記載の発明は、次のような構成をとる。
【0008】
すなわち、請求項2に記載の発明は、2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とするものである。
【0009】
〔作用・効果〕請求項2に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験の撮像手段を精度良く制御することができる。
【0010】
また、請求項1または請求項2に記載の撮影方法を下記の請求項3に記載の発明に係る試験装置に用いることができる。請求項3に記載の発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮影方法を用いた試験装置であって、一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持する2つの支持具からなる支持手段と、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与する張力付与手段と、前記張力付与手段を操作することで引張試験を制御する試験制御手段と、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理する画像処理手段と、前記撮像手段を駆動させる撮像駆動手段と、撮影を制御する撮影制御手段とを備え、前記張力付与手段が被写体に張力を付与することで、各支持具に支持された被写体の引張試験を行い、前記撮像手段が、張力による被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することを特徴とするものである。
【0011】
〔作用・効果〕請求項3に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0012】
なお、本明細書は、上記撮影方法およびそれを用いた試験装置の他に、下記の撮影方法およびそれを用いた試験装置に係る発明も開示している。
【0013】
(1)請求項1に記載の撮影方法において、前記計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることを特徴とする撮影方法。
【0014】
〔作用・効果〕請求項1に記載の撮影方法において、計測値に基づいて撮影手段を制御する一例として、上記(1)の発明にように、計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることが挙げられる。なお、平均は通常に用いられる平均であれば、特に限定されず、例えば加算平均であってもよいし、加乗平均であってもよい。計測値に基づいて撮影手段を制御する他の例として、以前に計測された計測値の集合のうち、存在確率の低い計測値を除外して、残りの計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることや、存在確率のもっとも高い計測値を被写体の破断位置の近傍とすることや、存在確率を乗算した計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることなどが挙げられる。
【0015】
(2)請求項2に記載の撮影方法において、前記移動速度に基づいて張力による前記被写体の全長をそれぞれ求め、前記被写体の全長に基づいて被写体の破断位置の近傍を求めることを特徴とする撮影方法。
【0016】
(3)前記(2)に記載の撮影方法において、前記被写体の全長のほぼ半分を被写体の破断位置の近傍とすることを特徴とする撮影方法。
【0017】
〔作用・効果〕請求項2に記載の撮影方法において、移動速度に基づいて撮影手段を制御する一例として、上記(2)の発明のように、移動速度に基づいて張力による被写体の全長をそれぞれ求め、被写体の全長に基づいて被写体の破断位置の近傍を求めることが挙げられる。
【0018】
さらに、通常では、被写体の全長のほぼ半分の位置で切断されることが多いので、上記(3)の発明のように、被写体の全長のほぼ半分を被写体の破断位置の近傍とすればよい。被写体の破断位置が、材質によって全長のほぼ半分の位置でなければ、経験則、すなわち以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて全長のどの部分で切断されるかを想定し、想定された割合を全長に乗じて、その乗じた結果の位置を被写体の破断位置の近傍とすればよい。
【0019】
また、移動速度に基づいて撮影手段を制御する他の一例として、以前に計測された張力付与開始から切断直前までの時間の平均を求め、平均された時間を移動速度に乗じて、その乗じた結果の伸び分を張力付与前の元の長さに加算して、その加算した結果の全長の半分を被写体の破断位置の近傍とすることが挙げられる。
【0020】
(4)請求項1、請求項2、前記(1)から(3)のいずれかに記載の撮影方法において、被写体の破断位置の近傍の領域と前記撮影手段との距離を一定にするように、前記撮影手段を平行移動させて制御することで、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせることを特徴とする撮影方法。
【0021】
〔作用・効果〕撮像手段を被写体の破断位置の近傍の領域に向かせる一例として、上記(4)の発明のように、被写体の破断位置の近傍の領域と撮影手段との距離を一定にするように、撮影手段を平行移動させて制御することが挙げられる。
【0022】
なお、被写体に光を照射する照明手段や、被写体の破断音を集音する集音手段を撮影に用いる場合には、下記(5),(6)の発明のようにこれらの手段を動作させることができる。
【0023】
(5)請求項1、請求項2、前記(1)から(4)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体に光を照射する照明手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ前記照明手段が、前記撮像手段の動作に追従して動作することを特徴とする撮影方法。
【0024】
(6)請求項1、請求項2、前記(1)から(5)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体の破断音を集音する集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ前記集音手段が、前記撮像手段の動作に追従して動作することを特徴とする撮影方法。
【0025】
〔作用・効果〕上記(5),(6)の発明によれば、照明手段または集音手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くので、照明手段の場合には、撮像手段が向く領域と同じ領域に光を照射して、光をより適切な領域に照射することができ、より適切な撮影を行うことができ、集音手段の場合には、撮像手段が向く領域と同じ領域から集音して、破断音をより集音し易くすることができ、より適切な撮影を行うことができる。なお、上記(5),(6)の発明のように、照明手段または集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ、その手段が、撮像手段の動作に追従して動作するのが好ましい。撮像手段の動作に追従しない場合には、たとえ、照明手段および集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向いていたとしても、照明手段から照射される光の照度や集音手段への音量が変化してしまうからである。
【0026】
(7)請求項1、請求項2、前記(1)から(6)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することを特徴とする撮影方法。
【0027】
〔作用・効果〕上記(7)の発明によれば、被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することで、破断位置を精度良く検出のみならず、破断の瞬間を精度良く検出することができ、撮影をより一層適切に行うことができる。
【0028】
(8)前記(7)に記載の撮影方法において、前記トリガ信号に基づいて撮影条件を変更することを特徴とする撮影方法。
【0029】
(9)前記(8)に記載の撮影方法において、前記撮影条件は、各撮影間の時間である撮影間隔であって、前記トリガ信号に同期して破断前後の撮影間隔を変更することを特徴とする撮影方法。
【0030】
〔作用・効果〕上記(7)の発明において、トリガ信号に基づく具体的な撮影制御の一例として、上記(8)の発明のように、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更することが挙げられる。さらに、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更する例としては、上記(9)の発明のように、撮影条件は、各撮影間の時間である撮影間隔であって、トリガ信号に同期して破断前後の撮影間隔を変更することが挙げられる。例えば、破断前において被写体に亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体の変化は急激であるので、トリガ信号出力直後以降よりも短い撮影間隔で、すなわち速い撮影速度で撮影を行うことで、被写体に亀裂が入る直前からトリガ信号出力直後である破断直後である、破断前後における被写体の急激な変化を詳細に撮影することができる。また、トリガ信号出力直後以降は、被検体の変化が緩やかであることから、トリガ信号が出力してからは、撮影を終了する、あるいは撮影する時間を変更するなど撮影時間の配分を変更することもできる。
【0031】
(A)請求項1、請求項2、前記(1)から(9)のいずれかに記載の撮影方法を用いた撮影装置、または請求項3に記載の試験装置において、以前に計測された被写体の破断位置の計測値を記憶する計測値記憶手段を備え、前記計測値記憶手段に記憶された前記計測値に基づいて前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することで、前記撮像手段を制御することを特徴とする試験装置。
【0032】
(B)請求項1、請求項2、前記(1)から(9)のいずれかに記載の撮影方法を用いた撮影装置、または請求項3に記載の試験装置において、演算処理を行う演算手段を備え、前記演算手段は、前記2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて被写体の破断位置の近傍の領域を求め、求められた被写体の破断位置の近傍の領域に基づいて前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することで、前記撮像手段を制御することを特徴とする試験装置。
【0033】
〔作用・効果〕上記(A)の発明によれば、計測値記憶手段に記憶された計測値に基づいて撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。また、上記(B)の発明によれば、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて被写体の破断位置の近傍の領域を求め、求められた被写体の破断位置の近傍の領域に基づいて撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。上記(A),(B)の発明における作用の結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。すなわち、請求項1,2に記載の発明をそれぞれ好適に行うことができる。
【0034】
(C)請求項3、前記(A)、または前記(B)のいずれかに記載の試験装置において、前記撮像駆動手段は、前記撮影手段を平行移動させる手段であって、被写体の破断位置の近傍の領域と前記撮影手段との距離を一定にして、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせるように、前記撮像駆動手段を操作することを特徴とする試験装置。
【0035】
〔作用・効果〕撮像手段を被写体の破断位置の近傍の領域に向かせる一例として、上記(C)の発明のように、撮像駆動手段は、撮影手段を平行移動させる手段であって、被写体の破断位置の近傍の領域と撮影手段との距離を一定にして、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせるように、撮像駆動手段を操作することが挙げられる。上記(C)の発明によれば、上記(4)の発明をそれぞれ好適に行うことができる。
【0036】
(D)請求項3、前記(A)から(C)のいずれかに記載の試験装置において、前記被写体に光を照射する照明手段を備えることを特徴とする試験装置。
【0037】
(E)請求項3、前記(A)から(D)のいずれかに記載の試験装置において、前記被写体の破断音を集音する集音手段を備えることを特徴とする試験装置。
【0038】
なお、請求項3、上記(A)〜(C)の発明に、上記(D)の発明のように、被写体に光を照射する照明手段を備えてもよいし、請求項3、上記(A)〜(D)の発明に、上記(E)の発明のように、被写体の破断音を集音する集音手段を備えてもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕
以下、図面を参照してこの発明の第1実施例を説明する。
図1は、第1実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラ(高速撮影装置)の全体構成を示したブロック図、図2は、被写体である弾性体の破断位置と、ビデオカメラ,マイク,および照明部の向きとの関係を示した図、図3は、一連の撮影条件のタイムテーブル、図4は、撮影間隔や露光時間のタイミングを示したパルス波形図(タイミングチャート)であって、図5は、第1実施例に係る撮影方法を示すフローチャートである。なお、第1,第2実施例では被写体として弾性体を例に採って説明する。
【0040】
図1中の符号1は、第1実施例に係る試験装置であり、この試験装置1は、被写体Mに張力を付与し被写体Mの破断を撮影する引張試験を行う装置であって、大別すると引張試験機2,高速撮影が可能なビデオカメラ3,画像処理装置4から構成される。
【0041】
引張試験機2は、一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持する2つのチャック11,上側にあるチャック11を上下に移動させる可動台12,チャック11や可動台12を囲むフレーム13,およびこれらを統括・制御する試験制御部14から構成される。
【0042】
各チャック11は絶縁体からなり、被写体Mの各端部を把持する。2つのチャック11のうち、下側にあるチャック11は固定されており、上側にあるチャック11のみが可動台12によって上下に移動する。2つのチャック11は、この発明における支持手段に、各チャック11は、この発明における支持具に、可動台12は、この発明における張力付与手段にそれぞれ相当する。
【0043】
また、試験制御部14は、上述したようにチャック11,可動台12などを統括制御する。具体的には、試験制御部14は、可動台12の駆動のオン・オフの切換などを制御するとともに、可動台12の移動速度などの張力付与に関する物理量を操作することで引張試験を制御する。試験制御部14は、この発明における試験制御手段に相当する。
【0044】
ビデオカメラ3は、マイクロチャンネルプレート型イメージインテシファイア(以下、『MCP型I.I』という)21,および撮像素子22から構成される。ビデオカメラ3は、この発明における撮像手段に相当する。
【0045】
MCP型I.I21は、被写体の光学像を光電子に変換して、後述するクロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期するパルス電圧の印加によって光電子を倍増した後、倍増された光電子を光学像に再度変換する機能を備えている。つまり、MCP型I.I21は、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期するパルス電圧の印加によってオン・オフ切換を調整し、シャッタとして作動する機能を備えている。
【0046】
撮像素子22は、光電変換する複数個のフォトダイオード、およびCCD素子群を備えており、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する。そして、撮像素子22は、光電変換された電荷の蓄積、および読み出しを逐次行う際に、シャッタとして作動する機能を備えている。
【0047】
引張試験機2の傍らには、ガイドレール15が、フレーム13の上下に延在されて配設されており、このガイドレール15に沿って移動可能に構成された移動架台16が配設されている。この移動架台16には、上述したビデオカメラ3と、被写体Mの破断音を集音するマイク17と、被写体Mに光を照射する照明部18とが内蔵されている。ガイドレール15に沿って移動架台16が上下に平行移動(昇降)すると、移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18も移動架台16に追従して上下に平行移動(昇降)する。要約すれば、マイク17と照明部18とは、ビデオカメラ3の動作に追従して動作することにもなる。ガイドレール15は、この発明における撮像駆動手段に、マイク17は、この発明における集音手段に、照明部18は、この発明における照明手段にそれぞれ相当する。
【0048】
なお、照明部18は、キセノンガスなどの希ガスが封入された放電管(図示省略)などから構成される。そして、照明部18の放電管から可視光あるいは紫外光を放射して、被写体Mを照射する。
【0049】
また、ビデオカメラ3,マイク17,および照明部18は、図2に示すように、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に常に向くように、配設されている。具体的には、張力の状態によって被写体Mの破断位置Xは異なるので、想定された被写体Mの破断位置Xの近傍の領域とビデオカメラ3との距離を一定にして、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域にビデオカメラ3を向かせるように、ガイドレール15を操作する。マイク17,および照明部18もビデオカメラ3と同様である。
【0050】
図2(a)に示すように、被写体Mに張力が付与される前の全長をaとし、図2(b)に示すように、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分をΔaとする。また、簡単のために、破断位置Xを被写体の全長(a+Δa)の半分とする。張力が付与される前には被検体Mは破断されないが、そのときの破断位置Xは、図2(a)に示すようにa/2となり、張力が付与されたときの破断位置Xは、図2(b)に示すように(a+Δa)/2となる。移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18は、被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域に常に向くように、伸びた長さ分Δaに合わせて移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させる。
【0051】
画像処理装置4は、図1に示すように、画像処理部31,主記憶部32,照明制御部33,クロック発生回路34,トリガ発生回路35,モニタ36,ガイドレール制御部37,および演算部38から構成される。
【0052】
画像処理部31は、アンプやADコンバータ(いずれも図示省略)によって信号を増幅してアナログ信号からディジタル信号に変換する。つまり、画像処理部31は、撮像素子22から出力された電気信号を撮影画像として処理する機能を備えている。画像処理部31によって処理された撮影画像は主記憶部32に記憶され、逐次モニタ36に出力表示される。画像処理部31は、この発明における画像処理手段に相当する。
【0053】
照明制御部33は、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期して、照明部18の駆動を促す。
【0054】
クロック発生回路34は、MCP型I.I21,撮像素子22,画像処理部31,主記憶部32,照明制御部33,ガイドレール制御部37をタイミングについて統括制御する機能を備えている。クロック発生回路34から出力されるクロック信号に種々の信号が同期する。
【0055】
トリガ発生回路35は、被写体Mの破断音のタイミングをトリガ信号として出力する。具体的には、被写体Mの破断音による電圧変位をトリガ信号として出力する。被検体Mの破断音を集音するのは移動架台16内のマイク17によって行われる。上述したように、マイク17は、被写体Mの破断位置Xの近傍に領域に常に向くように配設されているので、破断音をより集音し易くすることができる。
【0056】
ガイドレール制御部37は、ビデオカメラ3やマイク17や照明部18が、張力による被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、ガイドレール15を操作する。具体的には、上述したように、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaに対して移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させるべく、ガイドレール制御部37はガイドレール15を操作する。また、移動架台16の移動速度をvとし、張力を付与してから破断するまでの時間をTとすると、張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaはv×Tと表すことができる。
【0057】
演算部38は、移動速度vに基づいて張力による被写体Mの全長(a+Δa)を逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)を2で除算、すなわち被写体Mの全(a+Δa)長の半分を求める。これによって、破断位置Xは、上述したように、被写体の全長(a+Δa)の半分である(a+Δa)/2となる。演算部38は、この発明における演算手段に相当する。
【0058】
照明制御部33は照明の強度などを設定し、クロック発生回路34はタイミングについて統括制御し、ガイドレール制御部37はガイドレール15を操作することでビデオカメラ3,マイク17,および照明部18の動作を制御するので、照明制御部33,クロック発生回路34,およびガイドレール制御部37によって撮影を制御することになる。従って、照明制御部33とクロック発生回路34とガイドレール制御部37とは、この発明における撮影制御手段に相当する。
【0059】
トリガ発生回路35からトリガ出力されると、そのトリガ信号に基づいて、図3に示すタイムテーブルにある一連の撮影条件を変更する。具体的には、そのトリガ信号に同期して撮影間隔を変更する。
【0060】
図3中の左端の列は『撮影モード』であって、『低速』は低速撮影、『高速』は高速撮影である。図3中の左から2番目の列の『トリガ』は、トリガ発生回路35から発生するトリガの有無の判定であって、トリガが発生していれば『あり』、トリガが発生していなければ『なし』とする。図3中の右から2番目の列は、『フレーム番号』である。また、トリガが発生したとき、すなわち被写体Mである弾性体が張力によって破断したときのフレーム番号を『x』で表す。なお、第1実施例では、破断後の被検体の変化が緩やかになるフレーム番号を『x+40』とする。図3中の右端の列は『撮影速度』であって、単位はフレーム/秒である。
【0061】
本明細書中では、撮影速度が100,000フレーム/秒以上を『高速撮影』とし、それ未満の撮影速度を『低速撮影』とする。従って、フレーム番号が『0』〜『x+39』までは撮影速度が100,000フレーム/秒なので、撮影モードが高速撮影となり、フレーム番号が『x+40』〜『x+69』までは撮影速度が20,000フレーム/秒なので、撮影モードが低速撮影となる。
【0062】
また、撮影間隔は、撮影速度の逆数である。従って、高速撮影での撮影速度が100,000フレーム/秒のときには、撮影間隔は1.0×10−5秒/フレーム(10μs/フレーム)となり、低速撮影での撮影速度が20,000フレーム/秒のときには、撮影間隔は5.0×10−5秒/フレーム(50μs/フレーム)となる。
【0063】
図4中の転送クロックは、パルス電圧の印加により、MCP型I.I21のオン・オフ切換が調整されて、シャッタリング、すなわち露光時間の制御を行う。また、図4中のシャッタリングクロックは、照明制御部33を制御する信号であって、このシャッタリングクロックに同期して、照明部18は紫外線を放射する。
【0064】
シャッタリングクロックの出力は、転送クロックの各撮影間隔にそれぞれ同期し、シャッタリングクロックが出力される時間が露光時間となる。露光時間を、図4に示すように『t』とすると、撮影モードの如何に関わらず露光時間がtと常に一定になる。露光時間tの設定は、撮影間隔の中での最小撮影間隔に基づいて行われる。第1実施例の場合には、最小撮影間隔は、高速撮影での撮影間隔である10μs/フレームとなる。従って、露光時間tは、この最小撮影間隔である10μs/フレームよりも短く設定される。最小撮影間隔である10μs/フレームに基づいて行わないと、撮影間隔よりも露光時間tが長くなるという事態が発生するからである。なお、第1実施例では、照明部18からの被写体Mへの光の照射は、撮影の間、連続的に行われているとする。
【0065】
第1実施例では、トリガ発生回路35からトリガが発生して、トリガ信号が出力してから40フレーム目に、すなわち、フレーム番号が『x+40』のときに、図3に示すように、撮影速度が100,000フレーム/秒(撮影間隔は10μs/フレーム)の高速撮影から、撮影速度が20,000フレーム/秒(撮影間隔は50μs/フレーム)の低速撮影に変更される。
【0066】
この他に、図示を省略する垂直同期信号は、1フレーム分の画像のタイミングをとるための信号であって、モニタ36に出力するフレームレートでもある。また、図示を省略する垂直転送パルスは、モニタ36の垂直方向に撮影画像を逐次出力するための信号である。図示を省略する映像出力は、モニタ36に出力される走査線1本分の撮影画像であって、垂直転送パルスごとに走査線1本分の撮影画像がモニタ36の垂直方向に逐次出力される。そして1フレームで、すなわち次の垂直同期信号が出力されるまで、1フレーム分の画像が撮影画像としてモニタ36に出力される。なお、これらの信号およびクロックは、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期されるものとする。
【0067】
次に、第1実施例に係る撮影方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
(ステップS1)チャックの設定
2つのチャック11のうち、両チャック11間の距離が被写体の全長にほぼ一致するように、可動台12を上下に移動させることで上側のチャック11を動かす。そして、一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持して、チャック11の設定を行う。チャック11を設定してから、下記のステップS2を行う。
【0069】
(ステップS2)チャックの上への移動
なお、破断前において被写体に亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体の変化は急激であるので、亀裂が入る前の破断直前も含めて、短い撮影間隔で、すなわち高速で撮影を行う。第1実施例では、撮影速度が100,000フレーム/秒(撮影間隔は10μs/フレーム)の高速撮影を『x+40』フレーム分だけ行う(フレーム番号が『0』〜『x+40』)、すなわちステップS4まで高速撮影を行う。『x+40』フレーム分を撮影後、高速撮影から、ステップS5の低速撮影へ変更する。
【0070】
移動架台16を移動速度vで上へ移動させることで、上側のチャック11が移動速度vで上へ移動する。このように上側のチャック11を移動速度vごとに上に移動させることで、2つのチャック11間で距離が次第に長くなり、被写体Mに張力を付与して引張試験を行う。
【0071】
このとき、チャック11の上への移動に追従してガイドレール15を操作する。具体的には、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaに対して移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させて、移動架台16内のビデオカメラ3やマイク17や照明部18が、張力による被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くようにする。
【0072】
(ステップS3)破断音を集音?
ステップS2で上側のチャック11を移動速度vごとに上に移動させて、被写体Mに張力を付与して引張試験を行って、トリガ発生回路35からトリガが出力したか否かを判断する。すなわち、張力による被写体Mの破断音をマイク17が集音したか否かを判断する。被写体Mの破断音による電圧変位をトリガ発生回路35がトリガ信号として出力していなければ、被写体Mの破断音をマイク17が集音していないとして、ステップS2に戻って、ステップS2のチャックの上への移動(張力付与)を引き続き行う。
【0073】
トリガが発生していれば、被写体Mの破断音をマイク17が集音して、被写体Mの破断音による電圧変位をトリガとして取り込んだとして、チャックの上への移動(張力付与)を終了する。
【0074】
(ステップS4)高速で撮影
被写体Mが破断してから所定時間経過前(第1実施例では40フレーム)(フレーム番号が『x+40』)までは、変化が急激であるので、高速撮影を引き続けて行う。『x+40』フレーム分を撮影後、上述したように高速撮影から、ステップS5の低速撮影へ変更する。
【0075】
(ステップS5)低速で撮影
被写体Mが破断してから所定時間経過後では、変化が緩やかであるので、比較的長い撮影間隔で、すなわち低速で撮影を行う。第1実施例では、撮影速度が20,000フレーム/秒(撮影間隔は50μs/フレーム)の低速撮影を行う。
【0076】
上述したステップS1〜S5に係る一連の撮影方法、および第1実施例に係る試験装置1およびそれに備えられたビデオカメラ3によれば、ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、上側のチャック11の上への移動速度v(=Δa/T)に基づいて被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域を求め、求められた被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置Xを精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0077】
また、第1実施例では、移動速度vに基づいて張力による被写体Mの全長(a+Δa)(=a+v×T)を逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)に基づいて被写体Mの破断位置Xの近傍を求めている。通常では、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分の位置で切断されることが多いので、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分を被写体Mの破断位置Xの近傍とすればよい。従って、第1実施例では、被写体Mの全長(a+Δa)の半分である(a+Δa)/2を判断位置Xとしている。
【0078】
また、第1実施例では、ビデオカメラ3を被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向かせるために、被写体Mの破断位置の近傍の領域とビデオカメラ3との距離を一定にして、ビデオカメラ3を平行移動させて制御している。具体的には、移動架台16をガイドレール15に沿って上下に平行移動(昇降)し、被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域に常に向くように、伸びた長さ分Δaに合わせて移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させる。
【0079】
また、第1実施例では、移動架台16には、ビデオカメラ3の他に、マイク17と照明部18とが内蔵されているので、マイク17と照明部18とは、ビデオかめら3の動作に追従して動作する。また、マイク17および照明部18も、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くので、照明部18の場合には、ビデオカメラ3が向く領域と同じ領域に光を照射して、光をより適切な領域に照射することができ、マイク17の場合には、ビデオカメラ3が向く領域と同じ領域から集音して、破断音をより集音し易くすることができる。その結果、より適切な撮影を行うことができる。
【0080】
また、第1実施例では、マイク17が被写体Mの破断音を集音して、被写体Mの破断音のタイミングをトリガ発生回路35がトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することで、破断位置Xを精度良く検出のみならず、破断の瞬間を精度良く検出することができ、撮影をより一層適切に行うことができる。
【0081】
第1実施例では、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更しており、トリガ信号に同期して撮影間隔を変更している。破断前において被写体Mに亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体Mの変化は急激であるので、トリガ信号出力直後以降よりも短い撮影間隔で、すなわち速い撮影速度で撮影を行うことで、トリガ信号出力直後である、破断前後における被写体Mの急激な変化を詳細に撮影することができる。また、トリガ信号出力直後以降は、被検体Mの変化が緩やかであることから、トリガ信号が出力してからは、ステップS5の時点で撮影を終了する、あるいは撮影する時間を変更するなど撮影時間の配分を変更することもできる。
【0082】
なお、マイク17と照明部18とは、ビデオカメラ3の動作に追従するのが好ましい。ビデオカメラ3の動作に追従しない場合には、たとえ、マイク17および照明部18が、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向いていたとしても、照明部18から照射される光の照度や、マイク17への音量が変化してしまうからである。
【0083】
〔第2実施例〕
次に、この発明の第2実施例を説明する。なお、第1実施例装置と共通する箇所については同符号を付して、その説明を省略する。第2実施例に係る試験装置は、図6に示すとおりであり、第2実施例の画像処理装置4は、計測値記憶部39をも備えることを除いて、第1実施例の画像処理装置4と同じ構成からなる。
【0084】
計測値記憶部39は、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値を記憶する。また、演算部38は、計測値記憶部39に記憶された計測値の平均を求め、この平均を破断位置Xとしている。なお、平均は通常に用いられる平均であれば、特に限定されず、例えば加算平均であってもよいし、加乗平均であってもよい。記憶部39は、この発明における計測値記憶手段に相当する。
【0085】
なお、第2実施例に係る撮影方法については、図5の第1実施例に係る撮影方法を示すフローチャートと同じであるので、説明を省略する。なお、実際に破断する破断位置Xは、計測値記憶部39に記憶された計測値の平均によって求まるので、実際に破断するまで移動架台16を動かさずに、実際に破断する直前に移動架台16を動かして、移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18が、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くようにしてもよい。
【0086】
上述した第2実施例に係る試験装置1およびそれに備えられたビデオカメラ3によれば、ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、計測値記憶部39に記憶された、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置Xを精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0087】
また、第2実施例では、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値の平均を破断位置Xとしている。なお、今回、実際に破断された破断位置を次回の試験のために、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値として計測値記憶部39に新たに記憶して、次回の試験には、この計測値も加味して平均を求めてもよい。
【0088】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0089】
(1)上述した第1,第2実施例では、被写体Mの光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段として、100,000フレーム/秒程度の撮影速度が可能な高速撮影装置のビデオカメラ3を例に採って説明したが、高速撮影に限定されないし、通常に用いられる撮像手段であれば、特に限定されない。
【0090】
(2)上述した第1,第2実施例では、被写体Mに張力を付与するのに、上側にあるチャック11のみを移動させる可動台12を用いたが、張力を付与する通常の手段であって、チャック11などに代表される2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、被写体Mに張力を付与するものであれば、特に限定されない。また、本実施例では、支持手段として被写体Mをそれぞれ把持する2つのチャック11を用いたが、被写体Mを支持する通常の手段であって、一方が被写体Mの所定箇所を支持するとともに、他方が被写体Mの別の所定箇所を支持する2つの支持具からなるものであれば、特に限定されない。
【0091】
また、第1,第2実施例では、下側にあるチャック11を固定し、上側にあるチャック11のみが可動台12によって上に移動して、被写体Mに張力を付与したが、チャック11などに代表される2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、被写体Mに張力を付与するのであれば、特に限定されない。例えば、上側にあるチャック11を固定し、下側にあるチャック11のみが可動台12によって上に移動して、被写体Mに張力を付与してもよいし、両チャック11ともに移動することで両チャック11間の距離が次第に長くなるようにして、被写体Mに張力を付与してもよい。
【0092】
(3)上述した第1,第2実施例では、被写体Mは、ゴムやバネなどに代表される弾性体であったが、引張試験の対象となるものであれば、特に限定されない。
【0093】
(4)上述した第2実施例では、ビデオカメラ3などに代表される撮影手段が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御するのに、計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としたが、単に平均を求めるだけでなく、例えば、以前に計測された計測値の集合のうち、存在確率の低い計測値を除外して、残りの計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよいし、存在確率のもっとも高い計測値を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよいし、存在確率を乗算した計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよい。
【0094】
(5)上述した第1実施例では、ビデオカメラ3などに代表される撮影手段が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、移動速度vに基づいて撮影手段を制御するのに、張力による被写体Mの全長(a+Δa)(=a+v×T)をそれぞれ逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分を被写体Mの破断位置Xの近傍としたが、被写体Mの破断位置Xが、材質によって全長(a+Δa)のほぼ半分の位置でなければ、経験則、すなわち以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいて全長(a+Δa)のどの部分で切断されるかを想定し、想定された割合を全長(a+Δa)に乗じて、その乗じた結果の位置を被写体Mの破断位置Xの近傍とすればよい。
【0095】
また、移動速度vに基づいて撮影手段を制御する他の一例として、以前に計測された張力付与開始から切断直前までの時間の平均を求め、平均された時間を移動速度vに乗じて、その乗じた結果の伸び分を張力付与前の元の長さに加算して、その加算した結果の全長の半分を被写体Mの破断位置の近傍とすることが挙げられる。
【0096】
(6)上述した第1,第2実施例では、被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御し、撮影条件を変更したが、撮影条件を変更するのが目的でなく、この発明の目的である破断位置を精度良く検出して引張試験を精度良く制御することができることを単に達成するのであれば、トリガ信号を出力することは必ずしも必要でない。
【0097】
また、被写体Mが破断するタイミングの検出を破断音以外によってトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御し、撮影条件を変更してもよい。すなわち、破断時にトリガを出力するものであれば、被写体Mの破断音を集音するマイク17に限定されない。
【0098】
例えば、透過型の光センサとして投光用のセンサと受光用のセンサとを備え、被写体Mを挟んで投光用のセンサと受光用のセンサとを対向して配設し、破断前には被写体Mによって光が遮断されて受光用のセンサに光が受信されず、破断後には被写体Mの破断によって光が透過して受光用のセンサに光が受信されることを利用して破断のタイミングを検出してもよい。
【0099】
また、例えば、反射型の光センサとして投光用のセンサと受光用のセンサとを備え、被写体Mの一方側に投光用のセンサと受光用のセンサとを配設し、破断前には被写体Mによって光が反射して受光用のセンサに光が受信され、破断後には被写体Mの破断によって光が遮断されて受光用のセンサに光が受信されないことを利用して破断のタイミングを検出してもよい。
【0100】
いずれの場合においても、光が透過/反射する位置が被写体の破断位置Xになるように設定するが、投光用のセンサや受光用のセンサがある程度の幅で投光あるいは受信することができるのであれば、張力の状態によって被写体Mの破断位置が逐次異なるが、第1,第2実施例のように光センサを移動架台16のようなもので必ずしも移動させる必要はない。
【0101】
(7)上述した第1,第2実施例では、照明部18は連続して照射し続けたが、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期して、間欠的に照射してもよい。
【0102】
(8)上述した第1,第2実施例では、照明部18を配設したが、必ずしも配設する必要はない。同様に、マイク17で被写体Mの破断音を集音して、その破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することが目的でない、あるいは、変形例(6)で上述したように、破断音以外の光センサによる光の受信変化のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することが目的であれば、マイク17を必ずしも配設する必要はない。
【0103】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係る撮影方法によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御しているので、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。また、この発明に係る撮影方法を用いた試験装置によれば、請求項1,2に記載の発明を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラの全体構成を示したブロック図である。
【図2】被写体である弾性体の破断位置と、ビデオカメラ,マイク,および照明部の向きとの関係を示した図であって、(a)は、被写体に張力が付与される前の状態のときの図、(b)は、被写体に張力が付与されたときの図である。
【図3】一連の撮影条件のタイムテーブルである。
【図4】撮影間隔や露光時間のタイミングを示したパルス波形図である。
【図5】第1,第2実施例に係る撮影方法を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラの全体構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 … 試験装置
2 … 引張試験機
3 … ビデオカメラ
4 … 画像処理装置
11 … チャック
12 … 可動台
14 … 試験制御部
15 … ガイドレール
16 … 移動架台
17 … マイク
18 … 照明部
31 … 画像処理部
33 … 照明制御部
34 … クロック発生回路
37 … ガイドレール制御部
38 … 演算部
M … 被写体
【発明の属する技術分野】
この発明は、被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法およびそれを用いた試験装置に係り、特に、金属工業分野,機械工業分野,化学工業分野などに用いて試験を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の引張試験は、例えば、2つの支持具のうち一方が板状の試験斤の一端を、他方が試験斤の他端を支持し、2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、試験斤に張力を付与し試験斤の破断を起こさせることで行われている。このような引張試験を行うために、試験斤を被写体として、例えばビデオカメラで撮影を行い、張力による疲労破壊による試験斤の破断を観測している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、引張試験の場合には、張力による伸びが試験斤の材質によって異なるので、試験斤の破断位置が一定でない。また、引張試験の場合には、破断のタイミングが分からないので、試験斤の破断位置を特定することができない。その結果、ビデオカメラが破断位置でない領域を撮影してしまい、試験斤の破断を観測することができない恐れがある。
【0004】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる撮影方法およびそれを用いた試験装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とするものである。
【0006】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験の撮像手段を精度良く制御することができる。
【0007】
このような目的を達成する発明は、請求項1に記載の発明以外に、請求項2に記載の発明がある。請求項2に記載の発明は、次のような構成をとる。
【0008】
すなわち、請求項2に記載の発明は、2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とするものである。
【0009】
〔作用・効果〕請求項2に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験の撮像手段を精度良く制御することができる。
【0010】
また、請求項1または請求項2に記載の撮影方法を下記の請求項3に記載の発明に係る試験装置に用いることができる。請求項3に記載の発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮影方法を用いた試験装置であって、一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持する2つの支持具からなる支持手段と、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与する張力付与手段と、前記張力付与手段を操作することで引張試験を制御する試験制御手段と、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理する画像処理手段と、前記撮像手段を駆動させる撮像駆動手段と、撮影を制御する撮影制御手段とを備え、前記張力付与手段が被写体に張力を付与することで、各支持具に支持された被写体の引張試験を行い、前記撮像手段が、張力による被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することを特徴とするものである。
【0011】
〔作用・効果〕請求項3に記載の発明によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。その結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0012】
なお、本明細書は、上記撮影方法およびそれを用いた試験装置の他に、下記の撮影方法およびそれを用いた試験装置に係る発明も開示している。
【0013】
(1)請求項1に記載の撮影方法において、前記計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることを特徴とする撮影方法。
【0014】
〔作用・効果〕請求項1に記載の撮影方法において、計測値に基づいて撮影手段を制御する一例として、上記(1)の発明にように、計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることが挙げられる。なお、平均は通常に用いられる平均であれば、特に限定されず、例えば加算平均であってもよいし、加乗平均であってもよい。計測値に基づいて撮影手段を制御する他の例として、以前に計測された計測値の集合のうち、存在確率の低い計測値を除外して、残りの計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることや、存在確率のもっとも高い計測値を被写体の破断位置の近傍とすることや、存在確率を乗算した計測値の平均を被写体の破断位置の近傍とすることなどが挙げられる。
【0015】
(2)請求項2に記載の撮影方法において、前記移動速度に基づいて張力による前記被写体の全長をそれぞれ求め、前記被写体の全長に基づいて被写体の破断位置の近傍を求めることを特徴とする撮影方法。
【0016】
(3)前記(2)に記載の撮影方法において、前記被写体の全長のほぼ半分を被写体の破断位置の近傍とすることを特徴とする撮影方法。
【0017】
〔作用・効果〕請求項2に記載の撮影方法において、移動速度に基づいて撮影手段を制御する一例として、上記(2)の発明のように、移動速度に基づいて張力による被写体の全長をそれぞれ求め、被写体の全長に基づいて被写体の破断位置の近傍を求めることが挙げられる。
【0018】
さらに、通常では、被写体の全長のほぼ半分の位置で切断されることが多いので、上記(3)の発明のように、被写体の全長のほぼ半分を被写体の破断位置の近傍とすればよい。被写体の破断位置が、材質によって全長のほぼ半分の位置でなければ、経験則、すなわち以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて全長のどの部分で切断されるかを想定し、想定された割合を全長に乗じて、その乗じた結果の位置を被写体の破断位置の近傍とすればよい。
【0019】
また、移動速度に基づいて撮影手段を制御する他の一例として、以前に計測された張力付与開始から切断直前までの時間の平均を求め、平均された時間を移動速度に乗じて、その乗じた結果の伸び分を張力付与前の元の長さに加算して、その加算した結果の全長の半分を被写体の破断位置の近傍とすることが挙げられる。
【0020】
(4)請求項1、請求項2、前記(1)から(3)のいずれかに記載の撮影方法において、被写体の破断位置の近傍の領域と前記撮影手段との距離を一定にするように、前記撮影手段を平行移動させて制御することで、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせることを特徴とする撮影方法。
【0021】
〔作用・効果〕撮像手段を被写体の破断位置の近傍の領域に向かせる一例として、上記(4)の発明のように、被写体の破断位置の近傍の領域と撮影手段との距離を一定にするように、撮影手段を平行移動させて制御することが挙げられる。
【0022】
なお、被写体に光を照射する照明手段や、被写体の破断音を集音する集音手段を撮影に用いる場合には、下記(5),(6)の発明のようにこれらの手段を動作させることができる。
【0023】
(5)請求項1、請求項2、前記(1)から(4)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体に光を照射する照明手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ前記照明手段が、前記撮像手段の動作に追従して動作することを特徴とする撮影方法。
【0024】
(6)請求項1、請求項2、前記(1)から(5)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体の破断音を集音する集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ前記集音手段が、前記撮像手段の動作に追従して動作することを特徴とする撮影方法。
【0025】
〔作用・効果〕上記(5),(6)の発明によれば、照明手段または集音手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くので、照明手段の場合には、撮像手段が向く領域と同じ領域に光を照射して、光をより適切な領域に照射することができ、より適切な撮影を行うことができ、集音手段の場合には、撮像手段が向く領域と同じ領域から集音して、破断音をより集音し易くすることができ、より適切な撮影を行うことができる。なお、上記(5),(6)の発明のように、照明手段または集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向き、かつ、その手段が、撮像手段の動作に追従して動作するのが好ましい。撮像手段の動作に追従しない場合には、たとえ、照明手段および集音手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向いていたとしても、照明手段から照射される光の照度や集音手段への音量が変化してしまうからである。
【0026】
(7)請求項1、請求項2、前記(1)から(6)のいずれかに記載の撮影方法において、前記被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することを特徴とする撮影方法。
【0027】
〔作用・効果〕上記(7)の発明によれば、被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することで、破断位置を精度良く検出のみならず、破断の瞬間を精度良く検出することができ、撮影をより一層適切に行うことができる。
【0028】
(8)前記(7)に記載の撮影方法において、前記トリガ信号に基づいて撮影条件を変更することを特徴とする撮影方法。
【0029】
(9)前記(8)に記載の撮影方法において、前記撮影条件は、各撮影間の時間である撮影間隔であって、前記トリガ信号に同期して破断前後の撮影間隔を変更することを特徴とする撮影方法。
【0030】
〔作用・効果〕上記(7)の発明において、トリガ信号に基づく具体的な撮影制御の一例として、上記(8)の発明のように、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更することが挙げられる。さらに、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更する例としては、上記(9)の発明のように、撮影条件は、各撮影間の時間である撮影間隔であって、トリガ信号に同期して破断前後の撮影間隔を変更することが挙げられる。例えば、破断前において被写体に亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体の変化は急激であるので、トリガ信号出力直後以降よりも短い撮影間隔で、すなわち速い撮影速度で撮影を行うことで、被写体に亀裂が入る直前からトリガ信号出力直後である破断直後である、破断前後における被写体の急激な変化を詳細に撮影することができる。また、トリガ信号出力直後以降は、被検体の変化が緩やかであることから、トリガ信号が出力してからは、撮影を終了する、あるいは撮影する時間を変更するなど撮影時間の配分を変更することもできる。
【0031】
(A)請求項1、請求項2、前記(1)から(9)のいずれかに記載の撮影方法を用いた撮影装置、または請求項3に記載の試験装置において、以前に計測された被写体の破断位置の計測値を記憶する計測値記憶手段を備え、前記計測値記憶手段に記憶された前記計測値に基づいて前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することで、前記撮像手段を制御することを特徴とする試験装置。
【0032】
(B)請求項1、請求項2、前記(1)から(9)のいずれかに記載の撮影方法を用いた撮影装置、または請求項3に記載の試験装置において、演算処理を行う演算手段を備え、前記演算手段は、前記2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて被写体の破断位置の近傍の領域を求め、求められた被写体の破断位置の近傍の領域に基づいて前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することで、前記撮像手段を制御することを特徴とする試験装置。
【0033】
〔作用・効果〕上記(A)の発明によれば、計測値記憶手段に記憶された計測値に基づいて撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。また、上記(B)の発明によれば、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて被写体の破断位置の近傍の領域を求め、求められた被写体の破断位置の近傍の領域に基づいて撮影制御手段が撮像駆動手段を操作することで、撮像手段を制御している。上記(A),(B)の発明における作用の結果、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。すなわち、請求項1,2に記載の発明をそれぞれ好適に行うことができる。
【0034】
(C)請求項3、前記(A)、または前記(B)のいずれかに記載の試験装置において、前記撮像駆動手段は、前記撮影手段を平行移動させる手段であって、被写体の破断位置の近傍の領域と前記撮影手段との距離を一定にして、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせるように、前記撮像駆動手段を操作することを特徴とする試験装置。
【0035】
〔作用・効果〕撮像手段を被写体の破断位置の近傍の領域に向かせる一例として、上記(C)の発明のように、撮像駆動手段は、撮影手段を平行移動させる手段であって、被写体の破断位置の近傍の領域と撮影手段との距離を一定にして、被写体の破断位置の近傍の領域に撮影手段を向かせるように、撮像駆動手段を操作することが挙げられる。上記(C)の発明によれば、上記(4)の発明をそれぞれ好適に行うことができる。
【0036】
(D)請求項3、前記(A)から(C)のいずれかに記載の試験装置において、前記被写体に光を照射する照明手段を備えることを特徴とする試験装置。
【0037】
(E)請求項3、前記(A)から(D)のいずれかに記載の試験装置において、前記被写体の破断音を集音する集音手段を備えることを特徴とする試験装置。
【0038】
なお、請求項3、上記(A)〜(C)の発明に、上記(D)の発明のように、被写体に光を照射する照明手段を備えてもよいし、請求項3、上記(A)〜(D)の発明に、上記(E)の発明のように、被写体の破断音を集音する集音手段を備えてもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕
以下、図面を参照してこの発明の第1実施例を説明する。
図1は、第1実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラ(高速撮影装置)の全体構成を示したブロック図、図2は、被写体である弾性体の破断位置と、ビデオカメラ,マイク,および照明部の向きとの関係を示した図、図3は、一連の撮影条件のタイムテーブル、図4は、撮影間隔や露光時間のタイミングを示したパルス波形図(タイミングチャート)であって、図5は、第1実施例に係る撮影方法を示すフローチャートである。なお、第1,第2実施例では被写体として弾性体を例に採って説明する。
【0040】
図1中の符号1は、第1実施例に係る試験装置であり、この試験装置1は、被写体Mに張力を付与し被写体Mの破断を撮影する引張試験を行う装置であって、大別すると引張試験機2,高速撮影が可能なビデオカメラ3,画像処理装置4から構成される。
【0041】
引張試験機2は、一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持する2つのチャック11,上側にあるチャック11を上下に移動させる可動台12,チャック11や可動台12を囲むフレーム13,およびこれらを統括・制御する試験制御部14から構成される。
【0042】
各チャック11は絶縁体からなり、被写体Mの各端部を把持する。2つのチャック11のうち、下側にあるチャック11は固定されており、上側にあるチャック11のみが可動台12によって上下に移動する。2つのチャック11は、この発明における支持手段に、各チャック11は、この発明における支持具に、可動台12は、この発明における張力付与手段にそれぞれ相当する。
【0043】
また、試験制御部14は、上述したようにチャック11,可動台12などを統括制御する。具体的には、試験制御部14は、可動台12の駆動のオン・オフの切換などを制御するとともに、可動台12の移動速度などの張力付与に関する物理量を操作することで引張試験を制御する。試験制御部14は、この発明における試験制御手段に相当する。
【0044】
ビデオカメラ3は、マイクロチャンネルプレート型イメージインテシファイア(以下、『MCP型I.I』という)21,および撮像素子22から構成される。ビデオカメラ3は、この発明における撮像手段に相当する。
【0045】
MCP型I.I21は、被写体の光学像を光電子に変換して、後述するクロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期するパルス電圧の印加によって光電子を倍増した後、倍増された光電子を光学像に再度変換する機能を備えている。つまり、MCP型I.I21は、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期するパルス電圧の印加によってオン・オフ切換を調整し、シャッタとして作動する機能を備えている。
【0046】
撮像素子22は、光電変換する複数個のフォトダイオード、およびCCD素子群を備えており、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する。そして、撮像素子22は、光電変換された電荷の蓄積、および読み出しを逐次行う際に、シャッタとして作動する機能を備えている。
【0047】
引張試験機2の傍らには、ガイドレール15が、フレーム13の上下に延在されて配設されており、このガイドレール15に沿って移動可能に構成された移動架台16が配設されている。この移動架台16には、上述したビデオカメラ3と、被写体Mの破断音を集音するマイク17と、被写体Mに光を照射する照明部18とが内蔵されている。ガイドレール15に沿って移動架台16が上下に平行移動(昇降)すると、移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18も移動架台16に追従して上下に平行移動(昇降)する。要約すれば、マイク17と照明部18とは、ビデオカメラ3の動作に追従して動作することにもなる。ガイドレール15は、この発明における撮像駆動手段に、マイク17は、この発明における集音手段に、照明部18は、この発明における照明手段にそれぞれ相当する。
【0048】
なお、照明部18は、キセノンガスなどの希ガスが封入された放電管(図示省略)などから構成される。そして、照明部18の放電管から可視光あるいは紫外光を放射して、被写体Mを照射する。
【0049】
また、ビデオカメラ3,マイク17,および照明部18は、図2に示すように、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に常に向くように、配設されている。具体的には、張力の状態によって被写体Mの破断位置Xは異なるので、想定された被写体Mの破断位置Xの近傍の領域とビデオカメラ3との距離を一定にして、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域にビデオカメラ3を向かせるように、ガイドレール15を操作する。マイク17,および照明部18もビデオカメラ3と同様である。
【0050】
図2(a)に示すように、被写体Mに張力が付与される前の全長をaとし、図2(b)に示すように、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分をΔaとする。また、簡単のために、破断位置Xを被写体の全長(a+Δa)の半分とする。張力が付与される前には被検体Mは破断されないが、そのときの破断位置Xは、図2(a)に示すようにa/2となり、張力が付与されたときの破断位置Xは、図2(b)に示すように(a+Δa)/2となる。移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18は、被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域に常に向くように、伸びた長さ分Δaに合わせて移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させる。
【0051】
画像処理装置4は、図1に示すように、画像処理部31,主記憶部32,照明制御部33,クロック発生回路34,トリガ発生回路35,モニタ36,ガイドレール制御部37,および演算部38から構成される。
【0052】
画像処理部31は、アンプやADコンバータ(いずれも図示省略)によって信号を増幅してアナログ信号からディジタル信号に変換する。つまり、画像処理部31は、撮像素子22から出力された電気信号を撮影画像として処理する機能を備えている。画像処理部31によって処理された撮影画像は主記憶部32に記憶され、逐次モニタ36に出力表示される。画像処理部31は、この発明における画像処理手段に相当する。
【0053】
照明制御部33は、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期して、照明部18の駆動を促す。
【0054】
クロック発生回路34は、MCP型I.I21,撮像素子22,画像処理部31,主記憶部32,照明制御部33,ガイドレール制御部37をタイミングについて統括制御する機能を備えている。クロック発生回路34から出力されるクロック信号に種々の信号が同期する。
【0055】
トリガ発生回路35は、被写体Mの破断音のタイミングをトリガ信号として出力する。具体的には、被写体Mの破断音による電圧変位をトリガ信号として出力する。被検体Mの破断音を集音するのは移動架台16内のマイク17によって行われる。上述したように、マイク17は、被写体Mの破断位置Xの近傍に領域に常に向くように配設されているので、破断音をより集音し易くすることができる。
【0056】
ガイドレール制御部37は、ビデオカメラ3やマイク17や照明部18が、張力による被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、ガイドレール15を操作する。具体的には、上述したように、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaに対して移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させるべく、ガイドレール制御部37はガイドレール15を操作する。また、移動架台16の移動速度をvとし、張力を付与してから破断するまでの時間をTとすると、張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaはv×Tと表すことができる。
【0057】
演算部38は、移動速度vに基づいて張力による被写体Mの全長(a+Δa)を逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)を2で除算、すなわち被写体Mの全(a+Δa)長の半分を求める。これによって、破断位置Xは、上述したように、被写体の全長(a+Δa)の半分である(a+Δa)/2となる。演算部38は、この発明における演算手段に相当する。
【0058】
照明制御部33は照明の強度などを設定し、クロック発生回路34はタイミングについて統括制御し、ガイドレール制御部37はガイドレール15を操作することでビデオカメラ3,マイク17,および照明部18の動作を制御するので、照明制御部33,クロック発生回路34,およびガイドレール制御部37によって撮影を制御することになる。従って、照明制御部33とクロック発生回路34とガイドレール制御部37とは、この発明における撮影制御手段に相当する。
【0059】
トリガ発生回路35からトリガ出力されると、そのトリガ信号に基づいて、図3に示すタイムテーブルにある一連の撮影条件を変更する。具体的には、そのトリガ信号に同期して撮影間隔を変更する。
【0060】
図3中の左端の列は『撮影モード』であって、『低速』は低速撮影、『高速』は高速撮影である。図3中の左から2番目の列の『トリガ』は、トリガ発生回路35から発生するトリガの有無の判定であって、トリガが発生していれば『あり』、トリガが発生していなければ『なし』とする。図3中の右から2番目の列は、『フレーム番号』である。また、トリガが発生したとき、すなわち被写体Mである弾性体が張力によって破断したときのフレーム番号を『x』で表す。なお、第1実施例では、破断後の被検体の変化が緩やかになるフレーム番号を『x+40』とする。図3中の右端の列は『撮影速度』であって、単位はフレーム/秒である。
【0061】
本明細書中では、撮影速度が100,000フレーム/秒以上を『高速撮影』とし、それ未満の撮影速度を『低速撮影』とする。従って、フレーム番号が『0』〜『x+39』までは撮影速度が100,000フレーム/秒なので、撮影モードが高速撮影となり、フレーム番号が『x+40』〜『x+69』までは撮影速度が20,000フレーム/秒なので、撮影モードが低速撮影となる。
【0062】
また、撮影間隔は、撮影速度の逆数である。従って、高速撮影での撮影速度が100,000フレーム/秒のときには、撮影間隔は1.0×10−5秒/フレーム(10μs/フレーム)となり、低速撮影での撮影速度が20,000フレーム/秒のときには、撮影間隔は5.0×10−5秒/フレーム(50μs/フレーム)となる。
【0063】
図4中の転送クロックは、パルス電圧の印加により、MCP型I.I21のオン・オフ切換が調整されて、シャッタリング、すなわち露光時間の制御を行う。また、図4中のシャッタリングクロックは、照明制御部33を制御する信号であって、このシャッタリングクロックに同期して、照明部18は紫外線を放射する。
【0064】
シャッタリングクロックの出力は、転送クロックの各撮影間隔にそれぞれ同期し、シャッタリングクロックが出力される時間が露光時間となる。露光時間を、図4に示すように『t』とすると、撮影モードの如何に関わらず露光時間がtと常に一定になる。露光時間tの設定は、撮影間隔の中での最小撮影間隔に基づいて行われる。第1実施例の場合には、最小撮影間隔は、高速撮影での撮影間隔である10μs/フレームとなる。従って、露光時間tは、この最小撮影間隔である10μs/フレームよりも短く設定される。最小撮影間隔である10μs/フレームに基づいて行わないと、撮影間隔よりも露光時間tが長くなるという事態が発生するからである。なお、第1実施例では、照明部18からの被写体Mへの光の照射は、撮影の間、連続的に行われているとする。
【0065】
第1実施例では、トリガ発生回路35からトリガが発生して、トリガ信号が出力してから40フレーム目に、すなわち、フレーム番号が『x+40』のときに、図3に示すように、撮影速度が100,000フレーム/秒(撮影間隔は10μs/フレーム)の高速撮影から、撮影速度が20,000フレーム/秒(撮影間隔は50μs/フレーム)の低速撮影に変更される。
【0066】
この他に、図示を省略する垂直同期信号は、1フレーム分の画像のタイミングをとるための信号であって、モニタ36に出力するフレームレートでもある。また、図示を省略する垂直転送パルスは、モニタ36の垂直方向に撮影画像を逐次出力するための信号である。図示を省略する映像出力は、モニタ36に出力される走査線1本分の撮影画像であって、垂直転送パルスごとに走査線1本分の撮影画像がモニタ36の垂直方向に逐次出力される。そして1フレームで、すなわち次の垂直同期信号が出力されるまで、1フレーム分の画像が撮影画像としてモニタ36に出力される。なお、これらの信号およびクロックは、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期されるものとする。
【0067】
次に、第1実施例に係る撮影方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
(ステップS1)チャックの設定
2つのチャック11のうち、両チャック11間の距離が被写体の全長にほぼ一致するように、可動台12を上下に移動させることで上側のチャック11を動かす。そして、一方が被写体Mの一端を支持するとともに、他方が被写体Mの他端を支持して、チャック11の設定を行う。チャック11を設定してから、下記のステップS2を行う。
【0069】
(ステップS2)チャックの上への移動
なお、破断前において被写体に亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体の変化は急激であるので、亀裂が入る前の破断直前も含めて、短い撮影間隔で、すなわち高速で撮影を行う。第1実施例では、撮影速度が100,000フレーム/秒(撮影間隔は10μs/フレーム)の高速撮影を『x+40』フレーム分だけ行う(フレーム番号が『0』〜『x+40』)、すなわちステップS4まで高速撮影を行う。『x+40』フレーム分を撮影後、高速撮影から、ステップS5の低速撮影へ変更する。
【0070】
移動架台16を移動速度vで上へ移動させることで、上側のチャック11が移動速度vで上へ移動する。このように上側のチャック11を移動速度vごとに上に移動させることで、2つのチャック11間で距離が次第に長くなり、被写体Mに張力を付与して引張試験を行う。
【0071】
このとき、チャック11の上への移動に追従してガイドレール15を操作する。具体的には、被写体Mに張力が付与されたときに伸びた長さ分Δaに対して移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させて、移動架台16内のビデオカメラ3やマイク17や照明部18が、張力による被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くようにする。
【0072】
(ステップS3)破断音を集音?
ステップS2で上側のチャック11を移動速度vごとに上に移動させて、被写体Mに張力を付与して引張試験を行って、トリガ発生回路35からトリガが出力したか否かを判断する。すなわち、張力による被写体Mの破断音をマイク17が集音したか否かを判断する。被写体Mの破断音による電圧変位をトリガ発生回路35がトリガ信号として出力していなければ、被写体Mの破断音をマイク17が集音していないとして、ステップS2に戻って、ステップS2のチャックの上への移動(張力付与)を引き続き行う。
【0073】
トリガが発生していれば、被写体Mの破断音をマイク17が集音して、被写体Mの破断音による電圧変位をトリガとして取り込んだとして、チャックの上への移動(張力付与)を終了する。
【0074】
(ステップS4)高速で撮影
被写体Mが破断してから所定時間経過前(第1実施例では40フレーム)(フレーム番号が『x+40』)までは、変化が急激であるので、高速撮影を引き続けて行う。『x+40』フレーム分を撮影後、上述したように高速撮影から、ステップS5の低速撮影へ変更する。
【0075】
(ステップS5)低速で撮影
被写体Mが破断してから所定時間経過後では、変化が緩やかであるので、比較的長い撮影間隔で、すなわち低速で撮影を行う。第1実施例では、撮影速度が20,000フレーム/秒(撮影間隔は50μs/フレーム)の低速撮影を行う。
【0076】
上述したステップS1〜S5に係る一連の撮影方法、および第1実施例に係る試験装置1およびそれに備えられたビデオカメラ3によれば、ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、上側のチャック11の上への移動速度v(=Δa/T)に基づいて被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域を求め、求められた被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置Xを精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0077】
また、第1実施例では、移動速度vに基づいて張力による被写体Mの全長(a+Δa)(=a+v×T)を逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)に基づいて被写体Mの破断位置Xの近傍を求めている。通常では、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分の位置で切断されることが多いので、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分を被写体Mの破断位置Xの近傍とすればよい。従って、第1実施例では、被写体Mの全長(a+Δa)の半分である(a+Δa)/2を判断位置Xとしている。
【0078】
また、第1実施例では、ビデオカメラ3を被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向かせるために、被写体Mの破断位置の近傍の領域とビデオカメラ3との距離を一定にして、ビデオカメラ3を平行移動させて制御している。具体的には、移動架台16をガイドレール15に沿って上下に平行移動(昇降)し、被写体Mの破断位置X(=(a+Δa)/2)の近傍の領域に常に向くように、伸びた長さ分Δaに合わせて移動架台16をΔa/2ずつガイドレール15に沿って移動させる。
【0079】
また、第1実施例では、移動架台16には、ビデオカメラ3の他に、マイク17と照明部18とが内蔵されているので、マイク17と照明部18とは、ビデオかめら3の動作に追従して動作する。また、マイク17および照明部18も、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くので、照明部18の場合には、ビデオカメラ3が向く領域と同じ領域に光を照射して、光をより適切な領域に照射することができ、マイク17の場合には、ビデオカメラ3が向く領域と同じ領域から集音して、破断音をより集音し易くすることができる。その結果、より適切な撮影を行うことができる。
【0080】
また、第1実施例では、マイク17が被写体Mの破断音を集音して、被写体Mの破断音のタイミングをトリガ発生回路35がトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することで、破断位置Xを精度良く検出のみならず、破断の瞬間を精度良く検出することができ、撮影をより一層適切に行うことができる。
【0081】
第1実施例では、トリガ信号に基づいて撮影条件を変更しており、トリガ信号に同期して撮影間隔を変更している。破断前において被写体Mに亀裂が入る直前から、破断直後までは被写体Mの変化は急激であるので、トリガ信号出力直後以降よりも短い撮影間隔で、すなわち速い撮影速度で撮影を行うことで、トリガ信号出力直後である、破断前後における被写体Mの急激な変化を詳細に撮影することができる。また、トリガ信号出力直後以降は、被検体Mの変化が緩やかであることから、トリガ信号が出力してからは、ステップS5の時点で撮影を終了する、あるいは撮影する時間を変更するなど撮影時間の配分を変更することもできる。
【0082】
なお、マイク17と照明部18とは、ビデオカメラ3の動作に追従するのが好ましい。ビデオカメラ3の動作に追従しない場合には、たとえ、マイク17および照明部18が、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向いていたとしても、照明部18から照射される光の照度や、マイク17への音量が変化してしまうからである。
【0083】
〔第2実施例〕
次に、この発明の第2実施例を説明する。なお、第1実施例装置と共通する箇所については同符号を付して、その説明を省略する。第2実施例に係る試験装置は、図6に示すとおりであり、第2実施例の画像処理装置4は、計測値記憶部39をも備えることを除いて、第1実施例の画像処理装置4と同じ構成からなる。
【0084】
計測値記憶部39は、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値を記憶する。また、演算部38は、計測値記憶部39に記憶された計測値の平均を求め、この平均を破断位置Xとしている。なお、平均は通常に用いられる平均であれば、特に限定されず、例えば加算平均であってもよいし、加乗平均であってもよい。記憶部39は、この発明における計測値記憶手段に相当する。
【0085】
なお、第2実施例に係る撮影方法については、図5の第1実施例に係る撮影方法を示すフローチャートと同じであるので、説明を省略する。なお、実際に破断する破断位置Xは、計測値記憶部39に記憶された計測値の平均によって求まるので、実際に破断するまで移動架台16を動かさずに、実際に破断する直前に移動架台16を動かして、移動架台16内のビデオカメラ3,マイク17,および照明部18が、被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くようにしてもよい。
【0086】
上述した第2実施例に係る試験装置1およびそれに備えられたビデオカメラ3によれば、ビデオカメラ3が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、計測値記憶部39に記憶された、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいてガイドレール制御部37がガイドレール15を操作することで、ビデオカメラ3を制御している。その結果、破断位置Xを精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。
【0087】
また、第2実施例では、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値の平均を破断位置Xとしている。なお、今回、実際に破断された破断位置を次回の試験のために、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値として計測値記憶部39に新たに記憶して、次回の試験には、この計測値も加味して平均を求めてもよい。
【0088】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0089】
(1)上述した第1,第2実施例では、被写体Mの光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段として、100,000フレーム/秒程度の撮影速度が可能な高速撮影装置のビデオカメラ3を例に採って説明したが、高速撮影に限定されないし、通常に用いられる撮像手段であれば、特に限定されない。
【0090】
(2)上述した第1,第2実施例では、被写体Mに張力を付与するのに、上側にあるチャック11のみを移動させる可動台12を用いたが、張力を付与する通常の手段であって、チャック11などに代表される2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、被写体Mに張力を付与するものであれば、特に限定されない。また、本実施例では、支持手段として被写体Mをそれぞれ把持する2つのチャック11を用いたが、被写体Mを支持する通常の手段であって、一方が被写体Mの所定箇所を支持するとともに、他方が被写体Mの別の所定箇所を支持する2つの支持具からなるものであれば、特に限定されない。
【0091】
また、第1,第2実施例では、下側にあるチャック11を固定し、上側にあるチャック11のみが可動台12によって上に移動して、被写体Mに張力を付与したが、チャック11などに代表される2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、被写体Mに張力を付与するのであれば、特に限定されない。例えば、上側にあるチャック11を固定し、下側にあるチャック11のみが可動台12によって上に移動して、被写体Mに張力を付与してもよいし、両チャック11ともに移動することで両チャック11間の距離が次第に長くなるようにして、被写体Mに張力を付与してもよい。
【0092】
(3)上述した第1,第2実施例では、被写体Mは、ゴムやバネなどに代表される弾性体であったが、引張試験の対象となるものであれば、特に限定されない。
【0093】
(4)上述した第2実施例では、ビデオカメラ3などに代表される撮影手段が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御するのに、計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としたが、単に平均を求めるだけでなく、例えば、以前に計測された計測値の集合のうち、存在確率の低い計測値を除外して、残りの計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよいし、存在確率のもっとも高い計測値を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよいし、存在確率を乗算した計測値の平均を被写体Mの破断位置Xの近傍としてもよい。
【0094】
(5)上述した第1実施例では、ビデオカメラ3などに代表される撮影手段が被写体Mの破断位置Xの近傍の領域に向くように、移動速度vに基づいて撮影手段を制御するのに、張力による被写体Mの全長(a+Δa)(=a+v×T)をそれぞれ逐次に求め、被写体Mの全長(a+Δa)のほぼ半分を被写体Mの破断位置Xの近傍としたが、被写体Mの破断位置Xが、材質によって全長(a+Δa)のほぼ半分の位置でなければ、経験則、すなわち以前に計測された被写体Mの破断位置の計測値に基づいて全長(a+Δa)のどの部分で切断されるかを想定し、想定された割合を全長(a+Δa)に乗じて、その乗じた結果の位置を被写体Mの破断位置Xの近傍とすればよい。
【0095】
また、移動速度vに基づいて撮影手段を制御する他の一例として、以前に計測された張力付与開始から切断直前までの時間の平均を求め、平均された時間を移動速度vに乗じて、その乗じた結果の伸び分を張力付与前の元の長さに加算して、その加算した結果の全長の半分を被写体Mの破断位置の近傍とすることが挙げられる。
【0096】
(6)上述した第1,第2実施例では、被写体の破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御し、撮影条件を変更したが、撮影条件を変更するのが目的でなく、この発明の目的である破断位置を精度良く検出して引張試験を精度良く制御することができることを単に達成するのであれば、トリガ信号を出力することは必ずしも必要でない。
【0097】
また、被写体Mが破断するタイミングの検出を破断音以外によってトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御し、撮影条件を変更してもよい。すなわち、破断時にトリガを出力するものであれば、被写体Mの破断音を集音するマイク17に限定されない。
【0098】
例えば、透過型の光センサとして投光用のセンサと受光用のセンサとを備え、被写体Mを挟んで投光用のセンサと受光用のセンサとを対向して配設し、破断前には被写体Mによって光が遮断されて受光用のセンサに光が受信されず、破断後には被写体Mの破断によって光が透過して受光用のセンサに光が受信されることを利用して破断のタイミングを検出してもよい。
【0099】
また、例えば、反射型の光センサとして投光用のセンサと受光用のセンサとを備え、被写体Mの一方側に投光用のセンサと受光用のセンサとを配設し、破断前には被写体Mによって光が反射して受光用のセンサに光が受信され、破断後には被写体Mの破断によって光が遮断されて受光用のセンサに光が受信されないことを利用して破断のタイミングを検出してもよい。
【0100】
いずれの場合においても、光が透過/反射する位置が被写体の破断位置Xになるように設定するが、投光用のセンサや受光用のセンサがある程度の幅で投光あるいは受信することができるのであれば、張力の状態によって被写体Mの破断位置が逐次異なるが、第1,第2実施例のように光センサを移動架台16のようなもので必ずしも移動させる必要はない。
【0101】
(7)上述した第1,第2実施例では、照明部18は連続して照射し続けたが、クロック発生回路34から出力されたクロック信号に同期して、間欠的に照射してもよい。
【0102】
(8)上述した第1,第2実施例では、照明部18を配設したが、必ずしも配設する必要はない。同様に、マイク17で被写体Mの破断音を集音して、その破断音のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することが目的でない、あるいは、変形例(6)で上述したように、破断音以外の光センサによる光の受信変化のタイミングをトリガ信号として出力し、そのトリガ信号に基づいて撮影を制御することが目的であれば、マイク17を必ずしも配設する必要はない。
【0103】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係る撮影方法によれば、撮像手段が被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて撮像手段を制御しているので、破断位置を精度良く検出して、引張試験を精度良く制御することができる。また、この発明に係る撮影方法を用いた試験装置によれば、請求項1,2に記載の発明を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラの全体構成を示したブロック図である。
【図2】被写体である弾性体の破断位置と、ビデオカメラ,マイク,および照明部の向きとの関係を示した図であって、(a)は、被写体に張力が付与される前の状態のときの図、(b)は、被写体に張力が付与されたときの図である。
【図3】一連の撮影条件のタイムテーブルである。
【図4】撮影間隔や露光時間のタイミングを示したパルス波形図である。
【図5】第1,第2実施例に係る撮影方法を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例に係る試験装置およびそれに備えられたビデオカメラの全体構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 … 試験装置
2 … 引張試験機
3 … ビデオカメラ
4 … 画像処理装置
11 … チャック
12 … 可動台
14 … 試験制御部
15 … ガイドレール
16 … 移動架台
17 … マイク
18 … 照明部
31 … 画像処理部
33 … 照明制御部
34 … クロック発生回路
37 … ガイドレール制御部
38 … 演算部
M … 被写体
Claims (3)
- 2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、以前に計測された被写体の破断位置の計測値に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とする撮影方法。
- 2つの支持具のうち一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持し、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与し被写体の破断を撮影する引張試験の撮影方法であって、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段が、被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、2つの支持具の相対的な移動速度に基づいて前記撮像手段を制御し、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理することを特徴とする撮影方法。
- 請求項1または請求項2に記載の撮影方法を用いた試験装置であって、一方が被写体の所定箇所を支持するとともに、他方が前記被写体の別の所定箇所を支持する2つの支持具からなる支持手段と、前記2つの支持具間で距離が次第に長くなるように2つの支持具を互いに相対的に移動させることで、前記被写体に張力を付与する張力付与手段と、前記張力付与手段を操作することで引張試験を制御する試験制御手段と、前記被写体の光学像を取り込み、取り込まれた光学像を光電変換して電気信号として出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力された電気信号を撮影画像として処理する画像処理手段と、前記撮像手段を駆動させる撮像駆動手段と、撮影を制御する撮影制御手段とを備え、前記張力付与手段が被写体に張力を付与することで、各支持具に支持された被写体の引張試験を行い、前記撮像手段が、張力による被写体の破断位置の近傍の領域に向くように、前記撮影制御手段が前記撮像駆動手段を操作することを特徴とする試験装置。
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