JP2004183687A - 接続継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間部位10aから2つの第1接続部91a,91aが一端側に、2つの第2接続部92,92が他端側にそれぞれ延びるように合成樹脂成形により一体に形成する。各第2接続部にはシール部641を二色成形法により一体に形成する。両第1接続部を互いの中心軸X,Xが先端側で交差するように斜めに延ばす。両第1接続部の先端間隔L1を、遮熱管3及び鞘管4により保護被覆されたペアチューブP内の一対の循環用配管1a,1bの中心間隔と略等しくする。両第1接続部に両配管を同時に接続し、両第2接続部を熱源機の往き・戻りの両ヘッダに同時に接続する。一対の配管は両第1接続部に押し込まれると弾性変形等により強制的に屈曲され、抜け止めされた状態に強固に接続される。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば暖房端末又は浴槽等の設置物と、熱源機との間で温水又は浴槽水等の流体を循環させるための循環用配管と、熱源機の接続端部とを互いに接続するために用いられる接続継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱源機で加熱した温水を暖房端末との間で循環させて暖房を行う温水循環式暖房機能を有する熱源機(例えば特許文献1参照)、浴槽水を熱源機との間で循環させて熱源機において追い焚き加熱を行う追い焚き循環加熱機能を有する熱源機、あるいは、両機能を共に有する熱源機が知られている。
【0003】
このような熱源機においては、例えば図5に高温水及び低温水の2種類の温水を循環させる例を示すように、熱源機W側に接続端部として往き側の高温水用及び低温水用のヘッダG,Gが取り付けられ、このヘッダG,Gに接続された往き側の循環用配管1a,1a,…が暖房端末T,T,…等まで延ばされ、この各暖房端末Tからの戻り側の循環用配管1b,1b,…が熱源機Wまで延ばされて上記と同様の戻り側のヘッダRに対し接続される。これらの往き側の循環用配管1a,1a,…の上流端とヘッダG,Gとの接続や、戻り側の循環用配管1b,1b,…の下流端とヘッダRとの接続は図6に示すように間に接続継手2を介在させて行われ(例えば特許文献2参照)、この接続作業は熱源機Wを現場に設置した上で作業者による現場作業によって行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−283476号公報
【特許文献2】
特開2001−32985号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の接続作業では熱源機Wの設置現場において極めて手間のかかる作業を強いられる上に、例えば往き側及び戻り側の両ヘッダG,Rの熱源機Wに対する取り付けを上記両ヘッダG,R間に必ず所定の隙間をあけて行わざるを得ないため、その接続部位のサイズの大型化を招く結果となっている。ここで、「接続部位のサイズ」とは、上記両ヘッダG,Rに接続される全ての循環用配管全体の外周囲のサイズのことである。
【0006】
すなわち、循環用配管をヘッダに接続するには、図6に示すようにOリング21,21を外嵌させた接続継手2を用意し、配管1a,1bの開口端を接続継手2に圧入する一方、その接続継手2をヘッダG,Rの接続口に圧入する必要がある。そして、このような接続作業を上記配管1a,1bの1本毎に行う必要がある。通常、1つの熱源機Wに対し複数の暖房端末T,T,…を温水循環可能に接続するため、配管の数が多数となってこれらの接続作業は極めて手間のかかるものとなる上に、用意しておく接続継手2の数も多数必要となる。
【0007】
また、熱源機に接続される多数の配管を束ねたり整列させたりして熱源機に対する接続部位をコンパクトにすべく、例えば往き側ヘッダGと戻り側ヘッダRとの熱源機に対する取り付け位置を互いに接近させて配設することが望ましい。しかし、上記の接続作業を配管1本毎に作業者が手作業により行うため、一方のヘッダ(例えばG)に接続継手2及び配管1aを接続した状態で他方のヘッダ(例えばR)に接続継手2及び配管1bを接続するには、手作業するだけの最低限の作業スペースが必要となり、その作業スペースに対応した距離Sだけ上記両ヘッダG,R間を離す必要が必然的に生じることになる。このため、上記の接続部位の大型化を招く結果となっている。
【0008】
さらに、上記の距離Sに相当する作業スペースを確保するようにすると、循環用配管の端部処理のために、上記の接続部位がより大型化する上に、循環用配管の端部を保護するための余分な作業が必要になるという不都合をも引き起こしている。すなわち、上記循環用配管1a,1bは、図7の左側部分に示すように往き側として利用される配管(樹脂管)1aと、戻り側として利用される配管(樹脂管)1bとがアルミニウム製のテープ3により束ねられた状態で紫外線暴露防止用の鞘管(保護管)4内に収容されていわゆるペアチューブPとして形成されている。このため、両接続継手2,2が上記距離Sだけ離れていると、図7の右側部分に示すように鞘管4を端部から所定量切断し上記テープ3を剥がして一対の配管1a,1b露出させた上で両者を上記距離Sに相当する分だけ引き離す作業が必要になる。そして、その際、露出状態の各配管1a,1bを保護するために各配管1a,1bに対し小径の遮熱管4aを個別に外装し、上記切断後の鞘管4の端部との間をシーリングキャップ4bにより覆うという作業も必要になる。
そして、これらの端部処理のための作業の後に、一対の配管1a,1bをそれぞれ接続継手2に対し接続することになる。従って、端部処理のために余分な作業が必要になる上に、両接続継手2,2の周囲の接続部位のサイズが大型化することになる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接続作業の作業性向上及び省力化を図り得ると共に、接続部位の小型化をも図り得る接続継手を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、熱源機と、熱源機外の設置物との間に流体を循環させるための循環用配管を熱源機の接続端部に接続するために用いられる接続継手を対象として、上記循環用配管の往き側を上記接続端部に対し連通接続するための往き側継手部と、上記循環用配管の戻り側を上記接続端部に対し連通接続するための戻り側継手部とを互いに対をなして一体に形成することとした(請求項1)。
【0011】
この発明の場合、接続継手が往き側継手部と戻り側継手部とを一体に有しているため、各側の継手部の一端側に配管を接続すれば、熱源機の接続端部に対し往き側及び戻り側の双方の継手部を同時に接続させることが可能になる。このため、接続作業の作業性向上及び省力化が図られることになる上に、熱源機の接続端部に対し往き側及び戻り側を個別に接続する従来の場合に必要であった作業スペースが不要となるため、往き側及び戻り側の両継手部に対応する熱源機側の両接続端部の間隔を可及的に狭くして接近させた配置にすることが可能になる。この結果、熱源機に対する循環用配管の接続部位をコンパクトにして小型化を図り得る。
【0012】
なお、上記の「熱源機外の設置物」とは、例えば暖房端末又は浴槽等であり、暖房端末に対し熱源機で加熱した温水を循環させたり、熱源機に対し浴槽水を循環させて追い焚きさせたりするために、熱源機と循環配管を介して連結されるものである。
【0013】
本発明の接続継手をより具体化した一構成例として、上記往き側及び戻り側の両継手部を、それぞれ中間部位を挟んで一端側部位が上記循環用配管に接続される一方、他端側部位が上記熱源機の接続端部に接続されるように構成し、上記中間部位同士を連結部により互いに連結して一体に形成したものが挙げられる(請求項2)。
【0014】
本発明の接続継手においては、上記往き側及び戻り側の両継手部として、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔を上記熱源機の接続端部に接続される両他端側部位間の間隔よりも短く設定することができる(請求項3)。通常、循環用配管はその外周囲に鞘管等の保護被覆層により覆われて比較的大径に形成されているところ、上記の構成を採用することにより両継手部の一端側部位に接続された往き側及び戻り側の両循環用配管に上記保護被覆層を加えた全体のサイズと、熱源機の接続端部側に接続される上記両継手部の他端側部位の全体のサイズとを互いに同程度に近づけることが可能になる。これにより、両継手部の一端側部位の間隔と他端側部位の間隔とを同じにした場合よりも接続部位のサイズをより小さくすることが可能になる。
【0015】
この際、上記循環用配管が往き側配管と戻り側配管とを束ねた状態で保護被覆されたペアチューブにより構成されている場合には、上記往き側及び戻り側の両継手部として、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔を上記ペアチューブとされた状態の往き側及び戻り側の両配管間の中心間隔と略等しくなるように設定すればよい(請求項4)。この場合には、ペアチューブの状態のまま、つまり、一対の配管が鞘管等により保護被覆された状態のままでその一対の配管を両継手部の一端側部位に対し同時に接続し得ることになる。これにより、端部処理のための作業を省略して一対の配管の接続作業の大幅な作業性向上及び省力化を実現し得る上に、接続部位のサイズの大幅な小型化をも図り得ることになる。
【0016】
また、本発明の接続継手においては、上記往き側及び戻り側の両継手部として、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔が中間部位側から先端側に進むに従い狭くなるように形成することもできる(請求項5)。つまり、両継手部の両一端側部位が互いに交差する方向に斜行するように中間部位から屈曲され、互いに近づくようにするのである。このようにすることにより、少なくとも一端側部位に接続される配管はその弾性に基づいて屈曲されて接続されることになる。このため、その屈曲状態にされることにより配管の抜け方向に対する抵抗となり、抜け止めのためのクリップ等を外嵌させる等の措置を省略することが可能になって、接続作業の省力化が図られる。
【0017】
この際、上記循環用配管が往き側配管と戻り側配管とを束ねた状態で保護被覆されたペアチューブにより構成されている場合には、上記往き側及び戻り側の両継手部の一端側部位同士の先端間隔を上記ペアチューブにされた状態の往き側及び戻り側の両配管間の中心間隔と略等しくなるように設定すればよい(請求項6)。この場合には、ペアチューブの状態のまま、つまり、一対の配管が鞘管等により保護被覆された状態のままでその一対の配管を両継手部の一端側部位に対し同時に接続し得ることになる上に、接続することにより抜け止めされた状態にすることが可能になって抜け止め措置を省略し得ることになる。これにより、一対の配管の接続作業の大幅な作業性向上及び省力化を実現し得る上に接続部位のサイズの大幅な小型化をも図り得ることになる。
【0018】
以上の本発明の接続継手において、少なくとも上記接続端部に接続される部位に、他の部分の形成用の合成樹脂素材とは異なるシール部形成用の合成樹脂素材を用いた二色成形法によりシール部を一体に形成するようにしてもよい(請求項7)。このようにすることにより、従来ではOリングを外嵌させてシールの役割を果たさせていたところ、このOリング自体や、その外嵌作業を共に省略することが可能になり、接続作業で準備すべき部品数の削減や、接続作業の省力化が図られることになる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項7の接続継手によれば、接続継手が往き側継手部と戻り側継手部とを一体に有しているため、熱源機の接続端部に対し往き側及び戻り側の双方の継手部を同時に接続させることができ、接続作業の作業性向上及び省力化を図ることができる。その上に、熱源機の接続端部に対し往き側及び戻り側を個別に接続する従来の場合に必要であった作業スペースを不要にして、往き側及び戻り側の両継手部に対応する熱源機側の両接続端部の間隔を可及的に狭くして接近させた配置にすることができる。この結果、熱源機に対する循環用配管の接続部位をコンパクトにして小型化させることができる。
【0020】
特に、請求項2によれば、上記の効果を得ることができる本発明の接続継手の具体構成を提供することができる。
【0021】
請求項3によれば、両継手部の一端側部位に接続された往き側及び戻り側の両循環用配管を束ねたサイズと、上記両継手部の他端側部位が接続される熱源機の接続端部側のサイズとを互いに同程度にすることができ、両継手部の一端側部位の間隔と他端側部位の間隔とを同じにした場合よりも接続部位のサイズをより小さくてより一層の小型化を図ることができる。
【0022】
請求項4によれば、ペアチューブの状態のままでその一対の配管を両継手部の一端側部位に対し同時に接続させることができ、これにより、一対の配管の接続作業の大幅な作業性向上及び省力化を実現することができる上に接続部位のサイズの大幅な小型化をも図ることができる。
【0023】
請求項5によれば、両継手部の両一端側部位が互いに交差する方向に斜行し、一端側部位に接続される配管をその弾性に基づいて屈曲した状態で接続させて、接続と同時に抜け止めされた状態にすることができる。これにより、抜け止めのための止めクリップ等を外嵌させる等の従来要していた措置を省略することができ、接続作業のより一層の省力化を図ることができる。
【0024】
請求項6によれば、ペアチューブの状態のままでその一対の配管を両継手部の一端側部位に対し同時に接続させることができる上に、接続することにより抜け止めされた状態にすることができる。これにより、抜け止めのための止めクリップ等を外嵌させる等の従来要していた措置を省略することができ、一対の配管の接続作業の大幅な作業性向上及び省力化を実現し得る上に接続部位のサイズの大幅な小型化をも図り得ることになる。
【0025】
請求項7によれば、シールをするために従来用いられていたOリング自体や、その外嵌作業を共に省略することができ、接続作業で準備すべき部品数の削減や、接続作業の省力化を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係る接続継手5を示している。この接続継手5は合成樹脂成形により2つの継手部6,6を連結部7で互いに連結した状態に一体に形成されたものである。上記の両継手部6,6はいずれか一方が往き側として用いられて往き側の循環用配管1aに接続され、他方が戻り側として用いられて戻り側の循環用配管1bに接続されるようになっている。本実施形態の接続継手5は上記両継手部6,6が両者の間隔(連結部7の長さ)を可及的に狭くした状態で互いに平行に延ばされたものである。
【0028】
各継手部6は一端(同図の下端)から他端(同図の上端)まで貫通する連通孔61と、中間部位である大径部62を挟んで一端側に延びて合成樹脂製の循環用配管1a内に圧入される一端側部位としての第1接続部63と、他端側に延びて熱源機の接続端部を構成する各ヘッダG,Rに圧入される第2接続部64とを備えている。
【0029】
上記大径部62は外周側に突出したフランジ部621を一体に備えており、このフランジ部621には上記各ヘッダG,Rの接続口のフランジと共に図示省略の抜け止めクリップが外嵌されるようになっている。
【0030】
上記第1接続部63の外周面には竹の子状係合部(テーパ状係合部)631が形成され、この竹の子状係合部631が上記各配管1a,1bの内周面に係合して抜け止めされるようになっている。また、上記第2接続部64の外周面には外周側に所定量膨出するように1又は2以上のシール部641,641が一体に形成され、このシール部641,641が上記各ヘッダG,Rの接続口g,rの内周面に圧着されてシールが行われるようになっている。上記の各シール部641は、このシール部641を除く部分の接続継手5用の金型内に第1の合成樹脂素材が注入された後、シール部641形成用のキャビティに第2の合成樹脂素材が注入されるという二色成形法により形成される。
【0031】
以上の構成の接続継手5を用いた配管1a,1bと、ヘッダG,Rとの接続作業は次のようにして行われる。すなわち、各配管1a,1bを両継手部6,6の第1接続部63,63に圧入して接続する一方、上記両継手部6,6の第2接続部64,64を両ヘッダG,Rの接続口g,r内に圧入して接続する。この際、各配管1a,1bの第1接続部63,63に対する圧入を先にしても、あるいは、第2接続部64,64の接続口g,r内に対する圧入を先にしても、いずれでもよい。なお、抜け止めクリップは、両継手部6,6の双方に取り付ける必要はなく、戻り側の配管1bが接続された側の継手部6にはヘッダRから抜ける方向の圧力は作用しないため、往き側の配管1aが接続された側の継手部6の一方だけに抜け止めクリップを取り付ければ十分である。
【0032】
そして、この接続継手5を用いることにより、少なくとも第2接続部64,64の双方を両ヘッダG,Rに対し同時に接続することができ、接続作業の作業性の向上や省力化を図ることができる。なお、一対の配管1a,1bも例えば2本の配管1a,1bを両第1接続部63,63に対し同時に圧入し得る押し込み工具を用いれば1回の作業により一対の配管1a,1bを同時に接続継手5に対し接続することが可能となる。
【0033】
その上に、従来の如く両ヘッダG,Rに対し接続継手2(図6参照)を1本毎に接続する必要がなく、2つの継手部6,6を有する1つの接続継手5を押し込み作業するだけで両ヘッダG,Rに対する作業を完了させることができるため、従来は必要としていた接続作業のための作業スペース(図6に距離Sで示すスペース)を不要とすることができる。このため、上記両ヘッダG,R間の間隔を可及的に狭くさせて両ヘッダG,Rを接近させた配置にすることができ、これに対応して接続継手5の連結部7の長さを短くすれば、熱源機側の接続部位のサイズ(接続される配管全体のサイズ)を従来よりも大幅にコンパクト化して小型化することができるようになる上に、一対の配管1a,1bの端部が従来の如く大きく開いた状態にはならないため、接続部位の外観もすっきりさせることができ、美観を損なうこともない。
【0034】
さらに、従来は暖房端末等からの往き側及び戻り側の一対の循環用配管との接続に2つの接続継手が必要であったところを、本実施形態の接続継手5では1つで済み、接続作業のために用意すべき部品点数を削減することができる。
【0035】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る接続継手8を示す。この接続継手8は一方を往き側、他方を戻り側として用いる2つの継手部9,9が中間部位10を共有した状態で合成樹脂成形により一体に形成されたものである。本第2実施形態の接続継手8は後述の如く両第1接続部91,91間の間隔を両第2接続部92,92間の間隔よりも狭くし、かつ、その狭くされた両第1接続部91,91間の間隔をペアチューブP(図7も併せて参照)として構成された状態での一対の循環用配管1a,1bの中心間隔と略等しく設定したものである。なお、以下の説明では第1実施形態のものと同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
上記各継手部9は上記中間部位10から一端側(図3の下側)に延びて上記ペアチューブP内の合成樹脂(例えばポリエチレン)製のいずれかの循環用配管1a又は1b内に圧入される一端側部位91と、上記中間部位10から他端側(同図の上側)に延びていずれかのヘッダG又はR(図1参照)に圧入される第2接続部92と、上記第1接続部91、中間部位10及び第2接続部92をそれぞれ貫通して連続する連通路93とを備えている。
【0037】
上記各第1接続部91はその外周面に第1実施形態と同様の竹の子状係合部631が形成され、上記各第2接続部92の外周面には第1実施形態と同様のシール部641,641が二色成形法により一体に形成されている。
【0038】
2つの第2接続部92,92は互いに平行に配設され両第2接続部92,92間の間隔L2は第1実施形態の第2実施形態64,64と同様の基準により定められている。つまり、2つのヘッダG,Rを可及的に接近させて配置した場合の両接続口g,r(図1参照)の中心間隔に対応する間隔に設定されている。一方、2つの第1接続部91,91も互いに平行に配設されているものの、両第1接続部91,91間の間隔L1は上記間隔L2よりも狭く、かつ、上記ペアチューブPの状態にされた一対の配管1a,1bの中心間隔と略等しい寸法に設定されている。
【0039】
そして、上記各連通路93は第1接続部91と第2接続部92との間で中間部位10において両接続部91,92を結ぶように斜めに延び、上記中間部位10は二つの第1接続部91,91から二つの第2接続部92,92にかけて斜めに拡がるように逆台形状に形成されている。また、上記各第2接続部92の基端側位置の中間部位10には第1実施形態と同様のフランジ部621が形成され、第1実施形態で説明した抜け止めクリップが外嵌可能とされている。
【0040】
以上の構成の接続継手8を用いた配管1a,1bと、ヘッダG,Rとの接続作業は次のようにして行われる。すなわち、一対の配管1a,1bの双方をペアチューブPの状態のまま、つまり従来の場合(図7の右側部分参照)の如く鞘管4の切断や遮熱管4aの外装等の作業を行うことなく一対の配管1a,1bが鞘管4に保護された状態のままで上記一対の第1接続部91,91に対し共に圧入して、一対の配管1a,1bの双方を同時に接続する。一方、一対の第2接続部92,92の双方を両ヘッダG,Rの接続口g,r内に同時に圧入して接続する。
この場合も、抜け止めクリップは、第1実施形態において説明したように往き側の配管1aが接続された側の継手部6の一方だけに取り付ければ十分である。
【0041】
そして、この接続継手8を用いることにより、第1接続部91,91に対し一対の配管1a,1bの双方を同時に接続することができると共に、第2接続部92,92の双方を両ヘッダG,Rに対し同時に接続することができることになる。しかも、ペアチューブPの鞘管4の切断、一対の配管1a,1bの引き離し分離、及び、遮熱管4aの外装などの従来必要としていた配管1a,1bの端部処理のための作業を不要にすることができ、ペアチューブPのままの状態で配管1a,1bを第1接続部91,91に対し接続することができる。以上により接続作業の大幅な省力化を図ることができる。
【0042】
その上に、第1実施形態の場合よりも接続部位のさらなる小型化を図ることができる。すなわち、両第1接続部91,91に対し一対の配管1a,1bをペアチューブPの状態のままで接続することができるため、この接続部位のサイズを最小にすることができる。しかも、一対の配管1a,1bの端部がペアチューブPとして保護された状態であるため、接続作業後の保護のために別途の再被覆等の必要がなくそのための作業を省力化することができる上に、外観上も整列されて最もすっきりとさせることができる。なお、その他の部品点数の削減等の効果は第1実施形態と同様である。
【0043】
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態に係る接続継手11を示す。この第3実施形態の接続継手11は、一方を往き側、他方を戻り側として用いる2つの継手部9a,9aが中間部位10aを共有した状態で合成樹脂成形により一体に形成されたものである点で第2実施形態の接続継手8と同様であるが、後述の如く両第1接続部91a,91aを平行配置するのではなくて互いの中心軸X,Xが互いに交差するように斜めに配置した点で第2実施形態と異なるものである。なお、以下の説明では第1実施形態又は第2実施形態のものと同一構成要素にはそれぞれ同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0044】
上記各継手部9aは上記中間部位10aから一端側(図4の下側)に延びて上記ペアチューブP内の合成樹脂製のいずれかの循環用配管1a又は1b内に圧入される一端側部位91aと、上記中間部位10aから他端側(同図の上側)に延びていずれかのヘッダG又はR(図1参照)に圧入される第2接続部92と、上記第1接続部91a、中間部位10a及び第2接続部92をそれぞれ貫通して連続する連通路93aとを備えている。
【0045】
上記各第1接続部91aの外周面に第1実施形態と同様の竹の子状係合部631が形成され、上記各第2接続部92の外周面に第1実施形態と同様のシール部641,641が二色成形法により一体に形成されている点は第2実施形態と同様である。また、上記2つの第2接続部92,92が互いに平行に配設され両第2接続部92,92間の間隔L2が第1実施形態の第2実施形態64,64と同様の基準により定められている点も第2実施形態と同様である。
【0046】
一方、2つの第1接続部91a,91aは上記中間部位10aから互いの間隔が徐々に狭くなるようにされている。つまり、両第1接続部91a,91aの中心軸X,Xが先端側において互いに交差するように斜めに配設されている。加えて、両第1接続部91a,91aの先端の中心軸の間隔L1がペアチューブPの状態にされた一対の配管1a,1bの中心間隔と略等しい寸法に設定されている。
【0047】
そして、上記各連通路93aは第1接続部91aの延長方向に延び中間部位10aにおいて両接続部91a,92を結ぶように斜めに延びている。
【0048】
以上の構成の接続継手11を用いた配管1a,1bと、ヘッダG,Rとの接続作業は次のようにして行われる。すなわち、一対の配管1a,1bの双方を第2実施形態と同様にペアチューブPの状態のままで上記一対の第1接続部91a,91aに対し共に圧入して、一対の配管1a,1bの双方を同時に接続する。この際、上記両第1接続部91a,91aが先端から中間部位10aにかけて互いの間隔が若干開くように斜めに延びているため、これらの両第1接続部91a,91aに対し一対の配管1a,1bは各第1接続部91aに沿って弾性変形により若干屈曲しつつ押し込まれることになる。この際、テープ3(図7参照)も若干押し広げられる。一方、一対の第2接続部92,92の双方を両ヘッダG,Rの接続口g,r内に同時に圧入して接続する。この場合も、抜け止めクリップは、第1実施形態において説明したように往き側の配管1aが接続された側の継手部6の一方だけに取り付ければ十分である。
【0049】
この接続継手11を用いて接続を行うことにより、第2実施形態により得られる効果に加えて、一対の配管1a,1bを第1接続部91a,91aに対し強固に接続し得るという効果をも得ることができる。すなわち、一対の配管1a,1bが両第1接続部91a,91aに沿って主として弾性に基づき僅かに屈曲変形した状態で両第1接続部91a,91bに圧着気味に接続されるため、抜け方向の外力がたとえ作用したとしても抜け難くなる。つまり、抜け止め作用を発揮することになる。このため、一対の配管1a,1bが両第1接続部91a,91aに対し強固に接続され、抜け止めのための特別な対策を施す必要もなくなる。従って、上記の両中心軸X,Xの交差角度は、ペアチューブPの状態の一対の配管1a,1bが弾性に基づきもしくはこれに加えて鞘管4内での変位に基づき屈曲し得る程度であって、その強制的な屈曲により抜け止め効果を発揮し得る程度に設定すればよい。
【0050】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜第3実施形態では、第1接続部63,91,91aの外周面に竹の子状係合部631を形成し、第2接続部64,92の外周面にシール部641を形成したものを示したが、外周面形状を互いに逆にしてもよいし、あるいは、他の接続形状を適用してもよい。また、ヘッダGと接続継手5,8,11との抜け止めのために抜け止めクリップを用いるようにフランジ部621を形成した例を示したが、これに限らず、上記フランジ部621を形成せずに例えば抜け止め用のビスを用いるなどの他の抜け止め手段を適用してもよい。
【0051】
また、上記の第1〜第3実施形態では、循環用配管として熱源機と暖房端末との間に敷設されるものを示したが、熱源機との間で循環用配管を通して連結される設置物からの循環用配管(例えば浴槽の追い焚き循環用の配管)であれば本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】第1実施形態の接続継手の斜視図である。
【図3】第2実施形態を示す正面図である。
【図4】第3実施形態を示す正面図である。
【図5】従来の接続継手が適用される一例を示す模式図である。
【図6】従来の接続継手を用いた接続作業を示す分解状態の正面図である。
【図7】循環用配管の例を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1a 往き側配管(循環用配管)
1b 戻り側配管(循環用配管)
4 鞘管(保護被覆)
5,8,11 接続継手
6,9,9a 継手部
7 連結部(中間部位)
10,10a 中間部位
63,91,91a 第1接続部(継手部の一端側部位)
64,92 第2接続部(継手部の他端側部位)
641 シール部
G 往き側ヘッダ(熱源機の接続端部)
T 暖房端末(設置物)
R 戻り側ヘッダ(熱源機の接続端部)
P ペアチューブ
W 熱源機
Claims (7)
- 熱源機と、熱源機外の設置物との間に流体を循環させるための循環用配管を熱源機の接続端部に接続するために用いられる接続継手であって、
上記循環用配管の往き側を上記接続端部に対し連通接続するための往き側継手部と、上記循環用配管の戻り側を上記接続端部に対し連通接続するための戻り側継手部とが互いに対をなして一体に形成されている
ことを特徴とする接続継手。 - 請求項1記載の接続継手であって、
上記往き側及び戻り側の両継手部はそれぞれ中間部位を挟んで一端側部位が上記循環用配管に接続される一方、他端側部位が上記熱源機の接続端部に接続されるように構成され、上記中間部位同士が連結部により互いに連結されて一体に形成されている、接続継手。 - 請求項1又は請求項2に記載の接続継手であって、
上記往き側及び戻り側の両継手部は、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔が上記熱源機の接続端部に接続される両他端側部位間の間隔よりも短く設定されている、接続継手。 - 請求項3に記載の接続継手であって、
上記循環用配管は往き側配管と戻り側配管とを束ねた状態で保護被覆されたペアチューブにより構成され、
上記往き側及び戻り側の両継手部は、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔が上記ペアチューブにされた状態の往き側及び戻り側の両配管間の中心間隔と略等しくなるように設定されている、接続継手。 - 請求項1又は請求項2に記載の接続継手であって、
上記往き側及び戻り側の両継手部は、上記循環用配管に接続される両一端側部位間の間隔が先端側に進むに従い狭くなるように形成されている、接続継手。 - 請求項5に記載の接続継手であって、
上記循環用配管は往き側配管と戻り側配管とを束ねた状態で保護被覆されたペアチューブにより構成され、
上記往き側及び戻り側の両継手部の一端側部位同士の先端間隔が上記ペアチューブにされた状態の往き側及び戻り側の両配管間の中心間隔と略等しくなるように設定されている、接続継手。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の接続継手であって、少なくとも上記接続端部に接続される部位には、他の部分の形成用の合成樹脂素材とは異なるシール部形成用の合成樹脂素材を用いた二色成形法によりシール部が一体に形成されている、接続継手。
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