JP2004183350A - エアバック付キャビン下部張出保護装置 - Google Patents
エアバック付キャビン下部張出保護装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持するエアバッグ付きのキャビン保護装置を提供する。
【解決手段】建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータ5が生じる空気圧流によりエアバッグ袋2をキャビン20外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置14と、張出体31aがキャビン20外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力(強力なスプリング34)で保持止めする張出装置31とを、ドア24の開閉に干渉しないキャビン20下部位置に配設し、横転事故からキャビン20を保護する。
【選択図】 図1
【解決手段】建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータ5が生じる空気圧流によりエアバッグ袋2をキャビン20外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置14と、張出体31aがキャビン20外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力(強力なスプリング34)で保持止めする張出装置31とを、ドア24の開閉に干渉しないキャビン20下部位置に配設し、横転事故からキャビン20を保護する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から油圧ショベルなどの建設機械にあっては、機体の転倒事故の際に転倒荷重によってキャビンそのものが潰れてしまうという重大な問題があり、転倒事故にあっても作業者の人命に危害が及ぶことのないよう種々提案がおこなわれている。
例えば特開2000−230255号公報(特許文献1)にあっては、旋回体上のキャビンを支える強度フレーム側方に突出した支持部材を設けたものである。これは横転時に強度フレームで支えられた支持部材が先に地面に衝突することでキャビンを保護しようというものである。
他方、特開H11−061885号公報(特許文献2)においては、旋回体上のキャビン側面部に緩衝装置を取り付けて衝撃荷重を吸収する方法が開示されている。この緩衝装置としては、バネなどの弾性体或いは、エアバッグ装置により構成されてキャビンへ印加する衝撃荷重を軽減しようというものである。
【0003】
【特許文献1】特開2000−230255号公報
【特許文献2】特開H11−061885号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の特開2000−230255号公報(特許文献1)構成にあっては、強度フレーム側方に突出した支持部材が設けられるため強度的には問題ないが、堅い地面との間で衝突衝撃そのものを緩和することはない。すなわち横転の際、支持部材にあっては殆ど衝撃を吸収することなく支持してしまい、その支持点を中心に機体の受ける衝撃エネルギーの大半を回転モーメントとして、キャビン上方部を振り回す力へ変換させてしまい、キャビン上方が地面との激突で集中荷重を受けて、キャビンそのものを潰してしまうという危険が発生してしまう。また、この際作業者も同様にキャビン内で、支持部材の衝突衝撃とその回転モーメント力を受けて、例えキャビンが潰れないような衝撃力であっても、上部に位置する頭部が振られることでキャビン側壁に頭をぶつけてしまい負傷してしまうという問題がある。
一方、上記従来の特開H11−061885号公報(特許文献2)の構成にあっては、キャビン側面部に緩衝装置を取り付けて衝撃荷重を吸収する方法が開示されているが、バネなどの緩衝装置にあっては、そのバネ力は動荷重となる転倒荷重数トンを支えるだけの大きな弾性力を有する大型のバネが必要であり、しかも衝撃を緩和させるには加速度(時間微分)を和らげる必要があって、それなりのストローク長を必要とするという問題があった。
すなわち、ストロークが短く或いは、弾性力が少ないバネ圧のものにあっては、逆に転倒荷重を完全に吸収出来ずにバネ圧が限界に達するような圧力を受けてバネがエンドを打ち、その際生じる衝撃がバネを固定する端部一点が集中して受けてしまいキャビンを潰してしまうという問題があった。
また、特開2000−230255号公報(特許文献1)で示される支持部材や、特開H11−061885号公報(特許文献2)で示されるバネ装置にあって、仮に、加圧して引っ込めておくには、転倒荷重相当以上の力で押込み続けねばならず、強力な収納装置が必要である一方、強力な収納装置にあっては重量も大変重くなり、転倒時にキャビンはその重量にも耐える剛性なり、強度メンバによる骨格が求められ、そのキャビンを支える機体重量も増々大きくなってしまうという問題があり、結局特許文献1、特許文献2にも図示されるように、常時キャビンの側面に張出した状態で設置しなければならない。
しかしながら、この旋回体の側面の突起物は旋回時に周りの作業者に危害を与えたり、周りの建造物などを破損し、大変危険でありかつ、外観上も問題を有するものであった。
一方、緩衝装置をエアバッグ装置で構成するものにあっては、空気圧で転倒動荷重数トンを支える必要があり、そのためには強力な大型の逆止弁や空気路を備え、破れず保持する強力な圧力に耐えるエア袋で支えるか、或いは数トンのガス圧を生じて転倒荷重に対抗させる、大量のガス発生装置を備えて支えるかが必要であるが、そのような大型部材をキャビン周辺にセットするには上述重量の問題や突起物の問題があり、実際上は実現困難であった。
そこで、土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険のある重車両にあって、外観を損ねる危険な突起物が常時突出する容姿になく、しかも転倒の際の衝撃を吸収して、かつキャビンを潰すことなく転倒の荷重に耐続ける保護装置が望まれるものであった。
本発明は、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持するエアバッグ付きのキャビン保護装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、上記従来例の問題点を解決するため、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋をキャビン外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置と、張出体がキャビン外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置とを、ドアの開閉に干渉しないキャビン下部位置に配設し、横転事故からキャビンを保護するものであることを特徴とする。
また、バネ圧の小さなバネ力で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなバネが、張出し可動部内で固定されて、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置を備えることで軽量かつ安価に製作することができる。
さらに、張出装置の張出し方向がキャビン外側面方向へ放射状に張出し、キャビン下部位置に配設されるエアバッグ装置と張出装置とがキャビンのフロア下部レボフレーム位置に配設されて成ることが好適である。
一方、複数のエアバッグ装置が張出装置の周辺近傍位置に配され、横転方向に応じて選択されたエアバッグ袋が膨張することで、複数のエアバッグ袋で横転圧力を分散するものとなる。
そして、エアバッグ装置がインフレータが生じる空気圧流と共にエアバッグ袋内へ横転衝撃を緩和するための緩和材を混入させて成ることで、衝撃の大きさに応じて多段で圧力を吸収できる。
【0006】
(作用)
本発明は上記構成によって、次のような作用を営むことができる。すなわち、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋をキャビン外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置と、張出体がキャビン外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置とを、ドアの開閉に干渉しないキャビン下部位置に配設したことで、転倒時にエアバッグ装置と張出装置の2つの保護装置を同時に動作共存させることが可能となる。
【0007】
ここで仮に、空気だけが入ったエアバッグ袋に重量物が印加作用した場合を考えると、袋内の空気は重量物を支えようとまず衝撃を吸収する一方、その横転動作に伴う動荷重で内部の空気圧は過剰過圧されることになり、いずれ袋の破裂を招くか又は空気弁の破損を招き、衝撃の吸収やクッションとしての役割を失うことになってしまう。
しかしながら、エアバッグ袋内の空気(ガス)圧と、張出装置の張出体とが共存する上記構成にあっては、まず、エアバッグ袋がキャビン外側面上方向へ向けて膨張するため、エアバッグ袋は確実にキャビンと地面との間に位置して最初の衝突衝撃を和らげる。次に、張出装置の張出体が、エアバッグ袋が完全にペチヤンコになり重量物が地面と激突することを防止する作用を営み、エアバッグ袋内の空気が動荷重で過圧されてくると、徐々に圧力大なる力で保持止めする張出体で重量物を支えることとなる。ここで、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビンの上方へ向け膨張したエアバッグ袋の空気圧で打ち消される一方、この支えによる隙間、すなわち地面とキャビン間に存在する張出体により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体とで重量物の静荷重を長時間支えて、必ずしも大きな容量のエアバッグ袋を必要とせず、比較的体積の小さなエアバッグ袋であってもクッションとしての役割を十分に果たすことができる。
この点が空気だけのエアバッグ袋と比較して大きく異なる点で、張出体と共存するエアバッグ袋にあっては2段で圧力を吸収して、衝突初期段階の衝撃吸収要素に加えて、更に回転モーメントを打ち消し、しかも重量物を長時間面で支え切る耐重圧保持要素とを兼ね備えるものとなる。
【0008】
また、エアバッグ装置の動作がキャビンに設けられるドアの開閉に干渉しない下部位置に配設されることで、ドアが開かれた状態で転倒事故に遭遇しても、エアバッグ袋と張出体とをドアより下方の位置へ配設するものであることから、エアバッグ袋が膨張した際も、張出体が張出した際も、いずれもドアの開閉は両者の動作に支障とはならず、両者が共存してキャビンを保護することができる。
【0009】
そして、バネ圧の小なバネ力で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなバネが、張出し可動部内で固定されて、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置を備えるものであれば、通常時は大きなバネ圧力が印加することなく、小さなバネ圧のみで張出体が収納されているものであり、転倒時に小さなバネ圧で張出体を外方へ押し出すだけの力が蓄積保持できればよく、大がかりな保持装置は必要なく軽量かつ安価に製作可能であり、しかも張出し動作に連動して、バネ圧力の大きなバネが張出し可動部内に挿入されることで、今度は大きなバネ圧が張出体を支える構造を得て、横転荷重を支えるものとになる。
ここで横転時には、まずエアバッグ袋で転倒衝撃を空気圧クッションで吸収することになり、続いて動荷重でエアバッグ袋が過圧されてくると、今度は張出体の大きなバネ圧力が効きだし、バネはそのエネルギーを蓄積することになる。ここでエアバッグ袋の空気圧がダンパーの作用を営み、そのバネ圧エネルギーが反発する動作を和らげ、互いに補いキャビンを支えることになる。このように、このバネとダンパーの2段構成作用を得て、安価なバネでキャビンを保護する装置を製作することができる。
【0010】
さらに、張出装置の張出し方向がキャビン外側面方向へ放射状に張出すものであれば、油圧ショベルなど旋回動作をおこなう作業機のキャビンにあって、転倒方向が旋回状態などに依存する場合も、放射状に張出す複数の張出体の何れかで受けて、その受圧方向を放射軸方向へ導くことでキャビンを保護することができる。
【0011】
また、キャビン下部位置に配設されるエアバッグ装置と張出装置とがキャビンのフロア下部レボフレーム位置に配設されるものであれば、張出装置の固定をレボフレームに直接設けることができることから、例えば更に強力なバネなどで支えることが可能となり、落下などで予想を越える大きな衝撃にあっても、圧力更に大なる力で戻りを保持止めすることができる。
【0012】
一方、複数のエアバッグ装置が張出装置の周辺近傍位置に配され、横転方向に応じて選択されたエアバッグ袋が膨張するものであれば、張出装置の周辺近傍位置に配された複数のエアバッグ袋は張出装置に干渉することなく、複数のエアバッグ袋の選択動作が可能となり、複数のエアバッグ袋で横転圧力を分散して受けることができる。
【0013】
そして、エアバッグ装置がインフレータが生じる空気圧流と共にエアバッグ袋内へ横転衝撃を緩和するための緩和材を混入させるものであれば、エアバッグ袋内の空気(ガス)圧と、張出装置の張出体と、エアバッグ袋内の緩和材との3者が共存する構成を得て、張出装置の張出体と緩和材とは、エアバッグ袋が完全にペチヤンコになり重量物が地面と激突することを防止する作用を営み、エアバッグ袋内の空気が動荷重で過圧されてくると、徐々に圧力大なる力で保持止めする張出体と緩和材とで重量物を支えることとなる。この支えにより、すなわち地面とキャビン間に存在する張出体や緩和材により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体や緩和材とで重量物の静荷重を長時間支えてクッションとしての役割を果たすことができる。
また、エアバッグ袋と張出体だけのものと比較して、緩和材が混入したエアバッグ袋にあっては、比較的大きな衝撃を受ける落下状態にあっても、張出体と共存する緩和材にあっては、本来受けるエネルギーの大きさを想定してバネ圧力を選定するべきものを、予想を超えるオーバーエネルギーにあって、バネ圧などが限界に達するような圧力を受けても、バネがエンドを打つことなく、緩和材で支えることで面で過圧を受けることでき、しかも長時間静荷重を受けてエアバッグ袋の空気圧が完全に減圧状態になっても、引き続き緩和材により面でキャビンを支持することができる。すなわち、衝撃の大きさに応じて多段で圧力を吸収するものとなる。
【0014】
以上のように、本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持する効果を奏するものである。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図7は本発明の第1実施例を示すものである。図1は本発明を油圧ショベルのキャビン(運転室)下部に適用したもので、31a、31b、31cで示す複数の張出体を備えた張出装置31と、2a、2b、2c、2dで示す複数のエアバッグ袋を備えたエアバッグ装置14とを備え、その張出装置31とエアバッグ装置14とを具備したエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30がキャビン20のフロア下26に配設されている。
【0016】
ここで、まず図2を参照しながら、張出装置31について説明する。
なお、図1(a)〜図1(d)の構成と図2(a)〜図2(d)の構成に関して、共通する部分に、同一符号を付し詳細な説明を省略する。
なお、図2において、図2(a)、図2(c)は図2(b)のA−A断面図を示す。この断面は、図の26で示すフロア下位置であって、図の27で示すレボフレーム位置に相当する部分に係る断面位置である。
すなわち図2(b)の30で示すエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、キャビン20に設けられたドア24の下部位置となるフロア下26に位置し、レボフレーム27に固定されている。通常時は図2(b)の点線で示す張出装置31はキャビン20の外周の内側に収まっている。そして、横転時には図2(c)に示す張出体31a、31b、31cは図の矢印で示すキャビン20の外側へ向けて放射状に突出する。ここで、図2(d)のD1で示す方向に張り出した張出装置31はキャビン20のフロア下26に位置して、ドア24の開閉に関わらず張出体31a(又は31b、31c)を張出ことができるものである。
次に、この張出装置31の動作原理を図3、図4を参照しながら詳細に説明する。
なお、図3(a)〜図3(c)の構成と図4に示す構成で、共通する部分については、同一部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
図3(a)に示す張出体31a(又は図2(c)に示す31b、31c)は、レール33上に、図の38aで示す筒体、38bで示す当たり、32で示すガイドと共に配設されていて、この状態では張出体31aは、図の34で示す強力なスプリング(強力バネ)に支持されることなくフリーな状態にあって、図4の36で示す微力なスプリング(微力バネ)に逆らって押し込まれている状態を示している。
ここで傾斜センサが機体の転倒状態を検出すると、電気信号により励磁されるDCソレノイドにより、図4の37で示すロック(DCソレノイド)が矢印dの方向へ動きロック解除がおこなわれる。このロック解除で、微力なスプリング36が解き放されて、弱いバネ圧力ではあるが、張出体31a、筒体38a、当たり38b、ガイド32を図のD1で示す方向へ押し出している。
そこで、図3(a)のD3で示す矢印方向に、強力なスプリング34の軸34a先端がガイド32の斜面に沿って移動することになる。
図3(b)に示すL1は張出体31aが収納状態からD1方向の張出状態へ押し出された時の変位量を示すものである。ここで、この押し出された状態で、強力なスプリング34の軸34a先端がガイド32の斜面を移動し終わり、筒体38aにセットされる。そして当たり38bは紙面の都合上詳細な構造の記載を省略するが、断面U状を成し、U溝内に軸34aが挿入されて、図3(c)のD2で示す方向への力を受けた際、当たり38bは強力なスプリング34を加圧することになる。
このようにスプリング34は、張出体31aの張出動作に連動して、張出し可動部内(レール33とガイド32とで構成される可動部内)に挿入されて、張出体31aの戻りを強力なバネ圧力で保持止めする固定がなされるものである。
図3(c)のL2で示す変位は、張出体31aが横転に伴い加圧された状態を示すもので、図のD2で示す方向へ加圧を受けて、軸34aが筒体38a内に挿入さて、当たり38bが強力なスプリング34を圧縮している。
なお、強力なスプリング34のもう一方の端点は、台35に可動自在に図の矢印方向へ作用するトーションバネ34bで押さえられている。
ここで、図3(c)のD2で示す方向へ圧力を受ける台35は、レボフレーム27に固定されていて、張出装置が受ける圧力をレボフレーム27で受けている。
なお、図4においては詳細な構造を省略したが、レール33はその両端に補強板が施されていて、しかも張出体31a、31b、31cはゴム板などの弾性材料で覆われていて、加圧方向が例え斜め方向から印加しても、その圧力を図12(a)の52で示すゴムの歪みと、放射状に張出す構造やレール33によってスプリング34の軸34a方向へ容易に導くことができる。
なお、張出体31aの受圧方向は、地面の状態や横転方向が必ずしも一定方向でないことから、放射状に設けられた構造にあっても更に弾性材料であることが好ましい。そこで、張出体31aは図12(b)の53で示す多数の組み合わせハガネであってもよいし、図12(c)の矢印で示す回動方向への変位を妨げるトーションバネ54による固定圧で設けられるものであっても良い。
【0017】
次に図5を参照しながら、他の張出装置について説明する。
図5に示す張出装置31は、図3、図4に示す張出装置31の強力なスプリング34の挿入(固定)を、ロックピン18による固定に変えた点に特徴がある。すなわち、張出し動作に連動して、バネ圧の大きなスプリング34が、張出し可動部内でロックピン18で固定されて、その戻りを保持止めされるものである。
したがって、図5のその他の構成は図3、図4のそれと共通しているので、図5において共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0018】
通常、図5(a)に示すガイド32は図の36で示す弱いバネ圧のスプリングに圧せられている状態にあり、一方図の34で示す強いバネ圧のスプリングはフリーな状態で格納されている。そしてガイド32はロック(DCソレノイド)37で位置固定されている。なお、図の34aは軸、33はレール、27はレボフレーム、31aは張出体を示す。
ここで、別途設けられるセンサが横転状態を検出すると、電気信号でDCソレノイドが励磁されて、ロック37が図のdで示す方向へ可動することでロック解除がおこなわれる。
図5(b)のL1は弱いスプリング36により、レール32、軸34a、強いスプリング34、張出体31aが図のD1で示す方向へ押し出された押出量を示すもので、この押出動作で図のfで示す方向にバネ圧を受けているロックピン18はレール32の孔内に挿入される。このことで、張出体31aは、バネ圧の小さなバネ力(弱いスプリング36)で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなスプリング34が、張出し可動部内(レール33とガイド32とで構成される可動部内)で固定されて、その戻りを保持止めすることになる。
ここで機体の転倒で地面より図5(c)のD2で示す方向に外圧を受けて、張出体31aが図のL2で示す圧縮量を受けた場合、強力なスプリング34は、ロックピン18でガイド32がピン18の破断強度で固定物との間で位置固定されていることから圧縮(保持止め)されることになる。
【0019】
次に図6を参照しながら、図1に示すエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30内に設けられたエアバッグ装置14の動作原理を説明する。
従来からエアバッグ装置14は車が障害物等に衝突する際、瞬時に膨張して搭乗者の頭部等を保護するものとして知られているが、本発明にあっては、この原理を車両の外側に作用させて、キャビン20の保護に利用するもので、図6(a)の14で示すエアバッグ装置の動作原理は、まず傾斜角を検出する傾斜センサ8で横転状態の判定がおこなわれ、図の7で示す電気ヒータで火薬に着火がおこなわれる。これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させる。そして、このガス圧がパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、同図(b)のZ1で示す空気流により袋2の容積を急激に拡大させるものである。
なお、図6(a)において、2はエアバッグ袋が折り畳まれた状態を示すものであり、図6(b)において、2は図の点線方向へエアバッグ袋が膨張している様子を示すものである。
このエアバッグ装置14は上述の張出装置31の近傍周辺に配されて、図1(c)の2a、2b、2c、2dに示すエアバッグ袋は、放射状に張出した張出体31a、31b、31cに対して各々交互に、張出体31aに対しその両側に2a、2bで示すエアバッグ袋が配されて、張出体31bに対しその両側に2b、2cで示すエアバッグ袋が配され、張出体31cに対しその両側に2c、2dで示すエアバッグ袋が配されている。すなわち、互いに張出装置31とエアバッグ袋2とが干渉しないよう、尚かつ互いに補うように配されている。
また、図1(c)においては、2a、2b、2c、2dで示すエアバッグ袋が全て動作して膨張した場合を示すものであるが、必ずしも全てのエアバッグ袋2を膨張させる必要はなく、例えば張出体31aの方向へ横転する場合、横転する方向に位置するエアバッグ袋2a、2bのみを膨張させて、2c、2dで示すエアバッグ袋を未動作とするものであってもかまわない。また上方へ向けて膨張するエアバッグ袋2は図1(d)においては略45度角で示したが、45度に限定するものではない。
【0020】
図7に示す概念図は上記第1実施例のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30の原理を図7(a)の20で示すキャビンへ適応したものである。
キャビン20のドア24の下方位置のフロア下26に配されたエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30は、図7(b)のR1で示す傾きを検出すると、まずインフレータの空気流がエアバッグ袋2内へ流入する。このエアバッグ装置14は、キャビン20を保護するためにキャビン20の外側(側面方向)上方略45度角方向へ向けて膨張するものである。
また、上記エアバッグ袋2の膨張に並行して、図7(b)のR1で示す傾きを検出すると、図の31aで示す張出装置の張出体が弱いバネ圧で押し出され、押し出された段階で、その戻りをそのバネとは異なる別の圧力大なるスプリングで保持止めされる。
次に、機体が転倒してキャビン20が図7(c)の22で示す地面へ衝突する際、衝突の衝撃は、まず、キャビン20の外側(側面方向)上方略45度方向へ向けて膨張したエアバッグ袋2内のエアバッグ袋2内の空気ガスが地面22とキャビン20との間に挟まれることで一旦吸収されつつも、図のRで示す方向へ機体の自重圧を受けることになる。ここで、図の31aで示す張出体が強いバネ圧で支えられて、その横転荷重を受け始める。
本来エアバッグ袋2のみでは図のRで示す巨大な動荷重には耐えきれず、図6(c)のまた上方へ向けて膨張するエアバッグ袋2は図1(d)においては略45度角で示したが、45度に限定するものではない。
2で示すエアバッグ袋はキャビン20と地面22に挟まれてペチャンコになって破裂してしまう危険があるが、上述張出体31aの存在により、張出体31aが地面22とキャビン20との間に位置するため、自重圧は図4(又は図5)の34で示すスプリングで支えれつつ、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビン20の上方へ向け膨張したエアバッグ袋2の空気圧で打ち消される一方、エアバッグ袋2の空気圧は、張出体31aが地面22とキャビン20との間に作る隙間へ分散し、面でキャビン20を支える作用を営むことになる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施例を図8〜図11を参照して説明する。
第2実施例は第1実施例のエアバッグ装置14を緩和材が混入されたエアバッグ1に変えて、大きな衝撃をも多段で吸収する点に特徴がある。すなわち図9は、図6のエアバッグ袋2へ図9の3で示す緩和材を混入させたものである。
したがって、第2実施例のその他の構成は第1実施例のそれと共通しているので、図8〜図11において共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0022】
まず、図9(a)の8で示す傾斜センサは、作業機の機体の傾きを検出するもので、これ以上傾けば転倒すると判断される傾斜角を捕らえて転倒判断がおこなわれて発火装置7のヒータを点火している。
これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させている。
そこで、このインフレータ5が生じる空気圧流により、空気ガスはインフレータ5とエアバッグ袋2とをつなぐ空気路4へ流れだすことになるが、この空気路4内には衝撃を緩和するための緩和材3が入れられていて、緩和材3は、図9(b)のZ1で示す方向に押し出される。この空気圧流と緩和材は共に、図面の都合上省略したが、折り畳まれたエアバッグ袋2を押さえる押さえパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、エアバッグ袋2の容積を急激に膨張させるものである。
したがって、この状態でエアバッグ袋2内は、空気ガスと緩和材3とが混在するエアバッグ装置1ということになる。
【0023】
なお、混入される緩和材3は、弾性変形の少ない硬質材料であり、ここでは硬質発砲スチロール片3aからなる多数の緩和材片で構成されている。また、図9(a)、(b)の13で示すネットは、空気路4の入口に設けられ、緩和材3がインフレータ内に逆流するのを防止している。更にエアバッグ袋2は紙面の都合上詳細な説明は省略するが、重荷重や突起物等に耐えるよう厚手のゴム製材料で製作されている。また、図9(b)の点線はエアバッグ袋2の膨張の様子を示すものである。
【0024】
この緩和材3が混入されるエアバッグ装置1は上述の張出装置31の近傍周辺に配されて、図8(c)の1a、1b、1c、1dに示すエアバッグ袋は、放射状に張出した張出体31a、31b、31cに対して各々交互に、張出体31aに対しその両側に1a、1bで示すエアバッグ袋が配されて、張出体31bに対しその両側に1b、1cで示すエアバッグ袋が配され、張出体31cに対しその両側に1c、1dで示すエアバッグ袋が配されている。すなわち、互いに張出装置31とエアバッグ装置1とが、第1実施例の図1に示すもの同様に、干渉しないよう、尚かつ互いに補うように近傍位置に配されている。
【0025】
次に、図10に示す概念図は上記第2実施例のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30の原理を図10(a)の20で示すキャビンへ適応したものである。
キャビン20のドア24の下方位置のフロア下26に配されたエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30は、図10(b)のR1で示す傾きを検出すると、まずインフレータの空気流が緩和材3と共にエアバッグ袋2内へ混入する。このエアバッグ装置1は、キャビン20を保護するためにキャビン20の外側へ側面上方略45度角方向へ向けて膨張するものである。
したがって、略45度上方へ膨張するエアバッグ袋2内の緩和材3はエアバック袋2の根本(すなわち、張出体31a近傍位置)に溜まり、これが思わぬ大きな衝撃に遭遇しても、緩和材3によりスプリング34がエンドを打たないように保護するものとなる。
一方、上記緩和材3が混入するエアバッグ袋2の膨張に並行して、図10(b)のR1で示す傾きを検出すると、図の31aで示す張出装置の張出体が弱いバネ圧で押し出され、押し出された段階で、その戻りを圧力大なる別のスプリングで保持止めされる。
次に、機体が転倒してキャビン20が図10(c)の22で示す地面へ衝突する際、衝突の衝撃は、まずエアバッグ袋2内の空気ガスで吸収されつつも、図のRで示す方向へ機体の自重圧を受けることになる。ここで、図の31aで示す張出体が強いバネ圧で支えられて、その横転荷重を受け始める。
ここで仮に、この衝撃が図3(又は図5)の34で示すスプリング圧を越える予期せぬ大きさであるとき、スプリングは収縮限度を越えてエンドを打つが、このような事態が万一発生して、図3の35で示す台に集中荷重が印加しても、台35は頑丈なレボフレーム27に固定されるためキャビン20を潰す危険なく、しかもこのような思わぬ危険な動荷重にさらされた際に、上述のエアバッグ袋2内に混入した緩和材3(多数根本に溜まった発砲スティロール片3a)がキャビン20を支えることで、スプリング34がエンドを打つことを防止している。
しかも、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビン20の上方へ向け膨張したエアバッグ袋2の空気圧で打ち消される一方、この支えによる隙間、すなわち地面22とキャビン20間に存在する張出体31aや緩和材3により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋2の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体31aと緩和材3とで重量物の静荷重を長時間支えてクッションとしての役割を果たすことができる。
このように、比較的大きな衝撃であっても、その衝撃をエアバッグ袋2の空気圧と張出体31aと緩和材3とで多段で支えて、キャビン20を保護することができる。
【0026】
一方、図11に示す油圧ショベル23は、高所作業をおこなっていて従来技術にあっては仮に転倒事故を起こした際は、高所から転落することになりキャビン20自身が潰れてしまう可能性があり、作業者28を保護することが困難を伴うものであったものが、上述図10に示す動作により、キャビン20を保護する用途例を示すものである。
なお、図11の構成は図10のそれと共通しているので、図11(a)〜図11(c)においては、共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
図11(a)に示す23は高所で作業をおこなう油圧ショベルである。作業者28はキャビン20内で機体の操作をおこなっている。この図の1で示すエアバッグ装置は、傾きを検出して、インフレータの空気流で膨張したエアバッグ袋2内に、空気ガスと緩和材3とが混入したものである。
そして図11(b)に示す23は転倒した際の油圧ショベルを示すもので、まず初期段階で本来キャビン20に加わるはずの強烈な衝突による衝撃が、エアバッグ袋2内の空気圧がクッションとなり一旦吸収されつつも、更に続いて横転重量をもろに受けるエアバッグ袋2内の空気は、瞬時的な動荷重を受けて圧縮される。そこで、エアバッグ袋2がペチャンコになってくると、図11(c)の31aで示す張出体が作用し始めて、油圧ショベル23の横転動作による動重量を支えるが、更に大きな衝撃である時はエアバッグ袋2内の緩和材3が過剰な衝撃エネルギーを緩和する。この際、張出体31aや緩和材3で作られる地面22とキャビン20の間の空間にエアバッグ袋2内の空気圧が広がり込んで、張出体31aや緩和材3を補助するように大きな面でキャビン20を支えることで、キャビン20が長時間油圧ショベル23の静荷重を受けて潰れるのを防止するものである。
【0027】
以上のように、本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険のある重車両にあって、外観を損ねる危険な突起物が常時突出する容姿になく、しかも転倒の際の衝撃を吸収して、かつキャビンを潰すことなく転倒の荷重に耐続ける効果を奏するものである。
【0028】
なお、本実施例においては、混入される緩和材3は、弾性変形の少ない硬質材料であり、ここでは硬質発砲スチロール片3aからなる多数の緩和材片としたが、緩和材は発砲スチロールに限定するものではない。また、張出装置31の張出体31aはレール33に固定した直線上で動作する直動例を示したが、押し出し動作が微弱な圧力でおこなわれ、その戻りを強力な圧力で保持止めするものであれば、直線上の動作に限定するものではなく、例えば回転軸を備えてドアの開閉のような回動動作でドア部分を張り出すようなものであってもよい。さらに、図11(c)の14で示す補助エアバッグなどを動作させるものであってもかまわない。すなわち本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持するエアバッグ付きのキャビン保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図2】その張出装置を示すものであって、(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図3】張出動作を示すものであって、(a)〜(c)は原理図を示す。
【図4】その動作例を示す上面図。
【図5】他の張出装置を示す(a)〜(c)は原理図。
【図6】エアバッグ装置を示す(a)、(b)は原理図、(c)は説明図。
【図7】動作例を示す(a)〜(c)は各々概念図。
【図8】本発明の第2実施例を示す(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図9】そのエアバッグ装置を示す(a)、(b)は原理図。
【図10】動作例を示す(a)〜(c)は各々概念図。
【図11】その用途例を示すものであって、(a)〜(c)は各々斜視図。
【図12】張出体例を示すものであって、(a)〜(c)は各々説明図。
【符号の説明】
1 緩和材を混入したエアバッグ装置
2 エアバッグ袋
3 緩和材
4 空気路
5 インフレータ
14 エアバッグ装置
20 キャビン
22 地面
23 油圧ショベル
24 ドア
26 フロア下
27 レボフレーム
28 作業者
30 エアバッグ付キャビン下部張出保護装置
31 張出装置
31a、31b、31c 張出体
32 ガイド
33 レール
34 強力スプリング(強力バネ)
34a 軸
35 台
36 微力スプリング(微力バネ)
37 ロック
38a 筒体
38b 当たり
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から油圧ショベルなどの建設機械にあっては、機体の転倒事故の際に転倒荷重によってキャビンそのものが潰れてしまうという重大な問題があり、転倒事故にあっても作業者の人命に危害が及ぶことのないよう種々提案がおこなわれている。
例えば特開2000−230255号公報(特許文献1)にあっては、旋回体上のキャビンを支える強度フレーム側方に突出した支持部材を設けたものである。これは横転時に強度フレームで支えられた支持部材が先に地面に衝突することでキャビンを保護しようというものである。
他方、特開H11−061885号公報(特許文献2)においては、旋回体上のキャビン側面部に緩衝装置を取り付けて衝撃荷重を吸収する方法が開示されている。この緩衝装置としては、バネなどの弾性体或いは、エアバッグ装置により構成されてキャビンへ印加する衝撃荷重を軽減しようというものである。
【0003】
【特許文献1】特開2000−230255号公報
【特許文献2】特開H11−061885号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の特開2000−230255号公報(特許文献1)構成にあっては、強度フレーム側方に突出した支持部材が設けられるため強度的には問題ないが、堅い地面との間で衝突衝撃そのものを緩和することはない。すなわち横転の際、支持部材にあっては殆ど衝撃を吸収することなく支持してしまい、その支持点を中心に機体の受ける衝撃エネルギーの大半を回転モーメントとして、キャビン上方部を振り回す力へ変換させてしまい、キャビン上方が地面との激突で集中荷重を受けて、キャビンそのものを潰してしまうという危険が発生してしまう。また、この際作業者も同様にキャビン内で、支持部材の衝突衝撃とその回転モーメント力を受けて、例えキャビンが潰れないような衝撃力であっても、上部に位置する頭部が振られることでキャビン側壁に頭をぶつけてしまい負傷してしまうという問題がある。
一方、上記従来の特開H11−061885号公報(特許文献2)の構成にあっては、キャビン側面部に緩衝装置を取り付けて衝撃荷重を吸収する方法が開示されているが、バネなどの緩衝装置にあっては、そのバネ力は動荷重となる転倒荷重数トンを支えるだけの大きな弾性力を有する大型のバネが必要であり、しかも衝撃を緩和させるには加速度(時間微分)を和らげる必要があって、それなりのストローク長を必要とするという問題があった。
すなわち、ストロークが短く或いは、弾性力が少ないバネ圧のものにあっては、逆に転倒荷重を完全に吸収出来ずにバネ圧が限界に達するような圧力を受けてバネがエンドを打ち、その際生じる衝撃がバネを固定する端部一点が集中して受けてしまいキャビンを潰してしまうという問題があった。
また、特開2000−230255号公報(特許文献1)で示される支持部材や、特開H11−061885号公報(特許文献2)で示されるバネ装置にあって、仮に、加圧して引っ込めておくには、転倒荷重相当以上の力で押込み続けねばならず、強力な収納装置が必要である一方、強力な収納装置にあっては重量も大変重くなり、転倒時にキャビンはその重量にも耐える剛性なり、強度メンバによる骨格が求められ、そのキャビンを支える機体重量も増々大きくなってしまうという問題があり、結局特許文献1、特許文献2にも図示されるように、常時キャビンの側面に張出した状態で設置しなければならない。
しかしながら、この旋回体の側面の突起物は旋回時に周りの作業者に危害を与えたり、周りの建造物などを破損し、大変危険でありかつ、外観上も問題を有するものであった。
一方、緩衝装置をエアバッグ装置で構成するものにあっては、空気圧で転倒動荷重数トンを支える必要があり、そのためには強力な大型の逆止弁や空気路を備え、破れず保持する強力な圧力に耐えるエア袋で支えるか、或いは数トンのガス圧を生じて転倒荷重に対抗させる、大量のガス発生装置を備えて支えるかが必要であるが、そのような大型部材をキャビン周辺にセットするには上述重量の問題や突起物の問題があり、実際上は実現困難であった。
そこで、土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険のある重車両にあって、外観を損ねる危険な突起物が常時突出する容姿になく、しかも転倒の際の衝撃を吸収して、かつキャビンを潰すことなく転倒の荷重に耐続ける保護装置が望まれるものであった。
本発明は、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持するエアバッグ付きのキャビン保護装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、上記従来例の問題点を解決するため、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋をキャビン外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置と、張出体がキャビン外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置とを、ドアの開閉に干渉しないキャビン下部位置に配設し、横転事故からキャビンを保護するものであることを特徴とする。
また、バネ圧の小さなバネ力で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなバネが、張出し可動部内で固定されて、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置を備えることで軽量かつ安価に製作することができる。
さらに、張出装置の張出し方向がキャビン外側面方向へ放射状に張出し、キャビン下部位置に配設されるエアバッグ装置と張出装置とがキャビンのフロア下部レボフレーム位置に配設されて成ることが好適である。
一方、複数のエアバッグ装置が張出装置の周辺近傍位置に配され、横転方向に応じて選択されたエアバッグ袋が膨張することで、複数のエアバッグ袋で横転圧力を分散するものとなる。
そして、エアバッグ装置がインフレータが生じる空気圧流と共にエアバッグ袋内へ横転衝撃を緩和するための緩和材を混入させて成ることで、衝撃の大きさに応じて多段で圧力を吸収できる。
【0006】
(作用)
本発明は上記構成によって、次のような作用を営むことができる。すなわち、建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋をキャビン外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置と、張出体がキャビン外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置とを、ドアの開閉に干渉しないキャビン下部位置に配設したことで、転倒時にエアバッグ装置と張出装置の2つの保護装置を同時に動作共存させることが可能となる。
【0007】
ここで仮に、空気だけが入ったエアバッグ袋に重量物が印加作用した場合を考えると、袋内の空気は重量物を支えようとまず衝撃を吸収する一方、その横転動作に伴う動荷重で内部の空気圧は過剰過圧されることになり、いずれ袋の破裂を招くか又は空気弁の破損を招き、衝撃の吸収やクッションとしての役割を失うことになってしまう。
しかしながら、エアバッグ袋内の空気(ガス)圧と、張出装置の張出体とが共存する上記構成にあっては、まず、エアバッグ袋がキャビン外側面上方向へ向けて膨張するため、エアバッグ袋は確実にキャビンと地面との間に位置して最初の衝突衝撃を和らげる。次に、張出装置の張出体が、エアバッグ袋が完全にペチヤンコになり重量物が地面と激突することを防止する作用を営み、エアバッグ袋内の空気が動荷重で過圧されてくると、徐々に圧力大なる力で保持止めする張出体で重量物を支えることとなる。ここで、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビンの上方へ向け膨張したエアバッグ袋の空気圧で打ち消される一方、この支えによる隙間、すなわち地面とキャビン間に存在する張出体により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体とで重量物の静荷重を長時間支えて、必ずしも大きな容量のエアバッグ袋を必要とせず、比較的体積の小さなエアバッグ袋であってもクッションとしての役割を十分に果たすことができる。
この点が空気だけのエアバッグ袋と比較して大きく異なる点で、張出体と共存するエアバッグ袋にあっては2段で圧力を吸収して、衝突初期段階の衝撃吸収要素に加えて、更に回転モーメントを打ち消し、しかも重量物を長時間面で支え切る耐重圧保持要素とを兼ね備えるものとなる。
【0008】
また、エアバッグ装置の動作がキャビンに設けられるドアの開閉に干渉しない下部位置に配設されることで、ドアが開かれた状態で転倒事故に遭遇しても、エアバッグ袋と張出体とをドアより下方の位置へ配設するものであることから、エアバッグ袋が膨張した際も、張出体が張出した際も、いずれもドアの開閉は両者の動作に支障とはならず、両者が共存してキャビンを保護することができる。
【0009】
そして、バネ圧の小なバネ力で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなバネが、張出し可動部内で固定されて、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置を備えるものであれば、通常時は大きなバネ圧力が印加することなく、小さなバネ圧のみで張出体が収納されているものであり、転倒時に小さなバネ圧で張出体を外方へ押し出すだけの力が蓄積保持できればよく、大がかりな保持装置は必要なく軽量かつ安価に製作可能であり、しかも張出し動作に連動して、バネ圧力の大きなバネが張出し可動部内に挿入されることで、今度は大きなバネ圧が張出体を支える構造を得て、横転荷重を支えるものとになる。
ここで横転時には、まずエアバッグ袋で転倒衝撃を空気圧クッションで吸収することになり、続いて動荷重でエアバッグ袋が過圧されてくると、今度は張出体の大きなバネ圧力が効きだし、バネはそのエネルギーを蓄積することになる。ここでエアバッグ袋の空気圧がダンパーの作用を営み、そのバネ圧エネルギーが反発する動作を和らげ、互いに補いキャビンを支えることになる。このように、このバネとダンパーの2段構成作用を得て、安価なバネでキャビンを保護する装置を製作することができる。
【0010】
さらに、張出装置の張出し方向がキャビン外側面方向へ放射状に張出すものであれば、油圧ショベルなど旋回動作をおこなう作業機のキャビンにあって、転倒方向が旋回状態などに依存する場合も、放射状に張出す複数の張出体の何れかで受けて、その受圧方向を放射軸方向へ導くことでキャビンを保護することができる。
【0011】
また、キャビン下部位置に配設されるエアバッグ装置と張出装置とがキャビンのフロア下部レボフレーム位置に配設されるものであれば、張出装置の固定をレボフレームに直接設けることができることから、例えば更に強力なバネなどで支えることが可能となり、落下などで予想を越える大きな衝撃にあっても、圧力更に大なる力で戻りを保持止めすることができる。
【0012】
一方、複数のエアバッグ装置が張出装置の周辺近傍位置に配され、横転方向に応じて選択されたエアバッグ袋が膨張するものであれば、張出装置の周辺近傍位置に配された複数のエアバッグ袋は張出装置に干渉することなく、複数のエアバッグ袋の選択動作が可能となり、複数のエアバッグ袋で横転圧力を分散して受けることができる。
【0013】
そして、エアバッグ装置がインフレータが生じる空気圧流と共にエアバッグ袋内へ横転衝撃を緩和するための緩和材を混入させるものであれば、エアバッグ袋内の空気(ガス)圧と、張出装置の張出体と、エアバッグ袋内の緩和材との3者が共存する構成を得て、張出装置の張出体と緩和材とは、エアバッグ袋が完全にペチヤンコになり重量物が地面と激突することを防止する作用を営み、エアバッグ袋内の空気が動荷重で過圧されてくると、徐々に圧力大なる力で保持止めする張出体と緩和材とで重量物を支えることとなる。この支えにより、すなわち地面とキャビン間に存在する張出体や緩和材により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体や緩和材とで重量物の静荷重を長時間支えてクッションとしての役割を果たすことができる。
また、エアバッグ袋と張出体だけのものと比較して、緩和材が混入したエアバッグ袋にあっては、比較的大きな衝撃を受ける落下状態にあっても、張出体と共存する緩和材にあっては、本来受けるエネルギーの大きさを想定してバネ圧力を選定するべきものを、予想を超えるオーバーエネルギーにあって、バネ圧などが限界に達するような圧力を受けても、バネがエンドを打つことなく、緩和材で支えることで面で過圧を受けることでき、しかも長時間静荷重を受けてエアバッグ袋の空気圧が完全に減圧状態になっても、引き続き緩和材により面でキャビンを支持することができる。すなわち、衝撃の大きさに応じて多段で圧力を吸収するものとなる。
【0014】
以上のように、本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持する効果を奏するものである。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図7は本発明の第1実施例を示すものである。図1は本発明を油圧ショベルのキャビン(運転室)下部に適用したもので、31a、31b、31cで示す複数の張出体を備えた張出装置31と、2a、2b、2c、2dで示す複数のエアバッグ袋を備えたエアバッグ装置14とを備え、その張出装置31とエアバッグ装置14とを具備したエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30がキャビン20のフロア下26に配設されている。
【0016】
ここで、まず図2を参照しながら、張出装置31について説明する。
なお、図1(a)〜図1(d)の構成と図2(a)〜図2(d)の構成に関して、共通する部分に、同一符号を付し詳細な説明を省略する。
なお、図2において、図2(a)、図2(c)は図2(b)のA−A断面図を示す。この断面は、図の26で示すフロア下位置であって、図の27で示すレボフレーム位置に相当する部分に係る断面位置である。
すなわち図2(b)の30で示すエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、キャビン20に設けられたドア24の下部位置となるフロア下26に位置し、レボフレーム27に固定されている。通常時は図2(b)の点線で示す張出装置31はキャビン20の外周の内側に収まっている。そして、横転時には図2(c)に示す張出体31a、31b、31cは図の矢印で示すキャビン20の外側へ向けて放射状に突出する。ここで、図2(d)のD1で示す方向に張り出した張出装置31はキャビン20のフロア下26に位置して、ドア24の開閉に関わらず張出体31a(又は31b、31c)を張出ことができるものである。
次に、この張出装置31の動作原理を図3、図4を参照しながら詳細に説明する。
なお、図3(a)〜図3(c)の構成と図4に示す構成で、共通する部分については、同一部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
図3(a)に示す張出体31a(又は図2(c)に示す31b、31c)は、レール33上に、図の38aで示す筒体、38bで示す当たり、32で示すガイドと共に配設されていて、この状態では張出体31aは、図の34で示す強力なスプリング(強力バネ)に支持されることなくフリーな状態にあって、図4の36で示す微力なスプリング(微力バネ)に逆らって押し込まれている状態を示している。
ここで傾斜センサが機体の転倒状態を検出すると、電気信号により励磁されるDCソレノイドにより、図4の37で示すロック(DCソレノイド)が矢印dの方向へ動きロック解除がおこなわれる。このロック解除で、微力なスプリング36が解き放されて、弱いバネ圧力ではあるが、張出体31a、筒体38a、当たり38b、ガイド32を図のD1で示す方向へ押し出している。
そこで、図3(a)のD3で示す矢印方向に、強力なスプリング34の軸34a先端がガイド32の斜面に沿って移動することになる。
図3(b)に示すL1は張出体31aが収納状態からD1方向の張出状態へ押し出された時の変位量を示すものである。ここで、この押し出された状態で、強力なスプリング34の軸34a先端がガイド32の斜面を移動し終わり、筒体38aにセットされる。そして当たり38bは紙面の都合上詳細な構造の記載を省略するが、断面U状を成し、U溝内に軸34aが挿入されて、図3(c)のD2で示す方向への力を受けた際、当たり38bは強力なスプリング34を加圧することになる。
このようにスプリング34は、張出体31aの張出動作に連動して、張出し可動部内(レール33とガイド32とで構成される可動部内)に挿入されて、張出体31aの戻りを強力なバネ圧力で保持止めする固定がなされるものである。
図3(c)のL2で示す変位は、張出体31aが横転に伴い加圧された状態を示すもので、図のD2で示す方向へ加圧を受けて、軸34aが筒体38a内に挿入さて、当たり38bが強力なスプリング34を圧縮している。
なお、強力なスプリング34のもう一方の端点は、台35に可動自在に図の矢印方向へ作用するトーションバネ34bで押さえられている。
ここで、図3(c)のD2で示す方向へ圧力を受ける台35は、レボフレーム27に固定されていて、張出装置が受ける圧力をレボフレーム27で受けている。
なお、図4においては詳細な構造を省略したが、レール33はその両端に補強板が施されていて、しかも張出体31a、31b、31cはゴム板などの弾性材料で覆われていて、加圧方向が例え斜め方向から印加しても、その圧力を図12(a)の52で示すゴムの歪みと、放射状に張出す構造やレール33によってスプリング34の軸34a方向へ容易に導くことができる。
なお、張出体31aの受圧方向は、地面の状態や横転方向が必ずしも一定方向でないことから、放射状に設けられた構造にあっても更に弾性材料であることが好ましい。そこで、張出体31aは図12(b)の53で示す多数の組み合わせハガネであってもよいし、図12(c)の矢印で示す回動方向への変位を妨げるトーションバネ54による固定圧で設けられるものであっても良い。
【0017】
次に図5を参照しながら、他の張出装置について説明する。
図5に示す張出装置31は、図3、図4に示す張出装置31の強力なスプリング34の挿入(固定)を、ロックピン18による固定に変えた点に特徴がある。すなわち、張出し動作に連動して、バネ圧の大きなスプリング34が、張出し可動部内でロックピン18で固定されて、その戻りを保持止めされるものである。
したがって、図5のその他の構成は図3、図4のそれと共通しているので、図5において共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0018】
通常、図5(a)に示すガイド32は図の36で示す弱いバネ圧のスプリングに圧せられている状態にあり、一方図の34で示す強いバネ圧のスプリングはフリーな状態で格納されている。そしてガイド32はロック(DCソレノイド)37で位置固定されている。なお、図の34aは軸、33はレール、27はレボフレーム、31aは張出体を示す。
ここで、別途設けられるセンサが横転状態を検出すると、電気信号でDCソレノイドが励磁されて、ロック37が図のdで示す方向へ可動することでロック解除がおこなわれる。
図5(b)のL1は弱いスプリング36により、レール32、軸34a、強いスプリング34、張出体31aが図のD1で示す方向へ押し出された押出量を示すもので、この押出動作で図のfで示す方向にバネ圧を受けているロックピン18はレール32の孔内に挿入される。このことで、張出体31aは、バネ圧の小さなバネ力(弱いスプリング36)で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなスプリング34が、張出し可動部内(レール33とガイド32とで構成される可動部内)で固定されて、その戻りを保持止めすることになる。
ここで機体の転倒で地面より図5(c)のD2で示す方向に外圧を受けて、張出体31aが図のL2で示す圧縮量を受けた場合、強力なスプリング34は、ロックピン18でガイド32がピン18の破断強度で固定物との間で位置固定されていることから圧縮(保持止め)されることになる。
【0019】
次に図6を参照しながら、図1に示すエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30内に設けられたエアバッグ装置14の動作原理を説明する。
従来からエアバッグ装置14は車が障害物等に衝突する際、瞬時に膨張して搭乗者の頭部等を保護するものとして知られているが、本発明にあっては、この原理を車両の外側に作用させて、キャビン20の保護に利用するもので、図6(a)の14で示すエアバッグ装置の動作原理は、まず傾斜角を検出する傾斜センサ8で横転状態の判定がおこなわれ、図の7で示す電気ヒータで火薬に着火がおこなわれる。これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させる。そして、このガス圧がパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、同図(b)のZ1で示す空気流により袋2の容積を急激に拡大させるものである。
なお、図6(a)において、2はエアバッグ袋が折り畳まれた状態を示すものであり、図6(b)において、2は図の点線方向へエアバッグ袋が膨張している様子を示すものである。
このエアバッグ装置14は上述の張出装置31の近傍周辺に配されて、図1(c)の2a、2b、2c、2dに示すエアバッグ袋は、放射状に張出した張出体31a、31b、31cに対して各々交互に、張出体31aに対しその両側に2a、2bで示すエアバッグ袋が配されて、張出体31bに対しその両側に2b、2cで示すエアバッグ袋が配され、張出体31cに対しその両側に2c、2dで示すエアバッグ袋が配されている。すなわち、互いに張出装置31とエアバッグ袋2とが干渉しないよう、尚かつ互いに補うように配されている。
また、図1(c)においては、2a、2b、2c、2dで示すエアバッグ袋が全て動作して膨張した場合を示すものであるが、必ずしも全てのエアバッグ袋2を膨張させる必要はなく、例えば張出体31aの方向へ横転する場合、横転する方向に位置するエアバッグ袋2a、2bのみを膨張させて、2c、2dで示すエアバッグ袋を未動作とするものであってもかまわない。また上方へ向けて膨張するエアバッグ袋2は図1(d)においては略45度角で示したが、45度に限定するものではない。
【0020】
図7に示す概念図は上記第1実施例のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30の原理を図7(a)の20で示すキャビンへ適応したものである。
キャビン20のドア24の下方位置のフロア下26に配されたエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30は、図7(b)のR1で示す傾きを検出すると、まずインフレータの空気流がエアバッグ袋2内へ流入する。このエアバッグ装置14は、キャビン20を保護するためにキャビン20の外側(側面方向)上方略45度角方向へ向けて膨張するものである。
また、上記エアバッグ袋2の膨張に並行して、図7(b)のR1で示す傾きを検出すると、図の31aで示す張出装置の張出体が弱いバネ圧で押し出され、押し出された段階で、その戻りをそのバネとは異なる別の圧力大なるスプリングで保持止めされる。
次に、機体が転倒してキャビン20が図7(c)の22で示す地面へ衝突する際、衝突の衝撃は、まず、キャビン20の外側(側面方向)上方略45度方向へ向けて膨張したエアバッグ袋2内のエアバッグ袋2内の空気ガスが地面22とキャビン20との間に挟まれることで一旦吸収されつつも、図のRで示す方向へ機体の自重圧を受けることになる。ここで、図の31aで示す張出体が強いバネ圧で支えられて、その横転荷重を受け始める。
本来エアバッグ袋2のみでは図のRで示す巨大な動荷重には耐えきれず、図6(c)のまた上方へ向けて膨張するエアバッグ袋2は図1(d)においては略45度角で示したが、45度に限定するものではない。
2で示すエアバッグ袋はキャビン20と地面22に挟まれてペチャンコになって破裂してしまう危険があるが、上述張出体31aの存在により、張出体31aが地面22とキャビン20との間に位置するため、自重圧は図4(又は図5)の34で示すスプリングで支えれつつ、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビン20の上方へ向け膨張したエアバッグ袋2の空気圧で打ち消される一方、エアバッグ袋2の空気圧は、張出体31aが地面22とキャビン20との間に作る隙間へ分散し、面でキャビン20を支える作用を営むことになる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施例を図8〜図11を参照して説明する。
第2実施例は第1実施例のエアバッグ装置14を緩和材が混入されたエアバッグ1に変えて、大きな衝撃をも多段で吸収する点に特徴がある。すなわち図9は、図6のエアバッグ袋2へ図9の3で示す緩和材を混入させたものである。
したがって、第2実施例のその他の構成は第1実施例のそれと共通しているので、図8〜図11において共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0022】
まず、図9(a)の8で示す傾斜センサは、作業機の機体の傾きを検出するもので、これ以上傾けば転倒すると判断される傾斜角を捕らえて転倒判断がおこなわれて発火装置7のヒータを点火している。
これが火種となりインフレータ5内のエンハンサ(伝化薬)に着火して、ガス発生剤6(アジ化ソーダ、二流化モリブデンなどの化合物)を燃焼させて、瞬時に大量の窒素ガスを発生させている。
そこで、このインフレータ5が生じる空気圧流により、空気ガスはインフレータ5とエアバッグ袋2とをつなぐ空気路4へ流れだすことになるが、この空気路4内には衝撃を緩和するための緩和材3が入れられていて、緩和材3は、図9(b)のZ1で示す方向に押し出される。この空気圧流と緩和材は共に、図面の都合上省略したが、折り畳まれたエアバッグ袋2を押さえる押さえパッドの切欠部を破って、エアバッグ袋2内に流入し、エアバッグ袋2の容積を急激に膨張させるものである。
したがって、この状態でエアバッグ袋2内は、空気ガスと緩和材3とが混在するエアバッグ装置1ということになる。
【0023】
なお、混入される緩和材3は、弾性変形の少ない硬質材料であり、ここでは硬質発砲スチロール片3aからなる多数の緩和材片で構成されている。また、図9(a)、(b)の13で示すネットは、空気路4の入口に設けられ、緩和材3がインフレータ内に逆流するのを防止している。更にエアバッグ袋2は紙面の都合上詳細な説明は省略するが、重荷重や突起物等に耐えるよう厚手のゴム製材料で製作されている。また、図9(b)の点線はエアバッグ袋2の膨張の様子を示すものである。
【0024】
この緩和材3が混入されるエアバッグ装置1は上述の張出装置31の近傍周辺に配されて、図8(c)の1a、1b、1c、1dに示すエアバッグ袋は、放射状に張出した張出体31a、31b、31cに対して各々交互に、張出体31aに対しその両側に1a、1bで示すエアバッグ袋が配されて、張出体31bに対しその両側に1b、1cで示すエアバッグ袋が配され、張出体31cに対しその両側に1c、1dで示すエアバッグ袋が配されている。すなわち、互いに張出装置31とエアバッグ装置1とが、第1実施例の図1に示すもの同様に、干渉しないよう、尚かつ互いに補うように近傍位置に配されている。
【0025】
次に、図10に示す概念図は上記第2実施例のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30の原理を図10(a)の20で示すキャビンへ適応したものである。
キャビン20のドア24の下方位置のフロア下26に配されたエアバッグ付キャビン下部張出保護装置30は、図10(b)のR1で示す傾きを検出すると、まずインフレータの空気流が緩和材3と共にエアバッグ袋2内へ混入する。このエアバッグ装置1は、キャビン20を保護するためにキャビン20の外側へ側面上方略45度角方向へ向けて膨張するものである。
したがって、略45度上方へ膨張するエアバッグ袋2内の緩和材3はエアバック袋2の根本(すなわち、張出体31a近傍位置)に溜まり、これが思わぬ大きな衝撃に遭遇しても、緩和材3によりスプリング34がエンドを打たないように保護するものとなる。
一方、上記緩和材3が混入するエアバッグ袋2の膨張に並行して、図10(b)のR1で示す傾きを検出すると、図の31aで示す張出装置の張出体が弱いバネ圧で押し出され、押し出された段階で、その戻りを圧力大なる別のスプリングで保持止めされる。
次に、機体が転倒してキャビン20が図10(c)の22で示す地面へ衝突する際、衝突の衝撃は、まずエアバッグ袋2内の空気ガスで吸収されつつも、図のRで示す方向へ機体の自重圧を受けることになる。ここで、図の31aで示す張出体が強いバネ圧で支えられて、その横転荷重を受け始める。
ここで仮に、この衝撃が図3(又は図5)の34で示すスプリング圧を越える予期せぬ大きさであるとき、スプリングは収縮限度を越えてエンドを打つが、このような事態が万一発生して、図3の35で示す台に集中荷重が印加しても、台35は頑丈なレボフレーム27に固定されるためキャビン20を潰す危険なく、しかもこのような思わぬ危険な動荷重にさらされた際に、上述のエアバッグ袋2内に混入した緩和材3(多数根本に溜まった発砲スティロール片3a)がキャビン20を支えることで、スプリング34がエンドを打つことを防止している。
しかも、この下部位置の支えにより生じる回転モーメントはキャビン20の上方へ向け膨張したエアバッグ袋2の空気圧で打ち消される一方、この支えによる隙間、すなわち地面22とキャビン20間に存在する張出体31aや緩和材3により発生する隙間に、エアバッグ袋の空気圧が回り込むことで、エアバッグ袋2の破裂を防ぐと共に、回り込む空気圧と張出体31aと緩和材3とで重量物の静荷重を長時間支えてクッションとしての役割を果たすことができる。
このように、比較的大きな衝撃であっても、その衝撃をエアバッグ袋2の空気圧と張出体31aと緩和材3とで多段で支えて、キャビン20を保護することができる。
【0026】
一方、図11に示す油圧ショベル23は、高所作業をおこなっていて従来技術にあっては仮に転倒事故を起こした際は、高所から転落することになりキャビン20自身が潰れてしまう可能性があり、作業者28を保護することが困難を伴うものであったものが、上述図10に示す動作により、キャビン20を保護する用途例を示すものである。
なお、図11の構成は図10のそれと共通しているので、図11(a)〜図11(c)においては、共通部分に同一符号を付し詳細な説明を省略する。
図11(a)に示す23は高所で作業をおこなう油圧ショベルである。作業者28はキャビン20内で機体の操作をおこなっている。この図の1で示すエアバッグ装置は、傾きを検出して、インフレータの空気流で膨張したエアバッグ袋2内に、空気ガスと緩和材3とが混入したものである。
そして図11(b)に示す23は転倒した際の油圧ショベルを示すもので、まず初期段階で本来キャビン20に加わるはずの強烈な衝突による衝撃が、エアバッグ袋2内の空気圧がクッションとなり一旦吸収されつつも、更に続いて横転重量をもろに受けるエアバッグ袋2内の空気は、瞬時的な動荷重を受けて圧縮される。そこで、エアバッグ袋2がペチャンコになってくると、図11(c)の31aで示す張出体が作用し始めて、油圧ショベル23の横転動作による動重量を支えるが、更に大きな衝撃である時はエアバッグ袋2内の緩和材3が過剰な衝撃エネルギーを緩和する。この際、張出体31aや緩和材3で作られる地面22とキャビン20の間の空間にエアバッグ袋2内の空気圧が広がり込んで、張出体31aや緩和材3を補助するように大きな面でキャビン20を支えることで、キャビン20が長時間油圧ショベル23の静荷重を受けて潰れるのを防止するものである。
【0027】
以上のように、本発明のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置は、土木建設機械或いは農業機械など動き回り作業をおこない転倒の危険のある重車両にあって、外観を損ねる危険な突起物が常時突出する容姿になく、しかも転倒の際の衝撃を吸収して、かつキャビンを潰すことなく転倒の荷重に耐続ける効果を奏するものである。
【0028】
なお、本実施例においては、混入される緩和材3は、弾性変形の少ない硬質材料であり、ここでは硬質発砲スチロール片3aからなる多数の緩和材片としたが、緩和材は発砲スチロールに限定するものではない。また、張出装置31の張出体31aはレール33に固定した直線上で動作する直動例を示したが、押し出し動作が微弱な圧力でおこなわれ、その戻りを強力な圧力で保持止めするものであれば、直線上の動作に限定するものではなく、例えば回転軸を備えてドアの開閉のような回動動作でドア部分を張り出すようなものであってもよい。さらに、図11(c)の14で示す補助エアバッグなどを動作させるものであってもかまわない。すなわち本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、外観を損ねることなく転倒時に下部に張出しキャビンを保護すると共に、比較的大きな落下衝撃であっても、その大きさに応じて多段で圧力を吸収して保持するエアバッグ付きのキャビン保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図2】その張出装置を示すものであって、(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図3】張出動作を示すものであって、(a)〜(c)は原理図を示す。
【図4】その動作例を示す上面図。
【図5】他の張出装置を示す(a)〜(c)は原理図。
【図6】エアバッグ装置を示す(a)、(b)は原理図、(c)は説明図。
【図7】動作例を示す(a)〜(c)は各々概念図。
【図8】本発明の第2実施例を示す(a)、(c)は断面図、(b)、(d)は側面図。
【図9】そのエアバッグ装置を示す(a)、(b)は原理図。
【図10】動作例を示す(a)〜(c)は各々概念図。
【図11】その用途例を示すものであって、(a)〜(c)は各々斜視図。
【図12】張出体例を示すものであって、(a)〜(c)は各々説明図。
【符号の説明】
1 緩和材を混入したエアバッグ装置
2 エアバッグ袋
3 緩和材
4 空気路
5 インフレータ
14 エアバッグ装置
20 キャビン
22 地面
23 油圧ショベル
24 ドア
26 フロア下
27 レボフレーム
28 作業者
30 エアバッグ付キャビン下部張出保護装置
31 張出装置
31a、31b、31c 張出体
32 ガイド
33 レール
34 強力スプリング(強力バネ)
34a 軸
35 台
36 微力スプリング(微力バネ)
37 ロック
38a 筒体
38b 当たり
Claims (6)
- 建設機械や農業機械など作業機の車両に設けられ、横転事故からキャビンを保護するエアバッグ装置において、
インフレータが生じる空気圧流によりエアバッグ袋をキャビン外側面上方向へ向けて膨張させるエアバッグ装置と、
張出体がキャビン外側面へ張出し、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置とを、
ドアの開閉に干渉しないキャビン下部位置に配設し、横転事故からキャビンを保護するものであることを特徴とするエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。 - バネ圧の小さなバネ力で張出し、その張出し動作に連動して、バネ圧の大きなバネが、張出し可動部内で固定されて、その戻りを圧力大なる力で保持止めする張出装置を備えた請求項1記載のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。
- 張出装置の張出し方向がキャビン外側面方向へ放射状に張出す請求項1、又は2記載のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。
- キャビン下部位置に配設されるエアバッグ装置と張出装置とがキャビンのフロア下部レボフレーム位置に配設されて成る請求項1、又は2、又は3記載のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。
- 複数のエアバッグ装置が張出装置の周辺近傍位置に配され、横転方向に応じて選択されたエアバッグ袋が膨張する請求項1、又は2、又は3、又は4記載のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。
- エアバッグ装置がインフレータが生じる空気圧流と共にエアバッグ袋内へ横転衝撃を緩和するための緩和材を混入させて成る請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5記載のエアバッグ付キャビン下部張出保護装置。
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JP2002352352A JP2004183350A (ja) | 2002-12-04 | 2002-12-04 | エアバック付キャビン下部張出保護装置 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109109633A (zh) * | 2018-10-15 | 2019-01-01 | 吉林大学 | 一种弹性缓冲车门装置及其控制方法 |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352352A patent/JP2004183350A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109109633A (zh) * | 2018-10-15 | 2019-01-01 | 吉林大学 | 一种弹性缓冲车门装置及其控制方法 |
CN109109633B (zh) * | 2018-10-15 | 2023-09-08 | 吉林大学 | 一种弹性缓冲车门装置及其控制方法 |
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