JP2004183332A - 制震装置および制震構造物 - Google Patents

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Eiji Kuroda
英二 黒田
Takeshi Furuhashi
剛 古橋
Kenji Saiki
健司 齊木
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Abstract

【課題】地震時に内部粘性体の動きを滑らかにすることで、粘性制震壁の大変形時における過剰な減衰力の上昇を抑える制震装置および制震構造物を提供する。
【解決手段】制震構造物の床部上に設置された粘性体及び又は粘弾性体を貯留する貯留槽と、前記構造物の梁部から垂下されて前記貯留槽中に貯留した粘性体及び又は粘弾性体中に浸漬された面内振動抑制板とを備えた制震装置において、前記貯留槽の一部に液溜り部を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、構造物の横揺れを抑制する制震装置及び制震構造物に関し、更に粘性体による過大な減衰力の発生を抑制する制震装置及び制震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
中・高層の建築物は、一般に多層ラーメン構造となっており、地震時の挙動は層間変形による横方向の揺れが支配的となることが多い。このような横揺れが大きくなると、層間を支持する柱が破壊されて大きな被害が生じることがある。特に、建築物の固有周期と地震動の周期とが近い時に共振が起こり、振動が大きく増幅されて甚大な被害を招く。
【0003】
このような地震による建築物の損壊を防止するために、従来より様々な工夫がなされており、その一つに建築物の振動を減衰させる方法がある。特開平1−97764号公報(特許文献1)に開示される制震装置は上記のような多層ラーメン構造の減衰性能を向上させるために用いられるものである。この制震装置28は、図5に示すように、上層階側に固定支持された垂下板4と、下層階側に固定された2枚の板が容器状に形成された立上板8とを有し、該容器状の立上板8内に垂下板4が立上板8と間隔をおいて収容されて遊動可能となっており、この垂下板4と立上板8との間には粘性流体10が充填されている。このような制震装置においては、地震による横揺れが発生した時に、上層階に伴って移動する垂下板4と下層階に伴って移動する立上板8との間に相対変位が生じ、これらの間に充填されている粘性流体10の粘性抵抗力が働く。この粘性抵抗力は上層階と下層階の相対変位速度に依存し、層間変形による振動を減衰させる。このような速度依存型制震装置は、図5に示すように、上層階の梁と下層階の梁との間に設けられるのが一般的であり、この部分に仕切り壁を設けて、制震装置はその壁体内に収容される。
【0004】
その他、この本願発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−97764号公報
【特許文献2】
特開2000−240319号公報
【特許文献3】
特開2000−179183号公報
【特許文献4】
特開平11−210819号公報
【特許文献5】
特開2001−248326号公報
【特許文献6】
特開2001−132265号公報
【特許文献7】
特開平10−246281号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6に示すように従来の立上板8の端部は、垂下板4と略同一の奥行きをもって二枚の立上板8が相対し、その間隔は中央部と端部で同一となっている。垂下板4と立上板8の間に間隙を有し、その間隙内は粘性流体10が充填されている。
【0007】
このため、地震時に大きな変形を起こして垂下板4が移動すると、垂下板4に押圧された粘性流体10が間隙へ向けて急速に移動を開始する。しかし、本来、既にあった粘性流体10に対して押圧されるため、既にあった粘性流体10が逆に、垂下板4と立上板8の間に流入しようとする。このため、押圧された粘性流体10と、既にあった粘性流体10との間で摩擦或いは圧縮が生じて過大な減衰力を発生することとなる。
【0008】
特に、垂下板4脇の粘性流体が充填される空間が小さいために、振動時に押圧された側の粘性流体10の行き場が無いという課題と、逆に押圧と反対側の空間の粘性流体不足するという課題が生じていた。
【0009】
さらに、この対向する二枚の立上板8の間は、固体である垂下板4と液体である粘性流体10のみしか無いため収縮や伸張するものが一切なく、垂下板4の移動に伴う押圧を吸収する部材が一切なかった。このため、垂下板4の移動に伴い、粘性流体10による粘性抵抗力によって必要以上に大きな減衰力や剛性が発生している。
【0010】
そこで、本願発明の目的は、地震時に内部粘性体の動きを滑らかにすることで、粘性制震壁の大きな変形時における減衰力の過剰な上昇を抑える制震装置および構造物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る制震装置は、構造物の床部上に設置された粘性体及び又は粘弾性体を貯留する貯留槽と、前記構造物の梁部から垂下されて前記貯留槽中に貯留した粘性体及び又は粘弾性体中に浸漬された面内振動抑制板とを備えた制震装置において、前記貯留槽の一部に液溜り部を設ける。
【0012】
また、液溜り部は、前記貯留槽の1方の側に設けられてもよく、前記貯留槽の両側に設けられてもよい。
【0013】
さらに、前記液溜り部の液は、前記液溜り部の厚さ方向の寸法が他の部分より大きくてもよく、その内壁面に前記液溜り部の容積を変化させる収縮性の部材がさらに設けられてもよい。前記液溜り部の液は、さらに前記液溜り部の厚さ方向の寸法が他の部分と同じであって、貯留槽の両端がさらに水平方向に拡張されることもできる。
【0014】
本発明に係る制震構造物は、構造物の架構に入力する振動エネルギを吸収する手段として、前記の制震装置を用いる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明に係る制震装置および制震構造物の一実施の形態を示すものである。図1は、本発明の一実施形態である制震装置を示す正面図であり、図2は、本発明の一実施形態である制震装置を示す縦断面図であり、図3は、本発明の一実施形態である制震装置を示す横断面図である。図4は、本発明の一実施形態である制震装置を示す横断面の部分拡大図である。この制震装置1は、構造躯体の外周部にある梁2に上縁が固定された垂下板4と、前記梁2の下方にある床6に固定され、上記垂下板4の両面と対面する2枚の立上板8を含む貯留槽9と、前記貯留槽9内に貯留された粘性流体10とで主要部が構成されている。
【0016】
垂下板4は、梁2から垂直下方向に突出した2つの取付部材12によって梁2にボルト14で固定されている。
【0017】
一方、立上板8は、幅が垂下板4よりわずかに大きく、その下縁付近が取付部材16を介して床6に固定される。
【0018】
粘性流体10は、2枚の立上板8を含む貯留槽9に貯留され、前記垂下板4は、この貯留された粘性流体10中に浸漬するように配置される。
【0019】
このような制震装置1によれば、地震時の水平方向の揺れによって上層階と下層階との間に相対的な変位が生じると、上層階に固定された垂下板4と下層階に固定された立上板8を有する貯留槽9との間に相対変位が生じ、これらの間に充填された粘性流体10の粘性抵抗力によって振動に減衰力が付与される。
【0020】
図1のC−C断面図である図3に示すように、貯留槽9は、その両端部に液溜り部18を有する。その詳細を図4に示す。液溜り部18は、内側板20と突出側板22と外側板24で矩形状に構成され、内側板20の中間で2枚の立上板8と連続して接続される。ここで、対向する2枚の突出側板22の間隔は、対向する2枚の立上板8の間隔より長くすることが好適である。長くすることでより短い長さで容量の大きい液溜り部18とすることができる。また、対向する2枚の立上板8の間隔と同一として、両端部18の両端を延長して液溜り部18とすることができる。この場合は、内側板20の厚みを最小限にすることもできる。
【0021】
液溜り部18の内部は、立上板8と連続して粘性流体10が充填される。さらに、外側板24の内面に沿って収縮性のある部材20が固定される。この収縮性のある部材は、発泡ウレタン、ゴムその他のクッションから構成されることができる。
【0022】
以上の構成において、本発明に係る制震装置について図4を用いて説明する。
【0023】
静止時は、いずれの部材も動作しないため現状の位置で固定されたまま停止する。
【0024】
次に、大地震が発生し梁2が図4において紙面に対して左方向に揺れ、床6が図4の紙面に対して右方向へ揺れた場合は、まず、垂下板4が紙面左方向へ移動する。
【0025】
すると、垂下板4左側にある粘性流体10が押圧されて液溜り部18へ移動する。このため、液溜り部18内部の粘性流体10も押圧されその結果、収縮性のある部材20が収縮する。しかし、更に揺れが進み、粘性流体10が押圧されて収縮性のある部材20の収縮で粘性流体10の移動が支持できず、液溜り部18内部の粘性流体10が立上板8間に逆流する。
【0026】
一方、図4に図示されない垂下板4の右方は、垂下板4の移動に伴い粘性流体10が流れ込むため圧力が低下する。このため、垂下板4と立上板8間の粘性流体10も紙面右側へ移動する。このため、先の立上板8間の間に逆流もスムーズに紙面右方向へ移動する。
【0027】
続いて、大地震が発生し梁2が図4において紙面に対して右方向に揺れ、床6が図4の紙面に対して左方向へ揺れた場合は、まず、垂下板4が紙面右方向へ移動する。
【0028】
垂下板4が、図面左方へ移動することで垂下板4左側にある粘性流体10が左方へ移動する。このため、液溜り部18内部の粘性流体10も同時に対向する2枚の垂下板4方向へ移動する。この際、収縮性のある部材20はその部材の可能な範囲で膨張する。しかし、更に揺れが進み、粘性流体10が液溜り部18から流出して収縮性のある部材20の膨張でも粘性流体10の移動が支持できず、立上板8間の粘性流体10が液溜り部18内部に流入する。
【0029】
さらに、立上板8間の粘性流体10が液溜り部18内部に流入するため、立上板8と垂下板4の間にある粘性流体10が紙面左側へ移動する。この粘性流体10は、図示しない垂下板4右方で押出された粘性流体10であるため、スムーズに移動する。
【0030】
以上、液溜り13が構成されることで、粘性流体10がその両端部に十分に存在するため、垂下板4が移動しても不足することがない。
【0031】
さらに、液溜り13内部に収縮性のある部材20が配置されて、収縮及び膨張が可能であるため、粘性流体10および他の側面が収縮および膨張しなくとも過大な減衰力が発生するのを防いでいる。
【0032】
なお、本実施例では、立上板8の両端に液溜り18を設けたが、必ずしも両端に限定されるものではなく、片方のみでも有効である。
【0033】
また、液溜りの形状としその断面が直方形としているが、この形状に限定されるものではなく、任意の形状とすることもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の構成に従った制震装置及び制震構造物が提供されて地震時に内部粘性体の動きを滑らかにすることで、粘性制震壁の大変形時における過剰な減衰力の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である制震装置を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態である制震装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である制震装置を示す横断面図である。
【図4】本発明の一実施形態である制震装置を示す横断面の拡大図である。
【図5】従来の制震装置を示す正面図(a)と側面図(b)である。
【図6】従来の制震装置を示す断面拡大図である。
【符号の説明】
2 梁
4 垂下板
6 床
8 立上板
9 貯留槽
10 粘性流体
12 取付部材
14 ボルト
16 取付部材
18 液溜り部
20 内側板
22 突出側板
24 外側板

Claims (7)

  1. 構造物の床部上に設置された粘性体及び又は粘弾性体を貯留する貯留槽と、前記構造物の梁部から垂下されて前記貯留槽中に貯留した粘性体及び又は粘弾性体中に浸漬された面内振動抑制板とを備えた制震装置において、前記貯留槽の一部に液溜り部を設ける制震装置。
  2. 前記液溜り部は、前記貯留槽の1方の側に設けられることを特徴とする請求項1記載の制震装置。
  3. 前記液溜り部は、前記貯留槽の両側に設けられることを特徴とする請求項2記載の制震装置。
  4. 前記液溜り部の液は、前記液溜り部の厚さ方向の寸法が他の部分より大きいことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の制震装置。
  5. 前記液溜り部の液は、前記液溜り部の厚さ方向の寸法が他の部分と同じであって、貯留槽の両端がさらに水平方向に拡張されることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の制震装置。
  6. 前記液溜り部は、その内壁面に前記液溜り部の容積を変化させる収縮性の部材がさらに設けられることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の制震装置。
  7. 構造物の架構に入力する振動エネルギを吸収する手段として、請求項1乃至6のいずれかに記載の制震装置を用いたことを特徴とする制震構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4431187B1 (ja) * 2009-04-24 2010-03-10 株式会社ダイナミックデザイン 粘性制震壁
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