JP2004182996A5 - - Google Patents

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インク、インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
本発明は、インク、更には、記録信号に応じてオリフィスからインクを吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録に好適に使用できるインク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクセット及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の被記録材にインクを付着させて記録を行うものである。特に、特許文献1〜3において開示された、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を発生させる方式のインクジェット記録方法によれば、手軽にカラー画像を印刷することができる。そして、近年は、インクジェット記録装置に対しては更なる低価格化や印字速度の向上が、又インクジェット記録画像に対しては、より一層の高画質化が進められている。更に、カラーのインクジェット記録は、様々な用途への応用が進められている。
ところで、インクジェット記録方法を用いたカラー記録には、例えば、各々の色調を有する染料を水溶性媒体中に溶解した水性インクが用いられている。これらのインクは、例えば、下記の(1)〜(10)等に挙げるインクジェット記録特性を高いレベルで満足していることが望ましい。
(1)充分な濃度の画像を与えること
(2)被記録材上での乾燥性がよいこと
(3)記録画像に滲みがないこと
(4)水、アルコール等と接触しても記録画像の流れ出しがないこと
(5)記録画像が耐光性に優れること
(6)ノズルの先端での目詰まりを生じないこと
(7)連続印字したときや、長時間放置後の記録開始時に記録画像の掠れ等の不都合が生じないこと
(8)保存時、インクが安定であること
(9)使用時、記録手段を構成する部材と接触しても問題を起さないこと
(10)耐熱性に優れ、且つ、熱エネルギー発生素子に悪影響を与えないこと
ところで、カラー記録に用いる各種色調のインクのうち、マゼンタ色の水性インクに用いられる染料としては、優れた色調のマゼンタインクが得られるアゾ系やキサンテン系の染料が主流である。そして、かかる色調に優れたマゼンタインクの存在は、最近の銀塩写真に匹敵するほどの高画質なインクジェット画像の実現を可能としている。しかし、近年になって、インクジェット記録画像に対しては、単に画質だけでなく、形成画像の耐久性が求められるようになってきている。
特公昭61−59911号公報 特公昭61−59912号公報 特公昭61−59914号公報
これに対し、本発明者らの検討によれば、従来のマゼンタインクに用いられているアゾ系やキサンテン系のマゼンタ染料は、他のカラーインクに用いられる染料と比較すると耐光性に劣り、このマゼンタインクを用いて形成したカラーインクジェット画像を、これまでの想定を越える長期間の耐光性試験にて評価すると、マゼンタ色の色によって、カラー画像のカラーバランスが崩れてしまうことが確認された。本発明者らは、インクジェット記録方式によって得られるカラー画像に対して、より一層の耐久性を向上させるという観点からは、マゼンタ色のインク画像の耐光性向上が必要であるとの認識を持つに至った。
また、色材として、発色性が良好なアゾ系やキサンテン系等の染料を使用したマゼンタインクと、色材として、耐光性、色調に優れている銅フタロシアニン染料を使用したシアンインクと併用した場合に、このシアンインクとマゼンタインクとの混色部において、マゼンタ染料の褪色が単色の時よりも顕著となり、画像全体のカラーバランスが崩れて、画質が著しく低下してしまうことがある。このようなマゼンタインクとシアンインクとの混色画像における光劣化の加速という技術課題に対して、新たなマゼンタインクの提案がなされている。例えば、特開平2−127482号公報では、濃度の異なる2種以上のマゼンタインクにおいて、濃インクには鮮明性に優れた染料を用い、淡インクでは混色部での光褪色が促進されない染料を用いることで、画像のハイライト部における光褪色を抑えることが提案されている。また、特開平11−315230号公報では、アゾ系染料が含まれているマゼンタインク中に、キサンテン構造を有する染料を耐光性付与剤として耐光性付与剤/色材=0.03〜0.5の範囲で添加することにより、画像の混色部での褪色を抑える提案がなされている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特開平2−127482号公報に記載の技術は、カラー画像に対する経時的なカラーバランスの変化を抑えることができる極めて有効な技術であるものの、近年における写真調のカラー画像の高い再現性に対する消費者の要求を考慮すると、濃マゼンタインクとシアンインクとの混色部において生じる色材同士の相互作用による色調の変化に対して、より一層の改善が必要であるとの結論を得るに至った。また、上記特開平11−315230号公報に記載の技術については、確かに、カラー画像に対する褪色の促進効果は抑制されるものの、マゼンタインク自体に対して、耐光性のより一層の改善が依然として必要であるとの認識を得た。
従って、本発明の目的は、インクジェット記録用インクとして要求される性能を満たし、様々な被記録材に記録した場合に、いずれも発色性が良好であり、高い画像濃度を実現でき、しかも、得られた画像に優れた耐光性を与えることのできるインク、特に、マゼンタ色のインクを提供することにある。また、本発明の他の目的は、優れた色調を有し、且つ、画像を形成した場合に、その色調が容易に褪せることのない画像を得ることのできる記録方法を提供することにある。更に本発明の目的は、上記した、優れた効果を有するインクを使用した記録ユニット、インクカートリッジ、インクセット及び記録装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シアンインクとマゼンタインクとの混色部におけるマゼンタ染料の耐光性をより一層向上させ、混色部分を含む画像を形成した場合にも、発色性に優れ、美麗なカラー画像が得られると共に、長時間保存した後も、褪色が少なく、特に、マゼンタインクと、銅フタロシアニン染料を有するシアンインクとの混色部画像において顕著であったマゼンタ色の褪色が有効に抑制され、厳しい条件下においても優れた画質を維持できる耐光性に優れたカラー画像を形成し得る新規なマゼンタインクを含むインクセットを提供することにある。また、本発明の目的は、上記した優れた耐光性を有するカラー画像を得るためのインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、C.I.Acid Red 52及びC.I.Acid Red 289の少なくとも一方と、下記一般式(I)で表される色材と水性媒体とを含有していることを特徴とするインク(但し、下記一般式(II)で表される色材を含有する場合を除く)
Figure 2004182996
(上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシル基、或いは置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子或いは置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシル基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基或いはハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは、1又は2を表す)
Figure 2004182996
(上記一般式(II)中、Ar 1 は、置換若しくは未置換のフェニル基、或いは置換若しくは未置換のナフチル基を表わし、Ar 2 は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニル基、SO 2 −C 6 5 基或いはSO 2 −C 6 4 −CH 3 基のいずれかを表す。Mはスルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム或いは有機アンモニウムのいずれかを表す)
次に、上記した各形態のインクを他のインクと組み合わせて用いる本発明のインクセットについて述べる。本発明にかかるインクセットの実施態様としては、イエローインク、シアンインク及びブラックインクから選ばれる少なくとも1色のインクと、前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクとが組み合わされていることを特徴とするものが挙げられる。
本発明の他の実施態様にかかるインクセットは、シアンインクと、前記した各種態様にかかるマゼンタ色のインクとが組み合わされていることを特徴とするものが挙げられる。特に、銅フタロシアニン構造を有する色材を含んでいるシアンインクと組み合わせたインクセットの場合には、従来、マゼンタインクとシアンインクとの混色部において観察された褪色の加速現象が、極めて有効に緩和されるという効果を得られる。また、これらのインクセットも、インクジェット記録用途に好適である。
次に、上記した各形態のインク又はインクセットを用いる本発明のインクジェット記録方法について述べる。本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録方法は、前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクジェット記録用のインクを、記録信号に応じてオリフィスから吐出する過程を有することを特徴とする。また、本発明の他の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクジェット記録用のインクを、記録信号に応じてオリフィスから吐出させる過程、及び銅フタロシアニン構造を有する染料を含んでいるシアンインクを記録信号に応じてオリフィスから吐出させる過程を有することを特徴とする。特に、この態様においては、マゼンタ色のインクとシアンインクとを被記録材上で重ねて混色部を形成した場合に、従来、マゼンタインクとシアンインクとの混色部で観察された褪色の加速を、有効に抑制することができるという効果が得られる。
本発明にかかる記録ユニットの一実施態様は、前記した、本発明の各種態様にかかる、マゼンタ色のインクジェット記録用のインクが収容されているインク収容部と、該インクを吐出させるためのヘッド部とが設けられていることを特徴とする。また、本発明にかかる記録ユニットの他の実施態様は、前記した本発明にかかる各種態様の、インクジェット記録用のインクセットを構成する各インクを収容しているインク収容部と、該インクを吐出するためのヘッド部とが設けられていることを特徴とする。
本発明にかかるインクカートリッジの一実施態様は、前記した、本発明の各種態様にかかるインクを収容しているインク収容部が設けられていることを特徴とする。また、本発明にかかるインクカートリッジの他の実施態様は、前記した本発明の各種態様にかかるインクセットを構成している各インクを収容しているインク収容部が設けられていることを特徴とする。
次に、本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録装置は、前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクジェット用インクを吐出するための記録ヘッド、該インクが収容されているインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を具備していることを特徴とする。また、本発明の他の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、イエローインク、シアンインク及びブラックインクのうち少なくとも1色のインクジェット記録用インクと、前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクジェット記録用インクと、これらのインクを夫々吐出させるための記録ヘッドとを具備していることを特徴とする。本発明の他の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、シアン色のインクジェット記録用インク、及び前記した本発明の各種態様にかかるマゼンタ色のインクジェット記録用インクと、これらのインクを各々吐出させるための記録ヘッドとを具備していることを特徴とする。
以上説明したように、本発明にかかる一実施態様によれば、鮮明なマゼンタの色調と画像濃度を有し、各種の記録用紙に印字した際に優れた耐光性を示す画像を提供し得るインク、インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置が提供される。
また、本発明にかかる他の実施態様によれば、従来より課題となっていたマゼンタインクと、銅フタロシアニン構造を有する染料を含んでいるシアンインクとの混色部を有する画像の耐光性を改善することのできるインクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置が提供される。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した目的に鑑み、様々なマゼンタ染料に関して検討を重ねた過程において、アゾ系のマゼンタ染料及びキサンテン系のマゼンタ染料の少なくとも一方と、アントラピリドン骨格を有するマゼンタ染料とを組み合わせたインクを調製し、このインク及びこのインクによる画像の評価を行った。その結果、このような構成を有するインクは、前述に挙げた(1)〜(10)のインクジェット記録特性を高いレベルで満たし、写真調の画像形成にも用い得る程度の優れた色味を有し、しかも、かかるインクで形成した画像は、耐光性にも極めて優れていることを見出した
即ち、本発明者らの検討によれば、上記構成を有するインクによって得られる画像の耐光性は、アゾ系染料単独のインクを用いて形成した画像の耐光性から予測されるそれを大幅に上回るものであることがわかった。このような結果が得られる理由は明らかでないが、複数の色材を併用することで生じる染料分子間での相互作用等が寄与しているものと考えられる。
従来知られているマゼンタ色の水性インク及びこれを利用する記録方式としては、例えば、特開平2−16171号公報等に、アントラピリドン骨格を有する染料を用いたマゼンタ色の水性染料インクが開示され、該染料が耐光性に優れていることが記載されている。また、特開昭57−197191号公報に、アントラピリドン骨格を有する染料を含むマゼンタ色の水性染料インクを用いたインクジェットカラープリント方式が開示されている。しかし、これらの発明には、アントラピリドン系マゼンタ染料と他のマゼンタ染料とを混合する技術については何らの開示もなく、まして、混合系のインクによってもたらされる画像の耐光性の向上効果については示唆すらされていない。
更に、特開平10−306221号公報(USP6152969)並びに特開2000−109464公報(EP1067155)にも、本発明に類似した構造のアントラピリドン化合物を含むインクが開示されている。しかし、上記した本発明の特徴事項は何ら開示しておらず、また、その効果を示唆する記載も一切ない。更にまた、1999年3月4日に公開されたWO A1 9946341(特開2000−169776公報ならびにEP1063268A1に対応)にも、アントラピリドン化合物を含むインクが開示されている。しかし、本発明の特徴事項について何ら開示されていない。
先ず、アゾ系のマゼンタ染料とアントラピリドン骨格を有するマゼンタ染料とを組合せたインクについて参考実施形態として下記に説明する。
参考実施形態]
(色材)
参考実施態様にかかるインクは、色材と水性媒体とを有し、色材として、下記一般式(I)で表される第1の色材と、下記一般式(II)で表される第2の色材が併用されている。
Figure 2004182996
上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシル基、或いは置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子或いは置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシル基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基或いはハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは、1又は2を表す。
上記一般式(I)中のR1〜R4について、より具体的には、R1としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルコキシル基や、置換若しくは未置換のフェニル基等が挙げられる。フェニル基の置換基としては、例えば、メチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン酸基、若しくはこれらの塩、カルボキシル基若しくはその塩、或いはハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)等が挙げられる。R2としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状の低級アルキル基等が挙げられ、R3としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルコキシル基、更には、アリールオキシ基として、例えば、フェノキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基を構成するアリール基は、例えば、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、スルホン基、若しくはこれらの塩、カルボキシル基若しくはその塩等で置換されていてもよい。更に、R4としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状の低級アルキル基等が挙げられる。また、上記式中のX1について詳述すると、X1としては、例えば、−COOMや−SO3M等が挙げられる。但し、Mが、水素原子、アルカリ金属(例えば、Li、Na等)、アンモニウム(NH4)、有機アンモニウム(N(R54)等であるもの、R5が、メチル基或いはエチル基等であるものが挙げられる。
Figure 2004182996
上記一般式(II)中、Ar1は、置換若しくは未置換のフェニル基、或いは置換若しくは未置換のナフチル基を表わし、Ar2は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニル基、SO2−C65基或いはSO2−C64−CH3基のいずれかを表す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、上記一般式Mと同様に、水素原子、アルカリ金属(例えば、Li、Na等)、アンモニウム(NH4)或いは有機アンモニウム(N(R64)のいずれかを表す。ここで、R6としては、例えばメチル基やエチル基が挙げられる。
更に、上記Ar1のフェニル基やナフチル基は、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。また、上記Ar2がベンゾイル基若しくは1,3,5−トリアジニル基である場合には、ベンゼン環若しくは1,3,5−トリアジン環中の少なくとも1つの水素原子が、カルボキシル基若しくはその塩、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、或いは1〜3級アミノ基、アルコキシル基、水酸基等で置換されていてもよい。
上記した一般式(I)及び(II)で表される第1及び第2の色材が含有されているインクによって得られるマゼンタ色の画像は、非常に優れた色調を示すと共に、アゾ系染料のみを色材として含むインクから予想される耐光堅牢性よりも優れた耐光堅牢性を示す。
以下に、一般式(I)で示される第1の色材の具体例として例示化合物1〜7を示す。後述する本発明にかかるインクでも、この第1の色材を使用するが、第1の色材は、これらに限定されるものではなく、また、下記に挙げるような色材を同時に2種類以上用いてもよい。
Figure 2004182996
Figure 2004182996
Figure 2004182996
Figure 2004182996
参考実施態様にかかるインクに用いられる一般式(II)の化合物の色材としては、例えばC.I.Reactive Red 180や、以下に挙げる構造を有する例示化合物8〜13、更には、特開平8−73791号公報、特開平11−209673号公報等に記載されている構造の化合物が挙げられる。
Figure 2004182996
Figure 2004182996
Figure 2004182996
上記した参考実施態様にかかるインク中に含まれる一般式(I)で表される第1の色材と一般式(II)で表される第2の色材の質量比は、これらの第1の色材と第2の色材を組み合わせて混合して使用したことによる、鮮明な色調と十分な画像濃度と、更に優れた耐光性が得られるという効果を考慮すると、一般式(I)で表される第1の色材:一般式(II)で表される第2の色材が、95:5〜20:80の範囲にあるようにすることが好ましい。また、インク中の全色材の含有量は、インク全量に対して0.1〜15.0質量%、特には0.5〜5.0質量%の範囲が好ましい。
(水性媒体)
参考実施態様にかかるインク、及び後述する本発明にかかるインクに用いられる水性媒体に含まれる水溶性有機溶剤は、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性向上、インクの記録紙への効果的な浸透等を考慮すると、水溶性有機溶剤の含有量は、インク全体の1〜40質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%の範囲とする。また、色材である染料のインク中における溶解性が良好であり、安定したインク吐出のための粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりを生じさせないために、インク中の水の含有量は30〜95質量%の範囲が好ましい。
(pH)
参考実施態様にかかるインク、及び後述する本発明のインクにおいて、いずれかの色材が分子内に少なくとも1つのカルボキシル基やその塩を含む色材を用いる場合は、色材の水に対する溶解度の低下を防止し、また、ノズルの先端での目詰まり防止やインクの長期保存性といった観点から、インクのpHは中性〜アルカリ領域、具体的には、pH7.0〜11.0の範囲内に保つようにすることが好ましい。また、いずれの色材も分子内にカルボキシル基やその塩を含まない色材を用いる場合には、色材の溶解性のpH依存性が弱いため、インクのpHとしてはpH4.0〜11.0の範囲内とすればよい。
(添加剤)
また、インクの保湿性維持のために、本発明においては、必要に応じて、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等の保湿性固形分をインク成分として用いてもよい。尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等、保湿性固形分のインク中の含有量は、一般には、インク全量に対して0.1〜20.0質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3.0〜10.0質量%の範囲である。更に本発明のインクには、上記成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤及び水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
本発明の実施態様]
本発明にかかるインクは、前記参考実施態様のインクにおいて、に挙げたような一般式(II)で示されるアゾ系の第2の色材を、下記構造式で示すようなC.I.Acid Red 52及びC.I.Acid Red 289の少なくとも一方を含むマゼンタ色の色調に優れたキサンテン系の染料に代えてなるインクである。一般式(II)で示されるアゾ系の第2の色材に代えて、上記に挙げた少なくとも一方の染料を含むマゼンタ色の染料を、先に挙げた一般式(I)で示されるアントラピリドン骨格を有する第1の色材である染料と組み合わせた本発明のインクによれば、得られる画像は、上記に挙げたキサンテン系染料のみを色材として含むインクによって得られる画像から予測される耐光堅牢度を大幅に上回る耐光堅牢度を有する画像となる。
本発明のインク中における一般式(I)で表される第1の色材と、上記に挙げたキサンテン系の色材との質量比は、これらの一般式(I)で表される第1の色材とキサンテン系の色材とを組み合わせたことにより得られる鮮明な色調と高い画像濃度、そして優れた耐光性という効果を考慮すると、一般式(I)で表される第1の色材:キサンテン系の色材が、95:5〜20:80の範囲となるようにすることが好ましい。
Figure 2004182996
以上説明した参考実施態様にかかるインクや、本発明のインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式にとりわけ好適に用いられるが、他のインクジェット記録方法や一般の筆記用具としても使用できることはいうまでもない。
(記録装置、インクカートリッジ、記録ユニット、インクセット)
ところで、上記本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、これらのインクが収容されるインク収容部を有する記録ヘッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
図1〜図3に、その主要部である記録ヘッドの構成例を示した。ヘッド13は、インクを通す溝14を有するガラス、セラミックス、又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、畜熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。インク21は、吐出オリフィス(微細孔)22まで満たされており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域(ヒータ)が急速に加熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が吐出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴となり、被記録材に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の1例を示した。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は、ブレード保持部材によって保持されて、固定端となりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、また、図4に示した例の場合は、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、吐出面と当接しキャッピングを行う構成を具える。更に、図4中の63は、ブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の除去が行われる。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68(不図示)によって駆動されるベルト69と接続している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は、被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて、排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上記した記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って、上記ワイピングが行われる。
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す断面図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようにそれらが一体になったものも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
次に、本発明に好適に使用できる記録装置及び記録ヘッドの他の具体例について説明する。図7は、本発明に好適な吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッド、及び、この液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。図7に示したインクジェットプリンタは、ケーシング1008内に、長手方向に沿って設けられる被記録材としての用紙1028を、図7に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送するための搬送装置1030と、該搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する方向Sに略平行に、ガイド軸1014に沿って往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させるための駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
上記搬送装置1030は、互いに略平行に対向配置されている一対のローラユニット1022a及び1022bと、一対のローラユニット1024a及び1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させるための駆動部1020とを備えている。かかる構成により、搬送装置1030の駆動部1020が作動状態とされると、用紙1028が、夫々のローラユニット1022a及び1022bと、ローラユニット1024a及び1024bにより狭持されて、図7に示す矢印P方向に間欠送りで搬送されることとなる。
また、移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a及び1026bに巻きかけられるベルト1016と、ローラユニット1022a及び1022bに略平行に配置され、且つ、記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を、順方向及び逆方向に駆動させるためのモータ1018とを含んで構成されている。
そして、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図7の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図7の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。また、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図7の矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図7の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、この移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が、記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
記録部1010には、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012C及び1012Bが、各色用毎に、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック用毎に、キャリッジ部材1010aに対して夫々着脱自在に備えられている。
図8に、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示した。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容するための液体タンク1001とで主要部が構成されている。インクジェット記録ヘッド100は、液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(図9参照)へと導かれるようになっている。図8に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
以下に、上記したような構成のインクジェットプリンタに搭載され得る液体吐出ヘッドの具体例を、更に詳しく説明する。
図9は、本発明の基本的な形態を示す液体吐出ヘッドの要部を模式的に示す概略斜視図であり、図10〜図13は、図9に示した液体吐出ヘッドの吐出口形状を示す正面図である。尚、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は省略している。
本例の液体吐出ヘッドにおいては、例えば、図9に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等からなる基板934が用いられる。このような基板の材質は、本質的なものではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発生素子、及び後述する液流路、吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。以下に、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。吐出口は、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror Projection Aliner)等の露光装置により形成することもできる。
図9において、934は、電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931及び共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933を備える基板であり、インク供給口933の長手方向の両側に、熱エネルギー発生手段であるヒータ931が夫々1列ずつ千鳥状に、例えば、電気熱変換素子(ヒータ)の間隔が300dpiで配列されている。この基板934上には、インク流路を形成するためのインク流路壁936が設けられている。このインク流路壁936には、更に、吐出口832を備える吐出口プレート935が設けられている。
ここで、図9においては、インク流路壁936と吐出口プレート935とは、別部材として示されているが、このインク流路壁936を、例えば、スピンコート等の手法によって基板934上に形成することにより、インク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材として同時に形成することも可能である。本例では、更に、吐出口面(上面)935a側は、撥水処理が施されている。
本例では、先に説明した図7の矢印S方向に走査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例えば、1200dpiで記録を行う。駆動周波数は10kHzであり、一つの吐出口では、最短時間間隔100μs毎に吐出を行うことになる。また、ヘッドの実例寸法の一例としては、例えば、図10に示すように、隣接するノズルを流体的に隔離する隔壁936aは、幅W=14μmである。図中の1337は発泡室である。また、図13に示すように、インク流路壁936により形成される発泡室1337は、N1(発泡室の幅寸法)=33μm、N2(発泡室の長さ寸法)=35μmである。ヒータ931のサイズは30μm×30μmで、ヒータ抵抗値は53Ωであり、駆動電圧は10.3Vである。また、インク流路壁936及び隔壁936aの高さは12μmで、吐出口プレート935の厚さは11μmのものが使用できる。
図9に示した、吐出口832を含む吐出口プレート935に設けられた吐出口部940の断面のうち、インクの吐出方向(オリフィスプレート935の厚み方向)に交差する方向で切断してみた断面の形状は、図11に示したように、概略星形となっており、鈍角の角を有する6つの起部832aと、これら起部832aの間に交互に配され、且つ、鋭角の角を有する6つの伏部832bとから概略構成されている。即ち、吐出口の中心Oから局所的に離れた領域としての伏部832bをその頂部、この領域に隣接する吐出口の中心Oから局所的に近い領域としての起部832aをその基部として、図9に示すオリフィスプレートの厚み方向(液体の吐出方向)に、6つの溝1141が形成されている(図11参照)。
本例においては、吐出口部940は、例えば、その厚み方向に交差する方向で切断した断面が、一辺27μmの二つの正三角形を60度回転させた状態で組み合わせた形状となっており、図11に示すT1は8μmである。起部832aの角度はすべて120度であり、伏部832bの角度はすべて60度である。従って、吐出口の中心Oと、互いに隣接する溝の中心部(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の中心(重心))を結んで形成される多角形の重心Gとが一致するようになっている。本例の吐出口832の開口面積は400μm2であり、溝部の開口面積(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の面積)は、1つあたり約33μm2となっている。図12は、図11に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図であり、Cはインク付着部(濡れインク)を示している。
記液体吐出ヘッドでは、気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝により、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができる。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。また、高い駆動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行うことができることにより、高速高精細印字を実現することができる。
特に、気泡の体積減少段階で、この気泡を初めて大気と連通させることで液体を吐出することにより、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生するミストを防止できるので、所謂、突然不吐の要因となる、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもできる。また、本発明に好適に使用できる、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実施態様としては、例えば、日本特許登録第2783647号に記載のように、所謂エッジシュータータイプが挙げられる。
(インクセット)
また、本発明のインクセットは、イエローインク、シアンインク、ブラックインクのうち少なくとも1色と、先に説明したマゼンタ色を有する本発明のインクとを組み合わせたものである。その際に使用できる、イエロー、シアン及びブラックの各色のインクに含有される色材としては、染料又は顔料を使用することができる。染料としては、例えば、カラーインデックスに記載されている水溶性の、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラアゾ系の染料等をいずれも好ましく使用できる。
また、顔料としては、ブラック顔料インクの場合は、カーボンブラックが好適であり、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.40、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL400R、REGAL660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等、市販品を使用することができる。
イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。
上記に挙げたような本発明のインクセットは、インクセットを構成するインクを夫々独立に収納するための収納部が設けられている記録ユニットや、インクカートリッジ等を有するインクジェット記録装置で用いられる。尚、先の説明では、インクジェット記録装置として、インクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出する記録装置を例に挙げて説明したが、その他、圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用することができる。
ところで、本発明者らの検討によれば、特に、本明にかかるマゼンタインクと、銅フタロシアニン構造を有する色材を含むシアンインクとを使用して形成した混色部の耐光性は、非常に優れたものとなることがわかった。その耐光性の程度は、上記一般式(I)で示した色材を単独で含むマゼンタインクと銅フタロシアニン構造を有する色材を含むシアンインクとの混色部における耐光性と上記一般式(I)と併用する色材を各々単独で含む各マゼンタインクと銅フタロシアニン構造を有する色材を含むシアンインクとの混色部における耐光性とに基づいて予測される耐光性を上回るものであった。
このような結果が得られる理由は明らかでないが、複数の色材を混合して用いたことによって染料分子間での相互作用等が生じ、これが画像の耐光性を格段に向上させることに寄与しているものと考えられる。更に、かかる効果は、特に、被記録材に光沢紙を使用した時に顕著となることがわかった。更に、一般式(I)で表される色材に加えてC.I.Acid Red 289を含ませた場合に、上記した画像のマゼンタインクとシアンインクとの混色部における耐光性が格段に向上するという効果に加え、高画像濃度及び高発色性の効果が得られることもわかった。上記したように、本発明にかかるマゼンタインクと、銅フタロシアニン構造を有する色材を含むシアンインクとを組み合わせたインクセットは、これらのインクの混色部の耐光性を向上させることができるという点で、特に好ましい態様である。
このようなインクセットを構成するシアンインクとしては、銅フタロシアニン構造を有する色材を含むものを用いる。銅フタロシアニン構造を有するシアン色の色材は、耐光性及び色調に優れるものであるが、前記したように、かかる色材を有するシアンインクと従来のマゼンタインクを用いると、これらのインクの混色部の画像において、マゼンタ色の褪色が、単色の場合よりも著しくなることが知られていた。本発明は、かかる課題を、先に説明した本発明にかかるマゼンタインクの構成によって抑制するものである。ここで、銅フタロシアニン構造を有する色材の具体例としては、例えば、C.I.Acid Blue 249、C.I.Direct Blue 86、C.I.Direct Blue 199、C.I.Direct Blue 307等が挙げられる。
そして、上記のようなインクセットに対して、必要に応じて、更にイエローインク、ブラックインク等を組み合わせてインクセットとして構成してもよい。この際に用いられる、イエローインク、ブラックインクに含有させる色材としては、従来より用いられている染料及び顔料が使用できる。染料としては、例えば、カラーインデックスに記載されている水溶性のキサンテン系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラアゾ系の染料を、いずれも使用することができる。
また、顔料としては、ブラック顔料インクの場合、カーボンブラックが好適であり、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.40、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL400R、REGAL660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等の市販品を使用することができる。
また、イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
次に、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。尚、特に指定のない限り、実施例、参考例及び比較例のインク成分は「質量部」を意味する。
<実施例1、及び参考例1、2
下記の各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、0.20μmフィルターにて加圧濾過を行い、実施例1、及び参考例1、2のインクを夫々調製した。
参考のインク組成)
・第1の色材である前記例示化合物1 2.2部
・第2の色材である前記例示化合物12 1.6部
・2−ピロリドン 8.0部
・グリセリン 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
1.0部
・イオン交換水 77.2部
参考のインク組成)
・第1の色材である前記例示化合物3 2.2部
・第2の色材である前記例示化合物9 1.8部
・1,5−ペンタンジオール 7.0部
・尿素 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 1.5部
・イオン交換水 79.2部
(実施例のインク組成)
・第1の色材である前記例示化合物2 3.0部
・第3の色材であるC.I. Acid Red 289
1.0部
・グリセリン 10.0部
・尿素 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 4.0部
・イオン交換水 73.7部
<比較例1〜3>
下記の各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、0.20μmフィルターにて加圧濾過を行い、各々比較例1〜3のインクとした。
(比較例1のインク組成)
・第1の色材である前記例示化合物1 4.0部
・チオジグリコール 10.0部
・尿素 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
1.0部
・イオン交換水 77.0部
(比較例2のインク組成)
・第2の色材である前記例示化合物8 2.9部
・エチレングリコール 10.0部
・1,2,6−ヘキサントリオール 7.0部
・尿素 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
1.0部
・イオン交換水 71.1部
(比較例3のインク組成)
・第3の色材であるC.I. Acid Red 52
2.5部
・グリセリン 10.0部
・尿素 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 4.0部
・イオン交換水 75.2部
<インクの評価>
上記で得られた実施例、参考例及び比較例のインクを用い、インクジェット記録装置として、発熱素子をインク吐出のエネルギー源にするオンデマンド式インクジェットプリンターを使用して印字を行い、得られた画像について、(1)発色性、(2)画像濃度、(3)耐光性の各項目について、下記の方法及び基準に従って評価した。表1に、実施例、参考例及び比較例の各インクの色材と、これらのインクを用いて得られた評価結果をまとめて示した。
(1)発色性
前記したプリンターに所定のインクを充填して、PPC用紙(キヤノン製)及び光沢紙(PR−101;キヤノン製)の2種類の被記録材にベタ部を印字した後、24時間自然乾燥させ、その後の画像について発色性を目視で評価した。
A:鮮やかなマゼンタの色調を有するもの
B:ややくすみのあるマゼンタの色調を有するもの
C:くすみのあるマゼンタの色調を有するもの
(2)画像濃度
[2−A]
前記したプリンターに所定のインクを充填して、PPC用紙(キヤノン製)に、評価(1)で用いたものと同様のベタ部を印字した後、24時間自然乾燥させ、その後の画像の光学濃度を反射濃度計マクベスRD−918(商品名:マクベス社製)で測定して、得られた測定値を用いて下記の基準で評価した。
A:画像濃度が1.2以上
B:画像濃度が1.1以上、1.2未満
C:画像濃度が1.1未満
[2−B]
前記したプリンターに所定のインクを充填して、光沢紙(PR−101;キヤノン製)にベタ部を印字した後、24時間自然乾燥させ、その後の画像の光学濃度を反射濃度計マクベスRD−918(商品名:マクベス社製)で測定して、得られた測定値を用いて下記の基準にて評価した。
A:画像濃度が1.9以上
B:画像濃度が1.8以上、1.9未満
C:画像濃度が1.8未満
(3)耐光性
前記したプリンターに所定のインクを充填して、PPC用紙(キヤノン製)及び光沢紙(PR−101;キヤノン製)の夫々に、評価(1)で用いたものと同様のベタ部を印字した。その後、印字物を24時間自然乾燥させ、紫外線カットフィルターを装着したキセノンフェードメーターCi3000(アトラス社製)にて、槽内温度35℃、相対湿度60%、照射強度60kluxの条件下で、100時間曝露照射した。この照射試験前後における印字物のベタ部の濃度を、反射濃度計マクベスRD−918(商品名:マクベス社製)で夫々測定し、これらの測定値から濃度残存率を求め、下記の基準で耐光性を評価した。
A:濃度残存率が80%以上
B:濃度残存率が60%以上80%未満
C:濃度残存率が60%未満
Figure 2004182996
上記表1に示されているように、一般式(I)の色材のみを含む比較例1のインクでは、光沢紙における発色性は良好であったが、PPC用紙における発色性や、PPC用紙及び光沢紙における画像濃度が十分に得られず、また、一般式(II)の色材のみを含む比較例2のインク、又は、キサンテン系の染料のみを含む比較例3のインクでは、PPC用紙及び光沢紙において、十分な耐光性を有する画像が得られないことがわかった。これに対し、一般式(I)の色材と一般式(II)の色材とを共に含むインク(参考1及び2が該当)、及び、一般式(I)で表される色材とキサンテン系の染料とを有するインク(実施例1が該当)は、これらのインクに使用した色材を夫々単独で使用した比較例のインクから予想されるよりも、発色性、画像濃度、耐光性が向上し、表1に示したように、いずれの評価項目においても良好な結果が得られた。
<実施例2、参考例3〜5及び比較例4〜6>
先ず、下記の各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、0.20μmフィルターにて加圧濾過を行って、マゼンタインク1〜8及びシアンインク1、2を夫々調製した。
(マゼンタインク1の組成)
・第1の色材である前記例示化合物1 3.0部
・第2の色材である前記例示化合物12 1.0部
・グリセリン 10.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 8.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
1.0部
・イオン交換水 72.0部
(マゼンタインク2の組成)
・第1の色材である前記例示化合物1 2.5部
・第2の色材であるC.I. Reactive Red 180
1.0部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 71.2部
(マゼンタインク3の組成)
・第1の色材である前記例示化合物2 3.5部
・第2の色材である前記例示化合物8 0.5部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 70.7部
(マゼンタインク5の組成)
・第1の色材である前記例示化合物3 4.0部
・第3の色材であるC.I. Acid Red 289
0.1部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 70.6部
(マゼンタインク6の組成)
・第2の色材である前記例示化合物8 3.0部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 71.7部
(マゼンタインク7の組成)
・第2の色材であるC.I.Reactive Red 180
3.5部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 71.2部
(マゼンタインク8の組成)
・第3の色材であるC.I.Acid Red 289
1.5部
・第2の色材であるC.I.Reactive Red 180
2.0部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 71.2部
(シアンインク1の組成)
・C.I.Direct Blue 199(銅フタロシアニン系)
3.0部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
0.3部
・エタノール 5.0部
・イオン交換水 71.7部
(シアンインク2の組成)
・C.I.Direct Blue 307(銅フタロシアニン系)
3.5部
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)
1.0部
・イオン交換水 75.5部
次に、上記で得られたマゼンタインク1〜8及びシアンインク1、2を用い、下記の表2に示した組み合わせで、実施例2、参考例3〜5及び比較例4〜6のインクセットを得た。
Figure 2004182996
<評価>
上記で得られた実施例、参考例及び比較例のインクセットを用い、インクジェット記録装置として発熱素子をインク吐出のエネルギー源にするオンデマンド式インクジェットプリンターで印字して、印字物を得た。得られた印字物について、耐光性の評価を下記の方法及び基準に従って行った。得られた結果を表3に示した。
(耐光性)
前記したプリンターに所定のインクセットを充填して、PPC用紙(キヤノン製)及び光沢紙(PR−101;キヤノン製)に、マゼンタ単色部とマゼンタとシアンの混色部(ブルー)のベタパッチを印字した後、印字物を24時間自然乾燥させ、紫外線カットフィルターを装着したキセノンフェードメーターCi3000(アトラス社製)にて、槽内温度35℃、相対湿度60%、照射強度60kluxで、100時間曝露照射した。試験前後での印字物のベタ部を、Spectrodensitometer X−rite 938(商品名:X−rite社製)で測定することにより算出したL***より、試験前後での色差ΔEを求め、下記基準にて耐光性の評価を行った。
A:ΔE≦5(目視において試験前後で差異がない)
B:5<ΔE≦15(目視において試験前後で若干差異がある)
C:15<ΔE(目視において試験前後で大きな差異がある)
Figure 2004182996
以上説明したように、本発明の活用例としては、鮮明なマゼンタの色調と画像濃度を有し、各種の記録用紙に印字した際に優れた耐光性を示す画像を提供し得るインク、インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置が挙げられる。
また、本発明の他の活用例としては、従来より課題となっていたマゼンタインクと、銅フタロシアニン構造を有する染料を含んでいるシアンインクとの混色部を有する画像の耐光性を改善することのできるインクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置が挙げられる。
インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。 インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。 インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視図である。 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 インクカートリッジの縦断面図である。 記録ユニットの斜視図である。 液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。 液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。 液体吐出ヘッドの一例の要部を模式的に示す概略斜視図である。 液体吐出ヘッドの一例の一部を抽出した概念図である。 図10に示した吐出口の部分の拡大図である。 図11に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図である。 図10における主要部の模式図である
符号の説明
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク滴
25:被記録媒体
26:マルチノズル
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラ
53:排紙ローラ
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モータ
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
100:インクジェット記録ヘッド
832:吐出口
832a:起部
832b:伏部
931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギー発生素子)
933:インク供給口(開口部)
934:基板
935:オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a:吐出口面
936:インク流路壁
936a:隔壁
940:吐出口部
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y,M,C,B:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装
1141:溝
1337:発泡室
1338:液流路
G:重心
O:吐出口の中心
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向
1:吐出口伏部寸法
W:隔壁の幅寸法

Claims (23)

  1. C.I.Acid Red 52及びC.I.Acid Red 289の少なくとも一方と、下記一般式(I)で表される色材と水性媒体とを含有していることを特徴とするインク(但し、下記一般式(II)で表される色材を含有する場合を除く)

    Figure 2004182996
    (上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシル基、或いは置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子或いは置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシル基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基或いはハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは、1又は2を表す)
    Figure 2004182996
    (上記一般式(II)中、Ar 1 は、置換若しくは未置換のフェニル基、或いは置換若しくは未置換のナフチル基を表わし、Ar 2 は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニル基、SO 2 −C 6 5 基或いはSO 2 −C 6 4 −CH 3 基のいずれかを表す。Mはスルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム或いは有機アンモニウムのいずれかを表す)
  2. 色材のいずれかが分子内に少なくとも1つのカルボキシル基若しくはその塩を含むものであって、且つ、インクのpHが7.0〜11.0の範囲にある請求項1に記載のインク。
  3. 色材のいずれもが分子内にカルボキシル基若しくはその塩を含まないものであって、且つ、インクのpHが4.0〜11.0の範囲にある請求項1に記載のインク。
  4. インク中の全色材の量がインク全量に対して0.1〜15.0質量%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インク中の水の含有量がインク全量に対して30〜95質量%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク。
  6. C.I.Acid Red 289を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク。
  7. インクジェット記録に用いられるインクである請求項1〜のいずれか1項に記載のインク。
  8. イエローインク、シアンインク及びブラックインクから選ばれる少なくとも1色のインクと、マゼンタ色を有する請求項1〜のいずれか1項に記載のインクとが組み合わされていることを特徴とするインクセット。
  9. シアンインクと、マゼンタ色を有する請求項1〜のいずれか1項に記載のインクとが組み合わされていることを特徴とするインクセット。
  10. 前記シアンインクが、銅フタロシアニン構造を有する色材を含む請求項又はに記載のインクセット。
  11. インクジェット記録に用いられるインクセットである請求項10のいずれか1項に記載のインクセット。
  12. 請求項に記載のインクを、記録信号に応じてオリフィスから吐出する過程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. マゼンタ色を有する請求項に記載のインクを記録信号に応じてオリフィスから吐出させる過程、及び銅フタロシアニン構造を有する染料を含んでいるシアンインクを記録信号に応じてオリフィスから吐出させる過程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 前記マゼンタインクと前記シアンインクとを被記録材上で、重ねる過程を有する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項に記載のインクが収容されているインク収容部と、該インクを吐出させるためのヘッド部が設けられていることを特徴とする記録ユニット。
  16. 請求項10のいずれか1項に記載のインクセットを構成している各インクを収容しているインク収容部と、該インクを吐出するためのヘッド部が設けられていることを特徴とする記録ユニット。
  17. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインクが収容されているインク収容部が設けられていることを特徴とするインクカートリッジ。
  18. 請求項〜1のいずれか1項に記載のインクセットを構成している各インクを収容しているインク収容部が設けられていることを特徴とするインクカートリッジ。
  19. 請求項に記載のインクを収容しているインク収容部と、該インクを吐出させるためのヘッド部とを有する記録ユニットを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  20. 請求項に記載のインクを吐出するための記録ヘッドと、該インクが収容されているインク収容部が設けられているインクカートリッジと、該インクカートリッジから上記記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  21. イエローインク、シアンインク及びブラックインクから選ばれる少なくとも1色のインクジェット記録用のインクと、マゼンタ色を有する請求項に記載のインクと、これらのインクを夫々吐出させるための記録ヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  22. シアンインク及びマゼンタ色を有する請求項に記載のインクと、これらのインクを各々吐出させるための記録ヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  23. 前記シアンインクが、色材として銅フタロシアニン構造を有する染料を含んでいる請求項2又は2に記載のインクジェット記録装置。
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