JP2004182865A - シロキサン樹脂多孔体及びその製造方法 - Google Patents

シロキサン樹脂多孔体及びその製造方法 Download PDF

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浩一 阿部
Kenzo Susa
憲三 須佐
Masahiko Ko
昌彦 廣
Kenichi Kurumada
研一 車田
Noriyuki Kitao
典之 喜多尾
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Abstract

【課題】多孔質化のための添加材や制御された組成物若しくは製造条件を必要とせずに、容易に、閉空孔を有するシロキサン樹脂多孔体を製造する製造方法を提供する。
【解決手段】R SiX(4−n)で表される化合物を部分的に加水分解及び縮合させて得られるシロキサン樹脂(Rはアルキル基等、Xは加水分解性基、nは0〜2の整数)と、前記シロキサン樹脂を溶解する溶媒と、を含む組成物を、30℃〜150℃に加熱した後、更に400℃以上で加熱することを特徴とする製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シロキサン樹脂多孔体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカ系多孔質体の製造方法としては、アルコキシシランの加水分解縮重合物にポリマー、界面活性剤などの分解性化合物を添加した組成物を加熱処理することにより多孔質化する方法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、キセロゲル・エアロゲルなどの気体の発砲によって多孔質化する方法、超臨界法による多孔質化方法等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−310411号公報
【特許文献2】
特開平11−322992号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の方法によってシリカ系樹脂を多孔質化する場合は、多孔質化のための添加材の選択や、組成物中の各成分の組み合わせ、更には多孔質体を得るための製造条件等を厳しく制御する必要があった。また、製造工程が複雑であったり、大型の装置を必要とするなど汎用性の点で問題となることがあった。また、多くの場合、得られた多孔質体は開空孔(連続孔等)であるため、吸湿等の点で問題となることがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、多孔質化のための添加材や制御された組成物若しくは製造条件を必要とせずに、容易に、閉空孔を有するシロキサン樹脂多孔体を製造可能な製造方法を提供することにある。本発明の目的はまた、かかる製造方法により得ることのできる所定の閉空孔を有したシロキサン樹脂多孔体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、空孔が形成されているシロキサン樹脂多孔体であって、上記空孔の少なくとも一部は内径が1〜20nmの閉空孔であり、該閉空孔の体積分率は上記シロキサン樹脂多孔体の体積を基準として25〜70体積%であることを特徴とするシロキサン樹脂多孔体を提供する。
【0007】
かかるシロキサン樹脂多孔体は、(a)下記一般式(1)で表される化合物を部分的に加水分解及び縮合させて得られるシロキサン樹脂と、
SiX(4−n) …(1)
[式中、Rは水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基、水素原子又はフッ素原子、Xは加水分解性基、nは0〜2の整数、をそれぞれ示す。]
(b)前記シロキサン樹脂を溶解する溶媒と、を含む組成物を、30℃〜150℃に加熱した後、更に400℃以上で加熱することを特徴とする製造方法により好適に製造することができる。
【0008】
かかる製造方法において、上記加水分解性基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、カルバモイル基、メルカプト基、イソシアネート基及び水酸基からなる群より選ばれる基とすることができる。
【0009】
また、一般式(1)で表される化合物が、テトラアルコキシシランであることが好適であり、一般式(1)で表される化合物を加水分解及び縮合させるに当たり、酸触媒を用いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるシロキサン樹脂多孔体及びその製造方法について、好適な実施形態を説明する。
【0011】
本発明にかかるシロキサン樹脂多孔体は、空孔を有するシロキサン樹脂(Si及びOのみならなるシロキサン樹脂及び有機基を有するオルガノシロキサン樹脂を包含する。)である。当該多孔体は、空孔の少なくとも一部が、内径が1〜20nmの閉空孔(独立孔)であればよく、空孔として開空孔(連続孔)を一部有していてもよい。但し、空孔の全体積中、閉空孔の体積分率は50体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましく、75体積%以上が更に好ましい。なお、閉空孔の内径は1〜10nmとすることができる。
【0012】
シロキサン樹脂多孔体における閉空孔の体積分率は、シロキサン樹脂多孔体の体積を基準として25〜70体積%である。かかる体積分率は、30〜70体積%、更には35〜70体積%であることが好ましい
【0013】
上記シロキサン樹脂多孔体は、一般式(1)で表される化合物を部分的に加水分解及び縮合させて得られるシロキサン樹脂と、このシロキサン樹脂を溶解する溶媒とを含む組成物を調製し、当該組成物を30℃〜150℃に加熱した後(以下、場合により「第1の加熱工程」という。)、更に400℃以上で加熱する(以下、場合により「第2の加熱工程」という。)ことによって好適に製造することが可能である。
【0014】
かかる製造方法においては、部分的に加水分解及び縮合させたシロキサン樹脂の加水分解及び縮合を、第1の加熱工程において更に進行させる。第1の加熱工程を実施せずに第2の加熱工程を実施した場合、或いは30℃〜150℃の範囲外で加熱を実施した場合は、上記内径の閉空孔が上記体積%で得られないことから、第1の加熱工程は閉空孔形成のために重要且つ不可欠な工程である。第1の加熱工程における加熱温度は、好ましくは50℃〜120℃であり、より好ましくは50℃〜100℃である。また、加熱時間は、1時間〜48時間が好ましく、3時間〜24時間がより好ましい。
【0015】
第2の加熱工程では、第1の加熱工程で進行した加水分解及び縮合を更に進行させ、好ましくは加水分解及び縮合を完了させる。本工程における加熱温度は、400℃〜1200℃が好ましく、500℃〜1000℃がより好ましい。かかる加熱は、空気中、若しくはN、Ar、He等の雰囲気下で行うのが好ましく、加熱時間は1時間〜24時間、更には2時間〜12時間が好ましい。加熱時間が24時間より長くなる等長時間になりすぎると、空孔が破壊される場合がある。なお、第2の加熱工程は、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール等の加熱処理装置を用いて実施することが好ましい。また、シロキサン樹脂を溶解する溶媒は、第2の加熱工程終了時までに揮発させることが好ましく、第1の加熱工程終了時までに当該工程における加熱により揮発させることが好ましい。
【0016】
一般式(1)で表される化合物はRで表される基を有する場合があり、当該基としてはアルキル基等の有機基が適用される場合がある。かかる場合において、第2の加熱工程における加熱温度が、例えば1000℃程度の高温になると、加熱途中に有機基が焼成により消滅する場合がある。焼成が完全に生じた場合は得られるシロキサン樹脂多孔体はシリカを成分とするものになる。一方、焼成が不完全な場合や有機基が消滅しないような温度で加熱を行った場合は、得られるシロキサン樹脂多孔体はオルガノシロキサン樹脂を成分とするものになる。
【0017】
一般式(1)で表される化合物において、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、カルバモイル基、メルカプト基等の加水分解性基であるが、Xとしては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましく、アルコキシ基又はアリールオキシ基がより好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。
【0018】
また、一般式(1)で表される化合物において、nは0又は1が好ましく、0がより好ましい。したがって、一般式(1)で表される化合物として特に好ましいものは、Xがアルコキシ基でありnが0であるテトラアルコキシシランである。テトラアルコキシシランとしては、アルコキシ基の炭素数が1〜6(好ましくは1〜3)のテトラアルコキシシランが好ましく、かかるテトラアルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
【0019】
Xがアルコキシ基でありnが0である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0020】
Xがアルコキシ基でありnが1である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランが挙げられる。
【0021】
Xがアルコキシ基でありnが2である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。
【0022】
Xがアリールオキシ基でありnが0である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、テトラフェノキシシラン等のテトラアリールオキシシランが挙げられる。また、Xがアリールオキシ基でありnが1である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン等のトリアリールオキシシランが挙げられる。
【0023】
そして、Xがアリールオキシ基でありnが2である一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン等のジアリールオキシシランが挙げられる。
【0024】
更に、Xがハロゲン原子である一般式(1)の化合物としては、ハロゲンシラン類が挙げられ、Xがアシルオキシ基である一般式(1)の化合物としては、アセトキシシラン類が挙げられる。また、Xがイソシアネート基である一般式(1)の化合物としては、イソシアネートシラン類が挙げられ、Xが水酸基である一般式(1)の化合物としては、シラノール類が挙げられる。なお、上述した一般式(1)で表される化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
本発明にかかる製造方法においては、一般式(1)で表される化合物を加水分解及び縮合させるに当たり、加水分解及び縮合を促進させる酸触媒を用いることが好ましい。
【0026】
かかる酸触媒としては、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸などを用いることができる。この酸触媒の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.0001〜5モルの範囲が好ましい。酸触媒の使用量が多すぎる場合(5モルを超すような場合等)はゲル化を促進する傾向があり、少なすぎる場合(0.0001モル未満となるような場合等)は重合反応が進行しない傾向がある。
【0027】
また、加水分解縮合反応系中に存在させる水の量も適宜決められるが、保存安定性の観点から、水の量は一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.5〜20モルの範囲とすることが好ましい。
【0028】
本発明にかかる製造方法においては、(b)溶媒を使用する。かかる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
【0029】
溶媒としてはまた、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、γ−ブチロラクトン等のケトン系溶媒や、エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0030】
溶媒としては更に、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒、並びに、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられる。なお、上記した溶媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0031】
溶媒の使用量は、シロキサン樹脂の重量が3〜25重量%となるような量にすることが好ましい。溶媒の量が少なすぎると(シロキサン樹脂の重量が25重量%超であるような場合)安定性等が劣る傾向があり、多すぎると(シロキサン樹脂の重量が3重量%未満であるような場合)所望の得量が得難くなる傾向がある。
【0032】
上述した製造方法により得ることの可能な本発明のシロキサン樹脂多孔体は、塗料及び樹脂の低誘電フィラー、保温フィラーをはじめとする添加剤、ガラス等の無機材料の添加剤、接合剤、表面処理剤の添加剤等に使用することができる。あるいは浄水ろ過フィルタ、さらに表面に適当な修飾を施すことによって分析カラム用担持材、ナノケミカルリアクタ、バイオリアクタ用マイクロセルとして使用することもできる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
【0034】
(合成例1)
テトラエトキシシラン20.8gに水18.0gを加え、1M塩酸水溶液1.0gを攪拌下で滴下した。滴下終了後、室温で5時間反応させ、シロキサン樹脂多孔体製造用組成物を作製した。
【0035】
(実施例1)
合成例1で得られたシロキサン樹脂多孔体製造用組成物30gを磁性ルツボに仕込み、50℃に保持した乾燥機内で12時間加熱を行ない(第1の加熱工程)、8.5gのシロキサン樹脂多孔体前駆体を得た。その後、電気炉装置にて、500℃で5時間、空気中で加熱を行ない(第2の加熱工程)、6.0gのシロキサン樹脂多孔体を得た。
【0036】
(実施例2)
合成例1で得られたシロキサン樹脂多孔体製造用組成物30gを磁性ルツボに仕込み、50℃に保持した乾燥機内で12時間加熱を行ない(第1の加熱工程)、8.5gのシロキサン樹脂多孔体前駆体を得た。その後、電気炉装置にて、900℃で5時間、空気中で加熱を行ない(第2の加熱工程)、5.9gのシロキサン樹脂多孔体を得た。
【0037】
(比較例1)
合成例1で得られたシロキサン樹脂多孔体製造用組成物30gを磁性ルツボに仕込み、50℃に保持した乾燥機内での12時間の加熱(第1の加熱工程)を行わずに、直接電気炉装置に入れ、900℃で5時間、空気中で加熱を行ない(第2の加熱工程)、6.0gのシロキサン樹脂多孔体を得た。
【0038】
実施例1〜2及び比較例1で得られたシロキサン樹脂多孔体について、以下の方法で評価を行った。
【0039】
〔透過型電子顕微鏡(TEM)観察〕
実施例1〜2及び比較例1で得られたシロキサン樹脂多孔体について、日本電子製 JEOL JEM 1020を使用し、加速電圧100kvで透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。
【0040】
〔開空孔の体積分率〕
実施例1〜2及び比較例1で得られたシロキサン樹脂多孔体について、Coulter社製SA3100plusを用い、0.9814気圧での窒素吸着を測定することにより、開空孔の体積分率を求めた。
【0041】
〔閉空孔の内径〕
実施例1〜2及び比較例1で得られたシロキサン樹脂多孔体について、BET吸着法により吸着等温線を測定し、閉空孔の内径及び分布を算出した。
【0042】
〔閉空孔の体積分率〕
実施例1〜2及び比較例1で得られたシロキサン樹脂多孔体について、比重法により閉空孔が全体に占める割合(体積%)を算出した。
【0043】
シロキサン樹脂多孔体の評価結果(空孔の有無、閉空孔の体積分率、閉空孔内径)を下記の表1に示す。なお、実施例1及び2では、0.9814気圧での窒素吸着がほとんどなかったため、外表面の開孔はほとんどないと考えられる。
【表1】
Figure 2004182865
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多孔質化のための添加材や制御された組成物若しくは製造条件を必要とせずに、容易に、閉空孔を有するシロキサン樹脂多孔体を製造可能な製造方法が提供される。また、かかる製造方法により、空孔が形成されているシロキサン樹脂多孔体であって、空孔の少なくとも一部は内径が1〜20nmの閉空孔であり、該閉空孔の体積分率はシロキサン樹脂多孔体の体積を基準として25〜70体積%であるシロキサン樹脂多孔体が提供される。

Claims (5)

  1. 空孔が形成されているシロキサン樹脂多孔体であって、
    前記空孔の少なくとも一部は内径が1〜20nmの閉空孔であり、該閉空孔の体積分率は前記シロキサン樹脂多孔体の体積を基準として25〜70体積%であることを特徴とするシロキサン樹脂多孔体。
  2. 請求項1記載のシロキサン樹脂多孔体を製造する製造方法であって、
    (a)下記一般式(1)で表される化合物を部分的に加水分解及び縮合させて得られるシロキサン樹脂と、
    SiX(4−n) …(1)
    [式中、Rは水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基、水素原子又はフッ素原子、Xは加水分解性基、nは0〜2の整数、をそれぞれ示す。]
    (b)前記シロキサン樹脂を溶解する溶媒と、を含む組成物を、30℃〜150℃に加熱した後、更に400℃以上で加熱することを特徴とする方法。
  3. 前記加水分解性基が、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、カルバモイル基、メルカプト基、イソシアネート基及び水酸基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が、テトラアルコキシシランであることを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物を加水分解及び縮合させるに当たり、酸触媒を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
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