JP2004182841A - 粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂が本来有する耐衝撃性などの物性低下がなく、成形時のシリンダーやスクリューの磨耗による残光輝度の低下を抑制し、コストおよび成形物外観に優れ、自由に着色できる、粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチを提供すること。
【解決手段】成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂中に、蓄光顔料を5〜60質量%分散含有し、該分散体を10〜1000μmの粒度に粉砕してなることを特徴とする粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチ。
【選択図】 なし
【解決手段】成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂中に、蓄光顔料を5〜60質量%分散含有し、該分散体を10〜1000μmの粒度に粉砕してなることを特徴とする粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄光顔料は光を受けて発光し、光を取り除いた後も発光するといった、残光性を有する蛍光体である。この蓄光顔料としては、従来、硫化物系顔料、例えば、硫化亜鉛・銅蛍光体(ZnS・Cu)などが用いられてきた。しかしながら、この硫化物系蓄光顔料は残光輝度が低く、かつ残光時間も短いなどの欠点を有しており、従って、例えば、残光性を高めるために放射性同位元素を添加することが試みられたが、この場合、放射性同位元素による人体や環境に対する影響が問題となっていた。
【0003】
近年、新規な蓄光顔料としてアルミン酸塩系蓄光顔料が開発され注目されている。このアルミン酸塩系蓄光顔料は、従来の硫化物系蓄光顔料に比べて残光輝度が高く、かつ残光時間が長いなど、優れた残光特性を有するうえ、耐候性にも優れることから、塗料、インキ、樹脂成形物などの種々の用途が検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、上記アルミン酸塩系蓄光顔料を樹脂に練り込もうとする場合、成形物が良好な残光輝度を得るためには、蓄光顔料を5〜50質量%程度添加しなければならず、こうした添加量で得られた成形物は、成形用樹脂本来の耐衝撃性などの機械物性が著しく低下するといった問題を生じる。
【0004】
また、アルミン酸塩系蓄光顔料の硬度が高いために、該顔料と樹脂材料とを混練中に、押出機内のシリンダーやスクリューなどが該顔料によって磨耗し易く、その結果、得られた成形物には、磨耗により生じた鉄や鉄化合物が混入し、成形物の色がくすんだり、蓄光性が低下するのを免れないという問題が生じる。
【0005】
さらに、現在市場におけるアルミン酸塩系蓄光顔料の価格が非常に高価であるため、良好な残光輝度を得るために必要な上記添加量では、成形物のコストが非常に高価なものとなってしまい、かつ成形物外観を良好にするために染顔料を使用して着色した場合、残光輝度が著しく低下するといった点から、上記のアルミン酸塩系蓄光顔料は市場に十分展開されていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−1569号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、前記欠点を解決し、成形用樹脂が本来有する耐衝撃性などの物性低下がなく、成形時のシリンダーやスクリューの磨耗による残光輝度の低下を抑制し、コストおよび成形物の外観に優れ、自由に着色できる、粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチを提供することを目的ととする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂中に、蓄光顔料を5〜60質量%分散含有し、該分散体を10〜1000μmの粒度に粉砕してなることを特徴とする粒状蓄光材組成物を提供する。
【0009】
上記本発明においては、成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂が、熱硬化した樹脂または高融点熱可塑性樹脂であること;蓄光顔料がアルミン酸塩系蓄光顔料であことが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記組成物を、成形用樹脂材料中に0.1〜50質量%分散させてなることを特徴とする成形材料、該材料を成形してなることを特徴とする蓄光性成形物、および前記組成物を熱可塑性樹脂中に予備分散させてなることを特徴とするマスターバッチを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の粒状蓄光材組成物は、蓄光顔料を予め熱硬化性樹脂または高融点の熱可塑性樹脂の如く、成形用樹脂材料の成形時の温度で溶融しない樹脂中に予備分散させてなることを特徴としている。
【0012】
本発明で使用する蓄光顔料としては、アルミン酸塩系蓄光顔料が好ましく使用される。このアルミン酸塩系蓄光顔料の代表的なものとしては、MAl2O4で表される化合物を挙げることができる。この化合物におけるMは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの金属である。上記化合物には必要に応じ、賦活剤としてユーロピウム(Eu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、ネオジム(Nd)などのランタン系金属元素を添加してもよい。
【0013】
このようなアルミン酸塩系蓄光顔料の例としては、CaAl2O4:Eu,Nd(発光色:紫青、発光ピーク波長:440nm)、SrAl2O4:Eu,Dy(発光色:黄緑、発光ピーク波長:520nm)、SrAl2O4:Eu(発光色:黄緑、発光ピーク波長:520nm)、Sr4Al14O25:Eu,Dy(発光色:青緑、発光ピーク波長:490nm)などが挙げられる。
【0014】
このようなアルミン酸塩系蓄光顔料は、従来の硫化物系蓄光顔料、例えば、CaSrS:Bi、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Coなどに比べて残光輝度が高く、かつ残光時間が長いなど、優れた残光特性を有している。本発明においては前記蓄光顔料を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。蓄光顔料の粒径について特に制限はなく、粒度分布が比較的シャープな微粉末であれば、比較的容易に熱硬化性樹脂または高融点熱可塑性樹脂中に予備分散させることができるが、より好ましくは1〜50μmの範囲の粒径である。
【0015】
蓄光顔料を予備分散させる熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、代表的なものとして不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、蓄光顔料に予備分散させる高融点の熱可塑性樹脂としては、成形材料となる熱可塑性樹脂の成形温度で溶融しない、十分高融点の樹脂であれば特に制限はなく、比較的高融点なものとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
【0016】
予備分散により得られる上記粒状蓄光材組成物における、熱硬化性樹脂または高融点の熱可塑性樹脂と蓄光顔料の含有割合は、質量比で95:5ないし40:60の範囲にあるのが好ましい。蓄光顔料の含有割合が上記範囲より少ないと、最終的に得られる成形物における残光輝度が小さく、上記範囲より多くなると、予備分散の工程において成形物の色調にくすみが生じ易くなり、輝度が低下するといった問題を生じる。そして、予備分散により得られた組成物の粒径は、10〜1000μmに調整されたものが好ましい。粒径が上記範囲より小さいと、点在の効果が表れず、染顔料での着色で輝度が低下するといった問題が生じる。逆に粒径が上記範囲より大きいと、成形時の加工性が悪くなり、また色調のくすみや成形物の物性低下といった問題も生じる。
【0017】
また、成形材料となる熱可塑性樹脂については特に制限はなく、従来公知のものの中から、該成形物の用途などに応じて適宜選択することができる。この熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド、ポリウレタンなど、またはこれらのポリマーアロイ、あるいはポリウレタン系やポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーが挙げられる。さらに、成形材料となる熱硬化性樹脂についても特に制限はなく、従来公知のものの中から、該組成物の用途などに応じて適宜選択することができる。この熱硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0018】
本発明の粒状蓄光材組成物を用いて成形物を成形する際の、粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料または熱硬化性樹脂成形材料の配合割合は、質量比で0.1:99.9ないし50:50の範囲にあるのが好ましい。粒状組成物の割合が上記範囲より少ないと、残光輝度が低く、蓄光性成形物としての機能が十分に発揮されないし、上記範囲より多いと、成形時における混練装置などの磨耗が激しく、蓄光性が低下するといった問題が生じる。
【0019】
また、上記粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料とから成形物を成形する際には、成形物における粒状蓄光材組成物の偏在を防ぐため、上記粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料とを一度押出機により混練し、造粒およびペレット化(コンパウンド化)するのが望ましい。さらに言えば、粒状蓄光材組成物を予め高濃度に予備分散させるマスターバッチを用いて成形物を成形することが、着色コストおよびハンドリングの点などにおいてより望ましい。
【0020】
粒状蓄光材組成物のコンパウンド化(あるいはマスターバッチ化)における押出機を使用した加工法には特に制限はなく、粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂の直仕込みでも、くすみのない、良好なコンパウンド(あるいはマスターバッチ)が得られるが、予め溶融した樹脂に粒状蓄光材組成物を供給するサイドフィード方式による加工が、生産安定や粒状蓄光材組成物の粒径維持の点においてより望ましい。
【0021】
本発明の粒状蓄光材組成物には、その効果が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤、例えば、他の顔料、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、フィラー、帯電防止剤などを適宜添加することができる。
【0022】
本発明の粒状蓄光材組成物(コンパウンド、マスターバッチ)を用いる成形物の成形方法としては特に制限はなく、従来の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の成形において慣用されている方法、例えば、押出し成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、注型成形などの方法の中から適宜選択して用いることができる。
【0023】
前記特開2000−1569号公報(特許文献1)における蓄光性成形物は、樹脂成形材料に直接蓄光性顔料を添加して成形しているので、成形に際して、硬度の高い蓄光顔料が混練中に押出し機内のシリンダーやスクリューなどを摩耗することがあり、得られる成形物に摩耗により生じた鉄や鉄化合物が混入し、成形物の色のくすみや、蓄光性の低下が生ずるという問題があったが、本発明では、蓄光顔料は熱硬化した樹脂中や高融点の熱可塑性樹脂によって、蓄光顔料粒子の大部分が被覆されている結果、蓄光顔料と押出し機の部材表面との接触機会が著しく減少した結果、上記従来技術の課題は解決されている。
【0024】
また、本発明の粒状蓄光材組成物の粒子のそれぞれは独立して成形物中に点在していることにより、成形用樹脂が本来有する物性を低下させることなく、蓄光顔料としての使用量が少なくても良好な残光輝度を有し、外観および輝度に優れた成形物を安価に提供することができる。さらに、本発明の粒状蓄光材組成物の粒子のそれぞれは独立して成形物中に点在していることにより、成形物を他の一般の顔料や染料によって着色する場合においても、美麗な着色が可能であり、蓄光顔料の残光輝度が低下することもないという利点が得られる。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的にするが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのないかぎり質量基準である。
【0026】
[実施例1]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)と不飽和ポリエステル樹脂とを、顔料/樹脂の質量比が30/70になるよう撹拌混合し、硬化させた後、粉砕し、粒径を100〜600μm(以下「種材」という)に調整した。この種材とポリプロピレン樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合し、該混合物を押出機にて混練および造粒し、ペレット(コンパウンド)を作製した。さらにこれを板状に成形し、諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0027】
[実施例2]
実施例1にて調整した種材を、押出機にて予め溶融したポリプロピレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう、サイドフィード方式により供給し、混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0028】
[実施例3]
実施例2にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、該成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0029】
[実施例4]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とアクリルモノマーを、顔料/樹脂の質量比が30/70になるよう撹拌混合した後、塊状重合し、さらに該重合物を粉砕し、粒径を50〜100μm(種材)に調整した。この種材と低密度ポリエチレン樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合、これを押出機にて混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0030】
[実施例5]
実施例4にて調製した種材を、押出機にて予め溶融した低密度ポリエチレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9質量%)となるよう、サイドフィード方式により供給して混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0031】
[実施例6]
実施例5にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0032】
[実施例7]
実施例1にて調製した種材を、押出機にて予め溶融したポリプロピレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が60/40となるよう、サイドフィード方式により供給して混練および造粒しペレット(マスターバッチ)を作製した。作製したマスターバッチとポリプロピレン樹脂を、マスターバッチ/樹脂の質量比が5/95(20倍希釈、蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0033】
[実施例8]
実施例7にて作製したマスターバッチとポリプロピレン樹脂を、マスターバッチ/樹脂の質量比が5/95(20倍希釈、蓄光顔料純分0.9%)となるよう混合したものに、さらにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0034】
[実施例9]
実施例1にて調製した種材と不飽和ポリエステル樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるように混合し、該混合物を板状に注型成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0035】
[比較例1]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とポリプロピレン樹脂を、顔料/樹脂の質量比が0.9/99.1になるように混合し、これを押出機により混練して造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0036】
[比較例2]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)を、押出機にて予め溶融させたポリプロピレン樹脂に、顔料/樹脂の質量比が0.9/99.1になるように、サイドフィード方式により供給して混練および造粒し、ペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0037】
[比較例3]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とポリプロピレン樹脂を、顔料/樹脂の質量比が20/80になるように混合し、該混合物を押出機より混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0038】
[比較例4]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)を、押出機にて予め溶融させたポリプロピレン樹脂に、顔料/樹脂の質量比が20/80になるように、サイドフィード方式により供給し、混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0039】
[比較例5]
比較例2にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0040】
実施例1〜9および比較例1〜5の組成物の組成について下記表1に示す。
【0041】
実施例1〜9および比較例1〜5の評価結果について下記表2に示す。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂が本来有する耐衝撃性などの物性低下がなく、成形時のシリンダーやスクリューの磨耗による残光輝度の低下を抑制し、コストおよび成形物の外観に優れ、自由に着色できる粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄光顔料は光を受けて発光し、光を取り除いた後も発光するといった、残光性を有する蛍光体である。この蓄光顔料としては、従来、硫化物系顔料、例えば、硫化亜鉛・銅蛍光体(ZnS・Cu)などが用いられてきた。しかしながら、この硫化物系蓄光顔料は残光輝度が低く、かつ残光時間も短いなどの欠点を有しており、従って、例えば、残光性を高めるために放射性同位元素を添加することが試みられたが、この場合、放射性同位元素による人体や環境に対する影響が問題となっていた。
【0003】
近年、新規な蓄光顔料としてアルミン酸塩系蓄光顔料が開発され注目されている。このアルミン酸塩系蓄光顔料は、従来の硫化物系蓄光顔料に比べて残光輝度が高く、かつ残光時間が長いなど、優れた残光特性を有するうえ、耐候性にも優れることから、塗料、インキ、樹脂成形物などの種々の用途が検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、上記アルミン酸塩系蓄光顔料を樹脂に練り込もうとする場合、成形物が良好な残光輝度を得るためには、蓄光顔料を5〜50質量%程度添加しなければならず、こうした添加量で得られた成形物は、成形用樹脂本来の耐衝撃性などの機械物性が著しく低下するといった問題を生じる。
【0004】
また、アルミン酸塩系蓄光顔料の硬度が高いために、該顔料と樹脂材料とを混練中に、押出機内のシリンダーやスクリューなどが該顔料によって磨耗し易く、その結果、得られた成形物には、磨耗により生じた鉄や鉄化合物が混入し、成形物の色がくすんだり、蓄光性が低下するのを免れないという問題が生じる。
【0005】
さらに、現在市場におけるアルミン酸塩系蓄光顔料の価格が非常に高価であるため、良好な残光輝度を得るために必要な上記添加量では、成形物のコストが非常に高価なものとなってしまい、かつ成形物外観を良好にするために染顔料を使用して着色した場合、残光輝度が著しく低下するといった点から、上記のアルミン酸塩系蓄光顔料は市場に十分展開されていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−1569号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、前記欠点を解決し、成形用樹脂が本来有する耐衝撃性などの物性低下がなく、成形時のシリンダーやスクリューの磨耗による残光輝度の低下を抑制し、コストおよび成形物の外観に優れ、自由に着色できる、粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチを提供することを目的ととする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂中に、蓄光顔料を5〜60質量%分散含有し、該分散体を10〜1000μmの粒度に粉砕してなることを特徴とする粒状蓄光材組成物を提供する。
【0009】
上記本発明においては、成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂が、熱硬化した樹脂または高融点熱可塑性樹脂であること;蓄光顔料がアルミン酸塩系蓄光顔料であことが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記組成物を、成形用樹脂材料中に0.1〜50質量%分散させてなることを特徴とする成形材料、該材料を成形してなることを特徴とする蓄光性成形物、および前記組成物を熱可塑性樹脂中に予備分散させてなることを特徴とするマスターバッチを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の粒状蓄光材組成物は、蓄光顔料を予め熱硬化性樹脂または高融点の熱可塑性樹脂の如く、成形用樹脂材料の成形時の温度で溶融しない樹脂中に予備分散させてなることを特徴としている。
【0012】
本発明で使用する蓄光顔料としては、アルミン酸塩系蓄光顔料が好ましく使用される。このアルミン酸塩系蓄光顔料の代表的なものとしては、MAl2O4で表される化合物を挙げることができる。この化合物におけるMは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの金属である。上記化合物には必要に応じ、賦活剤としてユーロピウム(Eu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、ネオジム(Nd)などのランタン系金属元素を添加してもよい。
【0013】
このようなアルミン酸塩系蓄光顔料の例としては、CaAl2O4:Eu,Nd(発光色:紫青、発光ピーク波長:440nm)、SrAl2O4:Eu,Dy(発光色:黄緑、発光ピーク波長:520nm)、SrAl2O4:Eu(発光色:黄緑、発光ピーク波長:520nm)、Sr4Al14O25:Eu,Dy(発光色:青緑、発光ピーク波長:490nm)などが挙げられる。
【0014】
このようなアルミン酸塩系蓄光顔料は、従来の硫化物系蓄光顔料、例えば、CaSrS:Bi、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Coなどに比べて残光輝度が高く、かつ残光時間が長いなど、優れた残光特性を有している。本発明においては前記蓄光顔料を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。蓄光顔料の粒径について特に制限はなく、粒度分布が比較的シャープな微粉末であれば、比較的容易に熱硬化性樹脂または高融点熱可塑性樹脂中に予備分散させることができるが、より好ましくは1〜50μmの範囲の粒径である。
【0015】
蓄光顔料を予備分散させる熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、代表的なものとして不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、蓄光顔料に予備分散させる高融点の熱可塑性樹脂としては、成形材料となる熱可塑性樹脂の成形温度で溶融しない、十分高融点の樹脂であれば特に制限はなく、比較的高融点なものとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
【0016】
予備分散により得られる上記粒状蓄光材組成物における、熱硬化性樹脂または高融点の熱可塑性樹脂と蓄光顔料の含有割合は、質量比で95:5ないし40:60の範囲にあるのが好ましい。蓄光顔料の含有割合が上記範囲より少ないと、最終的に得られる成形物における残光輝度が小さく、上記範囲より多くなると、予備分散の工程において成形物の色調にくすみが生じ易くなり、輝度が低下するといった問題を生じる。そして、予備分散により得られた組成物の粒径は、10〜1000μmに調整されたものが好ましい。粒径が上記範囲より小さいと、点在の効果が表れず、染顔料での着色で輝度が低下するといった問題が生じる。逆に粒径が上記範囲より大きいと、成形時の加工性が悪くなり、また色調のくすみや成形物の物性低下といった問題も生じる。
【0017】
また、成形材料となる熱可塑性樹脂については特に制限はなく、従来公知のものの中から、該成形物の用途などに応じて適宜選択することができる。この熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド、ポリウレタンなど、またはこれらのポリマーアロイ、あるいはポリウレタン系やポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーが挙げられる。さらに、成形材料となる熱硬化性樹脂についても特に制限はなく、従来公知のものの中から、該組成物の用途などに応じて適宜選択することができる。この熱硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0018】
本発明の粒状蓄光材組成物を用いて成形物を成形する際の、粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料または熱硬化性樹脂成形材料の配合割合は、質量比で0.1:99.9ないし50:50の範囲にあるのが好ましい。粒状組成物の割合が上記範囲より少ないと、残光輝度が低く、蓄光性成形物としての機能が十分に発揮されないし、上記範囲より多いと、成形時における混練装置などの磨耗が激しく、蓄光性が低下するといった問題が生じる。
【0019】
また、上記粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料とから成形物を成形する際には、成形物における粒状蓄光材組成物の偏在を防ぐため、上記粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂成形材料とを一度押出機により混練し、造粒およびペレット化(コンパウンド化)するのが望ましい。さらに言えば、粒状蓄光材組成物を予め高濃度に予備分散させるマスターバッチを用いて成形物を成形することが、着色コストおよびハンドリングの点などにおいてより望ましい。
【0020】
粒状蓄光材組成物のコンパウンド化(あるいはマスターバッチ化)における押出機を使用した加工法には特に制限はなく、粒状蓄光材組成物と熱可塑性樹脂の直仕込みでも、くすみのない、良好なコンパウンド(あるいはマスターバッチ)が得られるが、予め溶融した樹脂に粒状蓄光材組成物を供給するサイドフィード方式による加工が、生産安定や粒状蓄光材組成物の粒径維持の点においてより望ましい。
【0021】
本発明の粒状蓄光材組成物には、その効果が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤、例えば、他の顔料、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、フィラー、帯電防止剤などを適宜添加することができる。
【0022】
本発明の粒状蓄光材組成物(コンパウンド、マスターバッチ)を用いる成形物の成形方法としては特に制限はなく、従来の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の成形において慣用されている方法、例えば、押出し成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、注型成形などの方法の中から適宜選択して用いることができる。
【0023】
前記特開2000−1569号公報(特許文献1)における蓄光性成形物は、樹脂成形材料に直接蓄光性顔料を添加して成形しているので、成形に際して、硬度の高い蓄光顔料が混練中に押出し機内のシリンダーやスクリューなどを摩耗することがあり、得られる成形物に摩耗により生じた鉄や鉄化合物が混入し、成形物の色のくすみや、蓄光性の低下が生ずるという問題があったが、本発明では、蓄光顔料は熱硬化した樹脂中や高融点の熱可塑性樹脂によって、蓄光顔料粒子の大部分が被覆されている結果、蓄光顔料と押出し機の部材表面との接触機会が著しく減少した結果、上記従来技術の課題は解決されている。
【0024】
また、本発明の粒状蓄光材組成物の粒子のそれぞれは独立して成形物中に点在していることにより、成形用樹脂が本来有する物性を低下させることなく、蓄光顔料としての使用量が少なくても良好な残光輝度を有し、外観および輝度に優れた成形物を安価に提供することができる。さらに、本発明の粒状蓄光材組成物の粒子のそれぞれは独立して成形物中に点在していることにより、成形物を他の一般の顔料や染料によって着色する場合においても、美麗な着色が可能であり、蓄光顔料の残光輝度が低下することもないという利点が得られる。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的にするが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのないかぎり質量基準である。
【0026】
[実施例1]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)と不飽和ポリエステル樹脂とを、顔料/樹脂の質量比が30/70になるよう撹拌混合し、硬化させた後、粉砕し、粒径を100〜600μm(以下「種材」という)に調整した。この種材とポリプロピレン樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合し、該混合物を押出機にて混練および造粒し、ペレット(コンパウンド)を作製した。さらにこれを板状に成形し、諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0027】
[実施例2]
実施例1にて調整した種材を、押出機にて予め溶融したポリプロピレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう、サイドフィード方式により供給し、混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0028】
[実施例3]
実施例2にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、該成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0029】
[実施例4]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とアクリルモノマーを、顔料/樹脂の質量比が30/70になるよう撹拌混合した後、塊状重合し、さらに該重合物を粉砕し、粒径を50〜100μm(種材)に調整した。この種材と低密度ポリエチレン樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合、これを押出機にて混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0030】
[実施例5]
実施例4にて調製した種材を、押出機にて予め溶融した低密度ポリエチレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9質量%)となるよう、サイドフィード方式により供給して混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0031】
[実施例6]
実施例5にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0032】
[実施例7]
実施例1にて調製した種材を、押出機にて予め溶融したポリプロピレン樹脂に、種材/樹脂の質量比が60/40となるよう、サイドフィード方式により供給して混練および造粒しペレット(マスターバッチ)を作製した。作製したマスターバッチとポリプロピレン樹脂を、マスターバッチ/樹脂の質量比が5/95(20倍希釈、蓄光顔料純分:0.9%)となるよう混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0033】
[実施例8]
実施例7にて作製したマスターバッチとポリプロピレン樹脂を、マスターバッチ/樹脂の質量比が5/95(20倍希釈、蓄光顔料純分0.9%)となるよう混合したものに、さらにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0034】
[実施例9]
実施例1にて調製した種材と不飽和ポリエステル樹脂を、種材/樹脂の質量比が3/97(蓄光顔料純分:0.9%)となるように混合し、該混合物を板状に注型成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0035】
[比較例1]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とポリプロピレン樹脂を、顔料/樹脂の質量比が0.9/99.1になるように混合し、これを押出機により混練して造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0036】
[比較例2]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)を、押出機にて予め溶融させたポリプロピレン樹脂に、顔料/樹脂の質量比が0.9/99.1になるように、サイドフィード方式により供給して混練および造粒し、ペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0037】
[比較例3]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)とポリプロピレン樹脂を、顔料/樹脂の質量比が20/80になるように混合し、該混合物を押出機より混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0038】
[比較例4]
アルミン酸塩系蓄光顔料(根本特殊化学社製、商品名:GLL−300M)を、押出機にて予め溶融させたポリプロピレン樹脂に、顔料/樹脂の質量比が20/80になるように、サイドフィード方式により供給し、混練および造粒しペレット(コンパウンド)を作製した。さらに該コンパウンドを板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0039】
[比較例5]
比較例2にて作製したコンパウンドにドライカラー(カーボンブラック50%/ステアリン酸亜鉛25%/ステアリン酸マグネシウム25%)を0.01部加えて混合し、該混合物を板状に成形し、得られた成形物の諸特性を評価した。結果を表2に示す。
【0040】
実施例1〜9および比較例1〜5の組成物の組成について下記表1に示す。
【0041】
実施例1〜9および比較例1〜5の評価結果について下記表2に示す。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂が本来有する耐衝撃性などの物性低下がなく、成形時のシリンダーやスクリューの磨耗による残光輝度の低下を抑制し、コストおよび成形物の外観に優れ、自由に着色できる粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチを提供することができる。
Claims (6)
- 成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂中に、蓄光顔料を5〜60質量%分散含有し、該分散体を10〜1000μmの粒度に粉砕してなることを特徴とする粒状蓄光材組成物。
- 成形されるべき熱可塑性樹脂の成形温度において溶融しない樹脂が、熱硬化した樹脂または高融点熱可塑性樹脂である請求項1に記載の粒状蓄光材組成物。
- 蓄光顔料が、アルミン酸塩系蓄光顔料である請求項1または2に記載の粒状蓄光材組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物を、成形用樹脂材料中に0.1〜50質量%分散させてなることを特徴とする成形材料。
- 請求項4に記載の成形材料を成形してなることを特徴とする蓄光性成形物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物を熱可塑性樹脂中に予備分散させてなることを特徴とするマスターバッチ。
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JP2002350776A JP2004182841A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 粒状蓄光材組成物、成形材料、成形物およびマスターバッチ |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006003888A1 (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-12 | Pioneer Corporation | 粒状体、およびこれを用いたプラズマディスプレイパネルの蛍光面の形成方法 |
JP2008037900A (ja) * | 2006-08-01 | 2008-02-21 | Japan Composite Co Ltd | 蓄光材を含むプレス成形用材料及びそのプレス成形品 |
JP2010007085A (ja) * | 2005-08-23 | 2010-01-14 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 複合蛍光体粉末、及びこれを用いた発光装置並びに複合蛍光体粉末の製造方法 |
JP2017066223A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | フクビ化学工業株式会社 | 蓄光性樹脂組成物、蓄光性樹脂成型体、および蓄光性マスターペレットの製造方法 |
KR102313244B1 (ko) * | 2020-12-18 | 2021-10-14 | 주식회사 아트스페이스이엔지 | 인광효과가 우수한 축광재의 제조방법 |
-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002350776A patent/JP2004182841A/ja active Pending
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