JP2004182824A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性・強度などの機械的物性に優れており、よって車両用の内外装部品や外板の用途としての目的に適した熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明により、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が与えられた。本発明によれば、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、その混合物を樹脂成形機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂が共重合し、剛性、強度が高い熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。よって本発明の熱可塑性樹脂組成物は自動車用内外装部品等として有用である。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明により、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が与えられた。本発明によれば、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、その混合物を樹脂成形機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂が共重合し、剛性、強度が高い熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。よって本発明の熱可塑性樹脂組成物は自動車用内外装部品等として有用である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性・強度などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。より具体的には、本発明は、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、本発明に熱可塑性樹脂組成物は、特に添加する無機酸化物と樹脂とが相互作用することに特徴を有し、車両用の内外装部品や外板の用途として有用である。更に詳しくは、本発明は、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤を溶融樹脂中で混合し、押出し成形中で反応させることにより、該樹脂と無機酸化物が共有結合により強固に結びついていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂組成物の剛性、耐熱性、耐熱膨張性などの物性を改良するための手法として、従来のガラス繊維やタルクなどによる強化樹脂に代わり、ナノオーダーレベルの充填材を用いた複合材料、いわゆるポリマーナノコンポジットが注目されてきている。このような複合材料の例として、豊田中研の「粘土複合材料及びその製造方法(特開平8−333114号)」が挙げられる。これは樹脂の充填材にモンモリロナイトに代表される層状クレーを使用し、層状クレーの層間に有機オニウムイオンが入り込み層状クレーが分散することにより、充填材が均一分散した複合材を得る方法である。ナノオーダーの充填材が高い含有率で均一分散することにより、重量の増加を伴わず剛性や耐熱性などの物性が向上する。
【0003】
また他の例として、昭和電工の「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)」が挙げられる。これらは先の例と同様、無機充填材にモンモリロナイトに代表される層状クレーを使用するもので、ポリオレフィンのポリマーを層状クレーと混練して層間にポリマーを含浸させ、ポリマーと充填材の複合材を得る方法である。
【0004】
上記のようなナノオーダーレベルの充填材を用いたポリマーナノコンポジットでは、いずれの場合も、微細な充填材の分散性向上が物性向上の大きなポイントのひとつである。
【0005】
また、樹脂と充填材との相互作用力を強固にするため、予めポリオレフィンに充填材と相互作用力を持たせる官能基を共重合させた「変性ポリプロピレンの製造方法(特開2002−234919)」がある。これはポリプロピレンを溶融混練中にグラフト重合させる方法であるが、グラフト効率が悪く、グラフトにより重合される官能基の量が少ないため、充填材と強固な相互作用力を持たすことができなかった。
【0006】
充填材の大きさが小さくなるほど、樹脂中に均一に分散させることが難しい。充填材の個々の粒子の大きさを1次粒径、それらが凝集したものの大きさを2次粒径と呼ぶが、1次粒径が小さい粒子ほど凝集しやすく、混練時や成形時に粒子が凝集してしまい、2次粒径が大きくなってしまう問題があった。
【0007】
上記の「粘土複合材料及びその製造方法(特開平8−33311号)」と「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)」では充填材として層状ケイ酸塩であるクレーにしか適用できず、かつ充填材の添加量を増大させると充填材同士が再凝集して均一に分散せず、機械的強度が低下する原因となっていた。
【0008】
また、上記「変性ポリプロピレンの製造方法(特開2002−234919)」では、グラフト効率が悪く、グラフトにより重合される官能基の量が少ないため、充填材と強固な相互作用力を持たすことができなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−333114号公報
【特許文献2】
特開平10−30039号公報
【特許文献3】
特開2002−234919号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、樹脂中に充填材を微粒子の状態で均一に分散させ、剛性、強度などの機械的物性が優れている材料を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなる、熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
また本発明は、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、それにより得られた混合物を混練機又は混練押出し機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂を共重合させる工程よりなる、熱可塑性樹脂組成物の製造方法もまた提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の作用を説明する。有機溶媒中でシリカなどの水酸基を有する微粒子充填材と、上記水酸基と相互作用を持つマレイン酸やフマル酸などの不飽和多塩基酸と混合し反応させると、水酸基とカルボキシル基が反応して共有結合をつくる。すると疎水基と親水基をもつ不飽和多塩基酸は、シリカ粒子側に親水基、溶媒側に疎水基が向かうよう配置される。シリカ粒子の外側を覆うように不飽和多塩基酸が配置するために、シリカ粒子の親水基が被覆されるので個々の粒子が一様に分散する。次に、不飽和多塩基酸により被覆されたシリカとラジカル開始剤を混合し反応させると、ラジカル開始剤により不飽和多塩基酸の二重結合が開裂する。溶融樹脂中でこれらの反応を行うことにより、開裂した不蝕和多塩基酸がオレフィン樹脂を攻撃し、共有結合をつくる。ゆえに、不飽和多塩基酸がオレフィン樹脂とブロック共重合した組成物を得ることができる。
【0014】
更に以下、本発明の実施の形態を詳述する。本発明において使用される無機酸化物とは、表面に極性基を有する無機酸化物であり、好ましくは水酸基をもつ微粒子充填材である。本発明における無機酸化物の例として、シリカ、チタニア、アルミナ及びジルコニアを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。また、それらから選ばれる2種以上の無機酸化物の複合体、例えばチタニアの表面をアルミナで処理した複合無機酸化物なども、本発明における無機酸化物として使用することが可能である。本発明において、これら化合物の何れを用いることも可能であるが、入手のし易さ、コスト、表面処理のし易さなどからシリカ化合物が特に好ましい。なかでも、コロイダルシリカを用いることは、本発明においてとりわけ好ましい。
【0015】
本発明における無機酸化物の形状は特に限定されるものではなく、一般的な略球状だけでなく、直方体や板状、繊維のような直線形状、枝分かれした分岐形状などの形状を有する無機酸化物も用いることができる。本発明における無機酸化物の大きさは特に限定されるものではないが、ポリマーナノコンポジットとして目的とする性能を発現させるためには、少なくとも一辺がナノオーダーであることが必要である。ここで、「少なくとも一辺がナノオーダー」とは、無機酸化物の形状が、略球状ならばその直径、直方体や板状ならばいずれかの少なくとも一辺、繊維のような直線形状や枝分かれした分岐形状ならばその太さ断面の少なくとも短径がナノオーダーであることを意味する。ここでいう「ナノオーダー」の範囲は特に限定されるものではないが、物性の向上、分散のし易さ、入手の容易さ、コストなどの面からは、好ましくは1〜200nmの範囲内であり、より好ましくは1〜100nmの範囲内である。
【0016】
これらの無機酸化物を熱可塑性樹脂に投入する量としては、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることは更に好ましい。無機酸化物の投入量がその範囲より少ない場合には、無機酸化物を樹脂中に分散して強度・弾性率を向上させる効果が小さく、またその範囲より多い場合には、得られた樹脂組成物の密度が高いために重量が増加してしまう。
【0017】
本発明における不蝕和多塩基酸とは、少なくとも一つの炭素一炭素不飽和結合(炭素一炭素二重結合又は炭素一炭素三重結合)と、少なくとも二つのカルボキシル基をその分子内に有する酸である。本発明における不蝕和多塩基酸の例として、マレイン酸、無水マレイン酸とフマル酸などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。上記の不蝕和多塩基酸の中でも、無水マレイン酸とフマル酸は特に好ましい。不蝕和多塩基酸の添加量は、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましい。
【0018】
上記の無機酸化物と不飽和多塩基酸は反応して共有結合を形成する。本発明における「表面修飾無機酸化物」とは両者の間の共有結合によって得られるものであって、共有結合した不飽和多塩基酸によりその表面が被覆された無機酸化物を意味するものである。熱可塑性樹脂の作製の過程において、かかる表面修飾無機酸化物を経由するという本発明の構成を採用することにより、微粒子充填剤の良好な分散や樹脂とのブロック共重合など、上記において述べた本発明の作用を達成することができる。
【0019】
本発明におけるラジカル開始剤とは、過熱することによって分解してラジカルを発生させる化合物であり、無機酸化物と不飽和多塩基酸との混合物である表面修飾無機酸化物と熱可塑性樹脂を溶融混練する条件で分解してラジカルを発生し、熱可塑性樹脂からプロトンを引き抜く能力を有する限り、いかなる化合物であってもよい。その好適な例としては、過酸化物やアゾ化合物が挙げられる。過酸化物の例として、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機酸化物を挙げることができ、その中から選択された1種または2種以上のラジカル開始剤を用いることができる。また、酸化水素塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ベンゾイルージメチルアニリン、過酸化ラウロイルもまた挙げることができる。アゾ化合物の例として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を挙げることができる。
【0020】
しかし、本発明において使用されるラジカル開始剤は上記の化合物に限定されるものではなく、必要において適宜他のラジカル開始剤を使用することができる。なかでも、入手のし易さ、取り扱い易さから、AIBNは特に好ましい。また、ラジカル開始剤の添加量は、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0021】
本発明における溶媒とは、有機溶媒であって上記の不飽和多塩基酸と樹脂との両方に親和性のあるものであればよく、その好適な例としては、アルコールやエーテルを挙げることができる。親水基を1つ有するアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、親水基を2つ以上有するアルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。エーテルの例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどが挙げられる。しかし、本発明において使用される溶媒は上記の溶媒に限定されるものではなく、必要において適宜他の溶媒を使用することができる。なかでも、親和性の強さから、プロピレングリコールは特に適している。
【0022】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはそれらの共重合体を挙げることができるが、それらに限定されるものではない。上記の樹脂のいずれも使用することができるが、強度・剛性の点からポリプロピレンが好ましい。尚、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて様々な添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、エネルギー消剤、難燃剤、顔料、着色剤などを添加してもよい。
【0023】
次に製造方法について示す。本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、混練機を用いる方法と、混練押出し機を用いる方法の2種類がある。いずれの方法においても、シリンダ内のスクリューにより溶媒と熱可塑性樹脂が混練されるものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の無機酸化物、不蝕和多塩基酸、ラジカル開始剤と溶媒を用いて、連続混練機やバッチ式の混練機で、前記熱可塑性樹脂と溶融混練することによって得ることができる。用いる混練機は経済的観点から、連続混練機が好ましい。また、連続混練機の中では、生産性や不飽和多塩基酸のグラフト効率の観点から、二軸混練機が好ましい。また、上記の無機酸化物、不蝕和多塩基酸およびラジカル開始剤と、必要に応じて上記の溶媒を混練機の上流から投入し、混練部を経た後、先端部に至るまでに真空ベントを設け、未反応の不飽和多塩基酸を除去するのが好ましい。混練機の設定温度は180℃〜260℃が好ましい。また、溶融混練の時間は30秒間〜60秒間が好ましい。
【0024】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、剛性、強度などの機械的物性に優れ、また前述のように非晶性ポリオレフィン系樹脂を用いた場合透明性にも優れるため、車両用の外装部品や車両用外板の用途に好適である。また、車両用途以外でも剛性、強度などを求められる用途、例えば建築物や鉄道車両の内外装材、電気・電子製品の筐体などにも使用できる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で、上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂組成物を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂組成物を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0026】
(実施例2)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物には二酸化チタン微粒子(五大産業(株)製、スーパータイタニアF−1、粒径90nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し混合物を得た。〈株〉日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0027】
(実施例3)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物30重量部、不蝕和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し混合物を得た。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物Eを液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0028】
(実施例4)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物45重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒D中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製銅所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0029】
(実施例5)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスST−UP、粒径40nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製銅所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0030】
(比較例1)
モンモリロナイト(平均粒径100nm)とジステアリルメチルアンモニウムクロライドを等量、水中で混合した。その混合による沈殿物を洗浄し、乾燥させて、有機化モンモリロナイトを得た。次にトルエン中で上記有機化モンモリロナイトとポリテール(三菱化学(株)製)を等量、6時間混合した。次に減圧乾燥させて分散処理モンモリロナイト粉末を得た。熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、分散処理モンモリロナイト15重量部を200℃のシリンダ温度で溶融混練し、モンモリロナイト分散ポリプロピレンを得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0031】
(比較例2)
モンモリロナイト(平均粒径100nm)とジステアリルメチルアンモニウムクロライドを等量、水中で混合した。その混合による沈殿物を洗浄し、乾燥させて、有機化モンモリロナイトを得た。次にトルエン中で上記有機化モンモリロナイトとポリテール(三菱化学(株)製)を等量、6時間混合した。次に減圧乾燥させて分散処理モンモリロナイト粉末を得た。熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、分散処理モンモリロナイト5重量部を200℃のシリンダ温度で溶融混練し、モンモリロナイト分散ポリプロピレンを得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0032】
(比較例3)
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)100重量部に対して、無水マレイン酸1重量部、1,3−ビスー(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(8重量%ポリプロピレン希釈)1重量部を(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて溶融混練して変性ポリプロピレン樹脂を得た。次に、変性ポリプロピレン樹脂とシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を再度溶融混練した後、射出成形機を用いて、この変性ポリプロピレンを200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0033】
(評価)
続いて、上記の各樹脂組成物を試験片に成形し、各試験片について以下の物性評価を行ない、その評価結果を表1にまとめた。
(1)成形性:射出成形時に樹脂が良く流れ、完全な形の成形体を作製できた場合は◎、樹脂の流れが悪かった場合は△、全く成形できなかった場合は×とした。
(2)無機酸化物の分散度:透過電子顛微鏡(日立製作所(株)製H−800)で観測した。
(3)曲げ弾性率:試験方法はASTM D790に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上し たものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
(4)引張り強度:試験方法はASTM D638に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上したものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1〜5においては、曲げ弾性率と引張り強度の向上が認められた。成形性や製品の外観も良好であつた。無機酸化物の添加量を増大しても成形することが可能であり、無機酸化物の凝集も認められず均一に分散していた。
比較例1においては、無機酸化物にモンモリロナイトタルクを用いたが、成形後に粒子が凝集してしまい、引張り強度も低下した。
比較例2においては、比較例1に対しモンモリロナイトの添加量を減少させた。粒子の凝集は認められなかったが、曲げ弾性率と引張り強度は大きく向上しなかった。
比較例3においては、変性ポリプロピレン中にシリカ微粒子を分散させて成形したが、粒子の凝集が認められ、引張り強度も低下した。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、剛性・強度などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法が提供された。より具体的には、本発明により、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提供された。本発明によれば、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、その混合物を樹脂成形機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂が共重合し、剛性、強度が高い熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。よって本発明の熱可塑性樹脂組成物は自動車用内外装部品等として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性・強度などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。より具体的には、本発明は、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、本発明に熱可塑性樹脂組成物は、特に添加する無機酸化物と樹脂とが相互作用することに特徴を有し、車両用の内外装部品や外板の用途として有用である。更に詳しくは、本発明は、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤を溶融樹脂中で混合し、押出し成形中で反応させることにより、該樹脂と無機酸化物が共有結合により強固に結びついていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂組成物の剛性、耐熱性、耐熱膨張性などの物性を改良するための手法として、従来のガラス繊維やタルクなどによる強化樹脂に代わり、ナノオーダーレベルの充填材を用いた複合材料、いわゆるポリマーナノコンポジットが注目されてきている。このような複合材料の例として、豊田中研の「粘土複合材料及びその製造方法(特開平8−333114号)」が挙げられる。これは樹脂の充填材にモンモリロナイトに代表される層状クレーを使用し、層状クレーの層間に有機オニウムイオンが入り込み層状クレーが分散することにより、充填材が均一分散した複合材を得る方法である。ナノオーダーの充填材が高い含有率で均一分散することにより、重量の増加を伴わず剛性や耐熱性などの物性が向上する。
【0003】
また他の例として、昭和電工の「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)」が挙げられる。これらは先の例と同様、無機充填材にモンモリロナイトに代表される層状クレーを使用するもので、ポリオレフィンのポリマーを層状クレーと混練して層間にポリマーを含浸させ、ポリマーと充填材の複合材を得る方法である。
【0004】
上記のようなナノオーダーレベルの充填材を用いたポリマーナノコンポジットでは、いずれの場合も、微細な充填材の分散性向上が物性向上の大きなポイントのひとつである。
【0005】
また、樹脂と充填材との相互作用力を強固にするため、予めポリオレフィンに充填材と相互作用力を持たせる官能基を共重合させた「変性ポリプロピレンの製造方法(特開2002−234919)」がある。これはポリプロピレンを溶融混練中にグラフト重合させる方法であるが、グラフト効率が悪く、グラフトにより重合される官能基の量が少ないため、充填材と強固な相互作用力を持たすことができなかった。
【0006】
充填材の大きさが小さくなるほど、樹脂中に均一に分散させることが難しい。充填材の個々の粒子の大きさを1次粒径、それらが凝集したものの大きさを2次粒径と呼ぶが、1次粒径が小さい粒子ほど凝集しやすく、混練時や成形時に粒子が凝集してしまい、2次粒径が大きくなってしまう問題があった。
【0007】
上記の「粘土複合材料及びその製造方法(特開平8−33311号)」と「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)」では充填材として層状ケイ酸塩であるクレーにしか適用できず、かつ充填材の添加量を増大させると充填材同士が再凝集して均一に分散せず、機械的強度が低下する原因となっていた。
【0008】
また、上記「変性ポリプロピレンの製造方法(特開2002−234919)」では、グラフト効率が悪く、グラフトにより重合される官能基の量が少ないため、充填材と強固な相互作用力を持たすことができなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−333114号公報
【特許文献2】
特開平10−30039号公報
【特許文献3】
特開2002−234919号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、樹脂中に充填材を微粒子の状態で均一に分散させ、剛性、強度などの機械的物性が優れている材料を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなる、熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
また本発明は、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、それにより得られた混合物を混練機又は混練押出し機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂を共重合させる工程よりなる、熱可塑性樹脂組成物の製造方法もまた提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の作用を説明する。有機溶媒中でシリカなどの水酸基を有する微粒子充填材と、上記水酸基と相互作用を持つマレイン酸やフマル酸などの不飽和多塩基酸と混合し反応させると、水酸基とカルボキシル基が反応して共有結合をつくる。すると疎水基と親水基をもつ不飽和多塩基酸は、シリカ粒子側に親水基、溶媒側に疎水基が向かうよう配置される。シリカ粒子の外側を覆うように不飽和多塩基酸が配置するために、シリカ粒子の親水基が被覆されるので個々の粒子が一様に分散する。次に、不飽和多塩基酸により被覆されたシリカとラジカル開始剤を混合し反応させると、ラジカル開始剤により不飽和多塩基酸の二重結合が開裂する。溶融樹脂中でこれらの反応を行うことにより、開裂した不蝕和多塩基酸がオレフィン樹脂を攻撃し、共有結合をつくる。ゆえに、不飽和多塩基酸がオレフィン樹脂とブロック共重合した組成物を得ることができる。
【0014】
更に以下、本発明の実施の形態を詳述する。本発明において使用される無機酸化物とは、表面に極性基を有する無機酸化物であり、好ましくは水酸基をもつ微粒子充填材である。本発明における無機酸化物の例として、シリカ、チタニア、アルミナ及びジルコニアを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。また、それらから選ばれる2種以上の無機酸化物の複合体、例えばチタニアの表面をアルミナで処理した複合無機酸化物なども、本発明における無機酸化物として使用することが可能である。本発明において、これら化合物の何れを用いることも可能であるが、入手のし易さ、コスト、表面処理のし易さなどからシリカ化合物が特に好ましい。なかでも、コロイダルシリカを用いることは、本発明においてとりわけ好ましい。
【0015】
本発明における無機酸化物の形状は特に限定されるものではなく、一般的な略球状だけでなく、直方体や板状、繊維のような直線形状、枝分かれした分岐形状などの形状を有する無機酸化物も用いることができる。本発明における無機酸化物の大きさは特に限定されるものではないが、ポリマーナノコンポジットとして目的とする性能を発現させるためには、少なくとも一辺がナノオーダーであることが必要である。ここで、「少なくとも一辺がナノオーダー」とは、無機酸化物の形状が、略球状ならばその直径、直方体や板状ならばいずれかの少なくとも一辺、繊維のような直線形状や枝分かれした分岐形状ならばその太さ断面の少なくとも短径がナノオーダーであることを意味する。ここでいう「ナノオーダー」の範囲は特に限定されるものではないが、物性の向上、分散のし易さ、入手の容易さ、コストなどの面からは、好ましくは1〜200nmの範囲内であり、より好ましくは1〜100nmの範囲内である。
【0016】
これらの無機酸化物を熱可塑性樹脂に投入する量としては、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることは更に好ましい。無機酸化物の投入量がその範囲より少ない場合には、無機酸化物を樹脂中に分散して強度・弾性率を向上させる効果が小さく、またその範囲より多い場合には、得られた樹脂組成物の密度が高いために重量が増加してしまう。
【0017】
本発明における不蝕和多塩基酸とは、少なくとも一つの炭素一炭素不飽和結合(炭素一炭素二重結合又は炭素一炭素三重結合)と、少なくとも二つのカルボキシル基をその分子内に有する酸である。本発明における不蝕和多塩基酸の例として、マレイン酸、無水マレイン酸とフマル酸などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。上記の不蝕和多塩基酸の中でも、無水マレイン酸とフマル酸は特に好ましい。不蝕和多塩基酸の添加量は、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましい。
【0018】
上記の無機酸化物と不飽和多塩基酸は反応して共有結合を形成する。本発明における「表面修飾無機酸化物」とは両者の間の共有結合によって得られるものであって、共有結合した不飽和多塩基酸によりその表面が被覆された無機酸化物を意味するものである。熱可塑性樹脂の作製の過程において、かかる表面修飾無機酸化物を経由するという本発明の構成を採用することにより、微粒子充填剤の良好な分散や樹脂とのブロック共重合など、上記において述べた本発明の作用を達成することができる。
【0019】
本発明におけるラジカル開始剤とは、過熱することによって分解してラジカルを発生させる化合物であり、無機酸化物と不飽和多塩基酸との混合物である表面修飾無機酸化物と熱可塑性樹脂を溶融混練する条件で分解してラジカルを発生し、熱可塑性樹脂からプロトンを引き抜く能力を有する限り、いかなる化合物であってもよい。その好適な例としては、過酸化物やアゾ化合物が挙げられる。過酸化物の例として、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機酸化物を挙げることができ、その中から選択された1種または2種以上のラジカル開始剤を用いることができる。また、酸化水素塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ベンゾイルージメチルアニリン、過酸化ラウロイルもまた挙げることができる。アゾ化合物の例として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を挙げることができる。
【0020】
しかし、本発明において使用されるラジカル開始剤は上記の化合物に限定されるものではなく、必要において適宜他のラジカル開始剤を使用することができる。なかでも、入手のし易さ、取り扱い易さから、AIBNは特に好ましい。また、ラジカル開始剤の添加量は、その範囲内に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0021】
本発明における溶媒とは、有機溶媒であって上記の不飽和多塩基酸と樹脂との両方に親和性のあるものであればよく、その好適な例としては、アルコールやエーテルを挙げることができる。親水基を1つ有するアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、親水基を2つ以上有するアルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。エーテルの例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどが挙げられる。しかし、本発明において使用される溶媒は上記の溶媒に限定されるものではなく、必要において適宜他の溶媒を使用することができる。なかでも、親和性の強さから、プロピレングリコールは特に適している。
【0022】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはそれらの共重合体を挙げることができるが、それらに限定されるものではない。上記の樹脂のいずれも使用することができるが、強度・剛性の点からポリプロピレンが好ましい。尚、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて様々な添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、エネルギー消剤、難燃剤、顔料、着色剤などを添加してもよい。
【0023】
次に製造方法について示す。本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、混練機を用いる方法と、混練押出し機を用いる方法の2種類がある。いずれの方法においても、シリンダ内のスクリューにより溶媒と熱可塑性樹脂が混練されるものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の無機酸化物、不蝕和多塩基酸、ラジカル開始剤と溶媒を用いて、連続混練機やバッチ式の混練機で、前記熱可塑性樹脂と溶融混練することによって得ることができる。用いる混練機は経済的観点から、連続混練機が好ましい。また、連続混練機の中では、生産性や不飽和多塩基酸のグラフト効率の観点から、二軸混練機が好ましい。また、上記の無機酸化物、不蝕和多塩基酸およびラジカル開始剤と、必要に応じて上記の溶媒を混練機の上流から投入し、混練部を経た後、先端部に至るまでに真空ベントを設け、未反応の不飽和多塩基酸を除去するのが好ましい。混練機の設定温度は180℃〜260℃が好ましい。また、溶融混練の時間は30秒間〜60秒間が好ましい。
【0024】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、剛性、強度などの機械的物性に優れ、また前述のように非晶性ポリオレフィン系樹脂を用いた場合透明性にも優れるため、車両用の外装部品や車両用外板の用途に好適である。また、車両用途以外でも剛性、強度などを求められる用途、例えば建築物や鉄道車両の内外装材、電気・電子製品の筐体などにも使用できる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で、上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂組成物を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂組成物を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0026】
(実施例2)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物には二酸化チタン微粒子(五大産業(株)製、スーパータイタニアF−1、粒径90nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し混合物を得た。〈株〉日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0027】
(実施例3)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物30重量部、不蝕和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し混合物を得た。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物Eを液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0028】
(実施例4)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物45重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒D中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製銅所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0029】
(実施例5)
熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。無機酸化物にはコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスST−UP、粒径40nm)を用いた。不飽和多塩基酸には無水マレイン酸、ラジカル開始剤にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒にはプロピレングリコールを用いた。熱可塑性樹脂100重量部に対して、無機酸化物15重量部、不飽和多塩基酸1重量部、ラジカル開始剤0.2重量部を50重量部の溶媒中で攪拌混合し、混合物を得た。(株)日本製銅所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、シリンダ温度が200℃で上記熱可塑性樹脂を加熱した。上記混合物を液添ポンプにより上記二軸混練機途中から供給し、溶融樹脂と溶融混練することにより無機酸化物を含むポリプロピレン樹脂を得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0030】
(比較例1)
モンモリロナイト(平均粒径100nm)とジステアリルメチルアンモニウムクロライドを等量、水中で混合した。その混合による沈殿物を洗浄し、乾燥させて、有機化モンモリロナイトを得た。次にトルエン中で上記有機化モンモリロナイトとポリテール(三菱化学(株)製)を等量、6時間混合した。次に減圧乾燥させて分散処理モンモリロナイト粉末を得た。熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、分散処理モンモリロナイト15重量部を200℃のシリンダ温度で溶融混練し、モンモリロナイト分散ポリプロピレンを得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0031】
(比較例2)
モンモリロナイト(平均粒径100nm)とジステアリルメチルアンモニウムクロライドを等量、水中で混合した。その混合による沈殿物を洗浄し、乾燥させて、有機化モンモリロナイトを得た。次にトルエン中で上記有機化モンモリロナイトとポリテール(三菱化学(株)製)を等量、6時間混合した。次に減圧乾燥させて分散処理モンモリロナイト粉末を得た。熱可塑性樹脂にはポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)を用意した。(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、分散処理モンモリロナイト5重量部を200℃のシリンダ温度で溶融混練し、モンモリロナイト分散ポリプロピレンを得た。射出成形機を用いて、このポリプロピレン樹脂を200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0032】
(比較例3)
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー(株)製PM881X、MFR13g/10min)100重量部に対して、無水マレイン酸1重量部、1,3−ビスー(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(8重量%ポリプロピレン希釈)1重量部を(株)日本製鋼所二軸混練機TEX30XSSTを用いて溶融混練して変性ポリプロピレン樹脂を得た。次に、変性ポリプロピレン樹脂とシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G、粒径20nm)を再度溶融混練した後、射出成形機を用いて、この変性ポリプロピレンを200℃で成形し、曲げ試験、引張り試験用試料を作製した。
【0033】
(評価)
続いて、上記の各樹脂組成物を試験片に成形し、各試験片について以下の物性評価を行ない、その評価結果を表1にまとめた。
(1)成形性:射出成形時に樹脂が良く流れ、完全な形の成形体を作製できた場合は◎、樹脂の流れが悪かった場合は△、全く成形できなかった場合は×とした。
(2)無機酸化物の分散度:透過電子顛微鏡(日立製作所(株)製H−800)で観測した。
(3)曲げ弾性率:試験方法はASTM D790に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上し たものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
(4)引張り強度:試験方法はASTM D638に準拠し、未充填の樹脂に対して性能が著しく向上したものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1〜5においては、曲げ弾性率と引張り強度の向上が認められた。成形性や製品の外観も良好であつた。無機酸化物の添加量を増大しても成形することが可能であり、無機酸化物の凝集も認められず均一に分散していた。
比較例1においては、無機酸化物にモンモリロナイトタルクを用いたが、成形後に粒子が凝集してしまい、引張り強度も低下した。
比較例2においては、比較例1に対しモンモリロナイトの添加量を減少させた。粒子の凝集は認められなかったが、曲げ弾性率と引張り強度は大きく向上しなかった。
比較例3においては、変性ポリプロピレン中にシリカ微粒子を分散させて成形したが、粒子の凝集が認められ、引張り強度も低下した。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、剛性・強度などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法が提供された。より具体的には、本発明により、無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提供された。本発明によれば、無機酸化物と不飽和多塩基酸とラジカル開始剤とを溶媒中で混合し、その混合物を樹脂成形機のシリンダ内で熱可塑性樹脂と混合することにより、不飽和多塩基酸と熱可塑性樹脂が共重合し、剛性、強度が高い熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。よって本発明の熱可塑性樹脂組成物は自動車用内外装部品等として有用である。
Claims (9)
- 無機酸化物の表面に不飽和多塩基酸を共有結合させて表面修飾することよりなる表面修飾無機酸化物と、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
- 前記無機酸化物が表面に極性基を有する無機酸化物であることを特徴とする、請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記無機酸化物が水酸基を有する微粒子充填剤である、請求項1又は請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記無機酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、及びそれらから選ばれる2種以上の無機酸化物からなる複合無機酸化物からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記シリカがコロイダルシリカである、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記不蝕和多塩基酸が、少なくとも一つの炭素一炭素不飽和結合と、少なくとも二つのカルボキシル基をその分子内に有することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一つの請求項記載記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記不蝕和多塩基酸が、マレイン酸、無水マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はそれらの共重合体からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか一つの請求項記載の熱可塑性樹脂組成物を製造するための方法であって、前記無機酸化物、前記不蝕和多塩基酸及びラジカル開始剤を溶媒中で混合し、それにより得られた混合物を、混練機又は混練押出し機のシリンダ内で前記熱可塑性樹脂と混合することにより前記不飽和多塩基酸と前記熱可塑性樹脂を共重合させる工程よりなる、前記熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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