JP2004182691A - 血管新生抑制剤及びその投与方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】副作用が無く、血管新生抑制効果を増大させる血管新生抑制剤とその効率的な投与方法を提供する。
【解決手段】液体状又はゲル状のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度を0.5mM〜2.5mMとし、直接患部に連続的に投与する。効率的に副作用もなく投与剤を患部に運ぶことができ、血管新生抑制効果を増大させることができる。液体状とすることで、濃度コントロールが容易になり連続的に投与することができる。ゲル状とすることで、濃度コントロールが容易になり投与しやすくなる。
【選択図】 なし
【解決手段】液体状又はゲル状のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度を0.5mM〜2.5mMとし、直接患部に連続的に投与する。効率的に副作用もなく投与剤を患部に運ぶことができ、血管新生抑制効果を増大させることができる。液体状とすることで、濃度コントロールが容易になり連続的に投与することができる。ゲル状とすることで、濃度コントロールが容易になり投与しやすくなる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管新生抑制剤及びその投与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の血管から新たな血管が生じる現象である血管新生は、固形腫瘍の増殖,転移、糖尿病網膜症、炎症疾患など多くの疾患の状態に重要な関与が認められている。なぜなら、これらの疾患は、血管から酸素と栄養の補給を受け増殖を始めるからである。また腫瘍の場合、血管を通じ転移する可能性があるからである。
【0003】
従って、血管新生を抑制することはこのような疾患の治療及び予防に貢献するものと考えられる。このため、これらの疾患に対する予防または治療薬として、血管新生抑制作用を有する物質から成る種々の血管新生抑制剤が開発されている。
【0004】
しかしながら、これらの製剤は酸化されやすく不安定で、製剤中で酸化分解されるため、血管新生の抑制活性が十分でなく、安定性の点で問題があった。また、生体内では活性が消失されやすく、すぐに体外に代謝されるため血管新生を阻害する効果が不十分である問題があった。また、投与方法が経口投与のものは、製剤が胃腸管から全身循環に移行する間に広大な代謝経路が存在するため十分な血管新生抑制の効果を発揮できず、非経口投与の注射剤、坐薬、貼布剤等も患部に製剤が運ばれるまでに効果が低下する上に副作用を有するなど問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−157344号公報
【特許文献2】
特開平06−219943号公報
【特許文献3】
特開平08−291075号公報
【特許文献4】
特開2000−136132号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、副作用がなく、血管新生抑制効果を増大させることのできる血管新生抑制剤とその効率的な投与方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、濃度0.5mM〜2.5mMのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を直接患部に連続的に投与することで、副作用無しで血管新生抑制作用を増大させる効果を有するという事実を得て、本発明を完成した。
【0008】
本発明の請求項1記載の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤である。
【0009】
また、請求項2記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1において、前記アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤である。
【0010】
請求項3記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、ゲル状である血管新生抑制剤である。
【0011】
請求項4記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、液体状である血管新生抑制剤である。
【0012】
請求項5記載の血管新生抑制剤の投与方法は、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を患部に直接投与する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0013】
請求項6記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前期請求項5において、前記血管新生抑制剤の中のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤の投与方法である。
【0014】
請求項7記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、前記血管新生抑制剤は液体状であって、これをチューブを経由して、患部に連続的に直接注入する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0015】
請求項8記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、前記血管新生抑制剤はゲル状であって、これを患部に直接注入する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明にかかる血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る濃度が0.5mM〜2.5mMであることを特徴とするものである。また本発明にかかる該血管新生抑制剤の投与方法は、患部に連続的に直接投与することを特徴とするものである。
【0018】
本発明に用いられるアスコルビン酸誘導体は、例えばアスコルビン酸2リン酸類、アスコルビン酸脂肪酸類等であってもよい。
【0019】
これらのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体は物質としてはすでに公知であって、化粧品原料、飼料原料などに多くの提案がなされている。本発明のアスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類とは、その塩が生理学的に受容される塩を形成していればよく、その塩の例としては無機塩基、有機塩基などから形成する塩をあげることができる。
【0020】
本発明に用いられるアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体は、例えばカリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩等の塩類であってもよい。
【0021】
本発明に用いられる液体は、水溶性剤(例えば蒸留水等)、水溶性製剤(例えば生理食塩水,リンゲル液等)等の溶剤を用いて、一般的な方法によって調製される。この際所望により溶解補助剤(例えばサリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,グリセリン等)、等張化剤(例えばブドウ糖等)、安定剤(例えばヒト血清アルブミン,ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えばベンジルアルコール,フェノール等)等の添加を用いることもできる。所望により薬理学的、製剤学的に許容され得る添加剤(例えば希釈剤,結合剤,着色剤,安定剤,界面活性剤,緩衝剤,香料,保存剤,溶剤など)を混合またはこれらを用いて製剤化したものを使用することもできる。
【0022】
本発明に用いられるゲルは、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものを用いることもできる。
【0023】
本発明の血管新生抑制剤のアスコルビン酸濃度は0.5mM〜2.5mMである。濃度が0.5mM以下であると本発明の血管新生抑制剤の効果を十分に発揮することができず、2.5mM以上であると血管に損傷を与えるなどの副作用を有する。
【0024】
本発明の血管新生抑制剤の対象疾患としては、各種悪性および良性腫瘍、種々の炎症性疾患、種々の自己免疫疾患等に有用である。
【0025】
本発明は、血管新生抑制剤の投与方法を提供するものである。該方法は、液体状である血管新生抑制剤はチューブを経由して患部に連続的に投与する方法である。チューブを経由して患部に直接投与剤を投与するので消化管における経時的分解が無く、失活することなく患部に吸収される。また、チューブでの経由のため連続的に一定濃度を容易に投与することができる。
【0026】
ゲル状である血管新生抑制剤は、患部に直接ゲルを埋め込み又は塗る方法を用いる。直接患部に投与するので、確実に患部に吸収され血管新生抑制効果が向上する。
【0027】
本発明の液体状又はゲル状の投与剤は、あらゆる製剤に用いることができる。
【0028】
以上詳述したとおり、本発明の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤であるので、副作用が無く血管新生を抑制する効果を増大させることができる。特に血管新生抑制剤が液体状、ゲル状であることにより、濃度コントロールが容易にでき血管新生抑制効果が飛躍的に向上する。また、該血管新生剤を用いて患部に直接投与することにより、血管新生を抑制させる効果を有し、副作用が無く、効率的に投与剤を患部へ運ぶことができる。さらに、該血管新生抑制剤が液体状またはゲル状であることにより、濃度コントロールが容易にでき、あらゆる製剤に用いることが可能である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]アスコルビン酸の血管新生抑制作用を細胞実験系で検討した。ウシ大動脈由来内皮細胞(Bovine Aortic Endothelial Cell:BAEC)をI型コラーゲンゲルで重層し、各濃度のアスコルビン酸ナトリウム(AsANa)を加え共に培養し、AsANaに対するBAECの生存率を顕微鏡で観察した。その結果を図1に示した。AsANa濃度を0.5mM以上として培養したとき、BAECの生存率が15%以下であり、血管新生抑制効果のあることが確認された。
【0031】
次に、AsANaの細胞毒性を見るためコントロールとして、正常細胞である牛の繊維芽細胞(Bovine skin Fibroblasts)をBAECと同様に培養し、AsANaに対する牛の繊維芽細胞の生存率を顕微鏡で観察した。その結果、AsANaの濃度を2.5mM以上としたときに、細胞の生存率が10%以下であることが確認された。このことからAsANaの濃度が2.5mM以上では、細胞毒性があることが確認された。
【0032】
本実験から、AsANaの新しい細胞生理機能として血管新生抑制作用のあることが明らかになった。また、細胞に対するアスコルビン酸濃度は0.5mM〜2.5mMが望ましいことがわかった。
【0033】
[実施例2]アスコルビン酸の血管新生抑制効果を調べるため、図2に示したように、十分に成長した20週齢以上のオスのBALA/cAマウスにマトリゲル・プラグ・アッセイ(Matrigel Plug Assey)を行った。分解され易いアスコルビン酸の代わりに、その誘導体で比較的安定性の高いアスコルビン酸ナトリウム(AsANa)を用いた。マトリゲル(450μl)に、全体濃度として、bFGF血管内皮増殖因子が8.2nMとAsANaが10mMとなるように加えたDMEM(50μl)を混ぜ、これらの混合物500μlをマウス背部皮下に注入した。コントロールとしてマトリゲル(450μl)に、全体濃度としてbFGFが8.2nMとなるように加えたDMEM(50μl)を加えたものを用いた。
【0034】
注入より7日後、ゲルを取り出し素早く−80℃にて凍結し固定した。固定後、凍結サンプルをクリオスタットで10μmの厚さに横断面で切片し、サンプル切片を作成した。上記切片をマッソントリクローム法により染色し、ゲル内に侵入した血管内皮細胞の状況を光学顕微鏡で観察した。
【0035】
図3のA(コントロール)は、マトリゲルにbFGFを加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織をマッソン・トリクローム染色にて染色した光学顕微鏡写真を示し、BはマトリゲルにbFGFとAsANaとの複合体を加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織をマッソン・トリクローム染色にて染色した光学顕微鏡写真を示す。
【0036】
その結果、コントロール,サンプルとも、ゲル表面には多くの細胞が張り付き、表面から約100μmの深度までは細胞がある程度侵入している。しかし、表面から約100μm以上の深度でもコントロールでは若干の細胞が侵入しているのに対し、AsANaを10mM含むサンプルではほとんど、侵入していなかった。この結果より、AsANaは血管新生を抑制することが分かった。
【0037】
また、前記凍結サンプル切片をヘマトキシン・エオジン(HE)染色により染色し、ゲル内に侵入した血管内皮細胞の状況を光学顕微鏡で観察した。その結果、表面から約100μm以上の深度でもコントロールでは若干の細胞が侵入しているのに対し、AsANaを10mM含むサンプルではほとんど侵入していない同様の結果がみられた。
【0038】
次に、微小血管密度(MVD)による定量化を行った。注入より7日後、ゲルを取り出しヘマトキシリン・エオシン染色を行い、光学顕微鏡1視野あたりのゲルに侵入した血管内皮細胞の細胞数を計測した。図4に示したグラフは、血管新生抑制剤の抑制効果を微小管密度により定量化した結果である。この時、計測の方法として、1)表面から約100μl以上の深度の細胞のみを計測する、2)1視野あたり侵入細胞が最も多い5視野の細胞数の平均を取る、3)1視野(約0.4512mm)を1mmあたりの細胞数に換算することとした。その結果、AsANaを含有するゲルでは深部まで入り込む細胞数がコントロールに比べて減少していた。このことから、AsANaは血管新生を抑制する効果があることがわかった。
【0039】
本結果より、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えることで血管新生を抑制することが判明した。また、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えることで、腫瘍の維持・増殖・転移を抑制することがわかった。
【0040】
[実施例3]in vivoにおける、アスコルビン酸の血管新生抑制効果を調べるため、図5に示したように、胆癌マウスを用いてマウスの背部皮下法(Dorsal Air Sac)を行った。麻酔下のマウスの背部皮下に予め約10mlの空気を注入して空気嚢を作製した。この空気嚢の中に、ミリポアリングの両面をフィルターで覆い、その中に腫瘍細胞(例えばマウスS−180腫瘍細胞)を満たしたチャンバーを移植した。移植してから1日後、チャンバー移植部に6日間AsANaの投与を続けた。その後、マウスを解剖しチャンバーの移植部位の皮下に新生した血管を実体顕微鏡で観察した。コントロールとしてAsANa無処置したマウスの背部皮下、それに対し、1日当たりのAsANaを各量投与したマウスの背部皮下を用い観察した。腫瘍細胞から誘発された新生血管はジグザグした形態を示し、長さが3mm以上あるので、既存の血管と区別することができる。
【0041】
その結果、コントロールには、腫瘍細胞から誘発された新生血管が多数存在していたのに対し、AsANaを各量投与したマウスの背部皮下には新生血管はほとんど存在していなかった。この新生血管の数を図6に示したように、スコア化することにより、投与した血管新生抑制剤であるAsANaの効果をあらわした。その結果、1日あたりのAsANaの投与量が0.66Mまたは1Mでは、コントロールであるPBS(リン酸緩衝溶液)に比べ新生血管数が減少していることがわかった。特に、1日あたりのAsANaの投与量を1Mとしたマウスの新生血管は劇的に抑制されていた。
【0042】
本結果よりin vivoにおいて、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えると、高い血管新生の抑制作用が起ることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成るので、副作用が無く血管新生を抑制する効果を増大させることができる。
【0044】
また、請求項2記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1においてアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであるので、血管新生抑制効果の向上を図ることができる。
【0045】
請求項3記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、液体状であるので、濃度コントロールが容易になり連続的に投与することができる。
【0046】
請求項4記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、ゲル状であるので、濃度コントロールが容易になり投与しやすくなる。
【0047】
請求項5記載の血管新生抑制剤の投与方法は、血管新生抑制剤の中のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を直接投与するので、血管新生を抑制させる効果を有し、副作用が無く、効率的に投与剤を患部へ運ぶことができる。
【0048】
請求項6記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5においてアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであるので、血管新生抑制効果の向上を図ることができる。
【0049】
請求項7記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、血管新生抑制剤は液体状であって、これをチューブを経由して患部に連続的に直接注入するので、副作用が無く、濃度コントロールが容易にでき、効率的に投与剤を患部に運ぶことができる。
【0050】
さらに、請求項8記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、血管新生抑制剤はゲル状であって、これを患部に直接注入するので、副作用が無く、濃度コントロールが容易にでき、あらゆる製剤に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AsANaの濃度に対するウシ大動脈由来内皮細胞と牛の繊維芽細胞の生存率を示すグラフである。
【図2】マウスにおけるマトリゲル・プラグ・アッセイ(Matrigel Plug Assey)の概略図である。
【図3】本発明に係る血管新生抑制剤の抑制効果を示すマッソン・トリクローム染色の写真(A(コントロール):マトリゲルにbFGFを加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織の光学顕微鏡写真を示すB:マトリゲルにbFGFとAsANaとの複合体を加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織の光学顕微鏡写真を示す)である。
【図4】本発明に係る血管新生抑制剤の抑制効果を微小血管密度により定量化した結果を示すグラフである。
【図5】マウスにおける背部皮下法(Dorsal Air Sac)の概略図である。
【図6】本発明に係る血管新生抑制剤の血管内皮細胞への投与反応を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管新生抑制剤及びその投与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の血管から新たな血管が生じる現象である血管新生は、固形腫瘍の増殖,転移、糖尿病網膜症、炎症疾患など多くの疾患の状態に重要な関与が認められている。なぜなら、これらの疾患は、血管から酸素と栄養の補給を受け増殖を始めるからである。また腫瘍の場合、血管を通じ転移する可能性があるからである。
【0003】
従って、血管新生を抑制することはこのような疾患の治療及び予防に貢献するものと考えられる。このため、これらの疾患に対する予防または治療薬として、血管新生抑制作用を有する物質から成る種々の血管新生抑制剤が開発されている。
【0004】
しかしながら、これらの製剤は酸化されやすく不安定で、製剤中で酸化分解されるため、血管新生の抑制活性が十分でなく、安定性の点で問題があった。また、生体内では活性が消失されやすく、すぐに体外に代謝されるため血管新生を阻害する効果が不十分である問題があった。また、投与方法が経口投与のものは、製剤が胃腸管から全身循環に移行する間に広大な代謝経路が存在するため十分な血管新生抑制の効果を発揮できず、非経口投与の注射剤、坐薬、貼布剤等も患部に製剤が運ばれるまでに効果が低下する上に副作用を有するなど問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−157344号公報
【特許文献2】
特開平06−219943号公報
【特許文献3】
特開平08−291075号公報
【特許文献4】
特開2000−136132号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、副作用がなく、血管新生抑制効果を増大させることのできる血管新生抑制剤とその効率的な投与方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、濃度0.5mM〜2.5mMのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を直接患部に連続的に投与することで、副作用無しで血管新生抑制作用を増大させる効果を有するという事実を得て、本発明を完成した。
【0008】
本発明の請求項1記載の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤である。
【0009】
また、請求項2記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1において、前記アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤である。
【0010】
請求項3記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、ゲル状である血管新生抑制剤である。
【0011】
請求項4記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、液体状である血管新生抑制剤である。
【0012】
請求項5記載の血管新生抑制剤の投与方法は、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を患部に直接投与する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0013】
請求項6記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前期請求項5において、前記血管新生抑制剤の中のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤の投与方法である。
【0014】
請求項7記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、前記血管新生抑制剤は液体状であって、これをチューブを経由して、患部に連続的に直接注入する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0015】
請求項8記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、前記血管新生抑制剤はゲル状であって、これを患部に直接注入する血管新生抑制剤の投与方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明にかかる血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る濃度が0.5mM〜2.5mMであることを特徴とするものである。また本発明にかかる該血管新生抑制剤の投与方法は、患部に連続的に直接投与することを特徴とするものである。
【0018】
本発明に用いられるアスコルビン酸誘導体は、例えばアスコルビン酸2リン酸類、アスコルビン酸脂肪酸類等であってもよい。
【0019】
これらのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体は物質としてはすでに公知であって、化粧品原料、飼料原料などに多くの提案がなされている。本発明のアスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類とは、その塩が生理学的に受容される塩を形成していればよく、その塩の例としては無機塩基、有機塩基などから形成する塩をあげることができる。
【0020】
本発明に用いられるアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体は、例えばカリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩等の塩類であってもよい。
【0021】
本発明に用いられる液体は、水溶性剤(例えば蒸留水等)、水溶性製剤(例えば生理食塩水,リンゲル液等)等の溶剤を用いて、一般的な方法によって調製される。この際所望により溶解補助剤(例えばサリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,グリセリン等)、等張化剤(例えばブドウ糖等)、安定剤(例えばヒト血清アルブミン,ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えばベンジルアルコール,フェノール等)等の添加を用いることもできる。所望により薬理学的、製剤学的に許容され得る添加剤(例えば希釈剤,結合剤,着色剤,安定剤,界面活性剤,緩衝剤,香料,保存剤,溶剤など)を混合またはこれらを用いて製剤化したものを使用することもできる。
【0022】
本発明に用いられるゲルは、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものを用いることもできる。
【0023】
本発明の血管新生抑制剤のアスコルビン酸濃度は0.5mM〜2.5mMである。濃度が0.5mM以下であると本発明の血管新生抑制剤の効果を十分に発揮することができず、2.5mM以上であると血管に損傷を与えるなどの副作用を有する。
【0024】
本発明の血管新生抑制剤の対象疾患としては、各種悪性および良性腫瘍、種々の炎症性疾患、種々の自己免疫疾患等に有用である。
【0025】
本発明は、血管新生抑制剤の投与方法を提供するものである。該方法は、液体状である血管新生抑制剤はチューブを経由して患部に連続的に投与する方法である。チューブを経由して患部に直接投与剤を投与するので消化管における経時的分解が無く、失活することなく患部に吸収される。また、チューブでの経由のため連続的に一定濃度を容易に投与することができる。
【0026】
ゲル状である血管新生抑制剤は、患部に直接ゲルを埋め込み又は塗る方法を用いる。直接患部に投与するので、確実に患部に吸収され血管新生抑制効果が向上する。
【0027】
本発明の液体状又はゲル状の投与剤は、あらゆる製剤に用いることができる。
【0028】
以上詳述したとおり、本発明の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMである血管新生抑制剤であるので、副作用が無く血管新生を抑制する効果を増大させることができる。特に血管新生抑制剤が液体状、ゲル状であることにより、濃度コントロールが容易にでき血管新生抑制効果が飛躍的に向上する。また、該血管新生剤を用いて患部に直接投与することにより、血管新生を抑制させる効果を有し、副作用が無く、効率的に投与剤を患部へ運ぶことができる。さらに、該血管新生抑制剤が液体状またはゲル状であることにより、濃度コントロールが容易にでき、あらゆる製剤に用いることが可能である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]アスコルビン酸の血管新生抑制作用を細胞実験系で検討した。ウシ大動脈由来内皮細胞(Bovine Aortic Endothelial Cell:BAEC)をI型コラーゲンゲルで重層し、各濃度のアスコルビン酸ナトリウム(AsANa)を加え共に培養し、AsANaに対するBAECの生存率を顕微鏡で観察した。その結果を図1に示した。AsANa濃度を0.5mM以上として培養したとき、BAECの生存率が15%以下であり、血管新生抑制効果のあることが確認された。
【0031】
次に、AsANaの細胞毒性を見るためコントロールとして、正常細胞である牛の繊維芽細胞(Bovine skin Fibroblasts)をBAECと同様に培養し、AsANaに対する牛の繊維芽細胞の生存率を顕微鏡で観察した。その結果、AsANaの濃度を2.5mM以上としたときに、細胞の生存率が10%以下であることが確認された。このことからAsANaの濃度が2.5mM以上では、細胞毒性があることが確認された。
【0032】
本実験から、AsANaの新しい細胞生理機能として血管新生抑制作用のあることが明らかになった。また、細胞に対するアスコルビン酸濃度は0.5mM〜2.5mMが望ましいことがわかった。
【0033】
[実施例2]アスコルビン酸の血管新生抑制効果を調べるため、図2に示したように、十分に成長した20週齢以上のオスのBALA/cAマウスにマトリゲル・プラグ・アッセイ(Matrigel Plug Assey)を行った。分解され易いアスコルビン酸の代わりに、その誘導体で比較的安定性の高いアスコルビン酸ナトリウム(AsANa)を用いた。マトリゲル(450μl)に、全体濃度として、bFGF血管内皮増殖因子が8.2nMとAsANaが10mMとなるように加えたDMEM(50μl)を混ぜ、これらの混合物500μlをマウス背部皮下に注入した。コントロールとしてマトリゲル(450μl)に、全体濃度としてbFGFが8.2nMとなるように加えたDMEM(50μl)を加えたものを用いた。
【0034】
注入より7日後、ゲルを取り出し素早く−80℃にて凍結し固定した。固定後、凍結サンプルをクリオスタットで10μmの厚さに横断面で切片し、サンプル切片を作成した。上記切片をマッソントリクローム法により染色し、ゲル内に侵入した血管内皮細胞の状況を光学顕微鏡で観察した。
【0035】
図3のA(コントロール)は、マトリゲルにbFGFを加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織をマッソン・トリクローム染色にて染色した光学顕微鏡写真を示し、BはマトリゲルにbFGFとAsANaとの複合体を加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織をマッソン・トリクローム染色にて染色した光学顕微鏡写真を示す。
【0036】
その結果、コントロール,サンプルとも、ゲル表面には多くの細胞が張り付き、表面から約100μmの深度までは細胞がある程度侵入している。しかし、表面から約100μm以上の深度でもコントロールでは若干の細胞が侵入しているのに対し、AsANaを10mM含むサンプルではほとんど、侵入していなかった。この結果より、AsANaは血管新生を抑制することが分かった。
【0037】
また、前記凍結サンプル切片をヘマトキシン・エオジン(HE)染色により染色し、ゲル内に侵入した血管内皮細胞の状況を光学顕微鏡で観察した。その結果、表面から約100μm以上の深度でもコントロールでは若干の細胞が侵入しているのに対し、AsANaを10mM含むサンプルではほとんど侵入していない同様の結果がみられた。
【0038】
次に、微小血管密度(MVD)による定量化を行った。注入より7日後、ゲルを取り出しヘマトキシリン・エオシン染色を行い、光学顕微鏡1視野あたりのゲルに侵入した血管内皮細胞の細胞数を計測した。図4に示したグラフは、血管新生抑制剤の抑制効果を微小管密度により定量化した結果である。この時、計測の方法として、1)表面から約100μl以上の深度の細胞のみを計測する、2)1視野あたり侵入細胞が最も多い5視野の細胞数の平均を取る、3)1視野(約0.4512mm)を1mmあたりの細胞数に換算することとした。その結果、AsANaを含有するゲルでは深部まで入り込む細胞数がコントロールに比べて減少していた。このことから、AsANaは血管新生を抑制する効果があることがわかった。
【0039】
本結果より、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えることで血管新生を抑制することが判明した。また、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えることで、腫瘍の維持・増殖・転移を抑制することがわかった。
【0040】
[実施例3]in vivoにおける、アスコルビン酸の血管新生抑制効果を調べるため、図5に示したように、胆癌マウスを用いてマウスの背部皮下法(Dorsal Air Sac)を行った。麻酔下のマウスの背部皮下に予め約10mlの空気を注入して空気嚢を作製した。この空気嚢の中に、ミリポアリングの両面をフィルターで覆い、その中に腫瘍細胞(例えばマウスS−180腫瘍細胞)を満たしたチャンバーを移植した。移植してから1日後、チャンバー移植部に6日間AsANaの投与を続けた。その後、マウスを解剖しチャンバーの移植部位の皮下に新生した血管を実体顕微鏡で観察した。コントロールとしてAsANa無処置したマウスの背部皮下、それに対し、1日当たりのAsANaを各量投与したマウスの背部皮下を用い観察した。腫瘍細胞から誘発された新生血管はジグザグした形態を示し、長さが3mm以上あるので、既存の血管と区別することができる。
【0041】
その結果、コントロールには、腫瘍細胞から誘発された新生血管が多数存在していたのに対し、AsANaを各量投与したマウスの背部皮下には新生血管はほとんど存在していなかった。この新生血管の数を図6に示したように、スコア化することにより、投与した血管新生抑制剤であるAsANaの効果をあらわした。その結果、1日あたりのAsANaの投与量が0.66Mまたは1Mでは、コントロールであるPBS(リン酸緩衝溶液)に比べ新生血管数が減少していることがわかった。特に、1日あたりのAsANaの投与量を1Mとしたマウスの新生血管は劇的に抑制されていた。
【0042】
本結果よりin vivoにおいて、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類を加えると、高い血管新生の抑制作用が起ることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1の血管新生抑制剤は、患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成るので、副作用が無く血管新生を抑制する効果を増大させることができる。
【0044】
また、請求項2記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1においてアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであるので、血管新生抑制効果の向上を図ることができる。
【0045】
請求項3記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、液体状であるので、濃度コントロールが容易になり連続的に投与することができる。
【0046】
請求項4記載の血管新生抑制剤は、前記請求項1又は2において、ゲル状であるので、濃度コントロールが容易になり投与しやすくなる。
【0047】
請求項5記載の血管新生抑制剤の投与方法は、血管新生抑制剤の中のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を直接投与するので、血管新生を抑制させる効果を有し、副作用が無く、効率的に投与剤を患部へ運ぶことができる。
【0048】
請求項6記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5においてアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであるので、血管新生抑制効果の向上を図ることができる。
【0049】
請求項7記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、血管新生抑制剤は液体状であって、これをチューブを経由して患部に連続的に直接注入するので、副作用が無く、濃度コントロールが容易にでき、効率的に投与剤を患部に運ぶことができる。
【0050】
さらに、請求項8記載の血管新生抑制剤の投与方法は、前記請求項5又は6において、血管新生抑制剤はゲル状であって、これを患部に直接注入するので、副作用が無く、濃度コントロールが容易にでき、あらゆる製剤に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AsANaの濃度に対するウシ大動脈由来内皮細胞と牛の繊維芽細胞の生存率を示すグラフである。
【図2】マウスにおけるマトリゲル・プラグ・アッセイ(Matrigel Plug Assey)の概略図である。
【図3】本発明に係る血管新生抑制剤の抑制効果を示すマッソン・トリクローム染色の写真(A(コントロール):マトリゲルにbFGFを加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織の光学顕微鏡写真を示すB:マトリゲルにbFGFとAsANaとの複合体を加えたものをマウス背部皮下に注入した7日後の断面組織の光学顕微鏡写真を示す)である。
【図4】本発明に係る血管新生抑制剤の抑制効果を微小血管密度により定量化した結果を示すグラフである。
【図5】マウスにおける背部皮下法(Dorsal Air Sac)の概略図である。
【図6】本発明に係る血管新生抑制剤の血管内皮細胞への投与反応を示すグラフである。
Claims (8)
- 患部に直接投与するためのアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤。
- 前記アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであることを特徴とする請求項1記載の血管新生抑制剤。
- 液体状であることを特徴とする請求項1又は2記載の血管新生抑制剤。
- ゲル状であることを特徴とする請求項1又は2記載の血管新生抑制剤。
- アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類から成る血管新生抑制剤を患部に直接投与することを特徴とする血管新生抑制剤の投与方法。
- 前記血管新生抑制剤の中のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、あるいはそれらの塩類の濃度が0.5mM〜2.5mMであることを特徴とする請求項5記載の血管新生抑制剤の投与方法。
- 前記血管新生抑制剤は液体状であって、これをチューブを経由して、患部に連続的に直接注入することを特徴とする請求項5又は6記載の血管新生抑制剤の投与方法。
- 前記血管新生抑制剤はゲル状であって、これを患部に直接注入することを特徴とする請求項5又は6記載の血管新生抑制剤の投与方法。
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