JP2004182461A - エスカレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができるエスカレータを提供する。
【解決手段】無端ベルト形状の移動手摺11がエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動され、この移動手摺11の内周面が摺接するガイド部材17により移動手摺11の回動移動が案内され、移動手摺11の外周面に当接する変位部材23が移動手摺11の内周面との摺接に伴うガイド部材17の摩滅量に応じて変位され、その変位部材23の変位を目盛り28で確認することによってガイド部材17の摩滅量若しくはガイド部材17の交換時期に対応した所定摩滅値を認識することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】無端ベルト形状の移動手摺11がエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動され、この移動手摺11の内周面が摺接するガイド部材17により移動手摺11の回動移動が案内され、移動手摺11の外周面に当接する変位部材23が移動手摺11の内周面との摺接に伴うガイド部材17の摩滅量に応じて変位され、その変位部材23の変位を目盛り28で確認することによってガイド部材17の摩滅量若しくはガイド部材17の交換時期に対応した所定摩滅値を認識することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上階から下階方向、下階から上階方向、或いは、水平方向に乗客を案内搬送するエスカレータ(乗客コンベア)に関し、特に、エスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する無端ベルト形状の移動手摺と、この移動手摺の内周面が摺接することによって移動手摺の回動移動を案内するガイド部材とを備えたエスカレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗客コンベアとも称されるエスカレータには、無端状に配列され且つ所定方向に回動移動される複数のステップと、このステップの回動移動に同期して回動移動する移動手摺とを備えていることが周知である。
【0003】
この移動手摺は、ステップの回動移動に伴う乗客搬送範囲よりも始端側並びに終端側のそれぞれが延長された長い範囲で折り返すようにな回動移動軌跡を形成しており、その軌跡上の上方側が乗客搬送方向と同方向の往動側、その軌跡上の下方側が乗客搬送方向と逆方向の復動側となっていることも周知である。
【0004】
また、このような移動手摺は、弾性変形可能なゴム製等のものが使用されており、上述した回動移動軌跡を形成するための直線又は曲線(半円弧)状のレールやプーリ等の駆動装置を兼ねたガイド部材に案内されている。
【0005】
この際、ガイド部材の一部に移動手摺の一部が摺接することによって移動手摺はガイド部材から脱落することなく案内されると共に移動手摺の上下左右の位置合わせが行われる。
【0006】
ところで、上述したようにガイド部材の一部に移動手摺の一部が摺接すると、一般にはガイド部材の摺接部分に経年的な摩滅が発生する。
【0007】
これは、移動手摺が摩滅した場合、移動手摺の全体強度が低下し、高価でしかも煩雑な作業を強いられる移動手摺全体の交換を頻繁に行わなければならないため、安価でしかも摩滅が発生し易い部位等の部分的な簡易作業を可能とするガイドレール側を交換するほうが好ましいことに起因する。
【0008】
この際、ガイドレールの摩滅が発生し易い部分とは、移動手摺の重量が負荷となる復動側で、しかも、移動方向に沿いつつ屈曲した折り返し部分や緊張維持のための屈曲部分等を意味する。
【0009】
一方、このような特にガイド部材の摩滅が発生し易い部分の摩滅量を監視することでガイド部材の交換時期を認識可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
図6は、このようなガイド部材の交換時期を認識させるエスカレータの一例を示し、(A)は移動手摺を回動移動させる駆動装置の概念図、(B)は摩滅検出部の説明図である。
【0011】
図6において、1は移動手摺、2は移動手摺1を所定方向に回動移動させるエスカレータ駆動部の一部を構成するプーリ状のガイド部材、3はガイド部材2の摩滅量を自動検出する摩滅検出部である。
【0012】
ガイド部材2は、図6(B)に示すように、エスカレータのステップを駆動する電動機からチェーン等を介してステップ移動速度と略同一速度で回転駆動する駆動シーブ4と、この駆動シーブ4の周囲に巻回された摩擦ゴム5と、この摩擦ゴム5を駆動シーブ4に固定するために複数箇所に設けられたネジ6とを備えている。
【0013】
このネジ6は、摩擦ゴム5に形成された凹部5aに埋没しており、ネジ6を駆動シーブ4にねじ込んだ時に、ネジ6が摩擦ゴム5の表面に露出して、移動手摺1の内周面を破損したり削ったりしないように配慮されている。
【0014】
そして、上記の構成のように、移動手摺1を駆動させる駆動部材を兼用したガイド部材2においても、摩擦力を利用して移動手摺1を駆動することにより、移動手摺1に所定値以上に付加が掛かった場合に、移動手摺1のみがスリップするように構成され、移動手摺1の駆動を停止(若しくは速度遅延)できるようになっていることから、結果的に摺接していることとなる。
【0015】
一方、摩滅検出部3は、摩擦ゴム5の外周面に先端面が摺接する導電性の検出ヘッド7と、この検出ヘッド7の先端面が弾接するように摩擦ゴム5の外周面に所定圧力で押し付けるスプリング8と、検出ヘッド7を接続した電源内蔵の制御部9とを備えている。
【0016】
上記の構成においては、摩擦ゴム5が移動手摺1との摩擦により摩滅し、ネジ6の頭部と摩擦ゴム5の表面との距離が所定値以下になった時、具体的には、摩擦ゴム5の摩滅により導電性のネジ6に検出ヘッド7が接触した場合に、検出ヘッド7が接続された制御部9によって導通状態が検出され、摩擦ゴム5が所定量まで摩滅したことが検出される。
【0017】
具体的には、駆動シーブ4を金属製とすることで電気的に接地状態にあり、この駆動シーブ4に先端ネジ部が螺合するネジ6も金属製とすることで接地状態にある。また、制御部9に含まれる電源も一端が接地されている。
【0018】
従って、ネジ6と検出ヘッド7とが接触することにより接地回路が閉じられ、その状態を制御部9が検出することにより摩擦ゴム5が所定量まで摩滅したことが検出される。
【0019】
さらに、接地回路が閉じたことを制御部9が検出すると、制御部9は外部に対して、摩擦ゴム5の摩滅及び交換時期等に関する情報の出力を行う。例えば、エスカレータ制御盤に『摩擦ゴム点検』等の警告灯を点灯させたり、電話回線等を利用して、エスカレータの運行状態を遠隔で監視している管理センター等に、摩滅警報等を出力する。
【0020】
尚、移動手摺1と摩擦ゴム5とは、上述したような明らかなスリップが存在しない場合でも駆動シーブ4の回転速度と移動手摺1の実際の移動速度との微妙な差等に伴う長時間の摩擦力駆動(結果的に摺接状態となる)により、接触面に摩滅が生じる。
【0021】
この時、部品の価格や交換性を考慮すると、摩擦ゴム5側に摩滅を生じさせ、移動手摺1側は、状態を維持するように構成することが望ましい。このことは、移動手摺1の材質に対して摩擦ゴム5の材質を柔らかいものにすることにより実現することができる。
【0022】
同様に、ガイド部材2をガイドレールとした場合であっても、材質の関係は同様であり、例えば、ガイドレールとしてナイロン等が使用される。
【0023】
【特許文献1】
特開2001−302164号公報(段落番号0019−0024、図1)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成されたエスカレータにあっては、ガイド部材2の摩滅を電気的に監視しているため、電源内蔵の高価な制御部9を必要とするうえ、電気を使用する関係上、保守費用が増大するといった問題が生じていた。
【0025】
また、電気的な接地を成立させ難いガイドレール等のガイド部材には不向きであることから、移動手摺1の離間した複数箇所に設けることは困難であるといった問題も生じていた。
【0026】
さらに、その摩滅量を検出する検出ヘッド7がスプリング8の付勢により弾接状態で摺接していることから、摩擦ゴム5の検出ヘッド7との摺接部分にも摩滅が発生して早期検出を招く上、検出ヘッド7の早期劣化、検出ヘッド7の摺接に伴う摩擦によって発生する静電気による誤検知などの不具合も懸念される。
【0027】
本発明は、上記問題を解決するため、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができるエスカレータを提供することを目的とする。
【0028】
また、移動手摺とガイド部材との摺接部分の摩滅検出のために摩滅促進させることを防止することができるエスカレータを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明のエスカレータは、エスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する無端ベルト形状の移動手摺と、該移動手摺の内周面が摺接することによって前記移動手摺の回動移動を案内するガイド部材とを備えたエスカレータにおいて、前記移動手摺の外周面に当接し且つ前記内周面との摺接に伴う前記ガイド部材の摩滅量に応じて変位可能な変位部材と、該変位部材に設けられて摩滅量若しくは前記ガイド部材の交換時期に対応した所定摩滅値を認識させる目盛りとを備えていることを特徴とする。
【0030】
このような構成においては、無端ベルト形状の移動手摺がエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動され、この移動手摺の内周面が摺接するガイド部材により移動手摺の回動移動が案内され、移動手摺の外周面に当接する変位部材が移動手摺の内周面との摺接に伴うガイド部材の摩滅量に応じて変位され、その変位部材の変位を目盛りで確認することによってガイド部材の摩滅量若しくはガイド部材の交換時期に対応した所定摩滅値を認識することができる。
【0031】
また、本発明のエスカレータは、常時は前記移動手摺の外周面との当接初期位置で前記変位部材を停止させるストッパを備えていることを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明のエスカレータは、前記ストッパは、常時は前記ガイド部材の摩滅に伴う変位方向と離反する方向に前記変位部材を付勢するスプリングであることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のエスカレータの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1(A)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生前の要部の断面図、図1(B)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生状態の要部の断面図、図2(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、図2(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図、図3は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の分解図、図4(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、図4(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図、図5はエスカレータの側面図である。
【0035】
図5において、上下階昇降式のエスカレータ10は、所定方向(例えば、図示左方の下階から図示右方の上階へと乗客を搬送する場合には時計回り方向)に図示を略するエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する移動手摺11と、この移動手摺11の傾斜角度に沿うスカートガード12と、スカートガード12の下方に位置して移動手摺11の復動部分や図示を略するステップの復動部分、さらにはエスカレータ駆動部等を覆う側板13とを備えている。
【0036】
尚、移動手摺11を回動移動させるエスカレータ駆動部は、従来技術で説明したガイド部材兼用のプーリ方式や、移動手摺11の復動部分(図5の破線部分)の表裏に当接する複数のプーリ方式やベルト方式等、周知の構成のものが採用されている。
【0037】
一方、移動手摺11は、図1(A)に示すように、手摺フレーム14にボルト15及びナット16等の固定部材を介して固定されたガイド部材17に摺接案内される。
【0038】
尚、手摺フレーム14は、側板13やこの側板13を固定するトラス(図示せず)に固定されている。
【0039】
ガイド部材17は、移動手摺11の材質、エスカレータの傾斜角度、乗客搬送距離等に応じて設計された回動移動軌跡の一部を形成しており、移動手摺11の材質よりも耐摩耗性の低い材質(例えば、ナイロン等の樹脂)により形成されている。また、ガイド部材17は、移動手摺11の幅方向両端の内周面と摺接するように鍔部17aが形成されている。
【0040】
一方、手摺フレーム14には、ガイド部材17の移動手摺11との摺接に伴う摩滅量を測定するための摩滅量測定部材20が設けられている。
【0041】
摩滅量測定部材20は、図1乃至図3に示すように、手摺フレーム14に保持されると共に下端にフランジ21aを形成した略円筒形状の下部カラー21と、手摺フレーム14に切り起し等のプレス加工により形成(溶接或いはネジ固定の別部材でも良い)された保持部14aに保持されると共に上端にフランジ22aを形成した略円筒形状の上部カラー22と、各カラー21,22を貫通するシャフト状の変位部材23と、変位部材23の中間付近に形成された凹部23a(図4にのみ図示)に嵌合するEリング(又はCリング)24と、変位部材23が貫通した状態でEリング24と下部カラー21との間に位置するバネ受け座金25と、このバネ受け座金25と手摺フレーム14の上面との間に位置して両者に弾接するコイルスプリング26とを備えている。
【0042】
変位部材23は、下部カラー21側に位置する下端にドーム形状等の頭部27が設けられている。また、変位部材23は、上部カラー22側に位置する上端寄りに目盛り28が設けられている。
【0043】
コイルスプリング26は、常時は変位部材23を図示上方、すなわち、頭部27がフランジ21aに当接している状態を維持することで、頭部27が移動手摺11の外周面に当接するように付勢ガイド部材17の摩滅方向と離反する方向に付勢設定されている。
【0044】
したがって、頭部27は、移動手摺11の設置初期並びにガイド部材17の交換初期(即ち、摩滅発生前)において移動手摺11の外周面と摺接し、その位置を当接初期位置としてその位置を維持しており、移動手摺11をガイド部材17に向けて加圧しないように設定されている。
【0045】
これにより、移動手摺11がガイド部材17に摺接案内されている際、移動手摺11を必要以上にガイド部材17側に押さえつけることがなく、移動手摺11によるガイド部材17の摩滅を促進させることが防止されている。
【0046】
尚、下部カラー21の外周面に雄ネジ加工を施すと共に、手摺フレーム14のカラー貫通穴内周面に雌ネジ加工を施すことによって手摺フレーム14に対する下部カラー21の相対位置(矢印イで示す上下方向)、即ち、手摺フレーム14とバネ受け座金25との高さHを調節可能とすることができ、これによって頭部27のフランジ21aとの当接高さが調節されると同時に、頭部27と移動手摺11の外周面との摺接位置(高さ)を調節することが可能となる。
【0047】
また、この摩滅量測定部材20は、図5のA−A線で示す断面部位付近(ガイド部材17の摩滅量が著しい最大負荷部分である上階R屈曲部分)、一転鎖線の円Bで囲む直線部分、円Cで囲むテンション維持用の屈曲部分、円Dで囲む下階R屈曲部分等、任意の複数箇所への設置が可能であるが、図示上では同一で表されるため、以下、図5のA−A線で示す断面部位付近に設置されたものとして説明する。
【0048】
上記の構成において、移動手摺11の回動移動に伴い、ガイド部材17の鍔部17aと移動手摺11の内周面との摺接による案内並びに移動手摺11の上下左右方向の位置決めがなされると共に、図1(B)に示すように、経年的な摩滅がガイド部材17の鍔部17aに発生する。
【0049】
この摩滅は、鍔部17aの強度を低下させることから、所定の摩滅量に達した時点でガイド部材17の交換(ガイド部材17の材質や鍔部17aの残存肉厚による強度により交換時期は異なる)を行うことが好ましい。
【0050】
そこで、エスカレータ10の定期検査時や過去の蓄積データ等に基づく所定経年期間経過後(稼動時間等でも良い)において、コイルスプリング26の付勢に抗して変位部材23の上端を押し下げ、頭部27が移動手摺11の外周面に当接するまでの変位量pを目盛り28で読み取ることで鍔部17aの摩滅量Pを測定することができ、実際の摩滅量Pを認識することができる。
【0051】
そして、摩滅量Pが所定値以上に摩滅しているとの認識となった場合には、ガイド部材17を交換する。
【0052】
したがって、従来技術で説明した電源内蔵の高価な制御部9を不用とし得て、しかも、摩滅検知のために電気を消費することがないことから、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所(円B,C,D)への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができる。
【0053】
尚、目盛り28は、図示例では寸法線(例えば、1mm単位)が設けられているが、鍔部17aの摩滅が所定値以上に達していることが認識できれば良いことから、その所定値付近に線若しくはその部位から上方全体の色を赤くするなどを目盛りとして鍔部17aが交換付近(所定摩滅値)にまで摩滅していることを認識させても良い。
【0054】
また、図5の円Bで囲む直線部分は、ガイド部材17の移動手摺11との摺接に伴う摩滅量が僅かな最小負荷部分となるため、後述する摩滅量の測定に際し、この最小負荷部分のガイド部材17の摩滅量と他の部位との摩滅量とを比較してその差からガイド部材17の交換時期を判断することも可能である。
【0055】
ところで、上記実施の形態では、頭部27の当接初期位置を維持する手段としてコイルスプリング26を用いたが、例えば、各カラー21,22の少なくとも一方の内周面に摩擦抵抗の高いゴム等のストッパ(円筒状、リング状、吹き付け等)を設け、このストッパにより変位部材23を保持するようにしても良い。
【0056】
この際、所定の摩滅量に達する前に変位部材23を押し下げて、頭部27を一旦移動手摺11の外周面に当接させたとしても、更なる使用によって摩滅が発生することから、変位部材23を当接初期位置にまで押し上げる必要は無いうえ、一旦押し下げた状態での測定のためのガイド部材17への摩滅を促進させることも無い。
【0057】
また、図4に示すように、頭部27を廃止して変位部材23の先端を先細りとすると共に、コイルスプリング26の付勢によりバネ受け座金25を上部カラー22の下端に弾接させることで頭部17の当接初期位置を維持するように構成することも可能である。
【0058】
また、この場合においては、上部カラー22の外周面に雄ネジ加工を施すと共に、保持部14aのカラー貫通穴内周面に雌ネジ加工を施すことによって保持部14aに対する上部カラー22の相対位置(矢印ロで示す上下方向)、即ち、手摺フレーム14とバネ受け座金25との高さHを調節可能とすることができ、これによって変位部材23の先端と移動手摺11の外周面との摺接位置(高さ)を調節することが可能となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明のエスカレータにあっては、以上説明したように構成したことにより、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができる。
【0060】
また、移動手摺とガイド部材との摺接部分の摩滅検出のためにガイド部材を摩滅促進させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生前における図5のA−A線に沿う部位の断面図、(B)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生状態における図5のA−A線に沿う部位の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の分解図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図である。
【図5】エスカレータの側面図である。
【図6】従来のエスカレータを示し、(A)はガイド部材の交換時期を認識させるエスカレータの一例としての移動手摺を回動移動させる駆動装置の概念図、(B)は摩滅検出部の説明図である。
【符号の説明】
10 エスカレータ、11 移動手摺、17 ガイド部材、20 摩滅量測定部材、23 変位部材、26 コイルスプリング、28 目盛り。
【発明の属する技術分野】
本発明は、上階から下階方向、下階から上階方向、或いは、水平方向に乗客を案内搬送するエスカレータ(乗客コンベア)に関し、特に、エスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する無端ベルト形状の移動手摺と、この移動手摺の内周面が摺接することによって移動手摺の回動移動を案内するガイド部材とを備えたエスカレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗客コンベアとも称されるエスカレータには、無端状に配列され且つ所定方向に回動移動される複数のステップと、このステップの回動移動に同期して回動移動する移動手摺とを備えていることが周知である。
【0003】
この移動手摺は、ステップの回動移動に伴う乗客搬送範囲よりも始端側並びに終端側のそれぞれが延長された長い範囲で折り返すようにな回動移動軌跡を形成しており、その軌跡上の上方側が乗客搬送方向と同方向の往動側、その軌跡上の下方側が乗客搬送方向と逆方向の復動側となっていることも周知である。
【0004】
また、このような移動手摺は、弾性変形可能なゴム製等のものが使用されており、上述した回動移動軌跡を形成するための直線又は曲線(半円弧)状のレールやプーリ等の駆動装置を兼ねたガイド部材に案内されている。
【0005】
この際、ガイド部材の一部に移動手摺の一部が摺接することによって移動手摺はガイド部材から脱落することなく案内されると共に移動手摺の上下左右の位置合わせが行われる。
【0006】
ところで、上述したようにガイド部材の一部に移動手摺の一部が摺接すると、一般にはガイド部材の摺接部分に経年的な摩滅が発生する。
【0007】
これは、移動手摺が摩滅した場合、移動手摺の全体強度が低下し、高価でしかも煩雑な作業を強いられる移動手摺全体の交換を頻繁に行わなければならないため、安価でしかも摩滅が発生し易い部位等の部分的な簡易作業を可能とするガイドレール側を交換するほうが好ましいことに起因する。
【0008】
この際、ガイドレールの摩滅が発生し易い部分とは、移動手摺の重量が負荷となる復動側で、しかも、移動方向に沿いつつ屈曲した折り返し部分や緊張維持のための屈曲部分等を意味する。
【0009】
一方、このような特にガイド部材の摩滅が発生し易い部分の摩滅量を監視することでガイド部材の交換時期を認識可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
図6は、このようなガイド部材の交換時期を認識させるエスカレータの一例を示し、(A)は移動手摺を回動移動させる駆動装置の概念図、(B)は摩滅検出部の説明図である。
【0011】
図6において、1は移動手摺、2は移動手摺1を所定方向に回動移動させるエスカレータ駆動部の一部を構成するプーリ状のガイド部材、3はガイド部材2の摩滅量を自動検出する摩滅検出部である。
【0012】
ガイド部材2は、図6(B)に示すように、エスカレータのステップを駆動する電動機からチェーン等を介してステップ移動速度と略同一速度で回転駆動する駆動シーブ4と、この駆動シーブ4の周囲に巻回された摩擦ゴム5と、この摩擦ゴム5を駆動シーブ4に固定するために複数箇所に設けられたネジ6とを備えている。
【0013】
このネジ6は、摩擦ゴム5に形成された凹部5aに埋没しており、ネジ6を駆動シーブ4にねじ込んだ時に、ネジ6が摩擦ゴム5の表面に露出して、移動手摺1の内周面を破損したり削ったりしないように配慮されている。
【0014】
そして、上記の構成のように、移動手摺1を駆動させる駆動部材を兼用したガイド部材2においても、摩擦力を利用して移動手摺1を駆動することにより、移動手摺1に所定値以上に付加が掛かった場合に、移動手摺1のみがスリップするように構成され、移動手摺1の駆動を停止(若しくは速度遅延)できるようになっていることから、結果的に摺接していることとなる。
【0015】
一方、摩滅検出部3は、摩擦ゴム5の外周面に先端面が摺接する導電性の検出ヘッド7と、この検出ヘッド7の先端面が弾接するように摩擦ゴム5の外周面に所定圧力で押し付けるスプリング8と、検出ヘッド7を接続した電源内蔵の制御部9とを備えている。
【0016】
上記の構成においては、摩擦ゴム5が移動手摺1との摩擦により摩滅し、ネジ6の頭部と摩擦ゴム5の表面との距離が所定値以下になった時、具体的には、摩擦ゴム5の摩滅により導電性のネジ6に検出ヘッド7が接触した場合に、検出ヘッド7が接続された制御部9によって導通状態が検出され、摩擦ゴム5が所定量まで摩滅したことが検出される。
【0017】
具体的には、駆動シーブ4を金属製とすることで電気的に接地状態にあり、この駆動シーブ4に先端ネジ部が螺合するネジ6も金属製とすることで接地状態にある。また、制御部9に含まれる電源も一端が接地されている。
【0018】
従って、ネジ6と検出ヘッド7とが接触することにより接地回路が閉じられ、その状態を制御部9が検出することにより摩擦ゴム5が所定量まで摩滅したことが検出される。
【0019】
さらに、接地回路が閉じたことを制御部9が検出すると、制御部9は外部に対して、摩擦ゴム5の摩滅及び交換時期等に関する情報の出力を行う。例えば、エスカレータ制御盤に『摩擦ゴム点検』等の警告灯を点灯させたり、電話回線等を利用して、エスカレータの運行状態を遠隔で監視している管理センター等に、摩滅警報等を出力する。
【0020】
尚、移動手摺1と摩擦ゴム5とは、上述したような明らかなスリップが存在しない場合でも駆動シーブ4の回転速度と移動手摺1の実際の移動速度との微妙な差等に伴う長時間の摩擦力駆動(結果的に摺接状態となる)により、接触面に摩滅が生じる。
【0021】
この時、部品の価格や交換性を考慮すると、摩擦ゴム5側に摩滅を生じさせ、移動手摺1側は、状態を維持するように構成することが望ましい。このことは、移動手摺1の材質に対して摩擦ゴム5の材質を柔らかいものにすることにより実現することができる。
【0022】
同様に、ガイド部材2をガイドレールとした場合であっても、材質の関係は同様であり、例えば、ガイドレールとしてナイロン等が使用される。
【0023】
【特許文献1】
特開2001−302164号公報(段落番号0019−0024、図1)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成されたエスカレータにあっては、ガイド部材2の摩滅を電気的に監視しているため、電源内蔵の高価な制御部9を必要とするうえ、電気を使用する関係上、保守費用が増大するといった問題が生じていた。
【0025】
また、電気的な接地を成立させ難いガイドレール等のガイド部材には不向きであることから、移動手摺1の離間した複数箇所に設けることは困難であるといった問題も生じていた。
【0026】
さらに、その摩滅量を検出する検出ヘッド7がスプリング8の付勢により弾接状態で摺接していることから、摩擦ゴム5の検出ヘッド7との摺接部分にも摩滅が発生して早期検出を招く上、検出ヘッド7の早期劣化、検出ヘッド7の摺接に伴う摩擦によって発生する静電気による誤検知などの不具合も懸念される。
【0027】
本発明は、上記問題を解決するため、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができるエスカレータを提供することを目的とする。
【0028】
また、移動手摺とガイド部材との摺接部分の摩滅検出のために摩滅促進させることを防止することができるエスカレータを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明のエスカレータは、エスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する無端ベルト形状の移動手摺と、該移動手摺の内周面が摺接することによって前記移動手摺の回動移動を案内するガイド部材とを備えたエスカレータにおいて、前記移動手摺の外周面に当接し且つ前記内周面との摺接に伴う前記ガイド部材の摩滅量に応じて変位可能な変位部材と、該変位部材に設けられて摩滅量若しくは前記ガイド部材の交換時期に対応した所定摩滅値を認識させる目盛りとを備えていることを特徴とする。
【0030】
このような構成においては、無端ベルト形状の移動手摺がエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動され、この移動手摺の内周面が摺接するガイド部材により移動手摺の回動移動が案内され、移動手摺の外周面に当接する変位部材が移動手摺の内周面との摺接に伴うガイド部材の摩滅量に応じて変位され、その変位部材の変位を目盛りで確認することによってガイド部材の摩滅量若しくはガイド部材の交換時期に対応した所定摩滅値を認識することができる。
【0031】
また、本発明のエスカレータは、常時は前記移動手摺の外周面との当接初期位置で前記変位部材を停止させるストッパを備えていることを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明のエスカレータは、前記ストッパは、常時は前記ガイド部材の摩滅に伴う変位方向と離反する方向に前記変位部材を付勢するスプリングであることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のエスカレータの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1(A)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生前の要部の断面図、図1(B)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生状態の要部の断面図、図2(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、図2(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図、図3は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の分解図、図4(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、図4(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図、図5はエスカレータの側面図である。
【0035】
図5において、上下階昇降式のエスカレータ10は、所定方向(例えば、図示左方の下階から図示右方の上階へと乗客を搬送する場合には時計回り方向)に図示を略するエスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する移動手摺11と、この移動手摺11の傾斜角度に沿うスカートガード12と、スカートガード12の下方に位置して移動手摺11の復動部分や図示を略するステップの復動部分、さらにはエスカレータ駆動部等を覆う側板13とを備えている。
【0036】
尚、移動手摺11を回動移動させるエスカレータ駆動部は、従来技術で説明したガイド部材兼用のプーリ方式や、移動手摺11の復動部分(図5の破線部分)の表裏に当接する複数のプーリ方式やベルト方式等、周知の構成のものが採用されている。
【0037】
一方、移動手摺11は、図1(A)に示すように、手摺フレーム14にボルト15及びナット16等の固定部材を介して固定されたガイド部材17に摺接案内される。
【0038】
尚、手摺フレーム14は、側板13やこの側板13を固定するトラス(図示せず)に固定されている。
【0039】
ガイド部材17は、移動手摺11の材質、エスカレータの傾斜角度、乗客搬送距離等に応じて設計された回動移動軌跡の一部を形成しており、移動手摺11の材質よりも耐摩耗性の低い材質(例えば、ナイロン等の樹脂)により形成されている。また、ガイド部材17は、移動手摺11の幅方向両端の内周面と摺接するように鍔部17aが形成されている。
【0040】
一方、手摺フレーム14には、ガイド部材17の移動手摺11との摺接に伴う摩滅量を測定するための摩滅量測定部材20が設けられている。
【0041】
摩滅量測定部材20は、図1乃至図3に示すように、手摺フレーム14に保持されると共に下端にフランジ21aを形成した略円筒形状の下部カラー21と、手摺フレーム14に切り起し等のプレス加工により形成(溶接或いはネジ固定の別部材でも良い)された保持部14aに保持されると共に上端にフランジ22aを形成した略円筒形状の上部カラー22と、各カラー21,22を貫通するシャフト状の変位部材23と、変位部材23の中間付近に形成された凹部23a(図4にのみ図示)に嵌合するEリング(又はCリング)24と、変位部材23が貫通した状態でEリング24と下部カラー21との間に位置するバネ受け座金25と、このバネ受け座金25と手摺フレーム14の上面との間に位置して両者に弾接するコイルスプリング26とを備えている。
【0042】
変位部材23は、下部カラー21側に位置する下端にドーム形状等の頭部27が設けられている。また、変位部材23は、上部カラー22側に位置する上端寄りに目盛り28が設けられている。
【0043】
コイルスプリング26は、常時は変位部材23を図示上方、すなわち、頭部27がフランジ21aに当接している状態を維持することで、頭部27が移動手摺11の外周面に当接するように付勢ガイド部材17の摩滅方向と離反する方向に付勢設定されている。
【0044】
したがって、頭部27は、移動手摺11の設置初期並びにガイド部材17の交換初期(即ち、摩滅発生前)において移動手摺11の外周面と摺接し、その位置を当接初期位置としてその位置を維持しており、移動手摺11をガイド部材17に向けて加圧しないように設定されている。
【0045】
これにより、移動手摺11がガイド部材17に摺接案内されている際、移動手摺11を必要以上にガイド部材17側に押さえつけることがなく、移動手摺11によるガイド部材17の摩滅を促進させることが防止されている。
【0046】
尚、下部カラー21の外周面に雄ネジ加工を施すと共に、手摺フレーム14のカラー貫通穴内周面に雌ネジ加工を施すことによって手摺フレーム14に対する下部カラー21の相対位置(矢印イで示す上下方向)、即ち、手摺フレーム14とバネ受け座金25との高さHを調節可能とすることができ、これによって頭部27のフランジ21aとの当接高さが調節されると同時に、頭部27と移動手摺11の外周面との摺接位置(高さ)を調節することが可能となる。
【0047】
また、この摩滅量測定部材20は、図5のA−A線で示す断面部位付近(ガイド部材17の摩滅量が著しい最大負荷部分である上階R屈曲部分)、一転鎖線の円Bで囲む直線部分、円Cで囲むテンション維持用の屈曲部分、円Dで囲む下階R屈曲部分等、任意の複数箇所への設置が可能であるが、図示上では同一で表されるため、以下、図5のA−A線で示す断面部位付近に設置されたものとして説明する。
【0048】
上記の構成において、移動手摺11の回動移動に伴い、ガイド部材17の鍔部17aと移動手摺11の内周面との摺接による案内並びに移動手摺11の上下左右方向の位置決めがなされると共に、図1(B)に示すように、経年的な摩滅がガイド部材17の鍔部17aに発生する。
【0049】
この摩滅は、鍔部17aの強度を低下させることから、所定の摩滅量に達した時点でガイド部材17の交換(ガイド部材17の材質や鍔部17aの残存肉厚による強度により交換時期は異なる)を行うことが好ましい。
【0050】
そこで、エスカレータ10の定期検査時や過去の蓄積データ等に基づく所定経年期間経過後(稼動時間等でも良い)において、コイルスプリング26の付勢に抗して変位部材23の上端を押し下げ、頭部27が移動手摺11の外周面に当接するまでの変位量pを目盛り28で読み取ることで鍔部17aの摩滅量Pを測定することができ、実際の摩滅量Pを認識することができる。
【0051】
そして、摩滅量Pが所定値以上に摩滅しているとの認識となった場合には、ガイド部材17を交換する。
【0052】
したがって、従来技術で説明した電源内蔵の高価な制御部9を不用とし得て、しかも、摩滅検知のために電気を消費することがないことから、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所(円B,C,D)への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができる。
【0053】
尚、目盛り28は、図示例では寸法線(例えば、1mm単位)が設けられているが、鍔部17aの摩滅が所定値以上に達していることが認識できれば良いことから、その所定値付近に線若しくはその部位から上方全体の色を赤くするなどを目盛りとして鍔部17aが交換付近(所定摩滅値)にまで摩滅していることを認識させても良い。
【0054】
また、図5の円Bで囲む直線部分は、ガイド部材17の移動手摺11との摺接に伴う摩滅量が僅かな最小負荷部分となるため、後述する摩滅量の測定に際し、この最小負荷部分のガイド部材17の摩滅量と他の部位との摩滅量とを比較してその差からガイド部材17の交換時期を判断することも可能である。
【0055】
ところで、上記実施の形態では、頭部27の当接初期位置を維持する手段としてコイルスプリング26を用いたが、例えば、各カラー21,22の少なくとも一方の内周面に摩擦抵抗の高いゴム等のストッパ(円筒状、リング状、吹き付け等)を設け、このストッパにより変位部材23を保持するようにしても良い。
【0056】
この際、所定の摩滅量に達する前に変位部材23を押し下げて、頭部27を一旦移動手摺11の外周面に当接させたとしても、更なる使用によって摩滅が発生することから、変位部材23を当接初期位置にまで押し上げる必要は無いうえ、一旦押し下げた状態での測定のためのガイド部材17への摩滅を促進させることも無い。
【0057】
また、図4に示すように、頭部27を廃止して変位部材23の先端を先細りとすると共に、コイルスプリング26の付勢によりバネ受け座金25を上部カラー22の下端に弾接させることで頭部17の当接初期位置を維持するように構成することも可能である。
【0058】
また、この場合においては、上部カラー22の外周面に雄ネジ加工を施すと共に、保持部14aのカラー貫通穴内周面に雌ネジ加工を施すことによって保持部14aに対する上部カラー22の相対位置(矢印ロで示す上下方向)、即ち、手摺フレーム14とバネ受け座金25との高さHを調節可能とすることができ、これによって変位部材23の先端と移動手摺11の外周面との摺接位置(高さ)を調節することが可能となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明のエスカレータにあっては、以上説明したように構成したことにより、保守費用のコストダウンを実現することができ、しかも、離間した複数箇所への設置を可能とし得て、汎用性を向上させることができる。
【0060】
また、移動手摺とガイド部材との摺接部分の摩滅検出のためにガイド部材を摩滅促進させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生前における図5のA−A線に沿う部位の断面図、(B)は本発明のエスカレータを示すガイド部材摩滅発生状態における図5のA−A線に沿う部位の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の分解図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるエスカレータを示し、(A)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生前の正面図、(B)は本発明のエスカレータに使用される摩滅量測定装置の変形例を示す摩滅量測定装置のガイド部材摩滅発生状態の正面図である。
【図5】エスカレータの側面図である。
【図6】従来のエスカレータを示し、(A)はガイド部材の交換時期を認識させるエスカレータの一例としての移動手摺を回動移動させる駆動装置の概念図、(B)は摩滅検出部の説明図である。
【符号の説明】
10 エスカレータ、11 移動手摺、17 ガイド部材、20 摩滅量測定部材、23 変位部材、26 コイルスプリング、28 目盛り。
Claims (3)
- エスカレータ駆動部の駆動を受けて回動移動する無端ベルト形状の移動手摺と、該移動手摺の内周面が摺接することによって前記移動手摺の回動移動を案内するガイド部材とを備えたエスカレータにおいて、
前記移動手摺の外周面に当接し且つ前記内周面との摺接に伴う前記ガイド部材の摩滅量に応じて変位可能な変位部材と、該変位部材に設けられて摩滅量若しくは前記ガイド部材の交換時期に対応した所定摩滅値を認識させる目盛りとを備えていることを特徴とするエスカレータ。 - 常時は前記移動手摺の外周面との当接初期位置で前記変位部材を停止させるストッパを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエスカレータ。
- 前記ストッパは、常時は前記ガイド部材の摩滅に伴う変位方向と離反する方向に前記変位部材を付勢するスプリングであることを特徴とする請求項2に記載のエスカレータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002355115A JP2004182461A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | エスカレータ |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011121718A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-23 | Hitachi Building Systems Co Ltd | 乗客コンベアのガイドレール検査装置 |
JP2011195251A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd | マンコンベア手摺点検装置 |
CN112660973A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-16 | 厦门市特种设备检验检测院 | 一种自动扶梯的梯级安全检测装置 |
CN112660972A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-16 | 厦门市特种设备检验检测院 | 一种自动扶梯安全检测装置 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355115A patent/JP2004182461A/ja active Pending
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