JP2004182394A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被記録材を記録部に供給する供給手段を有する記録装置において、圧板、リリースカム等の部品を廃し、部品間の位相合わせ等の作業を廃することで、廉価な記録装置を提供する。また、圧板を廃することで、圧板音のない静粛な記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置において、前記給紙手段は、被記録材を多数枚搭載可能な被記録材搭載部と、被記録材を一枚ずつ分離供給する給紙ローラ等により構成され、前記給紙ローラは前記給紙ローラの両端部を軸受により回転自在に軸支され、前記両軸受のうち、その一方が固定され、他方が前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能になっている。さらに、移動可能な軸受が、前記被記録材搭載部方向に弾性体により付勢されている。
【選択図】 図1
【解決手段】記録装置において、前記給紙手段は、被記録材を多数枚搭載可能な被記録材搭載部と、被記録材を一枚ずつ分離供給する給紙ローラ等により構成され、前記給紙ローラは前記給紙ローラの両端部を軸受により回転自在に軸支され、前記両軸受のうち、その一方が固定され、他方が前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能になっている。さらに、移動可能な軸受が、前記被記録材搭載部方向に弾性体により付勢されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ装置、複写機、ファクシミリ等の記録装置に関するものであり、特に被記録材を記録部に供給する給紙機構、及び給紙機構の構成部品である給紙ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型の電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置では、画像データに基づいて被記録材に画像を記録するように構成されている。このような記録装置は、その記録方式により、例えばインクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
いま、被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査して記録するシリアルタイプの記録装置において、キャリッジ上に搭載した記録ヘッドによって画像を記録し、1行分の記録が終了すると、その記録幅に応じて所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、その後に再び停止した被記録材に対して、その行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返して被記録材上に画像を記録している。
【0004】
一方、被記録材のみを副走査方向に搬送してライン単位に記録する記録装置においては、その記録幅に応じた所定量だけ被記録材を送った(ピッチ送り)後、次の行の記録を行うという動作を繰り返すことにより、被記録材の全体を記録している。
【0005】
このような記録装置のうち、インクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録材にインクを吐出して記録を行うもので、記録手段を小型化でき、かつ高精細な画像を高速に記録することができる。また、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少ない等の利点に加えて、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有する。中でも、被記録材の幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録ヘッドを使用したライン型のプリンタ装置によれば、記録速度をより一層高速にできる。
【0006】
前記記録装置においては、被記録材として、普通紙の他に葉書、封筒等の厚紙や、プラスチック薄板等の特殊シートを使用すると共に、被記録材の記録部への供給は被記録材を一枚ずつ手差し給紙するか、あるいは給紙装置によって自動的かつ連続的に給紙するようにしている。
【0007】
ところで、このような給紙装置の一例として、図12、図13に示すような構成がある。ベース20に、被記録材を積載する圧板21と給紙ローラ22が取り付けられる構成となっている。また、圧板21には可動サイドガイド23が移動可能に設けられて、被記録材の幅方向の積載位置を規制している。積載されている被記録材は円形状の一部を削除した半月状の給紙ローラ22により送り出される。圧板21は、給紙ローラ22に対して所定圧で付勢及び解除されるようになっている。なお、図13は圧板21が解除された状態を示している。給紙ローラ22の半月部分が圧板21に対向した位置にあるときには、給紙ローラ22に接続されたリリースカム24によって、圧板21が給紙ローラ22から離れた位置にリリースされ、被記録材材を送り出すために給紙ローラ22が回転すると、リリースカム24が圧板21から離れて、左右に設けられている圧板バネ211a,211bにより圧板21と積載した被記録材が上昇し、被記録材が給紙ローラ22に当接して送り出される。なお、同図において、25は分離斜面であり、この分離斜面25に被記録材の先端を当接させることにより、給紙の際の被記録材の分離が可能となり、被記録材の重送を防ぐことができる。
【0008】
また、前記給紙ローラについては、実登録03074028号公報において、揺動アームと歯車群を用いて、圧板を用いずにシート材を給紙可能とした給紙ローラが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の構成の記録装置では、下記に示すような技術的課題があった。
【0010】
(1)圧板が給紙ローラに対して所定圧で付勢及び解除される構成、すなわち圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、被記録材の給紙が開始される時には、圧板は給紙ローラに向かって移動する。圧板が被記録材を介して給紙ローラに衝突する際、衝突音(以下、圧板音という)が発生するという問題があった。前記圧板音は、圧板上に積載されている被記録材が多量の時には、被記録材が緩衝材となり小さい音で済むが、圧板上に積載されている被記録材が少量の時には、特に大きな音になるという問題があった。
【0011】
(2)圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、圧板リリース用のカムが必要となり、部品点数が増え、コストアップになるという問題があった。さらに、給紙ローラに上記カムが直接組めない場合には、部品間での位相合わせ等の作業が必要となり、組立費のアップになるという問題があった。
【0012】
(3)圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、被記録材を積載するために圧板が必要になっており、前記圧板はベース部とオーバラップする部分が大きく、大きなコストアップの要因になるという問題があった。
【0013】
(4)実登録03074028号公報に開示されている給紙ローラは、揺動アームと多数の歯車を用いる構成になっているために、製品コストが高いという課題があった。
【0014】
本発明は前記従来例の技術的課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、圧板、リリースカム等の部品を廃し、部品間の位相合わせ等の作業を廃することで、廉価な記録装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明のさらなる目的は、圧板音のない静粛な記録装置を廉価にて提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、前記給紙手段は、被記録材を多数枚搭載可能な被記録材搭載部と、被記録材を一枚ずつ分離供給する給紙ローラ等により構成され、前記給紙ローラは、前記給紙ローラの両端部を軸受により回転自在に軸支され、前記両軸受のうち、その一方が固定され、他方が前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能であり、さらに前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能に設けられた軸受が、前記被記録材搭載部方向に弾性体により付勢されていることを特徴とする。
【0017】
さらに、前記給紙ローラは前記被記録材搭載部に対向する位置に配置され、前記給紙ローラを軸支している両軸受のうち、固定側の軸受の位置は、(被記録材搭載面と固定側の軸受中心の距離)をL、(給紙ローラの最外周のうち、被記録材に当接する円弧面の半径)をR1とした時、L<R1を満足する様に配置されていることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、及び外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする。
【0019】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周の中間部材としてポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を配置し、さらなる最外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、前記中間部材、及び最外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする。
【0020】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは両端をそれぞれ固定式の軸受と可動式の軸受に軸支され、前記給紙ローラの固定式の軸受に軸支されている側の近傍に、前記給紙ローラを駆動させる為の駆動力を外部より受け取る為のギアが設けられ、さらに前記給紙ローラの一端が移動した際、前記給紙ローラに設けられたギアへ前記駆動力を伝達する中間ギアの軸中心と、前記給紙ローラに設けられたギアの軸中心との距離が、規定軸間距離と同等、乃至は広くなる様な位置に、前記中間ギアを設けていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(実施形態1)
まず、本実施形態の記録装置の構成について説明する。この記録装置は、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有している。
【0023】
記録手段の構成について説明すると、図4に示すように、インクを吐出する記録ヘッド(不図示)が、キャリッジ1に搭載されている。記録ヘッド(不図示)としては、例えば、発熱体により流路内のインクを加熱発泡させて吐出エネルギーを得るインクジェット式ヘッドが採用される。キャリッジ1は、キャリッジ軸2およびガイドレール3により支持され、キャリッジ駆動モータ(不図示)によりベルト(タイミングベルト)(不図示)を介して駆動されて往復移動する。
【0024】
プリンタシャーシ4の、被記録材の幅方向(被記録材搬送方向に直角な方向)の一方の側(図3の図面奥側)をキャリッジ1等の位置決めの基準とするための基準側とし、他方の側(図3の図面手前側)を非基準側とする。そして、プリンタシャーシ4の基準側の前方には、記録ヘッド(不図示)の機能回復および性能維持のための吸引回復機能と記録ヘッド(不図示)のインク吐出口設置面をワイピングするためのワイパー機能とを有する回復ユニット(不図示)が配置されている。
【0025】
次に給紙手段及び搬送手段の構成について説明する。被記録材の紙束(不図示)が保管されるオートシートフィーダ5が設けられている。図4に示すように、オートシートフィーダ5からの被記録材の搬送経路中には、被記録材を1枚毎に分離するための給紙ローラ6と、紙送り駆動モータ(不図示)により回転駆動される搬送ローラ7と、付勢バネ(不図示)により搬送ローラ7に被記録材を圧接させるピンチローラ8とが設けられている。さらに、プラテン9の下流側には、回転駆動される排紙ローラ10と、被記録材を排紙ローラ10に圧接させる拍車11が設けられている。
【0026】
なお、プリンタシャーシ4は、前述のキャリッジ軸2およびガイドレール3、オートシートフィーダ5、キャリッジ駆動モータ(不図示)、紙送り駆動モータ(不図示)、回復ユニット(不図示)、コントロール基板12等を位置決め保持し、また、搬送ローラ7、排紙ローラ10を回転可能に保持している。さらに、前記プリンタシャーシ4は、ボトムケース14にビスにより固定されている。
【0027】
次にこのインクジェット記録装置の動作について説明する。
【0028】
被記録材(記録紙)の流れに沿って説明する。オートシートフィーダ5からの給紙は給紙ローラ6により、被記録材が搬送ローラ7とピンチローラ8との接触点まで搬送される。そして、搬送ローラ7は、紙送り駆動モータ(不図示)により駆動され、付勢バネ(不図示)およびピンチローラ8により被記録材が圧接された状態で、搬送ローラ7が回転し、被記録材がプラテン9に搬送される。
【0029】
プラテン9においては、キャリッジ1が被記録材の幅方向に走査するのに同期して、記録ヘッドに配された発熱体(図示せず)が駆動されて記録ヘッド(不図示)から被記録材上に適宜インクが吐出される。キャリッジ1の1回の走査が完了したら、所定ピッチだけ(未印字の部分が記録ヘッドと対向するまで)被記録材が搬送される。それから、キャリッジ1が再走査し記録ヘッド(不図示)から次行のインク吐出が行われる。こうして、被記録材の所定ピッチずつの搬送と、キャリッジ1の移動および記録ヘッド(不図示)からのインク吐出とが交互に行われ、1枚の被記録材の全面に記録が行なわれる。
【0030】
プラテン9において記録ヘッド(不図示)により画像記録された被記録材は、排紙ローラ10および拍車11により外部に排紙された後、排紙トレイ13にスタックされる。
【0031】
次に本発明の要点を図1〜図3及び図5〜図11を用いて説明して行く。
【0032】
図1は、本発明を実施した記録装置の給紙手段を装置左後方より見た図、図2は、図1における給紙ローラ周辺の詳細図、図3は、図2において給紙ローラギア等を省略した図、図5は、本発明を実施した記録装置の給紙手段を説明した部分横断面図、図6は、図5における給紙手段を矢印E方向から見た図、図7、図8は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図、図9、図10は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図、図11は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラの他の構成を説明した図である。なお、図1〜図3及び図5〜図11の図中の番号は、図4の図中の番号の示す部品と同じ部品を示している。
【0033】
図1〜図3において、6は給紙ローラであり、6aは前記給紙ローラに一体に設けられた給紙ローラギアであり、駆動モータ(不図示)からの駆動力を、中間ギア26等を介して受け取る役目をしている。6bは前記給紙ローラの軸端部であり、軸受27に軸支されている。前記軸受27は矢印B方向に移動可能に取り付けられており、バネ19により、ベース17の被記録材搭載部方向に付勢されている。6cは前記給紙ローラの他方の軸端部であり、軸受28に軸支されている。ここで、前記移動可能に取り付けられた軸受27が移動した際、前記中間ギア26の軸中心と、前記給紙ローラギア6aの軸中心との距離が、所定軸間距離と同等、乃至は広くなる様な位置に、前記中間ギア26を設けている。(図3は、前記軸端部6c及び前記軸受28の関係をわかりやすくする為に、給紙ローラギア6a、中間ギア26を省略している)また、本実施形態において従来の圧板は用いていない。前記軸受27が可動式になっていることで、従来の圧板の機能を代用している。また、給紙ローラ6は、図9に示す様に、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成されている。さらに、給紙ローラ6は2ケの部品から構成されており、6dは、給紙ローラの芯材であり、プラスチック乃至は金属で構成され、6eは、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等で構成されている。
【0034】
さらに、図5、図6を用いて、給紙ローラ6及び軸受27の動きとベース17との位置関係について、詳細に説明して行く。図5、図6において、軸受27は、矢印C、矢印Dの方向に移動可能となっており、前記矢印C,矢印Dの方向は前記ベース17の被記録材搭載部の略垂直方向となっている。前記給紙ローラ6のフラット面が前記被記録材搭載部に対面している時は、前記軸受27は、前記被記録材搭載部方向(矢印C1、矢印D1方向)にバネ19により付勢され、前記給紙ローラ6が回転し、円弧面が被記録材に当接する様になると、前記軸受27は、矢印C2、矢印D2方向に移動する。すなわち、給紙ローラ6は、軸端部6cを支点として、図6において矢印D2方向に傾く。この時、前記給紙ローラギア6aは、固定されている軸受28に軸支されている軸端部6cの近傍にある為に、移動量は微小な為、前記中間ギア25とのギアの歯の噛み合いが外れることがなく、中間ギア26からの駆動力を受け取ることが可能となっている。ここで、軸受27を付勢させるのに圧縮コイルバネを使用しているが、ゴム、スポンジ、板バネ等の弾性体でも同様の効果が得られる。また、バネの掛け方を変更すれば、引っ張りコイルバネの使用も可能である。
【0035】
次に給紙ローラ6が被記録材18を給紙していく状態について、図7、図8で説明して行く。図7、図8の図中の▲1▼〜▲8▼の番号は給紙の一連の動作の順番を表している。図5は、給紙ローラ6がイニシャルの状態にあり、この状態で被記録材18をセットすることが可能になっている。前記図5の状態が図7における番号▲1▼の状態である。軸受27はバネ19(図7、図8では不図示)により、被記録材搭載面方向に付勢されている。図7において、給紙ローラ6は反時計回り方向に回転を開始する。番号▲2▼は、給紙ローラ6の円弧面が被記録材18に当接し始めた状態を示している。この状態からさらに給紙ローラ6が矢印Fの方向に回転すると、軸受27は矢印Gの方向に力を受ける。番号▲3▼は、番号▲2▼に対して、軸受27が移動した状態を示している。この時、軸受27はバネ(不図示)により矢印Iの反対方向に付勢されており、この付勢力が給紙力となり、被記録材18を給紙する。上記付勢力が従来の圧板及び圧板バネが発生していた反力の代わりとなり、被記録材18が給紙されて行く。番号▲4▼は、番号▲3▼に対してさらに軸受27が移動した状態を示している。この状態で、給紙ローラ6が矢印Jの方向に回転を続け、被記録材18は安定して給紙を続ける。図8における番号▲5▼は、給紙ローラ6の回転が続行し、給紙ローラ6の円弧面とフラット面の境界部に到達した状態を示している。この状態から、給紙ローラ6がさらに矢印Lの方向に回転を続けると、軸受27は矢印Mの方向に移動を開始する。番号▲6▼、番号▲7▼と給紙ローラ6が回転するに伴い、軸受27は矢印O、矢印Rの方向に移動し、その間にも被記録材は安定して給紙され続け、番号▲8▼までに被記録材18は搬送ローラ7までに到達して、給紙が完了する。
【0036】
さらに、図10を用いて、給紙ローラ6の形状及びベース17との位置関係について、詳細に説明して行く。給紙ローラ6は被記録材搭載部であるベース17に対向する位置に配置され、給紙ローラを軸支している両軸受のうち、固定側の軸受の位置は、(被記録材搭載面と固定側の軸受中心の距離)をL、(給紙ローラの最外周のうち、被記録材に当接する円弧面の半径)をR1とした時、L<R1を満足する関係になっている。
【0037】
上記で説明してきた給紙ローラの構成は、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置する構成となっていたが、図11に示す様な構成でも同様の効果が得られる。図8で示す構成では、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、芯材の外周の中間部材としてポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を配置し、さらなる最外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、前記中間部材、及び最外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されている。ポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を中間部材として配置することで、中間部材の弾性力が、給紙ローラが被記録部材をピックアップする際の給紙ローラへの反力を吸収する為、駆動モータへの負荷が低減できるという利点がある。
【0038】
【発明の効果】
被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、圧板、リリースカム等の部品を廃止することが可能になり、さらに、部品間の位相合わせ等の作業を廃止することで可能になった為に、廉価な記録装置が実現できた。
【0039】
また、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、圧板の廃止が可能になったことで、圧板音のない静粛な記録装置が実現できた。
【0040】
また、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、給紙ローラの中間部材の弾性力が、給紙ローラが被記録部材をピックアップする際の給紙ローラへの反力を吸収する為、駆動モータへの負荷の低減が可能になった為、従来よりもトルクの低い廉価なモータの使用が可能になり、廉価な記録装置が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した記録装置の給紙手段を装置左後方より見た図。
【図2】図1における給紙ローラ周辺の詳細図。
【図3】図2において給紙ローラギア等を省略した図。
【図4】本発明を実施した記録装置の一実施形態を示す部分横断面図。
【図5】本発明を実施した記録装置の給紙手段を説明した部分横断面図。
【図6】図5における給紙手段を矢印E方向から見た図。
【図7】本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図。
【図8】本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図。
【図9】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図。
【図10】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図。
【図11】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの他の構成を説明した図。
【図12】従来技術の記録装置の部分横断面を示す図。
【図13】従来技術の記録装置の部分横断面を示す図。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジ軸
3 ガイドレール
4 プリンタシャーシ
5 オートシートフィーダ
6 給紙ローラ
6a 給紙ローラギア
6b 給紙ローラ軸端部
6c 給紙ローラ軸端部
6d 芯材
6e 外周部材
6f 中間部材
6g 最外周部材
7 搬送ローラ
8 ピンチローラ
9 プラテン
10 排紙ローラ
11 拍車
12 コントロール基板
13 排紙トレイ
14 ボトムケース
15 給紙トレイ
16 サイドガイド
17 ベース
18 被記録材
19 バネ
20 ベース
21 圧板
22 給紙ローラ
23 可動サイドガイド
24 リリースカム
25 分離斜面
26 中間ギア
27 可動軸受
28 固定軸受
211a、211b 圧板バネ
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ装置、複写機、ファクシミリ等の記録装置に関するものであり、特に被記録材を記録部に供給する給紙機構、及び給紙機構の構成部品である給紙ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型の電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置では、画像データに基づいて被記録材に画像を記録するように構成されている。このような記録装置は、その記録方式により、例えばインクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
いま、被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査して記録するシリアルタイプの記録装置において、キャリッジ上に搭載した記録ヘッドによって画像を記録し、1行分の記録が終了すると、その記録幅に応じて所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、その後に再び停止した被記録材に対して、その行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返して被記録材上に画像を記録している。
【0004】
一方、被記録材のみを副走査方向に搬送してライン単位に記録する記録装置においては、その記録幅に応じた所定量だけ被記録材を送った(ピッチ送り)後、次の行の記録を行うという動作を繰り返すことにより、被記録材の全体を記録している。
【0005】
このような記録装置のうち、インクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録材にインクを吐出して記録を行うもので、記録手段を小型化でき、かつ高精細な画像を高速に記録することができる。また、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少ない等の利点に加えて、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有する。中でも、被記録材の幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録ヘッドを使用したライン型のプリンタ装置によれば、記録速度をより一層高速にできる。
【0006】
前記記録装置においては、被記録材として、普通紙の他に葉書、封筒等の厚紙や、プラスチック薄板等の特殊シートを使用すると共に、被記録材の記録部への供給は被記録材を一枚ずつ手差し給紙するか、あるいは給紙装置によって自動的かつ連続的に給紙するようにしている。
【0007】
ところで、このような給紙装置の一例として、図12、図13に示すような構成がある。ベース20に、被記録材を積載する圧板21と給紙ローラ22が取り付けられる構成となっている。また、圧板21には可動サイドガイド23が移動可能に設けられて、被記録材の幅方向の積載位置を規制している。積載されている被記録材は円形状の一部を削除した半月状の給紙ローラ22により送り出される。圧板21は、給紙ローラ22に対して所定圧で付勢及び解除されるようになっている。なお、図13は圧板21が解除された状態を示している。給紙ローラ22の半月部分が圧板21に対向した位置にあるときには、給紙ローラ22に接続されたリリースカム24によって、圧板21が給紙ローラ22から離れた位置にリリースされ、被記録材材を送り出すために給紙ローラ22が回転すると、リリースカム24が圧板21から離れて、左右に設けられている圧板バネ211a,211bにより圧板21と積載した被記録材が上昇し、被記録材が給紙ローラ22に当接して送り出される。なお、同図において、25は分離斜面であり、この分離斜面25に被記録材の先端を当接させることにより、給紙の際の被記録材の分離が可能となり、被記録材の重送を防ぐことができる。
【0008】
また、前記給紙ローラについては、実登録03074028号公報において、揺動アームと歯車群を用いて、圧板を用いずにシート材を給紙可能とした給紙ローラが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の構成の記録装置では、下記に示すような技術的課題があった。
【0010】
(1)圧板が給紙ローラに対して所定圧で付勢及び解除される構成、すなわち圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、被記録材の給紙が開始される時には、圧板は給紙ローラに向かって移動する。圧板が被記録材を介して給紙ローラに衝突する際、衝突音(以下、圧板音という)が発生するという問題があった。前記圧板音は、圧板上に積載されている被記録材が多量の時には、被記録材が緩衝材となり小さい音で済むが、圧板上に積載されている被記録材が少量の時には、特に大きな音になるという問題があった。
【0011】
(2)圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、圧板リリース用のカムが必要となり、部品点数が増え、コストアップになるという問題があった。さらに、給紙ローラに上記カムが直接組めない場合には、部品間での位相合わせ等の作業が必要となり、組立費のアップになるという問題があった。
【0012】
(3)圧板が給紙ローラに対して可動式になっているために、被記録材を積載するために圧板が必要になっており、前記圧板はベース部とオーバラップする部分が大きく、大きなコストアップの要因になるという問題があった。
【0013】
(4)実登録03074028号公報に開示されている給紙ローラは、揺動アームと多数の歯車を用いる構成になっているために、製品コストが高いという課題があった。
【0014】
本発明は前記従来例の技術的課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、圧板、リリースカム等の部品を廃し、部品間の位相合わせ等の作業を廃することで、廉価な記録装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明のさらなる目的は、圧板音のない静粛な記録装置を廉価にて提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、前記給紙手段は、被記録材を多数枚搭載可能な被記録材搭載部と、被記録材を一枚ずつ分離供給する給紙ローラ等により構成され、前記給紙ローラは、前記給紙ローラの両端部を軸受により回転自在に軸支され、前記両軸受のうち、その一方が固定され、他方が前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能であり、さらに前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能に設けられた軸受が、前記被記録材搭載部方向に弾性体により付勢されていることを特徴とする。
【0017】
さらに、前記給紙ローラは前記被記録材搭載部に対向する位置に配置され、前記給紙ローラを軸支している両軸受のうち、固定側の軸受の位置は、(被記録材搭載面と固定側の軸受中心の距離)をL、(給紙ローラの最外周のうち、被記録材に当接する円弧面の半径)をR1とした時、L<R1を満足する様に配置されていることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、及び外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする。
【0019】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周の中間部材としてポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を配置し、さらなる最外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、前記中間部材、及び最外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする。
【0020】
さらに、前記記録装置のうち、前記給紙ローラは両端をそれぞれ固定式の軸受と可動式の軸受に軸支され、前記給紙ローラの固定式の軸受に軸支されている側の近傍に、前記給紙ローラを駆動させる為の駆動力を外部より受け取る為のギアが設けられ、さらに前記給紙ローラの一端が移動した際、前記給紙ローラに設けられたギアへ前記駆動力を伝達する中間ギアの軸中心と、前記給紙ローラに設けられたギアの軸中心との距離が、規定軸間距離と同等、乃至は広くなる様な位置に、前記中間ギアを設けていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(実施形態1)
まず、本実施形態の記録装置の構成について説明する。この記録装置は、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有している。
【0023】
記録手段の構成について説明すると、図4に示すように、インクを吐出する記録ヘッド(不図示)が、キャリッジ1に搭載されている。記録ヘッド(不図示)としては、例えば、発熱体により流路内のインクを加熱発泡させて吐出エネルギーを得るインクジェット式ヘッドが採用される。キャリッジ1は、キャリッジ軸2およびガイドレール3により支持され、キャリッジ駆動モータ(不図示)によりベルト(タイミングベルト)(不図示)を介して駆動されて往復移動する。
【0024】
プリンタシャーシ4の、被記録材の幅方向(被記録材搬送方向に直角な方向)の一方の側(図3の図面奥側)をキャリッジ1等の位置決めの基準とするための基準側とし、他方の側(図3の図面手前側)を非基準側とする。そして、プリンタシャーシ4の基準側の前方には、記録ヘッド(不図示)の機能回復および性能維持のための吸引回復機能と記録ヘッド(不図示)のインク吐出口設置面をワイピングするためのワイパー機能とを有する回復ユニット(不図示)が配置されている。
【0025】
次に給紙手段及び搬送手段の構成について説明する。被記録材の紙束(不図示)が保管されるオートシートフィーダ5が設けられている。図4に示すように、オートシートフィーダ5からの被記録材の搬送経路中には、被記録材を1枚毎に分離するための給紙ローラ6と、紙送り駆動モータ(不図示)により回転駆動される搬送ローラ7と、付勢バネ(不図示)により搬送ローラ7に被記録材を圧接させるピンチローラ8とが設けられている。さらに、プラテン9の下流側には、回転駆動される排紙ローラ10と、被記録材を排紙ローラ10に圧接させる拍車11が設けられている。
【0026】
なお、プリンタシャーシ4は、前述のキャリッジ軸2およびガイドレール3、オートシートフィーダ5、キャリッジ駆動モータ(不図示)、紙送り駆動モータ(不図示)、回復ユニット(不図示)、コントロール基板12等を位置決め保持し、また、搬送ローラ7、排紙ローラ10を回転可能に保持している。さらに、前記プリンタシャーシ4は、ボトムケース14にビスにより固定されている。
【0027】
次にこのインクジェット記録装置の動作について説明する。
【0028】
被記録材(記録紙)の流れに沿って説明する。オートシートフィーダ5からの給紙は給紙ローラ6により、被記録材が搬送ローラ7とピンチローラ8との接触点まで搬送される。そして、搬送ローラ7は、紙送り駆動モータ(不図示)により駆動され、付勢バネ(不図示)およびピンチローラ8により被記録材が圧接された状態で、搬送ローラ7が回転し、被記録材がプラテン9に搬送される。
【0029】
プラテン9においては、キャリッジ1が被記録材の幅方向に走査するのに同期して、記録ヘッドに配された発熱体(図示せず)が駆動されて記録ヘッド(不図示)から被記録材上に適宜インクが吐出される。キャリッジ1の1回の走査が完了したら、所定ピッチだけ(未印字の部分が記録ヘッドと対向するまで)被記録材が搬送される。それから、キャリッジ1が再走査し記録ヘッド(不図示)から次行のインク吐出が行われる。こうして、被記録材の所定ピッチずつの搬送と、キャリッジ1の移動および記録ヘッド(不図示)からのインク吐出とが交互に行われ、1枚の被記録材の全面に記録が行なわれる。
【0030】
プラテン9において記録ヘッド(不図示)により画像記録された被記録材は、排紙ローラ10および拍車11により外部に排紙された後、排紙トレイ13にスタックされる。
【0031】
次に本発明の要点を図1〜図3及び図5〜図11を用いて説明して行く。
【0032】
図1は、本発明を実施した記録装置の給紙手段を装置左後方より見た図、図2は、図1における給紙ローラ周辺の詳細図、図3は、図2において給紙ローラギア等を省略した図、図5は、本発明を実施した記録装置の給紙手段を説明した部分横断面図、図6は、図5における給紙手段を矢印E方向から見た図、図7、図8は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図、図9、図10は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図、図11は、本発明を実施した記録装置の給紙ローラの他の構成を説明した図である。なお、図1〜図3及び図5〜図11の図中の番号は、図4の図中の番号の示す部品と同じ部品を示している。
【0033】
図1〜図3において、6は給紙ローラであり、6aは前記給紙ローラに一体に設けられた給紙ローラギアであり、駆動モータ(不図示)からの駆動力を、中間ギア26等を介して受け取る役目をしている。6bは前記給紙ローラの軸端部であり、軸受27に軸支されている。前記軸受27は矢印B方向に移動可能に取り付けられており、バネ19により、ベース17の被記録材搭載部方向に付勢されている。6cは前記給紙ローラの他方の軸端部であり、軸受28に軸支されている。ここで、前記移動可能に取り付けられた軸受27が移動した際、前記中間ギア26の軸中心と、前記給紙ローラギア6aの軸中心との距離が、所定軸間距離と同等、乃至は広くなる様な位置に、前記中間ギア26を設けている。(図3は、前記軸端部6c及び前記軸受28の関係をわかりやすくする為に、給紙ローラギア6a、中間ギア26を省略している)また、本実施形態において従来の圧板は用いていない。前記軸受27が可動式になっていることで、従来の圧板の機能を代用している。また、給紙ローラ6は、図9に示す様に、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成されている。さらに、給紙ローラ6は2ケの部品から構成されており、6dは、給紙ローラの芯材であり、プラスチック乃至は金属で構成され、6eは、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等で構成されている。
【0034】
さらに、図5、図6を用いて、給紙ローラ6及び軸受27の動きとベース17との位置関係について、詳細に説明して行く。図5、図6において、軸受27は、矢印C、矢印Dの方向に移動可能となっており、前記矢印C,矢印Dの方向は前記ベース17の被記録材搭載部の略垂直方向となっている。前記給紙ローラ6のフラット面が前記被記録材搭載部に対面している時は、前記軸受27は、前記被記録材搭載部方向(矢印C1、矢印D1方向)にバネ19により付勢され、前記給紙ローラ6が回転し、円弧面が被記録材に当接する様になると、前記軸受27は、矢印C2、矢印D2方向に移動する。すなわち、給紙ローラ6は、軸端部6cを支点として、図6において矢印D2方向に傾く。この時、前記給紙ローラギア6aは、固定されている軸受28に軸支されている軸端部6cの近傍にある為に、移動量は微小な為、前記中間ギア25とのギアの歯の噛み合いが外れることがなく、中間ギア26からの駆動力を受け取ることが可能となっている。ここで、軸受27を付勢させるのに圧縮コイルバネを使用しているが、ゴム、スポンジ、板バネ等の弾性体でも同様の効果が得られる。また、バネの掛け方を変更すれば、引っ張りコイルバネの使用も可能である。
【0035】
次に給紙ローラ6が被記録材18を給紙していく状態について、図7、図8で説明して行く。図7、図8の図中の▲1▼〜▲8▼の番号は給紙の一連の動作の順番を表している。図5は、給紙ローラ6がイニシャルの状態にあり、この状態で被記録材18をセットすることが可能になっている。前記図5の状態が図7における番号▲1▼の状態である。軸受27はバネ19(図7、図8では不図示)により、被記録材搭載面方向に付勢されている。図7において、給紙ローラ6は反時計回り方向に回転を開始する。番号▲2▼は、給紙ローラ6の円弧面が被記録材18に当接し始めた状態を示している。この状態からさらに給紙ローラ6が矢印Fの方向に回転すると、軸受27は矢印Gの方向に力を受ける。番号▲3▼は、番号▲2▼に対して、軸受27が移動した状態を示している。この時、軸受27はバネ(不図示)により矢印Iの反対方向に付勢されており、この付勢力が給紙力となり、被記録材18を給紙する。上記付勢力が従来の圧板及び圧板バネが発生していた反力の代わりとなり、被記録材18が給紙されて行く。番号▲4▼は、番号▲3▼に対してさらに軸受27が移動した状態を示している。この状態で、給紙ローラ6が矢印Jの方向に回転を続け、被記録材18は安定して給紙を続ける。図8における番号▲5▼は、給紙ローラ6の回転が続行し、給紙ローラ6の円弧面とフラット面の境界部に到達した状態を示している。この状態から、給紙ローラ6がさらに矢印Lの方向に回転を続けると、軸受27は矢印Mの方向に移動を開始する。番号▲6▼、番号▲7▼と給紙ローラ6が回転するに伴い、軸受27は矢印O、矢印Rの方向に移動し、その間にも被記録材は安定して給紙され続け、番号▲8▼までに被記録材18は搬送ローラ7までに到達して、給紙が完了する。
【0036】
さらに、図10を用いて、給紙ローラ6の形状及びベース17との位置関係について、詳細に説明して行く。給紙ローラ6は被記録材搭載部であるベース17に対向する位置に配置され、給紙ローラを軸支している両軸受のうち、固定側の軸受の位置は、(被記録材搭載面と固定側の軸受中心の距離)をL、(給紙ローラの最外周のうち、被記録材に当接する円弧面の半径)をR1とした時、L<R1を満足する関係になっている。
【0037】
上記で説明してきた給紙ローラの構成は、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置する構成となっていたが、図11に示す様な構成でも同様の効果が得られる。図8で示す構成では、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、芯材の外周の中間部材としてポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を配置し、さらなる最外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、前記中間部材、及び最外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されている。ポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を中間部材として配置することで、中間部材の弾性力が、給紙ローラが被記録部材をピックアップする際の給紙ローラへの反力を吸収する為、駆動モータへの負荷が低減できるという利点がある。
【0038】
【発明の効果】
被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、圧板、リリースカム等の部品を廃止することが可能になり、さらに、部品間の位相合わせ等の作業を廃止することで可能になった為に、廉価な記録装置が実現できた。
【0039】
また、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、圧板の廃止が可能になったことで、圧板音のない静粛な記録装置が実現できた。
【0040】
また、被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、給紙ローラの中間部材の弾性力が、給紙ローラが被記録部材をピックアップする際の給紙ローラへの反力を吸収する為、駆動モータへの負荷の低減が可能になった為、従来よりもトルクの低い廉価なモータの使用が可能になり、廉価な記録装置が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した記録装置の給紙手段を装置左後方より見た図。
【図2】図1における給紙ローラ周辺の詳細図。
【図3】図2において給紙ローラギア等を省略した図。
【図4】本発明を実施した記録装置の一実施形態を示す部分横断面図。
【図5】本発明を実施した記録装置の給紙手段を説明した部分横断面図。
【図6】図5における給紙手段を矢印E方向から見た図。
【図7】本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図。
【図8】本発明を実施した記録装置の給紙ローラによる給紙の一連の動作を説明した図。
【図9】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図。
【図10】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの詳細図。
【図11】本発明を実施した記録装置の給紙ローラの他の構成を説明した図。
【図12】従来技術の記録装置の部分横断面を示す図。
【図13】従来技術の記録装置の部分横断面を示す図。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジ軸
3 ガイドレール
4 プリンタシャーシ
5 オートシートフィーダ
6 給紙ローラ
6a 給紙ローラギア
6b 給紙ローラ軸端部
6c 給紙ローラ軸端部
6d 芯材
6e 外周部材
6f 中間部材
6g 最外周部材
7 搬送ローラ
8 ピンチローラ
9 プラテン
10 排紙ローラ
11 拍車
12 コントロール基板
13 排紙トレイ
14 ボトムケース
15 給紙トレイ
16 サイドガイド
17 ベース
18 被記録材
19 バネ
20 ベース
21 圧板
22 給紙ローラ
23 可動サイドガイド
24 リリースカム
25 分離斜面
26 中間ギア
27 可動軸受
28 固定軸受
211a、211b 圧板バネ
Claims (5)
- 被記録材を記録部に供給する給紙手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、被記録材に画像を記録する記録手段とを有する記録装置において、前記給紙手段は、被記録材を多数枚搭載可能な被記録材搭載部と、被記録材を一枚ずつ分離供給する給紙ローラ等により構成され、前記給紙ローラは、前記給紙ローラの両端部を軸受により回転自在に軸支され、前記両軸受のうち、その一方が固定され、他方が前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能であり、さらに前記被記録材搭載部の略垂直方向に移動可能に設けられた軸受が、前記被記録材搭載部方向に弾性体により付勢されていることを特徴とする記録装置。
- 前記記録装置のうち、前記給紙ローラは前記被記録材搭載部に対向する位置に配置され、前記給紙ローラを軸支している両軸受のうち、固定側の軸受の位置は、(被記録材搭載面と固定側の軸受中心の距離)をL、(給紙ローラの最外周のうち、被記録材に当接する円弧面の半径)をR1とした時、L<R1を満足する様に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、及び外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録装置のうち、前記給紙ローラは、外形形状が被記録材に当接する円弧面と被記録材に当接しないフラット面で構成され、さらに前記給紙ローラは、芯材がプラスチック乃至は金属等で構成され、前記芯材の外周の中間部材としてポリウレタンスポンジ等の弾性力の高い部材を配置し、さらなる最外周部材として耐摩耗性ゴム乃至はエラストマ等を配置し、さらに前記芯材、前記中間部材、及び最外周部材の各々が別部材、乃至は一体部材として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録装置のうち、前記給紙ローラは両端をそれぞれ固定式の軸受と可動式の軸受に軸支され、前記給紙ローラの固定式の軸受に軸支されている側の近傍に、前記給紙ローラを駆動させる為の駆動力を外部より受け取る為のギアが設けられ、さらに前記給紙ローラの一端が移動した際、前記給紙ローラに設けられたギアへ前記駆動力を伝達する中間ギアの軸中心と、前記給紙ローラに設けられたギアの軸中心との距離が、所定軸間距離と同等、乃至は広くなる様な位置に、前記中間ギアを設けていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
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