JP2004181967A - インクジェット記録要素 - Google Patents

Abstract

【課題】 優れた乾燥時間と共に良好な画質を有する多孔質インクジェット記録要素を提供する。
【解決手段】 少なくとも３０質量％の粒子および少なくとも３０質量％のバインダーを含む多孔質画像受容層を上に有する支持体を含んで成るインクジェット記録要素であって、前記粒子が
（ａ）平均粒径が直径で９μｍより大きいシリカゲル粒子、および
（ｂ）平均粒径が直径で１μｍ〜８μｍであるシリカゲル粒子
の混合物を含んで成り、
前記（ｂ）シリカゲル粒子に対する前記（ａ）シリカゲル粒子の比率が０．０５〜５であるインクジェット記録要素。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録要素に関し、より具体的には多孔質インクジェット記録要素に関する。

典型的なインクジェット記録システムまたはインクジェット印刷システムでは、インク小滴が、ノズルから高速で記録要素または記録媒体に向かって反射され、その媒体上に画像を生成する。インク小滴（即ち、記録液体）は、一般的に記録薬剤、例えば色素または顔料、ならびに大量の溶剤を含んで成る。溶剤（即ち、キャリア液体）は、典型的に、水および有機材料（例えば、一価アルコール、多価アルコールまたはそれらの混合物）から作製される。

インクジェット記録要素は、典型的に、少なくとも一方の面にインク受容層または受像層を有する支持体を含んで成り、それには不透明支持体を有して、反射モードで見ることを意図するもの、および透明支持体を有して、透過モードで見ることを意図するものを含む。

インクジェット記録要素の重要な特徴は、印刷後に急速乾燥することを求められることである。この目的のため、多孔質記録要素が開発されており、それらが液体インクを効率よく含むための十分な厚みと孔容積を有しているかぎりは、ほとんど瞬間的な乾燥を提供する。

種々のインクジェットプリンタで用いられるインクを、色素系または顔料系に分類することができる。色素はキャリア媒体に溶解される着色剤である。顔料はキャリア媒体に溶解されない着色剤であるが小粒子の形態で分散または懸濁され、分散剤を用いることによって、凝集または沈降対して安定化されることが多い。いずれの場合でも、キャリア媒体は、室温で液体または固体となることができる。通常用いられるキャリア媒体としては、水、水と有機補助溶剤の混合物並びに高沸点有機溶剤、例えば、炭化水素、エステル、ケトン等が挙げられる。

色素系インクと顔料系インクとは、多孔質記録要素に印刷されると異なる挙動を示す。色素系インクの色素分子は、記録要素の表面で孔よりも非常に小さいので多孔質層に浸透することができる。しかし、顔料粒子はこの孔よりも大きい場合が多く、その結果、印刷された画像が完全に乾燥した後であっても、記録要素の表面にたまってしまう。堆積した顔料粒子はその表面上で層を成し、表面が平滑でなければクラックを生じる場合がある。

欧州特許公開公報第０７３９７４７号明細書および米国特許第５，９６５，２４４号、同第６，１１４，０２２号および同第６，１４０，４０６号明細書は、色素系インクで印刷される、シリカゲルを含有するインクジェット記録要素に関する。しかし、これらの記録要素は顔料系インクを用いる印刷には適さない。なぜなら、表面のところにある孔が顔料粒子に比べて小さすぎるからである。さらに、この表面は堆積した顔料粒子から形成された層がクラックを起こすほど平滑すぎる。

米国特許第５，７００，５８２号明細書は、顔料系インクを用いて印刷するためのナノ多孔質膨潤性記録要素に関する。しかし、これらの記録要素は顔料系インクを用いる印刷には適さない。なぜなら、顔料粒子がナノ多孔質インク受容層内に拡散することが難しいからである。さらに、ナノ多孔質膨潤性記録要素は好ましいと思うよりも遅く乾燥する。

米国特許第５，７００，５８２号明細書 米国特許第５，９６５，２４４号明細書 米国特許第６，１１４，０２２号明細書 米国特許第第６，１４０，４０６号明細書 欧州特許公開公報第０７３９７４７号明細書

優れた乾燥時間と共に良好な画質を有する多孔質インクジェット記録要素を提供することが本発明の目的である。顔料系インクで印刷したときに、堆積した顔料粒子によって形成された層のクラッキングを起こさせない平滑面を有する多孔質インクジェット記録要素を提供することが本発明のもう一つの目的である。

上記目的を、少なくとも３０質量％の粒子および少なくとも３０質量％のバインダーを含む多孔質画像受容層を上に有する支持体を含んで成るインクジェット記録要素であって、前記粒子が
（ａ）平均粒径が直径で約９μｍより大きいシリカゲル粒子、および
（ｂ）平均粒径が直径で約１μｍ〜約８μｍであるシリカゲル粒子
の混合物を含んで成り、
前記（ｂ）シリカゲル粒子に対する前記（ａ）シリカゲル粒子の比率が約０．０５〜約５であることを特徴とするインクジェット記録要素である本発明によって達成する。

本発明を用いることによって、優れた乾燥時間と共に良好な画質を有する多孔質インクジェット記録要素が得られる。さらに、このインクジェット記録要素は、顔料系インクで印刷したときに、記録要素の表面のところで堆積した顔料粒子によって形成された膜のクラッキングを起こさせない平滑面を有する。

上述したように、画像受容層は多孔質であり粒子混合物を有する。
好ましい態様では、（ａ）シリカゲル粒子は、平均粒径が直径で約１０μｍより大きい。別の好ましい態様では、（ｂ）シリカゲル粒子は、平均粒径が直径で約２μｍ〜約６μｍである。（ａ）および（ｂ）のシリカゲル粒子を、少なくとも３０質量％、好ましくは約４０〜６０質量％の量で用いる。

本発明に用いることができる（ａ）シリカゲル粒子の例には次のものが含まれる：Gasil（商標）IJ45（Ineos Co.製、平均粒径１０．１μｍ）；Gasil（商標）HP39（Ineos Co.製、平均粒径１０．３μｍ）；Gasil（商標）HP395（Ineos Co.製、平均粒径１４．５μｍ）；Syloid（商標）C812（Grace-Davison Co.製、平均粒径１２μｍ）；Syloid（商標）620（Grace-Davison Co.製、平均粒径１２μｍ）；Sylojet（商標）P409（Grace-Davison Co.製、平均粒径９μｍ）；Sylojet（商標）P412（Grace-Davison Co.製、平均粒径１２μｍ）；Sylojet（商標）P416（Grace-Davison Co.製、平均粒径１６μｍ）；およびMizukasil（商標）P-78F（Mizusawa Industrial Chemicals, LTD. Co.製、平均粒径１２．５μｍ）。

本発明に用いることができる（ｂ）シリカゲル粒子の例には次のものが含まれる：Gasil（商標）IJ35（Ineos Co.製、平均粒径４．５μｍ）；Gasil（商標）IJ37（Ineos Co.製、平均粒径 ５．８μｍ）；Gasil（商標）HP210（Ineos Co.製、平均粒径 ６．４μｍ）；Gasil（商標）HP260（Ineos Co.製、平均粒径 ６．６μｍ）；Sylojet（商標）P403（Grace-Davison Co.製、平均粒径３μｍ）；Sylojet（商標）P405（Grace-Davison Co.製、平均粒径５μｍ）；Sylojet（商標）P407（Grace-Davison Co.製、平均粒径７μｍ）；Mizukasil（商標）P-78A（Mizusawa Industrial Chemicals, LTD. Co.製、平均粒径３．３μｍ）；およびMizukasil（商標）P-78D（Mizusawa Industrial Chemicals, LTD. Co.製、平均粒径７．０μｍ）。

画像受容層は、シリカゲル粒子のバインダーとして機能する親水性ポリマーも含んで成る。バインダーは、画像受容層に結合力を付与する量で用いるが、この層が多孔質となるように（即ち、記録要素に印刷するのに用いられるインクジェットインクのキャリア媒体が画像受容層を通って支持体またはベース層（存在する場合）に移動できるような相互連結ボイドを有すること）、最小限の量であるのがよい。この親水性バインダーの量は少なくとも、約３０質量％、好ましくは、約４０〜６０質量％である。

本発明の好ましい態様では、バインダーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリオキサゾリン、ポリビニルアセトアミド、部分的に加水分解されたポリ（ビニルアセテート／ビニルアルコール）、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、スルホン化されたまたはリン酸化されたポリエステル、ポリスチレン、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、クズウコン、グアー、カラギナン、トラガカント、キサンタン、ラムサン(rhamsan)等である。別の好ましい態様では、親水性ポリマーはポリビニルアルコールである。この親水性ポリマーは、前述した（ａ）および（ｂ）シリカゲル粒子と適合するように選択される。

本発明の画像受容層は耐水性および耐湿性を改善するために、随意選択的に１つまたは複数の媒染剤を含むことができる。そのような媒染剤はインクジェット印刷の技術分野では周知であり、水溶性または水分散性カチオン性ポリマーが含まれる。画像記録要素に印刷された色素または顔料着色剤の永続性に悪影響を与えないことを条件として、任意の媒染剤を画像受容層に用いることができる。媒染剤の量は、少なくとも約２質量％、好ましくは、約５〜１０質量％である。

本発明に有用な媒染剤には、カチオン性基が、第一級、第二級、もしくは第三級アミノ基、または第四級アンモニウム基であるカチオン性ポリマーが含まれる。このカチオン性ポリマーは、付加ポリマーまたは縮合ポリマーとなることができる。カチオン性誘導体の例には、次のものが含まれる、ポリジアリルジメチルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルアルコール、ゼラチン、キトサン、ポリ（アミド−エピクロロヒドリン）、ポリアクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド重縮合生成物、ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン重縮合生成物、ポリアミン−スルホン、ポリビニルアミン、ポリアルキレンオキシド、およびポリアリルアミン。

一般的に、媒染剤をエチレン系不飽和カチオンモノマーから調製することができる。これらの例には、トリメチル−（２−アクリルアミド−２，２−ジメチルエチル）アンモニウムクロライド、トリメチル（３−アクリルアミド−３，３−ジメチルプロピル）アンモニウムクロライド、Ｎ−ビニルイミダゾール、Ｎ−ビニル−２−メチルイミダゾール、Ｎ−（３−ジメチルアミノプロピル）メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル（メタクリルアミドプロピル）アンモニウムクロライド、およびＮ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）メタクリルアミドが含まれる。

本発明の好ましい態様では、媒染剤はトリメチルビニルベンジルアンモニウム、ベンジルジメチルビニルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルビニルベンジルアンモニウム、グリシジルトリメチルアンモニウム、１−ビニル−３−ベンジルイミダゾリウム、１−ビニル−３−ヒドロキシエチルイミダゾリウムまたは４−ヒドロキシエチル−１−ビニルピリジニウムの塩であるカチオン性ポリマーを含む。使用できる好ましい対イオンには、塩化物または米国特許第５，２２３，３３８号、同第５，３５４，８１３号および同第５，４０３，９５５号明細書に記載の対イオン（引用することにより本明細書の内容とする）が含まれる。

本発明の別の好ましい態様において、用いることができる水溶性媒染剤が、欧州特許公開公報第１００２６６０号明細書に記載されている（引用することにより本明細書の内容とする）。本発明のさらに別の好ましい態様において、用いることができる水分散性媒染剤が、米国特許出願第０９／７７０，８１４号（２００１年１月２６日出願）明細書に記載されている（引用することにより本明細書の内容とする）。本発明のさらに別の好ましい態様において、画像受容層がポリ（ジアリルジメチルアンモニウム）クロライドを含む。

画像受容層の厚みは約３〜約４０μm 、好ましくは約５〜約２０μm の範囲にわたることができる。必要な厚みは、この画像受容層がインクキャリア媒体の吸収用溜めとして機能する必要性から決定される。本発明の記録要素は、支持体上に塗布された単一層からなることができ、この単一層は、（ａ）および（ｂ）のシリカゲル粒子を含有する画像記録層である。画像記録要素は、支持体上に塗布された多層構造からなることもでき、これらの層のいずれか一層は、（ａ）および（ｂ）のシリカゲル粒子を含有する画像記録層である。

本発明のインクジェット記録要素用の支持体は、インクジェット記録要素に通常用いられるもの、例えば、樹脂コート紙、紙、ポリエステル、微多孔質材料（例えば、Teslin（商標）の商品名でPPG Industries, Inc., から販売されているポリエチレンポリマー含有材料）、Tyvek （商標）合成紙（DuPont Corp.）、及びOPPalyte（商標）フィルム（Mobil Chemical Co.）ならびに米国特許第５，２４４，８６１ 号明細書に挙げられている他の複合フィルムとなることができる。

不透明支持体には、普通紙、樹脂コート紙、合成紙、写真用紙支持体、溶融押出コート紙、および積層紙（例えば、二軸延伸された支持積層体）が含まれる。二軸延伸された支持積層体は、米国特許第５，８５３，９６５号、同第５，８６６，２８２号、同第５，８７４，２０５号、同第５，８８８，６４３号、同第５，８８８，６８１号、同第５，８８８，６８３号および同第５，８８８，７１４号明細書に記載されている（引用することにより本明細書の内容とする）。これらの二軸延伸支持体は、紙基材および前記紙基材の片面または両面に積層された二軸延伸されたポリオレフィンシート（典型的にはポリプロピレン）を含む。

透明支持体には、ガラス、セルロース誘導体（例えば、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース）、ポリエステル類（例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-l,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらのコポリマー）、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリスチレン、ポリオレフィン類（例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン）、ポリスルホン類、ポリアクリレート類、ポリエーテルイミド類、およびこれらの混合物が含まれる。上掲の紙には、高品位紙（例えば、写真印画紙）から低品位紙（例えば、新聞用紙）までの広範囲の紙が含まれる。

本発明に用いられる支持体は、約５０〜約５００μm、好ましくは約７５〜約３００μｍの厚みを有することができる。必要な場合には、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、および他の既知の添加剤を支持体に導入することができる。

（ａ）および（ｂ）のシリカゲル粒子を含有する画像記録層を、例えば、ディップ塗工、線巻きロッド塗工、ドクターブレード塗工、グラビアおよび反転ロール塗工、スライド塗工、ビード塗工、押出塗工、カーテン塗工等の周知の技法によって支持体上に塗布することができる。既知の塗布方法および乾燥方法は、1989年12月に発行されたリリサーチディスクロージャー(Research Disclosure)、No. 308119の1007〜1008頁に詳細に記載されている。塗布後、画像受容層は単に蒸発させることによって乾燥されるが、対流加熱等の既知の技法によって乾燥を促進してもよい。画像受容層のための塗布組成物の固形分含有量は、一般的に１０〜６０質量％であり、使用する塗工法に依存する。

画像受容層に機械的耐久性を付与するために、架橋剤を少量添加してもよい。架橋剤は上述の親水性バインダーと化学反応して、当該層の結合力を改善する。例えば、カルボジイミド、多官能価アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、多価金属カチオン等の架橋剤を全て使用することができる。

着色剤の退色を改善するために、当該技術分野においてよく知られているように、紫外線吸収剤、ラジカル抑制剤、または酸化防止剤を画像受容層にさらに添加することができる。他の添加剤には、接着性促進剤、レオロジー改良剤、殺生剤、滑剤、色素、蛍光増白剤、艶消し剤、帯電防止剤等が含まれる。

画像受容層に追加して、記録要素は、支持体の隣にインクのキャリア媒体を吸収する作用を有する他の基材層を有することもできる。例えば、本発明の記録要素は、画像受容層と支持体との間に基材層を有することができる。基材層として有用な材料には、無機粒子およびバインダー、好ましくは少なくとも約４０質量％の無機粒子および約１０質量％未満のバインダーを含む。無機粒子には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、ベーマイト、アルミナ水和物、クレーまたは二酸化チタンが含まれる。本発明の好ましい態様では、無機粒子はマイナスに帯電されている。基材層に有用なバインダーには、画像受容層に用いる場合に上掲したものと同じバインダーおよびラテックスポリマーが含まれる。例えば、基材層に用いられるバインダーは、ポリビニルアルコールおよび／またはスチレンブタジエンラテックスとなることができる。

本発明の画像記録要素に用いるインクジェットインクは、当該技術分野で周知である。インクジェット印刷に使用されるインク組成物は色素系または顔料系となることができ、一般的には、溶媒またはキャリア媒体、保湿剤、有機溶媒、洗剤、増粘剤、保恒剤などを含んでなる液体組成物である。溶媒またはキャリア媒体は単なる水であってもよく、または多価アルコール等の他の水混和性溶媒と混合された水であってもよい。また、多価アルコール等の有機材料が主たるキャリアまたは溶媒液体であるインクを使用してもよい。特に有用なものは、水と多価アルコールとの混合溶媒である。

本明細書に記載した記録要素は主としてインクジェットプリンタ用に有用であるとして引用したが、これらをペンプロッターアッセンブリー用の記録要素としても用いることができる。ペンプロッターは、インクリザバーと接触する毛管束からなるペンを用いて、記録要素の表面に直接書き込むことによって動作する。

以下の例によって、本発明をさらに具体的に説明する。

本発明の要素１
６μｍのシリカゲルGasil（商標）23F(Ineos Co.)２８ｇおよび１０μｍのシリカゲルGasil（商標）HP39(Ineos Co.)７ｇをガラス容器で混合することによって塗布組成物を調製した。その後、水１４０ｇを添加し、次いでポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(Nalco（商標）CP-261)５ｇおよびポリビニルアルコール(Nippon Gohsei（商標）GH03)６０ｇを添加した。この混合物を撹拌しながらさらに水で希釈して、固形分２５質量％の塗布組成物を得た。

この塗布組成物を、画像受容層の最終的な乾燥厚が約１０ｇ／ｃｍ²となるように、マイアーロッドを備えた手塗り装置を用いて、２５℃で紙の上に塗布した。この紙は、坪量１５０ｇ／ｍ²のGeorgia Pacific Co. 製のNekoosa Solutions Smooth（商標）、Grade5128、Carrara White（商標）、Color 9220であった。この組成物を塗布した後、オーブンで６０℃で直ちに乾燥させた。

本発明の要素２
１７．５ｇのシリカゲルGasil（商標）23Fを、１７．５ｇのシリカゲルGasil（商標）HP39と一緒に混合させた以外は要素１と同じようにこの要素を調製した。

本発明の要素３
１０ｇのシリカゲルGasil（商標）23Fを、２５ｇのシリカゲルGasil（商標）HP39と一緒に混合させた以外は要素１と同じようにこの要素を調製した。

比較要素Ｃ−１（シリカゲルが１種だけ）
３５ｇのシリカゲルGasil（商標）23Fを用い、シリカゲルGasil（商標）HP39を用いなかった以外は要素１と同じようにこの要素を調製した。

比較要素Ｃ−２（シリカゲルが１種だけ）
シリカゲルGasil（商標）23Fを用いず、３５ｇのシリカゲルGasil（商標）HP39を用いた以外は要素１と同じようにこの要素を調製した。

比較要素Ｃ−３（シリカゲルが１種だけ）
Gasil（商標）23FおよびGasil（商標）HP39の代わりに、１４．５μｍのシリカゲルGasil（商標）HP395(Ineos Co.)を３５ｇだけ用いた以外は要素１と同じようにこの要素を調製した。

印刷
カタログ番号C-4940A、C-4941A、C-4942AおよびC-4943Aを有するHewlett-Packard 5000UVの商品名の顔料系インクセットを備えたHewlett-Packard Design Jet（商標）5000プリンタを用いて上記記録要素上に画像を印刷した。画像は、一連の長方形の、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、グリーン、レッドおよびブルーパッチ、およびこれらのカラーパッチとブラックとの組合せを含んでいた。各長方形は幅０．８ｃｍ、長さ１．２ｃｍであった。

試験
同じ長方形のイエロー、マゼンタおよびブラックインクで形成された印刷された長方形において、クラッキングを次のように評価した。
１＝クラック無し。
２＝５倍の顕微鏡下でクラックが見られる。
３＝肉眼でクラックが見られる。
結果を次の表に示す。

シェフィールド平滑度
「多孔度測定器」および「スムースチェック」ヘッドを備えたSheffield Precitionaire（商標）を用いて、表面平滑度をシェフィールド単位で測定した。各記録要素において、５回測定して、その平均を次表に報告する。高い値を有するものと比較して低い値を有するものがより平滑な表面を示している。

上記データーは、比較例要素、Ｃ−１、Ｃ−２およびＣ−３と比較して、本発明の要素が容認できるシェフィールド単位およびクラッキングの組合せを有することを示している。

Claims (1)

1. 少なくとも３０質量％の粒子および少なくとも３０質量％のバインダーを含む多孔質画像受容層を上に有する支持体を含んで成るインクジェット記録要素であって、前記粒子が
   （ａ）平均粒径が直径で９μｍより大きいシリカゲル粒子、および
   （ｂ）平均粒径が直径で１μｍ〜８μｍであるシリカゲル粒子
   の混合物を含んで成り、
   前記（ｂ）シリカゲル粒子に対する前記（ａ）シリカゲル粒子の比率が０．０５〜５であるインクジェット記録要素。