JP2004181613A - ロボット装置、脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置 - Google Patents

ロボット装置、脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ZMP方程式を高速且つ高精度に導き出すことによってより厳密な姿勢安定制御を行なう。
【解決手段】ロボットの機体上の制御目標点として質量操作量が最大となる腰部をローカル座標原点に設定して加速度センサを配置して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なう。さらに、路面との接触部位である足部にZMPと力を直接計測する床反力センサと加速度センサを配置し、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てて、より厳密な姿勢安定制御を高速で実現する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置に係り、特に、ZMPを安定度判別規範に用いて姿勢安定化制御を行なう脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、機体上の各部に設置されたセンサからの計測値に基づいて導入されたZMP方程式を用いて未知外力モーメント及び未知外力を同定して運動制御を行なう脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置に係り、特に、機体上の部位に分散するセンサ・システムを配置して、ZMP方程式の導入に必要な運動パラメータを効率的に計測する脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、脚式移動ロボットのためのセンサ・システム、並びに移動体装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の”ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
最近では、ヒトやサルなどの2足直立歩行を行なう動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。2足直立による脚式移動は、クローラ式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、不整地や障害物など作業経路上に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を実現できるという点で優れている。
【0005】
また、ヒトの生体メカニズムや動作を再現した脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。人間型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住環境その他の日常生活上のさまざまな場面における人的活動の支援などを行なうことができる。
【0006】
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されおり、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するのには多くの障壁が存在する。したがって、機械システムすなわちロボットがさまざまな人的作業を代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。
【0007】
人間形若しくは人間型と呼ばれる2足直立歩行の脚式移動ロボットを研究・開発する意義を、例えば以下の2つの視点から把握することができよう。
【0008】
1つは、人間科学的な視点である。すなわち、人間の下肢及び/又は上肢に似た構造のロボットを作り、その制御方法を考案して、人間の歩行動作をシミュレートするというプロセスを通じて、歩行を始めとする人間の自然な動作のメカニズムを工学的に解明することができる。このような研究成果は、人間工学、リハビリテーション工学、あるいはスポーツ科学など、人間の運動メカニズムを扱う他のさまざまな研究分野の進展に大いに還元することができるであろう。
【0009】
もう1つは、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動の支援を行なう実用ロボットの開発である。この種のロボットは、人間の生活環境のさまざまな局面において、人間から教わりながら個々に個性の相違する人間又は環境への適応方法を学習し、機能面でさらに成長していく必要がある。このとき、ロボットが「人間形」すなわち人間と同じ形又は同じ構造をしている方が、人間とロボットとの円滑なコミュニケーションを行なう上で有効に機能するものと考えられる。
【0010】
例えば、踏んではならない障害物を避けながら部屋を通り抜ける方法を実地においてロボットに教示するような場合、クローラ式や4足式ロボットのように教える相手が自分と全く違う構造をしているよりも、同じような格好をしている2足歩行ロボットの方が、ユーザ(作業員)ははるかに教え易く、またロボットにとっても教わり易い筈である(例えば、高西著「2足歩行ロボットのコントロール」(自動車技術会関東支部<高塑>No.25, 1996 APRIL)を参照のこと)。
【0011】
2足歩行による脚式移動を行なうタイプのロボットに関する姿勢制御や安定歩行に関する技術は既に数多提案されている。ここで言う安定な「歩行」とは、「転倒することなく、脚を使って移動すること」と定義することができる。
【0012】
ロボットの姿勢安定制御は、ロボットの転倒を回避する上で非常に重要である。何故ならば、転倒は、ロボットが実行中の作業を中断することを意味し、且つ、転倒状態から起き上がって作業を再開するために相当の労力や時間が払われるからである。また、何よりも、転倒によって、ロボット本体自体、あるいは転倒するロボットと衝突する相手側の物体にも、致命的な損傷を与えてしまう危険があるからである。したがって、脚式移動ロボットの設計・開発において、歩行やその他の脚式作業時における姿勢安定制御は最も重要な技術的課題の1つである。
【0013】
歩行時には、重力と歩行運動に伴なって生じる加速度によって、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが作用する。いわゆる「ダランベールの原理」によると、それらは路面から歩行系への反作用としての床反力、床反力モーメントとバランスする。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にピッチ及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0014】
脚式移動ロボットの姿勢安定制御や歩行時の転倒防止に関する提案の多くは、このZMPを歩行の安定度判別の規範として用いたものである。ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成は、足底着地点をあらかじめ設定することができ、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著”LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
【0015】
一般には、4足歩行よりもヒューマノイドのような2足歩行のロボットの方が、重心位置が高く、且つ、歩行時のZMP安定領域が狭い。したがって、このような路面状態の変化に伴う姿勢変動の問題は、2足歩行ロボットにおいてとりわけ重要となる。
【0016】
2足歩行ロボットの姿勢安定度判別規範にZMPを用いた提案は既に幾つかある。
【0017】
例えば、特開平5−305579号公報に記載の脚式移動ロボットは、ZMPがゼロとなる床面上の点を目標値に一致させるようにして安定歩行を行なうようになっている。
【0018】
また、特開平5−305581号公報に記載の脚式移動ロボットは、ZMPが支持多面体(多角形)内部、又は、着地、離床時にZMPが支持多角形の端部から少なくとも所定の余裕を有する位置にあるように構成した。この場合、外乱などを受けても所定距離だけZMPの余裕があり、歩行時の機体の安定性が向上する。
【0019】
また、特開平5−305583号公報には、脚式移動ロボットの歩き速度をZMP目標位置によって制御する点について開示している。すなわち、あらかじめ設定された歩行パターン・データを用い、ZMPを目標位置に一致させるように脚部関節を駆動するとともに、上体の傾斜を検出してその検出値に応じて設定された歩行パターン・データの吐き出し速度を変更する。未知の凹凸を踏んでロボットが例えば前傾するときは、吐き出し速度を速めることで姿勢を回復することができる。またZMPを目標位置に制御するので、両脚支持期で吐き出し速度を変更しても支障がない。
【0020】
また、特開平5−305585号公報には、脚式移動ロボットの着地位置をZMP目標位置によって制御する点について開示している。すなわち、同公報に記載の脚式移動ロボットは、ZMP目標位置と実測位置とのずれを検出し、それを解消するように脚部の一方又は双方を駆動するか、又はZMP目標位置まわりにモーメントを検出してそれが零になる様に脚部を駆動することで、安定歩行を実現する。
【0021】
また、特開平5−305586号公報には、脚式移動ロボットの傾斜姿勢をZMP目標位置によって制御する点について開示している。すなわち、ZMP目標位置まわりのモーメントを検出し、モーメントが生じたときは、それが零になるように脚部を駆動することで安定歩行を行なう。
【0022】
ZMPを安定度判別規範に用いたロボットの姿勢安定度制御は、基本的には足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にモーメントがゼロとなる点を探索することにある。
【0023】
すなわち、ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を導出して、このZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正するようにすればよい。
【0024】
ZMP方程式を立てるためには、機体上の制御対象点における位置と加速度を求める必要がある。ZMPを安定度判別規範に用いた従来のロボット機体制御システムの多くは、制御対象点における位置データのみをセンサ入力とし、制御システム内においてこの位置データを2階微分するなどして加速度データを算出してからZMP方程式を導出していた。
【0025】
しかしながら、このような計算方法に頼った場合、計算量が多くなり、処理負荷が高くなるとともに演算時間が長くなってしまう。さらに、間接的に加速度データを得ているため、正確な加速度データを用いることができず、跳躍や走行など、高速にリアルタイムで機体の軌道修正を必要とする動作の実現が困難である。また、機体の姿勢制御の厳密性を追及した場合、制御対象点を複数とることが好ましいが、演算時間が過大となってしまい、コスト増大を招来する。
【0026】
また、脚式ロボットを始めとする移動機械をZMP方程式に従って厳密に運動制御することを考えると、制御に用いるローカル座標原点の世界座標における加速度と、ローカル座標系における機体各部の位置(姿勢)、加速度、そしてZMP位置と外力及び外力モーメントを計測し、その計測値をZMP方程式に導入することで、未知外力モーメント及び未知外力を同定しつつ、各部の位置、加速度を制御することが最も厳密に運動制御を行なうことになる。
【0027】
例えば、傾斜計(又は加速度計)、及びジャイロを各軸(ピッチ、ロール、ヨー(X,Y,Z))に1つずつ、6軸力センサの配置位置を、外力及び外力が加わることが想定される部位毎に、実際の作用位置より離れた位置に、最小限の個数のセンサ構成で運動制御を行なうことができる。
【0028】
ところが、このようなセンサ配置に基づく運動制御方式では、制御に用いるローカル座標原点加速度に加え、すべての部位の位置及び加速度を直接的に計測し、制御することは困難である。
【0029】
従来の運動制御方式は、
(1)ロボットの外部環境は、どんな力やトルクが作用しても動くことがない。
(2)ロボットの外部環境での併進に対する摩擦係数は十分大きく、滑りが生じない。
(3)ロボットは、どんな力やトルクが作用しても変形することがない。
という条件を前提としたものである。このため、力やトルクが作用すると路面が動いてしまう砂利上や毛足の長い絨毯上、そして、併進の摩擦係数が十分に確保できずすべりが生じ易い住居内のタイルなどでの安定歩行(運動)や、ロボット自身の構造に柔軟性を持たせることで跳躍を伴う全身運動の実現を目指したロボットの運動制御を保証するものではない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ZMPを姿勢安定度判別規範に用いて運動中の機体の姿勢を安定化制御することができる、優れた脚式移動ロボットのための動作制御装置及び動作制御方法を提供することにある。
【0031】
本発明のさらなる目的は、ZMP方程式を高速且つ高精度に導き出すことによってより厳密な姿勢安定制御を行なうことを可能にする、優れた脚式移動ロボットのための動作制御装置及び動作制御方法を提供することにある。
【0032】
本発明のさらなる目的は、ZMPを安定度判別規範に用いて姿勢安定化制御を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、並びに脚式移動ロボットのためのセンサ・システムを提供することにある。
【0033】
本発明のさらなる目的は、機体上の各部に設置されたセンサからの計測値に基づいて導入されたZMP方程式を用いて未知外力モーメント及び未知外力を同定して運動制御を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、並びに脚式移動ロボットのためのセンサ・システムを提供することにある。
【0034】
本発明のさらなる目的は、機体上の部位に分散するセンサ・システムを配置して、ZMP方程式の導入に必要な運動パラメータを効率的に計測することができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、並びに脚式移動ロボットのためのセンサ・システムを提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、基体と前記基体に接続される複数の可動部を備えたロボット装置であって、
前記基体及び少なくとも1つの前記可動部に制御対象点を設け、
前記制御対象点毎に配置された複数の加速度センサと、
前記可動部を制御する制御手段と、
前記加速度センサ毎に得られる加速度情報に基づいて導入された所定の方程式を用いて前記ロボット装置に印加される未知モーメント及び/又は未知外力を算出する手段とを備え、
前記制御手段は、算出された未知モーメント及び/又は未知外力に応じて前記可動部を制御する、
ことを特徴とするロボット装置である。
【0036】
ロボット装置の姿勢安定性を確保するためには、例えばZMP方程式や運動方程式などの安定度判別規範となる方程式を導入し、装置本体に印加される未知モーメントや未知外力を打ち消すように動作制御を行なう必要がある。支持多角形の内側にZMPがある場合は、系に回転運動や並進運動が発生せず、回転や並進に関する運動方程式を解く必要がなく、系が形成する適切なZMP空間を用いてZMP方程式を解くことにより、姿勢安定制御を行なう。また、支持多角形の内側にZMPがない場合や、外界に対する支持作用点が存在しない場合は、ZMP方程式に代えて、運動方程式を解くことにより、姿勢安定制御を行なう。また、跳躍を伴うダンスなど、すべての部位の軌道の優先度が一様に高く設定される場合には、ZMP方程式と運動方程式の両方を解く場合がある。
【0037】
ここで、方程式を立てるためには、機体上の各制御対象点における位置と加速度を求める必要がある。しかしながら、制御対象点における位置データのみをセンサ入力とした制御システムの場合、位置データを2階微分するなどして加速度データを算出してから方程式を導出しなければならない。この場合、計算量が多く、処理負荷の増大や演算時間の問題がある。また、間接的に加速度データを得ているため、正確な加速度データを用いることができないので、高速にリアルタイムで機体の軌道修正を必要とする動作の実現が困難である。
【0038】
これに対し、本発明に係るロボット装置の場合、装置本体の複数の箇所に設定された制御対象点毎に加速度センサが配設されているので、正確な加速度データを用いて方程式を導入することができるとともに、方程式導入のための計算量を削減することができる。この結果、跳躍や走行など高速性が要求される動作においても好適に軌道修正を行なうことが可能となる。
【0039】
また、本発明の他の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動を行なうタイプのロボットの動作制御装置又は動作制御方法であって、
前記ロボットの機体上の複数の部位における力学的状態を検出する状態検出手段又はステップと、
前記状態検出手段による検出結果に基づいて、機体の運動を制御する運動制御手段又はステップと、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボットのための動作制御装置又は動作制御方法である。
【0040】
ここで、前記状態検出手段又はステップは、例えば、前記ロボットの機体上の制御対象点における加速度を計測する加速度計測手段又はステップと、前記ロボットと外界との接触部位におけるZMPと力を計測する反力計測手段又はステップとで構成される。このような場合、前記運動制御手段又はステップは、前記加速度計測手段又はステップ並びに前記反力計測手段又はステップによる計測結果を基に、前記ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を生成し、該ZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正することができる。
【0041】
ZMPを安定度判別規範に用いたロボットの姿勢安定度制御は、基本的には足底接地点と路面の形成する支持多角形の内側にモーメントがゼロとなる点を探索することにある。すなわち、ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を導出して、このZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正する。
【0042】
例えば、制御に用いる機体のローカル座標原点の世界座標における加速度と、ローカル座標系における機体の各制御対象点の位置(姿勢)、加速度、並びにZMP位置と外力モーメントを計測して、各点における位置及び加速度を制御することにより、最も厳密に機体制御を行なうことができる。
【0043】
しかしながら、原理に従い、制御に用いるローカル座標原点加速度に加え、すべての部位の位置及び加速度を直接的に計算して機体制御を行なうことはコストが過大であり、また、計測系の配置のための収容場所が問題となる。
【0044】
本発明によれば、ロボットの機体上の制御対象点として質量操作量が最大となる部位、例えば腰部をローカル座標原点に設定する。そして、この制御対象点に加速度センサなどの計測手段を配置して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なうことができる。
【0045】
他方、質量操作量が大きな部位を制御対象点に設定した場合、足部の状態は、世界座標系で直接計測するものではなく、この制御対象点の計算結果を基に相対的に算出されるものである。このため、足部と路面との間では以下の条件を満たすことが、前提となってしまう。
【0046】
(1)路面はどんな力やトルクが作用しても動くことがない。
(2)路面での並進に対する摩擦係数は充分に大きく、滑りが生じない。
【0047】
例えば、力やトルクが作用すると路面が動いてしまう砂利上や毛足の長い絨毯上、あるいは、並進の摩擦係数が充分に確保できずに滑りが生じ易い住居のタイルなどでの安定歩行(運動)を保証することができない。
【0048】
そこで、本発明では、路面との接触部位である足部にZMPと力を直接計測する反力センサ・システム(床反力センサなど)を配備するとともに、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサを配設することとした。
【0049】
この結果、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができ、上述したような前提条件に依存しない、より厳密な姿勢安定制御を高速で実現することができる。
【0050】
また、さらに多くの質量操作量を制御システムに組み込むことができ、主に動作の安定性に用いる部位(腰部)に配設された加速度センサ及び姿勢センサによる直接計測結果との協働的作用により、上述したような前提条件に依存しないような脚式移動ロボットの姿勢安定制御を実現することができる。
【0051】
また、前記状態検出手段は、各制御点毎に配置された、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサ、及び又は、計算モデルで用いる各ベクトル位置に配置された加速度センサと姿勢センサで構成することができる。
【0052】
このような場合、ZMP方程式(又は運動方程式)の導入に必要な制御パラメータ値を直接的に計測することができる。この結果、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現することができる。
【0053】
本発明に係る脚式移動ロボットのためのセンサ・システムは、例えば、機体上の質量が集中している各部位に搭載された加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサで構成される。
【0054】
あるいは、本発明に係る脚式移動ロボットのためのセンサ・システムは、各リンクの重心付近に搭載された加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサで構成される。
【0055】
あるいは、本発明に係る脚式移動ロボットのためのセンサ・システムは、関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に搭載された加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサで構成される。
【0056】
あるいは、本発明に係る脚式移動ロボットのためのセンサ・システムは、各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に搭載された加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサで構成される。
【0057】
あるいは、本発明に係る脚式移動ロボットのためのセンサ・システムは、各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に搭載された加速度センサと角加速度センサと角速度センサで構成される。
【0058】
また、機体上に分散配置されたセンサ同士を直列的に接続し、個々の制御点においてセンサ情報を基に算出されるモーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していくようにしてもよい。これら各項の総和を効率的に計算して、ZMP方程式や運動方程式を高速に導出することができる。
【0059】
また、前記脚式移動ロボットの関節自由度を構成するアクチュエータは、回転子マグネットと、複数相の磁気コイルからなる固定子で構成されるモータ部と、モータ部の出力する回転を加減速するギア・ユニットと、モータ部への供給電力を制御する制御部を備えている。そして、前記制御部上でアクチュエータ・ユニットの2次元重心位置近傍となる位置にセンサ・ユニットが搭載されている。
【0060】
ここで言うセンサ・ユニットは、例えば、1軸〜3軸の加速度センサと、1〜2軸の角速度センサと、3軸の角速度センサの組み合わせで構成される。
【0061】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0063】
A.脚式移動ロボットの機械的構成
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、胴体部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行なう左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)により機体の動作を統括的にコントロールするようになっている。
【0064】
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
【0065】
制御部は、この脚式移動ロボット100を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0066】
このように構成された脚式移動ロボット100は、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行なわれる。すなわち、
【0067】
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
【0068】
脚式移動ロボット100における歩行制御は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行なうことによって実現される。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
【0069】
歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の姿勢安定制御には、一般に、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算により行なう。ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0070】
図3には、この脚式移動ロボット100が具備する関節自由度構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の肢を備えた構造体である。
【0071】
頭部を支持する首関節(Neck)は、首関節ヨー軸1と、第1及び第2の首関節ピッチ軸2a,2bと、首関節ロール軸3という3自由度を有している。
また、各腕部は、その自由度として、肩(Shoulder)における肩関節ピッチ軸4と、肩関節ロール軸5と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)における肘関節ピッチ軸7と、手首(Wrist)における手首関節ヨー軸8と、手部とで構成される。手部は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。
【0072】
また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッチ軸9と、体幹ロール軸10という2自由度を有する。
【0073】
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節(Hip)における股関節ヨー軸11と、股関節ピッチ軸12と、股関節ロール軸13と、膝(Knee)における膝関節ピッチ軸14と、足首(Ankle)における足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16と、足部とで構成される。
【0074】
但し、エンターティンメント向けの脚式移動ロボット100が上述したすべての自由度を装備しなければならない訳でも、あるいはこれに限定される訳でもない。設計・製作上の制約条件や要求仕様などに応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることは言うまでもない。
【0075】
上述したような脚式移動ロボット100が持つ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行なうことなどの要請から、アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。本実施形態では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした(この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報に開示されている)。本実施形態では、直結ギアとして低減速ギアを採用することにより、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボット100に求められている駆動系自身の受動的特性を得ている。
【0076】
B.脚式移動ロボットの制御システム構成
図4には、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、ヒトの四肢を表現した各機構ユニット30,40,50R/L,60R/Lと、各機構ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行なう制御ユニット80とで構成される(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下同様)。
【0077】
脚式移動ロボット100全体の動作は、制御ユニット80によって統括的に制御される。制御ユニット80は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部81と、電源回路やロボット100の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行なうインターフェース(いずれも図示しない)などを含んだ周辺回路82とで構成される。
【0078】
本発明を実現する上で、この制御ユニット80の設置場所は特に限定されない。図4では体幹部ユニット40に搭載されているが、頭部ユニット30に搭載してもよい。あるいは、脚式移動ロボット100外に制御ユニット80を配備して、脚式移動ロボット100の機体とは有線若しくは無線で交信するようにしてもよい。
【0079】
図3に示した脚式移動ロボット100内の各関節自由度は、それぞれに対応するアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット30には、首関節ヨー軸1、首関節ピッチ軸2、首関節ロール軸3の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータA、首関節ピッチ軸アクチュエータA、首関節ロール軸アクチュエータAが配設されている。
【0080】
また、体幹部ユニット40には、体幹ピッチ軸9、体幹ロール軸10の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータA、体幹ロール軸アクチュエータA10が配備されている。
【0081】
また、腕部ユニット50R/Lは、上腕ユニット51R/Lと、肘関節ユニット52R/Lと、前腕ユニット53R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸4、肩関節ロール軸5、上腕ヨー軸6、肘関節ピッチ軸7、手首関節ヨー軸8の各々を表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータA、肩関節ロール軸アクチュエータA、上腕ヨー軸アクチュエータA、肘関節ピッチ軸アクチュエータA、手首関節ヨー軸アクチュエータAが配備されている。
【0082】
また、脚部ユニット60R/Lは、大腿部ユニット61R/Lと、膝ユニット62R/Lと、脛部ユニット63R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸11、股関節ピッチ軸12、股関節ロール軸13、膝関節ピッチ軸14、足首関節ピッチ軸15、足首関節ロール軸16の各々を表現する股関節ヨー軸アクチュエータA11、股関節ピッチ軸アクチュエータA12、股関節ロール軸アクチュエータA13、膝関節ピッチ軸アクチュエータA14、足首関節ピッチ軸アクチュエータA15、足首関節ロール軸アクチュエータA16が配備されている。
【0083】
各関節に用いられるアクチュエータA,A,A…は、より好ましくは、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータ(前述)で構成することができる。
【0084】
頭部ユニット30、体幹部ユニット40、腕部ユニット50、各脚部ユニット60などの各機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御用の副制御部35,45,55,65が配備されている。
【0085】
機体の体幹部40には、加速度センサ95と姿勢センサ96が配設されている。加速度センサ95は、X,Y,Z各軸方向に配置する。機体の腰部に加速度センサ95を配設することによって、質量操作量が大きな部位である腰部を制御対象点として設定して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なうことができる。
【0086】
また、各脚部60R,Lには、接地確認センサ91及び92と、加速度センサ93,94がそれぞれ配設されている。接地確認センサ91及び92は、例えば足底に圧力センサを装着することにより構成され、床反力の有無により足底が着床したか否かを検出することができる。また、加速度センサ93,94は、少なくともX及びYの各軸方向に配置する。左右の足部に加速度センサ93,94を配設することにより、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができる。
【0087】
質量操作量が大きな部位である腰部にのみ加速度センサを配置した場合、腰部のみが制御対象点に設定され、足部の状態は、この制御対象点の計算結果を基に相対的に算出しなければならず、足部と路面との間では以下の条件を満たすことが、前提となってしまう。
【0088】
(1)路面はどんな力やトルクが作用しても動くことがない。
(2)路面での並進に対する摩擦係数は充分に大きく、滑りが生じない。
【0089】
これに対し、本実施形態では、路面との接触部位である足部にZMPと力を直接計測する反力センサ・システム(床反力センサなど)を配備するとともに、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサを配設する。この結果、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができ、上述したような前提条件に依存しない、より厳密な姿勢安定制御を高速で実現することができる。この結果、力やトルクが作用すると路面が動いてしまう砂利上や毛足の長い絨毯上や、並進の摩擦係数が充分に確保できずに滑りが生じ易い住居のタイルなどであっても、機体の安定歩行(運動)を保証することができる。
【0090】
主制御部80は、各センサ91〜93の出力に応答して制御目標をダイナミックに補正することができる。より具体的には、副制御部35,45,55,65の各々に対して適応的な制御を行い、脚式移動ロボット100の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現する。
【0091】
ロボット100の機体上での全身運動は、足部運動、ZMP(Zero Moment Point)軌道、体幹運動、上肢運動、腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示するコマンドを各副制御部35,45,55,65に転送する。そして、各々の副制御部35,45…では、主制御部81からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA,A,A…に対して駆動制御信号を出力する。ここで言う「ZMP」とは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、「ZMP軌道」とは、例えばロボット100の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する(前述)。
【0092】
C.脚式移動ロボットの姿勢安定制御
次いで、本実施形態に係る脚式移動ロボット100における、脚式作業時すなわち足部、腰、体幹、下肢運動などからなる全身協調運動の実行時における姿勢の安定化処理の手順について説明する。
【0093】
本実施形態に係る姿勢安定制御は、ZMPを安定度判別規範に用いる。ZMPを安定度判別規範に用いたロボットの姿勢安定度制御は、基本的には足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にモーメントがゼロとなる点を探索することにある。すなわち、ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を導出して、このZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正する。
【0094】
本実施形態では、ロボットの機体上の制御対象点として質量操作量が最大となる部位、例えば腰部をローカル座標原点に設定する。そして、この制御対象点に加速度センサなどの計測手段を配置して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なう。さらに路面との接触部位である足部に加速度センサを配備することにより、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測して、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てる。
【0095】
C−1.ZMP方程式の導入
本実施形態に係る脚式移動ロボット100は無限のすなわち連続的な質点の集合体である。但し、ここでは有限数で離散的な質点からなる近似モデルに置き換えることによって、安定化処理のための計算量を削減するようにしている。より具体的には物理的には図3に示す多関節自由度構成を具備する脚式移動ロボット100を、図5に示すように多質点近似モデルに置き換えて取り扱う。図示の近似モデルは、線形且つ非干渉の多質点近似モデルである。
【0096】
図5において、O−XYZ座標系は絶対座標系におけるロール、ピッチ、ヨー各軸を表し、また、O’−X’Y’Z’座標系はロボット100とともに動く運動座標系におけるロール、ピッチ、ヨー各軸を表している。但し、図中におけるパラメータの意味は以下の通りである。また、ダッシュ(´)付きの記号は運動座標系を記述するものと理解されたい。
【0097】
【数1】
Figure 2004181613
【0098】
同図に示す多質点モデルでは、iはi番目に与えられた質点を表す添え字であり、mはi番目の質点の質量、r’はi番目の質点の位置ベクトル(但し運動座標系)を表すものとする。本実施形態に係る脚式移動ロボット100の機体重心は腰部付近に存在する。すなわち、腰部は、質量操作量が最大となる質点であり、図5では、その質量はm、その位置ベクトル(但し運動座標系)はr’(r’hx,r’hy,r’hz)とする。また、機体のZMPの位置ベクトル(但し運動座標系)をr’zmp(r’zmpx,r’zmpy,r’zmpz)とする。
【0099】
世界座標系O−XYZは絶対座標系であり、不変である。本実施形態に係る脚式移動ロボット100は、腰部と両脚の足部にそれぞれ加速度センサ93、94、96が配置されており、これらセンサ出力により腰部並びに立脚それぞれと世界座標系の相対位置ベクトルrが検出される。これに対し、運動座標系すなわち機体のローカル座標系はO−X’Y’Z’は、ロボットともに動く。
【0100】
多質点モデルは、言わば、ワイヤフレーム・モデルの形態でロボットを表現したものである。図5を見ても判るように、多質点近似モデルは、両肩、両肘、両手首、体幹、腰部、及び、両足首の各々を質点として設定される。図示の非厳密の多質点近似モデルにおいては、モーメント式は線形方程式の形式で記述され、該モーメント式はピッチ軸及びロール軸に関して干渉しない。多質点近似モデルは、概ね以下の処理手順により生成することができる。
【0101】
(1)ロボット100全体の質量分布を求める。
(2)質点を設定する。質点の設定方法は、設計者のマニュアル入力であっても、所定の規則に従った自動生成のいずれでも構わない。
(3)各領域i毎に、重心を求め、その重心位置と質量mを該当する質点に付与する。
(4)各質点mを、質点位置rを中心とし、その質量に比例した半径に持つ球体として表示する。
(5)現実に連結関係のある質点すなわち球体同士を連結する。
【0102】
なお、図6に示す多質点モデルにおいて、基体すなわち腰部情報における各回転角(θhx,θhy,θhz)は、脚式移動ロボット100における腰部の姿勢すなわちロール、ピッチ、ヨー軸の回転を規定するものである。
【0103】
機体のZMP方程式は、制御対象点において印加される各モーメントの釣合い関係を記述したものである。図6に示したように、機体を多数の質点mで表わし、これらを制御対象点とした場合、すべての制御対象点mにおいて印加されるモーメントの総和を求める式がZMP方程式である。
【0104】
世界座標系(O−XYZ)で記述された機体のZMP方程式、並びに機体のローカル座標系(O−X’Y’Z’)はそれぞれ以下の通りとなる。
【0105】
【数2】
Figure 2004181613
【0106】
上式は、各質点mにおいて印加された加速度成分により生成されるZMP回り(半径r−rzmp)のモーメントの総和と、各質点mに印加された外力モーメントMの総和と、外力Fにより生成されるZMP回り(k番目の外力Fの作用点をsとする)のモーメントの総和が釣り合うということを記述している。
【0107】
このZMP釣合い方程式は、総モーメント補償量すなわちモーメント・エラー成分Tを含んでいる。このモーメント・エラーをゼロ又は所定の許容範囲内に抑えることによって、機体の姿勢安定性が維持される。言い換えれば、モーメント・エラーをゼロ又は許容値以下となるように機体運動(足部運動や上半身の各部位の軌道)を修正することが、ZMPを安定度判別規範とした姿勢安定制御の本質である。
【0108】
本実施形態では、腰部と左右の足部にそれぞれ加速度センサ96,93及び94が配設されているので、これらの制御対象点における加速度計測結果を用いて直接的に且つ高精度に上記のZMP釣合い方程式を導出することができる。この結果、高速でより厳密な姿勢安定制御を実現することができる。
【0109】
C−2.全身協調型の姿勢安定制御
図7には、脚式移動ロボット100において安定歩行可能な機体運動を生成するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、以下の説明では、図5及び図6に示すような線形・非干渉多質点近似モデルを用いて脚式移動ロボット100の各関節位置や動作を記述するものとする。
【0110】
まず、足部運動の設定を行なう(ステップS1)。足部運動は、2以上の機体のポーズを時系列的に連結されてなるモーション・データである。
【0111】
モーション・データは、例えば、足部の各関節角の変位を表わした関節空間情報と、関節位置を表わしたデカルト空間情報で構成される。モーション・データは、コンソール画面上での手付け入力や、機体へのダイレクト・ティーチング(直接教示)例えばモーション編集用のオーサリング・システム上で構築したりすることができる。
【0112】
次いで、設定された足部運動を基にZMP安定領域を算出する(ステップS2)。ZMPは、機体に印加されるモーメントがゼロとなる点であり、基本的には足底接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側に存在する。ZMP安定領域は、この支持多角形のさらに内側に設定された領域であり、該領域にZMPを収容させることによって機体を高度に安定した状態にすることができる。
【0113】
そして、足部運動とZMP安定領域を基に、足部運動中におけるZMP軌道を設定する(ステップS3)。
【0114】
また、機体の上半身(股関節より上側)の各部位については、腰部、体幹部、上肢、頭部などのようにグループ設定する(ステップS11)。
【0115】
そして、各部位グループごとに希望軌道を設定する(ステップS12)。上半身における希望軌道の設定は、足部の場合と同様に、コンソール画面上での手付け入力や、機体へのダイレクト・ティーチング(直接教示)例えばモーション編集用のオーサリング・システム上で構築したりすることができる。
【0116】
次いで、各部位のグループ設定の調整(再グルーピング)を行ない(ステップS13)、さらにこれらグループに対して優先順位を与える(ステップS14)。
【0117】
ここで言う優先順位とは、機体の姿勢安定制御のための処理演算に投入する順位のことであり、例えば質量操作量に応じて割り振られる。この結果、機体上半身についての各部位についての優先順位付き希望軌道群が出来上がる。ロボットの姿勢に応じて、目標軌道間での優先順位の変更を行なうようにしてもよい。
【0118】
また、機体上半身の各部位グループ毎に、モーメント補償に利用できる質量を算出しておく(ステップS15)。
【0119】
そして、足部運動とZMP軌道、並びに上半身の各部位グループ毎の希望軌道群を基に、ステップS14により設定された優先順位に従って、各部位グループの運動パターンを姿勢安定化処理に投入する。
【0120】
この姿勢安定化処理では、まず、処理変数iに初期値1を代入する(ステップS20)。そして、優先順位が先頭からi番目までの部位グループについての目標軌道設定時における、目標ZMP上でのモーメント量すなわち総モーメント補償量を算出する(ステップS21)。目標軌道が算出されていない部位については、希望軌道を用いる。
【0121】
次いで、ステップS15において算出された当該部位のモーメント補償に利用できる質量を用いて、そのモーメント補償量を設定して(ステップS22)、モーメント補償量を算出する(ステップS23)。
【0122】
次いで、算出されたi番目の部位のモーメント補償量を用いて、i番目の部位についてのZMP方程式を導出して(ステップS24)、当該部位のモーメント補償運動を算出することにより(ステップS25)、優先順位が先頭からi番目までの部位についての目標軌道を得ることができる。
【0123】
このような処理をすべての部位グループについて行なうことにより、安定運動(例えば歩行)が可能な全身運動パターンが生成される。すなわち、ZMP方程式(あるいは運動方程式(後述))の解と各部位に与えられた優先順位に従がって、各目標起動の全部又は一部に対して修正を行なうことで、全身運動パターンが生成される。
【0124】
図7に示した機体運動パターン生成の処理手順では、まず足部運動を設定し安定領域を算出しZMP軌道の設定を行なってから、上半身の各部位における希望軌道の優先順位の設定を行なうように構成されているが、処理順序はこれに限定されない。例えば、上半身の各部位における希望軌道の優先順位を先に設定してから、ZMP安定領域の算出並びにZMP軌道の設定を行なうようにしてもよい。前者の場合、先に設定したZMP軌道に従がって上半身の各部位における希望軌道の優先順位が設定されるのに対し、後者の場合、先に設定された上半身の各部位の希望軌道を維持するように安定領域の算出並びにZMP軌道が設定される。
【0125】
図8には、各部位の希望軌道の優先順位を先に設定してから、ZMP安定領域の算出並びにZMP軌道の設定を行なう機体運動の生成処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0126】
まず、機体の上半身(股関節より上側)の各部位については、腰部、体幹部、上肢、頭部などのようにグループ設定する(ステップS31)。
【0127】
そして、各部位グループごとに希望軌道を設定する(ステップS32)。上半身における希望軌道の設定は、足部の場合と同様に、コンソール画面上での手付け入力や、機体へのダイレクト・ティーチング(直接教示)例えばモーション編集用のオーサリング・システム上で構築したりすることができる。
【0128】
次いで、各部位のグループ設定の調整(再グルーピング)を行ない(ステップS33)、さらにこれらグループに対して優先順位を与える(ステップS34)。
【0129】
ここで言う優先順位とは、機体の姿勢安定制御のための処理演算に投入する順位のことであり、例えば質量操作量に応じて割り振られる。この結果、機体上半身についての各部位についての優先順位付き希望軌道群が出来上がる。
【0130】
次いで、設定された上半身における希望軌道の優先順位を基に、ZMP安定領域を算出する(ステップS35)。そして、ZMP安定領域を基に、足部運動中におけるZMP軌道を設定する(ステップS36)。
【0131】
また、機体上半身の各部位グループ毎に、モーメント補償に利用できる質量を算出しておく(ステップS45)。
【0132】
そして、上半身の各部位グループ毎の希望軌道群とZMP軌道を基に、ステップS34により設定された優先順位に従って、各部位グループの運動パターンを姿勢安定化処理に投入する。
【0133】
この姿勢安定化処理では、まず、処理変数iに初期値1を代入する(ステップS37)。そして、優先順位が先頭からi番目までの部位グループについての目標軌道設定時における、目標ZMP上でのモーメント量すなわち総モーメント補償量を算出する(ステップS38)。目標軌道が算出されていない部位については、希望軌道を用いる。
【0134】
次いで、ステップS45において算出された当該部位のモーメント補償に利用できる質量を用いて、そのモーメント補償量を設定して(ステップS39)、モーメント補償量を算出する(ステップS40)。
【0135】
次いで、算出されたi番目の部位のモーメント補償量を用いて、i番目の部位についてのZMP方程式を導出して(ステップS41)、当該部位のモーメント補償運動を算出することにより(ステップS42)、優先順位が先頭からi番目までの部位についての目標軌道を得ることができる。
【0136】
ここで、図7中のステップS14における希望軌道の優先順位の設定方法について説明する。
【0137】
総モーメント補償量をΩ[Nm]とし、i部のモーメント補償に利用できる質量をM[N]とすると(i=1,2,3,…,n)、i部のモーメント補償量はα×Ω[Nm]となる。但し、αは絶対モーメント補償量係数であり、相対モーメント補償量係数βを用いて、下式のように表される。
【0138】
【数3】
Figure 2004181613
【0139】
補償量係数が0より離れるほど希望軌道の優先順位が下がる。正方向が運動の安定化に作用し、負方向が運動の安定化と逆方向に作用する。
【0140】
以下、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法について、具体例を参照しながら説明する。
【0141】
図9に示すように、手で台車を運ぶような運動パターンにおいては、手部の軌道の優先度が高まる。優先度の設定例として、手部のα=0.0とし、残りの部位のαの合計を1.0とする。
【0142】
図10に示すように、ゴルフ・クラブ(あるいは野球のバット)を両手で持ってスイングするような運動パターンにおいては、手部、足部の軌道の順で優先度が設定される。優先度の設定例として、手部のα=0.0とし、足部のα=0.1とし、残りの部位のαの合計を0.9とする。
【0143】
図11に示すように、機械体操におけるあん馬競技を行なうような運動パターンにおいては、両手のみで身体を支持することと脚部の姿勢が重要視されることから、手部と、体幹部と下肢の相対関係の軌道の優先度が高く設定される。優先度の設定例として、手部のα=0.0とし、体幹と下肢(肩部における軌道)のα=0.0とし、残りの部位のαの合計を1.0とする。
【0144】
図12に示すように、瓶やグラスなどを載せたトレイを片手で持ってバランスをとりながら歩行するような運動パターンにおいては、手部、体幹部、腰部、足部の軌道の順で優先度が設定される。
【0145】
図13に示すように、逆立ちをするような運動パターンにおいては、両手で全身を支持し姿勢安定を図ることから、手部、体感部、腰部の軌道の順で優先度が設定される。優先度の設定例として、手部のα=0.0とし、体幹のα=0.2とし、腰部のα=0.3とし、残りの部位のαの合計を0.5とする。
【0146】
図14に示すように、複数のコップを載せたトレイの底に棒を立てて、さらに棒の下端を額に載せてバランスをとるという運動パターンにおいては、頭部の起動の優先度が高く設定される。優先度の設定例として、頭部のα=0.0とし、残りの部位のαの合計を1.0とする。
【0147】
図15に示すように、複数のフラフープを腰部・体幹部の回転運動で支持するような運動パターンにおいては、体幹部の軌道の優先度が高く設定される。優先度の設定例として、体幹部のα=0.0とし、残りの部位のαの合計を1.0とする。
【0148】
図16に示すように、長い棒を持って走り、高所に設定されたバーを越える棒高跳び競技を行なうような運動パターンにおいては、時間の経過とともに、下肢、腰部、体幹部、上肢…と優先度が変化していく。優先度の設定例として、試技の前記において足部のα=0.0とし、中期において腰部及び体幹部のα=0.0とし、後期において上肢のα=0.0とし、各時期における残りの部位のαの合計を1.0とする。
【0149】
図17に示すように、リボンを持って踊る新体操、球乗り、バレエのような運動パターンにおいては、すべての部位における軌道の優先度が一様に高く設定される。優先度の設定例として、各部のαを共通とし、αの合計を1.0とする。
【0150】
図18に示すように、両腕を広げてバランスをとりながら綱渡りを行なうような運動パターンにおいては、足部、上肢・体幹部の軌道の順で優先度が設定される。優先度の設定例として、足部のα=0.0とし、上肢及び体幹部のα=0.1とし、残りの部位のαの合計を0.9とする。
【0151】
図19に示すように、工事中のビルの外壁に沿って組まれた足場を歩くような運動パターンにおいては、上肢・体幹部、足部の軌道の順で優先度が設定される。優先度の設定例として、上肢および体幹部のα=0.1とし、足部のα=0.2とし、残りの部位のαの合計を0.7とする。
【0152】
D.機械ハードウェアの変形を考慮した運動制御
これまでの脚式移動ロボット及びその力学的取り扱いは、外力やトルクを受けても変形が非常に小さく、ロボット全体の運動に対して無視できることを前提としていた。つまり、ロボットの各関節間の距離は変化しないことを前提としていたので、ロボット・システムの状態検出センサは、各要素に関して各1つの構成で十分であった。
【0153】
しかしながら、今後、走行やより加速度を継続的且つ積極的に用いたダイナミクス・レベルの高い運動を実現しようとすると機械ハードウェア自身の変形をも利用した衝撃緩衝機能が必要となるとともに、より高次の方程式を実時間で高速に解くことが必要になる。
【0154】
そこで、この項では、ロボットの各関節間の距離は変化しないという前提条件が不要なセンサ・システム構成方法及びそれを用いた分散型の高速運動制御システムについて提案する。
【0155】
なお、本明細書中では、以下の定義に従うものとする(例えば、日本機械学会編「機械系の動力学」(p.31−33、オーム社、平成3年3月25日)を参照のこと)。
【0156】
並進運動: 慣性力=−(重量/重力加速度)×加速度
回転運動: 慣性モーメント=−極慣性モーメント×角加速度
極慣性モーメント: 回転軸における慣性モーメント
【0157】
本実施形態に係る脚式移動ロボットは、ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、系が適切なZMP空間を形成し、支持多角形の内側にZMPがある場合は、系に回転運動や並進運動が発生せず、回転や並進に関する運動方程式を解く必要がない。なお、支持多角形の内側にZMPがない場合や、外界に対する支持作用点が存在しない場合は、ZMP方程式に代えて、運動方程式を解く必要がある。
【0158】
機体のZMP方程式は、制御対象点において印加される各モーメントの釣合い関係を記述したものである。機体を多数の質点mで表わし、これらを制御対象点とした場合、すべての制御対象点mにおいて印加されるモーメントの総和を求める式がZMP釣合い方程式である。
【0159】
世界座標系(O−XYZ)で記述された機体のZMP釣合い方程式、並びに機体のローカル座標系(O−X’Y’Z’)で記述された機体のZMP釣合い方程式はそれぞれ以下の通りとなる。
【0160】
【数4】
Figure 2004181613
【0161】
上記の各式は、各質点(又は制御点)mにおいて印加された加速度成分により生成されるZMP回り(半径r−Pzmp)のモーメントの総和と、各質点mに印加された外力モーメントMの総和と、外力Fにより生成されるZMP回り(k番目の外力Fの作用点をSとする)のモーメントの総和が釣り合うということを記述している。
【0162】
このZMP釣合い方程式は、総モーメント補償量すなわちモーメント・エラー成分Tを含んでいる。このモーメント・エラーをゼロ又は所定の許容範囲内に抑えることによって、機体の姿勢安定性が維持される。言い換えれば、モーメント・エラーをゼロ又は許容値以下となるように機体運動(足部運動や上半身の各部位の軌道)を修正することが、ZMPを安定度判別規範とした姿勢安定制御の本質である。
【0163】
本実施形態に係る脚式移動ロボットは、外界との接触部位にZMPと力を直接計測する反力センサ・システムを配置するとともに、運動制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサを配置し、さらに計算モデルで用いている各ベクトル位置に加速度センサと姿勢センサを配置することで、ZMP方程式(又は運動方程式)を導入するために必要な制御パラメータを直接的に計測することを可能とすることで、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現する。
【0164】
本実施形態に係る反力センサ・システムの配置例を以下に挙げておく。
【0165】
(1)質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する。
(2)各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する。
(3)各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する。
(4)各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する。
(5)各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサと角速度センサを搭載する。
【0166】
(1)によれば、質量が集中している部位を制御点として、各制御点において印加される加速度成分を制御点毎に直接計測し、これにより生成される制御点におけるZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を、各部位毎に直接算出することができる。そして、中央の制御ユニットにおいては、各制御点から集められたこれらモーメント項を順次加算してその総和をとることで、より厳密なZMP釣合い方程式を直接的に導入することができる。また、各制御点毎にモーメント項を直接計測していることから、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現することができる。
【0167】
ここで言う質量が集中している部位とは、バッテリ重心、制御ユニット重心、リンク重心、アクチュエータ重心、関節軸、その他の質量集中物などが該当する。図20には、脚式移動ロボットの機体上の質量が集中している部位に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示している。同図に示すように、主要な外界との接触部位として、手のひらと足底に外力センサ及び外力モーメント・センサを搭載している。
【0168】
また、(2)によれば、関節を接続する各リンクの重心付近を制御点として、各制御点において印加される加速度成分を制御点毎に直接計測し、これにより生成される制御点におけるZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を、各部位毎に直接算出することができる。そして、中央の制御ユニットにおいては、各制御点から集められたこれらモーメント項を順次加算してその総和をとることで、より厳密なZMP釣合い方程式を直接的に導入することができる。また、各制御点毎にモーメント項を直接計測していることから、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現することができる。
【0169】
図21には、脚式移動ロボットの機体上の各リンクの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示している。同図に示すように、主要な外界との接触部位として、手のひらと足底に外力センサ及び外力モーメント・センサを搭載している。
【0170】
また、(3)によれば、機体上の主な質量集中部位としての各アクチュエータの重心付近を制御点として、各制御点において印加される加速度成分を制御点毎に直接計測し、これにより生成される制御点におけるZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を、各部位毎に直接算出することができる。そして、中央の制御ユニットにおいては、各制御点から集められたこれらモーメント項を順次加算してその総和をとることで、より厳密なZMP釣合い方程式を直接的に導入することができる。また、各制御点毎にモーメント項を直接計測していることから、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現することができる。
【0171】
図22には、脚式移動ロボットの機体上の各アクチュエータの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示している。同図に示すように、主要な外界との接触部位として、手のひらと足底に外力センサ及び外力モーメント・センサを搭載している。
【0172】
なお、上述の(1)〜(5)に示したような分散配置型の反力センサ・システムによれば、各制御点で計測された加速度センサからのセンサ情報に基づいて、実際の回転中心を測定することができる。したがって、機体の設計情報から一意に求まる重心の場合とは相違し、リンクなど機体が外力などによって変形をきたした場合であっても、より正確な機体の重心位置を動的に算出することができる。
【0173】
図23には、本実施形態に係る脚式移動ロボットの運動制御の概略的な処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0174】
まず、脚式移動ロボットの機体の安定度判別を行なう(ステップS51)。安定度は、機体の支持多角形を参照して、ZMP位置が安定領域にあるかどうかで判断することができる。
【0175】
支持多角形の内側にZMPがある場合は、系に回転運動や並進運動が発生せず、回転や並進に関する運動方程式を解く必要がない。そこで、ステップS52に進み、系が形成する適切なZMP空間を用いてZMP方程式を解くことにより、姿勢安定制御を行なう(後述)。
【0176】
一方、支持多角形の内側にZMPがない場合や、外界に対する支持作用点が存在しない場合は、ZMP方程式に代えて、運動方程式を解くことにより(ステップS53)、姿勢安定制御を行なう(後述)。
【0177】
なお、跳躍を伴うダンスなど、すべての部位の軌道の優先度が一様に高く設定される場合には、ZMP方程式と運動方程式の両方を解く場合がある。
図24には、ステップS52における、ZMP方程式の解法に基づく機体の安定制御の処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0178】
まず、質量集中部位や各リンクの重心付近、各アクチュエータの重心付近など、制御点毎に配置された加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサからのセンサ情報を基に、ZMPを測定し、又は重心を測定する(ステップS61)。外力などの影響で、機体が変形したときには、加速度センサの実測値を基に重心を動的に測定する必要がある。
【0179】
次いで、ステップS62〜ステップS69により形成される処理ループにおいて、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点についてのZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を、制御点に配設されたセンサからの情報に基づいて直接算出するとともに、これらのモーメント項を順次加算していき、これらの総和を求める。
【0180】
この結果、ZMP方程式を用いて、モーメント・エラーTを算出することができる(ステップS70)。
【0181】
次いで、計測された各部の状態量と同定された外力モーメントを初期値として、ZMP軌道又は重心の回転軌道、そして各部の軌道を再計画する(ステップS71)。
【0182】
そして、アクチュエータ・システム群に再計画結果に基づく目標値を送信して、本処理ルーチンを終了する。
【0183】
なお、図24に示す処理手順では、制御点における発生モーメントを算出するi系の処理と、制御点において印加される外力モーメントを算出するj系の処理と、制御点において外力により生成されるZMP回りのモーメントを算出するk系の処理を含み、i,j,k系の処理がシリアルに進行しているが、パラレルに進行するようにしてもよい(後述)。
【0184】
また、図25には、ステップS53における、運動方程式の解法に基づく機体の安定制御の処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0185】
まず、ZMP上の床反力Fを測定する(ステップS81)。
【0186】
次いで、ステップS82〜ステップS89により形成される処理ループにおいて、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点に印加される並進力、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力、並びに外力を、制御点に配設されたセンサからの情報に基づいて直接算出するとともに、これらの並進力項を順次加算して、これらの総和を求める。
【0187】
この結果、ダランベールの原理から、未知外力Fを算出することができる(ステップS90)。
【0188】
次いで、計測された各部の情報量と同定された未知外力を初期値として、ZMP軌道又は重心軌道、そして各部の軌道を再計画する(ステップS91)。
【0189】
そして、アクチュエータ・システム群に再計画結果に基づく目標値を送信して、本処理ルーチンを終了する。
【0190】
なお、図25に示す処理手順では、制御点における並進力を算出するi系の処理と、制御点の外力モーメントにより生成される並進力を算出するj系の処理と、制御点において印加される外力を算出するk系の処理を含み、i,j,k系の処理がシリアルに進行しているが、パラレルに進行するようにしてもよい(後述)。
【0191】
図24に示したフローチャートにおけるステップS62〜ステップS69で形成される処理ループでは、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点についてのZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を、制御点毎に配設されたセンサからの情報に基づいて直接算出するとともに、これらのモーメント項を順次加算していき、これらの総和を求めることによって、ZMP方程式を効率的に導入することができる。
【0192】
同様に、図25に示したフローチャートにおけるステップS82〜ステップS89で形成される処理ループでは、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点に印加される並進力、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力、並びに外力を、制御点毎に配設されたセンサからの情報に基づいて直接算出するとともに、これらの並進力項を順次加算して、これらの総和を求めることにより、並進・回転の運動方程式を効率的に導入することができる。
【0193】
図20〜図22を参照しながら説明したように、本実施形態に係る脚式移動ロボットにおいては、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサを各制御点毎に配置し、さらに計算モデルで用いる各ベクトル位置に加速度センサと姿勢センサを配置することで、ZMP方程式(又は運動方程式)の導入に必要な制御パラメータ値を直接的に計測するように構成されている。
【0194】
これら機体上に分散配置されたセンサ同士が直列的に接続されている場合、個々の制御点においてセンサ情報を基に算出されるモーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していくことによって、これらの総和を効率的に計算することができる。
【0195】
図22には、脚式移動ロボットの機体上の各アクチュエータの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示したが(前述)、図26には、この場合のセンサ同士を直列的に接続するための一例を示している。
【0196】
同図に示すように、左右の上肢、並びに左右の下肢に配設されたセンサ間がそれぞれ独立して、中央の制御ユニットが始点及び終点となるように直列的に接続されている。このような場合、各肢毎に、制御点のセンサ情報に基づく計算結果が順次加算され、これらが中央の制御ユニットに戻されて総和が得られ、ここで方程式を導入することができる。
【0197】
また、図27には、センサ同士を直列的に接続するための他の例を示している。同図に示す例では、全身に配設されたセンサ間が、いわば「一筆書き」の形態で、中央の制御ユニットが始点及び終点となるように一列に接続されている。このような配線形態の場合、各制御点におけるセンサ情報に基づく計算結果が制御点後とに順次加算されていき、中央の制御ユニットにデータが戻された時点で各項の総和が既に求まっており、制御ユニットでは、容易に方程式を導入することができる。
【0198】
また、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサを各制御点毎に配置し、さらに計算モデルで用いる各ベクトル位置に加速度センサと姿勢センサを配置する一例として、質量が集中する各アクチュエータの重心付近に、加速度、角加速度、角速度センサを搭載するという実装例を既に紹介した。
【0199】
図28には、ユニットの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載した関節アクチュエータの構成例を示している。
【0200】
同図に示す関節アクチュエータは、回転子マグネットと、複数相の磁気コイルからなる固定子で構成されるモータ部と、モータ部の出力する回転を加減速するギア・ユニット(GU)と、モータ部への供給電力を制御する制御部で構成される。
【0201】
制御部は例えば印刷配線板で構成され、その略中央には、センサ・ユニットが搭載されている。
【0202】
センサ・ユニットは、アクチュエータ・ユニットの2次元重心位置近傍に配置されている。
【0203】
センサ・ユニットは、1軸〜3軸の加速度センサと、1〜2軸の角速度センサと、3軸の角速度センサの組み合わせで構成される。
【0204】
図29には、図に示した関節アクチュエータの機能構成を模式的に示している。同図に示すように、アクチュエータ10は、インターフェース部11と、コマンド処理部12と、モータ制御部13と、センサ信号処理部14を備えている。
【0205】
インターフェース部11は、ホスト・コントローラとの間でインターフェース・プロトコルを実現する。
【0206】
コマンド処理部12は、インターフェース部12を介して受け取ったホスト・コマンドを処理してモータ制御部13に伝達したり、モータ制御部13やセンサ信号処理部14からのセンサ情報を演算処理してインターフェース部12経由でホスト・コントローラに返したりする。
【0207】
モータ制御部13は、ホスト・コマンドに従ったモータの回転を実現するための電流信号をモータ・コイル15にPWM(Pulse Width Modulation)出力し、また、回転子(図示しない)の回転位置を検出する一センサ16からの角度情報を取得する。
【0208】
センサ信号処理部14は、センサ・ユニットに含まれる加速度センサ(X〜Y)、ジャイロ・センサ(ピッチ、ロール、ヨー)からのセンサ情報を処理する。
【0209】
本実施形態においては、制御点毎に配設されたセンサからの情報に基づいて、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点についてのZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を直接算出することができる。同様に、制御点毎に配設されたセンサからの情報に基づいて、ZMP近傍又は重心近傍から順に、各制御点に印加される並進力、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力、並びに外力を直接算出することができる。
【0210】
さらに、機体上に分散配置されたセンサ同士が直列的に接続されている場合、個々の制御点においてセンサ情報を基に算出されるモーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していくことによって、これらの総和を効率的に計算することができる。
【0211】
図28及び図29を参照しながら説明したセンサ内蔵型の関節アクチュエータにおいては、コマンド処理部12が、センサ信号処理部14によって信号処理された加速度センサ(X〜Y)、ジャイロ・センサ(ピッチ、ロール、ヨー)からのセンサ情報を利用して、モーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していくことができる。
【0212】
図30には、各制御点の関節アクチュエータ内で、ZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を順次加算していく構成を図解している。
【0213】
同図に示すように、関節アクチュエータには、接続経路の上位の関節アクチュエータから、i−1番目までの制御点におけるZMP回りのモーメント項の総和、j−1番目までの制御点における外力モーメント項の総和、並びにk−1番目までの制御点における外力により生成されるZMP回りのモーメント項の総和が入力される。そして、関節アクチュエータ内で検出されたセンサ情報に基づいて、当該制御点におけるZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を算出するとともに、これらをそれぞれの総和に加算処理して、i番目までの制御点におけるZMP回りのモーメント項の総和、j番目までの制御点における外力モーメント項の総和、並びにk番目までの制御点における外力により生成されるZMP回りのモーメント項の総和として、接続経路の下位の関節アクチュエータに出力する。したがって、接続経路に従がって、このような加算処理を逐次繰り返していくことにより、中央コントローラに演算結果が到達するときには、ZMP釣合い方程式を構成する各モーメント項が既に求められているので、ZMP安定度判別規範に基づく機体の姿勢安定制御を効率的且つ高速に実現することができる。
【0214】
ZMP釣合い方程式の導入には、制御点における発生モーメントを算出するi系の処理と、制御点において印加される外力モーメントを算出するj系の処理と、制御点において外力により生成されるZMP回りのモーメントを算出するk系の処理が含まれるが、図示の例ではi,j,k系の処理がパラレルに進行する。i,j,k系の処理がパラレルに進行するシステムでは、配線が少なくて済むというメリットがある。なお、特に各制御点においてi,j,k系すべての要素が備わっている必要はなく、i系の演算のみ、あるいはi系の演算がなくてi−1系までの演算をパススルーするだけといったデザインも可能である。
【0215】
また、図31には、各制御点の関節アクチュエータ内で、制御点に印加される並進力項、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力項、並びに外力項を順次加算していく構成を図解している。
【0216】
同図に示すように、関節アクチュエータには、接続経路の上位の関節アクチュエータから、i−1番目までの制御点に印加される並進力項の総和、j−1番目までの制御点におけるZMP回りのモーメントにより印加される並進力項の総和、並びにk−1番目までの制御点に印加される外力項の総和が入力される。そして、関節アクチュエータ内で検出されたセンサ情報に基づいて、当該制御点に印加される並進力項、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力項、並びに外力項を算出するとともに、これらをそれぞれの総和に加算処理して、i番目までの制御点に印加される並進力項の総和、j番目までの制御点におけるZMP回りのモーメントにより印加される並進力項の総和、並びにk番目までの制御点に印加される外力項の総和として、接続経路の下位の関節アクチュエータに出力する。したがって、接続経路に従がって、このような加算処理を逐次繰り返していくことにより、中央コントローラに演算結果が到達するときには、運動方程式を構成する各並進力項が既に求められているので、運動方程式を利用した機体の姿勢安定制御を効率的且つ高速に実現することができる。
【0217】
運動方程式の導入には、制御点における並進力を算出するi系の処理と、制御点の外力モーメントにより生成される並進力を算出するj系の処理と、制御点において印加される外力を算出するk系の処理が含まれるが、図示の例ではi,j,k系の処理がパラレルに進行する。i,j,k系の処理がパラレルに進行するシステムでは、配線が少なくて済むというメリットがある。なお、特に各制御点においてi,j,k系すべての要素が備わっている必要はなく、i系の演算のみ、あるいはi系の演算がなくてi−1系までの演算をパススルーするだけといったデザインも可能である。
【0218】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0219】
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置あるいはその他の一般的な移動体装置であるならば、例えば玩具などのような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0220】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0221】
【発明の効果】
本発明によれば、ZMPを姿勢安定度判別規範に用いて運動中の機体の姿勢を安定化制御することができる、優れた脚式移動ロボットのための動作制御装置及び動作制御方法を提供することができる。
【0222】
また、本発明によれば、ZMP方程式を高速且つ高精度に導き出すことによってより厳密な姿勢安定制御を行なうことを可能にする、優れた脚式移動ロボットのための動作制御装置及び動作制御方法を提供することができる。
【0223】
また、本発明によれば、ZMPを安定度判別規範に用いて姿勢安定化制御を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、並びに脚式移動ロボットのためのセンサ・システムを提供することができる。
【0224】
また、本発明によれば、機体上の各部に設置されたセンサからの計測値に基づいて導入されたZMP方程式を用いて未知外力モーメント及び未知外力を同定して運動制御を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法、並びに脚式移動ロボットのためのセンサ・システムを提供することができる。
【0225】
本発明に係る脚式移動ロボットは、外界との接触部位にZMPと力を直接計測する反力センサ・システムを配置するとともに、運動制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角度センサを配置し、さらに計算モデルで用いている各ベクトル位置に加速度センサと姿勢センサを配置することで、直接的計測を可能とすることで、機体が剛体で外力などの印加で変形しないという条件を前提としないで厳密な運動制御を応答性よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。
【図3】図3は、脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を模式的に示した図である。
【図4】図4は、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示した図である。
【図5】図5は、脚式移動ロボット100の多質点近似モデルを示した図である。
【図6】図6は、多質点モデルの腰部周辺の拡大図を示した図である。
【図7】図7は、脚式移動ロボット100において安定歩行可能な機体運動を生成するための処理手順を示したフローチャートである。
【図8】図8は、脚式移動ロボット100において安定歩行可能な機体運動を生成するための処理手順の変形例を示したフローチャートである。
【図9】図9は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図10】図10は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図11】図11は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図12】図12は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図13】図13は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図14】図14は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図15】図15は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図16】図16は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図17】図17は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図18】図18は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図19】図19は、上半身における希望軌道の優先順位の設定方法を説明するための図である。
【図20】図20は、脚式移動ロボットの機体上の質量が集中している部位に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示した図である。
【図21】図21は、脚式移動ロボットの機体上の各リンクの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示した図である。
【図22】図22は、脚式移動ロボットの機体上の各アクチュエータの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載している様子を示した図である。
【図23】図23は、脚式移動ロボットの運動制御の概略的な処理手順をフローチャートの形式で示した図である。
【図24】図24は、ZMP方程式の解法に基づく機体の安定制御の処理手順を示したフローチャートである。
【図25】図25は、運動方程式の解法に基づく機体の安定制御の処理手順を示したフローチャートである。
【図26】図26は、脚式移動ロボットの機体上の各アクチュエータの重心付近に配置されたセンサ同士を直列的に接続する構成例を示した図である。
【図27】図27は、脚式移動ロボットの機体上の各アクチュエータの重心付近に配置されたセンサ同士を直列的に接続する構成例を示した図である。
【図28】図28は、ユニットの重心付近に加速度、角加速度、角速度センサを搭載した関節アクチュエータの構成例を示した図である。
【図29】図29は、図28に示した関節アクチュエータの機能構成を模式的に示した図である。
【図30】図30は、各制御点の関節アクチュエータ内で、ZMP回りのモーメント項、制御点に印加される外力モーメント項、並びに制御点に印加される外力により生成されるZMP回りのモーメント項を順次加算していく構成を示した図である。
【図31】図31は、各制御点の関節アクチュエータ内で、制御点に印加される並進力項、ZMP回りのモーメントにより印加される並進力項、並びに外力項を順次加算していく構成を示した図である。
【符号の説明】
1…首関節ヨー軸
2A…第1の首関節ピッチ軸
2B…第2の首関節(頭)ピッチ軸
3…首関節ロール軸
4…肩関節ピッチ軸
5…肩関節ロール軸
6…上腕ヨー軸
7…肘関節ピッチ軸
8…手首関節ヨー軸
9…体幹ピッチ軸
10…体幹ロール軸
11…股関節ヨー軸
12…股関節ピッチ軸
13…股関節ロール軸
14…膝関節ピッチ軸
15…足首関節ピッチ軸
16…足首関節ロール軸
30…頭部ユニット,40…体幹部ユニット
50…腕部ユニット,51…上腕ユニット
52…肘関節ユニット,53…前腕ユニット
60…脚部ユニット,61…大腿部ユニット
62…膝関節ユニット,63…脛部ユニット
80…制御ユニット,81…主制御部
82…周辺回路
91,92…接地確認センサ
93,94…加速度センサ
95…姿勢センサ
96…加速度センサ
100…脚式移動ロボット

Claims (88)

  1. 基体と前記基体に接続される複数の可動部を備えたロボット装置であって、
    前記基体及び少なくとも1つの前記可動部に制御対象点を設け、
    前記制御対象点毎に配置された複数の加速度センサと、
    前記可動部を制御する制御手段と、
    前記加速度センサ毎に得られる加速度情報に基づいて導入された所定の方程式を用いて前記ロボット装置に印加される未知モーメント及び/又は未知外力を算出する手段とを備え、
    前記制御手段は、算出された未知モーメント及び/又は未知外力に応じて前記可動部を制御する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 前記所定の方程式はZMP方程式又は運動方程式である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記複数の可動部は、少なくとも上肢、下肢及び体幹部を含み、
    前記制御対象点は、少なくとも前記上肢、前記下肢及び前記体幹部毎に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  4. 基体と前記基体に接続される可動部を有するロボット装置であって、
    前記基体と少なくとも1以上の前記可動部に設けられた複数の制御対象点と、
    前記の各制御対象点における目標軌道を設定する目標軌道設定手段と、
    各目標軌道間での優先順位を設定する優先順位設定手段と、
    前記の各制御対象点の目標軌道に基づいて、所望の全身運動パターンを生成する全身運動パターン生成手段とを備え、
    前記全身運動パターン生成手段は、優先順位に基づいて、前記目標軌道の全部又は一部に対して修正を行ない、全身運動パターンを生成する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  5. 前記優先順位設定手段は、前記ロボット装置の姿勢に応じて目標軌道間での優先順位を変更する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のロボット装置。
  6. 前記の各制御対象点には加速度計測手段が設けられ、
    前記全身運動パターン生成手段は、前記ロボット装置に関するZMP方程式又は運動方程式を生成し、前記ZMP方程式又は運動方程式の解と前記優先順位とに基づいて各目標軌道を修正することにより、全身運動パターンを生成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のロボット装置。
  7. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動を行なうタイプのロボットの動作制御装置であって、
    前記ロボットの機体上の複数の部位における力学的状態を検出する状態検出手段と、
    前記状態検出手段による検出結果に基づいて、機体の運動を制御する運動制御手段と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  8. 前記状態検出手段は、前記ロボットの機体上の制御対象点における加速度を計測する加速度計測手段と、前記ロボットと外界との接触部位におけるZMPと力を計測する反力計測手段とを備え、
    前記運動制御手段は、前記加速度計測手段並びに前記反力計測手段による計測結果を基に、前記ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を生成し、該ZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  9. 前記加速度計測手段は前記ロボットの機体上の制御対象点として質量操作量が最大となる部位における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  10. 前記加速度計測手段は前記ロボットの機体上の制御対象点としての腰部における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  11. 前記加速度計測手段は前記ロボットの機体上の制御対象点としての各脚の足部における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  12. 前記運動制御手段は、所定の優先順位に従った順番で、各部位毎に目標軌道を修正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  13. 質量操作量の大きさの順に各部位に目標軌道修正のための優先順位を与える、
    ことを特徴とする請求項12に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装置。
  14. 前記状態検出手段は、各制御点毎に配置された、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサ、及び又は、計算モデルで用いる各ベクトル位置に配置された加速度センサと姿勢センサで構成される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  15. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  16. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  17. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  18. 機体上の質量が集中している部位に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  19. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  20. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  21. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  22. 各リンクの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  23. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  24. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  25. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  26. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  27. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  28. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  29. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  30. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  31. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  32. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  33. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  34. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  35. 機体上に分散配置されたセンサ同士が直列的に接続され、個々の制御点においてセンサ情報を基に算出されるモーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していく、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  36. 前記脚式移動ロボットの関節自由度を構成するアクチュエータは、回転子マグネットと、複数相の磁気コイルからなる固定子で構成されるモータ部と、モータ部の出力する回転を加減速するギア・ユニットと、モータ部への供給電力を制御する制御部を備え、
    前記制御部上でアクチュエータ・ユニットの2次元重心位置近傍となる位置にセンサ・ユニットが搭載されている、
    ことを特徴とする請求項14に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  37. 前記センサ・ユニットは、1軸〜3軸の加速度センサと、1〜2軸の角速度センサと、3軸の角速度センサの組み合わせで構成される、
    ことを特徴とする請求項36に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  38. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動を行なうタイプのロボットの動作制御方法であって、
    前記ロボットの機体上の複数の部位における力学的状態を検出する状態検出ステップと、
    前記状態検出ステップにおける検出結果に基づいて、機体の運動を制御する運動制御ステップと、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  39. 前記状態検出ステップは、前記ロボットの機体上の制御対象点における加速度を計測する加速度計測ステップと、前記ロボットと外界との接触部位におけるZMPと力を計測する反力計測ステップとを備え、
    前記運動制御ステップは、前記加速度計測ステップ並びに前記反力計測ステップによる計測結果を基に、前記ロボットの機体に印加される各モーメントの釣合い関係を記述したZMP方程式を生成し、該ZMP方程式上で現れるモーメント・エラーを打ち消すように機体の目標軌道を修正する、
    ことを特徴とする請求項38に記載の脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  40. 前記加速度計測ステップでは前記ロボットの機体上の制御対象点として質量操作量が最大となる部位における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項39に記載の脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  41. 前記加速度計測ステップでは前記ロボットの機体上の制御対象点としての腰部における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項39に記載の脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  42. 前記加速度計測ステップでは前記ロボットの機体上の制御対象点としての各脚の足部における加速度を計測する、
    ことを特徴とする請求項39に記載の脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  43. 前記運動制御ステップでは、所定の優先順位に従った順番で、各部位毎に目標軌道を修正する、
    ことを特徴とする請求項39に記載の脚式移動ロボットのための動作制御方法。
  44. 質量操作量の大きさの順に各部位に目標軌道修正のための優先順位を与える、
    ことを特徴とする請求項43に記載の脚式移動ロボットのための動作制御装方法。
  45. 前記状態検出ステップでは、各制御点毎に配置された、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角速度センサ、及び又は、計算モデルで用いる各ベクトル位置に配置された加速度センサと姿勢センサからセンサ情報を得る、
    ことを特徴とする請求項38に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  46. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  47. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  48. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  49. 機体上の質量が集中している部位に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  50. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  51. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  52. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  53. 各リンクの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  54. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  55. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  56. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  57. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  58. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  59. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  60. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  61. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  62. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  63. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  64. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  65. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  66. 機体上に分散配置されたセンサ同士が直列的に接続され、個々の制御点においてセンサ情報を基に算出されるモーメント項や外力項を、接続経路に従って各制御点において順次加算していく、
    ことを特徴とする請求項45に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  67. 少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットのためのセンサ・システムであって、
    外界との接触部位にZMPと力を直接計測する反力センサ・システムを配置するとともに、運動制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサや角度センサを配置し、さらに計算モデルで用いている各ベクトル位置に加速度センサと姿勢センサを配置する、
    を特徴とする脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  68. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  69. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  70. 機体上の質量が集中している部位に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  71. 機体上の質量が集中している部位に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  72. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  73. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  74. 各リンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  75. 各リンクの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  76. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  77. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  78. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  79. 関節自由度を構成する各アクチュエータの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  80. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  81. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  82. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサ、角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  83. 各アクチュエータの重心付近及びアクチュエータを除いたリンクの重心付近に加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  84. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  85. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  86. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサと角速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  87. 各アクチュエータの重心付近、バッテリの重心付近、又は、バッテリとアクチュエータを除いたリンクの重心付近に、加速度センサを搭載する、
    ことを特徴とする請求項67に記載の脚式移動ロボットのためのセンサ・システム。
  88. 基体と、前記基体に接続される可動部材を有する移動体装置において、
    前記可動部材を駆動する駆動手段と、
    前記基体及び少なくとも1つの前記可動部材に設置された加速度検出手段と、
    前記の各加速度手段から得られる加速度情報に基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする移動体装置。
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