JP2004181520A - 超硬合金製圧延用複合ロール - Google Patents

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満喜 堀内
Toshiyuki Hattori
敏幸 服部
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Abstract

【課題】外層を溶射にて形成するとともに、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材の圧延に十分耐え得る超硬合金製圧延用複合ロールを提供する。
【解決手段】超硬合金からなる外層を鉄系または鋼系合金からなる内層に少なくとも1mm以上の厚みで溶射にて形成したことを特徴とし、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力が常温において100〜500MPaであり、かつJIS R1601に準拠した抗折試験において、外層と内層との境界接合部を含む抗折試験片の抗折強度が600MPa以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材をはじめとする金属材の圧延に用いられる圧延用ロールに関し、特に靭性に優れる鉄系または鋼系合金材料からなる内層材と、この内層材の外周に超硬合金からなる外層材を備えた超硬合金製圧延用複合ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
寸法精度の向上など圧延材に対する高品質化、あるいはロール替え工数減少による生産性向上の要求に応えるため、耐摩耗性、耐肌荒れ性などに優れた炭化タングステン(WC)系超硬合金が線材、棒鋼、平鋼、帯鋼などの圧延用ロールに適用されている。WC系超硬合金は公知のごとく、WCをCo、Ni、Crなどの金属元素で結合した焼結合金である。
【0003】
超硬合金を圧延用ロールとして使用するため、靭性に優れた鉄系または鋼系合金からなる内層材と超硬合金からなる外層材が金属接合した複合ロールが開発されている。例えば特許文献1には、溶製の鋼系材からなる軸材の外周に周期律表のIVa〜VIa族元素の炭化物、窒化物及び炭窒化物の硬質粒子の少なくとも1種または2種以上を60〜90重量%と、残部実質的にFe,Ni,Co,Cr,Mo及びWの少なくとも1種または2種以上の金属粉末とからなる混合粉末を焼結させると同時に拡散接合させた超硬合金製の外層の表面に100MPa以上の円周方向の圧縮残留応力を有することを特徴とする超硬合金製複合ロールが開示されている。この超硬合金製複合ロールは、混合粉末を軸材の外周に真空焼結法等の焼結法により拡散接合させることにより形成される。
【0004】
また、特許文献2にはWC−Co系超硬合金を用いたプラズマ溶射による皮膜が、Fe基のロール側下層より表層にかけてWCの重量比を次第に増加させた組成を持つ積層構造とした耐摩耗ロールが開示されている。この方法では、焼結炉を必要としないため、設備的な制約およびまた設備コストも比較的安価ですむメリットがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−5824号公報
【特許文献2】
特開平4−141570号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示す圧延用ロールは真空焼結法等で製造されるが、真空焼結炉の設備は寸法的に限られているため、圧延用ロールの全長が1mを越すようなものは、設備的な制約や設備コストが大きいなどの問題がある。一方、特許文献2に示す圧延用ロールは外層を溶射によって形成するため、ロールの全長が1mを超える場合でも設備的な制約を受けないというメリットがある。しかしながら、得られる溶射層の厚みは数μm〜数十μmの皮膜である。薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材をはじめとする金属材の圧延用ロールでは、一般的に数mm〜数十mm厚みの外層が要求される。外層の厚みが増えると、それに伴い残留応力が増加しクラック防止効果が低減する。さらに、超硬合金と内層の境界接合部には引張残留応力が発生している上、ロールは圧延中には圧延応力が作用するため、引張残留応力に更なる圧延応力が加わる。このため外層を溶射層で形成する場合、圧延中に境界接合部から割れる可能性がある。
【0007】
したがって、本発明は、外層を溶射で形成するとともに、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材の圧延に十分耐え得ることのできる圧延用複合ロールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の超硬合金製圧延用複合ロールは、溶射によって形成された超硬合金からなる外層と、鉄系または鋼系合金からなる内層とにより構成され、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力が常温において100〜500MPaであり、かつJIS R1601に準拠した抗折試験において、外層と内層との境界接合部を含む抗折試験片の抗折強度が600MPa以上であることを特徴とする。
【0009】
また前記発明において、外層が2層以上の複層に形成されてなり、外層中のWC含有量が内層側からロールの半径方向の外側にかけて段階的に増加していることを特徴とする。さらに、外層のロール半径方向の厚みが全ての複層を含めて、合計にて1mm以上であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
鉄系または鋼系合金からなる内層の外周に、超硬合金からなる外層を溶射で形成するとともに、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力を常温において100〜500MPa付与することによって、超硬合金と内層の境界接合部の引張残留応力を緩和させ圧延に耐えうることができる。
【0011】
また、外層および内層の組成によっては、外層を形成する超硬合金の主成分である炭化タングステン(WC)中の炭素(C)が、内層を形成する鉄系または鋼系材料へ拡散し、境界接合部近傍の炭化タングステン(WC)よりも靭性の低い複炭化物((W,Co)C)に変化し、境界接合部の強度を低下させることがあるため、境界接合部の強度を確保しておく必要がある。このため、JIS R1601に準拠した抗折試験において、外層と内層との境界接合部を含む抗折試験片の抗折強度が600MPa以上必要である。
【0012】
さらに、外層が2層以上の複層に形成されてなり、外層中のWC含有量が内層側からロールの半径方向の外側にかけて段階的に増加して形成されていることにより、外層と内層の熱膨張差を段階的に縮めることができ、熱膨張差による境界接合部の剥離を一層防止することができる。
【0013】
また、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材をはじめとする金属材の圧延用ロールにおいて、一定期間圧延を行うために、外層厚みは数mm〜数十mmが要求される。よって本発明の超硬合金製圧延用複合ロールを実際の圧延用ロールに供するためには外層の厚みが合計にて1mm以上であることが好ましい。
【0014】
従来の焼結法より施工が容易であり、設備的な制約が少なく、設備コストも比較的安価ですむ溶射法を用いる場合においても、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材の圧延に十分耐え得ることのできる外層圧縮残留応力の制御および境界接合部強度を最適化することにより、圧延用複合ロールを提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に本発明実施例1の圧延用複合ロールの概略断面図を示す。図1において、内径φ580mm、長さ1800mmの中空円筒状の内層1の外周に、外層2として予め混合した超硬合金粉末を溶射にて厚み5mm形成させた。内層1はSNCM鋼からなり、また外層2の超硬合金粉末の組成は、重量比でWC80%、Co20%である。なお、図1において右半分部分は対称であるため省略した。
【0016】
溶射後冷却し、ロール表面を機械加工により除去した後、超音波探傷装置により、外層2と内層1が健全に接合していることを確認した。さらに、ロール端部より外層2と内層1の境界接合部を含む抗折試験片を採取し、JIS R1601に準拠した抗折試験を実施したところ、抗折強度は611MPaであった。
【0017】
このように構成した中空円筒状のロールを鋼系の軸に焼嵌にて固定し、これを圧延に供したところ、超硬合金の外層と内層との境界接合部の割れや外層表面の割れなどは発生せず、良好な結果が得られた。また、使用後、歪ゲージにより残留応力を測定したところ、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力は392MPaであり、適正な応力が付与されているのを確認できた。
【0018】
(実施例2)
図2は本発明実施例2の圧延用複合ロールの概略断面図を示す。図2において、内径φ350mm、長さ700mmの中空円筒状の内層1の外周に、外層として超硬合金層3,4、5を溶射にて厚みを各々10mm、0.5mm、0.2mm形成させた。つまり外層の合計の厚みは10.7mmである。内層1はSNCM鋼からなり、超硬合金層3の組成は、重量比でWC88%、Co12%、超硬合金層4の組成は、重量比でWC50%、Co50%、超硬合金層5の組成は、重量比でWC30%、Co70%である。なお、図2において右半分部分は対称であるため省略した。
【0019】
溶射後冷却し、ロール表面を機械加工により除去した後、超音波探傷装置により、外層3、4、5と内層1が健全に接合していることを確認した。さらに、ロール端部より外層3、4、5と内層1の境界接合部を含む抗折試験片を採取し、JIS R1601に準拠した抗折試験を実施したところ、抗折強度は1032MPaであった。
【0020】
このように構成した中空円筒状のロールを鋼系の軸に焼嵌にて固定し、これを圧延に供したところ、超硬合金の外層と内層との境界接合部の割れや外層表面の割れなどは発生せず、良好な結果が得られた。また、使用後、歪ゲージにより残留応力を測定したところ、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力は481MPaであり、適正な応力が付与されているのを確認できた。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、従来の焼結法より施工が容易であり、設備的な制約が少なく、設備コストも比較的安価ですむ溶射法を用い、薄帯材、板材、線材、棒材などの鋼材の圧延に十分耐え得ることのできる外層圧縮残留応力を制御し、境界接合部強度を最適化した超硬合金製圧延用複合ロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にて得られた超硬合金製圧延用複合ロール概略断面図を示す。
【図2】本発明にて得られた超硬合金製圧延用複合ロール概略断面図を示す。

Claims (3)

  1. 溶射によって形成された超硬合金からなる外層と、鉄系または鋼系合金からなる内層とにより構成され、ロール外層の回転軸方向中央部における円周方向の圧縮残留応力が常温において100〜500MPaであり、かつJIS R1601に準拠した抗折試験において、外層と内層との境界接合部を含む抗折試験片の抗折強度が600MPa以上であることを特徴とする超硬合金製圧延用複合ロール。
  2. 前記外層が2層以上の複層に形成されてなり、外層中のWC含有量が内層側からロールの半径方向の外側にかけて段階的に増加していることを特徴とする請求項1に記載の超硬合金製圧延用複合ロール。
  3. 前記外層の厚みが合計にて1mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超硬合金製圧延用複合ロール。
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