JP2004181499A - 高周波誘導加熱形鋳造装置 - Google Patents

高周波誘導加熱形鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融金属を鋳型に押し込むためのガス加圧の最適タイミングを自動的に設定する。
【解決手段】金属材料を収容するるつぼ1の外周に同軸的に配置された高周波誘導加熱用コイル5とこれに並列接続されたコンデンサ11とにより構成された並列共振回路12と、該並列共振回路に高周波信号を供給する高周波信号発生器14と、上記並列共振回路に供給される高周波信号電流の大きさまたは共振周波数を検出する検出器18と、該検出器により検出され、上記るつぼから溶融金属が鋳型の湯口に向けて落下、排出されることにより変化する上記信号電流の大きさまたは共振周波数を予め設定された基準値と比較して制御信号を発生する比較器22と、該比較器からの制御信号に応答して、最適のタイミングで上記溶融金属を上記鋳型に押し込むためのガス加圧を開始させるための信号を発生するタイミング回路24とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として歯科用、装身具等の小型物品を鋳造するのに適した高周波誘導加熱形鋳造装置に関するもので、特にるつぼ中の溶融金属の量的変化を電気信号として検出することにより溶融金属が鋳型に供給されるタイミングを検出し、これから溶融金属を鋳型に押し込むためのガス加圧の開始タイミングを自動的に最適タイミングに設定する機能を具えた高周波誘導加熱形鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科用の義歯床を作成するために、例えばチタンのような金属を溶融受皿部に載せて高温ガスで溶融し、次いで溶融した金属を鋳型の湯道に流し込むと共に、流し込んだ溶湯に圧力をかけて強制的に湯道から鋳型内の空間に押し込み、鋳型内の細部に溶湯を充填させて義歯床を鋳造成形する鋳造装置が知られている(例えば特許文献1。)。また、後程説明するように溶融受皿部あるいはるつぼに収容された金属を高周波誘導加熱により溶融して、溶融金属すなわち溶湯を鋳型に注湯し、ガス圧で溶湯を強制的に鋳型内に押し込むようにした高周波誘導加熱形鋳造装置も知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−154956号公報(第2〜4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
るつぼ中の溶融金属の量や粘度の相違により、るつぼ中の溶融金属が鋳型の湯口に到達するまでの時間が異なるため、従来の鋳造装置では、溶融金属すなわち溶湯を鋳型内に押し込むために圧力をかけるタイミングを適正に設定することは熟練した鋳造技術者の長年の経験によってのみ可能な非常に困難な作業であった。また、たとえ熟練した鋳造技術者であっても均質な鋳造品を鋳造することは非常に困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、るつぼ内の溶融金属を鋳型に流し込むに当たって、溶融金属がるつぼから鋳型の湯口に落下、排出されるタイミングを検出し、鋳型に供給された溶融金属がその湯口で安定した最適のタイミングでガス加圧バルブを開いてガス加圧を開始させることにより、溶融金属すなわち溶湯を鋳型の細部にまで完全に押し込み、充填させることができる鋳造装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、溶融金属を収容したるつぼの外周にこのるつぼと同軸的に配置された高周波誘導加熱用コイルとこれに並列接続されたコンデンサとにより構成された並列共振回路と、該並列共振回路に高周波信号を供給する高周波信号発生器と、該高周波信号発生器から上記並列共振回路に供給される高周波信号電流の値を検出する例えば高周波変流器からなる高周波電流検出器と、該高周波電流検出器により検出され、上記るつぼから溶融金属が鋳型の湯口に向けて落下、排出されることにより変化する上記信号電流の値を予め設定された基準値と比較して、検出された上記信号電流の値が上記基準値に達した時点で制御信号を発生する比較器と、該比較器からの制御信号に応答して、上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定したタイミングで上記溶融金属を上記鋳型に押し込むためのガス加圧を開始させるための信号を発生するタイミング回路と、を含んでいる。タイミング回路としては、例えば、上記制御信号が発生した時点から上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定するまでの時間を設定するための遅延回路が使用される。
【0007】
本願の第2の発明は、溶融金属を収容するるつぼの外周にこのるつぼと同軸的に配置された高周波誘導加熱用コイルと該コイルに並列接続されたコンデンサとにより構成された並列共振回路と、該並列共振回路にその共振周波数をもった高周波信号を供給する高周波信号発生器と、該高周波信号発生器から上記並列共振回路に供給され、上記るつぼから溶融金属が鋳型の湯口に向けて落下、排出されることにより変化する上記高周波信号の共振周波数を検出する周波数検出器と、上記高周波信号の共振周波数を予め設定された基準周波数と比較して、検出された上記共振周波数が上記基準周波数に達した時点で制御信号を発生する比較器と、該比較器からの制御信号に応答して、上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定したタイミングで上記溶融金属を上記鋳型に押し込むためのガス加圧を開始させるための信号を発生するタイミング回路と、を含んでいる。第1の発明と同様に、タイミング回路としては、例えば、上記制御信号が発生した時点から上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定するまでの時間を設定するための遅延回路が使用される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は本発明で使用される高周波誘導加熱形鋳造装置の構造を概略的に示した断面図である。同図で、1はるつぼで、該るつぼは垂直の中心線に沿って2分割される半部1a、1bとからなり、各半部は支持台2、2により支持されている。るつぼ1内に鋳造材料となる金属3を収容して加熱溶融する期間中には上記半部1a、1bは爪4、4により矢印で示す内側方向に押されて閉じられている。るつぼ1の外周には該るつぼ1と同軸的に高周波誘導加熱用コイル5が配置されている。るつぼ1の下には鋳型8が配置されている。9は湯口、10は鋳型内の鋳造空間である。
【0009】
るつぼ1内の溶融金属3を鋳型8に注湯するときは、図3に示すように爪4、4を矢印で示すように外方に移動させて半部1a、1bを開く。これによって、溶融金属3は鋳型8の湯口9に向けて落下、排出され、空間10に注湯される。
【0010】
図4は高周波誘導加熱用コイル5に高周波エネルギを供給するための回路をブロック図の形で示したものであり、高周波誘導加熱用コイル5と並列にコンデンサ11が接続されていて並列共振回路12を構成している。高周波信号発生器14は、並列共振回路12に高周波信号を供給する。16は高周波信号発生器14の電圧、周波数、位相等を調整するための制御信号を発生する制御回路で、該制御回路16には並列共振回路12の両端間の高周波信号電圧を表わす信号17と、上記並列共振回路12に供給される高周波信号電流を高周波変流器18で検出して得られた信号19とが供給される。制御回路16は、これに供給される上記2つの信号17、19に応答して高周波信号発生器14に、その電圧、電流、周波数等を制御するための信号20を供給する。
【0011】
制御回路16は、並列共振回路12の両端間の高周波信号電圧を表わす信号17と、該並列共振回路12に流れる高周波信号電流の大きさを表わす信号19とに応答して、高周波電信号発生器14の出力電圧と電流の位相が一致するように、上記高周波信号発生器14の出力周波数を調整する制御信号20を発生する。これによって並列共振回路12に供給される電力の力率が最大になり、無効電流が最小になる。
【0012】
るつぼ1内に溶融金属が存在するか否かによって、またるつぼ1内に存在する溶融金属の量によって高周波誘導加熱コイル5のインダクタンスが変化するために、並列共振回路12の共振周波数は変化する。すなわち、溶融金属がるつぼ1内に存在するときは、その溶融金属内に渦電流が発生し、その溶融金属がコイル5に対して等価的な2次コイルとして作用し、その2次コイルを渦電流回路で短絡することになる。従って、コイル5中の、上記等価的な2次コイルに結合していない部分がインダクタンス分として残ることになり、上記コイル5のインダクタンスは、るつぼ1内に溶融金属が存在するときは存在しないときよりも小さくなる。
【0013】
このことから、るつぼ1内に溶融金属が存在するときは、その溶融金属の量が多くなればなる程コイル5の実効インダクタンスは減少し、並列共振回路12の共振周波数は高くなる。制御回路16によって、高周波信号発生器14の出力周波数を並列共振回路12の共振周波数に一致させるように調整することにより、該並列共振回路12の共振電流を常に最大値に維持することができ、高周波誘導加熱効率を高く維持することができる。このとき、高周波信号発生器14の負荷となる並列共振回路12の力率は実質的に100%になり、高周波信号発生器14は並列共振回路12に、その損失分のみを供給すればよい。
【0014】
るつぼ1内に溶融金属が存在しないときは、並列共振回路12の損失分は、コイル5およびコンデンサ11の抵抗損失分と、周辺の金属部分を加熱するエネルギに相当する損失分のみであり、高周波信号発生器14から並列共振回路12に供給される高周波電流は最小になる。一方、るつぼ1内に溶融金属が存在するときは、その溶融金属内で発生する渦電流損やヒステリシス損が上記並列共振回路12固有の損失分に加算されることになり、該並列共振回路12に供給される高周波電流は、るつぼ1内の溶融金属の量が多くなればなる程大きくなる。
【0015】
以上のように、るつぼ1内の溶融金属の量的変化によって並列共振回路12に供給される高周波電流の大きさが変化することを利用して、その電流の変化からるつぼ1内に存在する溶融金属の量を大略計測することができ、また、るつぼ1内の溶融金属の量的変化によって並列共振回路12の共振周波数が変化することを利用して、その共振周波数の変化からるつぼ1内に存在する溶融金属の相対的な量的変化を大略計測することが可能になる。さらに、並列共振回路12に流れる高周波信号電流の大きさと、並列共振回路12の共振周波数を同時に検出して、るつぼ1内の溶融金属の量を計測することもできる。
【0016】
図5は、図2に示すようにるつぼ1が閉じていて、るつぼ1内に溶融金属3が存在する状態から、図3に示すように爪4、4を矢印方向に移動させて半部1a、1bを分離してるつぼ1を開き、溶融金属3を鋳型8に向けて落下、排出し終わるまでの、並列共振回路12に供給される高周波電流の変化を示した図である。期間T1は図2に示すようにるつぼ1が閉じていて内部に溶融金属3が存在する期間であり、この期間T1における高周波電流はI1の大きさ(振幅)をもっている。期間T2は図3に示すようにるつぼ1が開いている期間を示す。この期間T2中の期間T3は、るつぼ1が開いた直後から溶融金属3がるつぼ1内から鋳型8の湯口9に完全に落下、排出されるまでの期間を示している。るつぼ1内のすべての溶融金属が鋳型8の湯口9に供給された後の高周波信号電流の大きさ(振幅)はI2で、前述の理由により、I1>I2である。るつぼ1から溶融金属3が鋳型8に向けて落下、排出されつつある期間T3では、高周波信号電流の大きさはI1からI2に向けて低下する。
【0017】
図6は、るつぼ1が図2に示すように閉じている状態から図3に示すように開いて溶融金属3が鋳型8に向けて落下、排出されるときの並列共振回路12の共振周波数の変化を示した図である。期間T1はるつぼ1が閉じていて内部に溶融金属3が存在するときの期間で、このときコイル5のインダクタンスは前述の理由により最小で、高い共振周波数F1を示す。T2はるつぼ1が開いて溶融金属3が鋳型8に落下、排出される期間を示し、すべての溶融金属3が鋳型8の湯口9に供給されると、コイルのインダクタンスは最大になり、共振周波数F2は最も低くなる。期間T2中の期間T3は、るつぼ1から溶融金属3が鋳型8の湯口9に向けて落下、排出されつつあるときの期間で、この期間中は上記共振周波数はF1からF2に向けて低下する。
【0018】
るつぼ1を開いて溶融金属3を鋳型8の湯口9に注湯するときは、その周囲を一旦真空状態にまで減圧し、溶融金属と鋳型内に含まれるガスを除去すると共に、鋳型8の空間10内に湯が行きわたり易くする。るつぼ1内の溶融金属3が落下して鋳型8の湯口9に溶融金属が供給された時点で、鋳型8の周囲に不活性ガス、例えばアルゴンガスを吹き込んで、鋳型8の周囲の圧力を瞬間的に上昇させ、鋳型8の空間10の細部にまで湯を強制的に押し込み、充填する。
【0019】
不活性ガスによる圧力上昇、すなわちガス加圧のタイミングは、るつぼ1内の溶融金属3がすべて鋳型8の湯口9に供給されて安定した時点が最適とされている。このタイミングが早すぎると、るつぼ1から鋳型8に向けて落下中の溶融金属が存在し、溶融金属がガスを巻き込んで内部にボイド(孔、巣)が発生する可能性がある。一方、上記のタイミングが遅すぎると、鋳型8の湯口9に溜まった湯(溶融金属)の温度が低下して粘性が大きくなり、ガス加圧による鋳型の空間10内への押し込み効果が低下する。
【0020】
るつぼ1が開いて、るつぼ1内のすべての溶融金属3が鋳型8の湯口9に落下、排出されるまでの時間は、溶融金属の量、温度、組成等の諸条件によって変化する。このため、従来はガス加圧のタイミングは経験的にるつぼ1が開いた時点から、るつぼ1内の溶融金属が完全に排出されるまでの最長時間を基準として設定されていた。すなわち、るつぼ1が開いたことを表わす信号の発生に応答して固定された遅延時間が設定されたタイマーを起動し、設定された遅延時間のタイムアップと同時にガス供給バルブを開いてガス加圧を開始している。
【0021】
ところが、このような方法では、溶融金属が少量の場合、あるいは溶融金属の粘度が低く、流動性が高い場合には、溶融金属は短時間でるつぼ1から落下して鋳型に供給され、鋳型8の湯口9での滞留時間が長くなって温度が低下し、粘度が高くなる。そこで、このような場合、湯口9での溶融金属の温度の低下を補償するために、熟練した鋳造技術者は長年の経験からるつぼ1中の溶融金属3の温度を若干高めになるように過加熱してから上記溶融金属を鋳型8に注湯するという微妙な調整操作を行っていた。従って、未熟な鋳造技術者では実際問題として均質な鋳造品を鋳造することは不可能であった。
【0022】
本発明による高周波誘導加熱形鋳造装置は、るつぼ1が図3のように開いて、内部の溶融金属3が鋳型8の湯口9に向けて落下、排出される時点を検出して、この時点からガス加圧のタイミングを最適タイミングに設定する機能を具えたもので、溶融金属の量、温度、組成が変わっても最適タイミングでガス加圧を実行して均質な鋳造品を製造することができるものである。
【0023】
図1は、本発明によるガス加圧タイミング制御装置を具えた高周波誘導加熱形鋳造装置の一実施形態を示すもので、図4に示す従来から使用されている制御回路に、高周波電流レベル比較回路22,該比較回路22の出力信号に対して所定の大きさの遅延を与える例えば遅延回路からなるタイミング回路24、および該タイミング回路24の出力信号に応答してガス加圧を開始させる例えばガス加圧バルブ26を追加して構成されている。
【0024】
比較回路22には、高周波変流器18で検出された高周波電流の大きさを表わす信号が供給される。比較回路22には、基準値として、るつぼ1内に溶融金属が全く存在しないときの高周波信号電流の大きさである図5のI2のレベルとほぼ等しいレベル、具体的にはI2のレベルよりも僅かに高いレベルが予め設定されている。比較回路22は、高周波変流器18で検出されたそのときの高周波電流のレベル(これをIvとする)を上記基準レベルと比較する。Ivが上記基準レベルよりも大のときは、るつぼ1内にまだ溶融金属が存在しているか、または開いたるつぼ1から未だすべての溶融金属が鋳型8の湯口9に供給されていない状態を表わすから、上記比較回路22は出力信号を発生しない。開いたるつぼ1からすべての溶融金属3が鋳型8の湯口9に供給されて、高周波変流器18で検出された高周波信号電流のレベルIvがI2になると、I2は上記基準レベル以下であるから、比較回路22は出力信号を発生する。タイミング回路24は上記出力信号を、上記るつぼ1の溶融金属がすべて鋳型8の湯口9に供給されて安定するまでの時間だけ遅延させて、ガス加圧開始信号を発生する。この信号によって例えばガス加圧バルブ26は開かれてガス源からのガスによるガス加圧を開始させ、鋳型8の湯口9にある溶融金属は鋳型8の空間10の細部にまで強制的に押し込まれて充填される。上記のガス加圧の前に鋳型8の周囲を一旦真空状態に減圧することは前述の従来の鋳造装置と同様である。
【0025】
るつぼ1内の溶融金属の量の変化によって並列共振回路12の共振周波数が変化することを利用して、るつぼ1からすべての溶融金属3が鋳型8の湯口9に供給されるタイミングを検出することもできる。この場合、比較回路22として周波数比較回路が使用される。高周波変流器18によって、高周波信号発生器14から並列共振回路12に供給される高周波信号の共振周波数を検出し、その共振周波数(これをFvとする)を表わす信号を上記比較回路22に供給する。比較回路22には基準周波数として、図6に示されている周波数F2とほぼ等しい周波数、例えばF2よりも僅かに高い周波数、すなわちるつぼ1内に溶融金属が存在しないときの並列共振回路12の共振周波数F2よりも僅かに高い周波数が設定されている。比較回路22に供給されるそのときの共振周波数Fvが上記基準周波数よりも低くなると、該比較回路22は出力信号を発生する。タイミング回路24は上記出力信号を、上記るつぼ1の溶融金属がすべて鋳型8の湯口9に供給されて安定するまでの時間だけ遅延させて、ガス加圧開始信号を発生する。この信号によって例えばガス加圧バルブ26を開いてガス加圧を開始させ、鋳型8の湯口9にある溶融金属は鋳型8の空間10の細部にまで強制的に押し込まれて充填される。この場合も、上記のガス加圧の前に鋳型8の周囲を一旦真空状態に減圧することは前述の従来の鋳造装置と同様である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、るつぼ内の溶融金属の量、温度、組成等を考慮して、タイミング回路24の遅延時間を、上記るつぼ1の溶融金属がすべて鋳型8の湯口9に落下、排出されて安定するまでの時間に予め設定しておくことにより、常に最適のタイミングでガス加圧を開始させることができ、熟練した鋳造技術者でなくても均質で品質の良い鋳造物を製造することができる。
【0027】
また、本発明によれば、溶融金属がるつぼに収容されているときの高周波入力信号電流の大きさ、並列共振回路の共振周波数からるつぼ内の溶融金属の量を知ることができるから、高周波誘導加熱電力の大きさ、加熱時間を溶融金属の量に応じた最適値に自動調整することができ、また各種動作シーケンスのタイミングの自動調整も可能になり、自動鋳造化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるガス加圧タイミング制御装置を具えた鋳造装置用の高周波誘導加熱装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図2は、閉じられた状態にあるるつぼと鋳型を示す概略断面図である。
【図3】図3は、るつぼが開いて溶融金属が鋳型に向けて落下、排出される状態にあるときの上記るつぼと鋳型を示す概略断面図である。
【図4】図4は、従来の鋳造装置用の高周波誘導加熱装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図5】図5は、るつぼに溶融金属が収容されているときと、るつぼから溶融金属が鋳型に落下、排出されるときの並列共振回路に供給される高周波入力電流の大きさの変化の例を示す図である。
【図6】図6は、るつぼに溶融金属が収容されているときと、るつぼから溶融金属が鋳型に落下、排出されるときの並列共振回路の共振周波数の変化の例を示す図である。
【符号の説明】
1 るつぼ
5 高周波誘導加熱用コイル
8 鋳型
9 湯口
10 鋳型の空間
11 コンデンサ
12 並列共振回路
14 高周波信号発生器
16 制御回路
18 高周波変流器
22 比較回路
24 タイミング回路
26 ガス加圧バルブ

Claims (3)

  1. 溶融金属を収容するるつぼの外周に同軸的に配置された高周波誘導加熱用コイルと該コイルに並列接続されたコンデンサとにより構成された並列共振回路と、該並列共振回路に高周波信号を供給する高周波信号発生器と、上記並列共振回路に供給される高周波信号電流の大きさを検出する高周波電流検出器と、該高周波電流検出器により検出され、上記るつぼから溶融金属が鋳型に向けて落下、排出されることにより変化する上記高周波信号電流の値を予め設定された基準値と比較して、検出された上記高周波信号電流の値が上記基準値に達すると制御信号を発生する比較器と、該比較器からの制御信号に応答して、上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定したタイミングで上記溶融金属を上記鋳型に押し込むためのガス加圧を開始させるための信号を発生するタイミング回路と、を含む高周波誘導加熱形鋳造装置。
  2. 溶融金属を収容するるつぼの外周に同軸的に配置された高周波誘導加熱用コイルと該コイルに並列接続されたコンデンサとにより構成された並列共振回路と、該並列共振回路にその共振周波数をもった高周波信号を供給する高周波信号発生器と、上記並列共振回路に供給され、上記るつぼから溶融金属が鋳型に向けて落下、排出されることにより変化する上記高周波信号の共振周波数を検出する周波数検出器と、上記高周波信号の共振周波数を予め設定された基準周波数と比較して、検出された上記共振周波数が上記基準周波数に達すると制御信号を発生する比較器と、該比較器からの制御信号に応答して、上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定したタイミングで上記溶融金属を上記鋳型に押し込むためのガス加圧を開始させるための信号を発生するタイミング回路と、を含む高周波誘導加熱形鋳造装置。
  3. 上記タイミング回路は、上記制御信号が発生した時点から上記溶融金属が上記鋳型の湯口に到達して安定するまでの時間を設定するための遅延回路により構成されている、請求項1または2に記載の高周波誘導加熱形鋳造装置。
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