JP2007291504A - スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 - Google Patents
スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007291504A JP2007291504A JP2007070245A JP2007070245A JP2007291504A JP 2007291504 A JP2007291504 A JP 2007291504A JP 2007070245 A JP2007070245 A JP 2007070245A JP 2007070245 A JP2007070245 A JP 2007070245A JP 2007291504 A JP2007291504 A JP 2007291504A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- superalloy
- arc
- electroslag remelting
- arc start
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B9/00—General processes of refining or remelting of metals; Apparatus for electroslag or arc remelting of metals
- C22B9/16—Remelting metals
- C22B9/18—Electroslag remelting
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B7/00—Working up raw materials other than ores, e.g. scrap, to produce non-ferrous metals and compounds thereof; Methods of a general interest or applied to the winning of more than two metals
- C22B7/001—Dry processes
- C22B7/003—Dry processes only remelting, e.g. of chips, borings, turnings; apparatus used therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C19/00—Alloys based on nickel or cobalt
- C22C19/03—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel
- C22C19/05—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C19/00—Alloys based on nickel or cobalt
- C22C19/03—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel
- C22C19/05—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium
- C22C19/051—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium and Mo or W
- C22C19/055—Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium and Mo or W with the maximum Cr content being at least 20% but less than 30%
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C19/00—Alloys based on nickel or cobalt
- C22C19/07—Alloys based on nickel or cobalt based on cobalt
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
- C22C38/42—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with copper
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
- C22C38/44—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
- C22C38/48—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with niobium or tantalum
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B4/00—Electrothermal treatment of ores or metallurgical products for obtaining metals or alloys
- C22B4/005—Electrothermal treatment of ores or metallurgical products for obtaining metals or alloys using plasma jets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B4/00—Electrothermal treatment of ores or metallurgical products for obtaining metals or alloys
- C22B4/06—Alloys
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B9/00—General processes of refining or remelting of metals; Apparatus for electroslag or arc remelting of metals
- C22B9/16—Remelting metals
- C22B9/22—Remelting metals with heating by wave energy or particle radiation
- C22B9/226—Remelting metals with heating by wave energy or particle radiation by electric discharge, e.g. plasma
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Environmental & Geological Engineering (AREA)
- General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Geology (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
【課題】エレクトロスラグ再溶解を開始する際にアークを安定してスタートさせるためのアークスタート材およびこのアークスタート材を使用したアークスタート方法を提供する。
【解決手段】カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材を用いたアークスタート方法。
【選択図】なし
【解決手段】カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材を用いたアークスタート方法。
【選択図】なし
Description
この発明は、スーパーアロイ(Ni基、Co基、Fe基の耐食耐熱合金)の鋳塊をエレクトロスラグ再溶解(以下、ESRという)する際にアークを低電力で安定してスタートさせるためのアークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法に関するものである。
一般に、スーパーアロイの鋳塊を用いて化学プラント部品やガスタービンなどを製造している。これらの中でも特にガスタービンなどの回転体を含む各種部品は使用中に破損すると大きな事故に繋がることが多くまた破損すると多大の損失をこうむるところから、スーパーアロイの鋳塊には特に厳しい健全性が要求されている。そのために、スーパーアロイを溶解し鋳造して得られた一次鋳塊は、これを電極としてESRすることにより更に健全な二次鋳塊を製造している。
スーパーアロイの一次鋳塊を電極としてESRすることにより健全な二次鋳塊を製造するには、まず、スーパーアロイの一次鋳塊を電極とし、この電極と共金プレートの間にアークを発生させ、このアーク熱によりフラックスを溶解して溶融スラグを形成し、溶融スラグが形成されたらその後は溶融スラグ中に電流を流しながら溶融スラグを抵抗発熱体としてスーパーアロイの一次鋳塊の電極を再溶解する。この再溶解したスーパーアロイの液滴は溶融スラグ中を比重差により沈下し、沈下中に溶解したスーパーアロイは溶融スラグにより精錬され、介在物除去と脱硫が促進される。さらに溶融スラグ直下のメタルプールは水冷銅モールドにより方向性凝固し、組織が制御されて一層健全な二次鋳塊を製造することができる。
前記ESRの操業において最も熟練を要するのは、ESRを開始するときにアークを発生させてフラックスを溶解し溶融スラグを形成する作業である。この作業においてフラックスを溶解するに十分なアークを発生させることができないと、ESRの開始が失敗したことになり、失敗した場合、重量のある大きなスーパーアロイからなる一次鋳塊の電極、スラグおよびスタート材を取り出して再びセットしなおさなければならず、ESRを再開させるためさせるには多くの時間と労力を必要とするために、ESRにおけるスタートの失敗は極力避けなければならない。
一方、アークを安定してスタートさせるには一般にアークスタート材を使用することが知られており、アークスタート材として金属粉、メタルウール、カットワイヤおよびスタートブロック材などが使用され、この金属粉、メタルウール、カットワイヤおよびスタートブロック材などのアークスタート材はフラックスと混合して使用することが知られている(特許文献1、2参照)。
特開平6−262347号公報
特開平6−265570号公報
スーパーアロイの一次鋳塊を電極としてESRを行うに際しても、アークスタート材としてスーパーアロイの粉末、スーパーアロイのメタルウールまたはスーパーアロイの線材を切断したカットワイヤなどを使用することができる。しかし、これらスーパーアロイの粉末、スーパーアロイのメタルウールおよびスーパーアロイのカットワイヤはいずれも製造コストがかかるために高価であり、しかもこれらアークスタート材を用いてESRをスタートさせてもその成功率は高くない。一般に、成功率を上げるには電流を上げることが行われているが、成功率を上げようとして電流を上げると水冷銅の溶損が発生し易くなり、電力費、物品費のランニングコストが増加する。
また、電極として使用する一次鋳塊は一般に鋳造で作製するために一次鋳塊の頭部に引け巣が発生する。この頭部に引け巣が発生した一次鋳塊をESRの電極として使用するには一次鋳塊の底部に給電用ブスバ(図示せず)を溶接する必要があることから、引け巣を有する一次鋳塊の頭部をESRのモールド底部に配置する必要がある。引け巣を有する一次鋳塊の頭部は一般に凹部が形成されており、この引け巣によって形成された凹部を有する一次鋳塊の頭部をESRのモールド底部に配置して従来のアークスタート材を用いてESRをスタートさせようとすると、引け巣の凹部が従来のアークスタート材と間にまんべんなく接触するのを妨げ、また従来のアークスタート材と間に形成される隙間の間隔にバラツキが生じ、アーク発生部が局所的となり、そのためにアークスタートの成功率が低下するなどの課題があった。
また、電極として使用する一次鋳塊は一般に鋳造で作製するために一次鋳塊の頭部に引け巣が発生する。この頭部に引け巣が発生した一次鋳塊をESRの電極として使用するには一次鋳塊の底部に給電用ブスバ(図示せず)を溶接する必要があることから、引け巣を有する一次鋳塊の頭部をESRのモールド底部に配置する必要がある。引け巣を有する一次鋳塊の頭部は一般に凹部が形成されており、この引け巣によって形成された凹部を有する一次鋳塊の頭部をESRのモールド底部に配置して従来のアークスタート材を用いてESRをスタートさせようとすると、引け巣の凹部が従来のアークスタート材と間にまんべんなく接触するのを妨げ、また従来のアークスタート材と間に形成される隙間の間隔にバラツキが生じ、アーク発生部が局所的となり、そのためにアークスタートの成功率が低下するなどの課題があった。
そこで、本発明者等は、従来よりも一層安価でかつ手軽であって、更に成功率の高いスーパーアロイのESR用アークスタート材を得るべく研究を行った。その結果、スーパーアロイの素材の切削時に発生するカールを有するスーパーアロイの切削金属片を集めて型枠に充填し、軽くプレス成形したり、バーナーで焼き固めたりすることによりスーパーアロイの切削金属片集合体を作製し、このスーパーアロイの切削金属片集合体をアークスタート材として使用してスーパーアロイのESRを行うと、ESRの開始に際して低電圧で初期アークをスタートさせても成功率:100%でアークをスタートさせることができ、低電圧で初期アークをスタートさせることができるので共金プレートの損傷が少ないところから共金プレートの厚さを従来よりも薄くすることができ、さらにこの発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材はスーパーアロイ素材の切削時に発生する切削金属片をリサイクルして作製することができるものであるから、従来の線材をカットして得られたカットワイヤ、粉末およびメタルウールからなるアークスタート材に比べて格段にコストを下げることができ、さらにスタートの成功率を上げることができる、という知見を得たのである。
この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、
(1)カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるスーパーアロイのESR用アークスタート材、に特徴を有するものである。
(1)カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるスーパーアロイのESR用アークスタート材、に特徴を有するものである。
この発明で、スーパーアロイとはNi基、Fe基およびCo基の耐熱耐食合金であり、Ni基耐熱耐食合金はJIS規格のNCF600、JIS NCF601、NCF625、NCF690、NCF718、NCF750、NCF751、NCF80Aなどで規定されており、Fe基耐熱耐食合金はJIS規格のNCF800、NCF800H、NCF825などで規定されており、さらに、Co基耐熱耐食合金はAMS5772、AMS5608などで規定されている。
この発明のスーパーアロイのESR用アークスタート材の製造方法を図1に基づいて説明する。図1において1は基台、2は型枠、3はスーパーアロイの切削金属片、4はバーナー、5は押し板である。この発明のスーパーアロイのESR用アークスタート材を製造するには、まず、基台1の上に載置した型枠2の中にスーパーアロイ鋳塊切削時に発生した切削金属片3を集めて充填し、スーパーアロイ鋳塊の切削金属片3をバーナー4で加熱する。このバーナー4で加熱することにより切削時に付着した切削オイルを脱脂すると同時にスーパーアロイ鋳塊の切削金属片3を焼鈍し、成形し易くする。バーナー4で加熱することによりスーパーアロイ鋳塊の切削金属片3は変形して型枠2に充填され、スーパーアロイの切削金属片集合体が形成される。この場合、必要に応じて押し板5により上方から押して成形しても良い。
切削時に発生する切削金属片は、一般に、粉状、片状、短冊状、一巻以上カールしたものなどに分類されているが、この発明のスーパーアロイのESR用アークスタート材を製造するためのスーパーアロイ鋳塊の切削金属片3は、一巻以上カールした形状の切削金属片が一層好ましい。この一巻以上カールした形状の切削金属片を加熱して焼き固めたスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材はカールがスプリングの役目を果たし、エレクトロスラグ溶解スタート時の電気回路短絡状態からスタートアークを発生させるために電極を意図的に上昇させたときにスプリングの伸縮性が初期アーク発生のための適切な電極位置調整の役割を果たす。したがって、この発明は、
(2)前記(1)記載のカールを有するスーパーアロイの切削金属片は、少なくとも一巻のカールを有するスーパーアロイの切削金属片からなる前記(1)記載のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材、に特徴を有するものである。
(2)前記(1)記載のカールを有するスーパーアロイの切削金属片は、少なくとも一巻のカールを有するスーパーアロイの切削金属片からなる前記(1)記載のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材、に特徴を有するものである。
図2は、この発明のアークスタート材を使用してスーパーアロイの一次鋳塊を電極としESRを開始する状態を示す断面図である。図2において、6は水冷基板、7は水冷モールド、8は共金プレートであり、これらはボルト9で強固に結合されてESR炉に組み立てられている。なお、共金プレート8はスーパーアロイの一次鋳塊と同一の成分組成を有するスーパーアロイで作製する。この組み立てられたESR炉における共金プレート8の上に、図1で作製したスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材10を載置し、このアークスタート材10の上にスーパーアロイの一次鋳塊を電極11として接触するようにセットし、水冷モールド7の内壁面とアークスタート材10との隙間および水冷モールド7の内壁面と電極11の隙間にフラックス12を充填する。かかる状態で電極11と共金プレート8の間に交流電圧をかけてアークスタート材10からスーパーアロイの一次鋳塊電極11を引き離すことにより初期アークをスタートさせると、ほぼ100%の成功率でESRを開始することができる。
したがって、この発明は、
(3)一次鋳塊からなる電極(以下、一次鋳塊電極という)とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極をカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に接触させながら通電したのち、前記(1)または(2)記載の一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことにより前記一次鋳塊電極と前記エレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法、に特徴を有するものである。
(3)一次鋳塊からなる電極(以下、一次鋳塊電極という)とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極をカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に接触させながら通電したのち、前記(1)または(2)記載の一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことにより前記一次鋳塊電極と前記エレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法、に特徴を有するものである。
前記(1)または(2)記載のこの発明のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材は、頭部に引け巣を有するような端部が複雑形状した一次鋳塊を電極として使用しても、初期アークを成功率:100%でスタートさせることができる。その具体的方法を頭部に引け巣を有する一次鋳塊を電極として使用した場合を例に説明する。頭部に引け巣を有する一次鋳塊を電極としてその頭部を前記(1)または(2)記載のこの発明のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に押付けながらしばらく通電すると、前記アークスタート材は通電により軟化し、前記アークスタート材は一次鋳塊頭部の引け巣の凹部形状に沿って変形し、さらに圧縮、減容し、一次鋳塊頭部の引け巣の凹部がアークスタート材に転写されてまんべんなく接触するようになり、かかる状態で頭部に引け巣を有する一次鋳塊電極を前記(1)または(2)記載のこの発明のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引上げると、引け巣などにより一次鋳塊の端面が平滑でない場合であっても一次鋳塊電極とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との隙間の間隔が一定となり、初期アークを成功率:100%でスタートさせることができる。
このエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法では、一次鋳塊電極によりカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材を荷重100kPa以上で押圧することが好ましく、押圧は通電と同時に行うのが望ましい。押圧する時間は、長ければ長いほど好ましいが、1分間以上押圧すればアークスタート材が一次鋳塊電極の端面形状に塑性変形させることができる。その後、前記一次鋳塊電極を引上げることにより、一次鋳塊電極とアークスタート材との間に隙間が形成され、アークが発生する。引上げる距離は、 1〜5mmで充分である。
さらに、このエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であれば、一次鋳塊電極とアークスタート材が押圧されているため、押圧時に一次鋳塊電極の周囲に充填された固形スラグが一次鋳塊電極とアークスタート材との隙間に入り込むようなことが防止される。固形スラグが一次鋳塊電極とアークスタート材との隙間に入り込むと固形スラグは絶縁物であることから、アーク発生を不安定化させる要因となる。このように押圧時に一次鋳塊電極とアークスタート材との隙間が形成されないことから、固形スラグを再溶解安定時に追加添加するということを行わずにスタート時に固形スラグを全量添加しても安定してESRを開始することができる効果も有する。固形スラグの追加添加をしなくてもよいことから追加添加のための付帯設備を設ける必要がなくなり、再溶解鋳塊の安定領域を大きくすることができる。
したがって、この発明は、
(4)一次鋳塊電極とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極を前記(1)または(2)記載のカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に押付けながら通電して前記スーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材が圧縮、減容したのち、前記一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことによりアークを発生させるスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法、に特徴を有するものである。
(4)一次鋳塊電極とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極を前記(1)または(2)記載のカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に押付けながら通電して前記スーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材が圧縮、減容したのち、前記一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことによりアークを発生させるスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法、に特徴を有するものである。
この発明のアークスタート材は、切削時に発生する切削金属片を使用して作製するのでコストを下げることができ、しかも、スタート電流を低く設定してもスーパーアロイのESRを失敗することがなく行うことができる。
また、この発明のエレクトロスラグ再溶解方法は、引巣などにより一次鋳塊の端面が複雑形状をしており、平滑でない場合にも、一次鋳塊とアークスタート材との隙間を一定にすることができ、安定継続して一次鋳塊とアークスタート材との間にアークを成功率:100%でスタートさせることができる。
また、この発明のエレクトロスラグ再溶解方法は、引巣などにより一次鋳塊の端面が複雑形状をしており、平滑でない場合にも、一次鋳塊とアークスタート材との隙間を一定にすることができ、安定継続して一次鋳塊とアークスタート材との間にアークを成功率:100%でスタートさせることができる。
実施例1
Cr:22質量%、Co:1.5質量%、Fe:18.5質量%、Mo:9質量%、W:0.6質量%、Al:0.3質量%、Ti:0.3質量%、C:0.07質量%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:420mm、長さ:2600mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、スーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
Cr:22質量%、Co:1.5質量%、Fe:18.5質量%、Mo:9質量%、W:0.6質量%、Al:0.3質量%、Ti:0.3質量%、C:0.07質量%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:420mm、長さ:2600mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、スーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
さらに、純銅製の水冷基板、純銅製の水冷モールドおよび先に用意したスーパーアロイ製の共金プレートをボルトで強固に結合してESR炉を組み立て、前記共金プレートの上に直径:430mm、高さ:140mmの寸法を有しスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を載置し、このアークスタート材の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、水冷モールドの内壁面とアークスタート材の隙間および水冷モールドの内壁面と電極の隙間にフラックスを充填し、電極と共金プレートの間に電流:12000A、電圧:35V、電力:420kWの交流電力をかけることで100%の成功率で初期アークをスタートさせることができ、ESRを開始することができた。
従来例1
実施例1で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:430mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では15回中7回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例1で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:430mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では15回中7回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例2
Cr:20質量%、Ni:34質量%、Cu:3.5質量%、Mo:2.5質量%、Nb:0.8質量%、Al:0.2質量%、C:0.03質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:420mm、長さ:2600mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
Cr:20質量%、Ni:34質量%、Cu:3.5質量%、Mo:2.5質量%、Nb:0.8質量%、Al:0.2質量%、C:0.03質量%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:420mm、長さ:2600mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
さらに、純銅製の水冷基板、純銅製の水冷モールドおよび先に用意したスーパーアロイ製の共金プレートをボルトで強固に結合してESR炉を組み立て、前記共金プレートの上に直径:430mm、高さ:140mmの寸法を有しスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を載置し、このアークスタート材の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、水冷モールドの内壁面とアークスタート材の隙間および水冷モールドの内壁面と電極の隙間にフラックスを充填し、電極と共金プレートの間に電流:12000A、電圧:35V、電力:420kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では100%の成功率で初期アークをスタートさせることができ、ESRを開始することができた。
従来例2
実施例2で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:430mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では6回中3回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例2で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:430mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では6回中3回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例3
Cr:22質量%、Ni:22質量%、W:14質量%、La:0.07質量%、Si:0.3質量%、C:0.1質量%を含有し、残部がCoおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:360mm、長さ:2500mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
Cr:22質量%、Ni:22質量%、W:14質量%、La:0.07質量%、Si:0.3質量%、C:0.1質量%を含有し、残部がCoおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:360mm、長さ:2500mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。
さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。
さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
さらに、純銅製の水冷基板、純銅製の水冷モールドおよび先に用意したスーパーアロイ製の共金プレートをボルトで強固に結合してESR炉を組み立て、前記共金プレートの上に直径:360mm、高さ:140mmの寸法を有しスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を載置し、このアークスタート材の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、水冷モールドの内壁面とアークスタート材の隙間および水冷モールドの内壁面と電極の隙間にフラックスを充填し、電極と共金プレートの間に電流:12000A、電圧:35V、電力:420kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では100%の成功率で初期アークをスタートさせることができ、ESRを開始することができた。
従来例3
実施例3で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:360mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では5回中2回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例3で組み立てたESR炉の共金プレートの上にスーパーアロイ鋳塊と同じ成分組成を有し直径:360mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤからなるアークスタート材とフラックスとの混合体を充填し、引き続いてアークスタート材およびフラックスの混合体の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力をかけて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では5回中2回でしか初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例4
Cr:22質量%、Ni:22質量%、W:14質量%、La:0.07質量%、Si:0.3質量%、C:0.1質量%を含有し、残部がCoおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:360mm、長さ:2500mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。前記一次鋳塊の鋳造時頭頂部には深さ50mm、直径300mmの逆円錐形状の引巣部が形成されていた。スーパーアロイ一次鋳塊の前記引巣部を下部にしてESRのモールドに挿入した。さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
さらに、純銅製の水冷基板、純銅製の水冷モールドおよび先に用意したスーパーアロイ製の共金プレートをボルトで強固に結合してESR炉を組み立て、前記共金プレートの上に直径:360mm、高さ:140mmの寸法を有しスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を載置し、このアークスタート材の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、水冷モールドの内壁面とアークスタート材の隙間および水冷モールドの内壁面と電極の隙間にフラックスを充填し、電極と共金プレートの間に電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力を印加しながら、スーパーアロイ一次鋳塊によりエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材を荷重250kPa、3分間押圧し、その後、スーパーアロイ一次鋳塊を5mm引上げることによって初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では引巣が形成されたスーパーアロイ一次鋳塊であっても、100%の成功率で初期アークをスタートさせることができ、ESRを開始することができた。
Cr:22質量%、Ni:22質量%、W:14質量%、La:0.07質量%、Si:0.3質量%、C:0.1質量%を含有し、残部がCoおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、直径:360mm、長さ:2500mmの寸法を有するスーパーアロイ一次鋳塊を用意した。前記一次鋳塊の鋳造時頭頂部には深さ50mm、直径300mmの逆円錐形状の引巣部が形成されていた。スーパーアロイ一次鋳塊の前記引巣部を下部にしてESRのモールドに挿入した。さらに、前記スーパーアロイと同じ成分組成を有し一巻以上のカールを有する切削金属片を用意し、これを図1に示されるように型枠に装入し、バーナーで焼きながら押し固めて、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を作製した。さらに、このスーパーアロイと同じ成分組成を有し厚さ:12mmを有する共金プレートを用意した。
さらに、純銅製の水冷基板、純銅製の水冷モールドおよび先に用意したスーパーアロイ製の共金プレートをボルトで強固に結合してESR炉を組み立て、前記共金プレートの上に直径:360mm、高さ:140mmの寸法を有しスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を載置し、このアークスタート材の上にスーパーアロイ一次鋳塊を電極としてセットし、水冷モールドの内壁面とアークスタート材の隙間および水冷モールドの内壁面と電極の隙間にフラックスを充填し、電極と共金プレートの間に電流:20000A、電圧:50V、電力:1000kWの交流電力を印加しながら、スーパーアロイ一次鋳塊によりエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材を荷重250kPa、3分間押圧し、その後、スーパーアロイ一次鋳塊を5mm引上げることによって初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では引巣が形成されたスーパーアロイ一次鋳塊であっても、100%の成功率で初期アークをスタートさせることができ、ESRを開始することができた。
従来例4
アークスタート材を直径:360mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤとしたほかは実施例4と同様な条件及びスーパーアロイ一次鋳塊を用いて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では5回中1度も初期アークをスタートさせることができなかった。
アークスタート材を直径:360mm、高さ:140mmを有するスーパーアロイのカットワイヤとしたほかは実施例4と同様な条件及びスーパーアロイ一次鋳塊を用いて初期アークをスタートさせることによりESRを開始した。かかる条件では5回中1度も初期アークをスタートさせることができなかった。
実施例1〜4および従来例1〜4から明らかなように、この発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材を用いてESRを開始すると、低電流、低電圧、低出力で初期アークをスタートさせても成功率:100%でアークをスタートさせることができ、低電流で初期アークをスタートさせることができるので共金プレートの損傷が少ないところから共金プレートの厚さを従来よりも薄くすることができ、さらにこの発明のスーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材は切削時に発生する切削金属片をリサイクルして作製することができるので従来の線材をカットして得られたカットワイヤ、粉末およびメタルウールからなるアークスタート材に比べて格段にコストを下げることができる。
1:基台、2:型枠、3:スーパーアロイの切削金属片、4:バーナー、5:押し板、6:水冷基板、7:水冷モールド、8:共金プレート、9:ボルト、10:スーパーアロイの切削金属片集合体からなるアークスタート材、11:電極、12:フラックス
Claims (5)
- カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなることを特徴とするスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材。
- 前記カールを有するスーパーアロイの切削金属片は、少なくとも一巻のカールを有するスーパーアロイの切削金属片からなることを特徴とする請求項1記載のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材。
- 一次鋳塊からなる電極(以下、一次鋳塊電極という)とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極をカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に接触させながら通電したのち、前記一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことにより前記一次鋳塊電極と前記エレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させることを特徴とするエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法。 - 一次鋳塊からなる電極(以下、一次鋳塊電極という)とエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材との間にアークを発生させてエレクトロスラグ再溶解をスタートさせるエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法であって、
前記一次鋳塊電極をカールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材に押付けながら通電して前記スーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材が圧縮、減容したのち、前記一次鋳塊電極を前記スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材から引き離すことによりアークを発生させることを特徴とするスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法。 - 前記カールを有するスーパーアロイの切削金属片集合体からなるエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材は、少なくとも一巻のカールを有するスーパーアロイの切削金属片からなるスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材であることを特徴とする請求項3または4記載のスーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解アークスタート方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007070245A JP2007291504A (ja) | 2006-03-29 | 2007-03-19 | スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 |
US12/279,595 US8177879B2 (en) | 2006-03-29 | 2007-03-27 | Arc start material for electroslag remelting of superalloy and arc starting method employing the arc start material |
PCT/JP2007/056407 WO2007116740A1 (ja) | 2006-03-29 | 2007-03-27 | スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 |
EP20070739845 EP2000548B1 (en) | 2006-03-29 | 2007-03-27 | Arc start material for electroslag remelting of superalloy and arc starting method employing the arc start material |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006089671 | 2006-03-29 | ||
JP2007070245A JP2007291504A (ja) | 2006-03-29 | 2007-03-19 | スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007291504A true JP2007291504A (ja) | 2007-11-08 |
Family
ID=38581038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007070245A Pending JP2007291504A (ja) | 2006-03-29 | 2007-03-19 | スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8177879B2 (ja) |
EP (1) | EP2000548B1 (ja) |
JP (1) | JP2007291504A (ja) |
WO (1) | WO2007116740A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112708788A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-04-27 | 北京钢研高纳科技股份有限公司 | 一种提高k403合金塑性的方法,模具材料和制品 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150275687A1 (en) * | 2011-01-13 | 2015-10-01 | Siemens Energy, Inc. | Localized repair of superalloy component |
CN102719683A (zh) * | 2012-06-29 | 2012-10-10 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种电渣炉冶炼镍基高温合金的方法 |
CN111270082B (zh) * | 2020-03-13 | 2021-12-07 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种电渣炉引弧的方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54128935A (en) * | 1978-03-30 | 1979-10-05 | Sumitomo Metal Ind | Firing method in electroslag melting |
JPS58151433A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-08 | Kobe Steel Ltd | Ni基およびCo基超合金のエレクトロスラグ再溶解法 |
JPH0234730A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | エレクトロスラグ再溶解方法 |
JP2006257515A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Daido Steel Co Ltd | 鋳塊の製造方法及びコールドスタート用治具 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06265570A (ja) | 1993-03-11 | 1994-09-22 | Omron Corp | 半導体加速度センサ及び半導体圧力センサ |
JPH06262347A (ja) | 1993-03-16 | 1994-09-20 | Nippon Steel Corp | アークスタート材 |
US6255377B1 (en) * | 1999-05-19 | 2001-07-03 | Demir Hamami | Structural element of metal turnings in a plastic moldment |
JP2006026570A (ja) | 2004-07-20 | 2006-02-02 | Nippo Corporation:Kk | 汚染土壌の浄化処理における中和処理方法 |
JP2006089671A (ja) | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光学フィルムおよび画像表示装置 |
JP4918764B2 (ja) | 2005-09-05 | 2012-04-18 | 東ソー株式会社 | 生分解性アミノポリカルボン酸誘導体 |
-
2007
- 2007-03-19 JP JP2007070245A patent/JP2007291504A/ja active Pending
- 2007-03-27 EP EP20070739845 patent/EP2000548B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2007-03-27 WO PCT/JP2007/056407 patent/WO2007116740A1/ja active Application Filing
- 2007-03-27 US US12/279,595 patent/US8177879B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54128935A (en) * | 1978-03-30 | 1979-10-05 | Sumitomo Metal Ind | Firing method in electroslag melting |
JPS58151433A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-08 | Kobe Steel Ltd | Ni基およびCo基超合金のエレクトロスラグ再溶解法 |
JPH0234730A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | エレクトロスラグ再溶解方法 |
JP2006257515A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Daido Steel Co Ltd | 鋳塊の製造方法及びコールドスタート用治具 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112708788A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-04-27 | 北京钢研高纳科技股份有限公司 | 一种提高k403合金塑性的方法,模具材料和制品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2000548A4 (en) | 2010-07-14 |
EP2000548A2 (en) | 2008-12-10 |
WO2007116740A1 (ja) | 2007-10-18 |
US20100229683A1 (en) | 2010-09-16 |
US8177879B2 (en) | 2012-05-15 |
EP2000548A9 (en) | 2009-03-25 |
EP2000548B1 (en) | 2011-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6983666B2 (ja) | 合金の溶解及び精錬の方法 | |
US20190001440A1 (en) | Method for additive manufacturing of three-dimensional objects from metallic glasses | |
EP2826873A1 (en) | Joining process, joined article, and process of fabricating a joined article | |
JP2012527533A (ja) | β−γ−TiAl基合金の製造方法 | |
JP2014513207A (ja) | 損傷した熱機械的部品の局部補修のプロセスおよび該プロセスに従って補修された部品、特に、タービン部品 | |
JP2007291504A (ja) | スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法 | |
WO2013015262A1 (ja) | 点火プラグ用クラッド電極及びその製造方法 | |
GB2479616A (en) | Powder layer manufacturing of an article using a preform to support the article | |
JP5791296B2 (ja) | 合金のリサイクル方法及びタービンの製造方法 | |
JP6122519B2 (ja) | 一体部材の製造方法 | |
JP4164780B2 (ja) | 超耐熱合金の消耗電極式再溶解法 | |
RU2410194C2 (ru) | Способ изготовления расходуемых электродов | |
JP2012236212A (ja) | エレクトロスラグ再溶解用消耗電極およびその製造方法 | |
JP5006161B2 (ja) | TiAl基合金の鋳塊製造方法 | |
JP5791295B2 (ja) | 合金のリサイクル方法及びタービンの製造方法 | |
TW200922731A (en) | Welding method for Sc-zirconium based bulk metallic glass | |
JP4711173B2 (ja) | 鋳塊の製造方法 | |
JPH05345934A (ja) | エレクトロスラグ再溶解用電極および該電極を用いた合金の製造方法 | |
RU2374705C2 (ru) | Способ изготовления твэла дисперсионного типа | |
JP5001790B2 (ja) | 鋳塊の製造方法 | |
JP2010168610A (ja) | 微細貫通穴を備えた焼結素材の製作方法および微細貫通穴を備えた焼結素材 | |
JP2003221630A (ja) | チタンインゴットの製造方法 | |
JP2006265570A (ja) | 鋳塊の製造方法 | |
JPS5915436Y2 (ja) | ア−ク溶解炉用非消耗電極チップ | |
JP5774894B2 (ja) | 可溶体及び可溶体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120605 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121011 |