JP2003221630A - チタンインゴットの製造方法 - Google Patents

チタンインゴットの製造方法

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JP2003221630A JP2002024499A JP2002024499A JP2003221630A JP 2003221630 A JP2003221630 A JP 2003221630A JP 2002024499 A JP2002024499 A JP 2002024499A JP 2002024499 A JP2002024499 A JP 2002024499A JP 2003221630 A JP2003221630 A JP 2003221630A
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Jun Nanjo
潤 南條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チタンインゴットを製造したときにインゴット
のボトム部およびトップ部に生じる表面欠陥の発生をな
くす、または減少させるチタンインゴットの製造方法の
提供。 【解決手段】消耗電極をアークにより溶解し、滴下する
チタンまたはチタン合金を凝固させてチタンインゴット
を製造する際に、溶解初期のスターリング電流およびそ
の反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるスターリン
グ電流の15〜80%、反転時間の35〜100%、またはそれ
ぞれ溶解定常期におけるスターリング電流の80超〜100
%、反転時間の35〜95%として、チタンインゴットを製
造する。あるいは、ホットトップ期のスターリング電流
およびその反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるス
ターリング電流の25〜95%、反転時間の90〜220%とし
て、チタンインゴットを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンインゴット
の製造方法に係り、より詳しくは、消耗電極式真空アー
ク溶解法(consumable electrode Vacuum Arc Remeltin
g;以下、VAR法という)にて、チタンインゴットを製造
する際に、製造初期および製造終期における表面欠陥の
発生を防止するチタンインゴットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンまたはチタン合金は、電子部品用
の材料から航空機の構造材料まで様々な分野で使用さ
れ、その使用量も拡大傾向にある。様々なチタンインゴ
ットの製造方法が開発され、現在、VAR法は、最も多く
採用されているチタンインゴットの製造方法となってい
る。
【0003】図1は、VAR法によりチタンインゴットを
製造するための炉を模式的に示した断面図である。な
お、同図には、製造途中のチタンインゴット1および凝
固前のチタン(チタンプール2)も同時に示した。
【0004】VAR法によりチタンインゴット1を製造する
際には、アークを安定させるため、0.05〜10Pa程度まで
排気口3より炉内の排気が行われる。通常は、排気した
ままでアーク溶解されるが、一次溶解においては、排気
後にAr雰囲気として溶解される場合もある。炉内には、
アークギャップを調整するための電極昇降機に接続され
たスポンジチタンからなる消耗電極5が上方からつり下
げられる。
【0005】消耗電極5を陰極、またブスバー7を接続す
ることで、銅ルツボ6を陽極とし、消耗電極5とチタンプ
ール2との間にアークを発生させることにより、消耗電
極5自体を溶解し、水冷した銅ルツボ6に滴下、凝固させ
て、チタンインゴット1を製造する。
【0006】通常、以上のようなアーク溶解は一回に限
られず、組成の均一化のため、アーク溶解により生成し
たチタンインゴット1を再び消耗電極5とし、アーク溶解
を多数回繰り返して、チタンインゴット1が製造され、
引き続いて機械加工が施される。
【0007】このように製造されたチタンインゴット1
には、通常、凹凸、しわ、ひけ巣、ポロシティなどの表
面欠陥が形成される。このような鋳肌が荒れたチタンイ
ンゴット1を鍛造、圧延などの機械加工を行うと、圧延
製品や鍛造製品には、これらの表面欠陥が引き継がれ
る。
【0008】このため、深さ5mm以上の表面欠陥がチタ
ンインゴット1に形成されていた場合には、グラインダ
ーや旋盤などで切削加工を施し、インゴット表面を取り
除く作業が必要となる。また、表面欠陥の表面積が大き
い場合には、作業量も大きくなるため、多大な工数がか
かるばかりでなく、切削加工による歩留りも低下する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、VAR法に
より製造したチタンインゴットには、始めからインゴッ
ト表面に表面欠陥がないことが好ましい。そのため、VA
R法によりチタンインゴットを製造する際には、スター
リングによりインゴット表面の表面欠陥を減少させるこ
とが行われる。
【0010】スターリングとは、銅ルツボ6の外周を囲
むように設置されたソレノイドコイル8に電流を流すこ
とにより、チタンまたはチタン合金からなるチタンプー
ル2を攪拌するものである。VAR法では、消耗電極5にア
ークを発生させるための電流(以下、「溶解電流」とい
う)を消耗電極5と銅ルツボ6の間に通電する。このと
き、溶解電流は、チタンプール2の表面を水平方向に放
射状に流れる。
【0011】一方、ソレノイドコイル8に電流を通電す
ると、チタンプール2の垂直方向に磁場が発生する。チ
タンプール2に流れる溶解電流とソレノイドコイル8によ
り形成される磁場により、チタンプール2の円周方向に
力が働き、チタンプール2は攪拌される。
【0012】この攪拌により、モールドの役割をする銅
ルツボ6の内面近傍の溶解したチタンが銅ルツボ6と隙間
を作ることなく凝固するため、チタンインゴット1の表
面欠陥を低減させることが可能となる。
【0013】しかし、スターリングにより、チタンイン
ゴットの表面欠陥を低減させる一定の効果は得られるも
のの、その効果は十分なものではなかった。すなわち、
チタンインゴットを製造する際の製造初期および製造終
期におけるスターリングによる表面欠陥の低減効果は小
さく、製造されるチタンインゴットのボトム部およびト
ップ部には、なんらかの表面欠陥が生じた。
【0014】一方、スターリングには、表面欠陥の改善
には必ずしも効果はあるとは言えないとする報告もあ
り、ソレノイドコイルに通電する電流の向きを一定時間
毎に変化させて、チタンプールに加わる力の方向を変化
させる方法なども検討されている(金属、1983年11月
号、p.42)が、表面欠陥の低減に関しては未だ不明な点
が多い。
【0015】本発明の課題は、このようなチタンインゴ
ットのボトム部およびトップ部に生じる表面欠陥の発生
をなくす、または減少させるチタンインゴットの製造方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、製造初期お
よび製造終期におけるチタンプールの状態は、製造中期
におけるチタンプールの状態とは異なることに着目し
た。
【0017】チタンインゴットの製造に際しては、イン
ゴットの製造開始から終了まで、溶解電流を消耗電極と
銅ルツボの間に通電する。このとき、溶解電流の電流値
およびその増減率により、製造開始から終了までを、溶
解初期(=製造初期)、溶解定常期(=製造中期)、ホ
ットトップ期(=製造終期)の3つの期間に分けること
ができる。
【0018】図2は、インゴットの製造開始から終了ま
での溶解電流の通電パターンの数例を模式的に示した図
である。同図では、横軸を製造開始からの時間、縦軸を
溶解電流の電流値とし、合わせて各期間について示し
た。
【0019】溶解初期は、インゴットの製造開始から溶
解定常期の開始までの期間であり、消耗電極が溶解する
ことで銅ルツボの底面に溜まったチタンプールが凝固を
始め、チタンプールの状態が定常化するまでの期間をい
う。この期間では、溶解電流の電流値は、徐々に大きく
なるように操作される。
【0020】溶解定常期は、消耗電極の溶解とチタンプ
ールの凝固のバランスを考慮し、チタンプールの状態を
一定に保ちながら、チタンインゴットを成長させる期間
をいう。この期間では、溶解電流は、チタンプールの状
態が一定となるように調整される。通常、溶解電流の電
流値は、図2(a)に示すように、一定に保たれるように
操作されるが、チタンプールの状態を一定に保てれば、
段階的に(図2(b))または徐々に(図2(c))減少させ
るなどしてもよい。
【0021】ホットトップ期は、溶解定常期の終了から
インゴット製造の製造終了までの期間をいう。製造終了
にあたり、消耗電極の溶解量が減少するため、チタンプ
ールの大きさは縮小する。液体状態のチタン(チタンプ
ール)と固体状態のチタン(チタンインゴット)とで
は、体積の差があるため、溶解電流を停止させる、また
は急激に減少させると、チタンインゴットの内部に収縮
孔が形成される。収縮孔をできるだけ小さく、かつイン
ゴット上部に浮上させるため、この期間では、溶解電流
の電流値を徐々に減少させ、ゼロにするように操作され
る。溶解電流をゼロとするには、溶解電流の電流値を一
時、急激に減少させた後、一定に保つ(図2(a))、段
階的に減少させる(図2(b))、緩やかに減少させる
(図2(c))など様々なパターンがある。
【0022】以上のように、それぞれの期間において、
チタンプールの状態は異なる。従来は、スターリングに
係る条件(以下、「スターリング条件」という)をいず
れの期間においても同じに、すなわち、いずれの期間に
おいても溶解定常期におけるスターリング条件を最適な
スターリング条件として一律に採用していた。このた
め、チタンプールの状態によりスターリングが適切に行
われないことがあった。
【0023】したがって、チタンプールの状態に合わせ
て、製造初期にあたる溶解初期、および製造終期にあた
るホットトップ期におけるスターリング条件を最適化
し、溶解したチタンが銅ルツボと隙間を作ることなく凝
固すれば、表面欠陥の発生を防止できる。
【0024】本発明は、上述の知見に基づいて完成に至
ったものであり、その要旨は、下記(1)〜(3)を特
徴とするチタンインゴットの製造方法にある。
【0025】(1)消耗電極をアークにより溶解し、滴
下するチタンまたはチタン合金を凝固させてチタンイン
ゴットを製造する方法であって、溶解初期のスターリン
グ電流およびその反転時間を、それぞれ溶解定常期にお
けるスターリング電流の15〜80%、反転時間の35〜100
%、またはそれぞれ溶解定常期におけるスターリング電
流の80超〜100%、反転時間の35〜95%とすることを特
徴とするチタンインゴットの製造方法。
【0026】(2)ホットトップ期のスターリング電流
およびその反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるス
ターリング電流の25〜95%、反転時間の90〜220%とす
る(1)のチタンインゴットの製造方法。
【0027】(3)消耗電極をアークにより溶解し、滴
下するチタンまたはチタン合金を凝固させてチタンイン
ゴットを製造する方法であって、ホットトップ期のスタ
ーリング電流およびその反転時間を、それぞれ溶解定常
期におけるスターリング電流の25〜95%、反転時間の90
〜220%とすることを特徴とするチタンインゴットの製
造方法。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、消耗電極をアークによ
り溶解し、滴下するチタンまたはチタン合金を凝固させ
てチタンインゴットを製造する方法に係る発明、すなわ
ちVAR法に係る発明である。VAR法は、上述したように行
えばよい。
【0029】本発明では、スターリング条件を規定す
る。ここで、スターリング条件として、スターリング電
流およびその反転時間を選定している。
【0030】図3は、ソレノイドコイルへの通電例を模
式的に示した図である。同図に示されるように、スター
リング電流とは、ソレノイドコイルに通電する電流の最
大値を、反転時間とは、ソレノイドコイルに電流を順方
向に通電し始めた時刻からソレノイドコイルに電流を逆
方向に通電し始めた時刻の時刻差をいう。
【0031】順方向と逆方向とでスターリング電流が異
なる場合には、両者の平均値をスターリング電流として
採用することができる。また、順方向と逆方向とで反転
時間が異なる場合にも、両者の平均値を反転時間として
採用することができる。
【0032】また、スターリング電流の波形は、図3
(a)に示すような矩形である必要はなく、図3(b)に示す
ような台形などの波形でもよく、反転する際に一定時
間、通電が停止されるなどしてもよい。
【0033】さらに、スターリング条件を溶解初期また
はホットトップ期の途中で変化させる場合には、各期に
おけるスターリング電流、反転時間の平均値をスターリ
ング電流、反転時間として採用することができる。ここ
で、スターリング電流の平均値とは、スターリング電流
を時間に対し積分して得た値を全時間で割ることにより
得られる値をいう。また、反転時間の平均値とは、溶解
初期またはホットトップ期の総時間をその期に含まれる
反転回数で割ることにより得られる値をいう。
【0034】本発明は、大別して、(A)溶解初期のス
ターリング条件および(B)ホットトップ期のスターリ
ング条件に分けられる。これらは、それぞれインゴット
のボトム部、トップ部における表面欠陥を改善する条件
である。以下では、(A)、(B)それぞれに区分して
詳述する。
【0035】(A)溶解初期におけるスターリング条件 インゴットの製造開始時には、空の銅ルツボと消耗電極
の間でアークを発生させる。これにより、消耗電極は溶
解し、銅ルツボ底面にチタンプールが形成される。消耗
電極のアーク溶解を進めると、チタンプールの体積が増
大し、一方で、チタンプールの凝固が始まる。
【0036】このとき、チタンプールの体積は、溶解定
常期のチタンプールの体積に比べ小さくかつ浅く、さら
にチタンプールの状態は不安定である。このため、チタ
ンプールの攪拌に必要な力は、溶解定常期のチタンプー
ルの攪拌に必要な力に比べ小さい。したがって、溶解初
期におけるスターリング電流および/または反転時間を
溶解定常期におけるスターリング電流および/または反
転時間に比べ、小さくまたは短いものとすることによ
り、チタンプールに攪拌するために適切な力をチタンプ
ールに与えることができる。
【0037】溶解初期では、スターリング電流およびそ
の反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるスターリン
グ電流の15〜80%、反転時間の35〜100%、またはそれ
ぞれ溶解定常期におけるスターリング電流の80超〜100
%、反転時間の35〜95%とする。
【0038】溶解定常期におけるスターリング条件(ス
ターリング電流、反転時間)は、溶解定常期において、
インゴットを製造するために適正化されたものであり、
インゴット径などの諸条件によって異なる。このため、
本発明では、製造するインゴットの諸条件に対し、適正
化した溶解定常期におけるスターリング条件を基準とし
て、溶解初期のスターリング条件が規定される。
【0039】溶解初期におけるスターリング電流および
反転時間が、上述した溶解定常期におけるスターリング
電流および反転時間に対する範囲未満の場合には、スタ
ーリングによる攪拌効果が得られない。一方、溶解初期
におけるスターリング電流および反転時間が、上述した
溶解定常期におけるスターリング電流および反転時間に
対する範囲を超える場合には、必要以上に攪拌され、ア
ークが不安定になり、表面欠陥が増大する。
【0040】(B)ホットトップ期のスターリング条件 インゴットの製造終了にあたり、溶解電流の通電を止
め、アークを停止する必要がある。前述したように、ホ
ットトップ期では、溶解電流を徐々に減少させ、通電量
をゼロにするように操作される。
【0041】溶解電流を減少させると、消耗電極の溶解
量も減少するため、チタンプールの体積は縮小する。よ
って、ホットトップ期でも、溶解初期と同様に、溶解定
常期のチタンプールに比べ、チタンプールの体積が小さ
くかつ浅くなり、チタンプールの状態は不安定となる。
さらに、チタンインゴットに収縮孔が形成される恐れも
ある。
【0042】ホットトップ期では、スターリング電流お
よびその反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるスタ
ーリング電流の25〜95%、反転時間の90〜220%とす
る。このように、ホットトップ期では、溶解定常期に比
べ、スターリング電流を小さく、反転時間を同程度かそ
れより長くすることにより、インゴットのトップ部にお
ける表面欠陥の発生を防止することができる。
【0043】このメカニズムについては、現在のとこ
ろ、明らかではないが、ホットトップ期では、溶解初期
と同様に、溶解定常期のチタンプールに比べ、チタンプ
ールの体積が小さくかつ浅くなるにもかかわらず、溶解
初期と異なるスターリング条件となったのは、溶解初期
とホットトップ期では、チタンプールの下方に存在する
チタンインゴットの高さや、溶解電流の電流値の増減率
などの相違に起因するものであると考えられる。
【0044】
【実施例】本発明にしたがって、VAR法によりチタンイ
ンゴットを製造し、そのインゴットに形成される表面欠
陥の表面積について評価した。一方、本発明から外れる
条件でもチタンインゴットを製造し、同様に評価した。
【0045】チタンインゴットの製造にあたり、まず、
スポンジチタンからブリケットを形成し、複数のブリケ
ットを電子ビーム溶接することで、直径約850mmの消耗
電極を作製した。
【0046】この消耗電極を炉に装入し、電極昇降機に
接続した。炉は、モールドとなる銅ルツボの直径が1000
mmであり、銅ルツボの外周を囲むように設置されたソレ
ノイドコイルの内径が1500mm、巻き数が400回のものを
使用した。
【0047】炉内の真空度を0.05Paとした後、溶解電流
を通電し、アークを発生させた。このとき、溶解電流
は、図2(a)に示す通電パターンで行い、通電を開始
後、徐々に増加させ、チタンプールを安定させた後、溶
解電流の電流値を30kAに保ち、約7000kgの消耗電極がア
ーク溶解するまで通電を続け、次いで、溶解電流の電流
値を15kAまで低下させ、最終的に溶解電流を停止させ
た。
【0048】得られた柱状のチタンインゴットは、上か
ら三分の一ごとにトップ部、ミドル部、ボトム部と称
し、各部の全表面積に対する表面欠陥の面積割合を算出
して、この面積割合が5%以下のものを適合品として評
価した。
【0049】表1は、溶解定常期および溶解初期のスタ
ーリング条件(スターリング電流、反転時間)ならびに
チタンインゴットのボトム部に発生した表面欠陥の面積
割合を示した表である。なお、同表には、溶解定常期の
スターリング条件に対する溶解初期のスターリング条件
の割合についても示した。
【0050】
【表1】
【0051】図4は、表1に基づき、溶解初期のスター
リング条件についてまとめたものであり、横軸を溶解定
常期のスターリング電流に対する溶解初期のスターリン
グ電流の割合と、縦軸を溶解定常期の反転時間に対する
溶解初期の反転時間の割合とした図である。
【0052】図4からも明らかなように、溶解初期のス
ターリング電流およびその反転時間が、それぞれ溶解定
常期におけるスターリング電流の15〜80%、反転時間の
35〜100%、または80超〜100%、35〜95%となったもの
については、いずれもボトム部に発生した表面欠陥の面
積割合が5%以下となったのに対し、この条件を満足し
ないものについては、同面積割合が10%以上と大きな
ものとなった。
【0053】表2は、溶解定常期およびホットトップ期
のスターリング条件(スターリング電流、反転時間)な
らびにチタンインゴットのトップ部に発生した表面欠陥
の面積割合を示した表である。なお、表1と同様に、表
2にも、溶解定常期のスターリング条件に対するホット
トップ期のスターリング条件の割合についても示した。
【0054】
【表2】
【0055】図5は、表2に基づき、ホットトップ期の
スターリング条件についてまとめたものであり、横軸を
溶解定常期のスターリング電流に対するホットトップ期
のスターリング電流の割合と、縦軸を溶解定常期の反転
時間に対するホットトップ期の反転時間の割合とした図
である。
【0056】図5からも明らかなように、ホットトップ
期のスターリング電流およびその反転時間が、それぞれ
溶解定常期におけるスターリング電流の25〜95%、反転
時間の90〜220%となったものについては、いずれもト
ップ部に発生した表面欠陥の面積割合が5%以下となっ
たのに対し、この条件を満足しないものについては、同
面積割合が10%以上と大きなものとなった。
【0057】
【発明の効果】本発明では、チタンプールの状態に合わ
せて、溶解初期およびホットトップ期におけるスターリ
ング条件を変えることによって、製造されるチタンイン
ゴットのボトム部およびトップ部に生じる表面欠陥の発
生をなくす、または減少させるチタンインゴットを製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】VAR法によりチタンインゴットを製造するため
の炉を模式的に示した断面図である。
【図2】インゴットの製造開始から終了までの溶解電流
の通電パターンの数例を模式的に示した図である。
【図3】ソレノイドコイルへの通電例を模式的に示した
図である。
【図4】溶解初期のスターリング条件についてまとめた
図である。
【図5】ホットトップ期のスターリング条件についてま
とめた図である。
【符号の説明】
1 チタンインゴット 2 チタンプール 3 排気口 4 電極昇降機 5 消耗電極 6 銅ルツボ 7 ブスバー 8 ソレノイドコイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消耗電極をアークにより溶解し、滴下する
    チタンまたはチタン合金を凝固させてチタンインゴット
    を製造する方法であって、溶解初期のスターリング電流
    およびその反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるス
    ターリング電流の15〜80%、反転時間の35〜100%、ま
    たはそれぞれ溶解定常期におけるスターリング電流の80
    超〜100%、反転時間の35〜95%とすることを特徴とす
    るチタンインゴットの製造方法。
  2. 【請求項2】ホットトップ期のスターリング電流および
    その反転時間を、それぞれ溶解定常期におけるスターリ
    ング電流の25〜95%、反転時間の90〜220%とすること
    を特徴とする請求項1に記載のチタンインゴットの製造
    方法。
  3. 【請求項3】消耗電極をアークにより溶解し、滴下する
    チタンまたはチタン合金を凝固させてチタンインゴット
    を製造する方法であって、ホットトップ期のスターリン
    グ電流およびその反転時間を、それぞれ溶解定常期にお
    けるスターリング電流の25〜95%、反転時間の90〜220
    %とすることを特徴とするチタンインゴットの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006082677A1 (ja) * 2005-02-04 2006-08-10 Sumitomo Titanium Corporation 消耗電極式アーク溶解法による溶解用消耗電極の製造方法およびそれに用いる端面切削装置
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