JP2004181366A - 粉体の溶解方法、及び流通管式管型溶解装置 - Google Patents

粉体の溶解方法、及び流通管式管型溶解装置 Download PDF

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▲えい▼三 杉野
Kenji Kubo
建二 久保
Kenji Asakawa
賢司 浅川
Katsutoshi Shoji
克利 小路
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Fujikin Inc
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Abstract

【解決手段】流通管内部に、(1)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体である、及び(2)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下であると言う特徴を有する静止型分散エレメントを1組またはそれ以上配設した流通管式管型溶解装置に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させることを特徴とする粉体の溶解方法および粉体溶解装置。
【効果】運動する装置や煩雑な操作を用いることなく、更に安価で、対象物の変更時の掃除が容易な装置により、粉塊(ダマ・まま粉)が発生しやすい多量の粉体を短時間で均質に溶媒に溶解または分散させることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒に粉体を混合した際に粉塊(一般に、「まま粉」または「だま」と呼ばれている。)を形成する物質(本明細書において、以下「粉塊形成物質」という。)を、短時間で溶媒に溶解させることができる粉体の溶解方法及び流通管式管型溶解装置に関するものである。なお、請求項を含み本明細書において、溶解とは、分散も含む意味である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、粉体(粉体には微粉体、超微粉体が含まれる)は単位質量当たりの表面積が大きいため、粉体の物性は表面によって支配されやすく、粉体を溶媒に混合すると、粉塊を発生する場合がある。例えば、水系溶媒に小麦粉、片栗粉、ゼラチン、セルロース等を溶解させた場合には、溶解せずに粉塊を形成することは経験的にも知られている。
【0003】
粉塊の発生する原因は必ずしも明らかではないが以下の様に推測される。まず、粉体粒子間には静電気力、ロンドン・ファンデルワールス力、液体架橋力等の付着力・凝集力が働いており、特に粉体と溶媒とが混合されると粉体粒子間に働く液体架橋力は急激に増大する。よって、粉体を溶媒に混ぜると、粉体の粒子は、それぞれ付着・凝集し、液体架橋して膜を形成することにより、粉塊が発生すると考えられる。尚、付着力・凝集力支配とは、粉体粒子に加えられる力や重力より粉体粒子間の付着力・凝集力が相対的に大きくなることを言う。
従って、溶媒に混合すると付着力・凝集力支配下に置かれる粉体を溶媒に混合する際、粉塊が発生するケースが多いと言える。
【0004】
このため従来は上記粉塊形成物質を溶媒に溶解するときには、長時間撹拌槽で撹拌を続け、徐々に溶媒を粉体粒子間に浸透させて溶解分散させる方法が行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−262645号公報
【特許文献2】
特開2001−172395号公報
【0006】
また、特開平11−262645号公報には、粉塊形成物質の溶解時間を短縮するため、処理液中に発生する粉塊を周面部の濾過部材の表面に回転するローラで押しつぶして溶解させるミキシング装置が開示されている。
【0007】
さらに、特開2001−172395号公報には、撹拌槽を用いて、溶媒に高分子粉体を膨潤溶解させる時、溶媒を撹拌機で撹拌し、ボルテックスを発生させ、溶媒に気泡を巻き込み、気液分散液を形成し、該気液分散液に高分子粉体を投入し膨潤溶解させる方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記撹拌槽で長時間撹拌する方法は、実験室等の小規模装置の場合は大きな問題を生じないが、工業的に大量の粉体を溶媒に溶解させる場合、大容量の撹拌槽や多基数の撹拌槽が必要となり経済的に有利な方法とは言えない。更に溶解液が時間経過と共に分解や反応を起こし変質していく場合、このように長時間要する方法を使用することはできない。
【0009】
また、特開平11−262645号公報に開示されている方法は、回転ローラや濾過部材を用いるため装置が高価である。更に複雑な運動をする可動部を有する装置であるためその故障が心配される。また、溶解させる対象物を変更する際、装置の掃除に長時間必要となる。
【0010】
また、特開2001−172395号公報に開示されている方法では少量の場合は投入した粉体は表面に浮遊せず、液中に小さな塊となって分散するが、それ以降通常の撹拌による分散力しか与えることが出来ないため、短時間で残っている粉塊を完全に溶解させることは困難である。更にこの方法でより多くの粉体を溶解させる場合、投入した粉体の溶解による液粘度の上昇と多量の未溶解粉体塊が液中に存在するため、ボルテックスを維持することができず、ボルテックス消滅後に投入された粉体が表面に浮遊し全く溶解しない状態となる。従って、本方法では極めて低い濃度の溶解液しか作成することができない。
【0011】
そこで本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、故障が少なくかつ安価な装置を用い、短時間のうちに、多量の粉塊形成物質を溶媒に溶解させることができ、更に対象物を変更する際に掃除が容易な粉体の溶解方法及び流通管式管型溶解装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来の問題点に鑑み、粉塊を短時間に破壊し、均質な溶解液を大量に、経済的に有利な方法で作成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、内部に、(1)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体であり、(2)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下の構造を有する静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させる粉体の溶解方法を提供する。
【0013】
また、上記板体のうち、少なくとも一方の板体の孔部は、その開口部が上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記板体に関する別の好ましい態様として、少なくとも一方の板体の孔部が、板厚方向の中途部に最小開口部を有していることが挙げられる。
【0015】
更に、本発明では、前記静止型分散エレメントの隣り合う2枚の板体について、下流側の板体表面に於いて複数の孔部の各周縁が交わる交点部分を、上流側の板体の裏面の開口部の内側になるように位置させて配置する事が好ましい。
更に、この交点部分は、少なくとも3つ以上の孔部の周縁が交わる部分であることがより好ましい。
【0016】
また、上記溶解方法に於いて、各々の板体の孔部の最小開口部に於ける平均流速が0.5m/秒以上となる条件下で粉塊形成物質と溶媒とを流通させることが好ましい。
【0017】
また、本発明の溶解方法に於いては、粉塊形成物質と溶媒とを予め予備混合しておくことが好ましく、内部に、複数の孔部を有する1枚の板体よりなる静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させて予備混合した後、上記流通管内に流通させることが好ましい。
【0018】
また、別の予備混合の態様として、流通管内部に、(3)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体であり、及び(4)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が50%以上である構造を有する静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させる方法により予備混合した後、上記流通管内に流通させることが挙げられる。
【0019】
また、第2の手段として、本発明は、粉塊形成物質を溶媒に溶解させるために用いられる装置であって、粉塊形成物質及び溶媒の流通可能な流通管と、該流通管内部に、(1)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体であり、及び(2)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下である構造を有する静止型分散エレメントを1組またはそれ以上有している流通管式管型溶解装置を提供する。
【0020】
更に、本発明では上記の流通管式管型溶解装置に加えて、流通管内部に複数の孔部を有する1枚の板体よりなる静止型分散エレメントを1組またはそれ以上配設した予備混合用の流通管式管型溶解装置を有している複合型の流通管式管型溶解装置を提供する。
【0021】
また、他の複合型の流通管式管型溶解装置として、前記流通管式管型溶解装置に加えて、(3)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体であり、及び(4)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が50%以上であるという構造を有する静止型分散エレメントを1組またはそれ以上配設した予備混合用の流通管式管型溶解装置を有している複合型の流通管式管型溶解装置を提供するものである。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に本発明で使用する粉塊形成物質の溶解設備の一例を示す。粉塊形成物質と溶媒をタンク(T1)に投入し、ポンプ(P1)にて流通管式管型溶解装置(M1)に供給し、粉塊形成物質を溶解する。
なお、この場合溶媒表面に浮遊した粉体を棒等を用いて事前にかき混ぜて置いてもよい。なお、本発明による粉塊形成物質の溶解設備はこれに限定されるものではない。
【0023】
次に図2に示すように、本発明に用いる流通管式管型分散装置(M1)は、流通管(2)内部に流れを遮る方向に静止型分散エレメント(3)を配設したものであり、この分散装置(M1)を用いて粉塊形成物質の溶媒への溶解処理を行う。
この流通管(2)は、内周面が平滑で機械的強度を有する所定形状の直管(例えばステンレスの円管など)からなっている。
静止型分散エレメント(3)は、流通管(2)の内部に着脱可能で取付けられており、静止型分散エレメント(3)を構成する板体(5’),(5”)の表面が流体の流通方向に対して直角となるように配置されている。
尚、流通管(2)には、静止型分散エレメント(3)の固定機構が設けられている(図示せず)。また、それぞれの部材間には、水密性を確保するため公知のパッキンが設けられている(図示せず)。
又、図2において(50)は粉塊形成物質と溶媒を流通管式管型分散装置(M1)に導入するための供給路であり、(60)は流通管式管型分散装置(M1)で処理された溶解液を送出するための送出路である。
【0024】
前記静止型分散エレメント(3)は、上流側から下流側へ並設された、それぞれ複数の孔部(6)を有する2枚の板体(5’,5”)により構成されている。孔部(6)はそれぞれ貫通孔部を含んでいる。各板体(5’,5”)は、各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合、即ち一方の板体(5”)の貫通孔部が他方の板体(5’)の貫通孔部と重なる部分の割合が30%以下となるように組み合わされている。
【0025】
ここで板体を貫通する孔部面積とは、板面に対していずれの角度でもよいが直線の束が板体を貫通する大きさの内の最大値、言い換えれば板面に対する入射角を変化させて一定密度の光線を当てた場合、透過光線の量が最大となった時の透過光線の量と言える。
従って、各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下とは、1枚の板体について光線の入射角を変化させて一定密度の光線を当てた際の最大透過光線量を100とした場合に、この板体に他の板体を互いに接触させて組み合わせた状態にして、再び光線の入射角を変化させて一定密度の光線を当てた際に2枚の板体を透過する最大透過光線量が30以下であることを言う。以下、本発明では、この孔部面積の割合を「貫通面積率」と省略して称する。
【0026】
図3及び図4に、この2枚の板体を単独及び組み合わせた状態の図を示す。この例では上流側の板体(5”)の孔部(6)は、板厚方向に直角な板体断面(横断面)上の形状が円形状であり、板表面から板厚方向の中途部にかけて間隔が次第に縮小するテーパ構造を有する。そして、上流側の板体(5”)と下流側の板体(5’)はその孔部の形状及び配置が全く同一のものであり、上流側の板体(5’)に対して下流側の板体(5”)を45度中心軸周りに回転させて組み合わせたものである。この場合の「貫通面積率」は0%である。本構造の2枚の板体の場合、上流側の板体(5”)に対する下流側の板体(5’)の軸回転角度を変えることにより、「貫通面積率」を100%から0%迄変化させることが可能である。なお、本発明による板体の孔部構造はこれに限定されるものではない。
【0027】
2枚の板体(5’,5”)は、互いに接触させて組み合わせてもよいし、板体の間隔(l)を隔てて組み合わせてもよい。尚、板体の間隔(l)を隔てて組み合わせ場合の「貫通面積率」とは、仮に2枚の板体を接触させて組み合わせた状態にした場合の「貫通面積率」を表す。
【0028】
このような静止型分散エレメント(3)に粉塊形成物質と溶媒を流通させると、これらの流体(F)は、上流側の板体(5”)において、板面へ衝突するとともに、孔部(6,6,…)で分流される。そして、上流側貫通孔部と下流側貫通孔部との位置のずれによって、流れが乱されながら下流側孔部に分流される。下流側の板体(5’)においても衝突、分流し、その後流体は集合する。このとき、2枚の板体に適切に穿設された孔部と板面との作用により発生する液衝突に伴う粉塊破壊力と、2枚の板体のそれぞれの孔部を流体が通過する際生じるキャビテーション作用と、強いせん断作用とによる粉塊分散力と、ならびに2枚の板体のそれぞれの孔部を流体が通過する際生じる伸長作用による粉塊破壊力とにより、効率的な破壊、分散及び溶解処理がなされる。
さらに、2枚の板体が狭い流路を保持しながら互いに接触している場合、または2枚の板体の間隔(l)が非常に小さい場合、2枚の板体及びその孔部により構成される狭い隙間を激しく流体が流れる事により、強いせん断作用および伸長作用が生じて、一層強力な粉塊を破壊、分散及び溶解する力が作用する。
【0029】
2枚の板体(5’,5”)の「貫通面積率」を30%以下とするのは、上流側の板体(5”)の貫通孔部を通過した流体(F)を下流側の板体(5’)の表面に確実に衝突させて粉塊破壊力を発生させるとともに、流れを複雑化することにより粉塊分散効果を高めるためである。上流側の貫通孔部と下流側の貫通孔部が一致していると、その粉塊形成物質を破壊、分散及び溶解する効果は大幅に低下する。更に、より効率的に粉塊を溶解させるためには「貫通面積率」が10%以下であることがより望ましい。また、2枚の板体の貫通孔部が全くない「貫通面積率」が0%の場合も本発明のより望ましい例に含まれる。
【0030】<孔部の形状(横断面)>
上記実施形態では板厚方向に直角な板体断面(横断面)上の穿設孔部の形状は円形であるが、これに限定されるものでなく、楕円形、長円形、三角形、四角形、台形、星形、その他の多角形等板体に穿設可能な形状であればいずれの形状でもよい。その中で、粉体の詰まりが少なく、安定な流通操作が可能であり、短時間で均質な溶解液を作成することが可能であることより正多角形または円形の形状であることが好ましい。
【0031】<孔部の形状(縦断面)>
次に図5の(a)〜(h)に、直線的又は曲線的な板体(5)の縦断面(板厚方向に平行な断面)上の孔部(6)の形状例を示す。(a)に示すような横断面と直交する直線、(b)に示すような横断面と斜交する直線、(c)に示すような曲線、(d)に示すような間隔が拡大する直線、(e)に示すような間隔が縮小する直線等いずれの形状でも良く特に制限はない。また、(f)〜(h)に示すように、直線や曲線の自由な組み合わせによる形状のものでもよい。ただし板体を貫通する孔部が存在しない場合、即ち入射角をいかに変化させても透過する光線が認められない場合の穿設孔部の形状は除かれる。
【0032】<望ましい孔部形状1>
いずれかの板体(5)の孔部(6)形状について、その開口部が直線的に及び/または曲線的に上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されている構造を有していることが望ましい。即ち円錐台、楕円錐台、長円錐台、三角錐台、四角錐台、台形錐台、多角錐台等が挙げられるが、図6の(i)や(j)に示すように途中に曲線面を含んでいてもかまわない。また各種錐台の中心軸が板体表面と直交する場合、斜めに交わる場合いずれでも良い。図6の(a)〜(j)にこれら各種孔部形状の例を示す。
板体の孔部の開口部形状が上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されている時、粉塊を含む混合液は次第に加速され、強いキャビテーション作用とせん断作用を受け、効率的な粉塊の分散、溶解処理がなされる。
また、下流側の板体(5’)について、板体の孔部(6)の開口部(7)形状が上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されていることが好ましい。更に、上流、下流両側の板体(5”,5’)について、板体の孔部の開口部形状が上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されていることがより好ましい。
粉体の詰まりが少なく、安定な流通操作が可能であり、短時間で均質な溶解液を作成することが可能である点より、特に2枚の板体が共に、中心軸が板体表面と直交する円錐台形状または正多角錐台形状の穿設孔部を有する構造であることが特に好ましい。図7に板面に直交する正四角錐台形状の穿設孔部(6)を有する2枚1組の静止型分散エレメント(3)の例を、また図8に板面に直交する円錐台形状の穿設孔部(6)を有する2枚1組の静止型分散エレメント(3)の例を示す。なお共に貫通面積率は0%である。
【0033】<望ましい孔部形状2>
また、いずれかの板体(5)の孔部について、板厚方向の中途部に最小開口部(7m)を有している孔部形状のものが望ましい。即ち縦断面で切断した場合、前記孔部は板表面から中途部へ直線的に及び/または曲線的に次第に間隔が縮小する構造と中途部から裏面へ直線的に及び/または曲線的に次第に間隔が拡大する構造を有する孔部である。この場合、中途部は板厚方向に長さを有していてもよい。中途部より上流側及び下流側のテーパ構造について円錐台、楕円錐台、長円錐台、三角錐台、四角錐台、台形錐台、多角錐台等が挙げられる。また各種錐台の中心軸が板体表面と直交する場合、斜めに交わる場合いずれでも良い。表面開口部形状と裏面開口部形状は同一又は相似形であっても、異なるものであってもかまわないが、同一又は相似形であることが望ましい。また中途部は板厚方向のいずれの位置にあってもよいが、その中央部にあることが望ましい。図9の(a)〜(h)にこれら各種孔部(6)の形状の例を示し、何れも板厚方向の中途部に最小開口部(7m)を有する。
板体の孔部の開口部形状が一旦上流側から下流側に向かって次第に小さくなり、その後逆に上流側から下流側に向かって次第に大きくなるように形成されているため、粉塊を含む混合液は孔部を通過する際強い加速と減速作用を受ける。これにより発生する強いキャビテーション作用とせん断作用により混合液は強い破壊力、分散力を受け速やかに溶解する。
また、下流側の板体(5’)について、板体の孔部(6)が板厚方向の中途部に最小開口部(7m)を有していることが好ましい。更に、上流、下流両側の板体(5”,5’)について、孔部(6)は板厚方向の中途部に最小開口部(7m)を有していることが好ましい。
粉体の詰まりが少なく、安定な流通操作が可能であり、短時間で均質な溶解液を作成することが可能である点より、特に2枚の板体について共に、板体表面と直交する共有の中心軸を有する2個の円錐台形状または正多角錐台形状で、且つその最小開口部(7m)を中央部に有する2個対向した構造の孔部(6)を有していることが特に好ましい。図10に板面に直交する共有の中心軸を有する2個の正四角錐台と正四角柱よりなる穿設孔部形状を有する2枚1組の静止型分散エレメントの例を、また図11に板面に直交する共有の中心軸を有する2個の円錐台と円柱よりなる穿設孔部形状を有する2枚1組の静止型分散エレメントの例を示す。なお共に貫通面積率は0%である。
【0034】
次に今ひとつの望ましい板体の孔部形状について図12,図13,及び図14に従って説明する。
2枚の板体(5’,5”)は板面に直角な中心軸を有する正四角錐台形に穿設された複数個の孔部(6)を有している。即ち、孔部(6)の開口部(7)の形状は、板厚方向に直角な面(横断面)で切断した場合、いずれの横断面に於いても同形状(正方形状)に形成されている。板体(5)の表面(5a)に於ける開口部(7a)が最も面積が大きく、裏面(5b)に於ける開口部が最も面積が小さい。即ち言い換えれば、2枚の板体(5)は孔部(6)が上流から下流に向かって次第に小さくなるように形成された開口部形状を有している。
【0035】
次に図12に下流側の板体(5’)の詳細を示す。板体(5’)には、正四角錐台形状の4つの孔部(6)(及び8つの一部欠如した孔部(6))が形成されており、これら各孔部(6)は、板体(5’)の表面(5a)に隣接して均等配置されている。従って、板体(5’)の表面(5a)に於ける孔部(6)の周縁(6a)(正四角錐台形状の底辺)は、隣接する孔部(6)相互間で実質的に共有されている。(底辺の一辺を共有する場合、理論的には線を共有することとなるが、製作上及び強度上数mm程度の巾を有する短冊状部分を共有することとなる。)板体(5’)の表面(5a)には、これら複数の孔部(6)の周縁(6a)が交わる交点部分(8)が形成されている。尚、本実施形態の板体(5’)の交点部分(8)は、図示したように、4つの孔部(6)の周縁(6a)が交わる部分であり、真ん中の交点部分(8)が板体の重心(Q)に一致するように、それぞれの孔部(6)は配置されている。
【0036】
次に、上流側の板体(5”)については、図13に示すように、5つの孔部(6)(及び4つの一部欠如した孔部(6))が穿設されている点を除いて、上記下流側の板体(5’)と共通する。従って、その説明は省略し、同じ構成について図番を援用する。5つの孔部(6)のうち真ん中の孔部(6)の中心が、板体の重心(Q)に一致するように孔部(6)が形成されている。
【0037】
そして、図14に示すように、下流側の板体(5’)の表面(5a)に、上流側の板体(5”)の裏面(5b)を接触対面させると共に、下流側の板体(5’)の交点部分(8)が、上流側の板体(5”)の裏面開口部(7b)の内側に位置するように、それぞれの板体(5’,5”)を並設することによって静止型分散エレメント(3)が構成されている。このように組み付けることにより、上流側の板体(5”)の裏面開口部(7b)より流出する粉塊を含んだ混合液が下流側の板体(5’)の表面に形成された周縁交点部分(8)に衝突した後、滑らかに下流側の板体(5’)の開口部(7)へ分流されるため、小さな圧力変動で、僅かな圧力損失で、短時間の内に粉塊を破壊、分散し溶解することが可能となる。
尚、本実施形態では、図14に示すように、上流側の板体(5”)の表面(5a)からこの板体の開口部(7)を見た場合、下流側の板体(5’)で遮蔽された状態であり、「貫通面積率」は0%である。このように2枚の板体が接触状態で且つ「貫通面積率」が0%であっても、上流側の板体(5”)の裏面開口部(7b)と、下流側の板体(5’)の表面開口部(7a)との間に間隙部分が存在しているため、流体が流れるための流路は確保されている。
【0038】
次に、図15,図16及び図17に2枚の板体(5’,5”)について、下流側の板体(5’)の表面に於いて複数の孔部(6)の各周縁が交わる交点部分(8)を、上流側の板体裏面開口部(7b)の内側に位置させて配置した例を示す。なお、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
図15には複数の角柱形状の孔部(6)が穿設された上流側の板体(5”)と複数の四角錐台形状の孔部(6)が穿設された下流側の板体(5’)の組み合わせの例を示す。この場合は下流側の板体表面に於いて2つの孔部(6,6)の周縁が交わる交点部分(8)(この場合は直線部分となる。)が上流側の板体(5”)の裏面開口部の内側に位置させて配置されている。
図16には複数の円柱形状の孔部(6)が穿設された上流側の板体(5”)と複数の正六角錐台形状の孔部(6)が穿設された下流側板体(5’)の組み合わせの例を示す。この場合は下流側の板体(5’)表面に於いて3つの孔部(6)の周縁が交わる交点部分(8)が上流側の板体(5”)の裏面開口部の内側に位置させて配置されている。図17には複数の円柱形状の孔部(6)が穿設された上流側板体(5”)と複数の三角錐台形状の孔部(6)が穿設された下流側板体(5”)の組み合わせの例を示す。この場合は下流側の板体(5”)表面に於いて6つの孔部(6)の周縁が交わる交点部分(8)が上流側の板体(5”)の裏面開口部(7b)の内側に位置させて配置されている。
【0039】<孔部の数及び配置>
上記実施形態に於いて、1つの板体(5)当たり孔部(6)は、4ないし5個形成されているが、孔部(6)の数は特に限定されるものではなく、2個以上(複数)形成されていれば良い。また、短時間で均質な溶解液または分散液を作成するのためには、複数の孔部(6)が実質的に均等に配置されていることが好ましい。これは必ずしも複数の孔部(6)が幾何学的に均等に配置されているものに限られず、例えば、前記実施形態に表示のごとく複数の孔部(6)が間隔をおいて放射状又はランダムに配置されたものなどでもよい。
【0040】<孔部の大きさ>
また、孔部(6)の寸法について特に限定されず、板体(5)の表面(5a)及び裏面(5b)に複数箇所形成できれば特に制限はないが、粉塊形成物質を流通させる本発明に於いては、孔部(6)の最小開口部(7m)の寸法が余りに小さいと、粉塊の詰まりが生じる虞がある。このような観点から、例えば横断面形状が円形の場合は最小開口部の直径が0.5mm以上であることが好ましく、更に1mm以上であることがより好ましい。また、三角形以上の多角形、あるいは星形、スリット状、その他の異形断面形状の孔部の場合は、その最小開口部(7m)で内部に直径0.5mm以上の円が形成できる寸法であることが好ましく、更に1mm以上の円が形成できる寸法であることがより好ましい。
【0041】<板体の配置・取り付け角度>
上記実施形態に於いては、2枚の板体(5’,5”)は、流通方向に対し直角に且つ2枚平行に設けられているが、必ずしもこのように並設しなければならないわけではない。要は、上流側の板体(5”)の表面(5a)に流体が衝突し、孔部(6)を通じて下流側の板体(5’a)へと流れるように並設されていればよい。
【0042】<板体の全体形状と厚み>
前記板体(5)の全体形状については特に制限はないが、均質な流れを得るために、厚みが一定で、表面が平滑で、更に流通管(2)の内周形状に適合したものが望ましい。具体的には円形の流通管(2)に適合するように板体(5) は円盤状に形成されている。また、板体(5) の厚みについては静止型分散エレメント(3)としての機械強度を保持するに十分な厚さ以上であれば特に制限はないが、通常1mm以上100mm以下の厚さの板を使用する事が望ましい。1mm未満では孔部(6)を設けた場合、機械強度が不足する危険性があり、100mmを超えると2枚の板体の相互作用による粉塊を破壊、分散する力が変わらず、装置の重量のみが増大することとなる。更に20mm以下の厚さの板を使用することがより望ましい。
【0043】<板体の併設間隔>
また、上記実施形態に於いては、2枚の板体(5’,5”)を、流体流路を確保した上で接触状態に組み合わせているため、2枚の板体(5’,5”)により構成される流体の流路が比較的狭い間隙となり、より高速で流体を流通させることができるという利点があるが、板体(5’,5”)は、所定間隔をおいて並設してもよい。もっとも、この板体間隔は約20mm以下、特に5mm以下であることが望ましい。20mmを超えると各々の板体(5’,5”)が独立して働くため、2枚の板体間の相互作用による液衝突に伴う粉体破壊力とこれらの隙間を流体が高速で流れることにより生じるせん断作用及び伸長作用を十分に発揮させることができないためである。
【0044】<板体の数>
また、上記実施形態に於いては、静止型分散エレメント(3)が、2枚一組の板体(5’,5”)で構成されているが、必ずしも2枚に限られず、3枚など複数枚で構成されていてもよく、3枚以上の板体でエレメントを構成する場合には、そのうちの少なくとも隣り合う2枚の板体が、種々に例示した関係で並設されていればよい。もちろん、2枚一組のエレメントを2組又はそれ以上並設してもよい。
【0045】<板体の組み合わせ>
2枚の板体(5’,5”)の孔部形状については、必ずしも同一形状の孔部(6)を有する板体(5’,5”)を用いる場合に限定されず、上記に例示した種々の形状の孔部(6)が形成された板体(5)を、任意に組み合わせて用いることも可能である。
【0046】<流通管の形状、大きさ>
上記実施形態に於いて、流通管(2)は、所定形状の直管(例えば円管)が例示されているが、これに限定されず、曲管も使用できるが、通常直管を使用することが好ましい。横断面形状は円形以外に、四角形、多角形などの種々の形状のものが使用できるが、均等な流れを得ることができることから円形の断面形状が望ましく、特に内径5mm以上の円形直管を使用することが望ましい。内径5mm未満では、望ましいサイズの孔部を適切に配置することが困難となる。また孔部の面積が少ないため処理能力が不十分となる。
【0047】<材質>
前記流通管(2)及び板体(5)の材質について、ステンレスに限られず、各種鉄鋼材料やプラスチック材料やその他材料の中から、流体の化学的性質、摩耗性、操作温度や圧力、製作コスト等を考慮して適宜選定すればよい。
【0048】<回数>
前記流通管式管型溶解装置(M1)に粉体と溶媒を通過させる回数に特に制限はない。均質な溶解液を得ることができる通過回数であればよい。流通管式管型溶解装置(M1)内を複数回循環させることが必要な場合のため循環路(12)を設けておくとよい。
【0049】<溶解装置>
上記実施形態に於いては、静止型分散エレメントが内蔵された流通管式管型溶解装置(M1)単体よりなる溶解装置であるが、例えば、該流通管式管型溶解装置(M1)を2以上直列又は並列に接続して溶解装置を構成してもよく、又、必要に応じてケニックス型等の混合方式の異なる静止型混合器を併用することも可能である。
【0050】<予備混合用流通管式管型溶解装置>
また、上記流通管式管型溶解装置に加えて、予備混合用の流通管式管型溶解装置を設けることが好ましい。この予備混合用の流通管式管型溶解装置としては、予備混合用の流通管の内部に、前記のいずれかの構造の1枚の板体(5)からなる静止型分散エレメントを1組又はそれ以上設けることにより構成することができる。例えば、図3に記載の構造の板体(5’,5”)や、その他、図7,図8,図10,図11,図12,図13,図15,図16,図17など記載されているいずれかの構造の板体(5)を1枚使用することができる。なお、本発明では複数の孔部を有する板体であればいずれでもよく、特にこれらに限定されるものではない。
【0051】<予備混合用流通管式管型溶解装置その2>
また今ひとつの予備混合用の静止型分散エレメントを構成する板体の例として複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体を貫通面積率が50%以上となるように組み合わせた構造のものが挙げられる。
例えば、図3に示す2枚の板体(5’,5”)を貫通孔部が全て重なるように配設した、即ち貫通面積率が100%となるように配設した一組の静止型分散エレメントが予備混合用の流通管内部に配設されて構成されたものや、図12の構造の板体(5’)を2枚、貫通面積率が100%となるように配設した一組の静止型分散エレメントや、同じ板体(5’)を7度中心軸周りに回転させ貫通面積率が70%となるように配設した一組の静止型分散エレメント等が挙げられる。もっとも、複数の孔部を有する2枚以上の板体で、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が50%以上であればいずれでもよく、特にこれらに限定されるものではない。なお、より圧力の変動が少なく、より短時間で均質な溶解液を得るためには、上記貫通面積率が70%以上であることが更に好ましい。
複数の孔部を有する1枚の板体、又は貫通面積率が50%以上の2枚の板体を備えた静止型分散エレメントを有する上記予備混合用流通管式管型溶解装置に、粉塊形成物質と溶媒を流通させることにより、その際に作用する前述の各種粉塊破壊力により大きな粉塊は急速に小さく分散した粒子となる。その後、更に前述の粉体溶解用の静止型分散エレメントを有する流通管式管型溶解装置に上記の小さく分散した粒子を含む溶媒を流通させることにより、予備混合を行わない場合に発生していた大幅な圧力の増大や変動がなく、より短時間に粉体を溶解させることが可能となる。
なお、予備混合用の静止型分散エレメントを構成する板体の孔部形状、孔部の大きさ、配置並びに板体全体に関する条件等について前記に記載の内容と同様であるのでここでは再度記載せず、前記の内容を援用する。
【0052】<予備混合器を含む装置の例及びその運転方法>
予備混合用の流通管式管型溶解装置(M2)と本混合用の流通管式管型溶解装置(M1)とを並列した複合型の流通管式管型溶解装置の例を図18に示す。この場合、粉塊形成物質と溶媒をタンク(T1)に投入し、ポンプ(P1)を起動し、これら混合物を予備混合用の流通管内部に設けられた静止型分散エレメントに流通させ(必要に応じて複数回循環させ)、大きな粉塊を小さく分散させた後、ラインを本混合用の流通管式管型溶解装置(M1)側に切り替え、本混合用の流通管内の静止型分散エレメントに1回以上流通させる処理を行うことにより粉体を溶解する。
図19には、本混合用の流通管式管型溶解装置(M1)の上流側に予備混合用の流通管式管型溶解装置(M2)を直列に配した複合型の流通管式管型溶解装置の例を示す。この場合は粉塊形成物質と溶媒をタンク(T1)に投入し、ポンプ(P1)を起動し、混合液を予備混合用の流通管式管型溶解装置(M2)及び本混合用の流通管式管型溶解装置(M1)に連続して1回以上流通させる処理を行うことにより粉体を溶解する。
本発明による流通管式管型溶解装置並びに粉体の溶解方法はこれらの例に限定されるものではなく、例えば図20に示すように複数個のタンク(T1,T2)やポンプ(P1,P2)を利用する装置並びに粉体の溶解方法を含むものである。
【0053】
短時間で均一に溶解させるためには、流体(粉塊形成物質と溶媒)を高速で流通させることが好ましく、具体的には、孔部(6)の最小開口部(7m)に於ける流体の速度を0.5m/秒以上、より好ましくは1m/秒以上で流通させることが好ましい。一方、流速を上げるに従って、より短時間で粉体を均質に溶解または分散させることができるが、20m/秒を超える流速になると過大な圧力損失が発生するため、その上限は20m/秒以下が好ましい。
【0054】
さらに使用後、流通管内に洗浄水などを流せば、装置の清掃を行うことができるので、溶解させる粉塊形成物質を変更する場合もメンテナンスが容易である。
【0055】
本発明の方法及び装置に使用できる粉塊形成物質の種類や混合量は、特に限定されるものではないが、例えば、小麦粉、ゼラチン、ペプタイド、粉砂糖、果糖、片栗粉、テンプラ粉、お好み焼き粉、蛸焼き粉、ホットケーキ粉等の食品用粉類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、(メタ)アクリル酸系共重合体等の合成高分子、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ヒドラジド、柿渋等の凝集剤や凝集助剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等の樹脂発泡剤や重合開始剤、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等の添加剤、カーボン、酸化チタン等の染顔料、ガラス繊維、各種の医農薬類(特に微粉剤、フロアブル剤等)等が挙げられる。
【0056】
また、溶媒についても特に限定されず、例えば、水、アルコール類、多価アルコール、動植物油類、鉱物油類、パラフィン系炭化水素類、オレフィン系炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、石油系溶媒等、又はそれらの混合液、又はこれら溶媒に界面活性剤、高分子、pH調整剤等の他の成分が溶解したものが挙げられる。特に好ましくは水性溶媒である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に詳述する。
なお、用いた粉体及び溶媒の詳細は以下のとおりである。
粉体:信越化学社製:ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910
TC−5(以下「TC−5」と呼ぶ。)
溶媒:脱イオン水
【0058】
〔実施例1〕図1に示す構成の設備を用い、実験を行った。
図2〜4に表示の構造の板体(5’,5”)よりなる静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,D1=8.5mm,L1=5mm,L2=2.5mm,L3=2.5mm,l=3mm,da=4mm,dm=2mm貫通面積率=0%。2枚の板体(5’,5”)の孔部(6)は同形同大。室温の脱イオン水;2500mlとTC−5;250gをビーカに入れ、撹拌棒でかき混ぜた後、タンク(T1)に投入した。多量のTC−5が粉塊(ダマ)となり液表面に浮遊した状態であった。ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.6MPaであり、溶解後の最終圧力は0.26MPaであった。この時の最小開口部通過流速は18m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果4分後で完全に溶解していた。
本実施例並びに以下記述の全ての実施例及び比較例の結果を表1及び表2にまとめて記載する。
【0059】
【表1】
Figure 2004181366
【0060】
【表2】
Figure 2004181366
【0061】
〔実施例2〕実施例1と同様の実験を、図7に示す板体(5’,5”)よりなる静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,Ga1=6mm,Ga2=6mm,Gb1=3mm,Gb2=3mm,L1=5mm,l(板体間隔)=0mm、貫通面積率=0%。2枚の板体(5’,5”)の孔部(6)の形状は同形同大。ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.6MPaであり、溶解後の最終圧力は0.14MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果3分後で完全に溶解していた。
【0062】
〔実施例3〕実施例2と同様の実験を、図7(b)に示す板体(5’)を2枚(同じ板体2枚)を使用し、下流側の板体を上流側の板体と孔部位置を合わせた状態より中心軸周りに45度回転させ貫通面積率=7%となるように組み合わせた静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,Ga1=6mm,Ga2=6mm,Gb1=3mm,Gb2=3mm,L1=5mm,l=0mm。
ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.7MPaであり、溶解後の最終圧力は0.21MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果3分後で完全に溶解していた。
実施例2と同等の結果が得られた。
【0063】
〔実施例4〕実施例3と同様の実験を、図7(b)に示す板体(5’)を2枚(同じ板体2枚)使用し、下流側の板体を上流側の板体と孔部位置を合わせた状態より中心軸周りに26度回転させ貫通面積率=30%となるように組み合わせた静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。
ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.2MPaであり、溶解後の最終圧力は0.11MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果8分後で完全に溶解していた。
貫通面積率=30%の条件では実施例2に比べ圧力の増加は僅かで安定な運転条件となったが、溶解時間が8分と大幅に延びた。
【0064】
〔比較例1〕実施例3と同様の実験を、図7(b)に示す板体(5’)を2枚(同じ板体2枚)使用し、下流側の板体を上流側の板体と孔部位置を合わせた状態より中心軸周りに9度回転させ貫通面積率=70%となるように組み合わせた静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。
ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.1MPaであり、溶解後の最終圧力は0.1MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎に10分迄サンプルを採取し溶解状況を観察した。結果10分後でも完全に溶解していなかった。
貫通面積率=70%の条件では実施例2に比べ圧力の増加はなく安定な運転が可能であったが、10分後でも溶解しなかった。
【0065】
〔比較例2〕実施例3と同様の実験を、図7(b)に示す板体(5’)っを2枚(同じ板体2枚)使用し、下流側の板体を上流側の板体と孔部位置を合わせた状態にし貫通面積率=100%となるように組み合わせた静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。
ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.1MPaであり、溶解後の最終圧力は0.1MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎に10分迄サンプルを採取し溶解状況を観察した。結果10分後でも完全に溶解していなかった。
貫通面積率=100%の条件では比較例1に記述の貫通面積率=70%の場合と同様に、10分後でも溶解しなかった。
【0066】
〔実施例5〕実施例1と同様の実験を図11に表示の構造の板体(5’,5”)よりなる静止型分散エレメント1組を内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,L1=5mm,L2=2mm,L3=1mm,L4=2mm,l=3mm,da=6mm,dm=2mm,db=6mm、貫通面積率=0%。ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.3MPaであり、溶解後の最終圧力は0.19MPaであった。この時の最小開口部通過流速は8.3m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果5分後で完全に溶解していた。
【0067】
〔実施例6〕実施例5と同様の実験を板体間隔l=0mmの条件で実施した。ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.5MPaであり、溶解後の最終圧力は0.21MPaであった。この時の最小開口部通過流速は8.3m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果4分後で完全に溶解していた。
下流側板体表面で複数の孔部の各周縁が交わる交点部分が存在しない本実施例では圧力の変動が激しく、運転状態が不安定であった。また完全に溶解するまで実施例2に比べて1分余分に時間が掛かった。
【0068】
〔実施例7〕図1に示す構成の設備を用いて、図12〜14に示す構造の板体(5’,5”)2枚1組よりなる静止型分散エレメントを2組(各組の間隔は0mm)内蔵する流通管式管型溶解装置を用いて実験を行った。板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,Ga1=6mm,Ga2=6mm,Gb1=3mm,Gb2=3mm,L1=5mm,l=0mm、貫通面積率=0%。2枚の板体(5’,5”)の孔部(6)の形状は同形同大。室温の脱イオン水;3000mlとTC−5;300gをビーカに入れ、撹拌棒でかき混ぜた後、タンクT1に投入した。多量のTC−5が粉塊(ダマ)となり液表面に浮遊した状態であった。ポンプを起動し14L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させた。ポンプの最大圧力は0.3MPaであり、溶解後の最終圧力は0.1MPaであった。この時の最小開口部通過流速は4.7m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果2分後で完全に溶解していた。
【0069】
〔実施例8〕実施例7と同様の実験を、7L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させ実施した。ポンプの最大圧力は0.25MPaであり、溶解後の最終圧力は0.07MPaであった。この時の最小開口部通過流速は2.3m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果2分後で完全に溶解していた。エレメントを2組使用することにより、遅い最小開口部通過流速で処理したにもかかわらず、溶解時間を短縮することが可能であった。
【0070】
〔実施例9〕粉体の添加方法を以下の如く変更し、実施例8と同様の実験を行った。即ち、室温の脱イオン水;3000mlをタンク(T1)に投入した後、ポンプを起動し、7L/分の流量で循環を開始した。タンク(T1)の上部より約5分掛けてTC−5;300gを徐々に投入した。全量投入完了後1分後に溶解が完了していた。この時、ポンプの最大圧力は0.25MPa、最終圧力は0.07MPaであった。
循環中の溶媒に直接粉体を投入する方法でも短時間に粉塊形成物質を溶解させることが可能であった。
【0071】
〔比較例3〕実施例7と同様の実験を、1L/分の流量で、静止型分散エレメントを通じて液を循環させ実施した。この時の最小開口部通過流速は0.3m/secである。ポンプの最大圧力は0.15MPaであった。40分循環したが完全に溶解しなかった。テスト終了時の圧力は0.05MPaであった。最小開口部通過流速が低いため粉塊を破壊、分散、溶解することができなかった。
【0072】
〔実施例10〕図18に示す構成の実験設備を用い、本混合用の流通管式管型溶解装置(M1)には図7に示す板体(5’,5”)よりなる貫通面積率=0%の静止型分散エレメント1組を内蔵する装置を用い、予備混合用の流通管式管型溶解装置(M2)には図7(b)に示す板体(5’)2枚を、下流側の板体と上流側の板体の孔部位置が重なるように組み付け貫通面積率=100%となるように組み合わせた静止型分散エレメント1組を内蔵する装置を用いて実験を行った。
板体の各部寸法を以下に示す。
D=17.5mm,Ga1=6mm,Ga2=6mm,Gb1=3mm,Gb2=3mm,L1=5mm,l=0mm
室温の脱イオン水;2500mlとTC−5;250gをビーカに入れ、撹拌棒でかき混ぜた後、タンク(T1)に投入した。多量のTC−5が粉塊(ダマ)となり液表面に浮遊した状態であった。装置(M2)側にラインを切り替え、ポンプを起動し14L/分の流量で、装置(M2)を通じて1分間のみ液を循環させた。この時のポンプの圧力は0.09〜0.13MPaであった。表面に浮遊していた大きなダマは全て消滅したが、液中には多数の小さく分散にした未溶解粒子が認められた。次にポンプの運転を継続しながらラインを装置(M1)側に切り替え、液中の小さく分散にした未溶解粒子が消滅するまで循環を継続した。この時の最大圧力は0.16MPaであり、溶解後の最終圧力は0.11MPaであった。この時の最小開口部通過流速は6.5m/secである。循環開始後1分毎にサンプルを採取し溶解状況を観察した。結果1分後で完全に溶解していた。
このように予備混合用の流通管式管型溶解装置と本混合用の流通管式管型溶解装置を併用することにより、運転面で問題となる大きなダマが分散する際に生じる大きな圧力の増加や振動が全くなく、短時間で粉体を溶解することが可能であった。
【0073】
〔比較例4〕以下に示す撹拌槽及び撹拌条件により粉体の溶解実験を行った。本撹拌槽に室温の脱イオン水3000mlを入れた後、スパチュラを用いて手でかき混ぜながらTC−5;300gをゆっくりと加えた。表面に多量の粉塊(ダマ)が発生した。撹拌機を起動し、この粉塊が溶解するまで撹拌を継続した。1時間毎にサンプルを採取し目視にて溶解状態を確認した。結果4時間後に溶解した。
撹拌槽並びに撹拌機条件;槽径が14cm、槽高さが30cmの円筒形の撹拌槽に半径25mmの3枚プロペラ翼を槽底より50mmの高さにセットし、500rpmでかき混ぜながら溶解実験を行った。
【0074】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の粉体の溶解方法によれば、従来から溶解が困難であった粉塊形成物質を、短時間のうちに溶媒に溶解させることができる。また、かかる方法は、主として流通管と孔部が形成された板体を準備すれば実施できるため、煩雑な操作を行う必要はなく、又、運動する装置類を用いないので、安価に実施できる。さらに、流通管内に洗浄水などを流せば清掃が完了するので、操作容易で且つ低ランニングコストを実現でき、頻繁に対象物を変更するような使用に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体の溶解方法に使用する設備のシステムを示す概念図。
【図2】本発明の静止型分散エレメントの一例と流通管式管型溶解装置の一部切欠斜視図。
【図3】(a)は、本発明の静止型分散エレメントを構成する2枚1組の板体のうち、上流側の板体の一例を示す正面図及びA−A線断面図。(b)は、同、下流側の板体の一例を示す正面図及びB−B線断面図。
【図4】図3の2枚1組の板体を組み合わせた静止型分散エレメントの一例を示す正面図及びC−C線断面図。
【図5】(a)〜(h)は、板体の孔部の変形例を示す縦断面図。
【図6】(a)〜(j)は、上流側から下流側へ向かって次第に小さくなる開口部を有する孔部形状の変形例を示す参考斜視図。
【図7】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びD−D線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びE−E線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びF−F線断面図。
【図8】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びG−G線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びH−H線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びI−I線断面図。
【図9】(a)〜(h)は、板厚方向の中途部に最小開口部を有する孔部形状の変形例を示す参考斜視図。
【図10】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びJ−J線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びK−K線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びL−L線断面図。
【図11】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びM−M線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びN−N線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びO−O線断面図。
【図12】(a)は、本発明の静止型分散エレメントを構成する2枚1組の板体のうち、下流側の板体の一例を示す正面図。(b)は同裏面図。(c)は、P1−P1線断面図。
【図13】(a)は、上流側の板体の一例を示す正面図。(b)は、同裏面図。(c)は、P2−P2線断面図。
【図14】(a)は、図12及び図13の板体を組み合わせた静止型分散エレメントの一例を示す正面図。(b)は、P3−P3線断面図。
【図15】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びS−S線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びT−T線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びU−U線断面図。
【図16】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びV−V線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びW−W線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びX−X線断面図。
【図17】(a)は、上流側の板体の変形例を示す正面図及びY1−Y1線断面図。(b)は下流側の板体の変形例を示す正面図及びY2−Y2線断面図。(c)は、これら2枚の板体が組み合わされた静止型分散エレメントを示す正面図及びY3−Y3線断面図。
【図18】予備混合用の流通管式管型溶解装置を含む、本発明の粉体の溶解方法に使用する設備のシステムを示す概念図。
【図19】予備混合用の流通管式管型溶解装置を含む、本発明の粉体の溶解方法に使用する設備のシステムを示す概念図。
【図20】予備混合用の流通管式管型溶解装置を含む、本発明の粉体の溶解方法に使用する設備のシステムを示す概念図。
【符号の説明】
2…流通管、3…静止型分散エレメント、5…板体、5’…下流側の板体、5”…上流側の板体、6…孔部、7…開口部、7m…最小開口部、9…縮小面、10…拡大面、a…板体表面、b…板体裏面、l…板体間隔、M1…流通管式管型粉体溶解装置、M2…流通管式管型粉体予備混合装置、P1,P2…ポンプ、Q…板体の重心、T1,T2…タンク

Claims (11)

  1. 内部に、以下の(1)及び(2)の構造を有する静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させることを特徴とする粉体の溶解方法。
    (1)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体である。
    (2)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下である。
  2. 少なくとも一方の板体の孔部は、その開口部が上流側から下流側に向かって次第に小さくなるように形成されている請求項1に記載の粉体の溶解方法。
  3. 少なくとも一方の板体の孔部は、板厚方向の中途部に最小開口部を有している請求項1記載の粉体の溶解方法。
  4. 前記静止型分散エレメントの隣り合う2枚の板体について、下流側の板体表面に於いて複数の孔部の各周縁が交わる交点部分を、上流側の板体の裏面開口部の内側に位置させて配置した請求項1〜3の何れかに記載の粉体の溶解方法。
  5. 前記交点部分は、少なくとも3つ以上の孔部の周縁が交わる部分である請求項4に記載の粉体の溶解方法。
  6. 各々の板体の孔部の最小開口部に於ける平均流速が0.5m/秒以上となる条件下で粉塊形成物質と溶媒とを流通させる請求項1〜5の何れかに記載の粉体の溶解方法。
  7. 内部に、複数の孔部を有する1枚の板体よりなる静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させて予備混合した後、請求項1〜6の何れかに記載の処理を行う粉体の溶解方法。
  8. 内部に、以下の(3)及び(4)の構造を有する静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用流通管に、粉塊形成物質と溶媒とを流通させて予備混合した後、請求項1〜6の何れかに記載の処理を行う粉体の溶解方法。
    (3)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体である。
    (4)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が50%以上である。
  9. 粉塊形成物質を溶媒に溶解させるために用いられる装置であって、粉塊形成物質及び溶媒の流通可能な流通管と、該流通管内部に、以下の(1)及び(2)の構造を有する静止型分散エレメントを1組またはそれ以上有していることを特徴とする流通管式管型溶解装置。
    (1)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体である。
    (2)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が30%以下である。
  10. 請求項9に記載の流通管式管型溶解装置に加えて、流通管内部に、複数の孔部を有する1枚の板体よりなる静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用の流通管式管型溶解装置を有している流通管式管型溶解装置。
  11. 請求項9に記載の流通管式管型溶解装置に加えて、流通管内部に、以下の(3)及び(4)の構造を有する静止型分散エレメントが1組またはそれ以上配設された予備混合用の流通管式管型溶解装置を有していることを特徴とする流通管式管型溶解装置。
    (3)上流側から下流側へと並設された、複数の孔部を有する少なくとも2枚の板体である。
    (4)各々の板体を貫通する孔部面積の内、隣り合う2枚の板体を貫通する孔部面積の割合が50%以上である。
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