JP2004181217A - ゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法 - Google Patents

ゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ゴルファーにとっての官能的な要求を満足するようなゴルフクラブの選択や設計を容易に行えるようにする。
【解決手段】 ゴルフクラブ選択支援装置は、ゴルフクラブの1次モーメントおよび慣性モーメントと、1次モーメントに対する慣性モーメントの比の値である相当単振り子長とに関する基本データを格納する記憶装置4と、1次モーメント、慣性モーメントおよび相当単振り子長に関するデータを入力する入力装置3と、入力装置3によって入力されたデータと、記憶装置4に格納された基本データとを比較して比較結果を出力する中央処理装置2と、中央処理装置2の出力結果を表示する表示装置5とを備える。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法に関し、特に、ゴルファーの官能値を考慮したゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法に関する。
ゴルフクラブを設計する際には、ヘッド、シャフトおよびグリップといった各パーツの質量設定を開発の初期段階に行なう。通常は、ゴルフクラブの長さを設定し、市場の状況など企画的な意図からシャフトとグリップの目標質量を設定し、14インチバランスを設定し、ゴルフクラブの総質量を基準にしてヘッド質量を決定する場合が多い。
たとえば、45インチのドライバーの総質量が290g、14インチバランスがC8という目標であれば、シャフトは50g、グリップを40gと企画的な意図で仕様を仮決定し、これらの条件を満たした場合、ヘッドの質量は約194gとなる。
グリップ、シャフトについては、形状、製法がほぼ決まっており、素材も均一である場合がほとんどであるため、重心位置もほぼ一定の範囲におちつく。したがって、グリップ、シャフトについては、まず質量を決める必要がある。
シャフトの質量設定については、各フレックスが柔らかくなるにつれて同等以下に設定する場合が多く、各フレックス間、たとえばSフレックスとSRフレックスの間のシャフト質量差は、シャフトの製造、設計などの都合により5g前後のとなることが多い。
グリップの質量範囲は、シャフトの外径やグリップの外径がほぼ決まっている関係から、40g〜50g前後とシャフトやヘッドに比べて狭い。よって、グリップの質量は、シャフトやヘッドの質量よりも企画的な意図で決められる場合が多い。
評価の高いゴルフクラブを基準に、これよりも少し重いゴルフクラブの要求がある場合、14インチバランスを増やす、つまりヘッドの質量を増やす、もしくはシャフトの質量を増やすことが最も一般的である。しかし、これらをどれ位の割合で増やしていくかは、ゴルフクラブ総質量と14インチバランスとで決められていた。
このようにして設計されたゴルフクラブから、ゴルファーが自分に合ったゴルフクラブを選択する場合、実際にゴルフクラブを手に持ってみたり、グリップエンドを支点にヘッドを回転させる等独自の手法で選択するのが一般的であり、ゴルフクラブの選択の際の基準となるツールのようなものは存在しなかった。
他方、ゴルフクラブ自体については、ゴルフクラブを振り易くするために種々の提案がなされている。
たとえば特開2001-87424号公報では、ロングアイアンからショートアイアンに亘ってスイングのし易いアイアンクラブセットを提供するために、アイアンクラブのグリップエンド回りの慣性モーメントを所定範囲内の値としたアイアンクラブセットが記載されている。
また、特開2000-202070号公報では、ゴルフクラブの長尺化による飛距離性能の一層の向上と振りにくさを改善するために、ゴルフクラブの長さ、総重量、グリップエンドよりヘッド方向へ10cmの位置を軸とした慣性モーメントを所定範囲内の値としたゴルフクラブが記載されている。
また、特開2000-202069号公報には、打球時におけるボールの初速を最大限に向上することを可能にしたゴルフクラブを提供するために、グリップ端から170mmの位置での慣性モーメントと、クラブ長さとの関係を規定したゴルフクラブが記載されている。
このように改良されたゴルフクラブについても、自分に合ったゴルフクラブを選択する場合には、実際にゴルフクラブを手に持ったり、グリップエンドを支点にヘッドを回転させる等の手法で選択するしかなかった。
特開2001-87424号公報 特開2000-202070号公報 特開2000-202069号公報
ゴルフクラブに関するゴルファーの官能値として、「グリップしたときの重さ」、スイングする前に確認するグリップエンドを支点に回転させる「ワッグル」と呼ばれる動作時に感じる「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」というものがあり、これらの官能値を満足するゴルフクラブを選択できることが望まれる。
しかし、上述の従来のゴルフクラブの設計方法では、上記の3つの要素を考慮してゴルフクラブが設計されておらず、ゴルファーにとって官能的な要求を満たすゴルフクラブやゴルフクラブセットを選択することは困難であった。
また、特開2001-87424号公報、特開2000-202070号公報あるいは特開2000-202069号公報に記載のゴルフクラブも、上記の3つの要素について考慮されていないため、ゴルファーにとって官能的な要求を満足するゴルフクラブやゴルフクラブセットとは必ずしもなっていなかった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ゴルファーにとっての官能的な要求を満足するゴルフクラブやゴルフクラブセットの選択や設計が可能となるゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法を提供することにある。
本発明に係るゴルフクラブ選択支援装置は、ゴルフクラブ(ゴルフクラブセットを含む)を選択する際に用いられる装置であって、ゴルフクラブの1次モーメントと、ゴルフクラブの慣性モーメントと、1次モーメントに対する慣性モーメントの比の値である相当単振り子長とに関する基本データを格納する記憶装置と、1次モーメント、慣性モーメントおよび相当単振り子長に関するデータを入力する入力装置と、入力装置によって入力されたデータと、記憶装置に格納された基本データとの比較結果を出力する中央処理装置と、中央処理装置の出力情報を表示する表示装置とを備える。
上記の「1次モーメント」とは、ゴルフクラブの質量(Mc)×ゴルフクラブのグリップエンド付近から重心までの距離(R)で表される値であり、「慣性モーメント」とは、グリップエンド付近を支点にゴルフクラブを回転させることで示される量であり、「相当単振り子長」とは、慣性モーメント/1次モーメントにより求められる値である。
本願発明者は、「グリップしたときの重さ」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーの官能値を何らかのパラメータで置き換えることが可能か否かについて確認すべく種々の試験を行なった結果、「グリップしたときの重さ」を「1次モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした1次モーメント)」に置き換えることができ、「ワッグル重さ」を「慣性モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした慣性モーメント)」に置き換えることができ、「タイミングのとりやすさ」を「相当単振り子長」に置き換えることができることを知得した。
そこで、1次モーメントと、慣性モーメントと、相当単振り子長とに関する基本データを記憶装置に格納することとした。それにより、入力装置を介して1次モーメント、慣性モーメント、相当単振り子長に関して得られたデータを入力することで、中央処理装置によって基本データと入力データとを比較して最適なゴルフクラブやゴルフクラブセットを選択するのに必要な情報を出力することができる。この出力情報を表示装置で表示することにより、当該情報を視認することができる。
上記の記憶装置に格納する基本データは、好ましくは、X軸(横軸)に1次モーメントをとり、Y軸(縦軸)に慣性モーメントをとり、相当単振り子長を表す直線を記載したグラフを含む。
本発明に係るゴルフクラブ選択用ツールは、ゴルフクラブ(ゴルフクラブセットを含む)を選択するために用いられるツールであって、ゴルフクラブの1次モーメントと、ゴルフクラブの慣性モーメントと、1次モーメントに対する慣性モーメントの比の値である相当単振り子長とを併記したグラフ部分を備えたことを特徴とする。
上記のゴルフクラブ選択用ツールを用いることにより、1次モーメントと、慣性モーメントと、相当単振り子長とをともに表したグラフに基づいてゴルフクラブを選択することができ、これらのパラメータに対応する「グリップしたときの重さ」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーの官能値を容易に判別することができる。それにより、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブやゴルフクラブセットを容易に選択することができる。
本発明に係るゴルフクラブ(ゴルフクラブセットを含む)の選択方法は、基準となるゴルフクラブの1次モーメント値を判定するステップと、基準となるゴルフクラブの慣性モーメント値を判定するステップと、基準となるゴルフクラブの1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を判定するステップとを備える。
このように1次モーメント値、慣性モーメント値および相当単振り子長をそれぞれ判別することにより、「グリップしたときの重さ」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーの官能値を容易に判別することができ、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブやゴルフクラブセットを容易に選択することができる。
本発明に係るゴルフクラブ(ゴルフクラブセットを含む)の設計方法は、ゴルフクラブにおけるヘッド、シャフトおよびグリップの質量設定を、ゴルフクラブの1次モーメント値、ゴルフクラブの慣性モーメント値、1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を用いて決定することを特徴とする。
このように1次モーメント値、慣性モーメント値および相当単振り子長を用いて、ゴルフクラブにおけるヘッド、シャフトおよびグリップの質量を設定することにより、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブやゴルフクラブセットの設計を行なえる。
本発明に係るゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツールおよびゴルフクラブの選択方法によれば、「グリップしたときの重さ」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーの官能値を、1次モーメント、慣性モーメントおよび相当単振り子長というパラメータに置き換えることにより、ゴルファーの官能的な要求を満足するゴルフクラブやゴルフクラブセットを容易に選択することができる。
本発明に係るゴルフクラブやゴルフクラブセットの設計方法によれば、上記の1次モーメント値、慣性モーメント値および相当単振り子長というパラメータを用いて、ゴルフクラブにおけるヘッド、シャフトおよびグリップの質量を設定しているので、ゴルファーの官能的な要求を満足するゴルフクラブやゴルフクラブセットの設計を行なえる。
以下、本発明の実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法について説明する。
まず、本実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置について図13を用いて説明する。
図13に示すように、本実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置1は、ゴルフクラブを選択する際に用いられる装置であって、中央処理装置(CPU)2と、入力装置3と、記憶装置4と、表示装置5とを備える。
記憶装置4は、ゴルフクラブのグリップエンドあるいはその近傍(好ましくはグリップエンドから170mm程度までの範囲)を支点とした1次モーメント値と、グリップエンドあるいはその近傍(好ましくはグリップエンドから170mm程度までの範囲)の周りの慣性モーメント値と、1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長に関する基本データを格納する。
入力装置3は、1次モーメント、慣性モーメントおよび相当単振り子長に関するデータを入力する。中央処理装置2は、入力装置3によって入力されたデータと、記憶装置4に格納された基本データとを比較して比較結果を出力する。表示装置5は、中央処理装置2の出力結果を表示する。
次に、上記のゴルフクラブ選択支援装置1を用いたゴルフクラブの選択方法の一例について図12を用いて説明する。
まず、図12に示すように、基準となるゴルフクラブ(以下、「基準クラブ」と称する)を用いて、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、ワッグル動作したときの重さである「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」についてアンケートをとる。
なお、本願発明者による検討の結果、この「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」と「1次モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした1次モーメント)」、「ワッグル重さ」と「慣性モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした慣性モーメント)」、「タイミングのとりやすさ」と「相当単振り子長」とが相関関係にあることが判明したので、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」についてのアンケート結果を「1次モーメント」に関するデータとして、「ワッグル重さ」についてのアンケート結果を「慣性モーメント」に関するデータとして、「タイミングのとりやすさ」についてのアンケート結果を「相当単振り子長」に関するデータとして、入力装置3を介してゴルフクラブ選択支援装置1に入力する。
この入力されたデータと、記憶装置4に予め格納された基本データとを中央処理装置2によって比較し、必要なデータの選択や、入力データによる範囲の絞り込み等の処理を行なう。そして、この処理結果を表示装置5で表示する。表示手法としては、たとえば画面での表示や音声による表示が考えられる。この表示結果を参考にしてゴルファーの官能値を考慮した最適なゴルフクラブの選択を行なえる。
なお、上記の「1次モーメント」とは、ゴルフクラブの質量(Mc)×ゴルフクラブのグリップエンド付近から重心までの距離(R)で表される値であり、「慣性モーメント」とは、グリップエンド付近を支点にゴルフクラブを回転させることで示される量であり、「相当単振り子長」とは、慣性モーメント/1次モーメントにより求められる値である。
また、上記の記憶装置4に格納する基本データとしては、典型的には、縦軸(Y軸)に慣性モーメント(IGE)をとり、横軸(X軸)に1次モーメント(MR)をとり、相当単振り子長として(IGE/MR)の関係式を満たす直線を記載したグラフを挙げることができる。しかし、慣性モーメント(IGE)と、1次モーメント(MR)と、相当単振り子長(IGE/MR)との関係を示したものであれば上記のグラフ以外の任意のデータを採用可能である。
図1に、上記のグラフの一例を示す。図1において、Dr1,Dr2,Dr3はゴルフクラブの長さ、シャフト質量、グリップ質量を同等とし、ヘッド質量を変えたゴルフクラブである。ヘッド質量のみを各5gずつ変えることにより、グリップエンド周りの慣性モーメント(IGE)、1次モーメント(MR)および相当単振り子長(IGE/MR)が異なる関係となることがわかる。ゴルフクラブDr1〜Dr5の各パーツ質量および測定値を表1に示す。なお、表1において、「14”バランス」とは、14インチバランスのことである。
Figure 2004181217
ゴルフクラブDr1,Dr4,Dr5は、クラブの長さ、ヘッド質量およびグリップ質量が同じで、シャフト質量のみを変えたゴルフクラブである。シャフト質量のみを各10g変えることにより、1次モーメント(MR)と相当単振り子長(IGE/MR)が異なるものの慣性モーメント(IGE)はほぼ同等となることがわかる。なお、図2に、ゴルフクラブDr1〜Dr5におけるシャフトの曲げ剛性分布を示しておく。
上記のゴルフクラブDr1〜Dr5についての5名の官能テスターによる評価結果を下記の表2〜表4に示す。この5名の官能テスターには、商品テスターとして分析能力の高いプロゴルファーを選出している。この中でも特に官能評価能力の高い順にS,A,Bとランクをつけている。
官能評価項目としては、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」、「タイミングのとりやすさ」の3項目である。官能評価方法としては、官能検査の最も代表的な「一対比較法」を用いた。また、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」と「ワッグル重さ」に関しては、「同じ」−「少し重い」−「重い」という3段階の評価、「タイミングのとりやすさ」に関しても、「同じ」−「少し異なる(小)」−「大きく異なる(大)」という5段階の評価で表現してもらった。
Figure 2004181217
Figure 2004181217
Figure 2004181217
表2に示すように、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」については、1次モーメント(MR)の差が大きいほど官能値の差も大きくなることがわかる。表2の組合せの中ではDr1とDr4との1次モーメント(MR)値の差が3%程度と最も少ない値であり、この2つのゴルフクラブの比較結果は、「同じ」と判断したプロゴルファーが2名、「少しDr1が重い」と判断したプロゴルファーが3名であった。
したがって、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」は、1次モーメント(MR)というパラメータで置き換えることが可能であり、判別できるかどうかの閾値は約3%であると判断できる。
この結果より、Dr1を基準クラブとし、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」感を要求する場合、1次モーメント(MR)が大きいゴルフクラブを選択する、つまり図1のグラフにおいてDr1よりも右側に位置するゴルフクラブを選択すればよいことがわかる。
「ワッグル重さ」に関しては、表3に示すように、Dr1とDr4との慣性モーメント(IGE)値の差が1%以下と最も小さく、この2つのゴルフクラブの比較結果は「同じ」と判断したプロゴルファーが3名、「少しDr1が重い」と判断したプロゴルファーが2名であった。
したがって、「ワッグル重さ」は、慣性モーメント(IGE)というパラメータで置き換えることが可能であり、判別できるかどうかの閾値は約1%であると判断できる。
この結果より、Dr1を基準クラブとし、「ワッグル重さ」感を要求する場合には、慣性モーメント(IGE)が大きいゴルフクラブを選択する、つまり図1のグラフにおいてDr1よりも上側に位置するゴルフクラブを選択すればよいことがわかる。
「タイミングのとりやすさ」に関しては、表4に示すように、Dr1とDr2との相当単振り子長(IGE/MR)の差が2%以下と最も小さく、この2つのゴルフクラブの比較結果は「同じ」と判断したプロゴルファーが3名、「少し異なる」と判断したプロゴルファーが2名であった。
したがって、「タイミングのとりやすさ」は、相当単振り子長(IGE/MR)というパラメータで置き換えることが可能であり、判別できるかどうかの閾値は約2%であると判断できる。
この結果より、Dr1を基準クラブとし、「タイミングのとりやすさ」を変えないためには、図1のグラフ上で相当単振り子長(IGE/MR)を示す同一の直線上に位置するゴルフクラブを選択すればよいことがわかる。
以上より、Dr1を基準クラブとして「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」、「タイミングのとりやすさ」というゴルファーの官能値についての情報を入手し、たとえば1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)を併記したグラフに基づいて範囲の絞り込みを行なうことにより、官能値を考慮した最適なゴルフクラブを選択することができる。
なお、基準クラブDr1としては、その時代に合った平均的な仕様のゴルフクラブを選択することが望ましい。本実施の形態において選定した基準クラブDr1のヘッド質量は198g、シャフト質量は65g、フレックスはS、グリップ質量は50gである。
また、官能試験に関しては、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」、「タイミングのとりやすさ」についての簡単なアンケート、たとえば、非常に重い−重い−普通−軽い−非常に軽いといった5段階の絶対評価法でも行なえる。また、シャフトのフレックスを選定する際には、本願と同一発明者による特許第3061640号に記載の「ゴルファーに最適なフレックスのシャフト選定装置」を使用することが望ましい。
次に、支点の位置について説明する。図3は、1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)について、グリップエンドから135mmの位置を支点としたときの関係を示したグラフである。
この図3と図1とを比較すると、支点の違いから各項目の絶対値は異なっているものの、各ゴルフクラブDr1〜Dr5に関するデータの位置関係は同様のものとなっていることがわかる。
図4に、本実施の形態で用いたシートラッピング製法によるカーボンシャフトの線密度分布を示す。この図からわかるように、グリップ端から170mm程度まではほぼ均一な線密度分布であり、この部分に比重の異なる素材を用いる以外はこの範囲のグリップ付近を支点にしても同等の結果が得られるものと考えられる。
図5は、1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)について、グリップエンドから200mmの位置を支点としたときの関係を示したグラフである。
支点位置を変えることにより最も影響があるのは、慣性モーメント(IGE)値である。これは、慣性モーメント(IGE)が、慣性モーメント(IGE)=重心周りの慣性モーメント+ゴルフクラブ質量×(支点から重心位置までの距離)で表されるからである。
各支点位置における慣性モーメント(IGE)値を表5に示し、Dr1を基準としたときの比の値を表6に示す。
Figure 2004181217
Figure 2004181217
Dr1とDr5、Dr1とDr4の「ワッグル重さ」について、グリップエンドを支点とした場合、Dr1に対し1%以下の差でも官能テスターの判断が分かれている。
表6に示すように、グリップエンドから135mmの位置を支点とした場合には、Dr4およびDr5の慣性モーメント(IGE)値と、Dr1のそれとの差が1%以下となるので、グリップエンドを支点とした場合と等価であると考えられる。しかし、グリップエンドから200mmの位置を支点とした場合、Dr1の慣性モーメント(IGE)値と、Dr5の慣性モーメント(IGE)値との差が1%以上となることから、グリップエンドを支点とした場合と等価であるとは考え難い。
したがって、スイングの形態からしてもグリップエンドから右手端までの距離が170mm程度までの範囲が、慣性モーメント(IGE)の測定に適する支点位置であるといえる。
次に、本発明の本実施の形態におけるゴルフクラブ選択用ツールについて説明する。
本実施の形態のゴルフクラブ選択用ツールは、1次モーメント(MR)と、慣性モーメント(IGE)と、1次モーメント(MR)に対する慣性モーメント(IGE)の比の値である相当単振り子長(IGE/MR)とを併記したグラフ部分を備えたものである。
具体的には、たとえば厚紙の表面に、1次モーメント(MR)と、慣性モーメント(IGE)と、相当単振り子長(IGE/MR)とを併記した図1等に示すグラフを貼り付けあるいは印刷したものや、金属製、プラスチック製、ゴム製等の紙以外の材質からなるベース部材の表面に当該グラフを貼り付けあるいは印刷したものを本実施の形態におけるゴルフクラブ選択用ツールとして採用可能である。
かかるゴルフクラブ選択用ツールを用いることにより、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」に関するアンケート結果に基づいて、1次モーメント、慣性モーメント、相当単振り子長とをともに表したグラフを用いて該当するゴルフクラブを選択することができる。それにより、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブを容易に選択することができる。
次に、上記のゴルフクラブ選択用ツールを用いたゴルフクラブの選択方法の一例について図11を用いて具体的に説明する。
図11に示すように、まず基準クラブを用いて、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」を判定する。これにより基準クラブの1次モーメント(MR)値を判定したこととなる。図11の例では5段階評価を行なっており、それぞれの判定結果に対し1次モーメント(MR)値が設定されている。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
次に、基準クラブを用いてワッグル動作を行ない、「ワッグル重さ」を判定する。これにより基準クラブの慣性モーメント(IGE)値を判定したこととなる。この「ワッグル重さ」についても、5段階評価を行なっており、それぞれの判定結果に対し慣性モーメント(IGE)値が設定されている。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
次に、基準クラブを用いてスイングを行ない、「タイミングのとりやすさ」を判定する。これにより基準クラブの相当単振り子長(IGE/MR)を判定したこととなる。この「タイミングのとりやすさ」についても、5段階評価を行なっており、それぞれの判定結果に対し相当単振り子長(IGE/MR)の値が設定されている。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
以上の評価により、最適な質量分布を有するゴルフクラブの範囲の絞り込みができ、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブを容易に選択することができる。なお、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」に関する各判定は、必ずしも上記の順に行なう必要はなく、各判定ステップの順序を入れ替えてもよい。
次に、上記のゴルフクラブの選択方法の他の例について、図6〜図9を用いて説明する。
なお、以下の説明では、ゴルフクラブDr1を基準に最適な質量分布を選択できる手法について説明する。また、Dr1は、Sフレックス使用者の平均的な仕様のゴルフクラブとなっているが、ターゲットに合わせてRフレックスを基準にしてもよく、さらにヘッドを軽めにしてシニアゴルファーをターゲットにした基準クラブを採用してもよい。
図6に、最適な質量分布を選択するためのチャートを示す。本例において選択可能なゴルフクラブの本数は117本である。しかし、ゴルフクラブの本数は任意に設定可能である。
図6に示すように、本例では、各ゴルフクラブについて、慣性モーメント(IGE)、1次モーメント(MR)および相当単振り子長(IGE/MR)のデータをプロットしたチャートを使用する。各ゴルフクラブのデータは、たとえば新製品の発売と同時にパソコンのデータベース等に入力することで表示させることができる。
まず、基準クラブDr1を使用して「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」についてアンケートを行なう。このアンケートで、基準クラブDr1に対し「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」が「少し重い」という結果が得られたと仮定する。
この場合、1次モーメント(MR)値が基準クラブDr1の1次モーメント(MR)値よりも所定値以上小さいゴルフクラブ、たとえば1次モーメント(MR)値が基準クラブDr1の1次モーメント(MR)値よりもその3%より多い値だけ小さい(MR×0.97未満)ゴルフクラブを選択するようにする。その結果、図7に示すように、32本のゴルフクラブに絞り込むことができる。
次に、再び基準クラブDr1を使用し、「ワッグル重さ」についてアンケートを行なう。このアンケートで、基準クラブDr1に対し「ワッグル重さ」が「重い」という結果が得られたと仮定する。
この場合、慣性モーメント(IGE)値が基準クラブDr1の慣性モーメント(IGE)値よりも所定値以上小さいゴルフクラブ、たとえば慣性モーメント(IGE)値が基準クラブDr1の慣性モーメント(IGE)値よりもその2%より多い値だけ小さい(IGE×0.98未満)ゴルフクラブを選択する。その結果、図8に示すように、20本のゴルフクラブに絞り込むことができる。
次に、再び基準クラブDr1を使用し、「タイミングのとりやすさ」についてアンケートを行なう。このアンケートで、基準クラブDr1に対し「タイミングのとりやすさ」が「ちょうど良い」という結果が得られたと仮定する。
この場合、基準クラブDr1の相当単振り子長(IGE/MR)の値の±2%以内のゴルフクラブを選択する。その結果、図9に示すように、3本のゴルフクラブに絞り込むことができる。このように図6等に示すグラフを用いてゴルフクラブの絞り込みを行ない、所望のゴルフクラブを選択することができる。
次に、本発明の実施の形態におけるゴルフクラブの設計方法の一例について図10を用いて説明する。本実施の形態では、ゴルフクラブの各パーツの質量の決定方法について説明する。
以下に説明するゴルフクラブは技量としては上級者、力量としてはDr8<Dr6<Dr7の関係となるように開発するものである。
各ゴルフクラブDr6、Dr7、Dr8で「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」感について差を感じるように1次モーメント(MR)値を3%以上差をつけ、「ワッグル重さ」感についても差を感じるように慣性モーメント(IGE)値を1%以上差をつけ、「タイミングのとりやすさ」感を同等に感じるように相当単振り子長(IGE/MR)の値の±2%以内の範囲とする。
図10に、上記のようにゴルファーが感じるようにヘッド質量、シャフト質量およびグリップ質量を設定した例を示す。なお、図10では、グリップエンドを支点にした場合を示している。また、表7に、ゴルフクラブDr6、Dr7、Dr8の各パーツの質量例と特性とを示す。
Figure 2004181217
図10および表7に示すゴルフクラブDr6、Dr7、Dr8は、ヘッド質量、シャフト質量およびグリップ質量を変えることで、グリップしたときの重さを変え、かつワッグルしたときの重さを変えながら、同じタイミングで振ることができるゴルフクラブの質量設定例である。
上記のように各ゴルフクラブの1次モーメント(MR)値、慣性モーメント(IGE)値、相当単振り子長(IGE/MR)の値を適切に設定することで、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」、「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーにとっての官能値を考慮したゴルフクラブの各パーツ質量の決定を行なえる。したがって、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブの設計を行なえる。
次に、図14〜図28を用いて、本発明の他の実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、ゴルフクラブセットを選択可能なゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブセットの選択方法およびゴルフクラブセットの設計方法について説明する。
本願発明者等の研究の中で、前述の内容に加えて、ゴルファーの最も求める「ヘッドスピードアップ」と「ボール初速アップ」を達成するにはMcR,IGE,Lp(=IGE/McR)とMc,Mhのバランスが重要であり、「ゴルファーがゴルフクラブをスイングしてどう感じるか」の感性面からは、McR,IGE,Lp(=IGE/McR)のバランスが重要であることも判明している。
ここで、Mhはクラブのヘッド質量、Mcはクラブ総質量、Rはグリップ部の支点からクラブの重心位置までの距離、McRは1次モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした1次モーメント)、IGEは慣性モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした慣性モーメント)、Lp(=IGE/McR)は典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした相当単振り子長である。
このように「ヘッドスピードアップ」と「ボール初速アップ」を実現する知見や、「ゴルファーがゴルフクラブをスイングしてどう感じるか」の感性面からの知見が明確になる中で、ウッドやアイアンを含む複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットにおいて、ゴルファーの満足度の高い、自分に合ったゴルフクラブセットを選択できることが望まれるが、従来は、数多くのゴルフクラブについて実際に試し打ちをしたり、ゴルフクラブを手に持ったり、グリップエンドを支点にヘッドを回転させる等の手法で選択するしかなく、ゴルフクラブセットの選択に多くの労力を要していた。そのため、自分に合ったゴルフクラブセットを簡易に選択する手法が望まれていた。
そこで、本実施の形態では、ゴルフクラブに関してゴルファーの最も求める「ヘッドスピードアップ」を達成させるためのMcR,IGE,Lp(=IGE/McR)等のバランスや、「ゴルファーがゴルフクラブをスイングしてどう感じるか」の感性面からゴルファーの満足度を達成させるためのMcR,IGE,Lp(=IGE/McR)のバランスを調和させつつ、簡易にゴルファーの満足度の高いゴルフクラブセットを選択できる手法を提案する。
なお、ゴルファーの満足度の高いゴルフクラブセットとは、ゴルファーによるスイング中において、全てのゴルフクラブについて、インパクトまで同じようにスイングできるゴルフクラブで構成されるゴルフクラブセットであると考えられる。このようなゴルファーの満足度の高いゴルフクラブセットでは、各パラメータMcR,IGE,Lp(=IGE/McR)に規則性が存在するものである。より詳しくは、たとえばセット中の各ゴルフクラブのMcR,IGE,Lpが、所定の1次式や2次式に近似できる等の相関の高い関数性・規則性を有する。
また、同じようにスイングできるクラブセットでは、ゴルファーが各番手のゴルフクラブをスイングする際のヘッドスピードにも関数性・規則性を有するものと推定できる。ウッドやアイアンを含む複数本のゴルフクラブからなるゴルフクラブセットにおいて、各ゴルフクラブによる「ボールの飛び」にも規則性を持たせるためには、クラブヘッド質量の規則性およびヘッドのロフト角やスコアライン等(厳密には、フェース部のばね定数等も関係するが、ここでは無視する)のバランスも適切なものとする必要がある。
以下、本実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブセットの選択方法およびゴルフクラブセットの設計方法について具体的に説明する。
本実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置は、ゴルフクラブセットを選択するものであるが、基本的な構成は図13に例示したものと同様である。つまり、ゴルフクラブ選択支援装置は、中央処理装置(CPU)と、入力装置と、記憶装置と、表示装置とを備える。
記憶装置は、ゴルフクラブセット中の各ゴルフクラブのグリップエンドあるいはその近傍(好ましくはグリップエンドから170mm程度までの範囲)を支点とした1次モーメント値と、グリップエンドあるいはその近傍(好ましくはグリップエンドから170mm程度までの範囲)の周りの慣性モーメント値と、1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長に関する基本データを格納する。
記憶装置に格納する基本データとしては、典型的には、縦軸(Y軸)に慣性モーメント(IGE)をとり、横軸(X軸)に1次モーメント(MCR)をとり、相当単振り子長として(IGE/MCR)の関係式を満たす直線を記載したグラフを挙げることができるが、慣性モーメント(IGE)と、1次モーメント(MCR)と、相当単振り子長(IGE/MCR)との関係を示したものであれば上記のグラフ以外の任意のデータを採用可能である。
入力装置は、ゴルフクラブセット中の各ゴルフクラブの1次モーメント、慣性モーメントおよび相当単振り子長に関するデータを入力する。中央処理装置は、入力装置によって入力されたデータと、記憶装置に格納された基本データとに基づいて種々の演算を行い、その結果を出力する。たとえば中央処理装置は、基本データと入力データとを比較したり、入力データに基づいて適切な範囲を指定し、該範囲に属するゴルフクラブを抽出したり、入力データの傾向を示す直線や曲線を算出してゴルフクラブセット中のゴルフクラブの規則性を出力したり、入力データと基本データとの関連づけを行って結果を出力する。表示装置は、中央処理装置の出力結果を表示する。
次に、本実施の形態におけるゴルフクラブセットの選択方法について説明する。
たとえば、あるゴルファーの気に入っているアイアンクラブセットに合わせたウッドクラブセットを選択する場合、ゴルフクラブセットの選択方法は、アイアンクラブセットの流れを有する、つまりアイアンクラブセットにおける各番手のゴルフクラブの1次モーメント値や慣性モーメント値などの特性値の規則性と同様の規則性を有する複数本のドライバーの中の基準となるゴルフクラブの1次モーメント値を判定するステップと、その基準となるゴルフクラブの慣性モーメント値を判定するステップと、基準となるゴルフクラブの1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を判定するステップとを備える。
また、別の例としては、あるゴルファーの気に入っているドライバーまたはドライバーを含むウッドクラブセットに合わせたアイアンクラブセットを選択する場合、ゴルフクラブセットの選択方法は、ウッドクラブの流れを有する、つまりウッドクラブセットにおける各番手のゴルフクラブの1次モーメント値や慣性モーメント値などの特性値の規則性と同様の規則性を有する複数セットの中の基準となるアイアンクラブの1次モーメント値を判定するステップと、その基準となるゴルフクラブの慣性モーメント値を判定するステップと、基準となるゴルフクラブの1次モーメント値に対する慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を判定するステップとを備える。
以下、図14、図16〜図25を用いて、上述のゴルフクラブ選択支援装置を用いたゴルフクラブセットの選択方法の一例について説明する。以下の例では、あるゴルファーの気に入っているアイアンクラブセットに合わせたウッドクラブセットを選択する場合について説明する。
まず、図14に示すように、アンケートを実施し、現在、顧客が所有し使用中のクラブセット、買換えや購入を考えているお悩みクラブや番手を調査し、そのクラブ・番手をどうしたいかを尋ねる。その後、アイアンクラブセットの流れを有する複数本のドライバーの中の基準となるゴルフクラブ(以下、「基準クラブ」と称する)について、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、ワッグル動作したときの重さである「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」についてアンケートをとる。
別の例としては、あるゴルファーの気に入っているドライバーまたはドライバーを含むウッドクラブセットに合わせたアイアンクラブセットを選択する場合、ウッドクラブの流れを有する複数セットの中の基準となるアイアンクラブもしくはアイアンクラブセットについて、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、ワッグル動作したときの重さである「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」についてアンケートをとる。
また、自分に合ったゴルフクラブセットを新規に購入したり、ゴルフクラブセットの買い替えを行いたい場合には、各種のドライバーの中から自分に合うドライバーを選択し、このドライバーの流れを有するアイアンクラブセットについて「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、ワッグル動作したときの重さである「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」についてアンケートをとればよく、各種のアイアンクラブセット中から自分に合うアイアンクラブセットを選択し、このアイアンクラブセットの流れを有するドライバーについて「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、ワッグル動作したときの重さである「ワッグル重さ」、実際にスイングしたときに感じる「タイミングのとりやすさ」についてアンケートをとればよい。
なお、現在、顧客が所有し使用中のクラブセット中の各ゴルフクラブについて各パラメータを計測して入力すると、各ゴルフクラブの1次モーメント値などの特性値の傾向やばらつきを把握することができ、お悩みクラブや番手の原因が判定できる可能性もある。
図16に、ゴルフクラブ選択支援装置の初期画面の一例を示す。図16に示すように、初期画面では、基準クラブとなりうるドライバーおよびアイアンセットの1次モーメント(MCR)と、慣性モーメント(IGE)と、相当単振り子長(IGE/MCR)とが表示されている。ここでは、ドライバー14本とアイアン4セットを表示しているが、表示していないクラブも基準クラブとなり得る。
前述のように「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」と「1次モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした1次モーメント)」、「ワッグル重さ」と「慣性モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした慣性モーメント)」、「タイミングのとりやすさ」と「相当単振り子長」とが相関関係にあることから、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」についてのアンケート結果を「1次モーメント」に関するデータとして、「ワッグル重さ」についてのアンケート結果を「慣性モーメント」に関するデータとして、「タイミングのとりやすさ」についてのアンケート結果を「相当単振り子長」に関するデータとして、入力装置を介してゴルフクラブ選択支援装置に入力する。
データ入力後の画面の一例を図17に示す。図17におけるセットOが、入力されたアイアンクラブセットのデータである。なお、データ入力の際には、あるゴルファーの気に入っているアイアンクラブセットのデータを入力することが好ましい。気に入っているアイアンクラブは、現在使用中の自分のクラブでもよいし、試打して気に入ったアイアンクラブでもよい。実際に計測したデータを入力するとなお良い。
上記のようにして入力されたデータと、記憶装置に予め格納された基本データとに基づいて中央処理装置によって各種処理を行い、入力データによる基本データにおける範囲の絞り込みや、必要なデータの選択等を行なう。具体的には、図18に示すように、セットOのデータについての公差範囲を算出して表示し、この公差範囲内に属するドライバーから基準クラブを選択する。それにより、あるゴルファーの気に入っているアイアンクラブセットの流れに合ったドライバーを複数本選択し、さらにその中のいずれか1本のドライバーを基準クラブとして選択することができる。そして、基準クラブを用いて、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」に関する各判定と試打を実施する。
なお、“アイアンクラブの流れに沿ったドライバー”とは、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」である1次モーメント(MCR)のセット内の公差が±0.004kg・mの範囲内であり、「ワッグル重さ」である慣性モーメント(IGE)のセット内の公差が±0.001kg・mの範囲内のドライバーをいう。
上記の基準クラブから得られたデータをもとにして、図19に示すように、あるゴルファーの気に入ったドライバーが選択されることとなる。そして、選択されたドライバーを含むウッドクラブセットであって、アイアンクラブセットの流れに沿ったセットが、図20に示されるように適切クラブセットとして画面に表示される。なお、図20の例では、アイアンクラブセットにおける各アイアンゴルフクラブのデータを結ぶ直線を延長した直線上にあるウッドクラブセットが、アイアンクラブセットの流れに沿ったウッドクラブセットとして選択されている。
上記のドライバーをはじめとするウッドクラブセットを実際にゴルファーに試打してもらい、適切かどうか確認してもらう。なお、表示手法としては、上記のような画面での表示のみならず音声による表示も考えられる。この表示結果を参考にしてゴルファーの官能値を考慮した最適なゴルフクラブセットの選択を行なえる。
さらに、「もっと振り易いクラブセットも試したい」という要望があった場合には、たとえば図21に示すように「お試しクラブ」を提案し、該ゴルフクラブについて実際にゴルファーに試打してもらい、適切かどうか確認してもらう。そして、ゴルファーが振り易いと判断した場合には、図22に示すように「お試しクラブ」を含むゴルフクラブセット(「お試しクラブセット1」)を提案することもできる。
図23に、支点を170mmとした時に図22に示す「適切クラブセット」のデータがどのようになるかを示す。この結果より、支点をグリップエンドとした時(図22の場合)と、グリップエンドから170mmとした時(図23の場合)には大差ないことが分かり、「支点の位置」は、グリップエンドから右手端までの距離が170mm程度までの範囲なら、どの位置でも適切なデータが得られることが分かる。
また、グラフの縦軸と横軸のパラメータを変更した場合、たとえば縦軸に相当単振り子長、横軸に一次モーメントをとった場合や、縦軸に相当単振り子長、横軸に慣性モーメントをとった場合に、図23等に示す「適切クラブセット」がどのように表示されるかを図24と図25に示す。これらの図から、グラフの縦軸と横軸のパラメータを変更した場合でも同様の結果が得られることがわかり、図23等に示す「適切クラブセット」が概ね妥当であることが分かる。
表8に、各アイアンクラブセット(セットO,X,Y,Z)およびウッドクラブセットの長さ、各質量、一次モーメント、慣性モーメント、相当単振り子長を示す。但し、シャフト重心率は、シャフト全長に対する、シャフトのグリップエンド側から重心位置までの距離の割合を、%表示したものである。
Figure 2004181217
なお、本願発明者等は、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」と「1次モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした1次モーメント)」、「ワッグル重さ」と「慣性モーメント(典型的にはグリップエンドもしくは右手端面の170mm程度までを支点とした慣性モーメント)」、「タイミングのとりやすさ」と「相当単振り子長」の公差に関して以下のように認識している。
「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」を判別できるかどうかの閾値は約3%(概ね0.008kg・m)であることから、セット内では、±0.004kg・mの範囲内を好ましい範囲とする。また、「ワッグル重さ」を判別できるかどうかの閾値は約1%(概ね0.002kg・m)であることから、セット内では、±0.001kg・mの範囲内を好ましい範囲とする。また、「タイミングのとりやすさ」を判別できるかどうかの閾値は約2%(概ね0.02m)であることから、セット内では、±0.01mの範囲内を好ましい範囲とする。
次に、図15を用いて、本実施の形態におけるゴルフクラブ選択用ツールについて説明する。
本実施の形態のゴルフクラブ選択用ツールは、1次モーメント(MCR)と、慣性モーメント(IGE)と、1次モーメント(MCR)に対する慣性モーメント(IGE)の比の値である相当単振り子長(IGE/MCR)とを併記したグラフ部分を備えたものである。
具体的には、たとえば厚紙の表面に、1次モーメント(MCR)と、慣性モーメント(IGE)と、相当単振り子長(IGE/MCR)とを併記した図15に示すグラフを貼り付けあるいは印刷したものや、金属製、プラスチック製、ゴム製等の紙以外の材質からなるベース部材の表面に当該グラフを貼り付けあるいは印刷したものを本実施の形態におけるゴルフクラブ選択用ツールとして採用可能である。
かかるゴルフクラブ選択用ツールを用いることにより、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」に関するアンケート結果に基づいて、1次モーメント、慣性モーメント、相当単振り子長とをともに表したグラフを用いて該当するゴルフクラブセットを選択することができる。それにより、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブセットを容易に選択することができる。
次に、上記のゴルフクラブ選択用ツールを用いたゴルフクラブセットの選択方法の一例について説明する。
ます、アンケートに基づき、基準クラブを用いて、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」を判定する。これにより基準クラブの1次モーメント(MCR)値を判定したこととなる。たとえば5段階評価を行なって、それぞれの判定結果に対し1次モーメント(MCR)値を得る。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
次に、基準クラブを用いてワッグル動作を行ない、「ワッグル重さ」を判定する。これにより基準クラブの慣性モーメント(IGE)値を判定したこととなる。この「ワッグル重さ」についても5段階評価を行ない、それぞれの判定結果に対し慣性モーメント(IGE)値を得る。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
次に、基準クラブを用いてスイングを行ない、「タイミングのとりやすさ」を判定する。これにより基準クラブの相当単振り子長(IGE/MCR)を判定したこととなる。この「タイミングのとりやすさ」についても5段階評価を行ない、それぞれの判定結果に対し相当単振り子長(IGE/MCR)の値を得る。この値に基づいてゴルフクラブ選択用ツールに表されたグラフにおける最適な範囲を選択する。
以上の評価により、最適な質量分布を有するゴルフクラブセットの範囲の絞り込みができ、ゴルファーにとっての官能的な要求を満たすゴルフクラブセットを容易に選択することができる。なお、「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」に関する各判定は、必ずしも上記の順に行なう必要はなく、各判定ステップの順序を入れ替えてもよい。
次に、本実施の形態におけるゴルフクラブセットの設計方法の一例について図26〜図28を用いて説明する。本実施の形態では、ゴルフクラブの各パーツの質量の決定方法について説明する。
図26に、グリップ質量を約50g、シャフトの重心率(シャフト全長に対する、シャフトのグリップエンド側から重心位置までの距離の割合)を46〜50%、クラブのスイングバランス(14インチバランス)をD0近辺とし、ドライバーを45インチ、アイアンセットを慣例の長さにセッティングした時の、「一次モーメント」と「慣性モーメント」の関係における、シャフト質量の傾向を示す。参考までに、グリップ質量を約40gにした時のものも示した。これにより、各セット(ウッドクラブセットとアイアンクラブセットの繋がり)におけるシャフト質量の選択が可能となり、さらに「一次モーメント」と「慣性モーメント」が小さくなるようなクラブセットも、グリップ質量を小さくすればいいことも分かり、クラブの選択の幅も広がる。
一般に、「一次モーメント」と「慣性モーメント」が大きいクラブセットは、ゴルフの技量としては上級者で、力量も高いゴルファーをターゲットに開発しているもので、逆に、「一次モーメント」と「慣性モーメント」が小さいクラブセットは、ゴルフの技量は問わないが、スイングし易いクラブであり力量もそれほど高くないゴルファーをターゲットに開発しているものである。特に、「一次モーメント」と「慣性モーメント」がより小さいクラブセットは、シニアや女性をターゲットに開発しているものである。
次に、「一次モーメント」と「慣性モーメント」の関係の傾きの緩急が何に依存しているのかについて記載する。
図27および表9に示すクラブセットOに対して、セットA,B,Cのアイアンクラブを準備して、試打を実施した。図27および表9に示すように、いずれのセットも、番手が大きくなるほど重めのクラブになっている。セットAはセットOに対して公差範囲内のアイアンセットであり、セットBは番手の大きいクラブ(9番アイアン:9Iやピッチングウェッジ:PW)のみセットOの公差範囲を大きく逸脱したアイアンセット、セットCはセットB以上にセットOの公差範囲を逸脱したセッティング(6番アイアン:6I〜ピッチングウェッジ:PWが全て公差範囲を逸脱している)になっている。
Figure 2004181217
4名のプロゴルファーを含む上級・熟練ゴルファー計13名の、セットA,B,Cの試打の結果、以下のようになった。
セットAの評価:シャフトの質量差を感じず、スイングし易い(13名)。
セットBの評価:違和感がなくスイングし易い(11名)。少なからず、重さの差・違和感を感じる(1名)。大きい番手から小さい番手に変えた時、極端に引っ掛ける(1名)。
セットCの評価:大きい番手は全体に重みを感じ、ゆったりスイングできる(1名)。大きい番手は重く、スイングし難い。大きい番手ほど、簡単にヘッドが返り、引っ掛ける(12名)。
この結果より、「一次モーメント」と「慣性モーメント」の関係を表すグラフでの傾きの緩急について、緩やかな傾き(傾きの絶対値が小さい)ほど、「番手の大きいクラブがクラブの重みでゆったりスイングでき、番手の小さいクラブは軽くスイングし易いクラブセット」であるという特徴を有していることが分かった。また、急な傾き(傾きの絶対値の大きい)ほど、「番手の小さいクラブがクラブの重みでゆったりスイングでき、番手の大きいクラブは軽くスイングし易いクラブセット」であるという特徴を有していることが分かった。
本発明者等は、他の複数のクラブセットも調査した結果および試打の結果より、「全番手、同じようにスイングできるクラブセット」は、「一次モーメント」と「慣性モーメント」の関係を表すグラフでの傾きが、アイアンクラブセットでは−0.75〜−0.40(kgm/kgm)であり、ウッドクラブセットでは−1.00〜−0.65(kgm/kgm)であるという所見を得た。
また、試打の結果より、セット内の隣り合う番手間で、一次モーメント(McR)の公差である±0.004kg・m、および慣性モーメント(IGE)の公差である±0.001kg・mを逸脱するクラブが存在すると、違和感を生じ易いことも分かった。
故に、セット内の番手で、違和感なくクラブの重みでゆったりスイングできるクラブを入れたり、あるいは、軽くスイングし易いクラブを入れたりするクラブセットにする際は、隣り合う番手間を公差内にし、かつ「一次モーメント」と「慣性モーメント」の関係の傾きを徐々に変化させる必要がある。
図28に、セット内の番手の大きいクラブほど、違和感なくクラブの重みでゆったりスイングできるクラブセットの例を「お試しクラブセット2」とし、また、セット内の番手の大きいクラブほど、違和感なく軽くスイングし易いクラブセットの例を「お試しクラブセット3」として表した。
あるゴルファーにとって、より適切で官能的な要求を満たすゴルフクラブセットの設計は、上記の所見と官能的な要求を満たすように各ゴルフクラブの1次モーメント(MCR)値、慣性モーメント(IGE)値、相当単振り子長(IGE/MCR)の値を適切に設定することで行え、その結果「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」、「タイミングのとりやすさ」といったゴルファーにとっての官能値を考慮したゴルフクラブの各パーツ質量の決定を容易に行なえる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明は、ゴルフクラブ選択支援装置、ゴルフクラブ選択用ツール、ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの設計方法に適用される。
本発明の1つの実施の形態における1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 ゴルフクラブにおけるシャフトの曲げ剛性分布例を示す図である。 グリップエンドから135mmの位置を支点にした場合の1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 カーボンシャフトの線密度分布を示す図である。 グリップエンドから200mmの位置を支点にした場合の1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 本発明の他の実施の形態における1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 図6のグラフにおいて「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」のアンケート結果に基づいて絞り込みを行なった後の状態を示す図である。 図6のグラフにおいて「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」および「ワッグル重さ」のアンケート結果に基づいて絞り込みを行なった後の状態を示す図である。 図6のグラフにおいて「グリップしたときの重さ(持ち重さ)」、「ワッグル重さ」および「タイミングのとりやすさ」のアンケート結果に基づいて絞り込みを行なった後の状態を示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態における1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 本発明の実施の形態におけるゴルフクラブの選択方法を示す図である。 本発明の実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置を用いたゴルフクラブの選択方法の一例を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態におけるゴルフクラブの選択方法を示す図である。 本発明の他の実施の形態における1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフ(チャート)である。 本発明の他の実施の形態におけるゴルフクラブ選択支援装置の初期画面の一例を示す図である。 図16に示すグラフにアイアンクラブセットのデータを表示した状態を示す図である。 図17に示すグラフに公差範囲とともに該公差範囲内に属するウッドクラブを表示した状態を示す図である。 図18に示すグラフにおいて、選択クラブと、該選択クラブとアイアンクラブセットとを結ぶラインとを表示した状態を示す図である。 図19に示すグラフにおいて適切クラブセットを表示した状態を示す図である。 お試しクラブの提案例を示す図である。 お試しクラブセットの提案例を示す図である。 支点位置をグリップエンドから170mmとした場合の図22に対応するデータを示す図である。 縦軸に相当単振り子長、横軸に一次モーメントをとった場合に、図22に示す「適切クラブセット」がどのように表示されるかを示す図である。 縦軸に相当単振り子長、横軸に慣性モーメントをとった場合に、図22に示す「適切クラブセット」がどのように表示されるかを示す図である。 グリップ質量を約50g、シャフトの重心率を46〜50%、クラブのスイングバランス(14インチバランス)をD0近辺とし、ドライバーを45インチ、アイアンセットを慣例の長さにセッティングした時の、一次モーメントと慣性モーメントの関係におけるシャフト質量の傾向を示す図である。 各種のゴルフクラブセットにおけるゴルフクラブの1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフである。 適切クラブセットとお試しクラブセットにおけるゴルフクラブの1次モーメント(MR)、慣性モーメント(IGE)および相当単振り子長(IGE/MR)の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ゴルフクラブ選択支援装置、2 中央処理装置(CPU)、3 入力装置、4 記憶装置、5 表示装置。

Claims (5)

  1. ゴルフクラブを選択する際に用いられる装置であって、
    前記ゴルフクラブの1次モーメントと、前記ゴルフクラブの慣性モーメントと、前記1次モーメントに対する前記慣性モーメントの比の値である相当単振り子長とに関する基本データを格納する記憶装置と、
    前記1次モーメント、前記慣性モーメントおよび前記相当単振り子長に関するデータを入力する入力装置と、
    前記入力装置によって入力されたデータと、前記記憶装置に格納された基本データとの比較結果を出力する中央処理装置と、
    前記中央処理装置の出力情報を表示する表示装置と、
    を備えたゴルフクラブ選択支援装置。
  2. 前記記憶装置に格納する基本データは、X軸に前記1次モーメントをとり、Y軸に前記慣性モーメントをとり、前記相当単振り子長を表す直線を記載したグラフを含む、請求項1に記載のゴルフクラブ選択支援装置。
  3. ゴルフクラブを選択するために用いられるツールであって、
    前記ゴルフクラブの1次モーメントと、前記ゴルフクラブの慣性モーメントと、前記1次モーメントに対する前記慣性モーメントの比の値である相当単振り子長とを併記したグラフ部分を備えたことを特徴とする、ゴルフクラブ選択用ツール。
  4. 基準となるゴルフクラブの1次モーメント値を判定するステップと、
    前記基準となるゴルフクラブの慣性モーメント値を判定するステップと、
    前記基準となるゴルフクラブの前記1次モーメント値に対する前記慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を判定するステップと、
    を備えたゴルフクラブの選択方法。
  5. ゴルフクラブにおけるヘッド、シャフトおよびグリップの質量設定を、前記ゴルフクラブの1次モーメント値、前記ゴルフクラブの慣性モーメント値、前記1次モーメント値に対する前記慣性モーメント値の比の値である相当単振り子長の値を用いて決定することを特徴とする、ゴルフクラブの設計方法。
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