JP2001246023A - ゴルフクラブの評価方法およびゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブの評価方法およびゴルフクラブ

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JP2001246023A
JP2001246023A JP2000062132A JP2000062132A JP2001246023A JP 2001246023 A JP2001246023 A JP 2001246023A JP 2000062132 A JP2000062132 A JP 2000062132A JP 2000062132 A JP2000062132 A JP 2000062132A JP 2001246023 A JP2001246023 A JP 2001246023A
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Takayuki Shiraishi
享之 白石
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴルフクラブの安定感や操作性に影響を与える
ゴルフクラブのスイートエリアの大きさを正確に数値化
することを可能にしたゴルフクラブの評価方法及びその
評価方法により評価を与えたゴルフクラブの提供を課題
とする。 【解決手段】ゴルフクラブヘッドの重心を通りフェース
面に垂直な軸回りの慣性モーメントを測定することによ
って、前記ゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブを
評価することによって前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブの評
価方法及びその評価方法により評価を与えたゴルフクラ
ブに関し、更に詳しくは、ゴルフクラブのスイートエリ
アの大きさをより正確に表すことを可能にしたゴルフク
ラブの評価方法及びゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルファーは、より良いゴルフプレイを
するために技術を向上させようとする一方、より良いス
コアを得るために、使用するゴルフクラブに依存する場
合も多い。そのため、ゴルフクラブには常により良い性
能が求められている。より良い性能とは例えば飛距離が
出るということや打ちやすいということである。特に打
ちやすさについては官能的な面と共に、ゴルフクラブの
芯で打球した場合と芯を外して打球した場合のばらつき
が小さいというような、機能的な面より評価される。こ
のことは一般的にスイートエリアの大小ということで論
じられる。つまり、スイートエリアが大きいゴルフクラ
ブほどゴルフクラブの芯で打った場合と芯を外して打っ
た場合のばらつき(飛距離の低下、打球の曲がり)が小
さいと評価されている。
【0003】ところで、ゴルフクラブのスイートエリア
の大きさは、ゴルフクラブヘッドに依存するものであ
り、主にゴルフクラブヘッド単体の慣性モーメントの数
値によって評価されている。つまり、慣性モーメントの
数値により、ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを外
して打球した際のゴルフクラブヘッドのぶれにくさがわ
かり、慣性モーメントの数値が大きいほどゴルフクラブ
ヘッドがぶれにくく、スイートエリアで打球した結果に
近くなる。つまり、ゴルフクラブの芯で打った場合と芯
を外して打った場合のばらつきが小さい時は、スイート
エリアが大きいと評価されている。
【0004】特許第2851542号公報には、ゴルフ
クラブヘッドの肉厚、体積を特定の値に設定することに
より、ソールを水平面に置いた状態のゴルフクラブヘッ
ドに対して、重心を通り打球面に平行で、かつ水平方向
の軸まわりの慣性モーメント(上記公報中X軸まわりの
慣性モーメント)、重心を通り鉛直方向の軸まわりの慣
性モーメント(上記公報中Y軸まわりの慣性モーメン
ト)を大きくし、スイートエリアを拡大する技術が開示
されている。また、上記公報以外にも、一般的にスイー
トエリアの大きさを示す指標として慣性モーメントの数
値は広く利用されていた。特に当業者の間で最も一般に
用いられているのは、上記した特許第2851542号
公報にも示されているゴルフクラブヘッドの重心を通り
鉛直方向に平行な軸まわりの慣性モーメントの数値であ
る。一般的にスイートエリアの大きさを評価するのは、
この軸回りにより測定された慣性モーメントの数値であ
った。
【0005】上記慣性モーメントの測定軸は、ゴルフク
ラブヘッドのスイートエリアを外して打球した際にゴル
フクラブヘッドが回転する方向を想定して軸を設定され
ているものである。例えば特許第2851542号公報
に示されているゴルフクラブヘッドの重心を通り打球面
に平行で、かつ水平方向の軸(上記公報図1に示される
X軸)は、ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを上下
方向に外して打球した際のゴルフクラブヘッドの回転軸
であり、ゴルフクラブヘッドの重心を通り鉛直方向の軸
(上記公報図1に示されるY軸)は、ゴルフクラブヘッ
ドのスイートエリアをトウヒール(左右)方向に外して
打球した際のゴルフクラブヘッドの回転軸である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般のゴル
ファーが打球する際にスイートエリアを外す形態は、ト
ウヒール方向又は上下方向と一定して決まっているわけ
ではなく、一般的には、スイートエリアの周辺に、一様
にばらついている。しかし、上記特許第2851542
号公報のようなゴルフクラブヘッドの重心を通り打球面
に平行で、かつ水平方向の軸まわりの慣性モーメント
は、スイートエリアを上下方向に外して打球した際のゴ
ルフクラブヘッドのぶれにくさ、すなわち上下方向のス
イートエリアの大きさのみしか判断できない。また、重
心を通り鉛直方向の軸まわりの慣性モーメントでは、ス
イートエリアをトウヒール方向に外して打球した際のゴ
ルフクラブヘッドのぶれにくさ、すなわちトウヒール方
向のスイートエリアの大きさのみしか判断できない。従
って、上記特許第2851542号公報の慣性モーメン
トでは、一般のゴルファーがスイートエリアの周辺に一
様にばらつき打球する形態に基づいて、スイートエリア
の大きさを示す指標とすることはできない。
【0007】つまり、上記特許第2851542号公報
の示すように、トウヒール方向の軸回りの慣性モーメン
トおよび上下方向の軸回りの慣性モーメントを一様に大
きくすることによって、一般のゴルファーがスイートエ
リアを外して打球した場合でも、比較的ゴルフクラブヘ
ッドがぶれにくく、スイートエリアで打球した結果に比
較的近く安定したゴルフボールの飛行を実現することが
できるが、これらの慣性モーメントを大きくすることに
よってスイートエリアを正確に大きくすることや、これ
らの慣性モーメントによってスイートエリアの大きさを
正確に表すことは困難であった。しかし、ゴルファー
は、初級者や中級者、さらには上級者等のように技術レ
ベルに違いがあり、例えば、スイートエリアを外して打
球し易い初級者では、スイートエリアを外してもスイー
トエリアで打球した結果に近い安定感のよいゴルフクラ
ブを求める一方、上級者は、ボールの打撃方向を微妙に
変えたりボールに回転をかけてゴルフボールの飛行をコ
ントロールするために、意図的にスイートエリアを外し
て打球する場合も多く、上級者は、スイートエリアを外
した度合いによってボールの飛行をコントロールできる
操作性のよいゴルフクラブを求める。
【0008】このような技術レベルに応じてゴルフクラ
ブは上級者向き、中級者向きや初級者向きといった区分
けがされているものの、ゴルファーが自分に適したスイ
ートエリアを持つゴルフクラブを選択するには多数試打
して官能的に評価しなければならない。しかし、その際
の評価は、ゴルフクラブのスイートエリアの大小のみか
ら得られるのではなく、ゴルフクラブシャフトの軸回り
の慣性モーメントやゴルフクラブヘッドのライ角度の設
定値等を含めた総合性能として得られるものである。そ
のため、スイートエリアを外してもスイートエリアで打
球した結果に近い安定感のよいゴルフクラブであるか、
スイートエリアを外した度合いによってボールの飛行を
コントロールできる操作性のよいゴルフクラブである
か、またこれらの性能が中間に位置するゴルフクラブで
あるかといったゴルフクラブの安定感や操作性を適切に
識別し、自分に適したゴルフクラブを選択することはゴ
ルファーにとって困難である。
【0009】そこで、本発明の目的は、ゴルフクラブの
安定感や操作性に影響を与えるゴルフクラブのスイート
エリアの大きさを正確に表すことを可能にしたゴルフク
ラブの評価方法及びその評価方法により評価を与えたゴ
ルフクラブを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、鋭意検討の結果、ゴルフクラブヘッド
の重心を通りフェース面に垂直な軸まわりの慣性モーメ
ントの数値と、実際にゴルファーが打球することによっ
て感じるスイートエリアの大きさとの間に相関関係があ
ることを見い出し、本発明に至ったのである。すなわ
ち、本発明は、ゴルフクラブヘッドの重心を通りフェー
ス面に垂直な軸回りの慣性モーメントを測定することに
よって、前記ゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブ
を評価することを特徴とするゴルフクラブの評価方法を
提供するものである。上記慣性モーメントに基づいて、
実際にゴルファーが打球することによって感じるスイー
トエリアの大きさを従来以上に正確に示すことができ
る。
【0011】ここで、上記ゴルフクラブの評価方法は、
前記慣性モーメントを前記ゴルフクラブヘッドの質量で
除することによって、前記ゴルフクラブヘッドを備えた
ゴルフクラブを評価するものであってもよい。
【0012】また、本発明は、ゴルフクラブシャフトの
一端にゴルフクラブヘッドを備え、他端にグリップまた
はグリップ部を備えたゴルフクラブであって、前記ゴル
フクラブヘッドの重心を通りフェース面に垂直な軸回り
の慣性モーメントに基づいてゴルフクラブの評価が与え
られたことを特徴とするゴルフクラブを提供するもので
ある。
【0013】ここで、ゴルフクラブの評価は、以下の手
段によって行われるのが好ましい。すなわち、前記慣性
モーメントの値あるいはこの慣性モーメントを前記ゴル
フクラブヘッドの質量で除して得られる値に関する慣性
モーメント情報がゴルフクラブの一部に表示されたゴル
フクラブであることが好ましく、その際、前記慣性モー
メント情報は、ゴルフクラブの評価情報を得るための参
照情報を参照するために用いられるのが好ましい。ここ
で、前記慣性モーメント情報に基づいてゴルフクラブの
評価情報を得るための参照情報が、前記慣性モーメント
情報とともにゴルフクラブの一部に表示されてもよい。
また、ゴルフクラブの型式が、前記慣性モーメントの値
あるいは前記慣性モーメントを前記ゴルフクラブヘッド
の質量を除して得られる値に応じて定められているゴル
フクラブであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のゴルフクラブの評価方法
は、ゴルフクラブヘッドの重心を通りフェース面に垂直
な軸回りの慣性モーメントを測定することによって、ゴ
ルフクラブを評価する方法であり、このゴルフクラブの
慣性モーメントを測定する図1に示される慣性モーメン
ト測定器11に基づいて、本発明のゴルフクラブの評価
方法を説明する。
【0015】図1は、慣性モーメント測定器11の斜視
図である。慣性モーメント測定器11は、測定部12、
演算部14、スタートレバー15、表示部16、操作ボ
タン17を備え、測定部12の上に慣性モーメントの測
定対象物が載置され、スタートレバー15を手で摘んで
変位させた後、手を放して捩れ振動させ、この時の捩れ
振動の周期を測ることによって演算部14を通して慣性
モーメントを測定し、表示部16に慣性モーメントの数
値を表示する装置である。なお、慣性モーメント測定器
11として、Inertia Dynamics社製、
慣性モーメント測定器 Model MOI−005−
014が例示される。このような慣性モーメント測定器
は公知のものであればよく、本発明において、特に制限
されない。
【0016】本発明に係るゴルフクラブの評価方法を説
明する。本発明のゴルフクラブの評価方法における慣性
モーメントの測定方法は、ゴルフクラブがアイアンの場
合を例にして説明すると、図2(a)に示すように、慣
性モーメント測定器11に治具21を固定して慣性モー
メントIaを測定し、次いで図2(b)に示すように、
治具21の上面部22にアイアンのゴルフクラブヘッド
1のフェース面31を固定して慣性モーメントIbを測
定し、(Ib−Ia)よりゴルフクラブヘッドの慣性モ
ーメントを得る。通常の慣性モーメント測定器では、上
記Iaの数値は、操作ボタン17を駆使し一連の手順に
よって自動的に風袋引きをされ、(Ib−Ia)の数値
が表示されるものである。
【0017】ゴルフクラブヘッド1は、図3(a)に示
すゴルフクラブヘッド1の重心Gを通るフェース面31
の法線Nと、図3(b)に示す慣性モーメント測定器1
1の捩れ振動の回転軸Rとが、図3(c)に示すように
一致もしくは概ね一致するように慣性モーメント測定器
11に固定されることが好ましい。概ね一致とは、図4
に示すように法線Nがフェース面31を通る点を点g、
回転軸Rがフェース面31を通る点を点rとすると、点
gと点rとのなす距離dが3mm以内、好ましくは2m
m以内、より好ましくは1mm以内とすることである。
この範囲内にゴルフクラブヘッド1のフェース面31を
固定することによって、より正確に本発明の慣性モーメ
ントを測定することが可能になる。アイアンのゴルフク
ラブヘッド1のフェース面31は平面であり、治具21
の上面部22とぴったりと接触するので、点gと点rを
一致もしくは概ね一致させることで、ゴルフクラブヘッ
ドの重心Gを通るフェース面31に垂直な方向の慣性モ
ーメントを得ることができる。
【0018】また、上記点gと点rとの距離dを上記範
囲内とする必要は必ずしもなく、点gと点rとの距離d
を知り、自動的に風袋引きをして得られた(Ib−I
a)の数値からゴルフクラブヘッド1の質量に距離dの
自乗を掛けた積を減算することによって補正することが
できる。この補正方法によってゴルフクラブヘッドの重
心Gを通るフェース面31に垂直な方向の慣性モーメン
トを得てもよい。このように、ゴルフクラブヘッドの重
心Gを通るフェース面31に垂直な方向の慣性モーメン
トの測定方法については、特に限定されない。
【0019】ゴルフクラブ1のフェース面31上の点g
は、図5に示すような重心測定器41によって求められ
る。重心測定器41は、上部に重心測定対象物を支持す
る支持部42を備え、この支持部42が測定対象物を平
衡に支持する測定対象物の位置を知ることができるもの
である。すなわち、重心の測定方法は、図6に示すよう
にゴルフクラブヘッド1を、支持部42に載せ、手を放
しても落ちない平衡な位置を探しだす。つまり、図7
(a)に示すように、フェース面31と支持部42の接
触部に点gを含んでいれば、ゴルフクラブヘッド1を支
持部42に載せて手を放しても落ちないが、図7(b)
に示すように、フェース面31と支持部42の接触部に
点gを含んでいなければ、ゴルフクラブヘッド1は、支
持部42に載せて手を放すと落ちる。このことを利用し
て点gを求めるものである。支持部42は平面または3
点以上で支持する形態であることが好ましい。また、支
持部42の面積は、15mm2 以下であることが好まし
い。また、下限はゴルフクラブヘッドが支えられる限り
特に限定されない。支持部42の面積は、平面であれば
平面部分の面積、3点以上で支持する形態であれば各点
を結んだ図形の面積によって示される。支持部の面積を
上記の範囲に設定することによって、より正確に点gを
求めることができる。
【0020】支持部42によって支持された平面は水平
または概ね水平になることが好ましい。ここで、概ね水
平とは、水平面に対する傾きが2度以内、好ましくは1
度以内のことである。水平または概ね水平になっている
か否かは、例えば図8に示すように、支持部42に平面
板51を載せて支持させ、平面板51の上に水準器52
を置き、確認し、調整することができる。上記範囲内に
設定することによって、より正確に点gを求めることが
可能になる。慣性モーメント測定器11の回転軸R及び
点rは、慣性モーメント測定器11により定められるも
のである。回転軸Rは鉛直または概ね鉛直になることが
好ましい。ここで、概ね鉛直とは、鉛直方向に対する傾
きが2度以内、好ましくは1度以内のことである。回転
軸Rを鉛直または概ね鉛直に設定するためには、慣性モ
ーメント測定器11に設けられた水準器部分を目安に測
定器の水平を調整すること、又は測定器を水平に調整さ
れた平面板上に設置すること等が考えられる。上記範囲
内に設定することによって、ゴルフクラブヘッド1の重
心Gを通りフェース面31に垂直な軸回りの慣性モーメ
ントをより正確に測定することができる。
【0021】治具21の上面部22によって支持された
平面は水平または概ね水平になることが好ましい。本発
明における概ね水平とは、水平面に対する傾きが2度以
内、好ましくは1度以内のことである。水平または概ね
水平になっているか否かは、上記した図8に示す支持部
42の例と同様な方法で確認し、調整することができ
る。上記範囲内に設定することによって、ゴルフクラブ
ヘッド1の重心Gを通りフェース面31に垂直な軸回り
の慣性モーメントをより正確に測定することができる。
【0022】また、治具21は、治具自体の重心位置が
回転軸Rに一致もしくは概ね一致するように慣性モーメ
ント測定器11に装着されることが好ましい。概ね一致
とは、図9に示すように治具21の重心位置をG' とす
ると、G' と回転軸Rとのなす距離d' を2mm以内、
好ましくは1mm以内とすることである。治具21の重
心位置をG' を上記範囲内に設定することによって、ゴ
ルフクラブヘッド1の重心Gを通りフェース面31に垂
直な軸回りの慣性モーメントをより正確に測定すること
ができる。
【0023】ゴルフクラブヘッド1と治具21とを固定
するためには、両面テープ、粘土等の粘着体による固
定、接着剤による固定、磁力を用いた固定等が考えられ
る。固定は、ゴルフクラブヘッド1のフェース面31
と、治具21の上面部22によって固定されるが、フェ
ース面31が平面であれば、上面部22は平面であるこ
とが好ましく、例えばウッドゴルフクラブのようにフェ
ース面が凸の曲面であれば、上面部22は凸の曲面に合
致するような凹の曲面であることが好ましい。つまり、
固定する両面が合致することが好ましい。また、例とし
てフェース面31’が凸の曲面に対し上面部22が平面
であるような固定する両面が十分に合致しない場合は、
図10に示すように粘着体101をフェース面31’及
び上面部22に合致するように形成し、固定することが
考えられる。言うまでもなく粘着体101のように、接
着剤等固定手段の内質量を有するものは、治具の一部に
含まれ、風袋引きにおいては治具と同様に風袋として引
かれる。
【0024】このように、ゴルフクラブヘッド1の重心
Gを通りフェース面31に垂直な軸回りの慣性モーメン
トを測定することによって、ゴルフクラブヘッドの重心
の周りにどれだけ質量が配分されているかが分かり、ゴ
ルフクラブヘッドのスイートエリアの大きさが分かる。
従来の慣性モーメントの測定は、スイートエリアを外し
た打球時におけるゴルフクラブヘッドのぶれる方向、更
に言えばゴルフクラブヘッドの回転する方向を想定し、
その回転軸まわりの慣性モーメントを測定することで、
スイートスポットの大きさの評価の代用としていた。し
かしながら、上記のような前提条件に基づき測定される
慣性モーメントによるスイートエリアの大きさの評価
が、1つの回転軸に対して1平面上、フェース面上にお
いては1線上にしか及ばない。
【0025】例として、分かりやすく説明すると、図1
1に示すように、ゴルフクラブヘッド1の重心Gを通
り、鉛直方向の軸Vまわりの慣性モーメントの示す意味
は、軸Vを法線とし、重心Gを含む平面P上に力を作用
させた場合のぶれにくさのみを正確に示す。これをフェ
ース面上の打球位置で表すと、平面Pとフェース面31
との交わる線p上、つまり、重心Gに対して完全に左右
方向に外して打球した場合のみに対するゴルフクラブヘ
ッドのぶれにくさになる。つまり、線p上以外の打点位
置で打球すると、ゴルフクラブヘッドが軸Vまわり以外
の方向にぶれることより、鉛直方向の軸Vまわりの慣性
モーメントは、線p上の左右方向のみのスイートエリア
の大きさを表す指標にしかならない。ここで、平面Pと
ゴルフクラブヘッド1の交わる線pが、図11に示され
るように、湾曲しているのは、フェース面31を外れ、
ホーゼル部にかかっているためである。実質のフェース
面31は、線pが直線の部分にあたる。
【0026】一方、本実施例で測定される、ゴルフクラ
ブヘッド1の重心Gを通りフェース面31に垂直な軸ま
わりの慣性モーメントは、ゴルフクラブヘッド1のスイ
ートエリアの大きさを正確に数値化することができる。
従来より、ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを大き
くするための基本的手段として周辺配分の手法が知られ
ているが、この周辺配分とは、ゴルフクラブヘッドの重
心位置からより離れた位置に質量を配分することであ
る。周辺配分化することにより、同じ質量のゴルフクラ
ブヘッドのスイートエリアをより大きくすることが可能
である。この技術としては、ウッドゴルフクラブにおい
てはゴルフクラブヘッドの中空化、アイアンゴルフクラ
ブにおいてはゴルフクラブヘッドのキャビティーバック
化が代表的な技術である。そして、本発明者は、この周
辺配分の技術の中でも、特にフェース面方向に関してゴ
ルフクラブヘッドの重心位置からより離れた位置に質量
を配分する、いわゆるフェース面方向の周辺配分が、ゴ
ルフボールを打撃するフェース面のスイートエリアを大
きくすることに繋がることを見出し、鋭意検討の結果、
ゴルフクラブヘッドの重心を通りフェース面に垂直な軸
まわりの慣性モーメントが、フェース面方向の周辺配分
の度合いを正確に表す、言いかえれば、ゴルフボールの
打撃面であるフェース面のスイートエリアの大きさを正
確に表していることを見出したのである。この点につい
ては、後述の「実施例」で詳述する。
【0027】このようなゴルフクラブ1の重心Gを通る
フェース面31に垂直な軸回りの慣性モーメントは、ゴ
ルフクラブのスイートエリアの大きさを正確に評価する
ものであるが、この慣性モーメントは一概に大きい方が
好ましいとは言えないことは上述した通りである。すな
わち、スイートエリアが大きいゴルフクラブであれば打
球位置がばらついても打球が曲がったり、飛距離が減少
したりしにくくなり、一般のゴルファー、例えば初級者
や中級者にとって確かに好適であるかもしれないが、主
に上級者の中には、スイートエリアの周辺で打球する等
して意図的に飛距離を落としたり、打球を曲げてコント
ロールするような技術を好み、ゴルフコースを攻略する
際にもその技術を用いるゴルファーが存在し、そのよう
なゴルファーにとっては、むしろスイートエリアが小さ
いゴルフクラブが好適な傾向がある。スイートエリアが
大きいと、スイートエリアの周辺で打球しても飛距離が
落ちにくく、また打球が曲がりにくく、従ってコントロ
ールしにくく、かえって使いにくい面がある。
【0028】以上の点から、本発明において測定される
慣性モーメントの大小は、ゴルフクラブの良し悪しの評
価に結びつくものでなく、主に、特定のゴルフクラブが
どのような種類のゴルファーに好適であるかの評価に好
適な指標となるものである。具体的には、本発明におけ
る慣性モーメントの大きいゴルフクラブは、安定感を求
めるゴルファー、ストレートな球筋を求めるゴルファ
ー、又、打球の感触で言えば、イージーな(スイートエ
リアを外しても手が痺れたりしにくい)感触を求めるゴ
ルファー等に好適である。又、本発明の慣性モーメント
の小さいゴルフクラブは、操作性を求めるゴルファー、
インテンショナルな(意図して曲げるような)球筋を求
めるゴルファー、又、打球の感触で言えばシャープな
(スイートエリアで打球するとより鋭い手応えの)感触
を求めるゴルファー等に好適である。
【0029】以上列挙したゴルフクラブのタイプの分類
は、決して2つのタイプに明確に分類されるわけではな
く、各ゴルファーがどちらのタイプに寄与しているかに
よって本発明における慣性モーメントの大小を目安とし
て選択し、もしくは何段階かに分類されて用意されてい
るゴルフクラブより最もふさわしいものを選択すること
等が可能である。もちろんどちらのタイプでもなく中庸
的と感じるゴルファーは、本発明における慣性モーメン
トが大きくもなく小さくもない中間(普通)のゴルフク
ラブを選択することもできる。
【0030】本発明における慣性モーメントの大きさに
よってスイートエリアの大きさを比較する場合は、同じ
質量又は概ね同じ質量のゴルフクラブヘッド同士もしく
はゴルフクラブヘッド群であることが好ましい。慣性モ
ーメントの値は質量に依存するためである。上記概ね同
じ質量とは、ゴルフクラブヘッド同士もしくはゴルフク
ラブヘッド群の全ての質量が、最も質量の大きいゴルフ
クラブヘッドの質量の3%以内の範囲内、好ましくは2
%以内の範囲内、より好ましくは1%以内の範囲内に存
在する質量を意味する。しかしながら、このことはあく
までも純粋に本発明における慣性モーメントの大きさを
比較する場合のことを示しているものであって、本発明
の評価方法が上記同じ質量又は概ね同じ質量の範囲内に
おいての比較に用いられることに限定されるものではな
い。例えばA、B、Cの3種類のゴルフクラブヘッドが
あって、本発明における慣性モーメントがIA >IB
C 、質量がMA <MB <MC であれば、スイートエリ
アの大きさはA>B>Cとなること、又、本発明におけ
る慣性モーメントがIA =IB =IC 、質量がMA>M
B >MC であれば、スイートエリアの大きさはA<B<
Cとなることは明白であり、この場合、A、B、Cの質
量が上記範囲内であるかどうかは問わない。つまり、上
記範囲内以外であっても本発明における慣性モーメント
及び質量を適宜設定すると、あるいは、本発明における
慣性モーメントをゴルフクラブヘッドの質量で除して得
られた値を用いることで、本発明の評価方法によりスイ
ートエリアの大きさを比較することができる。
【0031】すなわち、本発明においては、ゴルフクラ
ブヘッドの重心を通りフェース面に垂直な軸回りの慣性
モーメントを測定することによって、ゴルフクラブを評
価するものであれば、測定された慣性モーメントの値で
評価するものであっても、慣性モーメントをゴルフクラ
ブヘッドの質量で除した値で評価するものであってもよ
い。
【0032】本発明のゴルフクラブの評価方法によれ
ば、ゴルフクラブのスイートエリアの大きさが評価でき
るが、本発明における慣性モーメントの測定はゴルフク
ラブヘッド単体で行われる。本発明における慣性モーメ
ントは、ゴルフクラブヘッド単体にて評価可能である
が、スイートエリアの大きさはゴルフクラブとして構成
しなくては評価できず、打球して初めて評価できるもの
である。また、ゴルフクラブのスイートエリアの大小
は、ゴルフクラブヘッド単体で測定される本発明におけ
る慣性モーメントによるもので、原則としてゴルフクラ
ブシャフト、又はグリップの違いによって変化すること
はない。以上より、本発明における慣性モーメントと
は、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントを指し、スイ
ートエリアとは、ゴルフクラブのスイートエリアを指
す。
【0033】以上のように、ゴルフクラブヘッドの慣性
モーメントによって評価されたゴルフクラブのタイプの
分類を手がかりにすれば、ゴルファーがゴルフクラブを
選択する際の好適な目安になる。そこで、本発明は、ゴ
ルフクラブの評価が本発明における慣性モーメントに基
づいて行われ、すなわち、本発明における慣性モーメン
トそのものの値や慣性モーメントをゴルフクラブヘッド
の質量で除して得られた値によってゴルフクラブの評価
が与えられられたゴルフクラブをゴルファーに提供す
る。このような本発明に係るゴルフクラブについて以下
説明する。
【0034】本発明のゴルフクラブは、本発明のゴルフ
クラブの評価方法によって、上述したようなゴルフクラ
ブの各タイプに分類されて評価が与えられるゴルフクラ
ブであって、種々の態様が挙げられる。まず、本発明の
ゴルフクラブの第1の実施形態を図面を用いて説明す
る。図12は、本発明に係るゴルフクラブの正面図であ
る。これらゴルフクラブ2は、ゴルフクラブシャフト3
の先端部にゴルフクラブヘッド1を装着し、後端部にグ
リップ4を備える。この後端部にはゴルフクラブシャフ
ト3の一部であるグリップ部を設けても良い。図12は
右打ち用のゴルフクラブの図であるが、本発明における
ゴルフクラブとは右打ち用だけではなく左打ち用も包含
される。
【0035】図13(a)、(b)は、図12のゴルフ
クラブのクラブヘッド部分を拡大したゴルフクラブの背
面図である。図13(a)のゴルフクラブには、クラブ
ヘッド1のバックフェース部32に「2D−MOI 2
500」と表示されている。「2D−MOI 250
0」とは、本発明に係るゴルフクラブの評価方法で得ら
れた慣性モーメントの数値(g・cm2 )を示す値であ
る。なお、2D−MOIとは2−DIMENSION
MOMENT OF INERTIA(フェース面2次
元方向の慣性モーメント、つまり本発明における慣性モ
ーメント)の略称である。ゴルファーは、「2500」
の値2500より、2D−MOI 2500と表示され
ているゴルフクラブは鋭い感触を呈するもの、つまりス
イートエリアが小さいタイプのゴルフクラブであること
を認識する。
【0036】図13(b)のゴルフクラブには、ゴルフ
クラブヘッド1のバックフェース部32に「2D−MO
I 3500」と表示されている。「2D−MOI 3
500」とは、本発明に係るゴルフクラブの評価方法で
得られた慣性モーメントの数値(g・cm2 )を示す値
である。ゴルファーは、「3500」の値3500よ
り、2D−MOI 3500と表示されているゴルフク
ラブはゴルフクラブヘッドが簡単に打てるもの、つまり
スイートエリアが大きいゴルフクラブであることを認識
する。このように、「2D−MOI 2500」や「2
D−MOI 3500」のような慣性モーメントの値に
関する慣性モーメント情報を目安にゴルファーはゴルフ
クラブを選択することが可能になる。勿論、慣性モーメ
ントの値の替わりに、慣性モーメントをゴルフクラブヘ
ッド1の質量で除して得られる値に関する情報をゴルフ
クラブの一部に表示するものであってもよい。なお、以
降で説明する種々の実施形態においても、本発明におけ
る慣性モーメントをゴルフクラブヘッドの質量で除して
得られる値に関する情報を、慣性モーメントの値に関す
る情報の替わりに用いてもよい。
【0037】本発明におけるゴルフクラブの一部とは、
ゴルフクラブシャフト、ゴルフクラブヘッド、グリッ
プ、ソケット(フェルール)、グリップの端部の栓、ゴ
ルフクラブシャフトに貼られたシール、ゴルフクラブヘ
ッドに貼られたシール等、主に視覚にて認識可能な一部
分を指す。
【0038】本発明のゴルフクラブにおける慣性モーメ
ントとは、本発明のゴルフクラブの評価方法で得られた
数値である。この慣性モーメントの値に関する慣性モー
メント情報とは、本発明における慣性モーメントに関す
る情報を指し、実際に測定された慣性モーメントの実数
をそのまま表示する他に、慣性モーメントを示す値とし
て、実数を一定の数値にて乗した数値、除した数値にて
表示するものも含まれる。慣性モーメントは、絶対的な
数値のみに意義があるわけではないからである。ゴルフ
クラブのスイートエリアの大きさを比較することに関し
ては、ゴルフクラブのスイートエリアの大きさと慣性モ
ーメントの値との相関関係が保たれていれば本発明の目
的を達成することが可能であり、実数を一定の数値にて
乗した数値、除した数値も有用である。また、上記「2
D−MOI 2500」や「2D−MOI 3500」
のように、慣性モーメントの実数あるいはこの実数を一
定の数値にて乗した数値や除した数値と、その数値が本
発明における慣性モーメントを示していることを表す文
字との組み合わせでもよい。
【0039】また、本発明における慣性モーメント情報
には、表1の「1」、「2」、「3」等のように本発明
における慣性モーメントを段階的に表示する値、表2の
「Type A」や「Type B」等のように本発明
における慣性モーメントを段階的に表示する文字、表3
の「★」や「★★」等のように本発明における慣性モー
メントを段階的に表示する記号等が含まれる。段階数は
2段階以上、好ましくは3段階以上、より好ましくは4
段階以上あればよい。
【表1】
【表2】
【表3】
【0040】ここで、段階的な表示とは、表1に示すよ
うに、本発明におけるゴルフクラブの一部に表示された
慣性モーメントをゴルフクラブのタイプに対応付けるた
めに、事前に慣性モーメントの範囲によって段階的に区
分けされた表示のことである。この場合、段階的な表示
は、各段階を通じて同じ範囲の大きさでなくてもよい。
表1に示すように、「1」の場合は2000g・cm2
以上2300g・cm 2 未満と約300g・cm2 の範
囲、「2」の場合は2300g・cm2 以上2600g
・cm2 未満と約300g・cm2 の範囲、「3」の場
合は2600g・cm2 以上3000g・cm2 未満と
約400g・cm2 の範囲、「4」の場合は3000g
・cm2 以上3300g・cm2 未満と約300g・c
2 の範囲、「5」の場合は3300g・cm2 以上3
600g・cm2 以下と300g・cm2 の範囲と、各
段階における範囲の大きさは同じ範囲ではない。この各
段階における慣性モーメントの範囲に関しては、ゴルフ
クラブメーカー等が適宜設定することが可能である。ま
た、変形例として「1」の場合は2300g・cm 2
満、「5」の場合は3300g・cm2 以上というよう
に、設定される段階において最も小さいもしくは最も大
きい段階を示す両端の数字、文字、記号等に関する範囲
は片側のみの範囲の限定でもよい。
【0041】また、段階的な表示において慣性モーメン
トのカバーする範囲は、表2に示すように、各段階間で
不連続な設定であってもよい。ゴルフクラブメーカー等
は、本発明における慣性モーメントについて、実際に使
用しない範囲については範囲から除外して、全体として
不連続な範囲に適宜、設定することが可能である。ま
た、本発明における慣性モーメントは、表3に示すよう
に、範囲をもたない特定の固有の数値で代表してもよ
い。実際の製品としては通常許容差を含むもので、特定
される固有の数値では不足していると思われるかもしれ
ないが、許容差とはそもそも製品の品質に影響のない程
度の範囲内において設定されているものであるため、製
品の段階においては、特に許容差を考慮して表示する必
要はない。ゴルフクラブメーカー等は、本発明における
慣性モーメントについて、製品の目標値もしくは中央値
等を固有の数値として適宜設定することが可能である。
【0042】また、本発明における慣性モーメントの値
を示す数字や符号等を用いた慣性モーメント情報と、こ
の慣性モーメント情報に基づく評価情報を得るための参
照情報をゴルフクラブの一部に一体的に表示するもので
あってもよい。本発明における参照情報とは、本発明に
おける慣性モーメント情報により評価されている情報を
認識するために参考となる情報を指す。例えば図14
(a)〜(c)に示すように、ゴルフクラブのスイート
エリアを外しても手が痺れたりしにくいイージーな感触
や、ゴルフクラブのスイートエリアで打球すると鋭い手
応えが得られるシャープな感触等の性能を、本発明に基
づいて参照情報である文章により説明してもよい。
【0043】参照情報は、本発明の慣性モーメント情報
をゴルフクラブの性能に反映する表現、言い替えればス
イートエリアの大きさを表現する文章であることが好ま
しい。例として、図14(a)〜(c)に示したよう
な、「シャープ」、「イージー」の他、本発明における
慣性モーメントが小さいものについては、「Har
d」、「Solid」、「Gather Spot」、
「Muscle Back」、「Recessed W
eight」、「芯が狭い」、慣性モーメントが大きい
ものについては、「Sweet」、「Hollow」、
「Wide Spot」、「Cavity Bac
k」、「Surround Weight」、「芯が広
い」というような、主にゴルフ用語であって、その文章
のみでゴルフクラブヘッドのスイートエリアの大きさを
観念的に示すものが挙げられる。以上のような文章によ
ってゴルファーは、本発明における慣性モーメント情報
により評価されている情報をより認識しやすくなる。参
照情報は、他に図15(a)に示すように、本発明にお
ける慣性モーメントに基づいて参照情報である図面を用
いて説明してもよいし、図15(b)に示すように参照
情報である文章により説明し、あるいは図15(c)に
示すように参照情報である表を用いて説明し、また図1
6(a)に示すような図面で説明してもよく、また、こ
れらを組み合わせたもので説明してもよい。さらに、図
16(b)のように、本発明における慣性モーメントの
数値(g・cm2 )を直接表示しないが、本発明におけ
る慣性モーメント情報が図面中の斜線領域で表され、参
照情報を参照することによって、ゴルフクラブのスイー
トエリアの大きさが評価され、すなわち、ゴルフクラブ
のタイプが、本発明における数値化されない慣性モーメ
ント情報と参照情報とに基づいて表示されるゴルフクラ
ブも本発明のゴルフクラブに含まれるものである。
【0044】即ち、本発明における慣性モーメントが一
般に周知されていなければ、ゴルファーが本発明におけ
る慣性モーメントの値を認識するために、図14〜図1
5や図16(a)に示すような参照情報の表示が必要で
あり、一般に周知されれば、図14〜図15や図16
(a)のような説明を付与した参照情報としての表示は
もとより、図16(b)のように単位の省略、数値を段
階化して数値を省略等した参照情報により表示しても、
ゴルファーは本発明における慣性モーメントを認識する
ことが可能である。また、さらに本発明における慣性モ
ーメントが周知されれば、図13(a)、(b)のよう
に慣性モーメント情報のみであっても、ゴルファーは、
本発明における慣性モーメントを認識することが可能で
ある。また、一般にきわめて周知されれば、図13
(a)に示す「2D−MOI 2500」を「250
0」という慣性モーメント情報、つまり数値のみの慣性
モーメント情報により、ゴルファーは本発明における慣
性モーメントを認識することが可能である。また、本発
明における慣性モーメントを示す値を実際にゴルファー
に説明するためには、細かい技術的な項目は省略して説
明した方が分かりやすく好ましい。つまり、使用測定
器、測定条件等の内容は、説明内容としては特に必要が
ない。このような測定条件は、ゴルフクラブメーカー等
の間で標準化しておき、ゴルファーへは、本発明におけ
る慣性モーメントが大きいほどスイートエリアの大きい
ゴルフクラブになるという内容が認識できる程度の説明
であることが好ましい。特にゴルフクラブの一部に表示
するために、認識しやすい単語、数字、それら及び記
号、図面等を適宜組み合わせた短文であることが好まし
い。
【0045】以上に説明したように、ゴルファーはゴル
フクラブに表示された本発明における慣性モーメント情
報、または本発明における慣性モーメント情報及びこの
慣性モーメント情報に基づく評価情報を得るための参照
情報を見て、それらが表示されたゴルフクラブの中か
ら、自分が得たい球筋、フィーリングに合致したゴルフ
クラブを選択することができる。なお、上記例は、慣性
モーメント情報と参照情報をゴルフクラブの一部に一体
的に表示するものであるが、本発明では、慣性モーメン
ト情報と参照情報がゴルフクラブの一部に別個に表示さ
れ、例えば、慣性モーメント情報はゴルフクラブヘッド
等に、参照情報はゴルフクラブシャフトに貼られるシー
ルに表示されてもよく、さらには、慣性モーメント情報
がゴルフクラブヘッド等に、参照情報がゴルフクラブに
付けられるタグ等に表示されるものであってもよく、少
なくとも、慣性モーメント情報を頼りにゴルフクラブの
評価情報を得るために、参照情報が参照されやすい位置
に表示されていればよい。
【0046】本発明のゴルフクラブに係る第2の実施形
態を図面を用いて説明する。図17(a)〜(c)は、
本発明に係るゴルフクラブである。(ゴルフクラブシャ
フトの一部を省略)図17(a)のゴルフクラブには、
ゴルフクラブのブランド名「ABCD」と共に、ゴルフ
クラブヘッドに「2500」といった数字が表示されて
いる。図17(b)のゴルフクラブには、ゴルフクラブ
のブランド名「ABCD」と共に、ゴルフクラブヘッド
に「3000」といった数字が表示されている。図17
(c)のゴルフクラブには、ゴルフクラブのブランド名
「ABCD」と共に、ゴルフクラブヘッドに「350
0」といった数字が表示されている。
【0047】図17(d)には、図17 (a)〜(c)
に示す「ABCD」というゴルフクラブのブランド名と
ともに表示される数字に関する説明をした外部表示媒体
Mを示す。この外部表示媒体Mには「ABCDシリー
ズ」というゴルフクラブのブランド名等ゴルフクラブを
特定できる文字等、そのゴルフクラブに表示された値
「2500、3000、3500」は、本発明における
慣性モーメントの値に関する慣性モーメント情報である
という説明がされている。また、「2500」のスイー
トエリアが「狭い」、「3000」が「普通」、「35
00」が「広い」といった本発明における慣性モーメン
ト情報に基づく評価情報を得るための参照情報が表示さ
れている。ゴルファーは外部表示媒体Mに示される説明
によって本発明における慣性モーメントを示す値の意味
を理解し、この表示された値を目安に外部表示媒体Mに
示されるゴルフクラブ、より詳しくは外部表示媒体Mに
示されるゴルフクラブと同一の数字の記されているゴル
フクラブを選択することが可能になる。また、図17
(d)の外部表示媒体M中に示されている「スイートエ
リア表示システム」とは、本発明における慣性モーメン
トに関するセールストークの1例であり、その名称はゴ
ルフクラブメーカー又は販売会社等が適宜創作するもの
である。
【0048】ここで外部表示媒体Mとは、ゴルフクラブ
メーカー又は販売会社等が発行もしくは作成するゴルフ
クラブの説明書、カタログ、店頭にて表示するポスタ
ー、パネル等、TVのコマーシャル、販売促進用のビデ
オ、電気通信回線等による表示が考えられる。つまり、
主に視覚により認識可能であって、本発明における慣性
モーメント情報に関して説明し、その慣性モーメント情
報を表示するゴルフクラブを明示する参照情報の表示手
段の1つである。外部表示媒体Mは、本発明における慣
性モーメントが一般に周知されていなければ、図17
(d)に示すような参照情報の表示が必要であり、一般
に周知されれば単位の省略、数値を段階化して数値を省
略等した参照情報の表示が考えられ、いずれも本発明に
包含される。本発明における慣性モーメントを示す値を
実際にゴルファーに説明するためには、細かい技術的な
項目は省略して説明した方が分かりやすく好ましい。つ
まり、使用測定器、測定条件等の内容は、説明内容とし
ては特に必要がない。このような測定条件は、ゴルフク
ラブメーカー等の間で標準化しておき、ゴルファーへ
は、本発明における慣性モーメントが大きいほどスイー
トエリアの大きいゴルフクラブになるという内容が認識
できる程度の説明であることが好ましい。特に外部表示
媒体によってゴルフクラブに表示された本発明における
慣性モーメント情報の説明をするため、文章として分か
りやすく図面、該当するゴルフクラブの写真等を用いて
説明することが好ましい。
【0049】以上説明したように、ゴルファーはゴルフ
クラブに表示された慣性モーメント情報及び外部表示媒
体に表示されたタイプ別に区分けされた表を参照して、
慣性モーメント情報の表示されたゴルフクラブの中か
ら、自分が得たい球筋、フィーリングに合致したゴルフ
クラブを選択することができる。
【0050】本発明のゴルフクラブに係る第3の実施形
態を図面を用いて説明する。図18(a)〜(d)は、
本発明に係るゴルフクラブを示す斜視図である。図18
(a)に示すゴルフクラブは、ゴルフクラブの型式名
「BCDE M443」と表示されている。図18
(b)のゴルフクラブには、ゴルフクラブの型式名「B
CDE M433」と表示されている。図18(c)の
ゴルフクラブには、ゴルフクラブの型式名「BCDE
M423」と表示されている。図18(d)のゴルフク
ラブには、ゴルフクラブの型式名「BCDE M41
3」と表示されている。ここで、ゴルフクラブの型式名
とは、ゴルフクラブメーカー等が販売するゴルフクラブ
の分類を指す。つまり、同一型式のゴルフクラブまたは
ゴルフクラブセットであれば、同一の性能を呈するもの
である。型式名は他にモデル名、タイプ名あるいは品番
等ともいわれるもので、従来のゴルフクラブのほとんど
に付与されている。
【0051】図18(e)には、図18(a)〜(d)
に示す「BCDE」というブランド名の「M443、M
433、M423、M413」という型式名のゴルフク
ラブに関する説明をした外部表示媒体M’を示す。この
外部表示媒体M’には「クラブBCDE」及び「BCD
E M443、BCDE M433、BCDE M42
3、BCDE M413」というゴルフクラブのブラン
ド名、型式名等ゴルフクラブを特定できる文字等が示さ
れている。また、M443のMOIは2000、M43
3のMOIは2500、M423のMOIは3000、
M413のMOIは3500といったゴルフクラブの型
式に応じた慣性モーメント情報、「シャープなフィーリ
ング、トップアスリートのM443」、「ソリッドなフ
ィーリング、上達志向ゴルファーへM433」、「スタ
ンダードなフィーリング、アベレージなM423」、
「スイートなフィーリング、エンジョイゴルフのM41
3」といったゴルフクラブの型式に応じた参照情報が表
示されている。ゴルファーは外部表示媒体M’に示され
る説明によって本発明における慣性モーメントを示す値
の意味を理解し、この表示された値を目安に外部表示媒
体M’に示されるゴルフクラブ、より詳しくは外部表示
媒体M’に示されるゴルフクラブと同一型式のゴルフク
ラブを選択することができる。また、図18(e)に示
される外部表示媒体M’中に示されている「フェースM
OI理論」とは、本発明における慣性モーメントに関す
るセールストークの1例であり、その名称はゴルフクラ
ブメーカー又は販売会社等が適宜創作するものである。
【0052】ここで外部表示媒体M’とは、ゴルフクラ
ブメーカー又は販売会社等が発行もしくは作成するゴル
フクラブの説明書、カタログ、店頭にて表示するポスタ
ー、パネル等、TVのコマーシャル、販売促進用のビデ
オ、電気通信回線等による表示が考えられる。つまり、
主に視覚により認識可能であって、本発明における慣性
モーメント情報とそれに関する説明をし、本発明におけ
る慣性モーメントに基づき設定されたゴルフクラブに関
する参照情報を示している。外部表示媒体M’について
も、上記したように、本発明における慣性モーメントが
一般に周知されていなければ、図18(e)に示すよう
な慣性モーメント情報および参照情報の表示が必要であ
り、一般的に周知されれば単位の省略、数値を段階化し
て数値を省略等した参照情報の表示、更には周知されれ
ば、慣性モーメント情報のみの表示が考えられ、いずれ
も本発明に包含される。
【0053】本発明における慣性モーメントを示す値を
実際にゴルファーに説明するためには、細かい技術的な
項目は省略して説明した方が分かりやすく好ましい。つ
まり、使用測定器、測定条件等の内容は、説明内容とし
ては特に必要がない。このような測定条件は、ゴルフク
ラブメーカー等の間で標準化しておき、ゴルファーへ
は、本発明における慣性モーメントが大きいほどスイー
トエリアの大きいゴルフクラブになるという内容が認識
できる程度の説明であることが好ましい。特に外部表示
媒体によってゴルフクラブに表示された本発明における
慣性モーメント情報の説明をするため、文章として分か
りやすく図面、該当するゴルフクラブの写真等を用いて
説明することが好ましい。
【0054】以上説明したように、ゴルファーは、本発
明における慣性モーメントに対応して型式が設けられて
いるゴルフクラブの中から、外部表示媒体を参照しなが
ら、自分が得たい球筋、フィーリングに合致したゴルフ
クラブを型式によって選択することができる。
【0055】このようにゴルフクラブに表示された、ゴ
ルフクラブヘッドの重心を通りフェース面に垂直な軸回
りの慣性モーメントの値に関する慣性モーメント情報を
もとに、自分に適切なゴルフクラブを選択できることを
述べたが、この慣性モーメントが、従来測定され評価さ
れてきていた水平方向の軸まわりの慣性モーメントに比
べてスイートエリアの大小を表すパラメータとして正確
かつ適切であることを、下記実施例に基づいて説明す
る。
【0056】
【実施例】本発明のゴルフクラブの評価方法によってゴ
ルフクラブのスイートエリアの大きさが正確に示されて
いることを確認するために打球試験を行なった。
【0057】打球試験の方法 打球試験は以下に示す手順に従い行なった。 (1)ゴルフクラブの作製 (2)50人のゴルファーによる打球試験、評点 (3)評点の集計、数値の評価 以下に(1)〜(3)の各手順の詳細を示す。
【0058】(1)ゴルフクラブの作製 ゴルフクラブはロフト角度が24度のゴルフクラブ(C
1)〜(C10)及びロフト角度が38度のゴルフクラ
ブ(C11)〜(C20)を作製した。ゴルフクラブを
構成するゴルフクラブヘッドの、ライ角度、フェース面
の輪郭形状、ヘッド長さ、ヘッド幅、ヘッド高さ、フェ
ースプログレッション、ホーゼル長さ、ホーゼル径等の
ゴルフクラブヘッドの外観形状は、ゴルフクラブ(C
1)〜(C10)を構成するゴルフクラブヘッド間及び
ゴルフクラブ(C11)〜(C20)を構成するゴルフ
クラブヘッド間において同一にした。また、ゴルフクラ
ブヘッドの、バックフェース部の肉厚分布、サイド部分
への質量配分は、ゴルフクラブ(C1)〜(C10)を
構成するゴルフクラブヘッド間及びゴルフクラブ(C1
1)〜(C20)を構成するゴルフクラブヘッド間にお
いて変化させた。(この変化により慣性モーメント1、
2が変化する)ゴルフクラブとして組み立てる前に、各
ゴルフクラブヘッドの、本発明の評価方法による慣性モ
ーメント(慣性モーメント1)及び従来の評価方法によ
る慣性モーメント(慣性モーメント2)を測定した。
【0059】ゴルフクラブ(C1)〜(C10)を構成
するゴルフクラブシャフト及びグリップは全て同一な特
性のものを使用した。主要な物性を以下に示す。 ゴルフクラブシャフト:TRUE TEMPER社製
DYNAMIC GOLD R400 38.0inc
hを用いた。 グリップ:Golf Pride社製 SWING R
ITE M60を用いた。 クラブ長さ:38.0inchにした。ゴルフクラブシ
ャフトの長さの調整は、バット側部分を切断して行なっ
た。 ゴルフクラブ(C11)〜(C20)を構成するゴルフ
クラブシャフト及びグリップは全て同一な特性のものを
使用した。主要な物性を以下に示す。 ゴルフクラブシャフト:TRUE TEMPER社製
DYNAMIC GOLD R400 36.0inc
hを用いた。 グリップ:Golf Pride社製 SWING R
ITE M60を用いた。 クラブ長さ:36.0inchにした。ゴルフクラブシ
ャフトの長さの調整は、バット側部分を切断して行なっ
た。ちなみにゴルフクラブ(C1)〜(C10)は、通
常の4番アイアン相当、ゴルフクラブ(C11)〜(C
20)は、通常の8番アイアン相当である。
【0060】(2)50人のゴルファーによる打球試
験、評点 (1)にて作製した(C1)〜(C10)及び(C1
1)〜(C20)の各10種類のゴルフクラブについ
て、ゴルファーによる打球試験を行なった。1人のゴル
ファーが(C1)〜(C10)及び(C11)〜(C2
0)のゴルフクラブを各10球ずつ打球し、打球感によ
り、1点:スイートエリアを外して打球した感触(手応
え悪くミスショット)、2点:大体スイートエリアで打
球した感触(ちょっと芯を外したよう、大したミスでな
い)、3点:しっかりスイートエリアで打球した感触
(芯の手応え、ナイスショット)、という評点をした。
各ゴルファーには評点方法のみを伝え、1点から3点の
言葉をどのように解釈しどのような打球感を何点にする
かは、各自の判断に任せた。ゴルファーは1本のゴルフ
クラブにつき各10球ずつ打球し、10回の評点をし
た。以上の評価を50人のゴルファーによって行なっ
た。
【0061】(3)評点の集計、数値の評価 (2)にて評価して得られた評点について、1本のゴル
フクラブにつき50人の評点を合計し、集計点とした。
ちなみに満点は、3(評点の最高点)×10(1人のゴ
ルファーの評点回数)×50(ゴルファーの数)=15
00点である。以上の打球試験より、(3)で得られた
(C1)〜(C10)の集計点、及び(1)で得られた
慣性モーメント1、2と慣性モーメント1、2をゴルフ
クラブヘッドの質量で除した、( 慣性モーメント1/質
量) および( 慣性モーメント2/質量) とを表4に示
し、(C11)〜(C20)の集計点、及び(1)で得
られた慣性モーメント1、2 と慣性モーメント1、2を
ゴルフクラブヘッドの質量で除した、( 慣性モーメント
1/質量) および( 慣性モーメント2/質量) とを表5
に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】ここで、表中の*1、*2について説明す
る。 *1:慣性モーメント1は、慣性モーメント測定器に、
Inertia Dynamics社製 Moment
of inertia instrumentMod
el MOI−005−014、治具に同社製Cali
brationWeight(Part No.CW0
05−001)を用いた。ゴルフクラブヘッドの固定
は、図3(c)に示すように、法線Nと回転軸Rが一致
するように固定した。固定手段は、株式会社ライオン事
務器製両面テープ(品番:GW−350)により固定し
た。図4に示す点gは、FORTEEN社製C.G.M
AKER MODEL FG−102RMにより図7
(a)に示すように求めた。慣性モーメント1の測定
は、同社作成のOperating Manualに準
拠した。測定は3回行い、3回の平均値を測定値とし
た。
【0065】*2:慣性モーメント2は、慣性モーメン
ト測定器に、Inertia Dynamics社製
Moment of inertia instrum
entModel MOI−005−014、治具に同
社製CalibrationWeight(Part
No.CW005−001)を用いた。ゴルフクラブヘ
ッドの固定は、図19に示すような、軸N' (ゴルフク
ラブヘッドの重心を通る鉛直方向の軸)と回転軸Rが一
致するように固定した。固定手段は、株式会社ライオン
事務器製粘着パテ(品番:QG−10)により固定し
た。軸N' は、FORTEEN社製C.G.MAKER
MODEL FG−102RMにより図20に示すよ
うに求めた。慣性モーメント2の測定は、同社作成のO
perating Manualに準拠した。測定は3
回行い、3回の平均値を測定値とした。
【0066】表4及び表5において、集計点は、前述し
たような50人のゴルファーより得られたもので、数値
が大きいほど、ゴルファーの打球位置のばらつきに対し
てスイートエリアにて打球したような感触が得られやす
いということが裏付けられていると考えられる。つま
り、打点位置がばらついてもスイートエリアにて打球し
た感触が得られやすく、それは、スイートエリアの大き
さを定量的に示している数値と言える。また、慣性モー
メント1は、本発明の評価方法によるゴルフクラブヘッ
ドの慣性モーメントである。一方、慣性モーメント2
は、従来の評価方法によるゴルフクラブヘッドの慣性モ
ーメントである。これらの数値は、大きいほどスイート
エリアが大きいことを示さんとしているものである。
【0067】慣性モーメント1、2が、スイートエリア
の大きさを定量的に示していることを判断するために、
ピアソンの積率相関係数を用いて、定量的な数値である
集計点に対する相関性を求めた。集計点との相関性が高
いものほど相関係数の値が大きくなり、よりスイートエ
リアの大きさを定量的に示していると言える。言い換え
れば、スイートエリアの大きさをより正確に数値により
示していると言える。集計点と慣性モーメント1との相
関係数をr1、集計点と(慣性モーメント1/質量)と
の相関係数をr2、集計点と慣性モーメント2との相関
係数をr3、集計点と(慣性モーメント2/質量)との
相関係数をr4とした。相関係数r1、r2、r3およ
びr4は、ロフト角度24度のゴルフクラブ群(C1)
〜(C10)及びロフト角度38度のゴルフクラブ群
(C11)〜(C20)について求めた。それぞれの相
関係数r1、r2、r3およびr4を表6に示す。
【0068】
【表6】
【0069】これによると、ロフト角度24度のゴルフ
クラブ群(C1)〜(C10)及びロフト角度38度の
ゴルフクラブ群(C11)〜(C20)のいずれにおい
ても、集計点と本発明の評価方法による慣性モーメント
1との相関係数であるr1及び(慣性モーメント1/質
量)との相関係数であるr2が、集計点と従来の評価方
法による慣性モーメント2との相関係数であるr3及び
(慣性モーメント2/質量)との相関係数であるr4よ
りも大きく、より高い相関があり、ゴルフクラブのスイ
ートエリアの大きさを数値によって正確に示しているこ
とが分かる。
【0070】以上、本発明のゴルフクラブの評価方法お
よびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は
上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいの
はもちろんである。
【0071】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ゴルフクラブの評価方法によれば、ゴルフクラブのスイ
ートエリアの大きさをより正確に数値により示すことが
可能になる。また、本発明のゴルフクラブによれば、ゴ
ルフクラブのスイートエリアの大きさをより適切かつ正
確に示す慣性モーメントに基づいてゴルフクラブの評価
が与えられるので、例えば慣性モーメント情報がゴルフ
クラブの一部に表示されるので、ゴルファーが自己に適
したゴルフクラブを購入することが極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフクラブの評価方法で慣性モー
メントを測定する際の慣性モーメント測定器の一例を示
す概略斜視図である。
【図2】 (a)および(b)は図1に示す慣性モーメ
ント測定器に治具、治具及びゴルフクラブヘッドを固定
した状態を示す正面図である。
【図3】 (a)〜(c)は、図2に示すゴルフクラブ
ヘッドの固定位置を説明する説明図である。
【図4】 図2に示すゴルフクラブヘッドの固定位置を
フェース面上にて説明する説明図である。
【図5】 本発明に係るゴルフクラブの評価方法に用い
る重心測定器を示す斜視図である。
【図6】 図5に示す重心測定器にゴルフクラブヘッド
を乗せた状態を示す正面図である。
【図7】 (a)および(b)は、図6に示すゴルフク
ラブヘッドを乗せる位置を説明する説明図である。
【図8】 図5に示す重心測定器の好ましい設置状態を
説明する説明図である。
【図9】 本発明に用いる治具の好ましい形態を説明す
る説明図である。
【図10】 フェース面にラウンドを有するゴルフクラ
ブヘッドを慣性モーメント測定器(の治具)に固定する
方法を説明する説明図である。
【図11】 従来の慣性モーメント測定方法により得ら
れる知見を説明するゴルフクラブヘッドの斜視図であ
る。
【図12】 本発明のゴルフクラブの一実施形態を示す
正面図である。
【図13】 (a)および(b)は、本発明のゴルフク
ラブの一実施形態を示す部分拡大背面図である。
【図14】 (a)〜(c)は本発明のゴルフクラブの
一部に情報を表示する一実施形態を示す部分拡大平面図
である。
【図15】 (a)〜(c)は本発明のゴルフクラブの
一部に情報を表示する他の実施形態を示す部分拡大平面
図である。
【図16】 (a)および(b)は,本発明のゴルフク
ラブの一部に情報を表示する他の実施形態を示す部分拡
大平面図である。
【図17】 (a)〜(c)は本発明のゴルフクラブの
他の実施形態を示す部分拡大平面図であり、(d)は、
本発明のゴルフクラブの性能を認識するための外部表示
媒体の表示内容の一例を示す図である。
【図18】 (a)〜(d)は本発明のゴルフクラブの
他の実施形態を示す部分拡大平面図であり、(e)は、
本発明のゴルフクラブの性能を認識するための外部表示
媒体の表示内容の他の例を示す図である。
【図19】 従来の慣性モーメントの測定状態を示す図
である。
【図20】 従来の慣性モーメントを測定するための重
心測定の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド 2 ゴルフクラブ 3 ゴルフクラブシャフト 4 グリップ 11 慣性モーメント測定器 12 測定部 14 演算部 15 スタートレバー 16 表示部 17 操作ボタン 21 治具 22 上面部 31 フェース面 32 バックフェース部 41 重心測定器 42 支持部 51 平面板 52 水準器 101 粘着体 d gとrとのなす距離 d' G' とRとのなす距離 G ゴルフクラブヘッドの重心 G' 治具の重心 g フェース面とNとの交点 g' ゴルフクラブヘッドのソール面とN' との交点 M,M’ 外部表示媒体 N Gを通るフェース面の法線 N' Gを通る鉛直方向の軸 P Gを含みVを法線とする平面 p Pとフェース面(ゴルフクラブヘッド)の交わる
線 R 慣性モーメント測定器の回転軸 r フェース面とRとの交点 V Gを通る鉛直方向の軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴルフクラブヘッドの重心を通りフェース
    面に垂直な軸回りの慣性モーメントを測定することによ
    って、前記ゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブを
    評価することを特徴とするゴルフクラブの評価方法。
  2. 【請求項2】前記慣性モーメントを前記ゴルフクラブヘ
    ッドの質量で除することによって、前記ゴルフクラブヘ
    ッドを備えたゴルフクラブを評価する請求項1に記載の
    ゴルフクラブの評価方法。
  3. 【請求項3】ゴルフクラブシャフトの一端にゴルフクラ
    ブヘッドを備え、他端にグリップまたはグリップ部を備
    えたゴルフクラブであって、前記ゴルフクラブヘッドの
    重心を通りフェース面に垂直な軸回りの慣性モーメント
    に基づいてゴルフクラブの評価が与えられたことを特徴
    とするゴルフクラブ。
  4. 【請求項4】前記慣性モーメントの値に関する慣性モー
    メント情報あるいはこの慣性モーメントを前記ゴルフク
    ラブヘッドの質量で除して得られる値に関する慣性モー
    メント情報がゴルフクラブの一部に表示された請求項3
    に記載のゴルフクラブ。
  5. 【請求項5】前記慣性モーメント情報は、ゴルフクラブ
    の評価情報を得るための参照情報を参照するために用い
    られる請求項4に記載のゴルフクラブ。
  6. 【請求項6】前記慣性モーメント情報に基づいてゴルフ
    クラブの評価情報を得るための参照情報が、前記慣性モ
    ーメント情報とともにゴルフクラブの一部に表示された
    請求項5に記載のゴルフクラブ。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれかに記載のゴルフク
    ラブであって、 ゴルフクラブの型式が、前記慣性モーメントの値あるい
    は前記慣性モーメントを前記ゴルフクラブヘッドの質量
    を除して得られる値に応じて定められているゴルフクラ
    ブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016055160A (ja) * 2014-09-04 2016-04-21 ダンロップスポーツ株式会社 金属ストリップを有する物品及び同物品を作製する方法

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