JP2004180489A - ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁極位置検出誤差等の有無に拘らず、所望の運転ポイントでの運転を可能とする。
【解決手段】 電流指令および現在速度に応じてマップ電流位相を出力する電流位相マップ部6と、マップ電流位相を入力として弱め磁束制御の要否を判定する弱め磁束判定部7と、出力電圧デューティーを入力として飽和寸前に定められた規定値との大小に基づいて位相補正の方向を判定する位相補正方向判定部9と、弱め磁束制御要否判定結果および位相補正方向判定結果を入力として、目標とする出力電圧デューティーになるまで位相補正量を増減させ、最終的に位相補正量を出力する位相補正制御器8と、マップ電流位相と位相補正量とを加算して電流位相指令として出力する加算器10とを有している。
【選択図】 図1

Description

この発明は、インバータで速度制御されるブラシレスDCモータを制御するために、速度起電圧を減少させる弱め磁束電流を与える電流位相指令を回転数および電流から得て出力するブラシレスDCモータ制御方法およびその装置に関する。
従来から、同期モータの弱め磁束制御を行う方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献1には、同期モータの所要トルクが保証されうる最大の弱め磁束方向の位相である第1の位相と、同期モータの所要トルクが保証されうる最大の強め界磁方向の位相である第2の位相とを用いて、電流の位相を第1の位相と第2の位相との平均値に制御することが記載されている。
特許文献2には、同期モータに固有の界磁磁束をそのインダクタンスで除算して求められる界磁電流の大きさに基づいて弱め磁束制御を行うことが記載されている。
特許文献3には、印加可能な最大電圧と要求トルクとから弱め磁束電流の値を算出することが記載されている。
特開2001-86780号公報 特開2001-197764号公報 特開平7-107772号公報
特許文献1では、電流位相自体を固定しているとともに、平均値を電流位相として誤差に対するマージンを最大にしようとしているのであるから、誤差がマージンを超えた場合にはトルクが保証されない。また、モータの最大出力を達成できる保証がない。
特許文献2では、数式により電流位相を決定するようにしているが、モータ定数のばらつきによる誤差を解消させることができないだけでなく、エンコーダ取り付け誤差に起因する誤差を解消させることもできない。
特許文献3では、数式により電流位相を決定するようにしているが、モータ定数のばらつきによる誤差を解消させることができないだけでなく、エンコーダ取り付け誤差に起因する誤差を解消させることもできない。
さらに説明する。
Z相のないインクリメンタルエンコーダを設ける構成を採用した場合において、電流位相テーブルあるいは数式から電流位相指令を導出した場合には、高速の弱め磁束制御で運転されるエリアでは、起動時の磁極位置検出で誤差があれば電流位相が十分に進められず、もしくは進めすぎてしまって、所望のモータ出力エリアを得ることができないという不都合がある。
すなわち、弱め磁束が不足する場合には、電流制御部からインバータ部へ供給されるデューティ指令(出力電圧指令)が飽和し、モータの誘起電圧とインバータ出力電圧との差を十分にはとれなくなるので、指令どおりの値の電流をモータに流し込むことができなくなってしまう。
逆に、弱め磁束が過剰な場合には、電流制御部からインバータ部へ供給されるデューティ指令が低い値になり、この場合には、モータの誘起電圧を抑えることができるが、弱め磁束のために必要以上の電流を使用するので、モータの出力トルクが低下してしまう。
Z相があるインクリメンタルエンコーダ(あるいはアブソリュートエンコーダ)を設ける構成を採用した場合においては、エンコーダの取り付け誤差により、同様の不都合を生じてしまう。
位置センサを用いることなく磁極位置検出を行う場合において、磁極位置推定誤差が生じた場合にも同様の不都合を生じてしまう。
電源電圧、回転数、電流等の各種パラメータに基づく電流位相マップを実測データにしたがって作成した上で、電流位相テーブルを設定することも考えられるが、データ量が著しく多くなり、著しく大容量のメモリが必要になってしまう。また、パラメータが多いと実測する点数が増加し、手間がかかるとともに時間がかかる。さらに、生産時のばらつき、経時変化等によりモータ定数が変動すれば、最適電流位相も変動してしまい、上記と同様の不都合を生じてしまう。
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、磁極位置検出誤差等の有無に拘らず、所望の運転ポイントでの運転を可能とすることができるブラシレスDCモータ制御方法およびその装置を提供することを目的としている。
請求項1のブラシレスDCモータ制御方法は、ブラシレスDCモータをインバータによって制御するに当たって、
電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定し、
位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令に基づいて補正方向を判定し、
前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする方法である。
請求項2のブラシレスDCモータ制御方法は、位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令と、出力電圧を飽和させるべく増加させる場合において飽和前に定められた規定値との大小に基づいて補正方向を判定する方法である。
請求項3のブラシレスDCモータ制御方法は、位相補正が不要であると判定されるまで位相補正値の増減を行わせ、前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする方法である。
請求項4のブラシレスDCモータ制御方法は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後にヒステリシスを持たせた値を採用する方法である。
請求項5のブラシレスDCモータ制御方法は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後に設けた不感帯領域を採用する方法である。
請求項6のブラシレスDCモータ制御装置は、ブラシレスDCモータをインバータによって制御するものであって、
電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定する要否判定手段と、
位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令に基づいて補正方向を判定する補正方向判定手段と、
前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする電流位相指令生成手段とを含むものである。
請求項7のブラシレスDCモータ制御装置は、前記補正方向判定手段として、位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令と、出力電圧を飽和させるべく増加させる場合において飽和前に定められた規定値との大小に基づいて補正方向を判定するものを採用するものである。
請求項8のブラシレスDCモータ制御装置は、前記電流位相指令生成手段として、位相補正が不要であると判定されるまで位相補正値の増減を行わせ、前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とするものを採用するものである。
請求項9のブラシレスDCモータ制御装置は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後にヒステリシスを持たせた値を採用するものを、前記補正方向判定手段として採用するものである。
請求項10のブラシレスDCモータ制御装置は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後に設けた不感帯領域を採用するものを、前記補正方向判定手段として採用するものである。
請求項11のブラシレスDCモータ制御方法は、速度起電圧を減少させる最適な弱め磁束電流を与える電流位相指令値を、実際の電源電圧とモータ回転数とから得られた補正モータ回転数およびモータ電流から求め、
求めた電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定する方法である。
請求項12のブラシレスDCモータ制御装置は、速度起電圧を減少させる最適な弱め磁束電流を与える電流位相指令値を、実際の電源電圧とモータ回転数とから得られた補正モータ回転数およびモータ電流から求める電流位相指令値算出手段をさらに含み、前記要否判定手段として、求めた電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定するものである。
請求項1の発明は、磁極位置検出誤差、エンコーダの取り付け誤差、電源電圧の変動、生産ばらつきに起因するモータ機器定数の誤差の有無に拘らず、所望の運転ポイントでの運転を可能とすることができるという特有の効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明は、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項4の発明は、請求項2と同様の効果を奏する。
請求項5の発明は、請求項2と同様の効果を奏する。
請求項6の発明は、磁極位置検出誤差、エンコーダの取り付け誤差、電源電圧の変動、生産ばらつきに起因するモータ機器定数の誤差の有無に拘らず、所望の運転ポイントでの運転を可能とすることができるという特有の効果を奏する。
請求項7の発明は、請求項6と同様の効果を奏する。
請求項8の発明は、請求項6と同様の効果を奏する。
請求項9の発明は、請求項7と同様の効果を奏する。
請求項10の発明は、請求項7と同様の効果を奏する。
請求項11の発明は、電源電圧が変動した場合であっても最適位相制御を達成することができ、常に最適な運転ポイントでの動作を行うことができ、位相ずれによる脱調停止を防止することができるほか、請求項1から請求項5の何れかと同様の効果を奏する。
請求項12の発明は、電源電圧が変動した場合であっても最適位相制御を達成することができ、常に最適な運転ポイントでの動作を行うことができ、位相ずれによる脱調停止を防止することができるほか、請求項6から請求項10の何れかと同様の効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、この発明のブラシレスDCモータ制御方法およびその装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置の一実施形態を示す概略図である。
このブラシレスDCモータ制御装置は、AC電源を入力として直流電圧を出力するコンバータ部12と、直流電圧を入力として交流電圧を出力し、ブラシレスDCモータ1に供給するインバータ部11と、ブラシレスDCモータ1とを有している。そして、ブラシレスDCモータ1に接続されたエンコーダ2からパルス信号を出力し、パルス信号を入力とする速度検出部3において、例えばパルス間隔に基づいて現在速度を検出するようにしている。なお、12aは平滑コンデンサである。
また、速度指令および現在速度を入力として速度制御演算を行って電流指令を出力する速度制御器4と、電流指令および電流位相指令を入力として電流制御演算を行って出力電圧デューティーを出力する電流制御器5と、予め作成された電流位相マップを保持し、電流指令および現在速度に応じてマップ電流位相を出力する電流位相マップ部6と、マップ電流位相を入力として弱め磁束制御の要否を判定する弱め磁束判定部7と、出力電圧デューティーを入力として飽和寸前に定められた規定値との大小に基づいて位相補正の方向を判定する位相補正方向判定部9と、弱め磁束制御要否判定結果および位相補正方向判定結果を入力として、目標とする出力電圧デューティーになるまで位相補正量を増減させ、最終的に位相補正量を出力する位相補正制御器8と、マップ電流位相と位相補正量とを加算して電流位相指令として出力する加算器10とを有している。
したがって、弱め磁束制御にはマップ電流位相と位相補正量とを加算して適正な電流位相指令を得ることができ、磁極位置検出誤差、エンコーダの取り付け誤差、電源電圧の変動、生産ばらつきに起因するモータ機器定数の誤差の有無に拘らず、所望の運転ポイントでの運転を可能とすることができる。
図2は電流位相マップ部6、弱め磁束判定部7、位相補正制御器8、位相補正方向判定部9、および加算器10の他の構成例を示すブロック図である。
図2の装置は、マップ電流位相を入力として、モータ属性に依存する弱め磁束制御開始位相βyとの大小を判定し、判定結果に対応する第1制御信号(補正動作モード信号)を出力する弱め磁束判定部7と、出力電圧デューティをフィルタ9aを通して得たデューティフィルタ値を受け取り、2つの基準デューティdutyH 、dutyL との大小を判定し、判定結果に対応する第2制御信号(補正方向信号)を出力する位相補正方向判定部9と、弱め磁束制御要否判定結果および位相補正方向判定結果を入力として、目標とする出力電圧デューティーになるまで位相補正量を増減させ、最終的に位相補正量を出力する位相補正制御器8と、マップ電流位相と位相補正量とを加算して電流位相指令として出力する加算器10とを有している。
弱め磁束判定部7は、マップ電流位相が弱め磁束制御開始位相βyよりも大きいか否かにより、現在のブラシレスDCモータ動作状態が弱め磁束制御を必要としているか否かを判定し、弱め磁束制御が必要な場合には位相補正モードとして動作すべきことを指示し、弱め磁束制御が不要な場合には位相マップモードとして動作すべきことを指示する補正動作モード信号を出力する。
位相補正モードで動作している場合、ブラシレスDCモータが最適位相で動作していなければ、所望のモータ出力エリアが得られなくなることがある。そのため、常に最適位相でブラシレスDCモータが動作するように位相補正制御を行う必要がある。そこで、位相補正方向判定部9で出力電圧デューティーを監視する。
そして、出力電圧デューティーが基準デューティdutyLよりも小さい場合には、最適位相よりも進み側で動作しているため、インバータ出力電圧は余裕があるものの、必要以上に弱め磁束電流が流れているので、遅れ側に向けて位相補正を行うことが必要である。
また、出力電圧デューティーが基準デューティdutyHよりも大きい場合には、最適位相よりも遅れ側で動作しているため、インバータ出力電圧は飽和している。したがって、進み側に向けて位相補正を行うことが必要である。
出力電圧デューティーが両基準デューティdutyH、dutyLの間にある場合には、位相補正量の増減を停止することで出力電圧デューティーをその区間に設定した状態でブラシレスDCモータを動作させる。つまり、出力電圧デューティーが両基準デューティdutyH、dutyLの間にある状態でブラシレスDCモータが動作するようにすれば、電流位相指令は最適位相(インバータ出力電圧が飽和寸前)になっている。すなわち、両基準デューティdutyH、dutyLの間が不感帯になっている。
そして、弱め磁束判定部7で決められた補正動作モードと位相補正方向判定部9で決められた補正方向により位相補正制御器8で位相補正量の設定を行う。
位相補正モードで動作した場合、補正方向にしたがって、進み補正時は現在の位相補正に対し、所定の位相量を増加させ、遅れ補正時は現在の位相補正に対し、所定の位相量を減少させる。
位相補正モードから位相マップモードに切り替わった場合には、電流位相指令としてマップ電流位相を採用することになるので、位相補正量を0にする必要がある。ただし、この場合には、電流位相指令が急変するおそれがある。
したがって、このようなモード切り替え時に、位相補正量を0に向かって徐々に変化させることが好ましく、電流位相指令が急変するおそれをなくすることができる。
図3から図5を参照してさらに説明する。
磁極位置検出誤差、あるいは生産時のばらつきに起因する機器定数誤差等により電流位相が十分には進められていない場合、図3のA点から速度を上昇(回転数を増加)させていくとブラシレスDCモータの誘起電圧が大きくなり、図3のB点で出力電圧デューティーは飽和してしまう。その時の出力電圧デューティーと電流との関係は図4に示すとおりである。図4から分かるように、補正前には出力電圧デューティーが飽和しているため電流をこれ以上流し込むことができず、速度をさらに増加させると出力トルクが低下し、限界速度(図3中C点参照)に到達する。しかし、出力電圧デューティーが飽和しないように位相補正を行うことで電流を増加させることが可能になる。したがって、出力電圧デューティーが常に飽和寸前になるように位相補正を繰り返すことによって、最大出力エリアである図3中のD点まで速度を増加させることができる。
電流位相を進めすぎてしまった場合、図3のA点から速度を上昇させていくとブラシレスDCモータの誘起電圧を抑えることができるが、必要以上に弱め磁束電流を流しているため、図3のB点で電流制限に到達してしまう。その時の出力電圧デューティーと電流との関係は図5に示すとおりである。図5から分かるように、補正前には電流が制限に達しているため、それ以上の速度では出力トルクが低下し、限界速度(図3中C点参照)に到達する。しかし、出力電圧デューティーの飽和方向に位相補正を行うことで、電流に余裕ができるため、速度を上昇させることが可能になる。したがって、出力電圧デューティーが常に飽和寸前になるように位相補正を繰り返すことによって、最大出力エリアである図3中のD点まで速度を増加させることができる。
また、電源電圧が変動した場合にも、同様に、変動した電源電圧で可能な最大出力エリアでの運転が可能となる。
これにより、位相マップによる高応答な電流位相指令の追従性を維持しながら、当該状態における最大トルクを出力することが可能になる。また、弱め磁束制御が必要な運転エリアでは、この制御により、必要とされるトルクを出力するための電流値を小さくできるため、効率においても最大効率ポイントに近い電流位相で運転していることになる。
上記実施形態では、回転数とモータ電流とをパラメータとする電流位相マップを使用しているので、電源電圧等のパラメータを必要とせず、準備する必要がある電流位相マップの数を少なくすることができる。この結果、メモリ容量を小さくすることができ、しかも電流位相マップを作成するための手間を低減することができる。
また、不感帯を省略することが可能であるほか、不感帯を設けることに代えて、規定値の前後にヒステリシスを設けることが可能である。
さらに、飽和の直前の値に代えて、飽和のある程度前の値を採用することも可能である。
図6はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置の他の実施形態を示す概略図である。
このブラシレスDCモータ制御装置が図1のブラシレスDCモータ制御装置と異なる点は、インバータ部11の直流部の電圧を検出する電圧検出器13と、検出された電圧を用いて速度検出器3から出力される現在速度を補正して補正速度(補正回転数)を出力し、電流位相マップ6に供給する速度補正器14とをさらに含む点のみである。
図7は図6のブラシレスDCモータ制御装置の主要部の一例を説明するための概略図である。
速度補正器14においては、検出された電圧(DC電圧)および検出された回転数を入力として、例えば、検出回転数に対して、電流位相マップ作成時のDC電圧の検出された電圧(DC電圧)に対する比を乗算する処理を行って補正速度(補正回転数)を出力する。そして、補正回転数および電流指令を電流位相マップ6に供給することによって、補正回転数および電流指令に対応する電流位相をマップ電流位相として出力する。
このマップ電流位相および出力電圧デューティーを位相補正器(位相補正制御器、位相補正方向判定部、および弱め磁束判定部)8'に供給することによって、位相補正量を算出して出力する。
そして、マップ電流位相と位相補正量とを加算することによって、電流位相指令を算出し、出力することができる。
ただし、交流電圧(AC電圧)が検出可能な場合には、電流位相マップ作成時のDC電圧の検出された電圧(DC電圧)に対する比に代えて、電流位相マップ作成時のAC電圧の検出された電圧(AC電圧)に対する比を採用することができる。
図8は電源電圧が変動した場合のマップ電流位相の変動を説明する概略図である。
電源電圧が基準電圧V0である場合には、補正回転数がw0、マップ電流位相がβ0である。
電源電圧が基準電圧V0より低いV1である場合には、回転数を補正して補正回転数をw1(w0<w1)にし、マップ電流位相を進めてβ1(β0<β1)とする。
逆に、電源電圧が基準電圧V0より高いV2である場合には、回転数を補正して補正回転数をw2(w2<w0)にし、マップ電流位相を遅らせてβ2(β2<β0)とする。
ただし、モータの違い等により、このマップ電流位相が必ず最適電流位相となるわけではない。具体的には、例えば、図9に示すように、最適電流位相βop(β1<βop)が与えられる。
したがって、速度補正器14は、電源電圧の変動により最適電流位相も変動することを考慮して、できるだけ最適電流位相に近いマップ電流位相を出力する。
また、速度補正器14を加えた電流位相マップ6がフィードフォワードの役割りを担うことで、電源電圧の変動にも耐えうる電流位相の高応答を可能にし、さらに、位相補正器8'が電流位相の微調整を行う。この結果、常に最適な電流位相でモータが動作するように電流位相制御を行うことができる。
換言すれば、フィードフォワードによる、電源電圧変動時の電流位相進みに関する応答性の改善を達成することができ、しかも、位相補正器8'と組み合わせることにより、最適電流位相への確実、かつ迅速な収束を達成することができる。
図10は電流位相補正動作を説明する概略図である。なお、(A)は弱め磁束制御開始前後のマップ電流位相の変動の一例を示し、(B)は弱め磁束制御開始後のマップ電流位相の変動の一例を示し、(C)は弱め磁束制御開始後の位相補正量の変動の一例を示し、(D)は弱め磁束制御開始後の電流位相指令(マップ電流位相+位相補正量)の変動の一例を示している。
図10から分かるように、マップ電流位相は最適電流位相とずれている。しかし、位相補正量をマップ電流位相に加算することによって、電流位相指令を最適電流位相にすることができる。
そして、この場合には、検出速度を電源電圧の変動に応じて補正してマップ電流位相を電流位相マップ6から読み出すので、検出速度を補正することなく読み出したマップ電流位相よりも最適電流位相との差が小さくなり、高応答が要求される場合であっても、制御の不安定さ(最悪の場合、脱調停止)をもたらすことなく、弱め磁束制御を行うことができる。
この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一実施形態を示す概略図である。 図1の電流位相マップ部、弱め磁束判定部、位相補正制御器、位相補正方向判定部、および加算器の他の構成例を示すブロック図である。 モータ出力エリアと動作点の変化を説明する図である。 図3のB点において電流位相が遅れすぎの場合の出力電圧デューティーと電流との関係を示す図である。 図3のB点において電流位相が進みすぎの場合の出力電圧デューティーと電流との関係を示す図である。 この発明のブラシレスDCモータ制御装置の他の実施形態を示す概略図である。 図6のブラシレスDCモータ制御装置の主要部の一例を説明するための概略図である。 電源電圧が変動した場合のマップ電流位相の変動を説明する概略図である。 補正回転数に基づくマップ電流位相と最適電流位相とのずれを説明する図である。 電流位相補正動作を説明する概略図である。
符号の説明
1 ブラシレスDCモータ 7 弱め磁束判定部
8 位相補正制御器 9 位相補正方向判定部
10 加算部 11 インバータ部
13 電圧検出器 14 速度補正器
8' 位相補正器

Claims (12)

  1. ブラシレスDCモータ(1)をインバータ(11)によって制御するブラシレスDCモータ制御方法であって、
    電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定し、
    位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令に基づいて補正方向を判定し、
    前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする
    ことを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。
  2. 位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令と、出力電圧を飽和させるべく増加させる場合において飽和前に定められた規定値との大小に基づいて補正方向を判定する請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  3. 位相補正が不要であると判定されるまで位相補正値の増減を行わせ、前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  4. 飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後にヒステリシスを持たせた値を採用する請求項2に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  5. 飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後に設けた不感帯領域を採用する請求項2に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  6. ブラシレスDCモータ(1)をインバータ(11)によって制御するブラシレスDCモータ制御装置であって、
    電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定する要否判定手段(7)と、
    位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令に基づいて補正方向を判定する補正方向判定手段(9)と、
    前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とする電流位相指令生成手段(10)と
    を含むことを特徴とするブラシレスDCモータ制御装置。
  7. 前記補正方向判定手段(9)は、位相補正が必要であると判定されたことに応答して、出力電圧指令と、出力電圧を飽和させるべく増加させる場合において飽和前に定められた規定値との大小に基づいて補正方向を判定するものである請求項6に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
  8. 前記電流位相指令生成手段(10)は、位相補正が不要であると判定されるまで位相補正値の増減を行わせ、前記電流位相指令値に対して前記判定された補正方向に所定の位相補正値を加算して電流位相指令とするものである請求項6に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
  9. 補正方向判定手段(9)は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後にヒステリシスを持たせた値を採用するものである請求項7に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
  10. 補正方向判定手段(9)は、飽和前に定められた規定値に代えて、飽和前に定められた規定値の前後に設けた不感帯領域を採用するものである請求項7に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
  11. 速度起電圧を減少させる最適な弱め磁束電流を与える電流位相指令値を、実際の電源電圧とモータ回転数とから得られた補正モータ回転数およびモータ電流から求め、
    求めた電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定する請求項1から請求項5の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  12. 速度起電圧を減少させる最適な弱め磁束電流を与える電流位相指令値を、実際の電源電圧とモータ回転数とから得られた補正モータ回転数およびモータ電流から求める電流位相指令値算出手段(6)(13)(14)をさらに含み、
    前記要否判定手段(7)は、求めた電流位相指令値と速度起電圧を減少させるべく弱め磁束電流を与える弱め磁束制御を開始する弱め磁束制御開始位相とから位相補正の要否を判定するものである請求項6から請求項10の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
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