JP2004180401A - 開閉器制御方法及びそのための開閉器制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開閉器制御方法において、駆動制御装置によって、共通の3相電源に接続された複数の開閉器の3相電流位相におけるゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設けるステップ、前記順番に従って前記開閉器を開放させるステップを実行させること。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル負荷に三相交流電流を供給制御する制御装置であって、三相交流電流位相に応じて開閉器及び遮断器を制御する制御方法及びそのための制御装置において、開閉器及び遮断器における電流遮断時の電極消耗を最小限に抑制し、且つ電極消耗を三相間で均等にするように開閉器の開閉等を行うための制御方法、及びそのための制御装置に関する。特に、磁気浮上式鉄道において、セクション切換のための遮断器の電極損耗を抑制する制御方法、及びそのための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
山梨実験線で採用している従来の3重き電システムを図7に示す。このシステムではA、B、C3系統のインバータ及びき電線を使用し、き電線とセクションはき電区分開閉器を介して接続される。なお、き電線及びセクションは三相3線であり、各セクションの末端で三相各相をY結線した構成になっているが、図7では簡略のため単相で表してある。このように3重系とすることにより、1系統が故障した場合においても推力は低下するが残りの2系統で列車の走行を確保することが可能である。また、列車編成長の2倍以上の長さを持つセクションを、互い違いに配置することにより、推力を一定に保ったまま通電セクションの切替を円滑に行うことができる。図7において、例えば列車が左から右へ進行する揚合、列車がセクションA(n)を進出してセクションB(n)とセクションC(n)の2系で走行している間にA系インバータの出力を停止し、セクションA(n)のき電区分開閉器を開放、セクションA(n+1)の開閉器を投人した後、インバータの運転を再開して列車がセクションA(n+1)に進入する。この際、き電区分開閉器は無電流で開閉する特長を持っている。
【0003】
浮上式鉄道のき電区分開閉器は無電圧かつ無通電の状態で開閉することで開発を進めてきた。最近建設費の低減を目的として、き電区分開閉器に電流開閉機能を持たせることにより、電力変換器やき電線を3組から2組に削減するき電システムの開発を行っている。
【0004】
このシステムにはいくつかの構成が考えられるが、推力を一定に保ったまま通電セクションの切替を円滑に行うためには、開閉器を増やして、かつ一部の開閉器で有電流開閉を行うことが必要となる。以下、この方式を電流開閉2重き電方式という。
【0005】
( 電流開閉2重き電方式 )
電流開閉2重き電方式は、通電したままセクション切替を行うことにより、き電系統を2重系とするものである。このため、この方式は隣接するセクションを直列接続する機構が必要となる。そこで前記直列接続する機構の問題も含めて電流開閉2重き電方式(例えば、特許文献1参照)についてさらに詳細に検討する。
【0006】
列車の左右で系統を分離した電流開閉2重き電方式の基本ブロック構成及び制御方法を図2に示す。
【0007】
図2では、A、B2系統からなり、電源、き電線及び推進コイルもそれぞれ2系統となっている。この2系統に必須の遮断能力を有する各種開閉器は従来の2系統システムのようにき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器として配置されている。
【0008】
具体的には、電力変換所10は電源となるインバータA11及びB12からなり、電力会社送電線から給電される。
【0009】
インバータA11は、き電線Aからき電区分開閉器19を介して推進コイルAに給電し、さらにセクション間短絡開閉器20を介して他のセクションへ給電すると共に、中性点構成開閉器21によって中性点でゼロ電流とするように構成されている。
【0010】
また、インバータBも同様に、き電線Bからき電区分開閉器19を介して推進コイルBに給電し、さらにセクション間短絡開閉器20を介して他のセクションへ給電すると共に、中性点構成開閉器21によって中性点でゼロ電流とするように構成されている。
【0011】
これらの系は、位置検知装置14からのデータに基づいて位相制御装置13及び開閉制御装置16からなる駆動制御装置15で前記インバータのタイミングを制御し、また、き電区分開閉器19、セクション間短絡開閉器20及び中性点構成開閉器21に開閉指令を出力する。
【0012】
図2では左右のセクション境界を進行方向に向かってずらしているが、境界を左右同一としても特性は同じである。
【0013】
図2は三相回路を単相として表した制御システムを表している。図2の2系統の内、1系統を部分的に抜き出して図1に本来の三相回路として示す。
【0014】
図2の内、図1に詳細が例示される部分は、斜線を施したセクション(n)と(n+1)に関し、き電区分開閉器19−(n)SW1(n)と19−(n+1)SW1(n+1)、推進コイルAのセクション(n)のコイルa、b及びcを表すA(n)(a、b、c)とセクション(n+1)のコイルa、b及びcを表すA(n+1)(a、b、c)、セクション間短絡開閉器20−(n→n+1)SW2(n)、中性点構成開閉器21−(n)SW3(n)と21−(n+1)SW3(n+1)とからなる。
【0015】
1つのセクション(n)では、従来方式と同様にき電線A(三相交流a、b、c)と推進コイルA(a、b、c)のセクション(n)又はセクション(n+1)を接続するき電区分開閉器(SW1(n)、SW1(n+1))の他、隣接するセクション(n)とセクション(n+1)同士を接続するセクション間短絡開閉器(SW2(n))と、セクション(n)又はセクション(n+1)の中性点を構成する中性点構成開閉器(SW3(n)、SW3(n+1))が必要となる。
【0016】
この電流開閉2重き電方式におけるセクション切替の流れは、以下のようになる。
【0017】
図2のA系(インバータA→き電線A→推進コイルAの系統)について、列車が左から右へ進行する揚合の制御装置によるセクション切替の流れを図1に基づいて以下▲1▼〜▲4▼に説明する。
【0018】
▲1▼ 推進コイルAのセクション(n)の中に列車が存在する間はき電区分開閉器SW1(n)と中性点構成開閉器SW3(n)を投入し、3重き電方式と同様のセクション構成とする。
【0019】
▲2▼ 列車先頭がセクション(n)とセクション(n+1)の境界にある程度接近した時点でセクション間短絡開閉器SW2(n)を投入し、推進コイルAのセクション(n)とセクション(n+1)を接続する。この時点では電流が流れる回路における中性点がセクション(n)とセクション(n+1)の両方に存在するが、インピーダンスの関係で中性点(n+1)にはほとんど電流が流れない。これは、推進コイルのインピーダンスに対し中性点構成開閉器の接触抵抗等からなる閉成時のインピーダンスが各段に小さいことによる。
【0020】
▲3▼ 列車先頭がセクション(n)とセクション(n+1)の境界にさらに接近した時点で中性点構成開閉器SW3(n)を開放する。このとき中性点構成開閉器SW3(n)は負荷電流を遮断する。電流を遮断後前記中性点構成開閉器SW3(n)を開放した時点で中性点はセクション(n+1)の中性点(n+1)のみとなり、き電線A(a、b、c)からの給電電流は前記き電区分開閉器SWl(n)、推進コイルのコイル(n)(a、b、c)及びコイル(n+1)(a、b、c)を介し、中性点(n+1)にかけて2セクションを直列に通電する。なお、中性点構成開閉器SW3(n)の開放により負荷インヒーダンスが増加するが、駆動制御装置15(図2に示す)によって給電電流が一定となるようにインバータが制御され、磁気浮上式鉄道が所要の推力を得たままセクション境界を通過するように制御される。
【0021】
▲4▼ 列車がセクション(n)とセクション(n+1)の境界を越えて、完全にセクション(n+1)に進入した時点でき電区分開閉器SW1(n+1)を投入する。これにより、前記でき電区分開閉器SWl(n)から推進コイルAのセクション(n)を経てセクション(n+1)に通電する回路の他、き電線から前記き電区分開閉器SWl(n+1)を経て推進コイルAのセクション(n+1)に通電する回路が構成されるが、インピーダンスの関係(前記説明と同趣旨)でほとんどの電流は前記き電区分開閉器SWl(n+1)を経由する。このため、前記き電区分開閉器SWl(n+1)は有電流投入となる。この後、前記き電区分開閉器SWI(n)と前記セクション間短絡開閉器SW2(n)をほぼ無電流で開放し、次列車に備えて中性点構成開閉器SW3(n)を投入して一連のセクション切替は完了となる。
【0022】
この電流開閉2重き電システムの成否を左右する要因として、電流開閉に伴うき電区分開閉器の耐久性・信頼性が問題となる。
【0023】
そこで、電流遮断時の接点損耗が問題となる。この接点損耗は原理的には以下のようになる。
【0024】
(1) 交流電流の遮断時においては、接点が開いても接点間にアークが生じて電流は流れ続け、電流が0になる時点でアークが消滅して電流遮断が完了する。
【0025】
(2) アークが継続している間は接点の陰(−)極側からは電子が飛び出し続けており、これによって陰極側接点が損耗する。陽極側は電子が飛び込むので発熱するが、接点材料の融点以上に温度が上昇しなければ接点の消耗は少ない。(通常はアーク継続時間が短いので、それほど温度は上昇しない。)
(3) アークによる電極接点の損耗は、通電電流とアーク継続時間の積にほぼ比例する。通電電流はリニアモータの推力条件によって決まるので、き電区分制御のために変えることはできない。従って、接点損耗を抑制するためにはアーク継続時間を短くすることが必要となる。
【0026】
(4) アークによる接点の損耗は陰極側で発生するので、交流開閉器の場合には遮断電流の極性をほぼ半々にすることによってもスイッチ全体としての寿命を延伸することができる。
【0027】
【特許文献1】
特開平11−355913号広報
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
これら接点損耗の問題を実用上の観点から評価すると以下の様に理解できる。
【0029】
(1) 商用周波数においては、アーク継続時間が最大でも10ms(電源周波数の半サイクル時間)を越えることはないので、遮断電流が10kAを越えるような大電流の多頻度開閉(そのような例はない)でなければアーク継続時間が問題とはならない。また、遮断電流が数10kAに達する事故電流遮断に対しては、稀にしか発生しないという割り切りから数回遮断でスイッチ部分を交換することにしているが、このような対応でも実用上は問題となっていない。
【0030】
(2) 電源電圧波形とは非同期で負荷電流の開閉を行うことにより、遮断タイミングにおける遮断電流の極性を変更し、遮断電流の極性のバランスをとるとともに、3相間で累積アーク時間のバランスもとる態様となっている。
【0031】
(3) 単層の大電流遮断では、電流位相を検知して開極を行うことによりアーク時間を短くする制御遮断法も一部採用されているが、通電電流の位相が120°ずつずれている3相開閉器には応用できない。
【0032】
さらに、前記接点損耗について、用途を浮上式鉄道とした場合の特有の問題点は以下のようになる。
【0033】
(1) 通電する電流の周波数は車両の速度に比例するために、低速時には低周波電流を遮断する必要がある。現状、15〜20Hz以上の周波数領域で電流遮断を行うことを検討している。このため、50又は60Hzの商用周波数に対して、15〜20Hz以上の周波数ではアーク時間が長くなる。
【0034】
(2) 車両の位置に対応して、リニアモータに通電する電流の位相とき電区分開閉器の開放タイミングを決めているために、常に同じ位相での電流遮断となる可能性が高く、3相の各相の累積アーク時間に極端なばらつきが発生して、三相開閉器としての耐久性が低下する恐れがある。
【0035】
以上述べた接点損耗の間題点について図を用いて詳述する。
【0036】
図6(a)は従来の制御方法を示す図である。従来、浮上式鉄道では、位置検知装置14で検出した列車の位置情報▲1▼を駆動制御装置15内の位相制御装置13に入力する。位相制御装置13は前記位置情報▲1▼に基づいて列車と同期するような位相基準▲2▼を作成し、前記位相基準▲2▼を電源(インバータ)に対して出力する。電源では前記位相基準に従って制御した電流▲4▼を出力する。
【0037】
一方、前記列車の位置情報▲1▼は駆動制御装置15内の開閉制御装置16に入力される。開閉制御装置16では予定された位置に列車が到達すると、開閉器に対して開閉指令▲3▼を出力する。
【0038】
図6(a)に示す従来の制御方法では、電流▲4▼の位相に関わらず開閉器の開閉制御を行うため、開閉器で電流を遮断する場合に必ずしも電極のダメージが最小となるタイミングで開極するわけではない。また、特定の列車位置で開閉することから電流位相と開極のタイミングが常に同じ関係となり、特定の電極にダメージが集中する。この結果、開閉器(特に電極)の保守・交換の頻度が増えることとなる。
【0039】
このように、三相交流の電流位相に応じて開閉器の開閉動作を制御する制御装置(例えば、浮上式鉄道における制御装置)において、従来は開閉器の開閉タイミングが特定の基準(列車位置等)に基づいて出力されるため、開閉器で電流遮断を行う際には特定の電極にダメージが集中する可能性が高かった。
【0040】
本発明の目的は、前記問題点に鑑み、三相交流の電流位相に応じて開閉器の開閉動作を制御する制御装置において、開閉器の開閉タイミングが特定の基準に基づいて出力されるため、開閉器で電流遮断を行う際には特定の電極にダメージが集中することを抑制し、このタイミングを適切に制御することにより特定電極のダメージの低減及び均等化を図る制御方法及びそのための制御装置を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の解決手段を採用する。
【0042】
(1) 開閉器制御方法において、駆動制御装置によって、共通の3相電源に接続された複数の開閉器の3相電流位相におけるゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設けるステップ、前記順番に従って前記複数の開閉器を開放させるステップを実行させることを特徴とする。
【0043】
(2) 上記(1)記載の開閉器制御方法において、前記一定サイクルを1から6までの前記順番の整数倍としたことを特徴とする。
【0044】
(3) 上記(1)又は(2)記載の開閉器制御方法において、駆動制御装置を位相制御装置と開閉制御装置で構成し、位相制御装置によって位置検知装置で検知した列車の位置情報に基づいて列車と同期するような位相基準を作成し、前記位相基準を電力変換器に出力するステップを実行させ、前記開閉制御装置によって列車の前記位相基準に基づいて開閉器に対し開閉指令を出力するステップを実行させることを特徴とする。
【0045】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の開閉器制御方法において、前記開閉器をき電回路におけるき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器の内の任意の開閉器としたことを特徴とする。
【0046】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載の開閉器制御方法において、前記開閉器を真空開閉器としたことを特徴とする。
【0047】
(6) 開閉器制御装置において、共通の3相電源に接続された複数の開閉器と、前記複数の開閉器を開閉操作する駆動制御手段とからなり、前記複数の開閉器の3相電流位相におけるゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設け、前記順番に従って前記複数の開閉器を開放することを特徴とする。
【0048】
(7) 上記(6)記載の開閉器制御装置において、 前記一定サイクルを1から6までの前記順番の整数倍としたことを特徴とする。
【0049】
(8) 上記(6)又は(7)記載の開閉器制御装置において、共通の3相電源に接続された複数の開閉器と、電力変換器と、位相制御装置と開閉制御装置からなる駆動制御装置と、位置検知装置とからなり、前記位相制御装置は位置検知装置で検知した列車の位置情報に基づいて列車と同期するような位相基準を作成し前記位相基準を電力変換器に出力し、前記開閉制御装置は列車の前記位相基準に基づいて開閉器に対し開閉指令を出力することを特徴とする。
【0050】
(9) 上記(6)乃至(8)のいずれか1項記載の開閉器制御装置において、前記開閉器をき電回路におけるき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器の内の任意の開閉器としたことを特徴とする。
【0051】
(10) 上記(6)乃至(9)のいずれか1項記載の開閉器制御装置において、前記開閉器を真空開閉器としたことを特徴とする。
【0052】
基本的には、電流遮断時のアークエネルギーを最小にして、開閉器の接点部分の消耗を抑えることによってき電区分開閉器の耐久性を向上させる方法を提案する。なお、浮上式鉄道のき電区分開閉器の接点には真空スイッチを使用することを前提としているが、提案する方法は半導体開閉器でない有極接点を持つものに対しても同様な効果がある。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0054】
(第1実施例)
図6(b)は本発明の制御方法を示す図である。本発明の制御方法は、駆動制御装置15における位相制御装置13の出力を同じく駆動制御装置15における開閉制御装置16に入力し、3相交流電流において所定間隔毎のゼロ電流位相順に該ゼロ電流位相となる開閉器が開極するタイミングで各相開閉器に同時に開極指令を出力する制御方法に特徴を有する。ここで「開極」とは、電極間の間隔が再発弧しない距離離間した状態をいう。従って「開極指令」はゼロ電流位相で開閉器が前記開極の状態となるようにそのゼロ電流位相より所定位相前に出される。そのときの「所定位相」は、開閉器の開閉動作特性によるが、開極指令を受けてから開閉器の電極が再発弧しない距離離間するまでの時間に相当する位相をいう。
【0055】
前記制御方法では、3相交流電流のa相を基準とした場合、図5(a)に示されている開極タイミング▲2▼で電流ゼロとなる制御方法が最適である。実際には電流ゼロのタイミングで開極することは極めて少なく、アークの発生を伴うことが普通である。アークが最も長く発生する場合を考えると、図5(a)のタイミング▲1▼で電極間が開き始める場合となる。電極間が開き始めるタイミングが▲1▼よりも進むとb相電流が先にゼロ電流になるのでa相電流が基準とならなくなる。結局、b相のゼロ電流位相より進み位相で、且つ、タイミング▲2▼の位相より遅れ位相となる範囲では、図5(a)の▲1▼のタイミングで電極間が開き始める場合、電極が最も長時間アーク電流の影響を受けることになる。
【0056】
そこで、タイミング▲2▼でa相の開閉器が開極するように、そのタイミング▲2▼より所定位相前(以下、「タイミングS」という)に3相の開閉器に同時に開極指令を出す。その結果、例えばa相の開閉器の電極がタイミングSで開き始めると、同時遮断操作態様を採用している都合上、他のb相及びc相の開閉器にもタイミングSで電極間が開いてアークが発生する。その後、タイミング▲2▼でa相電流がゼロ電流になりその状態を保持するため、b相及びc相電流は、反対極性の電流値を取りながら互いに減衰し、タイミング▲3▼でゼロ電流になる。アークの発生時間は、a相の開閉器ではタイミングSからタイミング▲2▼の間となり、b相及びc相の開閉器ではタイミングSからタイミング▲3▼の間となる。以上述べたアーク発生時間は、理論上、三相平衡電流を対象としているが、実際の三相回路においても同様のことが云える。以上の制御方法の特徴点を列記すると以下のようになる。
【0057】
(1) 図5に示すように、上記三相交流開閉器に対する開極指令の態様は、3相の開閉器に発生するアーク時間の合計が最小となる点に特徴がある。即ち、b相とc相の開閉器に発生するアークが同じ開極タイミング▲3▼で消弧(電流ゼロ)する。
【0058】
(2) さらに、図5に示すアークによる損耗等の影響は、アーク継続時間の観点から、a相の開閉器の電極に比べ、b相及びc相の開閉器の電極の方が大きくなる点に特徴がある。
【0059】
(3) また、b相とc相の開閉器の電極のアーク継続時間は略等しいことから、アークによる電極の損耗は、この例の場合、a相の開閉器<b相の開閉器=c相の開閉器となる。このことから、アークによる電極の損耗の平均化の調整は3相の開閉器ではなく実質2相の開閉器で考えれば良いことになる。この結果、開極指令を出す対象の開閉器を最低限a相、b相、c相の開閉器の1巡で平均化できることになる。
【0060】
そこで、アークによる損耗が平均化される観点で三相交流電流の遮断タイミングを見直す。
【0061】
図4は3相交流電流の開極タイミングを示す図である。
【0062】
特に、三相各相の開閉器の電極が、極性も考慮した上で、平均して損耗するように、三相交流電流の開極タイミングを図4に示す6つのタイミングで順番に形成されるように、即ち開閉器への開極指令を前記開極タイミングよりも所定時間前に出力するようにする。第1実施例では、a相基準の場合を説明する。
【0063】
まず、開閉器1基の場合の遮断動作を図8に基づいて説明する。
【0064】
開閉器を真空遮断器とした例を示す。図8(a)の波形は単相電流の波形を表す。また、a点までの太線は開極までに電極に流れた電流を表す。開極以後の電流変化はa点からc点まで破線で示すアーク電流が流れ、c点以降は電流ゼロの遮断状態をとる。
【0065】
具体的には、遮断器に図8(a)のa点のタイミング(0.01秒後:開極指令を印加後、アークが切れて電流ゼロになるまでの時間分だけ前記電流ゼロの時点より前の時間)で遮断指令を出し図8(b)の左図の電極接触状態から開極を始める。その後操作力によって図8(b)の中央図のように電極間が離間するのにつれてアークが発生する。このアークに伴ってアーク電流が図8(a)のa点からc点近傍まで電極間に流れる。その後電極間が絶縁を確保できる距離離間するとアークが消孤する。その点がc点で電流ゼロになる。
【0066】
使用開閉器が真空遮断器の場合、電流ゼロ値の近傍に裁断電流領域が存在する。このため、前記開極指令は前記裁断電流領域を外して出す必要がある。これにより、再発弧サージ電圧の発生を抑制する。
【0067】
以上は単相電流の遮断動作であった。次に、三相電流の遮断について検討する。
【0068】
図5は20Hzの三相交流電流を同時遮断した場合の電流変化を表す。図5(a)は三相電流の時間変化を示す。図5(b)は三相電流の位相角変化を示す。図5(a)と図5(b)は横軸が整合されているので、時間と位相角の相関が分かる。
【0069】
a相電流を基準にすると、a相電流を流す開閉器に対しタイミング▲1▼で電極間が開き始めるように開極指令を出すと、a開閉器の電極離間距離が増大する間a相にアーク電流が流れ、アーク放電後タイミング▲2▼でアーク電流を遮断し電流ゼロとなり、その後ゼロ電流を保持する。他のb相及びc相のアーク電流は、電極離間距離が増大する間流れ続け、a相電流がゼロ電流になるタイミング▲2▼の点からそれまでの特性曲線とは異なり、逆極性の略同じ値を取りながら減少を続け、タイミング▲2▼の点から90度の位相差となるタイミング▲3▼の点で同時に電流ゼロとなり、その後電流ゼロの遮断状態を保持する。
【0070】
以上の三相交流電流の遮断動作は、特定の相を基準としてみたものであるが、これでは特定の相がいつも電流を遮断するという問題点の解決にはならない。
【0071】
そこで、三相交流電流の連続波形についてみてみる。
【0072】
図4に示すように、位相角0度から始まるa相出力信号を基準とする。
【0073】
時間と位相の関係は図5の(a)と(b)の関係になるので、図4に示すように、最短開極タイミング(電流ゼロの点)は▲1▼の点(位相差180度)となる。
【0074】
次の電流ゼロとなる開極タイミングは▲2▼の点(位相差240度)となる。このときは、c相遮断器に位相240度より0.015秒前に遮断指令を出した場合に該当する。
【0075】
次の電流ゼロとなる開極タイミングは▲3▼の点(位相差300度)となる。このときは、b相遮断器に位相300度より0.015秒前に遮断指令を出した場合に該当する。
【0076】
次の電流ゼロとなる開極タイミングは▲4▼の点(位相差360度)となる。このときは、a相遮断器に位相360度より0.015秒前に遮断指令を出した場合に該当する。
【0077】
次の電流ゼロとなる開極タイミングは▲5▼の点(位相差420度)となる。このときは、c相遮断器に位相420度より0.015秒前に遮断指令を出した場合に該当する。
【0078】
次の電流ゼロとなる開極タイミングは▲6▼の点(位相差480度)となる。このときは、b相遮断器に位相480度より0.015秒前に遮断指令を出した場合に該当する。
【0079】
以上、電流ゼロとなる開極タイミングは▲1▼〜▲6▼の6点を示したが、これに制限されることはなく、理論上電流ゼロの点であればさらに続けて採用することが可能である。但し、現実的には、0.5サイクルから1.5サイクルの間の開極タイミングが採用される。
【0080】
以上はa相、b相、c相の内の1相に着目した表現となっているが、全ての相に着目すると以下のようになる。
【0081】
【表1】
【0082】
表1から、遮断相の電流が開極タイミングで電流ゼロになった後、遅れ相が遅れ位相分遅れて電流が切れる。このため遮断相よりも遅れ相が遅れ位相分余計にアークが発生することになる。
【0083】
このため、遅れ相の真空遮断器の電極は遮断相の真空遮断器の電極よりアークによる電極表面の損耗が大きい。
【0084】
そこで、▲1▼〜▲3▼と▲4▼〜▲6▼の遅れ位相の合計に着目すると、いずれも2(a+b+c)となり、a、b、cの損耗が平均化されていることがわかる。
【0085】
以上から、図4に示されるように、各相の遮断器への遮断指令を、特定の相を基準とした場合、前記特定の相の半サイクル後の電流ゼロ点を順番▲1▼とし、その後の各相の電流ゼロ点に順次連番を付与しておき、各相の遮断器への遮断指令を前記順番に従って出力する。
【0086】
電極損耗防止のための遮断指令のセットの最小単位は、▲1▼〜▲3▼、▲4▼〜▲6▼、▲1▼▲3▼▲5▼、▲2▼▲4▼▲6▼となる。
【0087】
なお、開閉器に対して開極指令を出力する際には、指令を伝送する時間や開閉器が指令を受信してから実際に開極するまでの時間を補正できるようにする。
【0088】
(浮上式鉄道の列車駆動システムについて)
次に、前記開閉器を適用する図2の浮上式鉄道について説明する。
【0089】
電力会社送電線から三相電力が給電されるインバータA11、インバータB12は、それぞれ電力変換を行って、き電線A及びき電線B、更にき電区分開閉器19を介して推進コイルA及び推進コイルBに電力を供給する。各インバータA11、B12の出力は3相電力なので、き電線A及びき電線Bや推進コイルA及びBも3相電力が給電される。図2では、3相電力を単相で表してある。
【0090】
列車駆動システムは、車両の位置を位置検出装置14によって検出する。駆動制御装置15内の位相制御装置13は位置検出信号に基づいて、電力変換所10の各インバータに波高値指令、電流位相指令、位相基準を出力し、また、き電区分開閉器に開閉指令を出力する。
【0091】
図2の列車駆動システムをインバータAに限定し、各開閉器の開閉動作を図1に詳細に説明する。
【0092】
図1では、電力変換所のインバータAがき電線Aa、き電線Ab、き電線Acに給電する。
【0093】
各き電線Aa、き電線Ab及びき電線Acはそれぞれき電区分開閉器SW1(n)及びSW1(n+1)を介して推進コイルAのコイル(n)a、コイル(n)b、コイル(n)c、コイル(n+1)a、コイル(n+1)b、コイル(n+1)cに接続される。
【0094】
コイルAの系列の各コイル(n)とコイル(n+1)とはコイルa、コイルb及びコイルc毎に直列接続される。コイルBの系列の各コイル(n)とコイル(n+1)とも同様に直列接続される。
【0095】
き電区分開閉器SW1(n)、SW1(n+1)は、き電線と推進コイルにおける各コイルとの間、例えば、き電線A−aとコイルA−aの一方端の間に設ける。各コイルa、コイルb及びコイルcの他方端には、一端中性点でY接続した各中性点構成開閉器SW3(n)、SW3(n+1)の他方端を接続する。
【0096】
前記各中性点構成開閉器SW3(n)、SW3(n+1)の他方端と次のセクションのき電区分開閉器の接続点との間に、セクション間短絡開閉器SW2(n)、SW2(n+1)を設ける。
【0097】
(通電セクション切替の流れ)
以下、図1において、列車が左から右に走行する場合について説明する。
【0098】
初期状態として、セクション(n)とセクション(n+1)のき電区分開閉器SW1(n)、SW1(n+1)を開放、セクション(n)とセクション(n+1)の各中性点構成開閉器SW3(n)を投入、セクション(n)のセクション間短絡開閉器SW2(n)を開放、としておく。
【0099】
この初期状態から、車両がセクション(n)に進入し、セクション(n+1)へ抜ける動作に応じて、▲1▼〜▲4▼の給電を行う。
【0100】
▲1▼ 推進コイルAのセクション(n)に列車が完全に進入した時点で、セクション(n)のき電区分開閉器SW1(n)を投入すると、給電回路は以下のように形成される。
【0101】
インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n) → 中性点(n)。
【0102】
▲2▼ 列車先頭がセクション(n)とセクション(n+1)の境界にある程度接近した時点で、セクション(n)のセクション間短絡開閉器SW2(n)を投入すると、前記▲1▼に示す給電回路とともに、以下のような給電回路が形成される。
【0103】
インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)。
【0104】
ここで、セクション(n+1)の各コイルa、b及びcのインピーダンスに比べてセクション(n)の中性点構成開閉器SW3(n)のインピーダンスが小さいので、供給電流は主に中性点構成開閉器SW3(n)に流れる。従って、給電回路は、主に前記▲1▼と同様になる。
【0105】
▲3▼ 列車先頭がセクション(n)とセクション(n+1)の境界にさらに接近した時点で、セクション(n)の中性点構成開閉器SW3(n)を開放すると、給電回路は以下のように形成される。
【0106】
インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)。
【0107】
▲4▼ 列車が、セクション(n)とセクション(n+1)の境界を越えて、完全にセクション(n+1)に進入した時点で、き電区分開閉器SW1(n+1)を投入すると、給電回路は以下(1)(2)のようになる。
【0108】
(1)インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) →中性点(n+1)。
【0109】
(2)インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n+1) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 各中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)。
【0110】
この後、前記き電区分開閉器SW1(n)と前記セクション間短絡開閉器SW2(n)をほぼ無電流で開閉し、次の列車に備えて中性点構成開閉器SW3(n)を投入して一連のセクション切替が完了する。
【0111】
以上は図1において、列車が左から右に走行する場合について説明した。これとは逆に「列車が右から左に走行する場合」の通電セクション切替の流れを説明する。
【0112】
初期状態として、列車はセクション(n+1)に存在する。
【0113】
き電区分開閉器SW1(n+1)と中性点構成開閉器SW3(n+1)のみが投入され、その他の開閉器は開放されている。この初期状態から車両がセクション(n+1)に進入し、セクション(n)へ抜ける動作に応じて、▲1▼〜▲4▼の給電を行う。
【0114】
▲1▼ 推進コイルAのセクション(n+1)に列車が完全に進入した時点でセクション(n+1)のき電区分開閉器SW1(n+1)を投入すると、給電回路は以下のように形成される。
【0115】
インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n+1) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)。
【0116】
▲2▼ 列車先頭がセクション(n+1)とセクション(n)の境界に接近した時点でセクション(n)のき電区分開閉器SW1(n)とセクション間短絡開閉器SW2(n)を投入する。この時点で、給電回路は、
(1) インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n+1) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)(▲1▼の給電回路)と、
(2) インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc→ 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)と形成されるが、インピーダンスの大小関係で電流はほとんど前記(1)の回路に流れる。
【0117】
▲3▼ さらに列車先頭がセクション(n+1)とセクション(n)の境界に接近した時点で、き電区分開閉器SW1(n+1)を開放する(負荷電流遮断)。この結果、電流は下記の回路に流れる。
【0118】
インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)。
【0119】
▲4▼ 列車がセクション(n+1)とセクション(n)の境界を越えて、完全にセクション(n)に進入した時点で、中性点構成開閉器SW3(n)を投入する。この結果、給電回路は、
(1)インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n) → 中性点(n)と、
(2)インバータA → き電線Aa、Ab及びAc → き電区分開閉器SW1(n) → セクション(n)のコイルa、b及びc → セクション間短絡開閉器SW2(n) → セクション(n+1)のコイルa、b及びc → 中性点構成開閉器SW3(n+1) → 中性点(n+1)の2つの回路となるが、インピーダンスの関係で電流はほとんど前記(1)に流れる。
【0120】
この後、セクション間短絡開閉器SW2(n)と中性点構成開閉器SW3(n+1)をほぼ無電流状態で開放し、一連の流れは終了となる。
【0121】
以上説明した▲1▼〜▲4▼の給電制御を車両の進行に伴って順次行う。
【0122】
このとき、各開閉器の動作タイミングは図3に示すようになる。列車が左から右に走行する場合について説明する。
【0123】
図3では、スイッチSWnは、セクション(n−1)のセクション間短絡開閉器▲2▼と中性点構成開閉器▲3▼及びセクション(n)のき電区分開閉器▲1▼を代表し、
スイッチSWn+1は、セクション(n)のセクション間短絡開閉器▲2▼と中性点構成開閉器▲3▼及びセクション(n+1)のき電区分開閉器▲1▼を代表し、
スイッチSWn+2は、セクション(n+1)のセクション間短絡開閉器▲2▼’と中性点構成開閉器▲3▼’及びセクション(n+2)のき電区分開閉器▲1▼’を代表する。
【0124】
この例では、図3に示す各開閉器は図1の開閉器に以下のように対応する。
【0125】
図3のき電区分開閉器▲1▼→図1のき電区分開閉器SW1(n)、
図3のセクション間短絡開閉器▲2▼→図1のセクション間短絡開閉器SW2(n)、
図3の中性点構成開閉器▲3▼→図1の中性点構成開閉器SW3(n)、
図3のき電区分開閉器▲1▼’→図1のき電区分開閉器SW1(n+1)、
図3のセクション間短絡開閉器▲2▼’→図1のセクション間短絡開閉器SW2(n+1)、
図3の中性点構成開閉器▲3▼’→図1の中性点構成開閉器SW3(n+1)。
【0126】
また、タイミング説明図における▲1▼〜▲3▼及び▲1▼’〜▲3▼’は前記各開閉器を意味する。
【0127】
駆動制御装置15(図2に示す)は以下のように各開閉器の動作タイミングを制御する。列車は図3で左から右に進行する。タイミングは図中a〜lに示すように設ける。ここで、有電流開放はアーク発生により接点の消耗を伴う。
【0128】
(タイミングa): 列車がセクション(n−1)とセクション(n)の境界に接近したときスイッチSWnのセクション(n−1)のセクション間短絡開閉器▲2▼に入〔無電流投入〕指令を出す。
【0129】
(タイミングb): 前記セクション間短絡開閉器▲2▼からの前記入指令に対する入アンサ(応答)を受信したときスイッチSWnの中性点構成開閉器▲3▼に切〔有電流開放〕指令を出す。
【0130】
(タイミングc): 前記中性点構成開閉器▲3▼からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信後、列車が完全に次セクション(n)に進入したときスイッチSWnのき電区分開閉器▲1▼に入(投入)〔無電流投入〕指令を出す。
【0131】
(タイミングd): 前記き電区分開閉器▲1▼からの前記入指令に対する入アンサ(応答)を受信したとき、(図示しない)スイッチSWn−1のき電区分開閉器▲1▼に切(開放)指令を出す。
【0132】
(タイミングe): 前記(図示しない)スイッチSWn−1のき電区分開閉器▲1▼からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信したとき、スイッチSWnのセクション間短絡開閉器▲2▼に切(開放)〔無電流開放〕指令を出す。
【0133】
(タイミングf): 前記セクション間短絡開閉器▲2▼からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信したとき中性点構成開閉器▲3▼に入(投入)〔無電流投入〕指令を出す。
【0134】
(タイミングg): 列車がセクション(n)とセクション(n+1)の境界に接近したとき、スイッチSWn+1のセクション間短絡開閉器▲2▼’に入(投入)指令を出す。
【0135】
(タイミングh): 前記セクション間短絡開閉器▲2▼’からの前記入指令に対する入アンサ(応答)を受信したとき、中性点構成開閉器▲3▼’に切(開放)指令を出す。
【0136】
(タイミングi): 前記中性点構成開閉器▲3▼’からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信後、列車が完全に次セクション(n+1)に進入したときき電区分開閉器▲1▼’に入(投入)指令を出す。
【0137】
(タイミングj): 前記き電区分開閉器▲1▼’の入アンサ(応答)を受信したとき、スイッチSWnのき電区分開閉器▲1▼に切(開放)〔ほぼ無電流開放〕指令を出す。
【0138】
(タイミングk): 前記き電区分開閉器▲1▼からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信したとき、セクション間短絡開閉器▲2▼’ に切(開放)指令を出す。
【0139】
(タイミングl): 前記セクション間短絡開閉器▲2▼’ からの前記切指令に対する切アンサ(応答)を受信したとき、中性点構成開閉器▲3▼’に入(投入)指令を出す。
【0140】
以降、以上の動作タイミングで連続して行う。
【0141】
以上説明したき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器、特に中性点構成開閉器は、遮断能力を有し、電流が流れている状態で遮断操作される。このため、電極のアークによる損耗を抑制するために、前記のように、各相の遮断器への遮断指令を、特定の相を基準とした場合、前記特定の相の半サイクル後の電流ゼロ点を順番▲1▼とし、その後の各相の電流ゼロ点に順次連番を付与しておき、各相の遮断器への遮断指令を前記順番に従って出力するように制御する。
【0142】
以上の例では、本発明は、三相交流電流の遮断指令を、相順に6相単位で連続発生するようにしたので、電極損耗の低減及び均等化によるメンテナンス周期の延伸を可能にする。特に、三相交流電流の遮断指令を、強制的に相順に6相単位で連続発生するので、低周波のため、アークの発生時間が長引き、電極の荒れがひどくなっても、強制的に相順を変えるので、商用周波数より低い周波数で電流遮断を行う場合に有効である。なお、三相交流電流の遮断指令を図4において、▲1▼▲3▼▲5▼又は▲2▼▲4▼▲6▼の三相単位でもよい。
【0143】
(他の実施態様)
同一セクション内の真空遮断器における電極の接触面高さを計測し、その計測データに基づいて最も接触面高さの高い(アークによる損耗の最もひどくない)真空遮断器を特定し、次回の遮断指令をその真空遮断器に出力する。
【0144】
前記電極の損耗は、電極を案内支持する軸棒の端部の高さを光学的に検出することにより行う。
【0145】
また、アーク発生時の測定電流には、アーク分の影響を受けて高調波が検出される。この高調波電流信号をハイパスフィルタを介して検出し、特定の相を基準として三相同時遮断信号を指令し、一番最後までアークに基づく高調波電流信号を発生している相を除き、その前の相を次回の電流遮断指令の基準とする。
【0146】
これによれば、アークを実際に発生している相を除く他の2相(アークによる損耗が少ないものと設定する。)の内の一方を選んで次回の遮断時のアークによる接点損耗を少なくする。
【0147】
【発明の効果】
本発明は、三相交流電流のゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設け、三相交流電流の遮断指令を、前記順番に従って連続発生することにより、電極損耗の低減及び均等化によるメンテナンス周期の延伸を可能にする。特に、商用周波数より低い周波数で電流遮断を行う場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気浮上式鉄道におけるセクション構成図である。
【図2】磁気浮上式鉄道におけるセクション配置を列車の左右で系統を分離した電流開閉2重き電方式の構成図である。
【図3】図1における各開閉器の動作タイミングを説明する図である。
【図4】三相交流電流の開極タイミングを示す図である。
【図5】三相交流電流の遮断タイミングを示す図である。
【図6】従来と本発明の制御方法を示す図である。
【図7】従来の3重き電システムを示す。
【図8】開閉器1基の場合の遮断動作を示す。
【符号の説明】
10 電力変換所
11 インバータA
12 インバータB
13 位相制御装置
14 位置検知装置
15 駆動制御装置
16 開閉制御装置
19、19−(n)〜19−(n+2) き電区分開閉器
SW1(n) セクション(n)のき電区分開閉器
SW1(n+1) セクション(n+1)のき電区分開閉器
20、20−(n→n+1)SW2(n) セクション間短絡開閉器
SW2(n) セクション(n)とセクション(n+1)を短絡するセクション間短絡開閉器
SW2(n+1) セクション(n+1)とセクション(n+2)を短絡するセクション間短絡開閉器
21 中性点構成開閉器
21−(n)SW3(n) セクション(n)の中性点構成開閉器
21−(n+1)SW3(n+1) セクション(n+1)の中性点構成開閉器
A(n)(a、b、c) コイルAにおけるセクション(n)のコイル(n)a、コイル(n)b、コイル(n)c
A(n+1)(a、b、c) コイルAにおけるセクション(n+1)のコイル(n+1)a、コイル(n+1)b、コイル(n+1)c
Claims (10)
- 駆動制御装置によって、共通の3相電源に接続された複数の開閉器の3相電流位相におけるゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設けるステップ、前記順番に従って前記複数の開閉器を開放させるステップを実行させることを特徴とする開閉器制御方法。
- 前記一定サイクルを1から6までの前記順番の整数倍としたことを特徴とする請求項1記載の開閉器制御方法。
- 駆動制御装置を位相制御装置と開閉制御装置で構成し、前記位相制御装置によって位置検知装置で検知した列車の位置情報に基づいて列車と同期するような位相基準を作成し、前記位相基準を電力変換器に出力するステップを実行させ、前記開閉制御装置によって列車の前記位相基準に基づいて開閉器に対し開閉指令を出力するステップを実行させることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉器制御方法。
- 前記開閉器をき電回路におけるき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器の内の任意の開閉器としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の開閉器制御方法。
- 前記開閉器を真空開閉器としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の開閉器制御方法。
- 共通の3相電源に接続された複数の開閉器と、前記複数の開閉器を開閉操作する駆動制御手段とからなり、前記複数の開閉器の3相電流位相におけるゼロ電流位相について位相順に一定サイクルに亘って順番を設け、前記順番に従って前記複数の開閉器を開放することを特徴とする開閉器制御装置。
- 前記一定サイクルを1から6までの前記順番の整数倍としたことを特徴とする請求項6記載の開閉器制御装置。
- 共通の3相電源に接続された複数の開閉器と、電力変換器と、位相制御装置と開閉制御装置からなる駆動制御装置と、位置検知装置とからなり、前記位相制御装置は前記位置検知装置で検知した列車の位置情報に基づいて列車と同期するような位相基準を作成し、前記位相基準を電力変換器に出力し、前記開閉制御装置は列車の前記位相基準に基づいて開閉器に対し開閉指令を出力することを特徴とする請求項6又は7記載の開閉器制御装置。
- 前記開閉器をき電回路におけるき電区分開閉器、中性点構成開閉器及びセクション間短絡開閉器の内の任意の開閉器としたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の開閉器制御装置。
- 前記開閉器を真空開閉器としたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の開閉器制御装置。
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