JP2023125090A - 無停電電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】商用電力系統の異常時における補償動作を行い、かつ、補償動作時における補償対象負荷の電圧品質の低下を防止する電力システムを提供する。【解決手段】常時商用給電方式の無停電電源システム100であって、分散型電源1よりも商用電力系統10側に設けられ、電力線L1を開閉する機械式スイッチ2と、機械式スイッチに並列接続された転流回路3に設けられた半導体スイッチ31と、機械式スイッチよりも商用電力系統側の電圧異常を検出する系統異常検出部5と、電圧異常が検出されると、機械式スイッチに対して開放指令を出力するとともに、半導体スイッチに対してオン指令を出力する開閉制御部6と、開放指令の出力後、機械式スイッチが開放動作を開始した開放タイミングを検出する開放開始検出部7と、開放開始検出部が検出した開放タイミングに基づいて、分散型電源から補償対象負荷への電力の供給を開始させる分散型電源制御部8と,を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、常時商用給電方式の無停電電源システムに関するものである。
常時商用給電方式の無停電電源システムは、特許文献1に示すように、商用電力系統から補償対象負荷への給電を遮断する遮断器と、遮断器よりも補償対象負荷側に接続された蓄電池等の分散型電源とを備えている。
この無停電電源システムは、商用電力系統の正常時には、遮断器を介して商用電力系統から補償対象負荷に給電するとともに分散型電源を系統連系運転させる。一方、商用電力系統の異常時には、遮断器を開放して商用電力系統から補償対象負荷への給電を遮断すると同時に、分散型電源の運転モードを電流制御から電圧制御に切り替えて自立運転させる。これにより、商用電力系統の異常時でも補償対象負荷に無停電で確実に電力を供給することができる。
しかしながら、上記した無停電電源システムは、遮断器としてIGBT等の半導体スイッチのみを用いるため、高速な開閉切替動作が可能となる一方で、素子のオン抵抗に起因する通電損失が小さくない。
そこで近年では、遮断器として機械式スイッチを使用することで、通電損失が少ない無停電電源システムを構築することが考えられている。しかしながら、遮断器として機械式スイッチを使用する場合、接点の荒れ具合やグリスの劣化具合等に起因して、開放指令を出力してから実際に開放動作を開始するまでの時間にバラツキが生じる。そのため遮断器として機械式スイッチを用いる場合、開放動作の開始までの時間のバラツキを考慮して、機械式スイッチに対して開放指令を出力してから十分な時間(機械式スイッチが確実に開放されたと思われる時間)が経過した後に分散型電源による補償対象負荷への電力の供給を行う必要があり、補償対象負荷の健全電圧への復帰に遅れが生じてしまうという懸念がある。また逆に、機械式スイッチに対して開放指令を出力後、機械式スイッチが完全に開放する前に分散型電源による電力の供給を開始すると、分散型電源から商用電力系統側に短絡電流を流してしまい、機械式スイッチの接点を破損させてしまう。また、補償対象負荷に対して過電圧を印加してしまう、という問題がある。
本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、商用電力系統の異常時における補償動作を行うことができ、かつ補償動作時に補償対象負荷の電圧品質の低下を防止できる電力システムを提供することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る無停電電源システムは、商用電力系統の正常時に当該商用電力系統から補償対象負荷に給電し、前記商用電力系統の異常時に前記商用電力系統から前記補償対象負荷への給電を遮断するとともに、前記商用電力系統から前記補償対象負荷に給電するための電力線に接続された分散型電源から前記補償対象負荷に給電する常時商用給電方式のものであって、前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられ、前記電力線を開閉する機械式スイッチと、前記機械式スイッチに並列接続された転流回路に設けられた半導体スイッチと、前記機械式スイッチよりも前記商用電力系統側の電圧異常を検出する系統異常検出部と、前記電圧異常が検出されると、前記機械式スイッチに対して開放指令を出力するとともに、前記半導体スイッチに対してオン指令を出力する開閉制御部と、前記開放指令の出力後、前記機械式スイッチが開放動作を開始した開放タイミングを検出する開放開始検出部と、前記開放開始検出部が検出した前記開放タイミングに基づいて、前記分散型電源から前記補償対象負荷への電力の供給を開始させる分散型電源制御部とを備えることを特徴とする。
このような無停電電源システムであれば、商用電力系統の異常が検出された場合には、機械式スイッチを開放するとともに分散型電源から補償対象負荷への電力の供給を開始するので、系統異常時にも補償対象負荷に電力を供給することができる。ここで、機械式スイッチに対して開放指令を出力した後、機械式スイッチが開放動作を実際に開始したタイミングを検出するようにしているので、機械式スイッチの開放タイミングにバラツキがあっても、分散型電源から補償対象負荷への電力の供給を、過度に遅らせることも早めることもなく適切なタイミングで開始させることができ、補償対象負荷の電圧品質の低下を防止できる。これにより、商用電力系統の異常時における補償動作を行うことができ、かつ補償動作時における補償対象負荷の電圧品質の低下を防止できる電力システムを提供することができる。
しかも、機械式スイッチに対して半導体スイッチを並列接続したハイブリッドスイッチを遮断器として用いているので、常時における通電損失を抑えつつも、異常時には半導体スイッチを用いた転流遮断により、商用電力系統と補償対象負荷とを高速に遮断することができる。
しかも、機械式スイッチに対して半導体スイッチを並列接続したハイブリッドスイッチを遮断器として用いているので、常時における通電損失を抑えつつも、異常時には半導体スイッチを用いた転流遮断により、商用電力系統と補償対象負荷とを高速に遮断することができる。
前記分散型電源制御部の具体的態様として、前記開放タイミングが検出されてから、前記機械式スイッチの開極特性に応じて整定された所定の第1遅延時間の経過後に前記補償対象負荷への前記分散型電源の出力を開始するように構成されているのが好ましい。
この第1遅延時間とは開極特性により決められる値であり、機械式スイッチが開放開始後、その極間電圧が回路の定格電圧より定まる最大極間電圧Vpに達するまでの時間である。例えば、回路の定格電圧が6.6kVの場合最大極間電圧Vpは、5.93kV(=6.6kV×√2/√3×1.1倍)になる。
この第1遅延時間とは開極特性により決められる値であり、機械式スイッチが開放開始後、その極間電圧が回路の定格電圧より定まる最大極間電圧Vpに達するまでの時間である。例えば、回路の定格電圧が6.6kVの場合最大極間電圧Vpは、5.93kV(=6.6kV×√2/√3×1.1倍)になる。
また前記無停電電源システムは、前記分散型電源制御部が、前記開放タイミングが検出されてから前記第1遅延時間の経過時、又は前記電圧異常が検出されてから、前記第1遅延時間よりも長い所定の第2遅延時間の経過時、のいずれか早い時点で前記分散型電源から前記補償対象負荷への電力の供給を開始させるように構成されているのが好ましい。
このようにすれば、例えば、機械式スイッチの開放時に転流回路に流れる電流(転流電流)が非常に小さく、または転流電流が流れず、開放開始検出部により開放タイミングが検出できない場合であっても、系統側の電圧異常が検出されてから所定時間経過後に分散型電源から補償対象負荷への電力の供給を開始することができ、補償動作を確実に行うことができる。
このようにすれば、例えば、機械式スイッチの開放時に転流回路に流れる電流(転流電流)が非常に小さく、または転流電流が流れず、開放開始検出部により開放タイミングが検出できない場合であっても、系統側の電圧異常が検出されてから所定時間経過後に分散型電源から補償対象負荷への電力の供給を開始することができ、補償動作を確実に行うことができる。
また前記開放開始検出部の具体的態様としては、前記転流回路を流れる電流値に基づいて前記開放タイミングを検出するものや、前記機械式スイッチの極間電圧値に基づいて前記開放タイミングを検出するものが挙げられる。
このように構成した本発明によれば、商用電力系統の異常時における補償動作を行うことができ、かつ補償動作時における補償対象負荷の電圧品質の低下を防止できる電力システムを提供することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る無停電電源システム100について、図面を参照して説明する。
<無停電電源システム100の構成>
本実施形態の無停電電源システム100は、図1に示すように、商用電力系統10と補償対象負荷30との間に設けられた常時商用給電方式のものである。この無停電電源システム100は、商用電力系統10の正常時に商用電力系統10から補償対象負荷30に給電し、商用電力系統10の系統短絡事故(二相短絡事故や三相短絡事故)等により生じる電圧異常時に商用電力系統10から補償対象負荷30への給電を遮断するとともに、分散型電源1から補償対象負荷30に給電する。
本実施形態の無停電電源システム100は、図1に示すように、商用電力系統10と補償対象負荷30との間に設けられた常時商用給電方式のものである。この無停電電源システム100は、商用電力系統10の正常時に商用電力系統10から補償対象負荷30に給電し、商用電力系統10の系統短絡事故(二相短絡事故や三相短絡事故)等により生じる電圧異常時に商用電力系統10から補償対象負荷30への給電を遮断するとともに、分散型電源1から補償対象負荷30に給電する。
具体的に無停電電源システム100は、分散型電源1と、商用電力系統10と分散型電源1及び補償対象負荷30とを接続する開閉スイッチ2と、開閉スイッチ2に並列接続された転流回路3と、商用電力系統10の電圧異常を検出する系統異常検出部5と、開閉スイッチ2及び転流回路3の開閉状態を制御する開閉制御部6と、開放開始検出部7と、分散型電源1による給電を制御する分散型電源制御部8と、を備えている。
分散型電源1は、商用電力系統10から補償対象負荷30に給電するための電力線L1に接続されている。この分散型電源1は、商用電力系統10に連系されるものであり、例えば太陽光発電や燃料電池などの直流発電設備11、二次電池(蓄電池)などの電力貯蔵装置(蓄電デバイス)12、風力発電やマイクロガスタービンなどの交流で出力された電気エネルギーを直流に整流したうえで、電力変換装置を用いて系統連系をされる発電設備(不図示)、又は、同期発電機や誘導発電機等の交流発電設備13等を備えるものである。直流発電設備11及び電力貯蔵装置(蓄電デバイス)12は、図示しない電力変換装置を備えている。
開閉スイッチ2は、電力線L1において分散型電源1の接続点よりも商用電力系統10側に設けられて電力線L1を開閉するものであり、具体的には機械式スイッチ(以下、機械式スイッチ2ともいう)である。この機械式スイッチ2は、開閉制御部6から出力される開閉指令信号に応じて開閉駆動されるように構成されている。
転流回路3は、機械式スイッチ2を開放した際に電流が流れ込ませる(転流させる)ものである。具体的にこの転流回路3は、機械式スイッチ2に対して並列接続された、例えばMOSFET等の半導体スイッチ31を備える。この半導体スイッチ31は、切替時間を2m秒以下にすることができ、ゼロ点関係なく遮断することが可能なものであり、商用電力系統10の正常時は、常時オフ(開放)となっている。半導体スイッチ31は、開閉制御部6から出力されるオン・オフ指令信号に応じてオン・オフ駆動されるように構成されている。またこの半導体スイッチ31は、回路(転流回路3等)の定格電圧より定まる最大極間電圧Vp以上の耐電圧を有するものが選定されている。
系統異常検出部5は、電力線L1における機械式スイッチ2よりも商用電力系統10側の電圧に基づいて、商用電力系統10の電圧異常を検出するものである。具体的にこの系統異常検出部5は、機械式スイッチ2及び転流回路3からなる並列回路よりも商用電力系統10側に計器用変圧器を介して接続されており、電力線L1において機械式スイッチ2よりも商用電力系統10側の電圧を常時検出している。そして系統異常検出部5は、検出した検出電圧と、予め定められた整定値とを比較して、前記検出電圧が整定値以下である場合に、瞬時電圧低下を検出する。また系統異常検出部5は、検出した検出電圧から周波数変動(周波数上昇(OF)、周波数低下(UF))を検出する。なお、この周波数変動は、例えばステップ上昇や、ランプ上昇・下降である。その他、系統異常検出部5は、瞬時電圧低下、周波数変動及び停電に加えて、電圧上昇、位相変動、電圧不平衡、高調波異常又はフリッカの少なくとも1つを検出してもよい。そして系統異常検出部5は、系統異常を検出したことを示す系統異常検出信号を開閉制御部6に出力する。
開閉制御部6は、機械式スイッチ2及び半導体スイッチ31に対して指令信号(開放指令信号、投入指令信号、オンオフ指令信号)を出力し、これらの開閉状態を制御するものである。具体的にこの開閉制御部6は、系統異常検出部5により電圧異常が検出される(瞬時電圧低下が検出される)と、機械式スイッチ2に対して開放指令信号を出力するとともに(同時に)、半導体スイッチ31にオン指令信号を出力するように構成されている。そしてこの開閉制御部6は、機械式スイッチ2に開放指令信号を出力した後、下記の開放開始検出部7により機械式スイッチ2の開放動作の開始が検出されると、その後半導体スイッチ31に対してオフ指令信号を出力するように構成されている。
開放開始検出部7は、開閉制御部6による開放指令の出力後、機械式スイッチ2が開放動作(開極動作)を実際に開始したタイミング(開放タイミング、開放時刻ともいう)を検出するものである。具体的にこの開放開始検出部7は、計器用変流器を介して転流回路3に接続されており、転流回路3を流れる三相分の電流値を常時計測し、当該電流値に基づいて機械式スイッチ2の開放タイミングを検出するように構成されている。そして開放開始検出部7は、機械式スイッチ2の開放タイミングを検出すると、その開放タイミングを示す開放開始検出信号を開閉制御部6と分散型電源制御部8に出力する。
より具体的にこの開放開始検出部7は、検出した三相分の検出電流値と予め定められた整定値とを比較して、三相のいずれかの検出電流値が整定値を超えた場合(|検出電流|≧整定値)に、機械式スイッチ2の開放動作の開始を検出する。すなわち開放開始検出部7は、三相のいずれかの検出電流値が整定値を超えたタイミング(又は時刻)を、機械式スイッチ2が開放動作を開始したタイミング(又は時刻)と見なす。この整定値は、ノイズの影響を受けない程度に十分に小さく設定されているのが好ましい。
分散型電源制御部8は、開放開始検出部7が検出した機械式スイッチ2の開放タイミングに基づいて、分散型電源1による給電を制御するものである。具体的にこの分散型電源制御部8は、機械式スイッチ2の開放タイミングが検出されてから所定の第1遅延時間の経過時に、分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始させる(すなわち、分散型電源1の運電モードを電流制御から電圧制御に切り替える)ように構成されている。この第1遅延時間とは開極特性により決められる値であり、図2に示すように、機械式スイッチ2が開放開始後、その極間電圧が回路(転流回路3等)の定格電圧より定まる最大極間電圧Vpに達するまでの時間である。例えば、回路の定格電圧が6.6kVの場合最大極間電圧Vpは、5.93kV(=6.6kV×√2/√3×1.1倍)になる。
さらに本実施形態の分散型電源制御部8は、系統異常検出部5により商用電力系統10の電圧異常が検出されてから、所定の第2遅延時間の経過時にも、分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始させるように構成されている。具体的にこの分散型電源制御部8は、機械式スイッチ2の開放タイミングが検出されてから所定の第1遅延時間の経過時、又は商用電力系統10の電圧異常が検出されてから所定の第2遅延時間の経過時のいずれか早い時点で、分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始する。この第2遅延時間は、第1遅延時間よりも十分長い時間である。具体的にこの第2遅延時間は、図2に示すように、機械式スイッチ2への開放指令の出力から実際の開放動作開始までの想定される時間(想定開放時間)に、前記した所定の第1遅延時間を加算した時間である。この想定開放時間とは、機械式スイッチ2の開放タイミングにバラツキが生じるため、そのバラツキ時間を見込んだ最大値である。なお図2で示す例では、機械式スイッチ2に開放指令を出力してから想定開放時間の経過時に開放動作が開始している。
<無停電電源システム100の動作>
このように構成した本実施形態の無停電電源システム100は、電力線L1における商用電力系統10側の電圧値や転流回路3を流れる電流値に応じて各機器の運転/停止、開放/投入等を制御することにより、(1)正常時モード、(2)異常時モード、を含む複数の制御モードを取るように構成されている。以下、各制御モードについて説明する。
このように構成した本実施形態の無停電電源システム100は、電力線L1における商用電力系統10側の電圧値や転流回路3を流れる電流値に応じて各機器の運転/停止、開放/投入等を制御することにより、(1)正常時モード、(2)異常時モード、を含む複数の制御モードを取るように構成されている。以下、各制御モードについて説明する。
(1)正常時モード
系統異常検出部5により系統異常が検出されていない場合(すなわち商用電力系統10の正常時)、開閉制御部6は機械式スイッチ2を閉じ、半導体スイッチ31をオフ状態にしている。この場合、商用電力系統10は、機械式スイッチ2を介して分散型電源1及び補償対象負荷30に接続されている。なおこの正常時モードでは、分散型電源1は電力貯蔵装置12の充電動作のみを行っており、補償対象負荷30への電力の供給は行わない。
系統異常検出部5により系統異常が検出されていない場合(すなわち商用電力系統10の正常時)、開閉制御部6は機械式スイッチ2を閉じ、半導体スイッチ31をオフ状態にしている。この場合、商用電力系統10は、機械式スイッチ2を介して分散型電源1及び補償対象負荷30に接続されている。なおこの正常時モードでは、分散型電源1は電力貯蔵装置12の充電動作のみを行っており、補償対象負荷30への電力の供給は行わない。
(2)異常時モード
異常時モードにおける動作を図2を参照して説明する。
商用電力系統10で短絡事故等が生じ、系統異常検出部5により瞬時電圧低下等の系統異常が検出されると、開閉制御部6は機械式スイッチ2に対して開放指令を出力すると同時に、半導体スイッチ31にオン指令を出力する。機械式スイッチ2は、開放指令を受けてから実際に開放動作を開始するまでに遅延があり、またその遅延時間にバラツキがあるが、半導体スイッチ31は、オン指令を受けると高速に且つバラつきなくオン状態となる。半導体スイッチ31がオンの状態で機械式スイッチ2が開放動作を開始すると、発生するアークが転流回路3に転流される。
異常時モードにおける動作を図2を参照して説明する。
商用電力系統10で短絡事故等が生じ、系統異常検出部5により瞬時電圧低下等の系統異常が検出されると、開閉制御部6は機械式スイッチ2に対して開放指令を出力すると同時に、半導体スイッチ31にオン指令を出力する。機械式スイッチ2は、開放指令を受けてから実際に開放動作を開始するまでに遅延があり、またその遅延時間にバラツキがあるが、半導体スイッチ31は、オン指令を受けると高速に且つバラつきなくオン状態となる。半導体スイッチ31がオンの状態で機械式スイッチ2が開放動作を開始すると、発生するアークが転流回路3に転流される。
転流回路3の電流値が所定の整定値を越えて、開放開始検出部7により機械式スイッチ2の開放タイミングが検出されると、開放開始検出信号が分散型電源制御部8に出力される。分散型電源制御部8は、開放タイミングから第1遅延時間経過後に分散型電源1に出力信号を送信し、分散型電源1は自立運転により補償対象負荷30への電力の供給を開始させる。
また開放開始検出部7により機械式スイッチ2の開放タイミングが検出されると、開放開始検出信号が開閉制御部6に出力される。開閉制御部6は、検出された機械式スイッチ2の開放タイミングに基づいて、半導体スイッチ31にオフ指令を出力する。具体的には、開閉制御部6は、検出された機械式スイッチ2の開放タイミングから第1遅延時間の経過時に半導体スイッチ31にオフ指令を出力する。つまり、分散型電源制御部8による分散型電源1への出力信号の出力と同時に、半導体スイッチ31にオフ指令が出力される。オフ指令を受けた半導体スイッチ31は高速に且つバラツキなくオフ状態となり、これにより商用電力系統10と補償対象負荷30とが完全に遮断される。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の無停電電源システム100によれば、商用電力系統10の異常が検出された場合には、機械式スイッチ2を開放するとともに分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始するので、系統異常時にも補償対象負荷に電力を供給することができる。ここで、機械式スイッチ2に対して開放指令を出力した後、開放開始検出部7により機械式スイッチ2が開放動作を実際に開始したタイミングを検出するようにしているので、機械式スイッチ2の開放タイミングにバラツキがあっても、分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を、過度に遅らせることも早めることもなく適切なタイミングで開始させることができ補償対象負荷30の電圧品質の低下を防止できる。
しかも、機械式スイッチ2と半導体スイッチ31を並列接続したハイブリッドスイッチを遮断器部分に用いているので、常時における通電損失を抑えつつも、異常時には半導体スイッチ31を用いた転流遮断により、商用電力系統10と補償対象負荷30とを高速に遮断することができる。
このように構成した本実施形態の無停電電源システム100によれば、商用電力系統10の異常が検出された場合には、機械式スイッチ2を開放するとともに分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始するので、系統異常時にも補償対象負荷に電力を供給することができる。ここで、機械式スイッチ2に対して開放指令を出力した後、開放開始検出部7により機械式スイッチ2が開放動作を実際に開始したタイミングを検出するようにしているので、機械式スイッチ2の開放タイミングにバラツキがあっても、分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を、過度に遅らせることも早めることもなく適切なタイミングで開始させることができ補償対象負荷30の電圧品質の低下を防止できる。
しかも、機械式スイッチ2と半導体スイッチ31を並列接続したハイブリッドスイッチを遮断器部分に用いているので、常時における通電損失を抑えつつも、異常時には半導体スイッチ31を用いた転流遮断により、商用電力系統10と補償対象負荷30とを高速に遮断することができる。
また無停電電源システムは、分散型電源制御部8が、開放タイミングが検出されてから第1遅延時間の経過時、又は電圧異常が検出されてから、第1遅延時間よりも長い所定の第2遅延時間の経過時、のいずれか早い時点で分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始させるように構成されているので、例えば、機械式スイッチ2の開放時に転流回路3に流れる電流が非常に小さく、開放開始検出部7により開放タイミングが検出できない場合であっても、商用電力系統10側の電圧異常が検出されてから所定時間経過後に分散型電源1から補償対象負荷30への電力の供給を開始することができ、補償動作を確実に行うことができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば他の実施形態の無停電電源システム100は、図3に示すように、系統異常検出部5が商用電力系統10の電圧異常を検出すると、系統異常検出信号を開放開始検出部7に出力し、開放開始検出部7が、転流回路3の電流値と、系統異常検出信号を受けてからの遅延時間とをOR条件として、開放開始検出信号を出力するように構成されてもよい。この遅延時間は、機械式スイッチ2の開極特性により定まる既知の開極上限時間に相当する。このように構成することで、例えば開放停電時等、転流回路3における転流の検出が困難な場合でも停電を検出して、補償対象負荷30に対して無停電で確実に電力を供給することができる。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・電源システム
10 ・・・商用電力系統
30 ・・・負荷
L1 ・・・電力線
1 ・・・分散型電源
2 ・・・機械式スイッチ
3 ・・・転流回路
31 ・・・半導体スイッチ
5 ・・・系統異常検出部
6 ・・・開閉制御部
7 ・・・開放開始検出部
8 ・・・分散型電源制御部
10 ・・・商用電力系統
30 ・・・負荷
L1 ・・・電力線
1 ・・・分散型電源
2 ・・・機械式スイッチ
3 ・・・転流回路
31 ・・・半導体スイッチ
5 ・・・系統異常検出部
6 ・・・開閉制御部
7 ・・・開放開始検出部
8 ・・・分散型電源制御部
Claims (5)
- 商用電力系統の正常時に当該商用電力系統から補償対象負荷に給電し、前記商用電力系統の異常時に前記商用電力系統から前記補償対象負荷への給電を遮断するとともに、前記商用電力系統から前記補償対象負荷に給電するための電力線に接続された分散型電源から前記補償対象負荷に給電する常時商用給電方式の無停電電源システムであって、
前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられ、前記電力線を開閉する機械式スイッチと、
前記機械式スイッチに並列接続された転流回路に設けられた半導体スイッチと、
前記機械式スイッチよりも前記商用電力系統側の電圧異常を検出する系統異常検出部と、
前記電圧異常が検出されると、前記機械式スイッチに対して開放指令を出力するとともに、前記半導体スイッチに対してオン指令を出力する開閉制御部と、
前記開放指令の出力後、前記機械式スイッチが開放動作を開始した開放タイミングを検出する開放開始検出部と、
前記開放開始検出部が検出した前記開放タイミングに基づいて、前記分散型電源から前記補償対象負荷への電力の供給を開始させる分散型電源制御部とを備える無停電電源システム。 - 前記分散型電源制御部は、前記開放タイミングが検出されてから、前記機械式スイッチの開極特性に応じて整定された所定の第1遅延時間の経過後に前記補償対象負荷への前記分散型電源の出力を開始する請求項1に記載の無停電電源システム。
- 前記分散型電源制御部は、
前記開放タイミングが検出されてから前記第1遅延時間の経過時、又は
前記電圧異常が検出されてから、前記第1遅延時間よりも長い所定の第2遅延時間の経過時、のいずれか早い時点で前記分散型電源から前記補償対象負荷への電力の供給を開始させる請求項2に記載の無停電電源システム。 - 前記開放開始検出部が、前記転流回路を流れる電流値に基づいて前記開放タイミングを検出するものである請求項1又は2に記載の無停電電源システム。
- 前記開放開始検出部が、前記機械式スイッチの極間電圧値に基づいて前記開放タイミングを検出するものである請求項1又は2に記載の無停電電源システム。
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JP2022029034A JP2023125090A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 無停電電源システム |
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Family Applications (1)
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-
2022
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